JP2017030851A - キャリアテープ、テープ状包装体及びキャリアテープの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像認識装置による画像認識時の誤認識を防止することができ、カバーテープとの十分な接着性及び良好な剥離性を有するキャリアテープを提供すること。
【解決手段】テープ本体と、テープ本体の一方の主面から他方の主面に向かって窪む凹部によって形成される収納部と、を備え、テープ本体の一方の主面は、収納部の開口縁部の一部又は全部を含む領域に形成されたマット面と、マット面以外の領域に形成された平滑面と、を有する、キャリアテープ。
【選択図】図1
【解決手段】テープ本体と、テープ本体の一方の主面から他方の主面に向かって窪む凹部によって形成される収納部と、を備え、テープ本体の一方の主面は、収納部の開口縁部の一部又は全部を含む領域に形成されたマット面と、マット面以外の領域に形成された平滑面と、を有する、キャリアテープ。
【選択図】図1
Description
本発明は、キャリアテープ、キャリアテープを用いたテープ状包装体、及びキャリアテープの製造方法に関する。
従来、電子部品を搬送するための包装材として、収納部が形成されたテープ本体と、収納部の開口部を覆うようにテープ本体に積層されたカバーテープと、によって電子部品を梱包する、エンボスキャリアテープが知られている。
また、従来、画像認識装置等を用いて、エンボスキャリアテープに収納された製品の外観検査が行われている。このような外観検査において、収納部の内側面への製品像の映り込みを防止することを目的として、特許文献1には、収納部の内壁面に凹凸部を設けたエンボスキャリアテープが開示されている。また、特許文献2には、製品収納部の内側面に梨地処理が施されたエンボスキャリアテープが開示されている。
近年、搬送される電子部品及びそれを収納する収納部が微細化したことで、外観検査以外のプロセスでも画像認識装置の重要性が増していることから、画像認識装置による画像認識時の誤認識を防止する方法が望まれている。
また、キャリアテープの搬送時には、電子部品が収納された収納部を覆うカバーテープが接着されて部品の飛び出しを防ぐため、キャリアテープとカバーテープの十分な接着性が求められている。一方、部品の取出し時にはカバーテープが剥離されるため、カバーテープが一定の加力で安定した剥離が可能であることが求められている。
本発明の一形態に係るキャリアテープは、テープ本体と、テープ本体の一方の主面から他方の主面に向かって窪む凹部によって形成される収納部と、を備える。このキャリアテープにおいて、テープ本体の一方の主面は、収納部の開口縁部の一部又は全部を含む領域に形成されたマット面と、マット面以外の領域に形成された平滑面と、を有する。
このような形態によれば、収納部の開口縁部を含む領域にマット面が形成されているため、画像認識装置での検出に際し、収納部の開口縁部におけるハレーションが抑制され、当該ハレーションに起因する誤認識が防止される。また、このような形態では、収納部開口側のテープ本体の主面が平滑面を有するため、当該平滑面でカバーテープと接着させることで十分な接着性及び良好な剥離性が得られる。
別の形態に係るキャリアテープにおいて、平滑面は、テープ本体の幅方向において収納部の両側に形成されていてよい。
別の形態に係るキャリアテープにおいて、マット面は、収納部の開口縁部の全部を含む領域に形成されていてよい。
別の形態に係るキャリアテープは、テープ本体と、テープ本体の一方の主面から他方の主面に向かって窪む凹部によって形成される収納部と、を備える。このキャリアテープにおいて、テープ本体の一方の主面は、当該一方の主面上のマット面によって構成され、テープ本体の長手方向に沿って配置されたマット面部と、上記一方の主面上の平滑面によって構成され、テープ本体の幅方向においてマット面部の両側で、上記長手方向に沿って配置された平滑面部と、を有する。また、収納部は、マット面部の中に配置されている。
このような形態によれば、収納部がマット面部の中に配置されているため、収納部の開口縁部におけるハレーションが抑制され、画像認識装置での誤認識が防止される。また、このような形態では、平滑面部においてカバーテープと接着させることで、十分な接着性及び良好な剥離性を得ることができる。
別の形態に係るキャリアテープにおいて、テープ本体は、耐熱性樹脂を含む樹脂材料から形成されていてよい。
本発明の一形態に係るテープ状包装体は、上述のキャリアテープと、収納部に収納された部品と、収納部の開口を覆うようにキャリアテープ上に配設され、平滑面においてキャリアテープと接着されたカバーテープと、を備える。このような形態では、キャリアテープとカバーテープとが十分な接着性及び良好な剥離性をもって接着されており、搬送時及びカバーテープ剥離時の使用性に優れる。また、このような形態では、カバーテープの剥離後、画像認識装置で画像認識した場合に、収納部の開口縁部でのハレーションが抑制され、それに起因する誤認識が十分に防止される。
本発明の一形態に係るキャリアテープの製造方法は、テープ基材の一方の主面に、平滑部及びマット部を有するダイを用いて平滑面及びマット面を形成する工程と、平滑面及びマット面が形成されたテープ基材に、柱状凸部を有する金型を圧接させて、収納部を形成する工程と、を含む。このような形態では、上述のキャリアテープが簡便に製造される。
本発明によれば、画像認識装置による画像認識時の誤認識を防止することができ、カバーテープとの十分な接着性及び良好な剥離性を有する、キャリアテープ及びその製造方法が提供される。また、本発明によれば、上記キャリアテープを用いたテープ状包装体が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態に係るキャリアテープを備えるテープ状包装体を示す断面斜視図である。図2は、一実施形態に係るキャリアテープを示す平面図である。図3は、図2に示すIII−III線に沿った拡大断面図である。
ここで、キャリアテープとは、部品を収納する収納部を有するテープ状の包装具である。キャリアテープによれば、収納部に部品を収納し、収納部の開口をカバーテープで覆うことで容易に部品が梱包される。部品梱包後の包装体は、リール状に巻き重ねて搬送される。すなわち、キャリアテープは部品搬送用の包装具ということもできる。
図1に示すように、テープ状包装体100は、収納部12を有するキャリアテープ10と、カバーテープ20と、部品30とを備えている。テープ状包装体100において、カバーテープ20は、収納部12の開口を覆うようにキャリアテープ10上に接着されている。また、部品30は、キャリアテープ10の収納部12に収納され、キャリアテープ10及びカバーテープ20により梱包されている。
図2及び図3に示すように、キャリアテープ10は、テープ本体11と、部品30を収納する収納部12と、を備えている。
テープ本体11は、耐熱性樹脂を含む樹脂材料から形成された帯状の部材である。耐熱性樹脂は、例えば6ナイロン(PA6)、66ナイロン(PA66)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)等であってよい。耐熱性樹脂は、例えば、熱変形温度が100〜300℃の樹脂であってよく、100〜150℃の樹脂であってよい。樹脂材料は耐熱性樹脂以外の成分を含んでいてよく、例えば帯電防止剤、導電剤(カーボンブラック等)等を含んでいてよい。
テープ本体11の厚さD1は、例えば0.10〜0.40mmであってよく、0.15〜0.25mmであってよい。なお、収納部12の底部での厚さD2は、例えば0.01〜0.30mmであってよく、0.05〜0.20mmであってよい。テープ本体11の幅方向の長さL1は、例えば4〜50mmであってよく、4〜12mmであってよい。
収納部12は、テープ本体11の一方の主面11aから他方の主面11bに向かって窪む凹部によって形成されている。収納部12は、マット面部15の中に配置されており、収納部12の開口縁部18がマット面13の一部を成している。キャリアテープ10においては、テープ本体11の長手方向に沿って一定の間隔で複数個の収納部12が設けられている。各収納部12間の距離L5は、例えば0.5〜12.0mmであってよく、0.5〜2.0mmであってよい。また、収納部12は、テープ本体11の幅方向における一方の端部寄りの位置に設けられている。
主面11a側において、収納部12は、主面11aに対して略垂直な4つの側面と主面11bに対して略平行な底面とを有する略直方体状の凹部によって形成されてもよい。また、収納部12の開口縁部18は、主面11aと収納部12の側面とを曲面で繋ぐように形成されていてもよい。主面11b側においては、収納部12を形成する凹部の形状に対応してテープ本体11が隆起し、凸部を成している。
キャリアテープ10において収納部12の開口形状は長方形状であり、収納部12は、その開口長辺12a,12bがテープ本体11の幅方向と平行になるように形成されている。収納部12の開口長辺12a,12bの長さは、例えば0.1〜10.0mmであってよく、0.1〜1.0mmであってよい。また、収納部12の開口短辺12c,12dの長さは、例えば0.1〜10.0mmであってよく、0.1〜1.0mmであってよい。また、収納部3の深さD3は、例えば0.05〜3.0mmであってよく、0.1〜0.5mmであってよい。収納部3のサイズ及び形状は、収納する部品のサイズ及び形状に応じて適宜調整される。
キャリアテープ10には、キャリアテープ10をその長手方向に搬送するためのスプロケット孔17が形成されている。スプロケット孔17は、テープ本体11の幅方向における他方の端部(収納部)寄りの位置に設けられている。スプロケット孔17は、テープ本体11の長手方向に沿って一定の間隔で複数個設けられており、スプロケット孔17の形状及び間隔は、搬送装置の歯形及びピッチ等に応じて適宜設定される。
テープ本体11は、一方の主面11a上にマット面13及び平滑面14を有している。なお、テープ本体11の他方の主面11bは特に限定されず、例えばマット面であってよく、平滑面であってよい。
マット面13は、収納部12の開口縁部18の一部又は全部を含む領域に形成されている。本実施形態では、マット面13は、収納部12の開口縁部18を含むように、収納部12の開口長辺12a,12bより広幅で、テープ本体11の長手方向に沿って連続して形成されている。言い換えると、主面11aは、主面11a上のマット面13によって構成され、テープ本体11の長手方向に沿って配置されたマット面部15を有している。なお、マット面部15とは、テープ本体11の領域のうち、マット面13が形成されている領域を指すものとする。
マット面13は、JIS Z 8741:1997に準拠して測定される60度鏡面光沢度が5〜70の面であってよく、10〜60の面であってよい。テープ本体11の幅方向の長さL1が4mmの場合、マット面部15の幅L2は、例えば0.2〜2.0mmであってよく、0.5〜1.5mmであってよい。また、マット面部15の幅方向の端部から収納部12の開口までの距離L3は、例えば0〜1.0mmであってよく、0〜0.5mmであってよい。マット面13(マット面部15)は、テープ本体11の幅方向における一方の端部寄りの位置に形成されている。当該端部からの距離L4は、例えば0.3〜1.2mmであってよく、0.5〜1.0mmであってよい。
平滑面14は、テープ本体11の主面11aのうち、マット面13以外の領域に形成されている。本実施形態では、平滑面14は、テープ本体11の幅方向におけるマット面13の両側で、テープ本体11の長手方向に沿って連続して形成されている。言い換えると、主面11aは、主面11a上の平滑面14によって構成され、テープ本体11の長手方向に沿って配置された平滑面部16を有している。なお、平滑面14とは、テープ本体11の領域のうち、平滑面14が形成されている領域を指すものとする。
平滑面14は、JIS Z 8741:1997に準拠して測定される60度鏡面光沢度が50〜100の面であってよく、60〜90の面であってよい。平滑面部16は、マット面部15の幅方向の両側に、テープ本体11の長手方向に沿って連続して形成されていてよい。平滑面部16は、マット面部15の幅方向の両側に、マット面部15と隣接して又は離間して、所定の幅で設けられていてよい。当該所定の幅は、カバーテープ20の接着に必要であればよく、例えば0.3〜2.0mmであってよく、0.5〜1.0mmであってよい。言い換えると、カバーテープ20との接着面に相当する領域が平滑面14であればよい。また、平滑面部16はカバーテープ20との接着面を含んで形成されていればよい。
キャリアテープ10は、例えば、テープ基材の一方の主面に、平滑部及びマット部を有するダイを用いてマット面13及び平滑面14を形成する第一の工程と、マット面13及び平滑面14が形成されたテープ基材に、柱状凸部を有する金型を圧接させて、収納部12を形成する第二の工程と、を含む製造方法で製造される。
図4は、一実施形態に係るキャリアテープの製造方法における、第一の工程を示す模式図である。図4に示すように、第一の工程では、マット部41及び平滑部42を有するダイ40によって、テープ基材19の一方の主面上にマット面13及び平滑面14が形成される。ダイ40のマット部41及び平滑部42は、それぞれテープ基材19の主面上にマット面13及び平滑面14を形成し得るものであればよく、その形状は限定されない。テープ基材19の材質は、テープ本体11を形成する樹脂材料であってよい。
第一の工程は、テープ基材19を塑性変形する状態でダイ40に供給して、マット部41及び平滑部42の表面状態をテープ基材19の主面上に転写することで、マット面13及び平滑面14を形成する工程であってよい。上記の塑性変形する状態は、例えば、テープ基材19を形成する熱可塑性の樹脂材料が、軟化点以上に加熱された状態であってよい。また、第一の工程は、テープ基材19をテープ状に成形後、ダイ40を圧接させてマット面13及び平滑面14を形成する工程であってよい。
第二の工程では、柱状凸部を有する金型を、マット面13上に圧接させて、マット面13が形成された領域内に収納部12を形成してよい。柱状凸部の形状は、収納部12の形状に応じて変更してよい。
テープ状包装体100において、カバーテープ20は、キャリアテープ10の主面11a上において収納部12の開口を覆うように配設され、幅方向の両端でキャリアテープ10の平滑面14と接着されている。カバーテープ20の接着の態様は、例えばヒートシールであってよい。カバーテープ20の幅は、収納部12の開口を覆い且つその幅方向の両端でキャリアテープ10の平滑面14と接着可能な幅であればよい。カバーテープ20は単層であっても、多層であってもよい。カバーテープ20の厚さは、例えば0.02〜0.10mmであってよく、0.04〜0.08mmであってよい。
テープ状包装体100において、部品30は、キャリアテープ10の収納部12に収納され、キャリアテープ10及びカバーテープ20により梱包されている。部品30は、電子部品であってよく、電子部品の具体例としては集積回路(IC)、コンデンサ、インダクタ、抵抗器等が挙げられる。
次に、本実施形態に係るキャリアテープ10の作用・効果について説明する。
近年、搬送される電子部品が微細化したことで、製品の外観検査以外のプロセスでも、画像認識装置の利用が期待されている。例えば、電子部品の梱包時に、画像認識装置で収納部の位置及び電子部品の収納の有無を確認することで、電子部品収納の自動化が期待されている。ところで、従来のキャリアテープは、カバーテープとの十分な接着性及び良好な剥離特性を得るため、主面全体を平滑面で形成されることがあった。しかし、このようなキャリアテープでは、画像認識装置での検出に際し、収納部の開口縁部にハレーションが生じ、このハレーションが画像認識装置の誤認識を誘因する場合があった。一方、キャリアテープの主面全体がマット面である場合には、カバーテープとの接着面が一様とならず、カバーテープとの十分な接着性が確保できない場合や、電子部品の取り出し時にカバーテープの安定した剥離が困難となる場合があった。
キャリアテープ10では、収納部12の開口縁部18を含む領域にマット面13が形成されているため、画像認識装置での検出に際し、収納部12の開口縁部18におけるハレーションが抑制され、該ハレーションに起因する誤認識が防止される。これにより、画像認識装置によって、収納部の位置確認、収納部内の電子部品の有無等を正確に検知することができる。また、キャリアテープ10では、収納部12の開口側の主面11aに平滑面14を有するため、当該平滑面14でカバーテープと接着させることで十分な接着性及び良好な剥離特性が得られる。
ここで、図5(a)は、主面全体が平滑面であるキャリアテープの画像認識装置による検出結果を示す図であり、図5(b)は、収納部の開口縁部を含む領域にマット面が形成されたキャリアテープの画像認識装置による検出結果を示す図である。図5(a)及び(b)に示すように、収納部の開口周縁が平滑面である場合はハレーションが生じているのに対して、収納部の開口周縁がマット面のキャリアテープでは、ハレーションが抑制され、収納部の位置がより正確に検知できる。
なお、キャリアテープ10において、テープ本体11は耐熱性樹脂を含む樹脂材料から形成されていてよい。このようなキャリアテープでは、熱による表面形状の変化が生じにくいため、耐熱性の低い樹脂材料で形成された場合と比較して、カバーテープをヒートシールした際の接着面の粗さが接着後の剥離性に影響しやすくなる。よって、テープ本体11が耐熱性樹脂を含む樹脂材料から形成されている場合には、平滑面14を設けたことによる効果が顕著となる。
また、キャリアテープ10では、収納部12がマット面部15の中に設置されていることで、収納部12の開口縁部18が全てマット面13に含まれている。これにより、キャリアテープ10では収納部12の開口縁部18でのハレーションが顕著に抑制される。
また、キャリアテープ10では、平滑面14が、テープ本体の幅方向において収納部の両側に形成されている。収納部12の両側でカバーテープ20との剥離性が著しく異なると、カバーテープ20の剥離時にキャリアテープ10の片側がカバーテープ20に追従し、キャリアテープ10が搬送路から外れる、キャリアテープの振動により収納部内の部品が飛び出る等の問題を生じるおそれがある。キャリアテープ10では、収納部12の両側でカバーテープ20との良好な剥離性が確保されるため、安定した剥離が可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、収納部12は開口形状が長方形となるように形成されているが、収納部12の開口形状はこれに限定されない。収納部12の開口形状は、例えば正方形、長方形、多角形、十字形、円形、楕円形等であってよい。また、上記実施形態では、収納部12を成す凹部は略直方体状に形成されているが、凹部の形状はこれに限定されず、収納される部品30のサイズ及び形状等に応じて変更される。
また上記実施形態では、マット面13は収納部12の開口長辺12a,12bより広幅で、テープ本体2の長手方向に連続して形成されているが、このような構成に限定されない。マット面13は、収納部12の開口縁部18を含む領域に形成されていればよい。
また上記実施形態では、テープ本体11の主面11aのうち、マット面13以外の領域を全て平滑面14としているが、このような構造に限定されない。マット面13以外の領域のうち、カバーテープ20との接着面に相当する領域が平滑面14であればよく、その他の領域の表面状態は特に限定されない。
図6は、キャリアテープの変形例を示す平面図である。図6に示すキャリアテープ50は、テープ本体51と、収納部52と、搬送用のスプロケット孔57とを備えている。収納部52は、テープ本体51の一方の主面から他方の主面に向かって窪む凹部によって形成されており、テープ本体51の長手方向に沿って一定の間隔で複数個設けられている。キャリアテープ50は、キャリアテープ50をその長手方向に搬送するスプロケット孔67を備えており、スプロケット孔67は、テープ本体51の長手方向に沿って一定の間隔で複数個設けられている。
キャリアテープ50において、テープ本体51は、マット面53によって構成されるマット面部55と、平滑面54によって構成される平滑面部56と、スプロケット孔57が形成された搬送用部59とを有している。マット面53は、一つの収納部52の開口長辺52aと、それに隣接する他の収納部52の開口長辺52bとの間に設けられ、その幅は収納部52の開口長辺52a及び52bと略同一である。すなわち、キャリアテープ50では、収納部52の開口長辺52a及び52b側の開口縁部(すなわち開口縁部の一部)を含む領域に、マット面53が形成されている。平滑面54は、テープ本体11の幅方向における収納部52及びマット面53の両側で、テープ本体の長手方向に沿って連続して形成されている。言い換えると、平滑面部56は、テープ本体51の幅方向におけるマット面部55の両側で、テープ本体の長手方向に沿って連続して形成されている。平滑面部56はカバーテープとの接着面を含んで形成されていればよい。搬送用部59は、テープ本体51の幅方向の一方の端部に、平滑面部56に隣接して形成されている。
キャリアテープ50においては、マット面53が、収納部52の開口長辺52a及び52b側の開口縁部を含む領域に形成されている。図5(a)に示すとおり、収納部の開口周縁におけるハレーションは、収納部の開口長辺側で特に生じ易い。キャリアテープ50によれば、収納部52の開口長辺52a及び52b側において、開口縁部を含む領域がマット面53に成形されているため、上記のハレーションが十分に抑制され、高精度の画像認識が可能となる。
図7は、キャリアテープの他の変形例を示す平面図である。図7に示すキャリアテープ60は、テープ本体61と、収納部62と、搬送用のスプロケット孔67とを備えている。収納部62は、テープ本体61の一方の主面から他方の主面に向かって窪む凹部によって形成されており、テープ本体61の長手方向に沿って一定の間隔で複数個設けられている。キャリアテープ60は、キャリアテープ60をその長手方向に搬送するスプロケット孔67を備えており、スプロケット孔67は、テープ本体61の長手方向に沿って一定の間隔で複数個設けられている。
キャリアテープ60において、テープ本体61は、マット面63によって構成されるマット面部65と、平滑面64によって構成される平滑面部66と、スプロケット孔67が形成された搬送用部69とを有している。平滑面部66は、テープ本体61の長手方向に沿って連続して形成されている。キャリアテープ60においては、平滑面部66の中に、長手方向に沿って一定の間隔で複数のマット面部65が配置されおり、各マット面部65の中に収納部62が配置されている。すなわち、マット面63は、複数の収納部62のそれぞれの開口を囲うように形成されている。搬送用部69は、テープ本体61の幅方向の一方の端部に、平滑面部66に隣接して設けられている。
キャリアテープ60において、マット面は収納部33の開口の周囲に設けられている。図5(a)に示すとおり、画像認識時に生じるハレーションは収納部の開口周縁に生じる。キャリアテープ60によれば、複数の収納部62のそれぞれの開口を囲うようにマット面63が形成されているため、上記のハレーションが十分に抑制され、高精度の画像認識が可能となる。
100…テープ状包装体、10,50,60…キャリアテープ、20…カバーテープ、30…部品、11…テープ本体、12…収納部、17…スプロケット孔。
Claims (7)
- テープ本体と、
前記テープ本体の一方の主面から他方の主面に向かって窪む凹部によって形成される収納部と、を備え、
前記テープ本体の前記一方の主面は、
前記収納部の開口縁部の一部又は全部を含む領域に形成されたマット面と、
前記マット面以外の領域に形成された平滑面と、を有する、キャリアテープ。 - 前記平滑面が、前記テープ本体の幅方向において前記収納部の両側に形成されている、請求項1に記載のキャリアテープ。
- 前記マット面が、前記収納部の前記開口縁部の全部を含む領域に形成されている、請求項1又は2に記載のキャリアテープ。
- テープ本体と、
前記テープ本体の一方の主面から他方の主面に向かって窪む凹部によって形成される収納部と、を備え、
前記テープ本体の前記一方の主面は、
当該一方の主面上のマット面によって構成され、前記テープ本体の長手方向に沿って配置されたマット面部と、
前記一方の主面上の平滑面によって構成され、前記テープ本体の幅方向において前記マット面部の両側で、前記長手方向に沿って配置された平滑面部と、を有し、
前記収納部は、前記マット面部の中に配置された、キャリアテープ。 - 前記テープ本体が、耐熱性樹脂を含む樹脂材料から形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のキャリアテープ。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャリアテープと、
前記収納部に収納された部品と、
前記収納部の開口を覆うように前記キャリアテープ上に配設され、前記平滑面において前記キャリアテープと接着されたカバーテープと、
を備える、テープ状包装体。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャリアテープを製造する方法であって、
テープ基材の一方の主面に、平滑部及びマット部を有するダイを用いて前記平滑面及び前記マット面を形成する工程と、
前記平滑面及び前記マット面が形成された前記テープ基材に、柱状凸部を有する金型を圧接させて、前記収納部を形成する工程と、
を含む、製造方法。
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