JP2017026915A - トナー処理装置及びトナー製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー処理装置において、回転体の摩耗劣化による攪拌羽根自体の交換を不必要とし、メンテナンス性、経済性を確保し、装置停止に伴う生産性の低下を防止する。【解決手段】トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理室と、前記処理室内で駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体とを備え、前記回転体は、回転体本体31と処理部32とを有し、前記処理部32は、該処理部32の外周面から径方向の外向きに突出し前記被処理物に衝突して前記被処理物を処理する衝突部位34を有し、前記回転体本体31と前記処理部32とは分離可能であり、前記処理部32は、前記駆動軸と直交する面で処理部32を切断したと仮定したときの断面と、前記駆動軸を通り前記駆動軸に平行な面で処理部32を切断したと仮定したときの断面とが、交わることによってできる線に対して二回対称とする。【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、及び静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられるトナーに係わるトナー処理装置及びトナー製造方法に関する。
電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応したトナーが要求されている。通常、トナーは、帯電性の制御や流動性付与等を目的として、微粒子、特に無機微粒子を外添剤としてトナー粒子の表面に固着した状態で使用されている。トナー粒子の表面に外添剤を付着させる方法としては、トナー粒子と外添剤とを含む被処理物を、処理室内で高速で攪拌する羽根によって混合、衝突させ、トナー粒子の表面に外添剤を固着させている。
こうした外添処理を長期に渡り繰り返すと、被処理物と衝突する羽根の衝突部位が、摩耗し劣化することがある。摩耗が進行すると、攪拌する羽根自体の強度が損なわれるばかりか、所望の強度で外添剤をトナー表面へ固着させることが困難になることがあった。必要な強度で外添処理することができなかった場合、解砕されなかった外添剤の塊に起因する画像不良や、トナーに固着できなかった遊離外添剤が帯電部材等を汚染し、部材汚染起因の画像不良が発生することがあった。
そのため、外添処理装置の摩耗による劣化を抑える必要がある。トナー製造装置の機械的強度アップのために、各種製造装置の部材を表面処理、例えばメッキ処理することにより耐摩耗性を高めた粉砕機が提案されている(特許文献1)。
実際、表面処理することにより、装置の機械的強度が高まり、長寿命化に一定の効果が認められた。同様のめっき処理を行えば、外添処理工程においても、耐摩耗性向上、長寿命化に一定の効果は期待できると予想される。しかし、画像流れなど画像弊害へ対応した研磨性の粒子を添加したトナーや、比重の高い一成分現像用の磁性体含有トナーを用いた外添処理においては、外添処理装置への機械的な負荷が大きくなり、攪拌羽根などの摩耗劣化が早まることがあった。
摩耗劣化によってトナーの適切な外添処理が施せなくなるばかりか、攪拌羽根自体の交換が必要となり、メンテナンス性や経済性、装置停止に伴う生産性に課題があった。
特開2008−100188号公報
トナー処理装置において、攪拌羽根や回転体が摩耗劣化し、トナーの適切な外添処理が施せなくなるばかりか、攪拌羽根や回転体自体の交換が必要となり、メンテナンス性や経済性が損なわれ、装置停止に伴い生産性が低下するという課題があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、回転体及び処理部の交換頻度を低減し、メンテナンス性を向上させ、長期間に渡って安定的に所望のトナー外添処理を行うことができるトナー処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、回転体及び処理部の交換頻度を低減し、メンテナンス性を向上させ、長期間に渡って安定的に所望のトナー外添処理を行うことができるトナー処理装置に関して、次のことを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、
トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理室と、
前記処理室内で駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体とを備え、
前記回転体は、
回転体本体と、
処理部と、
を有し、
前記処理部は、該処理部の外周面から径方向の外向きに突出し前記被処理物に衝突して前記被処理物を処理する衝突部位を有し、
前記回転体本体と前記処理部とは分離可能であり、
前記処理部は、
前記駆動軸と直交する面で処理部を切断したと仮定したときの断面と、
前記駆動軸を通り前記駆動軸に平行な面で処理部を切断したと仮定したときの断面とが、
交わることによってできる線に対して二回対称であることを特徴するトナー処理装置に関する。
本発明によれば、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を処理する回転体を、回転体本体と処理部とを別構成とし、処理部を二回対称構造とすることで、分割した処理部の表裏を使用でき、処理部の寿命を二倍にすることができる。また、摩耗した処理部のみを交換できるため、経済的であるだけでなく、分割した処理部の構造が単純であるために、加工上材質の制約が少なく、従来よりも超高硬度の材料が選択でき、従来よりも長時間、高速での粉粒体処理が可能となる。
本発明を適用可能なトナー処理装置を示す概略図。 実施形態の処理室を示す概略図。 実施形態の撹拌羽根を示す概略図。 実施形態の回転体を示す概略図。 比較例1の回転体を示す概略図。 回転体が被処理物と衝突する部位を示した概略図。
本発明のトナー処理装置は、
トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理室と、
前記処理室内で駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体とを備え、
前記回転体は、
回転体本体と
処理部と、
を有し、
前記処理部は、該処理部の外周面から径方向の外向きに突出し前記被処理物に衝突して前記被処理物を処理する衝突部位を有し、
前記回転体本体と前記処理部とは分離可能であり、
前記処理部は、
前記駆動軸と直交する面で処理部を切断したと仮定したときの断面と、
前記駆動軸を通り前記駆動軸に平行な面で処理部を切断したと仮定したときの断面とが、
交わることによってできる線に対して二回対称であることが特徴である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状や、それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[トナー処理装置]
図1に本発明を適用可能なトナー処理装置1の概略図を示す。
トナー処理装置1は、処理室(処理槽)10、駆動軸11、舞上げ手段としての撹拌羽根20、回転体30、駆動モータ50、及び制御部60で構成されている。
処理室10は、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容するためのものである。
駆動軸11は、処理室10の底部の略中心に配置され、撹拌羽根20や回転体30が取り付けられる。
撹拌羽根20は、処理室内における回転体30の下方となる処理室10の底部に回転可能に設けられている。
回転体30は、撹拌羽根20よりも上方で回転可能に設けられている。
駆動モータ50の駆動力は、駆動ベルト51を介して駆動軸11に伝達される。
制御部60は、電源スイッチ、駆動ONスイッチ、駆動停止スイッチ、回転数調整ボリューム、回転数表示部、品温表示部等を備え、トナー処理装置1の動作を制御している。
[処理室]
図2に処理室10の概略図を示す。図2では、説明の便宜上、処理室10の内周面(内壁)10aを一部切断した状態を示している。
処理室10は略平らな底部を持った円筒形の容器であり、底部の略中心に撹拌羽根20や回転体30を取り付けるための駆動軸11を備えている。処理室10は強度の観点から鉄、SUS等の金属製が好ましく、内面は導電性の材質を用いるか内面の表面を導電加工することが好ましい。
[舞上げ手段]
図3は、舞上げ手段としての撹拌羽根20の一例を示す概略図である。図3(a)は上から見た上面図を示し、図3(b)は正面から見た正面図を示している。
撹拌羽根20は、回転することで、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を処理室10内で舞上げ可能に構成されている。
撹拌羽根20は、回転中心から外側(径方向の外向き(外径方向)、外径側)に向かって伸びる羽根部21を有し、羽根部21の先端が被処理物を舞上げるように跳ねあげ形状をしている。
羽根部21の形状は、トナー処理装置1の大きさや運転条件、被処理物の充填量、比重によって適宜設計可能である。
撹拌羽根20は、強度の観点から鉄、SUS等の金属製が好ましく、必要に応じて耐摩耗用にメッキ、コーティングを施してもよい。
撹拌羽根20は、処理室10の底部の駆動軸11に固定され、上方から見て(図3(a)に示す状態で)時計方向に回転する。図では、駆動軸11の回転方向を矢印Rで示している。
撹拌羽根20の回転により、被処理物は処理室10内で撹拌羽根20と同じ方向に回転しながら上昇し、やがて重力によって下降してくる。このようにして被処理物は均一に混合される。
[回転体]
図4は、回転体30の一例を示す概略図である。図4(a)は処理室10内に設置された回転体30の上面図を示し、図4(b)は回転体30の正面図を示している。
回転体30は、回転体本体31と処理部32とを有する。
処理部32は、処理部32の外周面35から径方向の外向きに突出し前記被処理物に衝突して前記被処理物を処理する衝突部位34を有している。
回転体30は、図1に示すように、処理室10内で撹拌羽根20よりも上方にあって、撹拌羽根20と同じ駆動軸11に固定され、撹拌羽根20と同じ方向(矢印R方向)に回転する。
撹拌羽根20と回転体30の回転により、巻き上げられた被処理物と処理部32の衝突部位34とが衝突することによってトナー粒子へ外添剤を付着させている。本発明の実施形態においては、回転体本体31と、処理部32は分離可能な別構成であることが特徴であり、回転体本体31と処理部32とはネジなどの固定手段(図示せず)によって組み付け固定された状態で使用する。
駆動軸11と直交する面41で処理部32を切断したと仮定したときの断面を断面Aとする。一方、駆動軸11を通り駆動軸に平行な面42で処理部32を切断したと仮定したときの断面を断面Bとする。本実施形態の処理部32は、断面AとBが交差することによってできる線(図4における33)を軸として、線33に対して二回対称であることが特徴である。
二回対称とは、本実施形態の線33を軸とした場合、その軸のまわりに180度回転させると、自らに重なる性質のことである。つまり、本実施形態の処理部32は表裏で同じ形状となっている。処理部32は、回転体30の外周面から径方向の外向きに突出し被処理物に衝突することができ、断面が交差する前記の線に対して二回対称であれば、その形状や構造は限定されない。
図6(a)は、矢印Rの方向(時計回り)へ回転体30が回転する場合に、被処理物と処理部32との衝突によって摩耗が生じる処理部の衝突部位34を模式的に示したものである。図6(a)に示す状態で、回転体30が矢印Rの方向へ回転する場合、衝突面34aは被処理物と衝突するが、衝突面34bは被処理物と衝突しない。長期使用によって衝突面34aの摩耗が進むと、所望の強度で外添剤をトナー粒子に固着させることが困難になり、画像弊害等の問題を生じることがある。
図6(b)は、処理部32を二回対称軸を中心として表裏入れ替えた(180度回転させた)状態を示しており、衝突面34aが被処理物と衝突しない方向に配置され、新たな衝突面34bと被処理物とを衝突させることができる。摩耗のない新しい衝突面と被処理物とを衝突させることができるため、従来の二倍の期間にわたり使用できることとなり、処理部32の交換頻度を低減することが可能となる。
また、処理部32のみを交換することができ、回転体本体31の交換は必要ないため、簡便に交換が可能となる。
さらに、処理部32だけの交換ですむため、より経済的な運用が可能となる。
また、耐摩耗性を向上させる観点から、処理部基材上に表面処理層を施すことが好ましい。具体的には、解研磨、硬質金属やセラミックスなどのコーティングやメッキ、セラミックやサーメット等の超硬合金の焼結、溶射・溶着、肉盛溶接、浸炭処理や窒化処理、イオンプレーティング、ブラスト処理などの表面処理が施されることが好ましい。
特に、表面処理層は、ビッカース硬度が900以上1300以下であることが好ましく、表面硬さがビッカース硬度900〜1300の範囲であることにより、摩耗量を極力少なくすることができ、回転体の交換頻度を少なくすることができる。
表面硬さが900以上であれば耐摩耗性が維持され、表面硬さが1300以下であれば表面が硬すぎて脆くなって、剥離・クラックが生じやすくなったり、その結果として回転体の交換頻度が増加したり、しない。
また、表面処理層は、クロム合金でコーティングすることにより形成したものが、表面硬さが大きく、耐摩耗性が高くなるため好ましい。クロム合金に存在する分子間結合力の強い炭化クロム(Cr23)が処理部基材との密着性を高め、剥離やクラックといった現象の発生頻度を極力少なくすることができる。
また、クロム合金には他の金属元素等を含有するものであっても良く、このような他元素としては、例えばFe、Ga、Pd、Sb等が挙げられる。
本発明において、炭化クロムを含有するクロム合金の処理部基材表面へのコーティングは「めっき」により形成することができる。めっき処理によれば、焼き入れに見られる熱的影響も受けることがなく、表面を均一かつ滑らかに仕上げ、摩擦係数を小さくして耐摩耗性を向上させることが可能となる。めっき処理した後、該めっき処理した後の処理面に機械的表面処理としてショットピーニング加工を用いることで、処理表面の微小クラックをなくし、粉砕面の表面硬さ、耐摩耗性をさらに向上させることができる。
ショットピーニング加工とは、例えば圧縮空気または遠心力で鉄鋼などの粒子を処理表面に噴射する加工法で、表面処理の微小クラックをなくすことができるものであり、本発明においては、好ましくはセラミック粒子の噴射によって行われる。
表面に生成した微小クラックは、噴射圧力が高く、時間が長くなると塑性変形を受けて減少する傾向を示すことが知られている。表面硬さ、耐摩耗性のさらなる向上のためには、ショットピーニング加工前に焼入れを行い、めっき層を硬質化し、密着性を向上させることが好ましい。
上記の炭化クロム含有クロム合金めっき層の厚さは50乃至〜1000μmであることが好ましく、100〜1000μmであることがさらに好ましい。特に、被処理物と衝突する処理部の先端のめっきを厚くすることが好ましく、先端のめっき層の厚さは700〜1000μmであることがより好ましい。
処理部基材のビッカース硬度は、200以上700以下であることで好ましい。処理部基材のビッカース硬度が、200以上700以下のとき、遊離外添剤を抑制することができる。また、表面処理層の密着性を維持する点からも好ましい。ビッカース硬度が200以上あれば、被処理物との衝突時に変形したり、その結果として処理層が剥離したりすることがない。
処理部基材には、S45Cなどの炭素鋼やSCM材などのクロムモリブデン鋼などを用いることができる。従来、回転体本体に処理部を溶接することにより回転体を構築してきたが、炭素鋼やSCM材を使用し処理部に溶接した回転体本体では、処理部に必要な強度を溶接部分で維持することが難しかった。本発明の処理部は、回転体本体と別構成とし、形状が平面であり処理部の加工が容易であるほか、溶接を必要としないことから、従来の回転体よりも基材材料選択の選択肢が広く、高強度の基材が選択できる点で有利となる。
[トナーの製造]
次に、本実施形態のトナー処理装置を用いた、外添工程を含むトナーの製造方法の一例について説明する。トナーの製造方法については、特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。ここでは、粉砕法を用いたトナーの製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、着色剤、及びワックス、並びに必要に応じて、荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、スーパーミキサー((株)カワタ製)、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)等が挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。
連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機((株)神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機((株)池貝製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)が挙げられる。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
次いで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、クラッシャー、ハンマーミル、の如き粉砕機で粗粉砕した後、さらに、クリプトロンシステム((株)アーステクニカ製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ(株)製)等による微粉砕機で微粉砕する。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボジェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のTSPセパレータ、TTSPセパレータ、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
このようにして得られたトナー粒子の表面に前記小径の外添剤を被覆処理させる装置として、図1に示す本実施形態のトナー処理装置1を用いる。処理方法は以下の通りである。まず、図1に示すトナー処理装置1の回転体30の回転速度を後述する所定の範囲内で設定する。
次に、処理室10の上蓋を開け、予め計量しておいたトナー粒子及び外添剤を含む被処理物を投入する。被処理物の投入後、上蓋を閉め、以下に記載する回転速度で、回転体30を回転させる。
さらに、回転体30の回転中、冷水発生手段からの冷水を冷水ジャッケット(図示しない)に供給することで、処理室10内の材料温度を、トナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)以下に調整する。
所望の時間、処理を行った後、排出弁(図示しない)を開き、処理室10からトナーを取り出す。その後、35μmから75μm開口程度のメッシュに通し、粗大粒子を除去し、トナーを得る。
回転体30の回転周速や、混合時間は、処理中の材料温度がトナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)以下となる範囲に調整することが好ましい。具体的には、回転体30の回転速度は1000rpm以上、5000rpm以下であることが好ましい。また、混合時間は0.5分以上、60分以下の範囲で調整することが好ましい。
トナー粒子の表面に外添剤を固着させる工程は、1段階で行っても、2段階以上の多段階で行ってもよく、それぞれの段階で用いる混合条件及びトナー粒子の配合等は、同一であっても異なっていても良い。
次に、本実施形態に用いられるトナーに関して説明する。本実施形態に用いられるトナーとしては、公知のものが使用でき、粉砕法、重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法等のいずれの方法で製造されたものであってもよい。
[結着樹脂]
トナーを構成する結着樹脂としては、通常、トナーに用いられる樹脂を使用することができ、以下のようなものが挙げられる。
すなわち、本実施形態に好適に用いられるトナーにおいて、結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体が挙げられる。さらに、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体が挙げられる。さらに、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。さらに、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。さらに、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油系樹脂が挙げられる。
トナーの物性のうち、結着樹脂に起因するものとしては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布は以下のものが好ましい。即ち、分子量2,000以上50,000以下の領域に少なくとも一つのピークを有し、分子量1,000以上30,000以下の成分が50%以上90%以下、存在する場合がより好ましい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は30℃以上60℃以下であることが好ましく、40℃以上60℃以下であることがより好ましい。
本実施形態に好適に用いられるトナーにおいては、定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から、次のようなワックスがトナー粒子の材料として用いられるとよい。そのワックスとしては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。これらのワックスの誘導体として、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他のワックスとして、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムが挙げられる。
[荷電制御剤]
トナー粒子の帯電量及び帯電量分布の制御のために、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するための負荷電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体としては、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体が挙げられる。さらに、負荷電制御剤としては、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の無水物が挙げられる。さらに、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸のエステル化合物、ビスフェノールの如きフェノール誘導体が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するための正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩によるニグロシンの変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩が挙げられる。さらに、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリブチルベンジルホスホニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩が挙げられる。さらに、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの如きホスホニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸が挙げられる。さらに、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これらの荷電制御剤は、単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。また、電荷制御樹脂も用いることができ、上記の電荷制御剤と併用することも出来る。上記した荷電制御剤は微粒子状で用いることが好ましい。これらの荷電制御剤をトナー粒子に内添する場合は、結着樹脂100.0質量部に対して0.1質量部以上20.0質量部以下をトナー粒子に添加することが好ましい。
[着色剤]
本実施形態に好適に用いられるトナーにおいては、トナー粒子の材料として、従来知られている種々の着色剤を用いることが出来る。以下、本実施形態に用いられる着色剤について説明する。
黒色着色剤としては、マグネタイト、カーボンブラック、以下に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤の如き有彩色着色剤によって黒色に調色されるように組み合わせたものが用いられる。
磁性体を着色剤として用いて磁性トナーを製造する場合は、以下に挙げるような磁性体を使用することができる。この場合、磁性トナーに含まれる磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、或いは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物等が挙げられる。
具体的には、磁性体としては、四三酸化鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄イットリウム(YFe12)、酸化鉄カドミウム(CdFe)、酸化鉄ガドリニウム(GdFe12)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe)、酸化鉄ニオジム(NdFe)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe)、酸化鉄ランタン(LaFeO)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。上述した磁性体を単独で或いは二種以上組み合わせて使用する。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111が挙げられる。さらに、120、127、128、129、147、155、162、168、174、176、180、181、185、191が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、31、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122が挙げられる。さらに、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合しさらには固溶体の状態で用いることが出来る。
本実施形態において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性を考慮して選択される。
これらの有彩色の非磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で1.0質量部以上20.0質量部以下がトナー粒子中に含有される。
また、磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で20質量部以上60質量部以下がトナー粒子中に含有される。
[外添剤]
微粒子である外添剤をトナー粒子表面に固着することが好ましい。微粒子が固着されることにより、トナー粒子の流動性や転写性が向上しうる。トナー粒子表面に固着される外添剤は、酸化チタン、酸化アルミナ、及びシリカ微粒子のいずれかの微粒子を含むことが好ましい。
外添剤に含まれる微粒子の表面は、疎水化処理をされていることが好ましい。疎水化処理は、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤の如きカップリング剤;脂肪酸及びその金属塩;シリコーンオイル;またはそれらの組み合わせによってなされることが好ましい。
様々な組み合わせの中でも、微粒子の一つとして、個数平均粒子径が80nm以上300nm以下である大粒径外添剤を固着することが好ましい。理由は、研磨粒子としての機能を有し、主に感光体上に付着し、特に高温高湿下で画像流れなどの画像弊害を生じる帯電性生物を効果的に除去することができる、からである。
材質としては例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム等が挙げられる。シリカの場合、例えば、気相分解法、燃焼法、爆燃法など従来公知の技術を用いて製造されたいかなるシリカをも使用することができる。中でも、粒度分布をシャープにできるゾルゲル法により得られるシリカ粒子が好ましい。
外添剤のトナー中における含有量は、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8.0質量%以下であることがより好ましい。また外添剤は、複数種の微粒子の組み合わせでもよい。
[外添剤の添加量]
外添剤のトナー中における含有量は、0.1質量%以上8.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上6.0質量%以下であることがより好ましい。また外添剤は、複数種の微粒子の組み合わせでもよい。
[トナー・キャリア二成分系現像剤]
本実施形態の磁性キャリアとトナーを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると、通常、良好な結果が得られる。
[トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法]
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。
測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。
「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに該電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに該電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)上記(2)のビーカーを超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間、超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した上記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
[外添剤の一次粒子の個数平均粒径の測定]
外添剤の一次粒子の個数平均粒径は、次のようにして求めた。
まず、外添剤の10万倍の電子顕微鏡写真を50枚撮影した。そして、その写真を画像処理解析装置((株)ニレコ製、商品名:ルーゼックスIID)により、フレーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、トータル処理粒子数:500個の条件で粒子の投影面積に対応する円相当径を算出し、その算術平均の値を求めた。
[ビッカース硬度の測定]
ビッカース硬度は、例えば(株)島津製作所製、ダイナミック微小硬度計 DVH−200を用いて測定することができ、荷重0.4903Nを30秒間保持する条件で測定することが好ましい。
以下、具体的なトナー処理装置の構成について実施例及び比較例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
[トナー粒子の製造例]
・不飽和ポリエステル樹脂:100質量部
(ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/テレフタル酸/無水トリメリット酸/フマル酸からなる不飽和ポリエステル樹脂,Mw(重量平均分子量):15000、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量):4.5、Tg:58℃)
・磁性酸化鉄粒子 90質量部
(平均粒径=0.20μm、保磁力Hc=11.5kA/m、飽和磁化σs=88Am/kg、残留磁化σr=14Am/kg)
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク73℃):6.0質量部
・荷電制御剤(サリチル酸アルミ錯体):0.5質量部
上記の材料をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製、FM10型)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機((株)池貝製、PCM15型)にて混練した。得られた混練物を冷却後に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(フロイント・ターボ(株)製T250RS型)を用いて粉砕した。次に、得られた微粉砕物を、表面改質装置(ホソカワミクロン(株)製、ファカルティーF300)を用いて、微粉砕物の分級を行い、重量平均径(D4)が6.0μmのトナー粒子を得た。
[外添剤1の製造例]
一次粒子の個数平均粒径が18nm、BET比表面積200m/gの気相法シリカ粉を反応槽に入れて窒素雰囲気下で撹拌しながら、このシリカ粉100gに対して、ヘキサメチルシラザン5gをスプレーし、200℃の雰囲気温度で、30分間撹拌した。撹拌後、さらに、ジメチルシリコーンオイル15gをスプレーし、200℃で60分加熱撹拌した後に25℃まで冷却して表面処理シリカ粒子を調製した。
[外添剤2の製造例]
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.7に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.0に調整し、上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返しした。
該含水酸化チタンに対し、0.98倍モル量のSr(OH)・8HOを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。さらに、SrTiO換算で0.5mol/リットルになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを80℃まで昇温し、80℃に到達してから8時間反応を行った。反応後に室温まで冷却し、上澄み液を除去した後に、洗浄、濾過、乾燥し、一次粒径の平均粒径100nmの立方体または直方体型のチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。
〔実施例1〕
実施例1における、トナー処理装置1の具体的な構成について、上述した図1を用いて、より詳細に説明する。
処理室10は、図1に示すような内寸高さが250mm、内径がφ230mmで有効容量が10Lの円筒形状の容器で平らな底部の中心に駆動軸11を備えている。駆動モータ50の駆動は駆動ベルトを介して駆動軸11に伝達されている。制御部60は、電源スイッチ、駆動ONスイッチ、駆動停止スイッチ、回転数調整ボリューム、回転数表示部、品温表示部等を備え、トナー処理装置1の動作を制御している。
上述したように、処理室10の内部には、被処理物を処理室10の底部から上方に舞上げる撹拌羽根20が駆動軸11に取り付けられている。撹拌羽根20には、S字形状でかつ先端が跳ねあげ形状のものが使用されている。さらに、撹拌羽根20の上方には、同じ駆動軸11に、図4に示す回転体30が取り付けられている。
図1に示すトナー処理装置1においては、トナー粒子及び外添剤1及び2を含む被処理物を収容するための図2に示す処理室10の有効容量が10Lとなっている。そして、被処理物を処理室10の底部から上方に舞上げさせる舞上げ手段として、図3に示す撹拌羽根20が設置されている。
さらに、処理部23の基材には、ビッカース硬度700の高周波焼入れを行ったSCM−440(C:0.40%)を用いた。さらに、硬質炭化クロムメッキを施し、0.8mm〜1.4mmの粒径を有するスチールショット系粒子を用いて、0.5MPa、20秒のショットピーニング処理をおこなって、ビッカース硬度1300表面処理層をつけた。
上記構成のトナー処理装置1に対し、トナー粒子100質量部を処理室10の有効容量の10%分導入した。さらに、外添剤1を1.0質量部、外添剤2を1.5質量部、導入した。
次いで、撹拌羽根20(回転体本体31)の回転速度が4000rpmとなるように制御して5分間運転して外添処理を行い、トナーを得た。
[耐摩耗性評価]
500時間運転時の処理部処理面の摩耗量で耐摩耗性を評価した。
(評価基準:耐摩耗性評価)
A:摩耗量0〜30μm未満(優れている)
B:30μm以上50μm未満(少し優れている)
C:50μm以上(従来技術レベル)
[剥離/亀裂評価]
1000時間運転時の剥離/亀裂発生レベルを目視により確認して、以下の基準に則り評価した。
(評価基準:剥離/亀裂評価)
A:剥離/亀裂が認められない。(優れている)
B:剥離/亀裂がわずかに認められ、基材が露出するレベルではない。(少し優れている)
C:剥離/亀裂が明確に認められるが、基材が露出するレベルではない。
D:基材に到達する剥離/亀裂が認められるか、または、1000時間の運転前に寿命を迎えるレベル(従来技術レベル)
[寿命評価]
処理部のメッキ厚さが150μm摩耗した段階で表裏入れ替えを行い、新しい処理面のメッキ厚さが150μm摩耗した段階で交換を行った。交換までの運転時間により回転体の寿命評価を行った。
A:3600時間以上(寿命が従来より4倍以上)
B:2700時間以上3600時間未満(寿命が従来より3倍以上4倍未満)
C:1800時間以上2700時間未満(寿命が従来より2倍以上3倍未満)
D:1800時間未満(寿命が従来の2倍未満)
〔比較例1〕
実施例1に対して、図5の処理部と回転体本体が一体で構成される回転体を使用した。
図5は、比較例1の回転体を示す概略図である。回転体本体51と処理部52が一体の構成をとっている。処理部52は、本実施形態の回転体同様に、トナーの処理に使用されれば摩耗が進むため、交換が必要となる。しかし、対称軸がないため、表裏入れ替えての運用はできず、寿命を延ばすことができない。また、処理部52だけでなく、回転体本体51と共に交換が必要となり、大がかりな交換作業が必要になるほか、一体構成での交換となるため、経済的な負担も大きくなる。
回転体は、ビッカース硬度140のSS400を用いた。さらに、硬質クロムメッキを施し、ビッカース硬度800表面処理層をつけた。
上記以外は、実施例1と同様にトナーの処理を行い、同様の基準で評価を実施した。評価結果を表1にまとめた。
500時間の運転後、メッキ(処理部処理面)が58μm摩耗していたことから、耐摩耗性評価はCランクとなった。
900時間でメッキが150μm摩耗し、めっき厚さが残り50μmとなった。また、明確な剥離や亀裂が認められたことから、剥離/亀裂評価はDランク評価となった。
1000時間運転する以前に寿命を迎えた(交換時期を迎えた)ことから、寿命評価はDランクとした。
〔実施例2〜7〕
表1に示した基材材質、表面処理及び条件で処理部を製造した以外は、実施例1と同様にトナーの処理を行い、同様の基準で評価を実施した。評価結果を表1にまとめた。
Figure 2017026915
1…トナー処理装置
10…処理室
11…駆動軸
20…攪拌羽根
30…回転体
31…回転体本体
32…処理部
33…二回対称軸
34…衝突部位

Claims (4)

  1. トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理室と、
    前記処理室内で駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体とを備え、
    前記回転体は、
    回転体本体と、
    処理部と、
    を有し、
    前記処理部は、該処理部の外周面から径方向の外向きに突出し前記被処理物に衝突して前記被処理物を処理する衝突部位を有し、
    前記回転体本体と前記処理部とは分離可能であり、
    前記処理部は、
    前記駆動軸と直交する面で処理部を切断したと仮定したときの断面と、
    前記駆動軸を通り前記駆動軸に平行な面で処理部を切断したと仮定したときの断面とが、
    交わることによってできる線に対して二回対称であることを特徴するトナー処理装置。
  2. 前記処理部は、処理部基材と表面処理層とを有し、
    前記表面処理層は、ビッカース硬度が900以上1300以下である請求項1に記載のトナー処理装置。
  3. 前記処理部基材のビッカース硬度が200以上700以下である請求項2に記載のトナー処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー処理装置によってトナー及び外添剤を処理する工程を有することを特徴するトナー製造方法。
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