JP2017029557A - 鍵収納具及び鍵収納具形成片 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍵を取り出すのに手間のかからない鍵収納具を提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係る鍵収納具は、鍵類を収納する収納空間を内部に有する収納部本体であって、該収納空間に連通する開口部が一側面に設けられた収納部本体と、滑動部材を有し、前記開口部を閉鎖する第1ポジションと前記開口部を開放する第2ポジションとの間で該滑動部材を滑動させることにより、前記開口部を開閉する開閉機構と、前記滑動部材の前記収納空間に面した側に取り付けられる、前記鍵類を保持する鍵保持部と、を備え、前記収納部本体には、前記滑動部材が前記第2ポジションに位置するときに、前記鍵保持部に保持された前記鍵類が前記収納空間から露出するように、前記第2ポジションより前記開口部の開放方向の位置に、前記鍵類の露出口が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鍵収納具及び鍵収納具形成片の技術に関する。
従来、鍵(キー)を収納する様々な鍵収納具が提案されている。例えば、特許文献1では、鍵収納具の一例として、三つ折り型のキーケースが提案されている。このキーケースは、中央片、左折返し片、及び右折返し片の3つの板状片で構成されており、左折返し片と右折返し片とを中央片の方に折り返すことで、中央片に設けられたキーホルダ本体に取り付けられた鍵が収納される。
国際公開第2010/007737号
特許文献1で例示されるような三つ折り型のキーケースでは、左折返し片と右折返し片とを中央片の方に折り返すことにより、鍵を収納する収納部が形成される。そのため、右折返し片を中央片から離間する方向に開放する工程、及び左折返し片を中央片から離間する方向に開放する工程の2つの工程を経なければ、収納部に収納した鍵を取り出すことができなかった。したがって、従来のキーケースでは、収納部に収納した鍵を取り出すのに手間がかかるという問題点があった。
本発明は、一側面では、このような点を考慮してなされたものであり、その目的は、鍵を取り出すのに手間のかからない鍵収納具を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る鍵収納具は、鍵類を収納する収納空間を内部に有する収納部本体であって、該収納空間に連通する開口部が一側面に設けられた収納部本体と、滑動部材を有し、前記開口部を閉鎖する第1ポジションと前記開口部を開放する第2ポジションとの間で該滑動部材を滑動させることにより、前記開口部を開閉する開閉機構と、前記滑動部材の前記収納空間に面した側に取り付けられる、前記鍵類を保持する鍵保持部と、を備え、前記収納部本体には、前記滑動部材が前記第2ポジションに位置するときに、前記鍵保持部に保持された前記鍵類が前記収納空間から露出するように、前記第2ポジションより前記開口部の開放方向の位置に、前記鍵類の露出口が設けられる。
上記構成では、鍵類を収納する収納空間を有する収納部本体に設けられた開口部を開閉自在にするため、開口部を閉鎖する第1ポジションと開口部を開放する第2ポジションとの間を滑動する滑動部材を有する開閉機構が設けられる。また、鍵類を保持する鍵保持部は、この開閉機構の滑動部材の収納空間に面した側に取り付けられる。そして、収納部本体には、第2ポジションに滑動部材が位置するときに、鍵保持部に保持された鍵類が収納空間から露出するように、第2ポジションより開口部の開放方向の位置に、鍵類の露出口が設けられる。
そのため、上記構成では、滑動部材を第1ポジションに滑動させることで、収納部本体に設けられた開口部を閉鎖し、鍵類を収納空間に収納することができる。一方、滑動部材を第2ポジションに滑動させることで、収納空間に収納されていた鍵類を露出口から露出させることができる。すなわち、上記構成では、第1ポジションから第2ポジションに滑動部材を滑動させるという1つの工程で、収納部本体に収納されていた鍵類を取り出すことができる。したがって、上記構成によれば、鍵を取り出すのに手間のかからない鍵収納具を提供することができる。
また、上記一側面に係る鍵収納具の別の形態として、上記鍵保持部は、上記滑動部材から着脱可能に構成されてよい。当該構成では、鍵保持部は滑動部材から着脱可能に構成されるため、鍵保持部に保持された鍵類を利用する際に、当該鍵保持部を滑動部材から取り外すことができる。したがって、当該構成によれば、鍵収納具の本体が鍵の利用の邪魔になるのを避けることができるため、操作性に優れた鍵収納具を提供することができる。
また、上記一側面に係る鍵収納具の別の形態として、上記開閉機構はスライドファスナーであってよく、上記滑動部材は両面スライダーであってよい。そして、上記鍵保持部は、上記滑動部材の収納空間に面した側に設けられる引手に取り付けられてよい。当該構成によれば、既存のスライドファスナーと両面スライダーとを利用することができるため、鍵収納具を安価に作製することができる。
また、上記一側面に係る鍵収納具の別の形態として、本発明の一側面に係る鍵収納具形成片は、他部材に取り付けられることで、該他部材との間に鍵類を収納する収納空間を形成する本体部であって、該収納空間に連通する開口部が設けられた板状の本体部と、滑動部材を有し、前記開口部を閉鎖する第1ポジションと前記開口部を開放する第2ポジションとの間で該滑動部材を滑動させることにより、前記開口部を開閉する開閉機構と、前記滑動部材の前記収納空間に面した側に取り付けられる、前記鍵類を保持する鍵保持部と、を備え、前記本体部を前記他部材に取り付けた場合に、前記滑動部材が前記第2ポジションに位置するときに、前記鍵保持部に保持された前記鍵類を前記収納空間から露出させるための露出口が、前記第2ポジションより前記開口部の開放方向の位置に形成されるように構成される。当該構成によれば、上記と同様の理由により、鍵を取り出すのに手間のかからない鍵収納具を提供することができる。
本発明によれば、鍵を取り出すのに手間のかからない鍵収納具を提供することができる。
図1は、実施の形態に係るキーケースを例示する後方分解斜視図である。 図2は、実施の形態に係るキーケースを模式的に例示する。 図3は、実施の形態に係るキーケース(第1ポジション)を例示する正面図である。 図4は、実施の形態に係る第1スリーブ片の裏面を例示する。 図5は、実施の形態に係るキーケース(第2ポジション)を例示する正面図である。 図6Aは、他の形態に係る鍵保持部(取り付け状態)を例示する。 図6Bは、他の形態に係る鍵保持部(取り外し状態)を例示する。 図7は、他の形態に係る鍵保持部を例示する。 図8は、他の形態に係る鍵保持具(鞄)を模式的に例示する。 図9は、他の形態に係る鍵保持具(衣類)を模式的に例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形が行われてもよい。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 構成例
まず、図1〜図5を用いて、本実施形態に係るキーケース1の構成例を説明する。図1は、本実施形態に係るキーケース1を例示する後方分解斜視図である。図2は、本実施形態に係るキーケース1を組み立てた状態を模式的に例示する。図3は、本実施形態に係るキーケース1(閉鎖状態)を例示する正面図である。図4は、本実施形態に係るキーケース1の第1スリーブ片2の裏面24を例示する。図5は、本実施形態に係るキーケース(開放状態)を例示する正面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、各図の上下方向を「上下」と、各図の左右方向を「左右」とも称することとする。
図1に例示されるように、本実施形態に係るキーケース1は、板状の第1スリーブ片2と板状の第2スリーブ片5とを備えている。この第1スリーブ片2及び第2スリーブ片5は、共に面直方向にやや湾曲しており、それぞれの湾曲している方の面が外側を向くように左右両側の側辺で縫い合わされている。そのため、図2に例示されるように、本実施形態に係るキーケース1の収納部本体10は、上下方向に開口したスリーブ状に形成される。
この収納部本体10は、図1及び図2に例示されるように、上側に第1開口11を有しており、下側に第2開口12を有している。また、収納部本体10は、1又は複数の鍵類を収納する扁平状の収納空間13を内部に有している。そのため、本実施形態に係るキーケース1は、この収納空間13に1又は複数の鍵類を収納して、持ち運ぶことができる。このキーケース1は、本発明の「鍵収納具」に相当する。以下、このようなキーケース1を構成する第1スリーブ片2及び第2スリーブ片5について詳細に説明する。
[第1スリーブ片]
まず、第1スリーブ片2について説明する。図1〜図4に例示されるように、本実施形態に係る第1スリーブ片2は、矩形状の本体部21と、表面23から裏面24へ貫通する開口部22と、を有している。
本体部21は、面直方向の表面23側にやや湾曲しており、この本体部21に設けられる開口部22は、収納空間13に連通している。そのため、本体部21の面は、本発明の収納部本体の「一側面」に相当する。本実施形態では、開口部22は上下方向に直線状に延びており、この開口部22を開閉自在にするため、スライドファスナー3が設けられている。
<スライドファスナー>
スライドファスナー3は、両面スライダー33を有しており、この両面スライダー33を上下方向に滑動させることにより、開口部22を開閉可能に構成されている。そのため、このスライドファスナー3は本発明の「開閉機構」に相当し、両面スライダー33は本発明の「滑動部材」に相当する。スライドファスナー3は、単にファスナーと称されてもよいし、ジッパー、ジップファスナー等と称されてもよい。
本実施形態では、スライドファスナー3は、いわゆる樹脂製のコイルファスナーであり、図4に例示されるように、開口部22の両縁に対向して配置された第1エレメント列31と第2エレメント列32とを有している。ただし、スライドファスナー3の種類は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。スライドファスナー3は、例えば、金属製のファスナーであってもよい。
なお、市販のコイルファスナーは安価である。そのため、スライドファスナー3にコイルファスナーを利用することで、キーケース1を安価に作製することができる。ただし、コイルファスナーは見栄えがしないため、コイルファスナーを利用することでキーケース1全体の見栄えが損なわれてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、図3に例示されるように、キーケース1の外観側、すなわち、第1スリーブ片2の表面23側において、スライドファスナー3のテープを、両エレメント列(31、32)を隠すように配置している。これによって、本実施形態では、両エレメント列(31、32)をキーケース1の外観上で露出しないようにすることができるため、コイルファスナーを利用しても、キーケース1の見栄えが損なわないようにすることができる。
このスライドファスナー3の両面スライダー33は、上翼板と下翼板とで構成された胴体部331を有しており、上下方向に滑動する際に、両エレメント列(31、32)の各エレメントをこの胴体部331がかみ合わせたり引き離したりする。これによって、スライドファスナー3は、両面スライダー33により開口部22を開閉することができる。
詳細には、図1〜図4に例示されるように、両面スライダー33を上止部34に接するように配置することで、開口部22を完全に閉鎖することができる。この両面スライダー33の上止部34に接する位置は、本発明の「第1ポジション」に相当する。また、図5に例示されるように、両面スライダー33を下止部35に接するように配置することで、開口部22を完全に開放することができる。この両面スライダー33の下止部35に接する位置は、本発明の「第2ポジション」に相当する。すなわち、スライドファスナー3によれば、両面スライダー33をこの上止部34と下止部35との間で移動させることで、開口部22を開閉することができる。
図3に例示されるように、この両面スライダー33の表面23側には、第1柱部332が設けられており、この第1柱部332によって、矩形状の第1引手333が取り付けられている。キーケース1の利用者は、この第1引手333を把持して、両面スライダー33に上下方向(すなわち、開口部22の開閉方向)に力をかけることによって、両面スライダー33を上下方向に滑動させることができる。
一方、図4に例示されるように、両面スライダー33の裏面24側、換言すると、収納空間13に面した側には、第2柱部334が設けられており、この第2柱部334によって、矩形状の第2引手335が取り付けられている。更に、この第2引手335には矩形状の開口が設けられており、この開口により、第2引手335には、鍵類を保持するための鍵保持部4が取り付けられている。
<鍵保持部>
図1〜図4に例示されるように、本実施形態に係る鍵保持部4は、第1スリーブ片2の裏面24側、換言すると、収納空間13側に配置される。この鍵保持部4は、大径の平リング43と、当該平リング43より小径の複数の二重リング44と、を備えている。
二重リング44には、図6に例示されるように、鍵類6が取り付けられる。二重リング44に取り付け可能な鍵類6は、特に制限されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、鍵類6は、一般的なシリンダーキー、ディンプルキー等の鍵単体であってもよい。また、鍵類6は、キーホルダを取り付けた鍵であってもよい。更に、鍵類6は、鍵以外の小物であってもよい。
なお、本実施形態では、平リング43には、4つの二重リング44が取り付けられている。そのため、1つの二重リング44に1つの鍵類6を対応させた場合には、鍵保持部4は、4つの鍵類6を保持することができる。しかしながら、鍵保持部4の利用形態は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
例えば、平リング43に取り付けられる二重リング44の数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。また、1つの二重リング44には、2つ以上の鍵類6が取り付けられてもよい。更に、1又は複数の鍵類6が、二重リング44を介さずに、平リング43に直接取り付けられてもよい。
各二重リング44は、平リング43に取り付けられていることで、ひとまとまりになっている。また、平リング43は、矩形状のバンド体42に把持されており、バンド体42は留め具41によって第2引手335に連結されている。そのため、本実施形態に係る鍵保持部4は、各二重リング44に取り付けた鍵類6をひとまとまりで保持した上で、両面スライダー33の第2引手335に取り付けられている。
<その他>
このような第1スリーブ片2には、天然皮革、合成皮革等の革材、紙、樹脂、織布等の多様な材料が用いられてよい。この第1スリーブ片2は、例えば、次のように作製することができる。すなわち、それぞれ面直方向に湾曲させた2枚の板状の革材と、両面スライダーを有する市販のスライドファスナーと、を用意する。次に、2枚の革材の略中央に開口部22用の開口を設け、当該開口に位置合わせした上で2枚の革材の間にスライドファスナーを配置する。スライドファスナーは、各エレメント列が外側に向かないように、裏返しに利用するのが好ましい。そして、2枚の革材とスライドファスナーとを適宜縫い合わせ、両面スライダーの裏面側の引手に、適宜、平リング等を取り付ける。これによって、第1スリーブ片2を作製することができる。
[第2スリーブ片]
次に、第2スリーブ片5について説明する。図1に例示されるように、本実施形態に係る第2スリーブ片5は、第1スリーブ片2と同形の本体部51を有している。第2スリーブ片5の外側の側面(図1の紙面手前側の側面)には、フラップ片52が上端の位置を揃えて縫い付けられている。そして、このフラップ片52は、リング状金具54を把持するように、留め具53によって本体部51に下端側を固定されている。
これによって、本実施形態に係るキーケース1では、利用者がスライドファスナー3を操作する側の面(第1スリーブ片2の表面23)とは反対側の面に、リング状金具54が取り付けられる。そのため、このリング状金具54は、利用者によるスライドファスナー3の操作を邪魔することなく、ナスカン、クリップ、チェーン等で、利用者の身辺、カバン等にキーケース1を連結するのに利用することができる。
このような第2スリーブ片5には、上記第1スリーブ片2と同様に、天然皮革、合成皮革等の革材、紙、樹脂、織布等の多様な材料が用いられてよい。この第2スリーブ片5は、例えば、次のように作製することができる。すなわち、それぞれ面直方向に湾曲させた2枚の板状の革材を用意し、2枚の革材の周囲を縫い合わせる。そして、フラップ片と留め具とでリング状金具を適宜革材に取り付ける。これによって、第2スリーブ片5を作製することができる。
§2 使用方法
次に、本実施形態に係るキーケース1の使用方法について説明する。以下では、キーケース1に所望の鍵類6を収納する方法、及びキーケース1内に収納した鍵類6を取り出す方法について説明する。
<収納方法>
まず、キーケース1内に所望の鍵類6を収納する方法について説明する。上記のとおり、本実施形態に係るキーケース1は、上記第1スリーブ片2と第2スリーブ片5とを左右の両側辺で連結することで形成される。このとき、第1スリーブ片2と第2スリーブ片5との間には、上側の第1開口11と下側の第2開口12とに連通する収納空間13が形成される。
また、第1スリーブ片2の本体部21には、この収納空間13に連通する開口部22が設けられており、この開口部22には、当該開口部22を開閉可能にするため、両面スライダー33を含むスライドファスナー3が設けられている。そして、この両面スライダー33の収納空間13に面した側に、鍵類6を取り付け可能な複数の二重リング44含む鍵保持部4が取り付けられている。
そのため、キーケース1に所望の鍵類6を収納する場合には、キーケース1の利用者は、各二重リング44に所望の鍵類6を適宜取り付ける。例えば、利用者は、鍵保持部4の平リング43及び二重リング44を開口部22から表側に取り出すことで、各二重リング44を手元に近付けて、所望の鍵類6を各二重リング44に取り付けることができる。また、後述するように、第1開口11又は第2開口12を介して各二重リング44を収納空間13から露出させることで、各二重リング44を手元に近付けて、所望の鍵類6を各二重リング44に取り付けることができる。
そして、利用者は、両面スライダー33の表側に取り付けられた第1引手333を把持して、両面スライダー33に上方向の力をかける。これによって、両面スライダー33は上方向(開口部22の閉鎖方向)に滑動し、上止部34に接する位置(第1ポジション)まで移動することができる。
図1〜図4に例示されるように、両面スライダー33を第1ポジションまで移動させると、収納空間13に連通する開口部22は閉鎖される。また、両面スライダー33の移動に伴い、両面スライダー33の第2引手335に取り付けられた鍵保持部4も第1ポジション付近に移動する。そのため、鍵保持部4に保持された各鍵類6は、収納空間13内に収納される。
なお、このとき、鍵保持部4は、開口部22の閉鎖方向(各図の上方向)に配置された第1開口11に近接する。また、第1ポジションの鍵保持部4と第1開口11との位置関係は、後述する第2ポジションの鍵保持部4と第2開口12との位置関係と同様に構成されている。そのため、利用者は、収納部本体10内(収納空間13)で各鍵類6が詰まったりした場合には、この第1開口11を介して、収納空間13に収納された各鍵類6に触れて、操作することができる。更には、利用者は、この第1開口11を介して、各鍵類6を取り出すことができる。
<取り出し方法>
次に、キーケース1内(収納空間13)に収納された各鍵類6を取り出す方法について説明する。キーケース1内に収納された各鍵類6を取り出す場合には、利用者は、両面スライダー33の表側に取り付けられた第1引手333を把持して、両面スライダー33に下方向の力をかける。これによって、両面スライダー33は下方向(開口部22の開放方向)に滑動し、下止部35に接する位置(第2ポジション)まで移動することができる。
ここで、本実施形態では、収納部本体10には、第2ポジションより開口部22の開放方向(各図の下方向)の位置に、第2開口12が設けられている。図5に例示されるように、第2開口12は、両面スライダー33が第2ポジションに位置するときに、鍵保持部4に保持された鍵類6が収納空間13から露出するように配置されている。
そのため、両面スライダー33を第2ポジションまで移動させると、この両面スライダー33の移動に伴い、鍵保持部4も第2ポジション付近に移動する。そして、鍵保持部4が第2ポジション付近に移動すると、鍵保持部4の各二重リング44に取り付けられた各鍵類6は、第2開口12を介して、収納空間13から外部に露出する。これにより、利用者は、キーケース1内に収納された各鍵類6を取り出すことができる。
なお、本実施形態では、両面スライダー33を上方向に移動させた場合に、開口部22が閉鎖され、各鍵類6が収納空間13に収納される。そのため、各図に例示されるように、鍵保持部4の平リング43及び各二重リング44は、通常の状態では、両面スライダー33の下方向にぶら下がっている。
したがって、両面スライダー33を第2ポジションまで移動させると、鍵保持部4の平リング43及び各二重リング44は、第2ポジションよりも下方に移動する。これによって、本実施形態に係るキーケース1は、第2開口12を介して各鍵類6が取り出し易いように構成されている。
また、本実施形態では、図5に例示されるように、鍵類6が収納空間13から露出するのに伴い、鍵保持部4の平リング43及び各二重リング44も第2開口12を介して収納空間13から外側に露出している。しかしながら、収納空間13から各鍵類6は利用可能な程度に露出すればよく、第2ポジションの鍵保持部4と第2開口12との位置関係は、このような例に限定されなくてもよい。
例えば、第2引手335の大きさ、バンド体42の長さ、平リング43の大きさ、二重リング44の大きさ、スライドファスナー3の下止部35と本体部21の下端部との間の距離等を適宜調節することで、収納空間13から各鍵類6が露出するようにキーケース1を構成することができる。なお、この第2開口12は、本発明の「鍵類の露出口」に相当する。
[作用・効果]
以上のとおり、本実施形態に係るキーケース1では、両面スライダー33の収納空間13側に鍵保持部4が取り付けられ、開口部22の開放方向には、鍵類6の露出口として、第2開口12が設けられている。そのため、本実施形態に係るキーケース1によれば、両面スライダー33を第2ポジションに滑動させるという1つの工程で、収納部本体10に収納されていた鍵類6を、第2開口12を介して取り出すことができる。したがって、本実施形態によれば、鍵を取り出すのに手間のかからない鍵収納具を提供することができる。
また、本実施形態では、スライドファスナー3及び両面スライダー33を利用して、上記キーケース1の構成が実現されている。したがって、本実施形態によれば、既存のスライドファスナーと両面スライダーとを利用して、上記キーケース1の構成を実現することができるため、上記キーケース1を安価に作製することができる。
§3 変形例
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、上記キーケース1の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が行われてもよい。上記キーケース1の各構成要素の形状及び大きさは、実施の形態に応じて、適宜設定されてもよい。更に、上記キーケース1の各構成要素の素材は、実施の形態に応じて、適宜選択されてよい。例えば、以下の変更が可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、適宜説明を省略した。
<3.1>
キーケース1を身辺等に連結した場合、後述するカバン1a、ズボン1b等の形態で鍵収納具を構成した場合、鍵保持部4が両面スライダー33に連結されたままでは、各鍵類6を利用し辛い可能性がある。そのため、鍵保持部4は、両面スライダー33(滑動部材)から着脱可能に構成されてよい。
図6A及び図6Bを用いて、この変形例について詳細に説明する。図6A及び図6Bは、本変形例に係る鍵保持部4aを例示する。この鍵保持部4aは、バックル45によって着脱可能に構成されており、上記鍵保持部4の代わりに、両面スライダー33の第2引手335に取り付けられる。
詳細には、バックル45は、ケース部材451と、このケース部材451に差し込むための差込部材452と、を備えている。ケース部材451は、スライダー側バンド体421を介して、留め具41により第2引手335に取り付けられる。一方、差込部材452には、キー側バンド体422を介して、平リング43が取り付けられている。
これにより、図6Bに例示されるように、バックル45を操作して、ケース部材451から差込部材452を取り外すことで、鍵保持部4を両面スライダー33から取り外すことができる。一方、図6Aに例示されるように、差込部材452をケース部材451に差し込むことで、鍵保持部4を両面スライダー33に取り付け、各鍵類6をキーケース1内に収納することができる。
このように、鍵保持部4aを、特に、鍵保持部4aの各鍵類6の取り付けられた部分を両面スライダー33から着脱可能に構成することで、鍵保持部4aに保持された各鍵類6の操作性に優れたキーケース1を提供することができる。具体的には、鍵保持部4aに保持された各鍵類6を利用する際に、当該鍵保持部4aを両面スライダー33から取り外すことで、両面スライダー33との連結から各鍵類6を開放する。これにより、キーケース1の収納部本体10等が各鍵類6の利用の邪魔になるのを避けることができ、各鍵類6の操作性を高めることができる。
なお、図6A及び図6Bで例示されるバックル45のタイプは、サイドリリースタイプである。しかしながら、バックル45のタイプは、このような例に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、バックル45のタイプは、フロントリリースタイプであってもよい。
また、本変形例では、鍵保持部4を着脱可能に構成するため、バックル45が用いられている。しかしながら、鍵保持部4を着脱可能にする構成は、このような例に限定されなくてもよい。鍵保持部4を着脱可能に構成するために、バックル45以外の部材が用いられてもよい。
<3.2>
また、上記実施形態では、鍵保持部4は、平リング43と二重リング44とによって構成されている。しかしながら、鍵保持部4の構成は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
なお、上記実施形態のように2つのリング部材で鍵保持部4を構成した場合には、鍵保持部4が嵩張ってしまう可能性がある。具体的には、二重リング44が平リング43に直交し、二重リング44の径の分だけ、収納空間13を圧迫してしまう可能性がある。そこで、例えば、以下の図7のように、鍵保持部4を扁平に構成してもよい。
図7は、本変形例に係る鍵保持部4bを例示する。図7で例示される鍵保持部4bは、扁平で扇状の台座部46と、台座部46に取り付けられる複数のナスカン47と、で構成されている。このように構成することで、2つのリング部材が直交するのを避けることができ、鍵保持部4bを扁平に構成することができる。そのため、鍵保持部4bが嵩張らないようにすることができ、キーケース1内の収納空間13の活用性を高めることができる。
<3.3>
また、上記実施形態では、本発明の「開閉機構」の一形態として、スライドファスナー3を例示した。更に、本発明の「滑動部材」の一形態として、両面スライダー33を例示した。しかしながら、本発明の「開閉機構」及び「滑動部材」は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
ここで、上記のとおり、滑動部材の収納空間13に面した側には、鍵類6を保持するための鍵保持部4が取り付けられる。そのため、開閉機構は、鍵保持部4に鍵類6を取り付けた場合に、滑動部材が自然に滑動しないように、開口部22の開閉方向にある程度の力が滑動部材に作用しないと、当該滑動部材が開閉方向に滑動しないように構成されるのが好ましい。すなわち、開閉機構は、開口部22の開閉方向にある程度の力を滑動部材に対してかけることで、当該滑動部材を滑動させることができるように構成されるのが好ましい。
なお、両面スライダー33以外の滑動部材が利用される場合には、鍵保持部4は、任意の方法によって、滑動部材の収納空間13に面した側に適宜取り付けられてよい。例えば、滑動部材が金属製である場合には、鍵保持部4は、溶接等で、滑動部材に取り付けられてよい。
<3.4>
また、上記実施形態では、本発明の「鍵収納具」の一形態として、キーケース1を例示した。しかしながら、本発明の「鍵収納具」の形態は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、以下の図8及び図9に例示される形態を挙げることができる。
図8は、鍵保持具の他の形態として、カバン1aを例示する。このように、鍵保持具は、カバン1aの部分として構成してもよい。このようなカバン1aは、例えば、カバン1aの外側壁に上記第1スリーブ片2を縫い付けることで、形成することができる。また、例えば、カバン1aは、直線状の開口部を設けて、その開口部に上記スライドファスナー3を取り付け、開口部の開放方向に切り込み(第2開口12)を設けることで、形成することができる。
また、図9は、鍵保持具の他の形態として、ズボン1bを例示する。このように、鍵保持具は、ズボン、上着等の衣類の部分として構成してもよい。なお、このようなズボン1bは、例えば、ズボン1bの布地の適当な領域に上記第1スリーブ片2を縫い付けることで、形成することができる。
<3.5>
また、上記実施形態では、第1スリーブ片2を第2スリーブ片5に取り付けることで、第2スリーブ片5との間で鍵類6を収納する収納空間13が形成される。この第1スリーブ片2は本発明の「鍵収納具形成片」に相当し、第2スリーブ片5は「他部材」に相当する。そのため、上記第2スリーブ片5を他の部材に取り替えても、上記キーケース1と同様の鍵保持具を形成することができる。
すなわち、上記第1スリーブ片2を上記第2スリーブ片5以外の部材に取り付けることによって、上記キーケース1と同様の鍵保持具を形成することができる。例えば、上記<3.4>に記載のとおり、第1スリーブ片2をカバンの外側壁又は衣類の布地に取り付けることで、カバン又は衣類の一部で鍵保持具を形成することができる。
ここで、第1スリーブ片2の本体部21を他部材に取り付ける場合には、本体部21の下端部を閉じないようにする。これにより、両面スライダー33が第2ポジションに位置するときに、鍵保持部4に保持された各鍵類6を収納空間13から露出するための露出口(第2開口12)を、第2ポジションより開口部22の開放方向の位置に形成することができる。なお、本体部21の上端部は、閉じてもよいし、上記実施形態と同様に閉じなくてもよい。
<3.6>
また、上記実施形態では、第1スリーブ片2と第2スリーブ片5とは、縫製により連結されている。しかしながら、各構成要素を連結する手法は、このような縫製に限られず、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、接着剤等によって、各構成要素を連結してもよい。
<3.7>
また、上記実施形態では、本発明の「鍵類の露出口」に相当する第2開口12は、第1スリーブ片2と第2スリーブ片5とを左右両側の側辺で縫い合わせ、下端側を開放することで形成される。しかしながら、この鍵類の露出口を形成する方法は、このような例に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、収納部本体10として、密封の袋体が利用される場合には、この袋体に取り付けられたファスナーの開放方向側に切り込みを入れることで、鍵類の露出口を形成してもよい。
1…キーケース、1a…カバン、1b…ズボン、
10…収納部本体、11…第1開口、12…第2開口、13…収納空間、
2…第1スリーブ片、
21…本体部、22…開口部、23…表面、24…裏面、
3…スライドファスナー、
31…第1エレメント列、32…第2エレメント列、
33…両面スライダー、
331…胴体部、332…第1柱部、333…第1引手、
334…第2柱部、335…第2引手、
34…上止部、35…下止部、
4…鍵保持部、
41…留め具、42…バンド体、43…平リング、44…二重リング、
5…第2スリーブ片、
51…本体部、52…フラップ片、53…留め具、54…リング状金具、
6…鍵類、
4a…鍵保持部、
421…スライダー側バンド体、422…キー側バンド体、
45…バックル、451…ケース部材、452…差込部材、
4b…鍵保持部、
46…台座部、47…ナスカン

Claims (4)

  1. 鍵類を収納する収納空間を内部に有する収納部本体であって、該収納空間に連通する開口部が一側面に設けられた収納部本体と、
    滑動部材を有し、前記開口部を閉鎖する第1ポジションと前記開口部を開放する第2ポジションとの間で該滑動部材を滑動させることにより、前記開口部を開閉する開閉機構と、
    前記滑動部材の前記収納空間に面した側に取り付けられる、前記鍵類を保持する鍵保持部と、
    を備える鍵収納具であって、
    前記収納部本体には、前記滑動部材が前記第2ポジションに位置するときに、前記鍵保持部に保持された前記鍵類が前記収納空間から露出するように、前記第2ポジションより前記開口部の開放方向の位置に、前記鍵類の露出口が設けられる、
    鍵収納具。
  2. 前記鍵保持部は、前記滑動部材から着脱可能に構成される、
    請求項1に記載の鍵収納具。
  3. 前記開閉機構は、スライドファスナーであり、
    前記滑動部材は、両面スライダーであり、
    前記鍵保持部は、前記滑動部材の前記収納空間に面した側に設けられる引手に取り付けられる、
    請求項1又は2に記載の鍵収納具。
  4. 他部材に取り付けられることで、該他部材との間に鍵類を収納する収納空間を形成する本体部であって、該収納空間に連通する開口部が設けられた板状の本体部と、
    滑動部材を有し、前記開口部を閉鎖する第1ポジションと前記開口部を開放する第2ポジションとの間で該滑動部材を滑動させることにより、前記開口部を開閉する開閉機構と、
    前記滑動部材の前記収納空間に面した側に取り付けられる、前記鍵類を保持する鍵保持部と、
    を備える鍵収納具形成片であって、
    前記本体部を前記他部材に取り付けた場合に、前記滑動部材が前記第2ポジションに位置するときに、前記鍵保持部に保持された前記鍵類を前記収納空間から露出させるための露出口が、前記第2ポジションより前記開口部の開放方向の位置に形成されるように構成された、
    鍵収納具形成片。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113860235A (zh) * 2021-09-29 2021-12-31 泗阳捷锋帽业有限公司 一种适用于棒球帽檐的开酒器结构

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