JP2017028207A - 熱拡散板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グラファイトシートと金属層との間の熱抵抗が低減された熱拡散板を提供する。
【解決手段】実施形態の熱拡散板は、グラファイトシートと、前記グラファイトシートの少なくとも一方の主面に設けられたAlまたはAl合金からなる金属層と、前記グラファイトシートと前記金属層との間に設けられたAlの炭化物を含む炭化物層と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態の熱拡散板は、グラファイトシートと、前記グラファイトシートの少なくとも一方の主面に設けられたAlまたはAl合金からなる金属層と、前記グラファイトシートと前記金属層との間に設けられたAlの炭化物を含む炭化物層と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、熱拡散板およびその製造方法に関する。
従来、電子機器における放熱のために熱拡散板が使用されている。熱拡散板として、熱伝導性に優れるアルミニウム板等が使用されている。また、アルミニウム板等よりも熱伝導性に優れるグラファイトシートを使用することも検討されている。
しかし、熱拡散板にグラファイトシートを使用した場合、可とう性が高いことから一定の形状に保持することが容易でない。このため、例えば、グラファイトシートの少なくとも一方の主面に金属層を設けて、一定の形状を保持できるようにしている。金属層として、金属板、金属箔等が使用されており、これらは接着剤によりグラファイトシートに固定されている。
従来、熱拡散板としてグラファイトシートの少なくとも一方の主面に金属層を有するものが知られている。しかし、このような熱拡散板については、グラファイトシートと金属層とが接着剤により固定されていることから、この接着剤がグラファイトシートと金属層との間における熱抵抗となっている。
近年、電子機器の高性能化に伴って発熱量が増加しており、このような電子機器に発生した熱を速やかに拡散させて、電子機器の温度上昇を抑制することが求められている。このため熱拡散板には、これまで以上に熱伝導性の向上が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、グラファイトシートの少なくとも一方の表面に金属層を有するものであって、グラファイトシートと金属層との間の熱抵抗が低減された熱拡散板を提供することである。
実施形態の熱拡散板は、グラファイトシートと、前記グラファイトシートの少なくとも一方の主面に設けられたAlまたはAl合金からなる金属層と、前記グラファイトシートと前記金属層との間に設けられたAlの炭化物を含む炭化物層と、を有することを特徴とする。
実施形態によれば、グラファイトシートと金属層との間に炭化物層を設けることにより、グラファイトシートと金属層との間の熱抵抗が低減された熱拡散板を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の熱拡散板を示す断面図である。
第1の実施形態の熱拡散板10は、グラファイトシート11、炭化物層12、および金属層13を有する。炭化物層12は、グラファイトシート11上に形成され、Alの炭化物を含んでいる。金属層13は、炭化物層12を介してグラファイトシート11上に形成され、AlまたはAl合金からなる。
図1は、第1の実施形態の熱拡散板を示す断面図である。
第1の実施形態の熱拡散板10は、グラファイトシート11、炭化物層12、および金属層13を有する。炭化物層12は、グラファイトシート11上に形成され、Alの炭化物を含んでいる。金属層13は、炭化物層12を介してグラファイトシート11上に形成され、AlまたはAl合金からなる。
グラファイトシート11は、熱拡散板10に優れた熱伝導性を付与するために設けられる。グラファイトシート11としては、人工グラファイト、天然グラファイトのいずれも使用できるが、熱伝導性の観点からは天然グラファイトよりも人工グラファイトが好ましい。人工グラファイトは、通常、ポリイミド等の高分子フィルムを熱分解して得られる。グラファイトシート11の厚さは、熱拡散板10が使用される機器等に応じて適宜設定することができる。
金属層13は、主として熱拡散板10を一定の形状に保持するために設けられる。すなわち、グラファイトシート11は可とう性が高いことから単独では一定の形状を保持することが容易でない。グラファイトシート11の少なくとも一方の主面に金属層13を設けることにより、熱拡散板10を一定の形状に保持することができる。
金属層13は、AlまたはAl合金からなる。金属層13がAlまたはAl合金からなることにより、金属層13を設けることによる熱伝導性の低下を抑制することができる。
Al合金としては、Li、Mg、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Pd、およびSnから選ばれる少なくとも1種の元素を含むものが挙げられる。これらの元素は、目的に応じて、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
例えば、Al合金の融点を低下させて、熱拡散板10の製造するときの熱処理温度や熱処理圧力を低下させることができる共晶系の元素として、Li、Mg、Si、Ca、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Pd、Sn等が挙げられる。
また、例えば、固溶によりAl合金の強度を高める元素として、Li、Mg、Si、V、Mn、Cu、Zn、Ga等が挙げられる。
また、例えば、グラファイトシート11との結合力を高める元素として、Ti、Cr、Fe、Co、Zr、Nb、Mo等が挙げられる。
Al合金に複数の効果を付与する場合には、各効果を有する元素を複数使用することができる。Al合金に含まれるAl以外の元素の含有量は目的に応じて選択することができるが、これらの元素の含有量が多くなると脆性特性を有する金属化合物が生成しやすい。このため、Al合金に含まれるAl以外の元素の含有量は、これらの元素の合計した割合で、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。金属層13の厚さは、熱拡散板10が使用される機器等に応じて適宜設定することができる。
炭化物層12は、グラファイトシート11と金属層13との間に配置され、これらの結合力を高めて、これらの間の熱抵抗を低下させるために設けられる。本実施形態の炭化物層12は、少なくともAlの炭化物を含んでいる。なお、金属層13がAl合金からなる場合、炭化物層12は、このAl合金に含まれるAl以外の元素の炭化物を含むことができる。
炭化物層12の厚さは、1nm以上が好ましい。炭化物層12の厚さが1nm以上になると、グラファイトシート11と金属層13とが炭化物層12により強固に結合されて、グラファイトシート11と金属層13との間の熱抵抗が低減する。
一方、炭化物層12の厚さが過度に厚くなると、かえってグラファイトシート11と金属層13との間の熱抵抗が増加しやすい。このため、炭化物層12の厚さは、100nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに好ましい。
次に、熱拡散板10の製造方法について説明する。
まず、グラファイトシート11上に金属層13を形成する。グラファイトシート11上への金属層13の形成は、公知の方法により行うことができ、蒸着、めっき、ろう付け、金属箔を貼り合わせる方法等により行うことができる。その後、金属層13を有するグラファイトシート11を熱処理する。これにより、グラファイトシート11の構成成分と金属層13の構成成分とが反応して、これらの間にAlの炭化物を含む炭化物層12が生成する。
まず、グラファイトシート11上に金属層13を形成する。グラファイトシート11上への金属層13の形成は、公知の方法により行うことができ、蒸着、めっき、ろう付け、金属箔を貼り合わせる方法等により行うことができる。その後、金属層13を有するグラファイトシート11を熱処理する。これにより、グラファイトシート11の構成成分と金属層13の構成成分とが反応して、これらの間にAlの炭化物を含む炭化物層12が生成する。
熱処理温度は、500℃以上が好ましい。熱処理温度が500℃以上になると、グラファイトシート11の構成成分と金属層13の構成成分とが反応しやすく、グラファイトシート11と金属層13との間にAlの炭化物を含む炭化物層12が生成しやすい。なお、熱処理温度は、熱拡散板10の変形等を抑制するために金属層13の融点以下が好ましい。
熱処理時間は、1分以上が好ましい。熱処理時間が1分以上になると、炭化物層12が厚くなりやすい。なお、熱処理時間が長くなると、炭化物層12が過度に厚くなり、かえってグラファイトシート11と金属層13との間の熱抵抗が増加しやすい。このため、加熱時間は、5時間以下が好ましく、3時間以下がさらに好ましい。
以上、第1の実施形態の熱拡散板10について説明したが、その積層構造は、図1に示されるようなグラファイトシート11と金属層13との間に炭化物層12が配置された3層構造に限られない。
第1の実施形態の熱拡散板10については、グラファイトシート11と金属層13との間に炭化物層12が形成されていればよく、例えば、図2に示すように、グラファイトシート11、金属層13をそれぞれ2層以上有するものでもよい。
また、グラファイトシート11の層数と金属層13の層数とは同一でもよいし異なっていてもよい。また、熱拡散板10の両主面にはいずれの層が配置されてもよい。例えば、熱拡散板10の両主面にグラファイトシート11が配置されてもよいし、金属層13が配置されてもよいし、一方の主面にグラファイトシート11が配置され、他方の主面に金属層13が配置されてもよい。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態の熱拡散板を示す断面図である。
第2の実施形態の熱拡散板20は、グラファイトシート21、炭化物層22、中間層23、および金属層24を有する。炭化物層22は、グラファイトシート21上に形成され、SiまたはTiの炭化物を含んでいる。中間層23は、炭化物層22を介してグラファイトシート21上に形成され、SiまたはTiを含んでいる。金属層24は、炭化物層22および中間層23を介してグラファイトシート21上に形成され、AlまたはAl合金からなる。
図3は、第2の実施形態の熱拡散板を示す断面図である。
第2の実施形態の熱拡散板20は、グラファイトシート21、炭化物層22、中間層23、および金属層24を有する。炭化物層22は、グラファイトシート21上に形成され、SiまたはTiの炭化物を含んでいる。中間層23は、炭化物層22を介してグラファイトシート21上に形成され、SiまたはTiを含んでいる。金属層24は、炭化物層22および中間層23を介してグラファイトシート21上に形成され、AlまたはAl合金からなる。
第2の実施形態の熱拡散板20は、グラファイトシート21と金属層24との間にSiまたはTiの炭化物を含む炭化物層22を有する点で、第1の実施形態の熱拡散板10と異なる。グラファイトシート21と金属層24との間にSiまたはTiの炭化物を含む炭化物層22を有することにより、グラファイトシート21と金属層24との間の熱抵抗がさらに低減する。
グラファイトシート21、金属層24については、それぞれ、第1の実施形態におけるグラファイトシート11、金属層13と同様である。
炭化物層22は、グラファイトシート21と金属層24とを強固に結合して、グラファイトシート21と金属層24との間の熱抵抗を低減させる。炭化物層22は、SiまたはTiの炭化物を含んでいる。
炭化物層22の厚さは、1nm以上が好ましい。炭化物層22の厚さが1nm以上になると、グラファイトシート21と金属層24とが炭化物層22により強固に結合されて、グラファイトシート21と金属層24との間の熱抵抗が低減する。
一方、炭化物層22の厚さが過度に厚くなると、グラファイトシート21と金属層24との間の熱抵抗が増加しやすい。このため、炭化物層22の厚さは、100nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに好ましい。
中間層23は、炭化物層22を形成するために設けられる。中間層23は、SiまたはTiを含むものであり、特に、SiもしくはSi合金、またはTiもしくはTi合金からなることが好ましい。中間層23の厚さは、100nm以下が好ましい。
なお、中間層23は、炭化物層22を形成するために設けられるものである。具体的には、その炭化により炭化物層22を生成するものである。このため、中間層23は、炭化物層22を形成するときに存在していればよく、その後については必ずしも存在していなくてもよい。
例えば、炭化物層22の形成時、中間層23の全てが炭化されて炭化物層22となってもよい。このような場合には、熱拡散板20には中間層23が存在していなくてもよい。中間層23が存在していない場合でも、グラファイトシート21と金属層24との間の熱抵抗は十分に低減する。
次に、第2の実施形態の熱拡散板20の製造方法について説明する。
第2の実施形態の熱拡散板20は、グラファイトシート21上に金属層24を形成する前にSiまたはTiを含む中間層23を形成する工程が追加されることを除いて、第1の実施形態の熱拡散板10と同様にして製造することができる。
第2の実施形態の熱拡散板20は、グラファイトシート21上に金属層24を形成する前にSiまたはTiを含む中間層23を形成する工程が追加されることを除いて、第1の実施形態の熱拡散板10と同様にして製造することができる。
中間層23の形成は、公知の方法により行うことができ、蒸着、めっき、金属箔を貼り合わせる方法等により行うことができる。このときの中間層23の厚さは、十分な厚さの炭化物層22を形成するために、1nm以上が好ましい。また、グラファイトシート21と金属層24との間の熱抵抗の増加を抑制するために、100nm以下が好ましい。
なお、第2の実施形態の熱拡散板20については、グラファイトシート21上に中間層23および金属層24がこの順に積層された状態で熱処理が行われる。このため、グラファイトシート21の構成成分と中間層23の構成成分とが反応して、これらの間にはSiまたはTiの炭化物を含む炭化物層22が形成される。
また、このような熱処理においては、中間層23の全てが炭化されて炭化物層22となってもよい。すなわち、第2の実施形態の熱拡散板20においては、グラファイトシート21と金属層24との間に炭化物層22のみが存在し、中間層23が存在していなくてもよい。
以上、第2の実施形態の熱拡散板20について説明したが、その積層構造は図3に示されるようなグラファイトシート21と金属層24との間に炭化物層22が配置された3層構造に限られない。
第2の実施形態の熱拡散板20については、グラファイトシート21と金属層24との間に炭化物層22が形成されていればよく、例えば、図4に示すように、グラファイトシート21、金属層24をそれぞれ2層以上有するものでもよい。
また、グラファイトシート21の層数と金属層24の層数とは同一でもよいし異なっていてもよい。また、熱拡散板20の両主面にはいずれの層が配置されてもよい。例えば、熱拡散板20の両主面にグラファイトシート21が配置されてもよいし、金属層24が配置されてもよいし、一方の主面にグラファイトシート21が配置され、他方の主面に金属層24が配置されてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
まず、実施例および比較例の評価試料の作製に使用する被処理体の作製について説明する。
(被処理体1)
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、蒸着によりAlからなる厚さが1μmの金属層を形成した。
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、蒸着によりAlからなる厚さが1μmの金属層を形成した。
(被処理体2)
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着により2質量%のSiを含むAl合金からなる厚さが1μmの金属層を形成した。
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着により2質量%のSiを含むAl合金からなる厚さが1μmの金属層を形成した。
(被処理体3)
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着により5質量%のSiを含むAl合金からなる厚さが1μmの金属層を形成した。
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着により5質量%のSiを含むAl合金からなる厚さが1μmの金属層を形成した。
(被処理体4)
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着によりSiからなる厚さ20nmの中間層を形成した。その後、それぞれの中間層の表面に、蒸着によりAlからなる厚さが1μmの金属層を形成した。
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着によりSiからなる厚さ20nmの中間層を形成した。その後、それぞれの中間層の表面に、蒸着によりAlからなる厚さが1μmの金属層を形成した。
(被処理体5)
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着により2質量%のTiを含むAl合金からなる厚さが1μmの金属層を形成した。
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着により2質量%のTiを含むAl合金からなる厚さが1μmの金属層を形成した。
(被処理体6)
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着により5質量%のTiを含むAl合金からなる厚さが1μmの金属層を形成した。
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着により5質量%のTiを含むAl合金からなる厚さが1μmの金属層を形成した。
(被処理体7)
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着によりTiからなる厚さ20nmの中間層を形成した。その後、それぞれの中間層の表面に、蒸着によりAlからなる厚さが1μmの金属層を形成した。
厚さが40μmのグラファイトシートの両面に、それぞれ蒸着によりTiからなる厚さ20nmの中間層を形成した。その後、それぞれの中間層の表面に、蒸着によりAlからなる厚さが1μmの金属層を形成した。
(実施例1〜14)
表1に示すように、被処理体1〜7に対して、550℃または600℃の熱処理温度および0.5時間または2時間の熱処理時間により熱処理を行って、実施例1〜14の評価試料を作製した。
表1に示すように、被処理体1〜7に対して、550℃または600℃の熱処理温度および0.5時間または2時間の熱処理時間により熱処理を行って、実施例1〜14の評価試料を作製した。
ここで、実施例1〜6、9〜12の評価試料は、グラファイトシートとAlまたはAl合金からなる金属層との反応により、これらの間にAlの炭化物を含む炭化物層が形成されたものである。また、実施例7〜8、13〜14の評価試料は、グラファイトシートとSiまたはTiを含む中間層との反応により、これらの間にSiまたはTiの炭化物を含む炭化物層が形成されたものである。
なお、表1に、エネルギー分散型X線分析(EDX)により得られた各試料における炭化物層の組成を合わせて示す。表1からも明らかなように、実施例1〜14の評価試料については、熱処理により金属層または中間層の構成元素の炭化物を有する炭化物層が形成されることがわかる。
(比較例1〜7)
表1に示すように、被処理体1〜7に対して熱処理を行わずに評価試料とした。
表1に示すように、被処理体1〜7に対して熱処理を行わずに評価試料とした。
次に、各評価試料について、フラッシュ法により熱拡散率を測定するとともに、透過型電子顕微鏡(TEM)により炭化物層の厚さを測定した。図5に、測定により得られた炭化物層の厚さと熱拡散率との関係を示す。
ここで、図5中、炭化物層の厚さが10〜40nmであるものが実施例1、3、5、7、9、11、13の評価試料であり、炭化物層の厚さが40nmを超えるものが実施例2、4、6、8、10、12、14の評価試料であり、それ以外が比較例1〜7の評価試料である。
図5からも明らかなように、実施例1〜14の評価試料については、10nmを超える厚さの炭化物層が形成されており、炭化物層が形成されていない比較例1〜7の評価試料に比べて熱拡散率が高くなる。また、炭化物層の厚さが50nm以下のとき、特に40nm以下のときに高い熱拡散率が得られる。
また、Siからなる中間層を有する被処理体4を0.5時間熱処理して得られるSiの炭化物からなる炭化物層を有する実施例7の評価試料、およびTiからなる中間層を有する被処理体7を0.5時間熱処理して得られるTiの炭化物からなる炭化物層を有する実施例13の評価試料については、特に高い熱拡散率が得られる。
以上、発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…熱拡散板、11…グラファイトシート、12…炭化物層、13…金属層、20…熱拡散板、21…グラファイトシート、22…炭化物層、23…中間層、24…金属層。
Claims (9)
- グラファイトシートと、
前記グラファイトシートの少なくとも一方の主面に設けられたAlまたはAl合金からなる金属層と、
前記グラファイトシートと前記金属層との間に設けられたAlの炭化物を含む炭化物層と、
を有することを特徴とする熱拡散板。 - グラファイトシートと、
前記グラファイトシートの少なくとも一方の主面に設けられたAlまたはAl合金からなる金属層と、
前記グラファイトシートと前記金属層との間に設けられたSiまたはTiの炭化物を含む炭化物層と、
を有することを特徴とする熱拡散板。 - 前記Al合金は、Li、Mg、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Pd、およびSnから選ばれる少なくとも一種の元素を含むことを特徴とする請求項1または2記載の熱拡散板。
- 前記炭化物層の厚さが100nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の熱拡散板。
- グラファイトシートの少なくとも一方の主面にAlまたはAl合金からなる金属層を設ける工程と、
前記金属層が設けられた前記グラファイトシートを熱処理して、前記グラファイトシートと前記金属層との間にAlの炭化物を含む炭化物層を形成する工程と、
を有することを特徴とする熱拡散板の製造方法。 - グラファイトシートの少なくとも一方の主面にSiまたはTiを含む中間層を設ける工程と、
前記中間層上にAlまたはAl合金からなる金属層を設ける工程と、
前記中間層および前記金属層を有する前記グラファイトシートを熱処理して、前記グラファイトシートと前記金属層との間にSiまたはTiの炭化物を含む炭化物層を形成する工程と、
を有することを特徴とする熱拡散板の製造方法。 - 前記Al合金は、Li、Mg、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Pd、およびSnから選ばれる少なくとも一種の元素を含むことを特徴とする請求項5または6記載の熱拡散板の製造方法。
- 前記熱処理を前記金属層の融点以下の温度で行うことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項記載の熱拡散板の製造方法。
- 前記炭化物層の厚さが100nm以下となるように前記熱処理を行うことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項記載の熱拡散板の製造方法。
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