JP6478808B2 - 多価カルボン酸およびそれを含有する多価カルボン酸組成物、エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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さらに、近年オプトエレクトロニクス関連分野における利用が注目されており、高度情報化に伴い、膨大な情報を円滑に伝送、処理するために、従来の電気配線による信号伝送に変わり、光信号を生かした技術が開発されていく中で、光導波路、青色LED、および光半導体等の光学部品の分野においては透明性に優れた硬化物を与える樹脂組成物の開発が望まれている。
一般にオプトエレクトロニクス関連分野で用いられるエポキシ樹脂の硬化剤としては酸無水物系の化合物が挙げられる。特に飽和炭化水素で形成された酸無水物は硬化物が耐光性に優れることから、利用されることが多い。これら酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂環式酸無水物が一般的であり、中でも常温で液状であるメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が取扱いの容易さから主に使用されている。
しかしながら上記脂環式酸無水物をエポキシ樹脂の硬化剤として用いた場合、これらの化合物は蒸気圧が高く、硬化時に一部が蒸発するため、エポキシ樹脂の硬化剤として用いて開放系で熱硬化させる際には、酸無水物自体が大気中に揮発してしまう。この結果、大気への有害物質の放出による環境汚染、人体への悪影響、生産ラインの汚染、硬化物中に所定量のカルボン酸無水物(硬化剤)が存在しないことに起因するエポキシ樹脂組成物の硬化不良が起こるなどの問題が発生する。硬化剤の揮発による硬化条件のバラつきが、硬化物の物性のバラつきとなり、安定して目的とした性能を有する硬化物を得ることが困難となる。
また、揮発の問題は、従来の酸無水物を硬化剤として用いて構成された光半導体封止用硬化性樹脂組成物でLED、特にSMD(Surface Mount Device)を封止した際は顕著であり、使用する樹脂量が少ないため、へこみが発生、ひどい場合には、ワイヤーが露出してしまう。さらには半田リフロー時のクラック、剥離、長期点灯にも耐えることが困難であるという問題が発生する。
一方、本発明の多価カルボン酸と近似するイソシアヌル環を有する多価カルボン酸は、例えば特許文献1などで、エポキシ樹脂の硬化剤として公知である。しかしながら特許文献に記載の多価カルボン酸は酸無水物化合物に溶解することが困難であり、室温(25℃)で、液状で使用することが必要な分野では適応が困難であった。
すなわち本発明は、下記(1)〜(11)に関する。
(1)下記式(1)で表される多価カルボン酸(A)。
(2)(1)に記載の式(1)で表される多価カルボン酸(A)が、下記式(1−1)で表される多価カルボン酸(A)
(3)(1)に記載の式(1)で表される多価カルボン酸(A)が、下記式(1−2)で表される多価カルボン酸(A)
(4)(1)〜(3)のいずれか一項に記載の多価カルボン酸(A)を含有する多価カルボン酸組成物(C)。
(5)(1)〜(3)に記載の式(1)で表される多価カルボン酸(A)と、カルボン酸無水物化合物(B)を含有する多価カルボン酸組成物(C)。
(6)カルボン酸無水物化合物(B)が下記式(2)〜(7)より一種以上選択される、(5)に記載の多価カルボン酸組成物(C)。
(8)さらにエポキシ樹脂硬化促進剤(E)を含有する(7)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(9)エポキシ樹脂硬化促進剤(E)が、金属石鹸系硬化促進剤である(8)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(10)金属石鹸系硬化促進剤が、カルボン酸亜鉛化合物である(9)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(11)(7)〜(10)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
炭素数1〜15のカルボキシル基を含有する有機基は、1つ以上のカルボキシル基を含有する。
ここで、硬度を向上させるには上記式(8)で表される有機基が好ましく、粘度を低減させるためには上記式(9)で表される有機基が好ましい。
また、R2bのアルキレン基は、耐熱性、耐光性、耐硫化性の観点から分岐鎖を有していることが好ましく、特にアルキレン基上の2つ以上の異なる炭素原子から分岐鎖が伸びていることが好ましい。そして、分岐鎖を有する炭素数1〜6(好適には、炭素数1〜3)のアルキレン基が好ましく、アルキレン基上の2つ以上の異なる炭素原子から分岐鎖が伸びている炭素数1〜6(好適には、炭素数1〜3)のアルキレン基がより好ましい。
式(15)中、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、mは整数で1〜9をそれぞれ表し、式(15)中、複数存在するR3は同一であっても異なっていても構わない。R3の中の炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。mは整数で1〜9を表し、得られる硬化物の耐熱透明性の観点から、1〜5が好ましく、1〜2が特に好ましい。
これらの溶剤は1種又は2種以上を混合して用いても良い。溶剤を用いる場合の使用量は、前述の式(10)で表されるテトラヒドロキシアルキルグリコールウリル化合物と式(14)および/又は式(15)で表されるカルボン酸無水物化合物の合計100質量部に対して、0.5〜300質量部が好ましい。
触媒を用いる場合、1種または2種以上を混合して用いることもできる。
触媒を用いる場合の使用量は、前述の式(10)で表されるグリコールウリルテトラヒドロキシアルキル化合物と式(14)および/又は式(15)で表されるカルボン酸無水物化合物の合計100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましい。
触媒の添加方法は、直接添加するか、可溶性の溶剤等に溶解させた状態で使用する。この際、メタノール、エタノール等のアルコール性の溶媒や水を用いることは、未反応の、式(14)および/又は式(15)で表されるカルボン酸無水物化合物と反応してしまうため、避けることが好ましい。
本発明においては、得られる多価カルボン酸(A)又は多価カルボン酸組成物(C)の硬化物において、透明性、耐熱透明性を向上させる観点からはオクチル酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛を触媒として好ましく使用することができ、得られる多価カルボン酸(A)又は多価カルボン酸組成物(C)の着色を低減させる観点からは無触媒で反応を行うことが好ましい。
中でも、透明性、耐硫化性に優れる硬化物を得るために、特にステアリン酸カルシウム、カルボン酸亜鉛(2−エチルヘキサン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ミスチリン酸亜鉛)やリン酸エステル亜鉛(オクチルリン酸亜鉛、ステアリルリン酸亜鉛等)等の亜鉛化合物が好ましく使用できる。
水洗工程を行なう場合、使用している溶剤の種類によっては水と分離可能な溶剤を加えることが好ましい。好ましい溶剤としては例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、ブタン酸イソプロピルなどのエステル類、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンのような炭化水素等が例示できる。
反応や水洗に溶剤を用いた場合、減圧濃縮などによって除くことができる。
検出器:RI(示差屈折検出器)}において、本願式(1)で表される化合物のピークより早いリテンションタイムのピークと遅いリテンションタイムのピークの化合物が混在していることが好ましい。当該早いリテンションタイムのピーク(以下、ピークfと称す。)としては、リテンションタイムが本願式(1)の化合物のピークより1〜3分早い、例えば18〜20分の化合物がある。当該ピークfの化合物のGPCの面積%としては、1〜30面積%であることが機械的強度上昇の観点から好ましく1〜10面積%であることが特に好ましい。また、当該遅いリテンションタイムのピークとしては2〜3つ存在する可能性があり(以下、ピークsと称す。)、リテンションタイムが本願式(1)の化合物のピークより1〜5分遅い、例えば21〜25分の化合物が該当する。当該ピークsの化合物のGPCの面積%としては、1〜10面積%であることが接着性向上の観点から好ましく、1〜5面積%であることがより好ましい。下記式(16)で表される多価カルボン酸の多量体が生成することがある。尚、これらの化合物はピークfの化合物に該当すると考えられる。
また、本発明の多価カルボン酸(A)の官能基当量は、135〜312g/eqのものが好ましく、150〜300g/eqのものがより好ましく、特に180〜280g/eqが好ましい。
本発明の多価カルボン酸組成物(C)は、多価カルボン酸(A)と、カルボン酸無水物化合物(B)を必須成分とする。
本発明の多価カルボン酸組成物(C)は前記各成分を常温もしくは加温下で均一に混合することにより得られる。例えば、薬匙、押出機、ニーダー、三本ロール、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー、ビーズミル等を用いて均一になるまで充分に混合し、必要によりSUSメッシュ等によりろ過処理を行うことにより調製される。
調整する際、後述するエポキシ樹脂(D)、硬化促進剤(E)、接着助剤、酸化防止剤、光安定剤等を一緒に混合してもよい。
この反応の際の両者の仕込み比率としては、その官能基当量で、該酸無水物基1当量に対して、グリコールウリルテトラヒドロキシアルキル化合物の水酸基当量で、0.001〜0.7当量、より好ましくは0.01〜0.5当量の範囲で仕込むのが好ましい。
(a);分子内に2つ以上の水酸基を含有する多価アルコール化合物としては、分子内に2つ以上のアルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1.3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン等のジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオール等のトリオール類、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン等のテトラオール類、ジペンタエリスリトールなどのヘキサオール等、末端アルコールポリエステル、末端アルコールポリカーボネート、末端アルコールポリエーテル、シロキサン構造を有する多価アルコール等が挙げられる。
特に好ましいアルコール類としては炭素数が5以上のアルコールであり、特に1,6-ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン等の化合物が挙げられ、中でも2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,4−ジエチルペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン等の化合物等の分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類がより好ましい。高い耐硫化性を付与する観点から、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン等の化合物が特に好ましい。中でも、特に分岐鎖状構造においては、分岐鎖を2つ以上有することが好ましく、特に分岐鎖が異なる炭素原子から伸びていることが好ましい。ここで、当該分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類は炭素数が5〜25であることが好ましく、5〜20であることが特に好ましい。
シロキサン構造を有する多価アルコールは特に限定されないが、例えば下記式で表されるシリコーンオイルを使用することができる。
得られる多価カルボン酸樹脂を液状で使用し、高い耐硫化性を付与するため、前述したシロキサン構造を有する多価アルコールと、炭素数が5〜25の分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類を混合して用いることが好ましい。
シロキサン構造を有する多価アルコールと炭素数が5〜25の分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類を混合して用いる場合、その使用量は全アルコール化合物中(シロキサン構造を有する多価アルコール)/(炭素数が5〜25の分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類)は1〜20が好ましく、硬化物の耐熱透明性、多価カルボン酸樹脂の適度な粘度の観点から5〜15が好ましく、6〜10が特に好ましい。
付加反応の条件は、前述した本発明の多価カルボン酸(A)の製造と同様の条件で反応できる。
前記脂肪族系エポキシ樹脂としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル類が挙げられる。
前記複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂が挙げられる。
前記グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸エステル類からなるエポキシ樹脂が挙げられる。
前記グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
前記ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えばブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
Xにおける有機基とは、C、H、N、O原子からなる化合物を表し、エポキシ基含有の有機基の具体例としては、2,3−エポキシシクロヘキシルエチル基、3―グリシドキシプロピル基が挙げられ、硬化物の耐熱透明性の観点から2,3−エポキシシクロヘキシルエチル基が好ましい。ここで、有機基における炭素数は1〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましい。また、炭素数1〜5のアルキレン基を介在して2,3−エポキシシクロヘキシルエチル基、3―グリシドキシプロピル基が付加している基であることが好ましい。
Xにおける炭素数1〜6の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基が挙げられるが、硬化物の耐熱透明性の観点から、メチル基、フェニル基が好ましく、製造容易性の観点からメチル基が特に好ましい。
nは化合物の製造容易性から2が好ましい。
環状ハイドロジェンシロキサン化合物の具体例としては、トリメチルトリシクロシロキサン、トリフェニルトリシクロシロキサン、テトラメチルテトラシクロシロキサン、テトラフェニルテトラシクロシロキサン、ペンタメチルペンタシクロシロキサン、ペンタフェニルペンタシクロシロキサン等が挙げられ、製造の容易性からテトラメチルテトラシロキサンが好ましい。
分子内にエポキシ基を有するオレフィン化合物としては、4−ビニル−1,2−エポキシシクロヘキサン、3−グリシドキシ−1,2−プロペン等が挙げられ、硬化物の耐熱透明性の観点から4−ビニル−1,2−エポキシシクロヘキサンが好ましい。
溶液として用いる場合、触媒を0.05〜50重量%に調整して反応液に添加する。
エポキシ樹脂硬化促進剤(E)としては本発明の多価カルボン酸(A)又は多価カルボン酸組成物(C)と、エポキシ樹脂(D)の硬化反応を促進する能力のあるものは何れも使用可能であるが、使用できる硬化促進剤(E)の例としては、アンモニウム塩系硬化促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、金属石鹸系硬化促進剤、イミダゾ−ル系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤、ホスファイト系硬化促進剤、ルイス酸系硬化促進剤等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においてエポキシ樹脂硬化促進剤(E)の配合比率は、エポキシ樹脂組成物100重量部に対して0.001〜15重量部の硬化促進剤を使用することが好ましい。
金属石鹸系硬化促進剤としては、例えばオクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸マンガン、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸リチウム、モンタン酸ナトリウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸リチウム、ベヘン酸ナトリウム、ベヘン酸銀、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸リチウム、ウンデシレン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、リシノール酸バリウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛等が挙げられる。これら触媒は1種又は2種以上を混合して用いても良い。
透明性、耐硫化性に優れる硬化物を得るために、特にステアリン酸亜鉛、モンタン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛等の炭素数10〜30のカルボン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等の水酸基を有する炭素数10〜30のモノカルボン酸化合物からなる亜鉛塩が好ましく使用できる。これらの中でも特に、ポットライフ、耐硫化性に優れる観点から、ステアリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の炭素数10〜20のモノカルボン酸化合物からなる亜鉛塩、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等の水酸基を有する炭素数15〜20のモノカルボン酸化合物からなる亜鉛塩が好ましく使用でき、さらに好ましくはステアリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛が使用でき、特に好ましくはステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛が使用できる。
使用できるカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤;イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤;Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
これらカップリング剤は1種又は2種以上を混合して用いても良い。
カップリング剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物において通常0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部が必要に応じて含有される。
前記アミン化合物としては、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−トトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタアクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N’,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダートアミン系、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられるが、特に好ましくは、ヒンダートアミン系化合物である。
市販されているアミン系化合物としては特に限定されず、例えば、チバスペシャリティケミカルズ製として、TINUVIN765、TINUVIN770DF、TINUVIN144、TINUVIN123、TINUVIN622LD、TINUVIN152、CHIMASSORB944、ADEKA製として、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63P、LA−77Y、LA−81、LA−82、LA−87などが挙げられる。
注入方法としては、ディスペンサー等が挙げられる。
加熱は、熱風循環式、赤外線、高周波等の方法が使用できる。加熱条件は例えば80〜230℃で1分〜24時間程度が好ましい。加熱硬化の際に発生する内部応力を低減する目的で、例えば80〜120℃、30分〜5時間予備硬化させた後に、120〜180℃、30分〜10時間の条件で後硬化させることができる。
○GPC:GPCは下記条件にて測定した。
GPCの各種条件
メーカー:ウォーターズ
カラム:SHODEX GPC LF−G(ガードカラム)、KF−603、KF−602.5、KF−602、KF−601(2本)
流速:0.4ml/min.
カラム温度:40℃
使用溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
検出器:RI(示差屈折検出器)
○酸価:以下の方法により測定した。
サンプルを約0.15g秤量し、メチルエチルケトン20ml、エタノール20mlで溶解したのち、京都電子工業製滴定装置AT−610を使用し、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて滴定し、酸価を測定した。
○官能基当量:以下の方法により測定した。
多価カルボン酸組成物を約0.15g秤量し、メタノール(試薬特級)40mlで溶解したのち、20〜28℃で10分間撹拌し、測定サンプルとした。測定サンプルを、京都電子工業製滴定装置AT−610を使用し、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて滴定し、酸価として得られた値を官能基当量として算出した。
○DSCを用いた融点:
JIS K7121に記載の方法で測定し、融解ピークの頂点を融点とした。
○粘度:東機産業株式会社製E型粘度計(TV−20)を用い、25℃で測定した。
○熱重量減少:島津製作所製TG/DTA6200を用い、30℃から20℃/minで昇温させ、120℃まで加熱し、120℃で60分保持した後の重量減少率を測定した。測定中、200ml/minで空気を流した。
ガラス製500mlセパラブルフラスコに、窒素パージを施しながらTH−G(四国化成工業製 テトラヒドロキシエチルグルコールウリル)6.4g、リカシッドMH−T(新日本理化製 4−メチルヘキサヒドロフタル酸)10.1g、トルエン20gを仕込み、ジムロートコンデンサ、撹拌装置、温度計を設置し、オイルバスにフラスコを浸した。オイルバスを加熱し、内温を70℃に保ち、そのまま4時間反応させた。
得られた反応液を100℃で減圧濃縮し、トルエンを留去することで、下記式(22)を主成分とする多価カルボン酸(A−1)を16.1g得た。得られた化合物のGPC純度(GPC面積%)は87%、酸価は201.4mgKOH/g、外観は白色の固体であった。また、DSCを用いた融点(ピーク頂点値)は62.9℃、熱重量減少は−1.8%であった。得られた化合物のGPCチャートを図−1に示す。
ガラス製500mlセパラブルフラスコに、窒素パージを施しながらTH−G(四国化成工業製 テトラヒドロキシエチルグルコールウリル)6.4g、YH1120(三菱化学製 2,4−ジエチルペンタン二酸無水物)10.2g、トルエン20gを仕込み、ジムロートコンデンサ、撹拌装置、温度計を設置し、オイルバスにフラスコを浸した。オイルバスを加熱し、内温を90℃に保ち、そのまま12時間反応させた。
得られた反応液を100℃で減圧濃縮し、トルエンを留去することで、下記式(23)を主成分とする多価カルボン酸(A−2)を16.1g得た。得られた化合物のGPC純度(GPC面積%)は90%、酸価は193.8mgKOH/g、外観は無色透明の高粘稠液体であった。また、熱重量減少は−1.9%であった。得られた化合物のGPCチャートを図−2に示す。
ガラス製500mlセパラブルフラスコに、窒素パージを施しながらTH−G(四国化成工業製 テトラヒドロキシエチルグルコールウリル)2.5g、リカシッドMH−T(新日本理化製 4−メチルヘキサヒドロフタル酸)19.4gを仕込み、ジムロートコンデンサ、撹拌装置、温度計を設置し、オイルバスにフラスコを浸した。オイルバスを加熱し、内温を70℃に保ち、そのまま6時間反応させた。GPCでテトラヒドロキシエチルグルコールウリルのピーク面積1%以下を確認し、多価カルボン酸とカルボン酸無水物化合物の混合物である多価カルボン酸組成物(C−1)21.7gが得られた。得られた混合物は無色透明の液状であり、GPCによる純度は前記式(22)で表される多価カルボン酸(A−1)が33.8面積%、下記式(24)で表される4−メチルヘキサヒドロフタル酸が0.4面積%、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物が64.3面積%であった。また官能基当量は175g/eq、粘度は1229mPa・s、熱重量減少は−44.2%であった。
ガラス製50mlビンに、実施例1で得られた多価カルボン酸(A−1)3g、リカシッドMH−T(新日本理化製 4−メチルヘキサヒドロフタル酸)7gを仕込み、150℃に加温したオーブンに入れ加温した。2時間後に取り出し薬匙で良く混合後、さらに2時間加温し多価カルボン酸組成物(C−2)10gを得た。得られた多価カルボン酸組成物(C−2)は無色透明の液状であり、GPCによる純度は多価カルボン酸(前記式(22)で表される(A−1))が33.3面積%、4−メチルヘキサヒドロフタル酸(前記式(24))が0.9面積%、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物が64.3面積%であった。また官能基当量は178g/eq、粘度は1034mPa・s、熱重量減少は−55.1%であった。
ガラス製50mlビンに、実施例2で得られた多価カルボン酸(A−2)5g、リカシッドMH−T(新日本理化製 4−メチルヘキサヒドロフタル酸)5gを仕込み、50℃に加温したオーブンに入れ加温した。2時間後に取り出し薬匙で良く混合後、さらに2時間加温し多価カルボン酸組成物(C−3)10gを得た。得られた多価カルボン酸組成物(C−3)は無色透明の液状であり、GPCによる純度は多価カルボン酸(前記式(23)で表される(A−2))が47.6面積%、4−メチルヘキサヒドロフタル酸(前記式(24))が0.7面積%、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物が47.2面積%、下記式(25)で表される2,4−ジエチルペンタン二酸が0.1面積%、2,4−ジエチルペンタン二酸無水物が1.2面積%であった。また官能基当量は201g/eq、粘度は3738mPa・s、熱重量減少は−27.4%であった。
ガラス製50mlビンに、下記式(26)で表されるイソシアヌル酸トリス(3−カルボキシプロピル)3g、リカシッドMH−T(新日本理化製 4−メチルヘキサヒドロフタル酸)7gを仕込み、80℃に加温したオーブンに入れ加温した。2時間後に取り出し薬匙で良く混合後、ガラスビンに回転子を入れ、90℃に加温したマグネチックスターラー上で5時間撹拌しながら加温したが、イソシアヌル酸トリス(3−カルボキシプロピル)はリカシッドMH−Tには溶解しなかった。撹拌を止めて室温(25℃)環境下で15時間後に確認したところ、イソシアヌル酸トリス(3−カルボキシプロピル)が沈殿していた。
実施例1〜2で得られた多価カルボン酸、実施例3〜5、比較例1で得られた多価カルボン酸組成物、比較例Aとして4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化社製、リカシッドMH−T)の、各成分の含有量、酸価又は官能基当量、粘度、熱重量減少の測定結果を表1にまとめた。
実施例3で得られた多価カルボン酸組成物(C−1)、エポキシ樹脂として3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート((株)ダイセル製、CEL2021P)、硬化促進剤としてオクチル酸亜鉛を、下記表1に記載の量比でポリプロピレン製容器に入れ、混合、5分間脱泡を行い、本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
実施例6の多価カルボン酸組成物(C−1)を、実施例5で得られた多価カルボン酸組成物(C−3)に変更した他は実施例6と同様に行い、本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
実施例6のオクチル酸亜鉛を、第4級ホスホニウムブロマイド塩の硬化促進剤U−CAT5003(サンアプロ社製)に変更した他は実施例5と同様に行い、本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
実施例6の多価カルボン酸組成物(C−1)を、実施例5で得られた多価カルボン酸組成物(C−3)に変更し、オクチル酸亜鉛を、第4級ホスホニウムブロマイド塩の硬化促進剤U−CAT5003(サンアプロ社製)に変更した他は実施例5と同様に行い、本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂硬化剤としてリカシッドMH−T(新日本理化社製、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物)、エポキシ樹脂として3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート((株)ダイセル製、CEL2021P)、硬化促進剤としてオクチル酸亜鉛を、下記表1に記載の量比でポリプロピレン製容器に入れ、混合、5分間脱泡を行い、比較例のエポキシ樹脂組成物を得た。
比較例2のオクチル酸亜鉛を、第4級ホスホニウムブロマイド塩の硬化促進剤U−CAT5003(サンアプロ社製)に変更した他は比較例2と同様に行い、比較例のエポキシ樹脂組成物を得た。
粘度
東機産業株式会社製E型粘度計(TV−20)を用い、25℃で測定した。
硬化時の重量減少
実施例6〜9、比較例2、3で得られたエポキシ樹脂組成物を真空脱泡5分間実施後、予め質量を秤量しておいた、30mm×20mm×高さ0.8mmになるように耐熱テープでダムを作成したガラス基板上に静かに注型し、注型後の質量を秤量した。その注型物を、120℃×1時間の予備硬化の後150℃×3時間で硬化させ、硬化後の質量を秤量し、硬化時の重量減少率を算出した。
硬化物透過率
実施例6〜9、比較例2、3で得られたエポキシ樹脂組成物を真空脱泡5分間実施後、30mm×20mm×高さ0.8mmになるように耐熱テープでダムを作成したガラス基板上に静かに注型した。その注型物を、120℃×1時間の予備硬化の後150℃×3時間で硬化させ、厚さ0.8mmの透過率用試験片を得た。得られた試験片を、ガラス基板から取り出し、下記条件にて400nmの光線透過率を測定した。
<分光光計測定条件>
メーカー:株式会社日立ハイテクノロジーズ
機種:U−3300
スリット幅:2.0nm
スキャン速度:120nm/分
硬化物硬さ
JIS K6253に記載の方法でデュロメータ硬さを測定した。
金ワイヤーの露出
実施例6〜9、比較例2、3で得られたエポキシ樹脂組成物を真空脱泡5分間実施後、シリンジに充填し精密吐出装置を使用して発光波長450nmを持つ発光素子を、金ワイヤーを用いてなる表面実装型LED(2.3×0.4mmの開口部、0.4mmの深さを有し、金ワイヤーの最上部は開口部から0.1mmの位置に存在する)に開口部が平面になるように注型した。120℃×1時間の予備硬化の後150℃×3時間で硬化し、表面実装型LEDを封止した。このように封止した後の硬化剤の揮発に伴う、金ワイヤーの露出(金ワイヤーの上端が硬化物最上面よりも上部にあり、完全に封止されていない状態)の有無を目視で評価した。表中、○;金ワイヤーが露出していない、×;金ワイヤーが露出していることを表す。
Claims (13)
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多価カルボン酸(A)を含有する多価カルボン酸組成物(C)。
- 請求項1〜3に記載の式(1)で表される多価カルボン酸(A)と、カルボン酸無水物化合物(B)を含有する多価カルボン酸組成物(C)。
- 請求項1〜6に記載の、多価カルボン酸(A)又は多価カルボン酸組成物(C)と、エポキシ樹脂(D)を含有するエポキシ樹脂組成物。
- さらにエポキシ樹脂硬化促進剤(E)を含有する請求項7に記載のエポキシ樹脂組成物。
- エポキシ樹脂硬化促進剤(E)が、金属石鹸系硬化促進剤である請求項8に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 金属石鹸系硬化促進剤が、カルボン酸亜鉛化合物である請求項9に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項7〜10のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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