JP2017028177A - 電磁波シールド積層材および電磁波シールド回路基板 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、近年においては、例えば、スマートフォンや電動歯ブラシ等の機器に内蔵される二次電池の充電は、ワイヤレスで電力供給する無接点充電方式によるものが増えている。
この無接点充電方式としては、外部の送電コイルと、機器に内蔵された受電コイルとの間で生じる電磁誘導により、至近距離間で送受電する電磁誘導方式が広く用いられている。
なお、本発明は、無接点充電に限らず、NFC(Near Field Communication)アンテナをはじめ、幅広い用途が期待されるものである。
まず、本発明に係る電磁波シールド積層材について説明する。
図1は、本発明に係る電磁波シールド積層材の一例について示す断面図である。
図1に示すように、電磁波シールド積層材10は、無接点充電方式の機器等に用いられる電磁波シールド積層材であって、支持層11の上に、絶縁層12、導体層13が順次積層された構成を有している。
それゆえ、この金属に応じたエッチング液を用いて容易にエッチング加工を施すことができる。このエッチング加工は、複雑な平面形状の加工を可能とするのみならず、厚み方向の自由な加工も可能とするものである。例えば、ハーフエッチングにより、支持層11に厚みの異なる段差部を形成することもできる。
そして、電磁波シールド積層材10の支持層11を、フェライト系ステンレス鋼から構成した場合には、従来のサスペンション用フレキシャー基板用の積層材(3層材)と同様に、酸系エッチング液でエッチング加工が可能である。
まず、支持層11について説明する。支持層11は軟磁性を有する金属から構成されており、電磁波シールド積層材10が搭載される機器において、例えば、無接点充電を例にとると、受電コイルと電子回路等の間の電磁波干渉を抑制するように作用するものである。
磁束密度は、0T〜2Tであれば用いることができ、好ましくは0.8T〜2Tであり、より好ましくは1.2T〜2Tである。
フェライト系ステンレス鋼は、主成分である鉄(Fe)に、主に炭素(C)、クロム(Cr)を添加したものであり、添加物としては、他に、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、リン(P)等を挙げることができる。
より具体的には、例えば、SUS430、SUS405、SUS410、SUS434、SUS447、SUS329、SUS444を、支持層11を構成する軟磁性を有する金属として用いることができる。
次に、絶縁層12について説明する。絶縁層12は、支持層11の上に形成されるものであり、絶縁層12の上に形成される導体層13と支持層11とを電気的に絶縁するものである。
絶縁層12の厚みは、所望の絶縁性を確保できる限り、薄い方が好ましい。電磁波シールド積層材10の全体の厚みを、より薄くできるからである。本発明においては、機器が必要とする電気特性から適宜厚みを変更することが可能であり、例えば、4μm以上50μm以下の範囲とすることができる。
絶縁層12の材料としては、所望の絶縁性を確保でき、薄く形成できるものが好ましい。このような材料として、例えば、ポリイミド等を挙げることができる。なお、絶縁層12の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。
次に、導体層13について説明する。
導体層13は、主に、後述する電磁波シールド回路基板の回路パターンを形成するためのものである。この回路パターンには、コイル状アンテナを含む各種アンテナパターンも含まれる。
また、導体層13は、低周波の電磁波を遮蔽するためのシールド層として作用させるものであってもよい。
導体層13の材料としては、回路パターンを形成する場合には、所望の導電性を有するものであれば用いることができ、例えば、銅(Cu)を好適に挙げることができる。
また、シールド層として作用させる場合には、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等を挙げることができる。
導体層13の厚みは、回路パターンを形成する場合やシールド層として作用させる場合のそれぞれにおいて、所望の導電性や遮蔽性を確保できる限り、薄い方が好ましい。本発明においては、機器が必要とする電気特性等から適宜厚みを変更することが可能であり、例えば、5μm以上50μm以下の範囲とすることができる。
次に、本発明に係る電磁波シールド回路基板について説明する。
図2及び図3は、本発明に係る電磁波シールド回路基板の第1の実施形態の一例について示す断面図である。
例えば、図2(a)に示すように、電磁波シールド回路基板20Aは、軟磁性を有する金属から構成される支持層11の上に絶縁層12が形成されており、絶縁層12の上に回路パターン21が形成されている構成を有している。この回路パターン21は、アンテナパターンも含むものである。
それゆえ、この金属に応じたエッチング液を用いて容易にエッチング加工を施すことができる。このエッチング加工は、複雑な平面形状の加工を可能とするのみならず、厚み方向の自由な加工も可能とするものである。例えば、ハーフエッチングにより、支持層11に厚みの異なる段差部を形成することもできる。
例えば、電磁波シールド積層材10の導体層13の材料として、銅(Cu)が用いられている場合には、塩化鉄系エッチング液により、回路パターン21を形成することができる。
例えば、図2(b)に示す電磁波シールド回路基板20Bにおいては、図中右側の回路パターン21の上面及び側面を覆うように保護層14が形成されている。
ここで、図中左側の回路パターン21の上面の一部には、保護層14が形成されておらず、この開口部から回路パターン21の上面の一部が露出している。
例えば、電磁波シールド回路基板20Bにおいては、保護層14を露光、現像することで、上記のように、保護層14に開口部を設けて所望の箇所の回路パターン21を露出させることができ、所望の箇所に狭ピッチ(例えば0.4mm)の部品を実装することが可能となる。
保護層14の材料には、例えば、ソルダーレジスト等を用いることができる。
なお図示はしないが、同様に、支持層11の上(図2においては支持層11の下側)にも保護層等が設けられていても良い。
金属から構成される支持層11が周辺部材に物理的に衝突することによって、周辺部材を傷付けてバリや異物を発生させてしまう不具合を抑制できるからである。
また、本発明においては、絶縁層12を所望の形態にエッチングできるため、絶縁層12の外縁の所望の箇所のみが、支持層11の外縁よりも外側に突出する形態も、容易に製造することができる。
図4は、本発明に係る電磁波シールド回路基板の第2の実施形態の一例について示す断面図である。例えば、図4(a)に示すように、電磁波シールド回路基板30Aにおいては、支持層11に開口部31が形成されている。
例えば、支持層11がフェライト系ステンレス鋼から構成されている場合には、酸系エッチング液によるエッチング加工で開口部31を形成することができる。
このようなテーパー形状を有する開口部32は、エッチング液を用いて支持層11をエッチング加工することにより、形成することができる。
エッチング液を用いて加工することにより、バリの発生を抑制し、他部材の汚染を防ぐことができる。
ここで、図中左側の回路パターン21の上面の一部には、保護層14が形成されておらず、この開口部から回路パターン21の上面の一部が露出している。
例えば、電磁波シールド回路基板30Cにおいては、保護層14を露光、現像することで、上記のように、保護層14に開口部を設けて所望の箇所の回路パターン21を露出させることができ、所望の箇所に狭ピッチ(例えば0.4mm)の部品を実装することが可能となる。
保護層14を露光、現像することで、狭ピッチ(例えば0.4mm)の部品を実装することが可能となる。保護層14の材料には、例えば、ソルダーレジスト等を用いることができる。
なお図示はしないが、同様に、支持層11の上(図4においては支持層11の下側)にも保護層等が設けられていても良い。
図5は、本発明に係る電磁波シールド回路基板の第3の実施形態の一例について示す断面図である。例えば、図5(a)に示すように、電磁波シールド回路基板40Aにおいては、支持層11に厚みの異なる段差部41が形成されている。
例えば、支持層11がフェライト系ステンレス鋼から構成されている場合には、酸系エッチング液によるハーフエッチング加工で段差部41を形成することができる。
このような形態は、エッチング液を用いて支持層11をハーフエッチング加工することにより、形成することができる。そして、エッチング液を用いて加工することにより、バリの発生を抑制し、他部材の汚染を防ぐことができる。
ここで、図中左側の回路パターン21の上面の一部には、保護層14が形成されておらず、この開口部から回路パターン21の上面の一部が露出している。
例えば、電磁波シールド回路基板40Cにおいては、保護層14を露光、現像することで、上記のように、保護層14に開口部を設けて所望の箇所の回路パターン21を露出させることができ、所望の箇所に狭ピッチ(例えば0.4mm)の部品を実装することが可能となる。
保護層14を露光、現像することで、狭ピッチ(例えば0.4mm)の部品を実装することが可能となる。保護層14の材料には、例えば、ソルダーレジスト等を用いることができる。
なお図示はしないが、同様に、支持層11の上(図5においては支持層11の下側)にも保護層等が設けられていても良い。
図6は、本発明に係る電磁波シールド回路基板の第4の実施形態の一例について示す断面図である。例えば、図6(a)に示すように、電磁波シールド回路基板50Aにおいては、絶縁層12に開口部51が形成されている。
例えば、絶縁層12がポリイミドから構成されている場合には、アルカリ系エッチング液によるエッチング加工で開口部51を形成することができる。
このマイクロエッチングを施すことにより、例えば、開口部51に導電材を形成する際に、該導電材と支持層11との密着性を向上させることができる。例えば、酸系エッチング液によるハーフエッチング加工により、このマイクロエッチングを施すことができる。
なお図示はしないが、同様に、支持層11の上(図6においては支持層11の下側)にも保護層等が設けられていても良い。
図7は、本発明に係る電磁波シールド回路基板の第5の実施形態の一例について示す断面図である。例えば、図7(a)に示すように、電磁波シールド回路基板60Aにおいては、絶縁層12の開口部に導電材61が形成されている。そして、導電材61は、回路パターン21及び支持層11と接触している。
導電材61を構成する材料としては、導電性を有する物であれば用いることができるが、例えば、銅(Cu)、Ni(ニッケル)等を挙げることができる。また、導電材61の形成方法としては、例えば、電解めっき法を挙げることができる。
例えば、このような構成とすることで、支持層11を回路パターン21のグランド配線として利用することができる。
この図7(b)に示す形態の電磁波シールド回路基板60Bは、例えば、図6(b)に示す電磁波シールド回路基板50Bの開口部51に導電材61を形成することで製造することができる。そして、支持層11に、上記のマイクロエッチングを施すことにより、導電材61と支持層11との密着性を向上させることができる。
なお図示はしないが、同様に、支持層11の上(図7においては支持層11の下側)にも保護層等が設けられていても良い。
図8は、本発明に係る電磁波シールド回路基板の第6の実施形態の一例について示す断面図である。
上記の第1〜第5の実施形態(図2〜7)においては、回路が単層構造の形態を例示したが、本発明においては、これに限定されず、回路を多層構造にすることも可能である。
例えば、図8に示すように、電磁波シールド回路基板70においては、軟磁性を有する金属から構成される支持層71の上に第1の絶縁層72が形成されており、第1の絶縁層72の上に第1の回路パターン73が形成されており、第1の絶縁層72の上、および、第1の回路パターン73の上に、第2の絶縁層74が形成されており、第2の絶縁層74には開口部が形成されており、この開口部に導電材75が形成されている。
さらに、電磁波シールド回路基板70においては、第2の絶縁層74の上に第2の回路パターン76が形成されており、第2の回路パターン76の上に保護層77が形成されている。
なお、上記の第2の絶縁層74を形成する工程以降の工程を、繰り返し施すことで、回路パターンの層をさらに増やすことも可能となる。
その後は、上記の第1〜第5の実施形態と同様にして、保護層77を形成することができる。
金属から構成される支持層11が周辺部材に物理的に衝突することによって、周辺部材を傷付けてバリや異物を発生させてしまう不具合を抑制できるからである。
11 支持層
12 絶縁層
13 導体層
14 保護層
20A、20B、20C、20D、20E 電磁波シールド回路基板
21 回路パターン
30A、30B、30C 電磁波シールド回路基板
31、32 開口部
40A、40B、40C 電磁波シールド回路基板
41、42 段差部
50A、50B、50C 電磁波シールド回路基板
51 開口部
60A、60B、60C 電磁波シールド回路基板
61 導電材
70 電磁波シールド回路基板
71 支持層
72 第1の絶縁層
73 第1の回路パターン
74 第2の絶縁層
75 導電材
76 第2の回路パターン
77 保護層
100 非接触充電装置用アンテナシート
101 磁性シート
102 接着剤層
103 基材
104 コイル状アンテナ
Claims (14)
- 軟磁性を有する金属から構成される支持層を有し、
前記支持層の上に絶縁層を有し、
前記絶縁層の上に導体層を有することを特徴とする電磁波シールド積層材。 - 前記支持層の厚みが、15μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド積層材。
- 前記軟磁性を有する金属が、フェライト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁波シールド積層材。
- 前記絶縁層の厚みが、4μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電磁波シールド積層材。
- 前記絶縁層が、ポリイミドを含む材料から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電磁波シールド積層材。
- 軟磁性を有する金属から構成される支持層を有し、
前記支持層の上に絶縁層を有し、
前記絶縁層の上に回路パターンを有することを特徴とする電磁波シールド回路基板。 - 前記絶縁層の外縁の少なくとも一部が、前記支持層の外縁よりも外側に突出していることを特徴とする請求項6に記載の電磁波シールド回路基板。
- 前記支持層が開口部を有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電磁波シールド回路基板。
- 前記支持層が厚みの異なる段差部を有することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の電磁波シールド回路基板。
- 前記絶縁層が開口部を有することを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の電磁波シールド回路基板。
- 前記絶縁層の前記開口部に、導電材が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の電磁波シールド回路基板。
- 軟磁性を有する金属から構成される支持層を有し、
前記支持層の上に第1の絶縁層を有し、
前記第1の絶縁層の上に第1の回路パターンを有し、
前記第1の絶縁層の上、および、前記第1の回路パターンの上に、第2の絶縁層を有し、
前記第2の絶縁層が開口部を有し、
前記開口部に導電材が形成されていることを特徴とする電磁波シールド回路基板。 - 前記第2の絶縁層の上に第2の回路パターンを有し、
前記第2の回路パターンの上に、保護層を有することを特徴とする請求項12に記載の電磁波シールド回路基板。 - 前記第1の絶縁層の外縁の少なくとも一部が、前記支持層の外縁よりも外側に突出していることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の電磁波シールド回路基板。
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