JP2017030178A - 立体物造形装置、立体物造形装置と通信可能な情報処理装置、立体物造形装置の制御方法、立体物造形装置を用いた立体物の生産方法、及び、立体物造形システム - Google Patents

立体物造形装置、立体物造形装置と通信可能な情報処理装置、立体物造形装置の制御方法、立体物造形装置を用いた立体物の生産方法、及び、立体物造形システム Download PDF

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Abstract

【課題】立体造形物物の支持構造を決定する手段の提供。
【解決手段】液体を吐出可能なヘッドユニット3と、ヘッドユニット3から吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニット61と、造形すべき立体物の形状を表すボクセル集合のうち決定部がドットを形成する対象として決定したボクセルにドットを形成し、ドットの集合体として立体物が造形されるようにヘッドユニット3の動作を制御する造形制御部6とを備え、決定部95は、立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく形成指標値に応じて所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、ドットを形成する対象のボクセルを決定し、1または複数の支柱のうち、第1方向の長さが第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、第2方向の長さが第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い立体物造形装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体物造形装置、立体物造形装置と通信可能な情報処理装置、立体物造形装置の制御方法、立体物造形装置を用いた立体物の生産方法、及び、立体物造形システムに関する。
近年、3Dプリンター等の立体物造形装置が各種提案されている。立体物造形装置は、ヘッドユニットから吐出させたインク等の液体を硬化させることでドットを形成し、ドットの集合として形成した造形層を積層させることで立体物を造形する処理である、造形処理を実行する。
このような立体物造形装置において、造形される立体物の強度の確保と、立体物の造形に要する液体量の削減との両立を図るために、立体物の内部において、ハニカム構造や網目構造等、立体物の外殻を内側から支える支持構造を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2004−130529号公報
ところで、立体物を造形する場合には、立体物の形状、立体物において確保すべき強度、及び、立体物の造形に使用可能な液体量等、立体物の造形において考慮すべき各種要件(以下、「立体物の要件」と称する)を充足するように造形する必要がある。そして、立体物の内部に支持構造を設ける場合においても、立体物の要件が充足されるように立体物を造形する必要がある。このため、立体物の内部に支持構造を設ける場合、立体物造形装置の利用者は、立体物の要件を考慮して支持構造を定めることが求められ、利用者にとって大きな負担となる場合があった。
本発明は、上述した事情に鑑みて為されたものであり、立体物の支持構造の決定に係る利用者の負担の軽減を可能とする技術の提供を、解決課題の一つとする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る立体物造形装置は、液体を吐出可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうち、決定部がドットを形成する対象として決定したボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように前記ヘッドユニットの動作を制御する造形制御部と、を備え、前記決定部は、前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、ドットを形成する対象のボクセルを決定し、前記1または複数の支柱のうち、第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、ことを特徴とする。
この発明によれば、ドットを形成する対象のボクセルを、形成指標値に応じて決定することで、立体物の内部における1または複数の支柱の構造を決定する。換言すれば、各ボクセルへのドット形成率に応じて、立体物の内部の支持構造を決定する。ここで、各ボクセルへのドット形成率は、立体物の造形に使用可能な液体量や、立体物が具備すべき強度等に応じて定められる。よって、立体物の造形に使用可能な液体量や、立体物が具備すべき強度等の立体物の要件を充足するような、立体物の支持構造を定めることが可能となる。
また、この発明によれば、第1方向に長い断面を有する支柱の本数が、第2方向に長い断面を有する支柱の本数よりも多くなるように、立体物の支持構造を定める。すなわち、立体物の内部において、支柱の延在方向の強度が第2方向の強度よりも強く、且つ、第1方向の強度が第2方向の強度よりも強い支持構造を形成可能である。このため、第1方向及び第2方向に対する立体物の姿勢を調整したり、または、第1方向及び第2方向を立体物の形状に応じた向きに調整したりすることにより、立体物の形状に応じた強度を確保するような支持構造の形成が可能となる。
なお、本明細書において、ボクセル(Voxel)とは、一個のドットを形成可能な空間を表すための、仮想的な直方体または仮想的な立方体等の仮想的な立体図形である。
また、本明細書において、ボクセル集合(Voxel-set)とは、複数のボクセルが集まった集合である。立体物の形状を近似するためのボクセル集合に含まれる複数のボクセルは、互いに等しい形状を有することとする。
また、上述した立体物造形装置において、前記立体物の前記第2方向の長さは、前記立体物の前記第1方向の長さ以上である、ことを特徴とすることが好ましい。
第2方向の長さが第1方向の長さ以上の立体物は、仮に、立体物の内部に支持構造を設けない場合、第1方向の強度が第2方向の強度以下となり、第1方向に所望の強度を確保できない可能性が高くなる。
これに対して、本態様では、立体物の内部に、第1方向の強度が第2方向の強度よりも強い支持構造を設ける。このため、立体物の内部に支持構造を設けない場合と比べて、立体物において、第1方向に所望の強度を確保することが容易となる。
なお、この態様に係る立体物造形装置において、前記第1方向及び前記第2方向は、前記立体物の前記第2方向の長さが、前記立体物の前記第1方向の長さ以上になるように定められる、ことを特徴としてもよい。
また、上述した立体物造形装置において、前記立体物の内部に形成される一の支柱は、前記形成指標値が第1の値である場合の断面積が、前記形成指標値が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合の断面積よりも大きい、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、ドット形成率が増加する場合に、支柱の断面積が大きくなるように、立体物の支持構造を定めることができる。このため、立体物の造形に使用可能な液体量が変化し、ドット形成率が変化する場合においても、立体物造形装置の利用者の負荷を大きく増加させることなく、ドット形成率に応じた強度の支持構造を定めることが可能となる。
また、上述した立体物造形装置において、前記形成指標値が第1の値である場合に前記立体物の内部に形成される支柱の本数は、前記形成指標値が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合に前記立体物に形成される支柱の本数よりも多い、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、ドット形成率が増加する場合に、支柱の本数が多くなるように、立体物の支持構造を定めることができる。このため、立体物の造形に使用可能な液体量が変化し、ドット形成率が変化する場合においても、立体物造形装置の利用者の負荷を大きく増加させることなく、ドット形成率に応じた強度の支持構造を定めることが可能となる。
また、本発明に係る立体物造形装置は、液体を吐出可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうち、決定部がドットを形成する対象として決定したボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように前記ヘッドユニットの動作を制御する造形制御部と、を備え、前記決定部は、前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、ドットを形成する対象のボクセルを決定し、前記ボクセル集合のうち、前記立体物の内部に位置する第1ボクセルと、前記立体物の内部に位置し前記第1ボクセルとの距離が所定値以下の第2ボクセルと、の両方にドットが形成される確率は、前記ボクセル集合のうち、前記第1ボクセルと、前記立体物の内部に位置し前記第1ボクセルとの距離が所定値よりも離れた第3ボクセルと、の両方にドットが形成される確率よりも高い、ことを特徴とする。
この発明によれば、各ボクセルへのドット形成率に応じて、立体物の内部の支持構造を決定する。よって、立体物の造形に使用可能な液体量や立体物が具備すべき強度等の、立体物の要件を充足するように、立体物の支持構造を定めることが可能となる。
また、この発明によれば、例えば、第1ボクセル及び第2ボクセルの両方に2個のドットを近接して設ける可能性を、第1ボクセル及び第3ボクセルの両方に2個のドットを離散的に設ける可能性よりも高くするため、立体物の内部の支持構造の有する強度を高めることができる。これにより、立体物の強度を高くすることが可能となる。
なお、本発明に係る立体物造形装置は、液体を吐出可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうち、決定部がドットを形成する対象として決定したボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように前記ヘッドユニットの動作を制御する造形制御部と、を備え、前記決定部は、前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値と、ディザマスクの有する閾値と、の比較結果に応じて、前記ドットを形成するボクセルを決定し、前記ディザマスクの有する閾値は、前記ボクセル集合のうち、前記立体物の内部に位置する第1ボクセルと、前記立体物の内部に位置し前記第1ボクセルとの距離が所定値以下の第2ボクセルと、の両方にドットが形成される確率が、前記ボクセル集合のうち、前記第1ボクセルと、前記立体物の内部に位置し前記第1ボクセルとの距離が所定値よりも離れた第3ボクセルと、の両方にドットが形成される確率よりも高くなるように設定されている、ことを特徴とするものであってもよい。
また、上述した立体物造形装置において、前記決定部は、前記形成指標値と、ディザマスクの有する閾値と、の比較結果に応じて、前記立体物の内部において所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、ドットを形成する対象のボクセルを決定する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、例えば、形成指標値と、ディザマトリクスの有する複数の閾値の各々と、の比較結果に応じて、立体物の内部の各ボクセルにドットを形成するか否かを決定し、これにより、立体物の支持構造を決定する。このため、立体物に求められる強度の変更や、立体物の造形に使用可能な液体量の変更等に伴い、形成指標値が変化する場合であっても、立体物造形装置の利用者の負荷を大きく増加させることなく、形成指標値に応じた立体物の内部構造を定めることができる。
なお、この態様において、前記ディザマスクの有する閾値は、前記1または複数の支柱のうち、第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数が、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多くなるように設定されている、ことを特徴としてもよい。
また、この態様において、前記ディザマスクの有する閾値は、前記立体物の内部に形成される一の支柱において、前記形成指標値が第1の値である場合の当該一の支柱の断面積が、前記形成指標値が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合の当該一の支柱の断面積よりも大きくなるように設定されている、ことを特徴としてもよい。
また、この態様において、前記ディザマスクの有する閾値は、前記形成指標値が第1の値である場合に前記立体物の内部に形成される支柱の本数が、前記形成指標値が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合に前記立体物の内部に形成される支柱の本数よりも多くなるように設定されている、ことを特徴としてもよい。
また、本発明に係る立体物造形システムは、液体を吐出可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうちドットを形成する対象として決定されたボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように前記ヘッドユニットの動作を制御する造形制御部と、前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、ドットを形成する対象のボクセルを決定する決定部と、を備え、前記1または複数の支柱のうち、第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、ことを特徴とする。
この発明によれば、各ボクセルへのドット形成率に応じて、立体物の内部の支持構造を決定する。よって、立体物の造形に使用可能な液体量や立体物が具備すべき強度等の、立体物の要件を充足するように、立体物の支持構造を定めることが可能となる。
また、本発明に係る立体物造形装置の制御方法は、液体を吐出可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、を備える立体物造形装置の制御方法であって、造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうちドットを形成する対象として決定されたボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように前記ヘッドユニットの動作を制御し、前記ドットを形成する対象のボクセルは、前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように決定され、前記1または複数の支柱のうち、第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、ことを特徴とする。
この発明によれば、各ボクセルへのドット形成率に応じて、立体物の内部の支持構造を決定する。よって、立体物の造形に使用可能な液体量や立体物が具備すべき強度等の、立体物の要件を充足するように、立体物の支持構造を定めることが可能となる。
また、本発明に係る立体物の生産方法は、液体を吐出可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、を備える立体物造形装置を用いた立体物の生産方法であって、造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、前記ボクセル集合のうちドットを形成する対象のボクセルを決定し、前記ボクセル集合のうちドットを形成する対象として決定されたボクセルに対してドットが形成されるように前記ヘッドユニットから液体を吐出させることで、ドットの集合体として前記立体物を生産し、前記1または複数の支柱のうち、第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、ことを特徴とする。
この発明によれば、各ボクセルへのドット形成率に応じて、立体物の内部の支持構造を決定する。よって、立体物の造形に使用可能な液体量や立体物が具備すべき強度等の、立体物の要件を充足するように、立体物の支持構造を定めることが可能となる。
また、本発明に係る情報処理装置は、液体を吐出可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうちドットを形成する対象として決定されたボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように、前記ヘッドユニットの動作を制御する造形制御部と、を備える立体物造形装置と、通信可能な情報処理装置であって、前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、ドットを形成するボクセルを決定する決定部を備え、前記造形制御部は、前記決定部の決定結果に従って前記ヘッドユニットの動作を制御し、前記1または複数の支柱のうち、第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、ことを特徴とする。
この発明によれば、各ボクセルへのドット形成率に応じて、立体物の内部の支持構造を決定する。よって、立体物の造形に使用可能な液体量や立体物が具備すべき強度等の、立体物の要件を充足するように、立体物の支持構造を定めることが可能となる。
本発明に係る立体物造形システム100の構成を示すブロック図である。 立体物造形装置1の概略的な斜視図である。 記録ヘッド30の概略的な断面図である。 吐出部Dにおける吐出動作を説明するための説明図である。 記録ヘッド30におけるノズルNの配置例を示す平面図である。 駆動信号生成部31の構成を示すブロック図である。 駆動波形信号Comの波形を表すタイミングチャートである。 造形データ生成処理及び造形処理を示すフローチャートである。 立体物造形システム100による立体物Objの造形を説明するための図である。 立体物Objの補完モデルを説明するための説明図である。 立体物Objの補完モデルを説明するための説明図である。 立体物Objの内側部L-INの概略的な斜視図である。 ディザマスクDZを説明するための説明図である。 ディザマスクDZを説明するための説明図である。 ディザマスクDZを説明するための説明図である。 ディザマスクDZを説明するための説明図である。 対象ボクセル決定処理を示すフローチャートである。 ディザマスクDZを説明するための説明図である。 変形例10に係る造形処理を示すフローチャートである。 変形例10に係る立体物Objの造形を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<<A.実施形態>>
本実施形態では、立体物造形装置として、樹脂エマルジョンを含むレジンインクや、紫外線硬化型インク等の、硬化性インク(「液体」の一例)を吐出し、吐出したインクにより立体物Objを造形する、インクジェット式の立体物造形装置を例示して説明する。
<<1.立体物造形システムの構成>>
以下、図1乃至図7を参照しつつ、本実施形態に係る立体物造形装置1を具備する立体物造形システム100の構成について説明する。
図1は、立体物造形システム100の構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、立体物造形システム100は、インクを吐出し、吐出したインクを用いて形成されるドットにより、ドット1個分の厚みを有する層状の造形体LY(「造形層」の一例)を形成し、造形体LYを積層することで立体物Objを造形する造形処理を実行する立体物造形装置1と、立体物造形装置1が造形する立体物Objを構成する複数の造形体LYの各々の形状及び色彩を示す造形データSDを生成する造形データ生成処理を実行するホストコンピューター9(「情報処理装置」の一例)と、を備える。
<<1.1.ホストコンピューターについて>>
図1に示すように、ホストコンピューター9は、ホストコンピューター9の各部の動作を制御するCPU(図示省略)と、ディスプレイやキーボードやマウス等を具備する表示操作部91と、各種情報を記憶する記憶部94と、を備える。
記憶部94は、ホストコンピューター9の制御プログラム、立体物造形装置1のドライバープログラム、及び、CAD(computer aided design)ソフト等のアプリケーションプログラムを記憶している。また、記憶部94は、ディザマスクDZを記憶している。ディザマスクDZは、予め定めた複数の閾値を行列状に配置したものである。詳細は後述するが、ディザマスクDZは、造形データ生成処理において造形データSDの生成に用いられる。
なお、立体物造形装置1のドライバープログラムは、ホストコンピューター9の記憶部94に記憶され、ホストコンピューター9において実行される、「情報処理装置のプログラム」の一例である。
ホストコンピューター9のCPUは、記憶部94に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより、モデルデータ生成部92として機能する。モデルデータ生成部92は、立体物造形システム100の利用者が表示操作部91を操作して入力した情報等に基づいてモデルデータDatを生成する処理である、モデルデータ生成処理を実行する。
モデルデータDatとは、立体物造形装置1が造形する立体物Objを表すためのモデルの形状及び色彩を示すデータである。モデルデータDatにより示される立体物Objの色彩とは、立体物Objに着色された色の種類を意味する他に、立体物Objに複数の色が付される場合における当該複数色の付され方、すなわち、立体物Objに付される複数色により表される模様、文字、その他の画像も含むこととする。
本実施形態では、モデルデータDatが、立体物Objのモデルの外部形状を指定する場合を想定する。換言すれば、本実施形態におけるモデルデータDatは、立体物Objのモデルの輪郭である外面SFの形状を指定する。例えば、立体物Objが球体である場合、モデルデータDatは当該球体の輪郭である球面の形状と、当該球面に付すべき色彩と、を指定する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、モデルデータDatは、少なくとも立体物Objのモデルの外面SFの形状を特定可能な情報を含むデータであればよい。例えば、モデルデータDatは、立体物Objのモデルの外面SFの形状及び色彩に加えて、立体物Objのモデルの外面SFより内側の形状や、立体物Objの材料等を指定するものであってもよい。
なお、モデルデータDatとしては、例えば、AMF(Additive Manufacturing File Format)、または、STL(Standard Triangulated Language)等のデータ形式を例示することができる。
モデルデータ生成部92は、立体物造形システム100の利用者が表示操作部91を操作して入力した情報、または、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルの形状のうち、少なくとも一方に基づいて、強度指標値STを生成する。
強度指標値STは、立体物Objが有すべき強度に応じた値であれば、どのような値であってもよい。
例えば、強度指標値STは、立体物Objの強度が「強い」場合に「1」、「普通」の場合に「2」、「弱い」の場合に「3」等といった、立体物Objが有すべき強度のレベルを示す値であってもよい。
また、立体物Objが有すべき強度は、立体物Objを構成するインクの種類や、立体物Objの造形に使用可能なインク量により定められる。そして、立体物Objの使用するインク量が増加する場合には、立体物Objの造形に要する時間も長く(造形速度が遅く)なることがある。このため、強度指標値STとしては、例えば、立体物Objの造形に使用されるインクの種類を示す値、立体物Objの造形速度または造形時間に応じた値、または、立体物Objの造形に使用するインク量に応じた値等を採用してもよい。ここで、立体物Objの造形に使用するインク量に応じた値とは、例えば、立体物Objの内部におけるインクの充填率や、立体物Objの体積に対する立体物Objを構成するインクの体積の割合等である。
ホストコンピューター9のCPUは、記憶部94に記憶されている立体物造形装置1のドライバープログラムを実行することにより、造形データ生成部93として機能する。造形データ生成部93は、造形データ生成処理を実行する。造形データ生成処理とは、モデルデータDat及び強度指標値STに基づいて、立体物造形装置1が形成する造形体LYの形状及び色彩を指定する造形データSDを生成する処理である。
図1に示すように、造形データ生成部93は決定部95を含む。換言すれば、ホストコンピューター9のCPUは、立体物造形装置1のドライバープログラムを実行することにより、決定部95として機能する場合がある。詳細は後述するが、決定部95は、強度指標値STに基づいて生成されたドット形成指標値RFとディザマスクDZの有する閾値とを比較し、当該比較結果に基づいて造形体LYを構成するドットの配置を決定する対象ボクセル決定処理を実行する。なお、対象ボクセル決定処理は、造形データ生成処理の一部である。
ここで、ドット形成指標値RFとは、立体物Objの内部に形成可能なドット数に対する立体物Objの内部に実際に形成されるドット数の割合であるドット形成率αに応じた値である。
なお、上述のとおり、本実施形態では、立体物Objが、Q個の造形体LYを積層させることで造形される場合を想定する(Qは、Q≧2を満たす自然数)。以下、立体物造形装置1が造形体LYを形成する処理を積層処理と称する。すなわち、立体物造形装置1が立体物Objを造形する造形処理は、Q回の積層処理を含む。また、造形処理に含まれるQ回の積層処理の各々で形成される造形体LYのうち、q回目の積層処理で形成される造形体LYを、造形体LY[q]と称する。また、造形体LY[q]の形状及び色彩を指定する造形データSDを、造形データSD[q]と称する(qは、1≦q≦Qを満たす自然数)。
造形データ生成部93は、決定部95における対象ボクセル決定処理の結果を受けて、造形データSD[1]〜SD[Q]を生成する。
<<1.2.立体物造形装置について>>
次に、図1に加え図2を参照しつつ、立体物造形装置1について説明する。
図2は、立体物造形装置1の構造の概略を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、立体物造形装置1は、筐体40と、造形台45と、立体物造形装置1の各部の動作を制御する造形制御部6と、造形台45に向かってインクを吐出する吐出部Dを具備する記録ヘッド30が設けられたヘッドユニット3と、造形台45の上に吐出されたインクを硬化させる硬化ユニット61と、インクを貯蔵する6個のインクカートリッジ48と、ヘッドユニット3及びインクカートリッジ48を搭載するキャリッジ41と、筐体40に対するヘッドユニット3、造形台45、及び、硬化ユニット61の相対位置を変化させるための位置変化機構7と、立体物造形装置1の制御プログラムやその他の各種情報を記憶する記憶部60と、を備える。
このうち、造形制御部6及び造形データ生成部93は、立体物造形システム100の各部の動作を制御するシステム制御部101として機能する。
硬化ユニット61は、造形台45の上に吐出されたインクを硬化させるための構成要素であり、例えば、紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射するための光源や、レジンインクを加熱するための加熱器等を例示することができる。硬化ユニット61が紫外線の光源である場合、硬化ユニット61は、例えば造形台45の上側(+Z方向)に設けられればよい。以下では、硬化ユニット61が紫外線の光源である場合を想定し、硬化ユニット61が造形台45の+Z方向に位置する場合を想定して説明する。
なお、本明細書では、方向を説明するために、3軸の直交座標系を導入する。当該座標系は、造形体LYの積層方向が+Z方向となるようなZ軸と、後述するガイド79cの延在方向と平行となるようなX軸と、後述するガイド79bの延在方向と平行となるようなY軸と、を有する。当該座標系の原点は、任意の位置に定めればよい。
6個のインクカートリッジ48は、立体物Objを造形するための5種類の造形用インクと、支持部を形成するための支持用インクと、の合計6種類のインクと1対1に対応して設けられたものである。各インクカートリッジ48には、当該インクカートリッジ48に対応する種類のインクが貯蔵されている。
立体物Objを造形するための5種類の造形用インクには、有彩色の色材成分を有する有彩色インクと、無彩色の色材成分を有する無彩色インクと、有彩色インク及び無彩色インクと比較して単位重量または単位体積あたりの色材成分の含有量が少ないクリアー(CL)インクと、が含まれる。本実施形態では、有彩色インクとして、シアン(CY)、マゼンタ(MG)、及び、イエロー(YL)の3種類のインクを採用する。また、本実施形態では、無彩色インクとして、ホワイト(WT)のインクを採用する。また、クリアーインクとは、有彩色インク及び無彩色インクと比較して、色材成分の含有量が少なく透明度の高いインクである。以下では、5種類の造形用インクのうち、3種類の有彩色インク及び1種類の無彩色インクを彩色インクと総称する場合がある。
なお、本実施形態では、各インクカートリッジ48はキャリッジ41に搭載されているが、各インクカートリッジ48はキャリッジ41に搭載される代わりに、立体物造形装置1の別の場所に設けられるものであってもよい。
図1及び図2に示すように、位置変化機構7は、造形台45を+Z方向及び−Z方向(以下、+Z方向及び−Z方向を「Z軸方向」と総称する場合がある)に昇降させるように造形台昇降機構79aを駆動するための昇降機構駆動モーター71と、キャリッジ41を、ガイド79bに沿って+Y方向及び−Y方向(以下、+Y方向及び−Y方向を「Y軸方向」と総称する場合がある)に移動させるためのキャリッジ駆動モーター72と、キャリッジ41を、ガイド79cに沿って+X方向及び−X方向(以下、+X方向及び−X方向を「X軸方向」と総称する場合がある)に移動させるためのキャリッジ駆動モーター73と、硬化ユニット61を、ガイド79dに沿ってX軸方向に移動させるための硬化ユニット駆動モーター74と、を備える。また、位置変化機構7は、昇降機構駆動モーター71を駆動するためのモータードライバー75と、キャリッジ駆動モーター72を駆動するためのモータードライバー76と、キャリッジ駆動モーター73を駆動するためのモータードライバー77と、硬化ユニット駆動モーター74を駆動するためのモータードライバー78と、を備える。
記憶部60は、ホストコンピューター9から供給される造形データSDを格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)と、立体物Objを造形する造形処理等の各種処理を実行する際に必要なデータを一時的に格納し、あるいは造形処理等の各種処理が実行されるように立体物造形装置1の各部を制御するための制御プログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)と、制御プログラムを格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるPROMと、を備える。
立体物造形装置1は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(field-programmable gate array)等を備える(図示省略)。立体物造形装置1に設けられるCPUやFPGA等は、記憶部60に記憶されている制御プログラムに従って動作することで、立体物造形装置1の各部の動作を制御する造形制御部6として機能する。
造形制御部6は、ホストコンピューター9から造形データSDが供給された場合、ヘッドユニット3及び位置変化機構7の動作を制御することにより、造形台45上にモデルデータDatに応じた立体物Objを造形する造形処理の実行を制御する。
具体的には、造形制御部6は、まず、ホストコンピューター9から供給される造形データSDを記憶部60に格納する。次に、造形制御部6は、造形データSD等の記憶部60に格納されている各種データに基づいて、ヘッドユニット3の動作を制御して吐出部Dを駆動させるための駆動波形信号Com及び波形指定信号SIを含む各種信号を生成する。また、造形制御部6は、造形データSD等の記憶部60に格納されている各種データに基づいて、モータードライバー75〜78の動作を制御するための各種信号を生成する。
なお、本実施形態において、駆動波形信号Comはアナログの信号である。このため、本実施形態に係る造形制御部6は、立体物造形装置1のCPU等が制御プログラムに従って動作することで実現される機能ブロックに加え、DA変換回路(図示省略)を含む。そして、造形制御部6が備えるCPU等において生成されるデジタルの駆動波形信号を、造形制御部6が備えるDA変換回路によりアナログの駆動波形信号Comに変換したうえで、出力する。
このように、造形制御部6は、モータードライバー75、76、及び、77の制御を介して、造形台45に対するヘッドユニット3の相対位置を制御する。また、造形制御部6は、モータードライバー75及び78の制御を介して、造形台45に対する硬化ユニット61の相対位置を制御する。また、造形制御部6は、ヘッドユニット3の制御を介して、吐出部Dからのインクの吐出の有無、インクの吐出量、及び、インクの吐出タイミング等を制御する。
これにより、造形制御部6は、ドットサイズ及びドット配置を調整しつつ造形台45上にドットを形成し、形成されたドットを用いて造形体LYを形成する積層処理の実行を制御する。そして、造形制御部6は、積層処理を繰り返し実行することで、既に形成された造形体LYの上に(+Z方向に)新たな造形体LYを積層し、これにより、モデルデータDatに対応する立体物Objを造形する造形処理の実行を制御する。
図1に示すように、ヘッドユニット3は、M個の吐出部Dを具備する記録ヘッド30と、吐出部Dを駆動するための駆動信号Vinを生成する駆動信号生成部31と、を備える(Mは、1以上の自然数)。以下では、記録ヘッド30に設けられるM個の吐出部Dの各々を区別するために、順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。また、以下では、記録ヘッド30に設けられるM個の吐出部Dのうちm段の吐出部Dを、吐出部D[m]と表現する場合がある(mは、1≦m≦Mを満たす自然数)。また、駆動信号生成部31が生成する駆動信号Vinのうち、吐出部D[m]を駆動するための駆動信号Vinを駆動信号Vin[m]と表現する場合がある。なお、駆動信号生成部31の詳細については、後述する。
<<1.3.記録ヘッドについて>>
次に、図3乃至図5を参照しつつ、記録ヘッド30と、記録ヘッド30に設けられる吐出部Dと、について説明する。
図3は、記録ヘッド30の、概略的な一部断面図の一例である。なお、この図では、図示の都合上、記録ヘッド30のうち、当該記録ヘッド30が有するM個の吐出部Dの中の1個の吐出部Dと、当該1個の吐出部Dにインク供給口360を介して連通するリザーバ350と、インクカートリッジ48からリザーバ350にインクを供給するためのインク取入口370と、を示している。
図3に示すように、吐出部Dは、圧電素子300と、インクが充填されたキャビティ320と、キャビティ320に連通するノズルNと、振動板310と、を備える。吐出部Dは、圧電素子300が駆動信号Vinにより駆動されることにより、キャビティ320内のインクをノズルNから吐出させる。キャビティ320は、キャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。キャビティ320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取入口370を介して1個のインクカートリッジ48と連通している。
本実施形態では、圧電素子300として、例えば、図3に示すようなユニモルフ(モノモルフ)型を採用するが、バイモルフ型や積層型など、圧電素子300を変形させてインク等の液体を吐出させることができるものであればよい。圧電素子300は、下部電極301と、上部電極302と、下部電極301及び上部電極302の間に設けられた圧電体303と、を有する。そして、下部電極301の電位が所定の基準電位VSSに設定され、上部電極302に駆動信号Vinが供給されることで、下部電極301及び上部電極302の間に電圧が印加されると、当該印加された電圧に応じて圧電素子300がZ軸方向に変位し、その結果、圧電素子300が振動する。
キャビティプレート340の上面開口部には、振動板310が設置され、振動板310には、下部電極301が接合されている。このため、圧電素子300が駆動信号Vinにより振動すると、振動板310も振動する。そして、振動板310の振動によりキャビティ320内の圧力が変化し、キャビティ320内に充填されたインクがノズルNより吐出される。キャビティ320内のインクが減少した場合、リザーバ350からインクが供給される。また、リザーバ350へは、インクカートリッジ48からインク取入口370を介してインクが供給される。
図4は、吐出部Dからのインクの吐出動作を説明するための説明図である。
図4に示すように、駆動信号生成部31は、例えば、Phase-1の状態において、吐出部Dが備える圧電素子300に対して供給される駆動信号Vinの電位を変化させることで、当該圧電素子300に歪を発生させ、当該吐出部Dの振動板310を+Z方向へ撓ませる。これにより、図4に示すPhase-2の状態ように、Phase-1の状態と比較して、当該吐出部Dのキャビティ320の容積が拡大する。次に、駆動信号生成部31は、例えば、Phase-2の状態において、駆動信号Vinの示す電位を変化させることで、振動板310を−Z方向に撓ませる。これにより、図4に示すPhase-3の状態に示すように、キャビティ320の容積は急激に収縮する。このときキャビティ320内に発生する圧縮圧力により、キャビティ320を満たすインクの一部が、このキャビティ320に連通しているノズルNからインク滴として吐出される。
図5は、+Z方向または−Z方向から記録ヘッド30を平面視した場合の、記録ヘッド30に設けられたM個のノズルNの配置の一例を説明するための説明図である。
図5に示すように、記録ヘッド30には、複数のノズルNからなるノズル列Lnが6列設けられている。具体的には、記録ヘッド30には、ノズル列Ln-CY、Ln-MG、Ln-YL、Ln-WT、Ln-CL、及び、Ln-SP、からなる6列のノズル列Lnが設けられている。
ここで、ノズル列Ln-CYには、シアンのインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNが属し、ノズル列Ln-MGには、マゼンタのインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNが属し、ノズル列Ln-YLには、イエローのインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNが属し、ノズル列Ln-WTには、ホワイトのインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNが属し、ノズル列Ln-CLには、クリアーのインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNが属し、ノズル列Ln-SPには、支持用インクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNが属する。
なお、本実施形態では、図5に示すように、各ノズル列Lnを構成する複数のノズルNが、X軸方向に一列に整列するように配置される場合を例示しているが、例えば、各ノズル列Lnを構成する複数のノズルNのうち一部のノズルN(例えば、偶数番目のノズルN)と、その他のノズルN(例えば、奇数番目のノズルN)とのY軸方向の位置が異なる、所謂千鳥状に配列されるものであってもよい。また、各ノズル列Lnにおいて、ノズルN間の間隔(ピッチ)は、印刷解像度(dpi:dot per inch)に応じて適宜設定され得る。
<<1.4.駆動信号生成部について>>
次に、図6及び図7を参照しつつ、駆動信号生成部31の構成及び動作について説明する。
図6は、駆動信号生成部31の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、駆動信号生成部31は、シフトレジスタSR、ラッチ回路LT、デコーダーDC、及び、トランスミッションゲートTGからなる組を、M個の吐出部Dと1対1に対応するように、M個有する。以下では、これらM個の組を構成する各要素を、図において上から順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。
駆動信号生成部31には、造形制御部6から、クロック信号CLK、波形指定信号SI、ラッチ信号LAT、及び、駆動波形信号Comが供給される。
波形指定信号SIは、造形データSDに基づいて定められる信号であり、各吐出部Dからのインクの吐出の有無を指定するデジタルの信号である。波形指定信号SIは、波形指定信号SI[1]〜SI[M]を含む。このうち、波形指定信号SI[m]は、吐出部D[m]からのインクの吐出の有無を規定する。具体的には、波形指定信号SI[m]は、吐出部D[m]に対して、1個のドットを形成するために必要な量のインクの吐出を指定する「1」、または、インクの非吐出を指定する「0」のうち、いずれかの値を示す。
図6に示すように、M個のシフトレジスタSRは、互いに縦続接続されている。各シフトレジスタSRは、波形指定信号SI(SI[1]〜SI[M])のうち、各段に対応する波形指定信号SI[m]を、一旦保持する。具体的には、例えば、M個のシフトレジスタSRに対して波形指定信号SIがシリアルで供給される場合において、各シフトレジスタSRは、供給された波形指定信号SIをクロック信号CLKに従って順次後段に転送する。そして、M個のシフトレジスタSRの全てに波形指定信号SIが転送された場合に、各シフトレジスタSRは、波形指定信号SIのうち自身に対応する波形指定信号SI[m]を保持する。
M個のラッチ回路LTのそれぞれは、例えばラッチ信号LATが立ち上がるタイミングで、M個のシフトレジスタSRのそれぞれに保持された各段に対応する波形指定信号SI[m]を一斉にラッチする。
ところで、立体物造形装置1が造形処理を実行する期間である動作期間は、複数の単位期間Tuから構成される。詳細は後述するが、単位期間Tuは、ラッチ信号LATにより規定される。
造形制御部6は、駆動信号生成部31に対して、単位期間Tuが開始されるよりも前のタイミングで波形指定信号SIを供給する。そして、造形制御部6は、駆動信号生成部31の各ラッチ回路LTに対して、単位期間Tu毎に波形指定信号SI[m]がラッチされるように、ラッチ信号LATを供給する。
m段のデコーダーDCは、m段のラッチ回路LTによってラッチされた波形指定信号SI[m]をデコードし、各単位期間Tuにおいて、ハイレベル(Hレベル)またはローレベル(Lレベル)のいずれかのレベルに設定された選択信号Sel[m]を出力する。
具体的には、m段のデコーダーDCは、波形指定信号SI[m]が、インクの吐出を指定する値(本実施形態では、「1」)を示す場合には、Hレベルに設定した選択信号Sel[m]を出力し、波形指定信号SI[m]が、インクの非吐出を指定する値(本実施形態では、「0」)を示す場合には、Lレベルに設定した選択信号Sel[m]を出力する。
m段のトランスミッションゲートTGは、選択信号Sel[m]がHレベルのときにオンし、選択信号Sel[m]がLレベルのときにオフする。各トランスミッションゲートTGの一端には、駆動波形信号Comが供給される。m段のトランスミッションゲートTGの他端は、m段の出力端OTNに電気的に接続されている。
選択信号Sel[m]がHレベルとなり、m段のトランスミッションゲートTGがオンする場合、m段の出力端OTNから吐出部D[m]に対して、駆動波形信号Comが駆動信号Vin[m]として供給される。
なお、本実施形態では、トランスミッションゲートTGがオンからオフに切り替わるタイミング、つまり、単位期間Tuの開始及び終了のタイミングにおける駆動波形信号Comの電位を基準電位V0としている。このため、トランスミッションゲートTGがオフする場合、吐出部D[m]の圧電素子300が有する容量等により、出力端OTNの電位は基準電位V0に維持される。但し、以下では、説明の便宜上、トランスミッションゲートTGがオフする場合には、駆動信号Vin[m]の電位が基準電位V0に維持されることとして説明する場合がある。
以上において説明したように、造形制御部6は、吐出部D[m]に対して単位期間Tu毎に駆動信号Vin[m]が供給されるように、駆動信号生成部31を制御する。これにより、吐出部D[m]は、単位期間Tu毎に、波形指定信号SI[m]の示す値に応じた量のインクを吐出し、造形台45上にドットを形成することができる。
図7は、各単位期間Tuにおいて造形制御部6が駆動信号生成部31に供給する各種信号を説明するためのタイミングチャートである。
図7に例示するように、ラッチ信号LATはパルス波形Pls-Lを有し、当該パルス波形Pls-Lにより単位期間Tuが規定される。また、図示は省略するが、造形制御部6は、単位期間Tu毎に、波形指定信号SIをクロック信号CLKに同期させて駆動信号生成部31に対してシリアルで供給する。
図7に例示するように、本実施形態に係る駆動波形信号Comは、各単位期間Tuの開始及び終了のタイミングにおいて、基準電位V0に設定される。そして、本実施形態に係る駆動波形信号Comは、単位期間Tuの開始後に基準電位V0よりも低い電位に変化した後に基準電位V0よりも高い電位に変化する波形PLを有する。波形PLは、吐出部D[m]に対して当該波形PLを有する駆動信号Vin[m]が供給された場合に、当該吐出部D[m]から、1個のボクセルVxを満たすようなサイズのドットを形成するために必要な量のインクが吐出されるように、調整されている。
ここで、ボクセルVxとは、所定の厚さΔZを有し、所定形状を有する仮想的な直方体である。本実施形態において、各ボクセルVxは、6個のインクカートリッジ48に貯蔵されている6種類のインクのうち何れかのインクと対応付けられている。具体的には、各ボクセルVxは、6種類のインクのうち何れかインクの色と対応付けられている。また、上述の通り、立体物Objを構成する各ドットは5種類の造形用インクのうちの何れかのインクから形成され、支持部を構成する各ドットは支持用インクから形成される。そして、立体物Obj及び支持部は、各ボクセルVxに形成されるドットの集合体として造形される。
このため、立体物Objの形状及び色彩は、5種類の造形用インクのうちいずれかに対応する色が付されたボクセルVxを複数用いることで、ボクセルVxの集合体として近似的に表現することができる。同様に、支持部の形状は、造形用インクに対応する色の付されたボクセルVxを複数用いることで、近似的に表現することができる。なお、詳細は後述するが、本実施形態に係る造形データSDは、造形体LYの形状及び色彩を、ボクセルVxの集合体として近似的に表現する。
なお、本明細書では、直方体という概念が、立方体という概念を含むこととして説明する。また、以下では、造形体LY[q]に対応するボクセルVxを、ボクセルVx[q]と称する場合がある。
駆動信号生成部31は、単位期間Tuにおいて、波形指定信号SI[m]が「1」を示す場合、つまり、選択信号Sel[m]がHレベルを示す場合には、波形PLを有する駆動波形信号Comを駆動信号Vin[m]として吐出部D[m]に供給する。これにより、吐出部D[m]からはインクが吐出され、当該吐出されたインクにより、1個のボクセルVxを満たすようにドットが形成される。
また、駆動信号生成部31は、単位期間Tuにおいて、波形指定信号SI[m]が「0」を示す場合、つまり、選択信号Sel[m]がLレベルを示す場合には、基準電位V0に設定された駆動波形信号Comを駆動信号Vin[m]として吐出部D[m]に供給する。この場合、吐出部D[m]からはインクは吐出されず、ドットは形成されない(非記録となる)。
<<2.造形データ生成処理及び造形処理の概要>>
次に、図8及び図9を参照しつつ、立体物造形システム100が実行する造形データ生成処理及び造形処理の概要ついて説明する。
図8は、造形データ生成処理及び造形処理を実行する場合の、立体物造形システム100の動作の一例を示すフローチャートである。図9は、立体物Objの造形の流れ、具体的には、立体物Objが造形される場合における、モデルデータDat及び造形データSD等のデータと、造形体LY及び立体物Obj等の立体物造形装置1の生成物と、の関係を概略的に説明するための説明図である。
ホストコンピューター9の造形データ生成部93は、モデルデータ生成部92が出力するモデルデータDatを取得すると、図8のステップS100〜S130に示す造形データ生成処理を開始する。
図8に示すように、造形データ生成部93は、造形データ生成処理が開始されると、モデルデータ生成部92が出力したモデルデータDatに基づいて、断面モデルデータLdatを生成する(S100)。
具体的には、造形データ生成部93は、ステップS100において、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルを所定の厚さΔZ毎にスライスすることで、図9に例示するPhase-A及びPhase-Cのように、各々が所定の厚さΔZを有する造形体LY[1]〜LY[Q]と1対1に対応する断面モデルデータLdat[1]〜Ldat[Q]を生成する。なお、図9に例示するPhase-Aは、造形体LY[1]に対応する断面モデルデータLdat[1]を生成する場合であり、図9に例示するPhase-Cは、造形体LY[2]に対応する断面モデルデータLdat[2]を生成する場合である。
ここで、断面モデルデータLdat[q]とは、造形体LY[q]を表すモデルの形状及び色彩を示すデータである。なお、本実施形態において、断面モデルデータLdatは、モデルデータDatの示す三次元の形状のモデルをスライスした三次元の断面体の形状及び色彩を示すが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、断面モデルデータLdatは、少なくとも、モデルデータDatの示す三次元の形状のモデルをスライスしたときの二次元の断面の形状及び色彩を示す情報を含むものであればよい。
ところで、上述のとおり、本実施形態に係るモデルデータDatは、立体物Objのモデルの外面SFの形状(輪郭の形状)を指定する。よって、モデルデータDatの示す形状を忠実に造形した場合、造形される立体物Objは、厚みを有さない輪郭だけの中空形状となる。しかし、立体物Objを造形する場合には、立体物Objの強度を考慮することが必要となる。つまり、立体物Objを造形する場合には、当該立体物Objに対して求められる強度が確保されるように、立体物Objの内側の一部または全部を中実構造とすることが必要となる。このため、本実施形態に係る造形データ生成部93は、ステップS100において、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルを、外面SFより内側の中空部分の少なくとも一部が中実構造となるように補完して、断面モデルデータLdatを生成する。
以下では、造形データ生成処理のうちモデルデータDatの示すモデルの中空部分を補完し、当該中空部分の少なくとも一部を中実構造とした断面モデルデータLdatを生成する処理を、形状補完処理と称する。また、以下では、断面モデルデータLdatの示す、補完後の立体物Objのモデル、すなわち、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルの中空部分の少なくとも一部が中実構造となるように補完されたモデルを、補完モデルと称する場合がある。なお、形状補完処理についての詳細は後述する。
造形データ生成部93は、図8に示すように、断面モデルデータLdat[q]に基づいて、ボクセルデータVD[q]を生成する(S110)。
具体的には、造形データ生成部93は、ステップS110において、図9に例示するPhase-B及びPhase-Dのように、断面モデルデータLdat[q]により表わされる立体物Objの補完モデルの断面体の形状及び色彩を、ボクセルVxの単位で格子状に離散化して表現したボクセルデータVDを生成する。すなわち、造形データ生成部93は、断面モデルデータLdat[q]により表わされる立体物Objの補完モデルの断面体の形状及び色彩を、ボクセルVxの集合体として近似的に表わすデータである、ボクセルデータVD[q]を生成する。なお、図9に示すPhase-Bは、断面モデルデータLdat[1]の示す断面体を近似したボクセルVxの集合体を表わすボクセルデータVD[1]が生成された場合を例示し、図9に示すPhase-Dは、断面モデルデータLdat[2]の示す断面体を近似したボクセルVxの集合体を表わすボクセルデータVD[2]が生成された場合を例示している。
造形データ生成部93は、図8に示すように、強度指標値STに基づいて、ドット形成指標値RFを生成する(S120)。
具体的には、造形データ生成部93は、ステップS120において、強度指標値STの示す強度を立体物Objが確保するために必要となるドット形成率αを算出し、算出結果に応じたドット形成指標値RFとして出力する。
例えば、造形データ生成部93は、強度指標値STが、立体物Objの造形に使用可能なインク量を示す値である場合には、当該使用可能なインク量と、立体物Objの体積を満たすために必要なインク量と、に基づいて、ドット形成指標値RFを算出すればよい。また、例えば、造形データ生成部93は、強度指標値STが、立体物Objの有すべき強度のレベルを示す値である場合には、立体物Objの形状やサイズに基づいて、当該強度を確保するために必要なインク量を演算し、当該演算結果に基づいてドット形成指標値RFを算出すればよい。
次に、造形データ生成部93は、図8に示すように、ボクセルデータVDとドット形成指標値RFとに基づいて、造形データSDを生成する(S130)。
具体的には、ステップS130において、まず、造形データ生成部93のうち決定部95が、ボクセルデータVD[q]の示すボクセルVxの集合体の中から、ドット形成指標値RFに応じて対象ボクセルVxTを決定する対象ボクセル決定処理を実行する。ここで、対象ボクセルVxTとは、ドットが形成されるボクセルVxである。また、以下では、対象ボクセルVxT以外のボクセルVx、すなわち、ドットが形成されないボクセルVxを、非対象ボクセルVxHと称する場合がある。なお、対象ボクセル決定処理の詳細については後述する。
次に、造形データ生成部93は、ステップS130において、対象ボクセル決定処理における決定結果に応じて、造形データSD[q]を生成する。図9に示すPhase-Eは、ボクセルデータVD[1]に基づいて造形データSD[1]が生成され、造形データSD[1]に応じた造形体LY[1]が形成される場合を例示し、図9に示すPhase-Fは、ボクセルデータVD[2]に基づいて造形データSD[2]が生成され、造形データSD[2]に応じた造形体LY[2]が形成される場合を例示している。
上述の通り、造形データSD[q]は、造形体LY[q]の形状及び色彩を指定するデータである。より詳細には、造形データSD[q]は、ボクセルデータVD[q]の示すボクセルVxの集合体の中で、ドットを形成すべきボクセルVxである対象ボクセルVxTを指定するとともに、各対象ボクセルVxTにおいて形成すべきドットの色を指定するデータである。なお、本実施形態において、造形データ生成部93は、対象ボクセルVxTにおいて形成すべきドットの色を、当該ドットを形成するインクの種類(インクの色)により指定する。
なお、図9のPhase-E及びPhase-Fでは、説明の便宜上、造形データSD[q]を構成する全てのボクセルVxに対してドットが形成される場合、つまり、造形データSD[q]を構成する複数のボクセルVxの全てが対象ボクセルVxTである場合を例示している。
以上において説明したように、造形データ生成部93は、ステップS100〜S130の造形データ生成処理を実行することで、モデルデータDat及び強度指標値STに基づいて造形データSDを生成する。
立体物造形システム100は、造形データ生成処理を実行した後に、図8のステップS140〜S190に示す造形処理を実行する。
造形処理は、造形制御部6による制御の下で立体物造形装置1が実行する処理であり、ホストコンピューター9が生成した造形データSDを、立体物造形装置1が取得して記憶部60に格納した後に開始される処理である。
図8に示すように、造形制御部6は、造形処理が開始されると、積層処理の実行回数を示す変数qに値「1」を設定する(S140)。次に、造形制御部6は、造形データ生成部93が生成した造形データSD[q]を記憶部60から取得する(S150)。また、造形制御部6は、造形台45が、造形体LY[q]を形成するための位置に移動するように、昇降機構駆動モーター71を制御する(S160)。なお、造形体LY[q]を形成するための造形台45の位置とは、造形データSD[q]の指定するドット形成位置(ボクセルVx[q])に対して、ヘッドユニット3から吐出されたインクが着弾可能な位置であれば、どのような位置であってもよい。例えば、造形制御部6は、ステップS160において、造形体LY[q]とヘッドユニット3とのZ軸方向の間隔が一定となるように造形台45の位置を制御してもよい。この場合、造形制御部6は、例えば、q回目の積層処理において造形体LY[q]を形成した後、(q+1)回目の積層処理による造形体LY[q+1]の形成が開始されるまでの間に、造形台45を所定の厚さΔZだけ−Z方向に移動させればよい。
次に、造形制御部6は、造形データSD[q]に応じた造形体LY[q]が形成されるように、ヘッドユニット3、位置変化機構7、及び、硬化ユニット61(以下、ヘッドユニット3、位置変化機構7、及び、硬化ユニット61を「ヘッドユニット3等」と称する)の動作を制御する(S170)。
具体的には、造形制御部6は、ステップS170において、まず、造形データSD[q]に基づいて波形指定信号SIを生成し、生成した波形指定信号SIにより造形用インクまたは支持用インクを吐出させるようにヘッドユニット3の動作を制御する。また、造形制御部6は、ステップS170において、吐出されたインクを硬化させてドットを形成するように、硬化ユニット61の動作を制御する。なお、図9からも明らかなように、造形体LY[1]は造形台45上に形成され、造形体LY[q+1]は造形体LY[q]の上に形成される。
以上において説明したステップS150〜S170の処理が、積層処理に該当する。立体物造形装置1は、ステップS150〜S170に示す積層処理を実行することにより、造形データSD[q]に応じた造形体LY[q]を形成する。なお、図9では、Phase-Eにおいて、造形データSD[1]に基づく造形体LY[1]が形成され、Phase-Fにおいて、造形データSD[2]に基づく造形体LY[2]を形成される場合を例示している。
次に、造形制御部6は、変数qが「q<Q」を充足するか否かを判定する(S180)。そして、造形制御部6は、ステップS180における判定結果が肯定である場合、変数qに「1」を加算した上で、処理をステップS150に進める(S190)。また、造形制御部6は、ステップS180における判定結果が否定である場合、すなわち、変数qが「q=Q」に達した場合、造形処理を終了させる。
このように、立体物造形装置1は、図9に例示するPhase-E及びPhase-Fのように、造形データSD[1]〜SD[Q]に対応する造形体LY[1]〜LY[Q]を順番に積層させることで、図9に例示するPhase-Gのように立体物Objを造形する。
以上において説明したように、立体物造形システム100は、造形データ生成部93において、図8のステップS100〜S130に示す造形データ生成処理を実行することで、モデルデータDat及び強度指標値STに基づいて造形データSD[1]〜SD[Q]を生成する。そして、立体物造形システム100は、立体物造形装置1において、造形制御部6の制御の下で、図8のステップS140〜S190に示す造形処理を実行することで、モデルデータDatの示すモデルの形状及び色彩を再現するような立体物Objを造形する。
なお、図8は、造形データ生成処理及び造形処理の流れの一例を示すものに過ぎない。例えば、図8では、造形データ生成処理が終了した後に、造形処理を開始するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、造形データ生成処理が終了する前に造形処理を開始してもよい。例えば、造形データ生成処理において造形データSD[q]が生成された場合には、次の造形データSD[q+1]の生成を待つことなく、造形データSD[q]に応じた造形体LY[q]を形成する造形処理(つまり、q回目の積層処理)を実行してもよい。
ところで、図9に示す例では、2回目の積層処理で形成される造形体LY[2]を構成するボクセルVx[2]の−Z方向に、1回目の積層処理で形成される造形体LY[1]を構成するボクセルVx[1]が存在する。しかし、立体物Objの形状によっては、ボクセルVx[2]の下側にボクセルVx[1]が存在しない場合がある。この場合、ボクセルVx[2]にドットを形成しようとしても、当該ドットが、本来形成すべき位置よりも下側に形成されてしまうことがある。よって、「q≧2」である場合であって、ボクセルVx[q]の下側にボクセルVx[q-1]が存在しない場合には、ボクセルVx[q]に対応する位置にドットを形成するために、当該ボクセルVx[q]の下側の少なくとも一部に、当該ボクセルVx[q]に形成されるドットを支持するための支持部を設ける必要がある。
そこで、本実施形態では、断面モデルデータLdatが、立体物Objの形状を定めるモデルの他に、立体物Objを造形する際に必要となる支持部の形状を定めるデータを含むこととする。つまり、本実施形態において、造形体LY[q]には、立体物Objのうちq回目の積層処理で形成すべき部分と、支持部のうちq回目の積層処理で形成すべき部分と、の双方が含まれる。換言すれば、造形データSD[q]は、立体物Objのうち造形体LY[q]として形成される部分の形状及び色彩をボクセルVx[q]の集合として表したデータと、支持部のうち造形体LY[q]として形成される部分の形状をボクセルVx[q]の集合として表したデータと、を含む。
本実施形態に係る造形データ生成部93は、ステップS100において、モデルデータDatに基づいて、ボクセルVx[q]の形成のために支持部を設ける必要があるか否かを判定する。そして、造形データ生成部93は、ステップS100において、当該判定の結果が肯定である場合には、立体物Objの他に支持部が設けられるような断面モデルデータLdatを生成する。
なお、支持部は、立体物Objの造形後に除去される。このため、支持部は、立体物Objの造形後に容易に除去することのできる材料、例えば、水溶性のインク、または、立体物Objを造形するインクよりも低い融点のインク等で構成されることが好ましい。
<<3.形状補完処理>>
上述のとおり、造形データ生成部93は、図8のステップS100において、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルの中空部分の一部または全部を補完して、立体物Objのモデルの外面SFよりも内側の少なくとも一部が中実構造となる立体物Objの補完モデルを生成し、当該補完モデルの断面体を示す断面モデルデータLdatを生成する形状補完処理を実行する。
以下では、図10A及び図10Bを参照しつつ、立体物Objの補完モデルの構造と、当該補完モデルを生成する形状補完処理と、について説明する。
図10Aは、立体物Objの補完モデルの斜視図である。図10Aでは、図示の都合上、図9とは異なる直方体形状の立体物Objを造形する場合を想定する。なお、外観上は、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルと、形状補完処理により生成される立体物Objの補完モデルとは、同一の形状を有する。
図10Bは、図10Aに示す立体物Objの補完モデルを、直線γ−Γを通りX軸及びY軸に平行な平面で切断したときの断面図である。図10Bに示すように、立体物Objの補完モデルは、モデルの外面SFから内側に厚さΔLまでの部分である外郭部L-EXと、外郭部L-EXよりも内側の部分である内側部L-IN(「立体物の内部」の一例)と、からなる。このような立体物Objの補完モデルを生成するために、造形データ生成部93は形状補完処理を実行する。
具体的には、造形データ生成部93は、形状補完処理において、図10Bに示すように、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルの外面SFから内側に厚さΔLまでの部分を、外郭部L-EXとして定める。また、造形データ生成部93は、形状補完処理において、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルのうち、外郭部L-EXよりも内側の部分を内側部L-INとして定める。これにより、造形データ生成部93は、外郭部L-EXと内側部L-INとからなる立体物Objの補完モデルを生成する。そして、造形データ生成部93は、立体物Objの補完モデルをスライスすることで、立体物Objの補完モデルの断面体示す断面モデルデータLdatを生成する。
なお、立体物Objは、形状補完処理にて生成される立体物Objの補完モデルに基づいて形成されたドットの集合体である。つまり、立体物Objは、補完モデルの外郭部L-EXに対応する部分と、補完モデルの内側部L-INに対応する部分と、に区分される。以下では、立体物Objのうち補完モデルの外郭部L-EXに対応する部分を、単に、立体物Objの外郭部L-EXと称し、立体物Objのうち補完モデルの内側部L-INに対応する部分を、単に、立体物Objの内側部L-INと称する。
ここで、立体物Objの外郭部L-EXは、立体物Objの外面SFを含み、立体物Objの外形を表すための部分であり、また、立体物Objに彩色を施すためにも用いるられる部分である。立体物Objの外郭部L-EXは、彩色インクを含む造形用インクにより形成される。
なお、本実施形態において、補完モデルのうち立体物Objの外郭部L-EXに対応する部分は、対象ボクセルVxTの集合として近似される。つまり、本実施形態において、補完モデルの外郭部L-EXを近似するボクセルVxの集合体は、ドットを形成すべきボクセルVxである対象ボクセルVxTのみからなり、非対象ボクセルVxHを含まないこととする。
立体物Objの内側部L-INは、立体物Objの強度を確保するための部分である。
立体物Objの内側部L-INは、任意の造形用インクにより形成してもよいが、目立たない色を有すること、及び、硬化した場合に高い強度を確保可能なこと、という2つの要件のうち、一方または双方を満たすインクで形成することが好ましい。ここで、目立たない色のインクとは、例えば、無彩色インクやクリアーインクである。高い強度を確保可能なインクとは、例えば、クリアーインク等の色材成分の少ないインクである。本実施形態では、一例として、内側部L-INを、クリアーインクにより形成する場合を想定する。
本実施形態において、立体物Objの内側部L-INに対応するボクセルVxの集合体は、対象ボクセルVxTと、非対象ボクセルVxHと、を含む。具体的には、決定部95は、対象ボクセル決定処理を実行することにより、内側部L-INに含まれる各ボクセルVxを、対象ボクセルVxTまたは非対象ボクセルVxHの何れかに分類する。換言すれば、決定部95は、対象ボクセル決定処理を実行することにより、立体物Objの内側部L-INに対応するボクセルVxの集合体の中から対象ボクセルVxTを決定し、これにより、立体物Objの内側部L-INのドット配置を決定する。
以下では、ボクセルデータVDの示すボクセルVxのうち、補完モデルの外郭部L-EXを表わすためのボクセルVxを、外部ボクセルVx-EXと称する。特に、断面モデルデータLdat[q]に対応する外部ボクセルVx-EXを、符号qを付して、外部ボクセルVx-EX[q]と表現する場合がある。なお、以上の説明からも明らかであるが、本実施形態に係る全ての外部ボクセルVx-EXは、対象ボクセルVxTに分類されることになる。
また、以下では、ボクセルデータVDの示すボクセルVxのうち、補完モデルの内側部L-INを表わすためのボクセルVxを、内部ボクセルVx-INと称する。特に、断面モデルデータLdat[q]に対応する内部ボクセルVx-INを、符号qを付して、内部ボクセルVx-IN[q]と表現する場合がある。なお、以上の説明からも明らかであるが、本実施形態に係る各内部ボクセルVx-INは、対象ボクセル決定処理において、対象ボクセルVxTまたは非対象ボクセルVxHの何れか一方に分類されることになる。
ところで、本実施形態では、立体物Objの補完モデルの外郭部L-EXが、一様な厚さΔLを有するように定められる場合を例示しているが、これは一例であり、立体物Objの補完モデルの外郭部L-EXは、例えば、立体物Objが自重により崩壊しない程度の最低限の強度を確保可能な厚さを有していればよく、また、外郭部L-EXの厚さは一様でなくてもよい。
本実施形態では、図10A及び図10Bに示すように、積層方向に直交する平面によって立体物Objを切断したときの切断面において、積層方向と直交する方向であって、且つ、切断面の幅が最も狭くなる方向を、方向W1OBJ(「第1方向」の一例)と定める。本実施形態では、ホストコンピューター9に設けられたモデルデータ生成部92が、モデルデータDatを生成する際に、方向W1OBJを定めることとする。但し、造形データ生成部93が、モデルデータDatに基づいて方向W1OBJを定めてもよい。また、説明の便宜上、積層方向と直交する方向であって、且つ、方向W1OBJに交差する方向を、方向W2OBJ(「第2方向」の一例)と定める。
図10A及び図10Bに示す例では、積層方向である+Z方向に直交するXY平面による立体物Objの切断面において、辺L1の延在方向の幅ΔYが、他の方向における幅、例えば、辺L2の延在方向の幅ΔX等よりも短い。このため、図10A及び図10Bに示す例では、辺L1の延在方向を方向W1OBJと定めている。また、図10A及び図10Bに示す例では、一例として、辺L2の延在方向を方向W2OBJと定めている。
また、図10A及び図10Bに示す例において、立体物Objは、辺L1とY軸とが平行となり、且つ、辺L2とX軸とが平行となるような姿勢で配置されている。よって、図10A及び図10Bに示す例において、方向W1OBJは+Y方向となり、且つ、方向W2OBJは+X方向となる。
なお、本実施形態に係る立体物造形システム100は、立体物造形装置1が立体物Objを造形する場合において、立体物造形装置1から見た立体物Objの姿勢のうち、Z軸周りの回転方向の姿勢を自由に定めることができることとする。すなわち、本実施形態に係る造形データ生成部93は、造形データSD[1]〜SD[Q]の示す立体物Objの姿勢が、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルの姿勢に対して、Z軸回りの回転を施した姿勢となるような、ボクセルデータVD及び造形データSDを生成することが可能である。
よって、図10A及び図10Bでは、方向W1OBJが+Y方向となる場合を例示しているが、立体物Objが、図10A及び図10Bに示す姿勢からZ軸周りに回転させた姿勢となる場合には、当該回転に応じて、方向W1OBJもXY平面内で回転することになる。
<<4.対象ボクセル決定処理>>
造形データ生成部93は、造形データ生成処理のうち図8のステップS130において、対象ボクセルVxTを決定する対象ボクセル決定処理を実行する。
上述の通り、外郭部L-EXを近似するボクセルVxの集合体は、対象ボクセルVxTのみを含み、非対象ボクセルVxHを含まない。換言すれば、外郭部L-EXにおいて、各ボクセルVxは対象ボクセルVxTであり、対象ボクセルVxTまたは非対象ボクセルVxHの何れか一方への分類は不要である。このため、本実施形態に係る対象ボクセル決定処理は、内側部L-INのみを対象とし、外郭部L-EXは対象としないこととする。つまり、本実施形態に係る対象ボクセル決定処理は、内側部L-INにおける対象ボクセルVxTを決定する処理、換言すれば、立体物Objの内部構造を決定する処理である。
図11は、本実施形態に係る対象ボクセル決定処理により決定される、立体物Objの内側部L-INの構造(立体物Objの内部構造)の一例を示す斜視図である。なお、図11では、立体物Objの内側部L-INのみを透過的に表わしている。
本実施形態に係る対象ボクセル決定処理では、図11に例示するように、立体物Objの内側部L-INにおいて、Z軸方向(「所定方向」の一例)に延在する1または複数の支柱Kが設けられるように対象ボクセルVxTを決定する。より具体的には、本実施形態に係る対象ボクセル決定処理では、立体物Objの内側部L-INに設けられる支柱Kの本数、各支柱Kの形状、及び、各支柱Kの位置を決定する。図11では、一例として、立体物Objの内側部L-INに8本の支柱K1〜K8が設けられる場合を示している。
なお、本実施形態では、支柱Kの形成の容易さを鑑み、Z軸方向に延在する支柱Kを形成する場合、換言すれば、造形体LY[1]〜LY[Q]を積層させる方向に延在する支柱Kを形成する場合を想定している。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、支柱Kの延在方向となる「所定方向」は、Z軸方向とは異なっていても構わない。
また、詳細は後述するが、本実施形態に係る対象ボクセル決定処理では、立体物ObjをXY平面で切断した場合において、内側部L-INに形成される1または複数の支柱Kのうち、方向W1OBJにおける長さが、方向W2OBJにおける長さよりも長い断面を有する支柱Kの本数が、方向W2OBJにおける長さが、方向W1OBJにおける長さよりも長い断面を有する支柱Kの本数よりも多くなるように、立体物Objの内部構造を決定する。
例えば、図11では、立体物Objの内側部L-INにおいて、方向W1OBJに長い断面を有する支柱Kが、支柱K1〜K8の8本なのに対して、方向W2OBJに長い断面を有する支柱Kが、0本である場合を例示している。
以下、図11に加え、図12乃至図15を参照しつつ、対象ボクセル決定処理について説明する。
図12は、対象ボクセル決定処理において使用するディザマスクDZの一例である。
図12に示される複数のセル(四角形の升目)の各々は、ディザマスクDZの格納要素を表わす。また、複数のセルの各々に付された数値は、ディザマスクDZの各格納要素に格納された閾値を表わす。また、本実施形態において、ディザマスクDZには、当該ディザマスクDZを使用してドットの配置を決定した場合に、2つのドットが隣り合って形成される確率が最も高くなることが予定される方向W1DZが定められている。
なお、以下では、図12に示すように、ディザマスクDZが、10行10列の100個の格納要素を有し、当該100個の格納要素に1から100までの100個の整数が閾値として格納されている場合を、一例として説明する。また、以下の説明では、ドット形成指標値RFが、ドット形成率αを百分率で表わした「0≦RF≦100」を満たす整数である場合を想定する。また、本実施形態では、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、互いに異なるユニークな値となるように定められていることとする。
図13A乃至図13Cは、ディザマスクDZの有する複数の閾値と、ボクセルデータVD[q]の示すボクセルVxの集合体のうち内側部L-INを構成する複数の内部ボクセルVx-IN[q]と、の関係を説明するための説明図である。
図13A乃至図13Cに示される複数のセルの各々は、ディザマスクDZの各格納要素と、ボクセルデータVD[q]の示す各内部ボクセルVx-IN[q]と、の両方を表わす。また、複数のセルの各々に付された数値は、ディザマスクDZの各格納要素に格納された閾値を表わす。また、内部ボクセルVx-IN[q]のうち、対象ボクセルVxTとして分類された内部ボクセルVx-IN[q]を、網掛けの付されたセルとして表わし、非対象ボクセルVxHとして分類された内部ボクセルVx-IN[q]を、背景が無地のセルとして表わす。
以下では、説明の便宜上、図13A乃至図13Cに示すように、ボクセルデータVD[q]の示す複数の内部ボクセルVx-IN[q]と、ディザマスクDZの有する複数の格納要素と、をXY平面上で仮想的に重ね合わせることで、内部ボクセルVx-IN[q]と、Z軸方向から見て当該内部ボクセルVx-IN[q]に重なる位置の格納要素と、を対応付けることとする。
なお、以下の説明では、造形体LY[1]〜LY[Q]の各々の内側部L-INが、X軸方向において10ボクセルVx分の長さ、Y軸方向において13ボクセルVx分の長さの長方形形状を有する場合を想定する。
図14は、対象ボクセル決定処理を実行する場合の、決定部95の動作の一例を示すフローチャートである。
決定部95は、対象ボクセル決定処理が開始されると、まず、図13A乃至図13Cに示すように、立体物Objに応じて定められる方向W1OBJと、ディザマスクDZに対して定められた方向W1DZと、が同じ方向となるように、立体物ObjとディザマスクDZとの一方または両方を、Z軸周りに回転させる(S200)。
なお、ステップS200において、立体物Obj及びディザマスクDZの一方または両方をZ軸回りに回転させた場合、造形データSD[q]におけるボクセルVxの延在方向と、ディザマスクDZにおける格納要素の延在方向と、が異なる方向となることがある。例えば、造形データSD[q]の示すボクセルVxの延在方向が、X軸と45度をなす方向であるのに対して、ディザマスクDZの有する格納要素の延在方向が、X軸方向となる場合、等が想定される。このような場合、造形データSD[q]の示す各内部ボクセルVx-INと、ディザマスクDZの有する各格納要素と、を1対1に対応付ける際の処理負荷が増大する可能性が高くなる。
このため、例えば、ステップS110で行うボクセルデータVD[q]の生成において、方向W1OBJと、方向W1DZとを同じ方向とした場合に、造形データSD[q]におけるボクセルVxの延在方向と、ディザマスクDZの有する格納要素の延在方向と、が同一方向となるようなボクセルデータVD[q]を生成してもよい。すなわち、図9に示すボクセルデータVD[q]は、複数のボクセルVxを、X軸方向とY軸方向とに整列するような向きでマトリックス状に配置しているが、このような態様に限定されるものではなく、ボクセルデータVD[q]は、複数のボクセルVxを、X軸方向及びY軸方向とは異なる方向に整列するような向きでマトリックス状に配置してもよい。具体的には、ボクセルデータVD[q]は、複数のボクセルVxを、方向W1OBJと方向W1OBJに直交する方向とに整列するような向きでマトリックス状に配置したデータであることが好ましい。
次に、決定部95は、変数qを値「1」に初期化する(S210)。
次に、決定部95は、図13A乃至図13Cに示すように、ボクセルデータVD[q]の示すボクセルVxの集合体のうち内側部L-INを構成する複数の内部ボクセルVx-IN[q]と、ディザマスクDZの複数の格納要素と、を1対1に対応付ける(S220)。
ところで、図13A乃至図13Cに例示する場合、すなわち、ディザマスクDZが10×10個の格納要素を有し、ボクセルデータVD[q]の内側部L-INが10×13個の内部ボクセルVx-INを有する場合のように、ディザマスクDZのサイズ(格納要素数)が、ボクセルデータVD[q]の内側部L-INのサイズ(内部ボクセル数)よりも小さい場合がある。このような場合には、同一のディザマスクDZを複数用意し、当該複数のディザマスクDZをXY平面上に並べることで、ボクセルデータVD[q]の示す複数の内部ボクセルVx-INを、複数のディザマスクDZにより覆う。これにより、XY平面上に並べられた複数のディザマスクDZの有する複数の格納要素と、XY平面上に並べられたボクセルデータVD[q]の示す複数の内部ボクセルVx-IN[q]と、を1対1に対応付けることができる。
なお、図13A乃至図13Cでは、ボクセルデータVD[q]の示す複数の内部ボクセルVx-IN[q]を、2個のディザマスクDZを用いて覆っている。より詳細には、図13A乃至図13Cでは、ディザマスクDZ(1)の10行10列の格納要素、及び、ディザマスクDZ(2)の10行3列の格納要素からなる、合計130個の格納要素と、ボクセルデータVD[q]の130個の内部ボクセルVx-IN[q]と、を1対1に対応付けている場合を例示している。
次に、決定部95は、ボクセルデータVD[q]の示す複数の内部ボクセルVx-IN[q]のうち、実行中の対象ボクセル決定処理において未選択の内部ボクセルVx-IN[q]の中から、一の内部ボクセルVx-IN[q]を選択する(S230)。
次に、決定部95は、図8のステップS120において生成されたドット形成指標値RFと、ディザマスクDZの有する複数の閾値のうちステップS230において選択された一の内部ボクセルVx-IN[q]に対応する閾値と、を比較し、ドット形成指標値RFが当該閾値以上であるか否かを判定する(S240)。
そして、決定部95は、ステップS240における判定結果が肯定である場合、つまり、ドット形成指標値RFが一の内部ボクセルVx-IN[q]に対応する閾値以上である場合には、当該一の内部ボクセルVx-IN[q]を、ドットを形成すべき対象ボクセルVxTとして決定する(S250)。
他方、決定部95は、ステップS240における判定結果が否定である場合、当該一の内部ボクセルVx-IN[q]を、ドットの形成されない非対象ボクセルVxHとして決定する(S260)。
次に、決定部95は、ボクセルデータVD[q]の示す内側部L-INの全ての内部ボクセルVx-IN[q]が、実行中の対象ボクセル決定処理のステップS230において選択され、各内部ボクセルVx-IN[q]が、対象ボクセルVxTまたは非対象ボクセルVxHの何れかに分類済みであるか否かを判定する(S270)。そして、決定部95は、ステップS270における判定結果が否定である場合、処理をステップS230に進める。また、決定部95は、ステップS270における判定結果が肯定である場合、変数qが「q<Q」を充足するか否かを判定する(S280)。
そして、決定部95は、ステップS280における判定結果が肯定である場合、変数qに「1」を加算した上で、処理をステップS220に進める(S290)。また、決定部95は、ステップS280における判定結果が否定である場合、すなわち、変数qが「q=Q」に達した場合、対象ボクセル決定処理を終了させる。
なお、上述の通り、本実施形態に係る対象ボクセル決定処理では、内側部L-INにおいて、Z軸方向に延在する支柱Kが形成されるように対象ボクセルVxTを決定する。このため、内側部L-INにおいて、Z軸方向に連続するように複数の対象ボクセルVxTが設けられ、Z軸方向に連続するように複数の非対象ボクセルVxHが設けられることになる。すなわち、内側部L-INにおいて、ボクセルデータVD[q]の示す一の内部ボクセルVx-IN[q]の+Z方向に、ボクセルデータVD[q+1]の示す他の内部ボクセルVx-IN[q+1]が存在する場合、一の内部ボクセルVx-IN[q]が対象ボクセルVxTであるときは、他の内部ボクセルVx-IN[q+1]も対象ボクセルVxTとなり、一の内部ボクセルVx-IN[q]が非対象ボクセルVxHであるときは、他の内部ボクセルVx-IN[q+1]も非対象ボクセルVxHとなる。
このため、本実施形態では、一の内部ボクセルVx-IN[q]に対応するディザマスクDZの格納要素(または閾値)と、他の内部ボクセルVx-IN[q+1]に対応するディザマスクDZの格納要素(または閾値)と、が等しくなるように、内部ボクセルVx-IN[q]とディザマスクDZの格納要素との対応付けを行う。具体的には、図14のステップS230において、ボクセルデータVD[q]を覆う各ディザマスクDZのXY平面における位置と、ボクセルデータVD[q+1]を覆う各ディザマスクDZのXY平面における位置と、が等しくなるように、内部ボクセルVx-IN[q]とディザマスクDZの格納要素との対応付けを行う。
また、上述のとおり、立体物Objの内側部L-INに設けられる支柱Kは、Z軸方向に延在する。このため、本実施形態において、決定部95は、図14のステップS220〜S270の処理を少なくとも1回実行すれば、XY平面上における支柱Kの本数、形状、及び、位置の決定が可能である。例えば、図11に示すように、内側部L-INをXY平面により切断した内側部L-INの断面体の形状が、Z軸方向の位置が変化しても同一の場合、一のボクセルデータVDに対してのみステップS220〜S270の処理を実行し、他のボクセルデータVDについては一のボクセルデータVDにおける処理結果を流用することができる。このため、決定部95は、図14のステップS220〜S270の処理を1回のみ実行するものであってもよい。
なお、Z軸方向の位置に応じて、内側部L-INの断面体の形状がZ軸方向の位置の変化に伴って変化する場合、内側部L-INをXY平面に射影した形状を有するような内部ボクセルVx-IN[q]の集合体を表わす仮想的なボクセルデータVDを生成し、当該仮想的なボクセルデータVDに対してステップS220〜S270の処理を実行し、当該処理結果を各ボクセルデータVDについて流用すればよい。
以上において説明したように、決定部95は、対象ボクセル決定処理により、立体物Objの内側部L-INにおける支柱Kの本数、形状、位置を、ドット形成指標値RFに応じて決定する。
例えば、図13Aでは、ドット形成指標値RFが「20」であるため、「20」以下の閾値に対応する内部ボクセルVx-IN[q]が、対象ボクセルVxTとして決定される。このため、図13Aに示す例では、ボクセルデータVD[q]に含まれる130個の内部ボクセルVx-IN[q]のうち、28個の内部ボクセルVx-IN[q]が、対象ボクセルVxTとして分類され、当該28個の対象ボクセルVxTに対応する位置にドットが形成される。この結果、図11に示すように、立体物Objの内側部L-INにおいて、8本の支柱K1〜K8が形成される。なお、図13Aに示す例では、8本の支柱K1〜K8は、何れも、方向W1OBJに長い断面を有する支柱Kである。
これに対して、図13Bでは、ドット形成指標値RFが、図13Aの場合よりも小さい「10」であるため、ボクセルデータVD[q]に含まれる130個の内部ボクセルVx-IN[q]のうち、対象ボクセルVxTとして分類される内部ボクセルVx-IN[q]の個数も、図13Aの場合よりも少ない15個となる。この結果、図13Bでは、立体物Objの内側部L-INにおいて、図13Aに示す場合よりも少ない本数の支柱K1〜K6が形成され、また、各支柱Kも、図13Aに示す場合よりも小さい断面積を有することとなる。なお、図13Bに示す例では、6本の支柱K1〜K6は、何れも、方向W1OBJに長い断面を有する支柱Kである。
逆に、図13Cでは、ドット形成指標値RFが、図13Aの場合よりも大きい「30」であるため、ボクセルデータVD[q]に含まれる130個の内部ボクセルVx-IN[q]のうち、対象ボクセルVxTとして分類される内部ボクセルVx-IN[q]の個数も、図13Aの場合よりも多い42個となる。この結果、図13Cでは、立体物Objの内側部L-INにおいて、図13Aに示す場合よりも多い本数の支柱K1〜K10が形成され、また、各支柱Kも、図13Aに示す場合よりも大きい断面積を有することとなる。なお、図13Cに示す例では、10本の支柱K1〜K10のうち、支柱K8以外の9本の支柱Kは、方向W1OBJに長い断面を有する支柱Kであるが、支柱K8は、方向W2OBJに長い断面を有する支柱Kとなっている。
このように、本実施形態において、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、少なくともドット形成指標値RFが所定の値以下(例えば、ドット形成指標値RFが「30」以下)であるときに、少なくとも以下の条件(1)が満たされるように設定される。
(1) 内側部L-INに形成される1または複数の支柱Kのうち、方向W1OBJに長い断面を有する支柱Kの本数が、方向W2OBJに長い断面を有する支柱Kの本数よりも多くなること。
対象ボクセル決定処理において、条件(1)を満たすディザマスクDZを用いることで、立体物Objの内側部L-INの方向W1OBJの強度が、方向W2OBJの強度よりも高くなるように、立体物Objの内側部L-INの構造を決定することができる。
また、本実施形態において、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、立体物Objの内側部L-INにおいて、少なくともドット形成指標値RFが所定の値以下であるときに、ドット形成指標値RFが大きくなるに従い、支柱Kの本数の増加、または、1以上の支柱Kにおける断面積の増大のうち、少なくとも一方が実現されるように設定されている。より具体的には、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、ドット形成指標値RFが、所定の値以下である値RF1(「第1の値」の一例)である場合と、値RF1よりも小さい値RF2(「第2の値」の一例)である場合と、を比較した場合において、以下の支柱Kに係る条件(2)及び(3)のうち、一方または両方が満たされるように設定されている。
(2) ドット形成指標値RFが値RF1の場合、値RF2の場合と比較して、内側部L-INに設けられる1または複数の支柱Kのうち、少なくとも1本の支柱Kにおいて、断面積が大きくなること。
(3) ドット形成指標値RFが値RF1の場合、値RF2の場合と比較して、内側部L-INに設けられる支柱Kの本数が多くなること。
対象ボクセル決定処理において、条件(2)及び(3)の少なくとも一方を満たすディザマスクDZを用いることで、ドット形成指標値RFが所定の値以下である場合において、ドット形成指標値RFが大きくなるに従って立体物Objの強度が高くなるように、
立体物Objの内側部L-INの構造を決定することができる。
次に、図15を参照しつつ、ディザマスクDZの有する複数の閾値の配列についての、
他の条件(A)〜(E)について説明する。
図15は、内側部L-INにおける2個のボクセルVxが、共に対象ボクセルVxTに分類される確率を説明するための説明図である。
図15に示すように、一のボクセルVx1と、当該一のボクセルVx1と方向W1DZまたは方向W1DZとは逆方向に隣り合うボクセルVx2xと、の両方が対象ボクセルVxTに分類される確率を、確率βとする(Case1-1、Case1-2)。また、一のボクセルVx1と、当該一のボクセルVx1に隣り合うボクセルVxであってボクセルVx2x以外のボクセルVx2yと、の両方が対象ボクセルVxTに分類される確率を、確率γと称する(Case2-1、Case2-2等)。また、一のボクセルVx1と、当該一のボクセルVx1に隣り合わないボクセルVx3と、の両方が対象ボクセルVxTに分類される確率を、確率εと称する(Case3等)。
ここで、あるボクセルVxと、他のボクセルVxとが隣り合うとは、当該2つのボクセルVxの間の距離が所定値以下であることを意味し、好ましくは、図15のCase1-1、Case1-2、Case2-1、または、Case2-2に示すように、2つのボクセルVxが、面、辺、または、点で接していることを意味する。
上述のとおり、決定部95は、ドット形成指標値RFとディザマスクDZの有する閾値との比較結果に応じて、対象ボクセルVxTを決定する。このため、仮に、ディザマスクDZがホワイトノイズ的な性質を有する場合、例えば、ディザマスクDZの有する複数の閾値の並び方がランダムである場合、内側部L-INにおける一のボクセルVxが対象ボクセルVxTに分類される確率は、ドット形成率「α」となる。よって、ディザマスクDZがホワイトノイズ的な性質を有する場合には、内側部L-INにおける任意の2個のボクセルVxが対象ボクセルVxTに分類される確率は、「α」となる。
これに対して、本実施形態に係るディザマスクDZは、少なくともドット形成指標値RFが所定の値以下であるときに、以下の条件(A)(B)及び(C)を満たすように閾値が定められている場合を想定する。
(A) 確率βと確率εとが、「β>ε」を満たすこと
(B) 確率βと確率γとが、「β>γ」を満たすこと
(C) 確率γと確率εとが、「γ>ε」を満たすこと
更に、本実施形態に係るディザマスクDZの有する閾値は、上記条件(A)〜(C)に加え、以下の条件(D)及び(E)を満たすように定められていてもよい。
(D) 確率βが、「β>α」を満たすこと
(E) 確率γが、「γ>α」を満たすこと
本実施形態では、対象ボクセル決定処理において、条件(A)及び(B)を満たすディザマスクDZを用いるため、方向W1OBJ方向に連続してドットを形成することができ、方向W1OBJの強度の高い内部構造を有する立体物Objの造形が可能となる。
また、本実施形態では、対象ボクセル決定処理において、条件(C)〜(E)を満たすディザマスクDZを用いるため、内側部L-INにおいて効率的に支柱Kを形成することができ、立体物Objの強度の確保に寄与しないような細すぎる支柱Kの形成を防止することができる。
以上において説明したように、本実施形態に係るディザマスクDZの有する複数の閾値は、上述した条件(1)〜(3)と、条件(A)〜(E)とが充足されるように定められる。
但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、少なくとも、条件(1)を満たすか、または、条件(A)及び(B)を満たすか、のうちの一方に該当するように定められていればよい。
例えば、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、少なくとも条件(1)を充足し、好ましくは条件(1)〜(3)の一部または全部を充足するように、定められてもよい。この場合、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、条件(A)〜(E)を考慮せずに定められてもよいが、条件(1)〜(3)の一部または全部を充足させることで、結果的に条件(A)〜(E)の一部または全部が充足されてもよい。
また、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、少なくとも条件(A)及び(B)を充足し、好ましくは条件(A)〜(C)を充足し、より好ましくは条件(A)〜(E)を充足するように、定められてもよい。この場合、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、条件(1)〜(3)を考慮せずに定められてもよいが、条件(A)〜(E)の一部または全部を充足させることで、結果的に条件(1)〜(3)の一部または全部が充足されてもよい。
<<5.実施形態の結論>>
以上において説明したように、本実施形態では、対象ボクセル決定処理において、ドット形成指標値RFに応じて立体物Objの内部構造を決定する。このため、立体物Objの内部構造を設計し、または、立体物Objの内部構造の形状を指示する等、立体物造形システム100の利用者に対して、立体物Objの内部構造の形状の決定に係る負荷をかけさせることなく、立体物Objの内部構造を決定することができる。このため、立体物Objの造形に係る立体物造形システム100の利用者の負荷を軽減することができる。
また、本実施形態に係る造形データ生成処理では、立体物Objの有すべき強度に応じた値である強度指標値STに基づいて、ドット形成指標値RFを定める。そして、本実施形態に係る対象ボクセル決定処理では、ハーフトーニングの技術を立体物の造形技術に適用し、ディザマスクDZを用いることで、ドット形成指標値RFに応じた立体物Objの内部構造を決定する。
このため、本実施形態に係る対象ボクセル決定処理は、立体物Objの形状、立体物Objに要求される強度、立体物Objの造形に用いることのできるインク量、立体物Objの造形に用いることのできるインクの種類、立体物Objの造形に許容される造形時間、等の、立体物Objの要件に応じて、立体物Objの内部構造を一意に決定することが可能となる。換言すれば、立体物Objの要件が変更された場合であっても、要件の変更に柔軟に対応し、且つ、利用者に過大な負荷をかけることなく、立体物Objの内部構造を決定できる。
また、本実施形態に係る対象ボクセル決定処理では、条件(1)、または、条件(A)及び(B)、の少なくとも一方を満たすようなディザマスクDZを用いるため、立体物Objの内側部L-INの方向W1OBJの強度が、方向W2OBJの強度よりも高くなるように、立体物Objの内側部L-INの構造を決定することができる。
このため、立体物Objにおいて、他の方向に比べて幅が狭く容易に圧壊しうる方向である方向W1OBJに対する強度を高くすることができ、立体物Objが全体として有する強度を高く保つことが可能となる。
<<B.変形例>>
以上の実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。
なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
<<変形例1>>
上述した実施形態及び変形例において、方向W1OBJは、立体物Objの切断面の幅を最も狭くする方向であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、少なくとも、立体物Objの切断面の方向W1OBJにおける幅が、立体物Objの切断面の方向W2OBJにおける幅よりも狭くなるように、方向W1OBJを定めればよい。
<<変形例2>>
上述した実施形態及び変形例では、1つの立体物Objに対して1つの方向W1OBJが定められるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、1つの立体物Objに対して複数の方向W1OBJを定めてもよい。
具体的には、例えば、立体物Objが凹凸を有する場合等、複雑な形状を有する場合においては、当該立体物ObjのXY平面による切断面の形状が、例えば凹部を有さないように立体物Objを適当に区分し、区分された立体物Objの各々に対して、XY平面による切断面の幅に基づいて、方向W1OBJを定めてもよい。
<<変形例3>>
上述した実施形態及び変形例において、方向W1OBJは、モデルデータ生成部92または造形データ生成部93が、立体物Objの形状に基づいて定めるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、立体物造形システム100の利用者が、表示操作部91等を用いて方向W1OBJを定めてもよい。この場合、立体物Objの用途に応じた方向に、強度を持たせることが可能となる。
<<変形例4>>
上述した実施形態及び変形例において、ディザマスクDZのサイズとして、10行10列の場合を例示しているが、これは一例であり、ディザマスクDZは少なくとも2行2列以上のサイズを有していればよい。
また、上述した実施形態及び変形例において、ディザマスクDZの形状は行数及び列数が等しい四角形(正方行列)であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、ディザマスクDZは、行数と列数が異なる長方形であってもよいし、四角形以外の任意の形状であってもよい。但し、対象ボクセル決定処理において、複数のディザマスクDZをXY平面において仮想的に重複無く並べることのできる、平面充填可能な形状であることが好ましい。
<<変形例5>>
上述した実施形態及び変形例では、ディザマスクDZの有する複数の閾値は、互いに異なるユニークな値となるように定められるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、2以上の閾値が同一の値であってもよい。
また、上述した実施形態及び変形例では、ディザマスクDZの有する各閾値は整数であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、ディザマスクDZの有する複数の閾値は整数以外の実数を含むものであってもよい。
また、上述した実施形態及び変形例において、ドット形成指標値RFの取り得る範囲を、0≦RF≦100とし、ディザマスクDZの各閾値の取り得る範囲を、1以上100以下としているが、これは一例である。本発明において、ドット形成指標値RFの取り得る範囲と、ディザマスクDZの有する各閾値の取り得る範囲は、ドット形成指標値RFとディザマスクDZの有する閾値とを比較し、比較結果に応じてドット形成指標値RFを二値化するという、所謂ハーフトーニング処理の適用が可能となるような、互いに対応付けられた範囲であればよい。例えば、ドット形成指標値RFの取り得る最小値を、ディザマスクDZの有する最小の閾値に略一致する値、または、当該最小の閾値以上の値とし、ドット形成指標値RFの取り得る最大値を、ディザマスクDZの有する最大の閾値に略一致する値、または、当該最大の閾値以下の値としてもよい。少なくとも、ディザマスクDZの各閾値の取り得る範囲の一部または全部と、ドット形成指標値RFの取り得る範囲の一部または全部と、が重複していればよい。
<<変形例6>>
上述した実施形態及び変形例では、強度指標値STはモデルデータ生成部92により生成されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、造形データ生成部93がモデルデータDatに基づいて強度指標値STを生成してもよいし、立体物造形システム100の利用者が表示操作部91を用いて強度指標値STを入力する態様であってもよい。
また、上述した実施形態及び変形例では、ドット形成指標値RFは造形データ生成部93により生成されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、モデルデータ生成部92がモデルデータDatに基づいてドット形成指標値RFを生成してもよいし、立体物造形システム100の利用者が表示操作部91を用いてドット形成指標値RFを入力する態様であってもよい。
<<変形例7>>
上述した実施形態及び変形例では、造形データ生成部93は、ホストコンピューター9に設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、造形データ生成部93は、立体物造形装置1に設けられていてもよい。つまり、造形データ生成部93は、立体物造形装置1のCPUが、記憶部60に記憶されたプログラムを実行することにより実現される機能ブロックであってもよい。この場合、記憶部60が、ディザマスクDZを記憶していることが好ましい。
本変形例のように、立体物造形装置1が造形データ生成部93を具備する場合、立体物造形装置1の外部から供給されるモデルデータDatに基づいて造形データSDを生成し、さらに、生成した造形データSDを用いて生成した波形指定信号SIに基づいて立体物Objを造形することができる。
<<変形例8>>
上述した実施形態及び変形例において、立体物造形システム100はモデルデータ生成部92を備えるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、立体物造形システム100はモデルデータ生成部92を含まずに構成されてもよい。つまり、立体物造形システム100は、立体物造形システム100の外部から供給されるモデルデータDatに基づいて、立体物Objを造形するものであってもよい。
<<変形例9>>
上述した実施形態及び変形例において、立体物造形装置1は6種類のインクを吐出可能であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、立体物造形装置1は、少なくとも1種類以上の造形用インクを吐出可能であればよい。
<<変形例10>>
上述した実施形態及び変形例において、立体物造形装置1は、造形用インクを硬化させて形成された造形体LYを積層することで立体物Objを造形するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、層状に敷き詰められた粉体を硬化性の造形用インクにより固めることで造形体LYを形成し、形成された造形体LYを積層することで立体物Objを造形するものであってもよい。
この場合、立体物造形装置1は、造形台45上に粉体を所定の厚さΔZで敷き詰めて粉体層PWを形成する粉体層形成部(図示省略)と、立体物Objの造形後に、立体物Objを構成しない余分な粉体を廃棄するための粉体廃棄部(図示省略)と、を備えればよい。なお、以下では、造形体LY[q]を形成するための粉体層PWを、粉体層PW[q]と称する。
図16は、本変形例に係る造形処理を実行する場合の立体物造形システム100の動作の一例を示すフローチャートである。図16に示す本変形例に係る造形処理は、ステップS170の代わりにステップS171及びS172の処理を実行する点と、ステップS180における判定結果が肯定である場合にステップS181の処理を実行する点と、を除き、図8に示す実施形態に係る造形処理と同様である。
図16に示すように、本変形例に係る造形制御部6は、粉体層形成部が粉体層PW[q]を形成するように、立体物造形装置1の各部の動作を制御する(S171)。
また、本変形例に係る造形制御部6は、造形データSD[q]に基づいて、粉体層PW[q]にドットを形成し、当該ドットを用いて造形体LY[q]が形成されるように、立体物造形装置1の各部の動作を制御する(S172)。具体的には、造形制御部6は、ステップS172において、まず、造形データSD[q]を用いて波形指定信号SIを生成し、生成した波形指定信号SIにより、粉体層PW[q]に対してインクが吐出されるようにヘッドユニット3等の動作を制御する。次に、造形制御部6は、粉体層PW[q]に対して吐出されたインクを粉体と共に硬化させるように硬化ユニット61の動作を制御することで、粉体とインクとからなるドットを形成する。そして、粉体層PW[q]に設けられたドットにより、造形体LY[q]を形成する。
また、本変形例に係る造形制御部6は、立体物Objが造形された後、立体物Objを構成しない粉体を廃棄するように粉体廃棄部の動作を制御する(S181)。
図17は、本変形例に係るモデルデータDat及び断面モデルデータLdat[q]と、造形データSD[q]と、粉体層PW[q]と、造形体LY[q]と、の関係を説明するための説明図である。
このうち、図17に示すPhase-A及びPhase-Bは、図9に示すPhase-A及びPhase-Cと同様、断面モデルデータLdat[1]及びLdat[2]の生成を例示している。本変形例においても、モデルデータDatの示す立体物Objのモデルをスライスすることで断面モデルデータLdat[q]を生成し、断面モデルデータLdat[q]から造形データSD[q]を生成し、そして、造形データSD[q]を用いて生成した波形指定信号SIに基づいて形成されたドットにより造形体LY[q]を形成する。以下、本変形例に係る造形体LY[q]の形成について説明する。
図18に示すPhase-Cのように、造形制御部6は、造形体LY[1]の形成に先立ち、所定の厚さΔZの粉体層PW[1]を形成するように粉体層形成部の動作を制御する(上述したステップS171参照)。
次に、造形制御部6は、図18に示すPhase-Dのように、粉体層PW[1]内に造形体LY[1]が形成されるように、立体物造形装置1の各部の動作を制御する(上述したステップS172参照)。具体的には、造形制御部6は、まず、造形データSD[1]を用いて生成した波形指定信号SIに基づいてヘッドユニット3等の動作を制御することで、粉体層PW[1]にインクを吐出させる。次に、造形制御部6は、粉体層PW[1]に形成したインクを硬化させるように、硬化ユニット61の動作を制御することで、粉体層PW[1]にドットを形成し、当該ドットを複数用いて造形体LY[1]を形成する。
その後、造形制御部6は、図18に示すPhase-Eのように、粉体層PW[1]及び造形体LY[1]の上に、所定の厚さΔZの粉体層PW[2]を形成するように粉体層形成部を制御する。さらに、造形制御部6は、図18に示すPhase-Fのように、造形体LY[2]が形成されるように、ヘッドユニット3等の各部の動作を制御する。
このように、造形制御部6は、造形データSD[q]を用いて生成した波形指定信号SIに基づいて、粉体層PW[q]内に造形体LY[q]を形成する積層処理の実行を制御し、当該造形体LY[q]を積層させていくことで、立体物Objを造形する。
<<変形例11>>
上述した実施形態及び変形例において、吐出部Dから吐出されるインクは、紫外線硬化型インク等の硬化性インクであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂等からなるインクであってもよい。
この場合、インクは、吐出部Dにおいて加熱された状態で吐出されることが好ましい。例えば、本変形例に係る吐出部Dは、キャビティ320に設けられた発熱体(図示省略)を発熱させることでキャビティ320内に気泡を生じさせてキャビティ320の内側の圧力を高め、これによりインクを吐出させる、所謂サーマル方式のインクの吐出を実行するものであってもよい。また、この場合、吐出部Dから吐出されたインクは外気により冷却されて硬化するため、立体物造形装置1は、硬化ユニット61を具備しなくてもよい。
<<変形例12>>
上述した実施形態及び変形例において、立体物造形装置1は、1つのボクセルVxを満たすサイズのドットを形成可能であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、立体物造形装置1は複数サイズのドットを形成可能なものであってもよい。例えば、立体物造形装置1は、ボクセルVxの3分の1のサイズの小ドット、ボクセルVxの3分の2のサイズの中ドット、及び、ボクセルVxの全体を満たす大ドットの3種類のサイズのドットを形成可能であってもよい。
また、立体物造形装置1が、複数サイズのドットを形成可能な場合、造形制御部6は、ヘッドユニット3の駆動信号生成部31に対し、各単位期間Tuにおいて、複数の波形を有する駆動波形信号Comを供給する。そして、駆動信号生成部31は、造形制御部6による制御の下で、吐出部D[m]から吐出されたインクにより形成すべきドットのサイズに応じて、駆動波形信号Comの有する複数の波形の一部若しくは全部の選択、または、波形の非選択を切り変えることで、駆動信号Vin[m]を生成し、生成した駆動信号Vin[m]を吐出部D[m]に供給すればよい。
なお、駆動波形信号Comは、インクの種類毎に異なる波形としてもよい。また、波形指定信号SI[m]のビット数は、吐出部Dから吐出されたインクにより形成されるドットのサイズの種類数に応じて、適宜定めればよい。
1…立体物造形装置、3…ヘッドユニット、6…造形制御部、7…位置変化機構、9…ホストコンピューター、30…記録ヘッド、31…駆動信号生成部、45…造形台、60…記憶部、61…硬化ユニット、92…モデルデータ生成部、93…造形データ生成部、95…決定部、100…立体物造形システム、101…システム制御部、D…吐出部、DZ…ディザマスク。

Claims (10)

  1. 液体を吐出可能なヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、
    造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうち、決定部がドットを形成する対象として決定したボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように前記ヘッドユニットの動作を制御する造形制御部と、
    を備え、
    前記決定部は、
    前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、ドットを形成する対象のボクセルを決定し、
    前記1または複数の支柱のうち、
    第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、
    前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、
    ことを特徴とする立体物造形装置。
  2. 前記立体物の前記第2方向の長さは、
    前記立体物の前記第1方向の長さ以上である、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の立体物造形装置。
  3. 前記立体物の内部に形成される一の支柱は、
    前記形成指標値が第1の値である場合の断面積が、
    前記形成指標値が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合の断面積よりも大きい、
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の立体物造形装置。
  4. 前記形成指標値が第1の値である場合に前記立体物の内部に形成される支柱の本数は、
    前記形成指標値が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合に前記立体物に形成される支柱の本数よりも多い、
    ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の立体物造形装置。
  5. 液体を吐出可能なヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、
    造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうち、決定部がドットを形成する対象として決定したボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように前記ヘッドユニットの動作を制御する造形制御部と、
    を備え、
    前記決定部は、
    前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、ドットを形成する対象のボクセルを決定し、
    前記ボクセル集合のうち、
    前記立体物の内部に位置する第1ボクセルと、
    前記立体物の内部に位置し前記第1ボクセルとの距離が所定値以下の第2ボクセルと、
    の両方にドットが形成される確率は、
    前記ボクセル集合のうち、
    前記第1ボクセルと、
    前記立体物の内部に位置し前記第1ボクセルとの距離が所定値よりも離れた第3ボクセルと、
    の両方にドットが形成される確率よりも高い、
    ことを特徴とする立体物造形装置。
  6. 前記決定部は、
    前記形成指標値と、ディザマスクの有する閾値と、の比較結果に応じて、前記立体物の内部において所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、ドットを形成する対象のボクセルを決定する、
    ことを特徴とする、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の立体物造形装置。
  7. 液体を吐出可能なヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、
    造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうちドットを形成する対象として決定されたボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように前記ヘッドユニットの動作を制御する造形制御部と、
    前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、ドットを形成する対象のボクセルを決定する決定部と、
    を備え、
    前記1または複数の支柱のうち、
    第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、
    前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、
    ことを特徴とする立体物造形システム。
  8. 液体を吐出可能なヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、
    を備える立体物造形装置の制御方法であって、
    造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうちドットを形成する対象として決定されたボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように前記ヘッドユニットの動作を制御し、
    前記ドットを形成する対象のボクセルは、
    前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように決定され、
    前記1または複数の支柱のうち、
    第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、
    前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、
    ことを特徴とする立体物造形装置の制御方法。
  9. 液体を吐出可能なヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、
    を備える立体物造形装置を用いた立体物の生産方法であって、
    造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、
    前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、前記ボクセル集合のうちドットを形成する対象のボクセルを決定し、
    前記ボクセル集合のうちドットを形成する対象として決定されたボクセルに対してドットが形成されるように前記ヘッドユニットから液体を吐出させることで、ドットの集合体として前記立体物を生産し、
    前記1または複数の支柱のうち、
    第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、
    前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、
    ことを特徴とする立体物の生産方法。
  10. 液体を吐出可能なヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットから吐出された液体を硬化させてドットを形成する硬化ユニットと、
    造形すべき立体物の形状をボクセル集合で表し、当該ボクセル集合のうちドットを形成する対象として決定されたボクセルにドットを形成することで、ドットの集合体として前記立体物が造形されるように、前記ヘッドユニットの動作を制御する造形制御部と、
    を備える立体物造形装置と、
    通信可能な情報処理装置であって、
    前記立体物の内部において、ボクセルにドットが形成される確率に基づく値である形成指標値に応じて、所定方向に延在する1または複数の支柱が形成されるように、ドットを形成するボクセルを決定する決定部を備え、
    前記造形制御部は、
    前記決定部の決定結果に従って前記ヘッドユニットの動作を制御し、
    前記1または複数の支柱のうち、
    第1方向の長さが前記第1方向に交差する第2方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数は、
    前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い断面を有する支柱の本数よりも多い、
    ことを特徴とする情報処理装置。
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