JP2017026396A - 布帛状センサおよびこれを含むデバイス - Google Patents

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俊介 兼松
Shunsuke Kanematsu
俊介 兼松
山本 智義
Tomoyoshi Yamamoto
智義 山本
小野 雄平
Yuhei Ono
雄平 小野
さと子 吉崎
Satoko Yoshizaki
さと子 吉崎
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Abstract

【課題】繊維材料を用いて、製造にかかる時間やコストを抑えつつ、より精度を高くすることが可能な布帛状センサを得る。【解決手段】第1の導電性布帛11−1と絶縁層12と第2の導電性布帛13とがこの順に積層され、押圧または変形を検出する布帛状センサであって、第1の導電性布帛および第2の導電性布帛の中の導電体が導電性物質からなる繊維、絶縁性繊維に導電性物質を被覆した繊維および絶縁性布帛に導電性物質を被覆した布帛の少なくとも一つを含む、布帛状センサ。【選択図】図1

Description

本発明は、布帛状センサおよびこれを含むデバイスに関する。
近年、いわゆるウェアラブルセンサが注目を浴びており、眼鏡型や腕時計といった形状の商品が世に出始めた。しかし、これらのデバイスは、装着しているという感覚があり、究極のウェアラブルである、布状、つまり衣類のような形状のものが望まれている。
そのような布状のセンサとしては、例えば、特許文献1〜3には静電容量方式のセンサが開示されている。そのセンサは絶縁膜で被覆された向かい合う導電性繊維を静電容量素子として、外力が加わることによる導電性繊維間の距離の変化、すなわち静電容量の変化により、センサに加わる力を検出する。特許文献4にはスイッチ方式のセンサが開示されている。そのセンサは、空隙を隔てて向かい合う導電性繊維をスイッチとして、外力が加わることによる導電性繊維の接触、すなわちスイッチのオンにより、センサに加わる力を検出する。特許文献5〜6には抵抗方式のセンサが開示されている。そのセンサは、空隙を隔てて向かい合う導電性繊維の間の中間層を抵抗体として、外力が加わることによる抵抗体の厚みの変化、すなわち抵抗の変化により、センサに加わる力を検出する。
これら特許文献1〜6のセンサでは、導電性の繊維として絶縁被覆された繊維を用いている。そのため、センサの検知器との接続を行うにはその絶縁被覆繊維の端部、すなわち布帛の端部にて絶縁被覆を除去する作業が必要である。加えて、例えば布帛の中央部にて検知器との接続を行うには布帛の中央部にて絶縁被覆を除去する必要がありその作業は容易ではない。このように絶縁被覆繊維を用いると、センサの製造に時間とコストがかかるおそれがある。また、上記センサでは、導電性の繊維として絶縁被覆されていない導電性高分子繊維を用いる場合もあり得るが、導電性高分子繊維の抵抗は一般に金属のような高い導電性を示す材料の抵抗と比較して高い。そのため、導電性高分子繊維はセンサの電気信号を布帛の端部まで伝達する電気配線として機能するが、導電性繊維の抵抗が高い、すなわち配線抵抗が高いため、導電性高分子繊維を伝達する電気信号が小さくなり、センサの検出の精度が低くなるおそれがある。製造にかかる時間やコストを抑えつつ、より精度を高くすることが可能な技術が望まれる。
特開2011−102457号公報 特開2011−86114号公報 特開2006−234716号公報 特表2003−529901号公報 特開平5−296709号公報 特表2003−500758号公報
本発明の目的は、繊維材料を用いて、製造にかかる時間やコストを抑えつつ、より精度を高くすることが可能な布帛状センサおよびこれを含むデバイスを提供することにある。
本発明者らは、繊維材料を用いた布帛状のセンサに対して、導電性の繊維や導電性の布帛として、絶縁性材料に被覆されず、導電性材料が表面に露出したものが製造を簡便にしつつ、より精度を高めることに有用であることを発見して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
1.第1の導電性布帛と絶縁層と第2の導電性布帛とがこの順に積層され、押圧または変形を検出する布帛状センサであって、前記第1の導電性布帛および前記第2の導電性布帛の中の導電体が導電性物質からなる繊維、絶縁性繊維に導電性物質を被覆した繊維および絶縁性布帛に導電性物質を被覆した布帛の少なくとも一つを含む、布帛状センサ。
2.前記第1の導電性布帛および前記第2の導電性布帛の中の導電体が金属線、炭素繊維、絶縁性繊維に金属を被覆した繊維および絶縁性布帛に金属を被覆した布帛の少なくとも一つを含む、上記1に記載の布帛状センサ。
3.該布帛状センサへの押圧または変形の強度の変化に伴い発生および解消する静電気によって生じる、前記第1の導電性布帛と前記第2の導電性布帛との間の電位差を検出することにより、該布帛状センサへの押圧を検出する、上記1に記載の布帛状センサ。
4.該布帛状センサへの押圧または変形の強度の変化に伴い発生する前記第1の導電性布帛と前記第2の導電性布帛との距離の変化によって生じる、前記第1の導電性布帛と前記第2の導電性布帛との間の静電容量の変化を検出することにより、該布帛状センサへの押圧を検出する、上記1に記載の布帛状センサ。
5.前記第1の導電性布帛または前記第2の導電性布帛に近接する圧電性繊維を更に含み、該布帛状センサへの押圧または変形の強度の変化に伴い前記近接する圧電性繊維の変形によって生じる、前記圧電性繊維の電荷を検出することにより、該布帛状センサの変形を検出する、上記1に記載の布帛状センサ。
6.前記第1の導電性布帛または前記第2の導電性布帛に、互いに絶縁されたライン状の導電性部位が少なくとも2本存在し、前記ライン状の導電性部位が互いに略平行に配置され、前記ライン状の導電性部位付近の押圧または変形を個々に信号として検出する、上記1に記載の布帛状センサ。
7.前記第1の導電性布帛または前記第2の導電性布帛に、互いに絶縁されたライン状の導電性部位が少なくとも3本存在し、前記ライン状の導電性部位が2点以上の交差点を有し、前記交差点付近の押圧または変形を個々に検出する、上記1に記載の布帛状センサ。
8.前記第1の導電性布帛または前記第2の導電性布帛に、互いに絶縁されたライン状の導電性部位が少なくとも4本存在し、前記ライン状の導電性部位が2組に分けられ、同じ組のライン状の導電性部位は略平行に配置され、異なる組のライン状の導電性部位は略直交に配置され、前記ライン状の導電性部位の交差点付近の押圧または変形を個々に検出する、上記1に記載の布帛状センサ。
9.前記布帛状センサの表面をカバーする絶縁性の布帛又はシートを更に備える、上記1に記載の布帛状センサ。
10.導電性繊維と圧電性繊維とが電気的接続を提供するように略同一平面上に配置されている圧電センサを更に備える、上記1に記載の布帛状センサ。
11.上記1乃至10のいずれか一項に記載の布帛状センサと、前記布帛状センサから出力される電気信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段で増幅された電気信号を検出する検出手段と、を備えるデバイス。
12.前記検出手段から出力された電気信号を外部機器へ送信する送信手段をさらに備える、上記11に記載のデバイス。
本発明によれば、繊維材料を用いて、製造にかかる時間やコストを抑えつつ、より精度を高くすることが可能な布帛状センサおよびこれを含むデバイスを得ることができる。また、本布帛状センサは柔軟性に富みフレキシブルであるため、ハンカチのような折り畳み可能なセンサや、衣類のような装着可能なセンサなど、布帛で実現できるあらゆる形状のセンサとすることができ、それを含むデバイスを実現することができる。
本発明の布帛状センサの構成例を示す部分断面図である。 本発明の布帛状センサの動作原理を説明する断面図であって、(A)は押圧されていない布帛状センサを示し、(B)は押圧されたときの布帛状センサを示す。 本発明の布帛状センサと電気配線との関係を示す模式図である。 本発明の布帛状センサの他の構成例を示す部分断面図である。 本発明の布帛状センサのさらに他の構成例を示す部分断面図である。 本発明の布帛状センサのさらに他の構成例を示す部分断面図である。 本発明の布帛状センサの具体例を示す分解斜視図である。 図8の布帛状センサを示す上面図である。 本発明の布帛状センサを用いたデバイスを例示するブロック図である。
本発明によれば、第1の導電性布帛と絶縁層と第2の導電性布帛とがこの順に積層され、押圧または変形を検出する布帛状センサであって、前記第1の導電性布帛および前記第2の導電性布帛の中の導電体が導電性物質からなる繊維、絶縁性繊維に導電性物質を被覆した繊維および絶縁性布帛に導電性物質を被覆した布帛の少なくとも一つを含む、布帛状センサが提供される。以下に具体的に説明する。
まず、布帛状センサとして、押圧や変形を静電荷の変化により検出する布帛状センサの例を説明する。図1は本発明の布帛状センサの構成例を示す部分断面図である。布帛状センサ1は、導電性布帛11−1と絶縁性布帛12−1と柔軟導電性材料13とを備える。導電性布帛11−1と絶縁性布帛12−1と柔軟導電性材料13とはこの順に積層される。また、導電性布帛11−1と絶縁性布帛12−1との間(層間)および絶縁性布帛12−1と柔軟導電性材料13との間(層間)の少なくとも一方には空隙が形成される。この図の例では、それら両層間にそれぞれ空隙22−1および23−1が形成される。
空隙22−1は、挟まれることにより空隙を確保するスペーサを適宜各層間に挿入することで形成される。スペーサとしては、布帛や繊維やテープなどが挙げられる。例えば、空隙22−1を形成するためには、導電性布帛11−1と絶縁性布帛12−1との層間の所定の位置に両面テープを挿入する。この場合、両面テープはスペーサとして機能すると共に、導電性布帛11−1と絶縁性布帛12−1とを接着する機能も有する。
導電性布帛11−1は導電性の材料で形成された布帛であり、この図の例では略XY平面に沿って拡がっている。絶縁性布帛12−1は絶縁性の材料で形成された布帛であり、この図の例では略XY平面に沿って拡がっている。柔軟導電性材料13は導電性の材料で形成された繊維であり、この図の例ではY軸方向に沿って延在している。柔軟導電性材料13は、薄い他の材料内に埋め込まれていてもよく、この図の例では略XY平面に沿って拡がる絶縁性布帛14内に埋め込まれている。したがって、柔軟導電性材料13と絶縁性布帛14とを合わせると一種の導電性布帛ということができる。なお、柔軟導電性材料13は導電性布帛11−1のような略XY平面に沿って拡がる導電性の布帛であってもよい。ただし布帛とは、多くの繊維を薄く広く板状に形成したものであり、織物、編物、不織布、フエルト、紙に例示される。
さらに、布帛状センサ1は、この図の例に示すように、導電性布帛11−2と絶縁性布帛12−2とを備えている。導電性布帛11−1と絶縁性布帛12−1と柔軟導電性材料13と絶縁性布帛12−2と導電性布帛11−2とはこの順に積層される。導電性布帛11−2および絶縁性布帛12−2はそれぞれ導電性布帛11−1および絶縁性布帛12−1と同様の形状および材料で形成される。この図の例では、導電性布帛11−1と導電性布帛11−2とは短絡されている。
以下では、導電性布帛11−1と導電性布帛11−2とを区別する必要がないときには導電性布帛11と記し、絶縁性布帛12−1と絶縁性布帛12−2とを区別する必要がないときには絶縁性布帛12と記すものとする。また、ハイフン付きで示される他の符号についても同様に区別する必要がないときにはハイフンなしの符号で記すものとする。
ここで、布帛状センサ1は、絶縁層(誘電層)である絶縁性布帛12の両側に電極である導電性布帛11および柔軟導電性材料13を配置した素子と見ることができる。すなわち、布帛状センサ1は、導電性布帛11と絶縁性布帛12と柔軟導電性材料13とで構成される一組の素子10を含んでいる。したがって、この図の例では、X軸方向に複数の素子10が配置されるとともに、Z軸方向に二つの素子10が配置されている。
次に、布帛状センサ1の動作原理について説明する。図2は、本発明の布帛状センサの動作原理を説明する断面図であって、(A)は押圧されていない布帛状センサを示し、(B)は押圧時の布帛状センサを示す。この図の例では、図1における素子10の1個分が示されている。上述されたように、布帛状センサ1は導電性布帛11と絶縁性布帛12と柔軟導電性材料13とが積層されることで構成される。柔軟導電性材料13は、例えば平織物である絶縁性布帛14内に織り込まれる。また、導電性布帛11および柔軟導電性材料13からはそれぞれ電気配線31が引き出されて導電性布帛11と柔軟導電性材料13とが検出器30を介して電気的に接続される。検出器30は、電気配線31を介して導電性布帛11と柔軟導電性材料13との間を流れる電流(電気信号)を検出するためのものである。また、この図の例では、導電性布帛11と絶縁性布帛12との間に空隙22を有するように導電性布帛11および絶縁性布帛12の各周縁部が両面テープ21−1によって貼着される。一方、絶縁性布帛12と絶縁性布帛14とは両面テープ21−2によって貼着される。すなわち、導電性布帛11と絶縁性布帛12との層間および絶縁性布帛12と柔軟導電性材料13との層間のうちの一方である導電性布帛11と絶縁性布帛12との層間は、空隙22を有して接触および開放が可能である。
図2(A)に示すように布帛状センサ1が押圧されていない状態において、絶縁性布帛12に例えば負電荷(−)が帯電していると、静電誘導により、導電性布帛11および柔軟導電性材料13には当該負電荷と等量の正電荷(+)が帯電する。
ここで、負電荷(−)は、布帛状センサ1のわずかな動きや振動に伴い絶縁性布帛12で起こる静電気現象により生成される静電荷である。静電気現象を起こしやすい、すなわち静電荷が生成されやすい絶縁性布帛12を用いると、電圧を印加しなくても絶縁性布帛12を帯電させることができる。
図2(A)の状態から図2(B)に示すように布帛状センサ1が圧力Pで押圧されて導電性布帛11と絶縁性布帛12とが接触した短絡状態になると、導電性布帛11に存在していた正電荷と絶縁性布帛12に存在していた負電荷とが中和される。これにより、柔軟導電性材料13にのみ正電荷が存在する状態となるので、柔軟導電性材料13に存在していた正電荷が柔軟導電性材料13から流れ出し、電気配線31を介して導電性布帛11へ流れ込む。このとき柔軟導電性材料13から電気配線31を介して導電性布帛11へ流れる正電荷は、検出器30によって電流(電気信号)として検出される。あるいは、正電荷の移動に伴う電圧変化が電気信号として検出されてもよい。
またさらに、図2(B)の状態から押圧が解除されて導電性布帛11と絶縁性布帛12との短絡がなくなると、押圧の解除に伴う絶縁性布帛12のわずかな動きや振動に伴い、絶縁性布帛12に負電荷(静電荷)が帯電しかつ導電性布帛11および柔軟導電性材料13に当該負電荷と等量の正電荷が帯電する図2(A)の状態に戻るよう、導電性布帛11から正電荷が流れ出して電気配線31を介して柔軟導電性材料13へ流れ込む。このとき導電性布帛11から電気配線31を介して柔軟導電性材料13へ流れる正電荷は、検出器30によって電流(電気信号)として検出される。あるいは、正電荷の移動に伴う電圧変化が電気信号として検出されてもよい。
以上説明したように、布帛状センサ1に対する押圧の有無により導電性布帛11と絶縁性布帛12との接触状態が変わるが、導電性布帛11と絶縁性布帛12との接触直後および接触解除直後に、導電性布帛11と柔軟導電性材料13との間の電気配線31に電流(電気信号)が流れる。この電流の向き(または電圧の正負)、すなわち電気信号の正負は、上述したように導電性布帛11と絶縁性布帛12との接触直後(すなわち布帛状センサ1を押圧した直後)と接触解除直後(すなわち布帛状センサ1への押圧を解除した直後)とで逆向きになる。
なお、絶縁性布帛12の素材は種々のものが考えられるが、その素材如何によって絶縁性布帛12に帯電される電荷の量および電荷の符号が変わることから、導電性布帛11と絶縁性布帛12との接触直後および接触解除直後に流れる電流の大きさおよび向き(または電圧の大きさおよび正負)も変わる。したがって、本発明によれば、絶縁性布帛12の素材を適宜選択し、導電性布帛11と柔軟導電性材料13との間を結ぶ電気配線31上に検出器30を設けることで、適用する用途等に応じた布帛状センサ1を構成することができる。
上記の布帛状センサ1では、検出器30は、電流(または電圧)を検出可能であればよく、高周波回路を用いる必要が無い。そのため、微少な電源で動作させることができる。また、絶縁性布帛12での帯電は、布帛状センサ1のわずかな動きや振動に伴って起きるので、導電性布帛11と柔軟導電性材料13との間に予め電圧を印加しておく必要が無い。そのため、布帛状センサ1を動作させるための電源は実質的に不要である。このように、本発明の布帛状センサ1では、高周波回路を不要とし、電源回路を小さくすることができる。
また、図1に示す布帛状センサ1では、素子10がZ方向に二つ重なっており、それら二つの素子10は並列接続されている。そのため、素子10が一つの場合と比較して、押圧に伴い出力される電荷の量、すなわち電気信号の強度が概ね二倍程度となるため、感度やS/N比を向上させることができる。
導電性布帛11としては、必要な導電性を有する面状の導電性材料であって、少なくとも表面に導電性物質が露出していれば特に制限はないが、例えば金属繊維や炭素繊維や導電性高分子繊維を入れた織編物、金属被覆導線を入れた織編物、導電メッキ糸を入れた織編物、導電糸を鞘糸としたシングルまたはダブルカバード糸を入れた多重織編物、金属を表面めっきした絶縁織編物などが挙げられる。ただし、導電性布帛11の全部の領域が導電性を有していてもよいし、一部の領域(例示:柔軟導電性材料13の近傍の領域)が導電性を有していてもよい。導電性布帛11の面状の導電性材料では、シート抵抗は、10Ω/□以下であればよく、好ましくは10Ω/□以下であり、より好ましくは10Ω/□以下である。導電性布帛11を形成する線状の導電性材料では、体積抵抗率は、10−2Ω・cm以下であればよく、好ましくは10−3Ω・cm以下であり、より好ましくは10−4Ω・cm以下である。
柔軟導電性材料13としては、糸または繊維などを用いる場合、必要な導電性を有する線状の導電性材料であって、少なくとも表面に導電性物質が露出してれば特に制限はないが、例えば金属繊維、炭素繊維、導電性高分子繊維、金属被覆導線、導電メッキ糸、導電糸を鞘糸としたシングルまたはダブルカバード糸などが挙げられる。ただし、柔軟導電性材料13の線状の導電性材料では、体積抵抗率は、10−2Ω・cm以下であればよく、好ましくは10−3Ω・cm以下であり、より好ましくは10−4Ω・cm以下である。柔軟導電性材料13に線状の導電性材料を用いる場合は、織物を構成する緯糸あるいは経糸として織りこむか、編物の編地を構成する糸として編みこむことが好ましい。また、柔軟導電性材料13として布帛を用いる場合には、導電性布帛11の場合と同様である。
導電性布帛11および柔軟導電性材料13として導電性繊維を用いる場合、柔軟性及び導通の安定性の観点から繊維はマルチフィラメントが好ましい。また、洗濯耐性の観点から金属線または絶縁性繊維に金属メッキした繊維が好ましい。
上記導電性布帛11および柔軟導電性材料13において、良好な導電性と布帛としての柔軟性との両方を達成する観点から、繊維であれば金属線、炭素繊維、絶縁性繊維に金属を被覆した繊維が好ましく用いられ、金属線および絶縁性繊維に金属を被覆した繊維がとりわけ好ましく用いられ、布帛であれば金属線、炭素繊維、絶縁性繊維に金属を被覆した繊維のいずれかを用いた布帛、および絶縁性布帛に金属を被覆した布帛が好ましく用いられ、金属線、絶縁性繊維に金属を被覆した繊維のいずれかを用いた織編物、および絶縁性布帛に金属を被覆した布帛がとりわけ好ましく用いられる。導電性高分子を延伸した繊維や、導電性高分子を絶縁性繊維に被覆した繊維や、金属粉、炭素粉、あるいは導電性高分子を絶縁性高分子中に分散させた繊維、及びこれらを用いた布帛は、材料全体としての導電性と柔軟性と、後述する表面の導電性とを全て満足することが困難であり、好ましくない。さらに、前記好ましい例として挙げた金属を導電性材料として含有する繊維および布帛は、繊維および布帛としての柔軟性を損なわない観点から、金属をめっきした材料の場合めっきの厚みは薄い方が好ましく、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。金属線を用いた材料の場合の金属線の単線の直径は小さい方が好ましく、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。用いられる金属としては、十分な導電性と展延性を有する金属であれば特に限定されないが、銀、銅、金、ニッケル、スズ、アルミニウムおよびこれらを含む合金が好ましい。
上記各材料において、導電性布帛11および柔軟導電性材料13中の導電性材料には、導電性物質が表面に露出したものが用いられている。導電性物質が表面に露出せず、絶縁性物質が表面にあると、導電性物質と絶縁性布帛の接触が妨げられて電荷の中和が阻害されることに加え、絶縁性布帛と導電性物質との距離が大きくなる結果、導電性布帛11および柔軟導電性材料13に誘導される静電荷の量が乏しくなり、信号強度が低下するおそれがある、すなわち精度が低下するおそれがあるためである。
また、上記のように導電性布帛11や柔軟導電性材料13中の導電性材料として導電性物質が表面に露出したものが用いられているので、検知器30との接続を行うとき、導電性布帛11や柔軟導電性材料13の端部を直接電気配線31に接続することができる。すなわち、絶縁被覆を除去する作業が発生せず、製造を簡便にすることができる。また、例えば導電性布帛11や柔軟導電性材料13の中央部にて検知器30との接続を行う場合でも、導電性物質が表面に露出しているので、導電性布帛11や柔軟導電性材料13の中央部にて容易に直接電気配線31に接続することができる。
また、上記のように導電性布帛11や柔軟導電性材料13中の導電性材料として導電性物質が表面に露出し、かつ、高い導電率の材料を用いているので、布帛状センサ1中の配線抵抗が低い。そのため、導電性布帛11や柔軟導電性材料13中を伝達する電気信号が小さくなることがなく、布帛状センサ1の検出の精度が低くなるおそれがない。
以上のことから、上記の布帛状センサ1は、繊維材料を用いて、製造にかかる時間やコストを抑えつつ、より精度を高くすることが可能な布帛状センサということができる。
絶縁性布帛12としては、必要な絶縁性を有する面状の絶縁性材料であれば特に制限はないが、静電気現象による静電荷を発生し易い材料が好ましく、例えば主成分として、塩化ビニル、アクリル、ポリエステルのような(−)に帯電するもの、または、ウール、ナイロン、レーヨンのような(+)に帯電するもの、を含む材料が挙げられる。ここで主成分とは、構成成分の50重量%以上の成分を指す。特に帯電性の高い材料を用いることが好ましい。絶縁性布帛12では、シート抵抗は、10Ω/□以上であればよく、好ましくは10Ω/□以上であり、より好ましくは1010Ω/□以上である。
絶縁性布帛12は導電性布帛11および柔軟導電性材料13への固定のため、接着層を備えたものも好適に用いることができる。即ち、基材を絶縁性の織編物、不織布あるいは紙とし、接着剤、熱圧着材や粘着剤が片面あるいは両面に配置された布帛や、基材そのものが接着性、熱圧着性や粘着性を備えた布帛も好適に用いることができる。好ましい例として、不織布を基材とした粘着テープや、不織布を基材とした熱圧着テープを挙げることができる。ただし本発明の目的を達成するため、両面に接着剤、熱圧着材や粘着剤を配置する場合は、貼合される導電性布帛11および柔軟導電性材料13と基材との間の空隙が失われないよう、接着剤、熱圧着材や粘着剤を疎に配置する必要がある。
次に、電磁波シールドについて説明する。図3は本発明の布帛状センサと電気配線との関係を模式図である。布帛状センサ1は、さらに電磁波シールド機能を有している。電磁波シールド機能とは、押圧や変形を検出するための導電性材料が配置された領域の近傍に、その領域より広い導電性布帛がある場合、その導電性布帛が接地されることで導電性材料を電磁波から保護する、という機能である。その導電性布帛は、導電性材料を挟むように二層配置されることが好ましく、これら二層の導電性布帛は短絡されることが好ましい。
この図に示す例では、押圧や変形を検出するための柔軟導電性材料13が配置された領域の近傍に、その領域より広い導電性布帛11−1および11−2があるため、導電性布帛11−1および11−2を接地することで柔軟導電性材料13を電磁波から保護することができる。すなわち、導電性布帛11−1および11−2は、センサ(素子10)の電極としての機能に加えて、電磁波シールド機能を有することができる。ここで、導電性布帛11は、柔軟導電性材料13を挟むように二層配置され、これらの二層は短絡されている。
このように、この図に示す例では、導電性布帛11−1および11−2が、センサの構成部材としてだけでなく、電磁波シールドの構成部材としても利用されているため、布帛状センサ1の構成部材を全体として少なくすることができる。それにより、布帛状センサ1の製造の容易化やコストの削減などを実現できる。
ここで、電磁波シールドの効果を高める観点から、柔軟導電性材料13は、導電性布帛11−1および11−2のなす面への正射影が、導電性布帛11−1および11−2のなす面の内側に存在し、はみ出していないことが好ましい。このとき、導電性布帛11−1の導電性を有する領域、すなわち導電部の面積をS1、柔軟導電性材料の面積をSC、導電性布帛11−2の導電部の面積をS2とすると、S1≧SC、S2≧SCとすることが好ましい。ここで面積とは、布帛がなす平面に平行な面に投影したときの面積を指す。導電性布帛11の導電部は、幅10mm程度の隙間を多数有していても電磁波シールドの効果を有するため、電磁波シールドの観点からは幅10mm以下の隙間を含めて導電部の面積とみなす。導電性布帛11−1および導電性布帛11−2の導電部は、検出器30のグランドに接続することで接地してもよい。
電磁波シールドの効果を高める観点からは、導電性布帛11−1および11−2と柔軟導電性材料13との距離は5mm以下が好ましい。言い換えれば、導電性布帛11−1と導電性布帛11−2との距離は10mm以下が好ましい。
電磁波シールドの効果を高める観点からは、導電性布帛11−1および11−2は導電性布帛の全部の領域が導電性であることが好ましい。導電性布帛11−1および11−2としては例えば、全部の領域域に導電性の糸(例示:導電メッキ糸や絶縁被覆導線)を用いた布帛や、金属のような導電性材料を全面に被覆した布帛が挙げられる。
ここで、柔軟導電性材料13の端部から検出器30の端子までを接続する電気配線31のうち、導電性布帛11−1、11−2、およびこれらに短絡された導電性材料によって電磁波シールドされていない部分の長さLは2cm以下であることが好ましく、1cm以下がより好ましく、0.5cm以下がさらに好ましく、0cmすなわち検出器30の端子まで電磁波シールドされていることがさらにより好ましく、さらに加えて検出器30も電磁波シールドされていることが最も好ましい。それにより、柔軟導電性材料13から出力される素子10での静電荷の変化を、外部からのノイズの影響をほとんど受けずに検出器30に入力することができる。ただし、プリアンプ(前置増幅回路)やアンプ(増幅回路)のような別の電子回路が、検出器30に含まれているか、検出器30よりも柔軟導電性材料13に近い側に存在する場合には、上記説明において、検出器30がプリアンプ(前置増幅回路)やアンプ(増幅回路)のような別の電子回路に置き換えられる。
このように布帛状センサ1は導電性布帛11−1および11−2による電磁波シールド機能を有しているので、人体近接や電磁波などのノイズに強く、布帛状センサ1に押圧や変形により加わる物理的な圧力のみを敏感に検出することが可能となる。
さらに布帛状センサ1は、外側に保護用の絶縁性布帛をさらに備えていてもよい。図4は本発明の布帛状センサ1の他の構成例を示す部分断面図である。この図に示すように、布帛状センサ1は、導電性布帛11−1および11−2の外側に、導電性布帛11−1および11−2をそれぞれ覆う絶縁性布帛17−1および17−2をさらに備えている。外側の絶縁性布帛17は、布帛状センサ1の表面を保護し、帯電した物質(人体など)と導電性布帛11との直接的接触によるノイズの発生を防止する。ただし、その場合、導電性布帛11と絶縁性布帛17との接触および開放により静電荷が発生してノイズを生じさせないように、以下のような構成とすることが好ましい。すなわち、内部の絶縁性布帛12とカバーする絶縁性布帛17とは同種の素材を用いる。そして、導電性布帛11と絶縁性布帛12との層間を空隙なく固定する場合には導電性布帛11とカバーする絶縁性布帛17との層間も空隙なく固定し、導電性布帛11と絶縁性布帛12との層間に空隙有りで固定する場合には導電性布帛11とカバーする絶縁性布帛17との層間も空隙有りにする。この図の例では後者の例を示している。
また、布帛状センサ1は、図4に示す布帛状センサ1の絶縁性布帛17−1および17−2の外側に、それぞれ絶縁性布帛17−1および17−2を覆い接地された導電性布帛をさらに備えていてもよい(図示せず)。それら絶縁性布帛17−1および17−2を覆う導電性布帛は電磁波シールドとして機能する。その場合、導電性布帛11−1および11−2を接地しなくてもよく、すなわち電磁波シールドとして利用しなくてもよい。このように、電磁波シールド用の導電性布帛と、センサ用の導電性布帛を分離することで、それぞれの機能をより向上させることができる。
あるいは布帛状センサ1は、圧電素子をさらに備えていてもよい。図5は本発明の布帛状センサのさらに他の構成例を示す部分断面図である。この図に示すように、布帛状センサ1は、導電性布帛11−2の外側に、絶縁性布帛17−3、圧電性布帛40、絶縁性布帛17−4および導電性布帛11−pをさらに備えている。
圧電性布帛40は、例えば経糸(X軸方向)に絶縁性繊維を配し、緯糸(Y軸方向)に柔軟導電性材料41と圧電性繊維42と柔軟導電性材料43とをこの順に配した圧電素子10aを含む平織物である。圧電素子10a同士は例えば緯糸の絶縁性繊維(図示せず)で隔てられている。圧電性繊維42はポリ乳酸に例示される圧電性の材料で形成された繊維である。絶縁性布帛17−3および17−4は絶縁性の材料で形成された布帛であり、静電気現象によるノイズの発生、すなわち静電荷の発生を防ぐため、静電気現象が起き難い綿、アセテート、キュプラ、紙、紙布、パルプ不織布が好ましい。導電性布帛11−pは例えば導電性布帛11と同じである。
圧電素子10aは、布帛状センサ1の変形に伴って圧電性繊維42に発生する電荷を柔軟導電性材料41および43で捕捉して、電気配線を介して検出器30に出力する。それにより検出器30は布帛状センサ1の押圧や変形を検出することができる。
また、布帛状センサ1として圧電素子10aが単独で用いられてもよく、すなわち布帛状センサ1は圧電効果により押圧や変形を検出するセンサであってもよい。具体的には、図5に示す例において、素子10の部分、すなわち導電性布帛11−1、絶縁性布帛12−1、柔軟導電性材料13および絶縁性布帛12−2を取り除いてもよい。その場合、布帛状センサ1は、導電性布帛11−2、絶縁性布帛17−3、圧電性布帛40、絶縁性布帛17−4および導電性布帛11−pで構成される。そのとき、導電性布帛11−2および11−pを接地することにより、それらを布帛状センサ1(圧電素子10a)の電磁波シールドとして機能させることができる。
次に、布帛状センサ1として、押圧や変形を静電容量の変化により検出する布帛状センサの例を説明する。図6は本発明の布帛状センサのさらに他の構成例を示す部分断面図である。布帛状センサ1は、導電性布帛(第1の導電性布帛)11−1と絶縁性布帛(第1の絶縁性布帛)12−1と柔軟導電性材料13−1と絶縁性布帛12−3と柔軟導電性材料13−2と絶縁性布帛(第2の絶縁性布帛)12−2と導電性布帛(第2の導電性布帛)11−2とがこの順に積層される。また、絶縁性布帛12−3と柔軟導電性材料13−1および13−2との間(層間)に空隙が形成されてもよい。この図の例では、それら両層間にそれぞれ空隙23−1および23−2が形成される。
柔軟導電性材料13−1は導電性の材料で形成された複数の繊維であり、この図の例では互いに隣接する10本の柔軟導電性材料がY軸方向に沿って延在している。柔軟導電性材料13−1は、薄い他の材料内に埋め込まれていてもよく、この図の例では略XY平面に沿って拡がる絶縁性布帛14−1内に埋め込まれている。また、柔軟導電性材料13−2は導電性の材料で形成された複数の繊維であり、この図の例では互いに隣接する10本の柔軟導電性材料がX軸方向に沿って延在している。柔軟導電性材料13−2は、薄い他の材料内に埋め込まれていてもよく、この図の例では略XY平面に沿って拡がる絶縁性布帛14−2内に埋め込まれている。なお、柔軟導電性材料13は導電性布帛11のような略XY平面に沿って拡がる導電性の布帛であってもよい。
ここで、布帛状センサ1は、絶縁層(誘電層)である絶縁性布帛12−3の両側に電極である柔軟導電性材料13−1および13−2を配置した静電素子10bと見ることができる。すなわち、布帛状センサ1は、柔軟導電性材料13−1と絶縁性布帛12−3と柔軟導電性材料13−2とで一組の静電素子10bを含んでいると見ることができる。
図6に示される布帛状センサ1では、押圧または変形により静電素子10bにおける柔軟導電性材料13−1と柔軟導電性材料13−2との距離D、すなわち電極間の距離Dが変化することに伴い静電容量が変化することを利用する。例えば押圧が印加されて距離Dが小さくなると静電容量が大きくなり、押圧が無くなり距離Dが大きくなると静電容量が小さくなる。したがって、その静電容量の変化を検出することで、押圧又は変形およびその大きさを検出することができる。その場合、検出器30はLCRメーターのような静電容量を検出可能な電子回路または機器である。
検出される静電容量は電極間の距離Dに反比例することから、絶縁性布帛12−3と柔軟導電性材料13−1および13−2との間(層間)に空隙を形成してDの変化量を大きくする事が好ましい。また、絶縁性布帛12−3に押圧による圧縮率の大きい不織布や編物を使用することも好ましい。ただし、静電容量の絶対値を大きくして検出しやすくする観点から、押圧前のDの値は1mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。また、押圧後のDの値は0.8mm以下となることが好ましく、0.4mm以下となることが好ましく、0.18mm以下となることがさらに好ましい。
なお、例えば絶縁性布帛12−1および柔軟導電性材料13−1(絶縁性被覆14−1を含む)を無くし、柔軟導電性材料13−1による静電素子10bの電極としての機能を導電性布帛11−1に兼用させてもよい。同様に、絶縁性布帛12−2および柔軟導電性材料13−2(絶縁性被覆14−2を含む)を無くし、柔軟導電性材料13−2による静電素子10bの電極としての機能を導電性布帛11−2に兼用させてもよい。
このとき、この図に示す例では、導電性布帛11−1および11−2を接地することで電磁波シールドとして機能させることができ、柔軟導電性材料13−1と柔軟導電性材料13−2を人体近接や電磁波のノイズから保護することができる。
次に、本発明の布帛状センサ1の具体例について説明する。ここでは、図1〜図4に示されるような静電荷の変化により押圧や変形を検出する布帛状センサ1を例として説明する。図7は本発明の布帛状センサの具体例を示す分解斜視図であり、図8は図7の布帛状センサを示す上面図である。ここでは、二次元平面上の押圧位置を検出することができる布帛状センサ1の具体例について説明する。
図7および図8に示すように、XY平面上の押圧位置を検出するためには、柔軟導電性材料13をX軸方向に少なくとも二列、Y軸方向に少なくとも二列設ける必要がある。したがって、柔軟導電性材料13が織り込まれる平織物である絶縁性布帛14は、X軸方向検出用とY軸方向検出用の二層分設けられる。よって、布帛状センサ1は、導電性布帛11−1と、絶縁性布帛12−1と、絶縁性布帛14−1と、絶縁性布帛12−2と、絶縁性布帛14−2と、絶縁性布帛12−3と、導電性布帛11−2とがZ軸方向に積層されることで構成される。導電性布帛11−1と導電性布帛11−2とは短絡される。なお、図6および図7においては、各層間を貼着する両面テープについては図示を省略している。
Y軸方向の押圧位置を検出するために、絶縁性布帛14−1の平織物内には、柔軟導電性材料13−a1および柔軟導電性材料13−a2が平行となるようにY軸方向に沿って織り込まれる。また、X軸方向の押圧位置を検出するために、絶縁性布帛14−2の平織物内には、柔軟導電性材料13−b1および柔軟導電性材料13−b2が平行となるようにX軸方向に沿って織り込まれる。なお、絶縁性布帛14−1と絶縁性布帛14−2とは積層位置を入れ替えてもよい。
各柔軟導電性材料13−a1、13−a2、13−b1および13−b2と、導電性布帛11−1および11−2との間は、電気配線によって電気的に接続される。導電性布帛11と絶縁性布帛12との接触直後(すなわち布帛状センサ1を押圧した直後)と接触解除直後(すなわち布帛状センサ1への押圧を解除した直後)に、当該押圧もしくは当該押圧解除に係る導電性布帛11と柔軟導電性材料13との間の電気配線に、正電荷が流れることになる。導電性布帛11と柔軟導電性材料13との間の電気配線上に流れる正電荷は微弱な電気信号であるので、この図の例では、その電気信号を増幅するために、各柔軟導電性材料13−a1、13−a2、13−b1および13−b2には、プリアンプ25−a1、25−a2、25−b1および25−b2がそれぞれ接続される。また、各プリアンプ25−a1、25−a2、25−b1および25−b2によって増幅された各信号は、アンプ26によってさらに増幅された後、電気信号を検出する検出部27に入力される。
なお、検出部27が電気信号を検出可能であれば、プリアンプ25−a1、25−a2、25−b1および25−b2やアンプ26のいずれか一方または両方はなくてもよい。この図の例では、プリアンプ25−a1、25−a2、25−b1および25−b2、アンプ26および検出部27は、布帛状センサ1から出力される電気信号を検出する検出器30と見ることができる。
既に説明したように、導電性布帛11と絶縁性布帛12との接触直後(すなわち布帛状センサ1を押圧した直後)と接触解除直後(すなわち布帛状センサ1への押圧を解除した直後)に、当該押圧もしくは当該押圧解除に係る導電性布帛11と柔軟導電性材料13との間の電気配線に、微弱な電気信号(正電荷)が流れる。この微弱な電気信号はプリアンプ25−a1、25−a2、25−b1もしくは25−b2によって増幅されて出力されるが、プリアンプ25−a1、25−a2、25−b1もしくは25−b2のうちどのプリアンプから増幅信号が出力されたかを、検出部27が検出することによって、当該押圧もしくは当該押圧解除の位置を特定することができる。具体例を挙げると次の通りである。
例えば、検出部27が、プリアンプ25−a1およびプリアンプ25−b1からの増幅信号を検出した場合は、柔軟導電性材料13−a1および柔軟導電性材料13−b1からの正電荷が出力されたことを意味するので、柔軟導電性材料13−a1および柔軟導電性材料13−b1との交点である領域A1B1が押圧もしくは押圧解除されたとことがわかる。
また例えば、検出部27が、プリアンプ25−a1およびプリアンプ25−b2からの増幅信号を検出した場合は、柔軟導電性材料13−a1および柔軟導電性材料13−b2からの正電荷が出力されたことを意味するので、柔軟導電性材料13−a1および柔軟導電性材料13−b2との交点である領域A1B2が押圧もしくは押圧解除されたとことがわかる。
また例えば、検出部27が、プリアンプ25−a2およびプリアンプ25−b1からの増幅信号を検出した場合は、柔軟導電性材料13−a2および柔軟導電性材料13−b1からの正電荷が出力されたことを意味するので、柔軟導電性材料13−a2および柔軟導電性材料13−b1との交点である領域A2B1が押圧もしくは押圧解除されたとことがわかる。
また例えば、検出部27が、プリアンプ25−a2およびプリアンプ25−b2からの増幅信号を検出した場合は、柔軟導電性材料13−a2および柔軟導電性材料13−b2からの正電荷が出力されたことを意味するので、柔軟導電性材料13−a2および柔軟導電性材料13−b2との交点である領域A2B2が押圧もしくは押圧解除されたとことがわかる。
いずれの場合についても、検出部27が検出した増幅信号が押圧により発生したものなのか押圧解除により発生したものなのかは、増幅信号の正負の符号から判別することができる。
なお、上述の具体例では、二次元平面上の押圧位置を検出するXY両方に2列ずつ柔軟導電性材料13を設けた場合について説明したが、柔軟導電性材料13をより多く設ければ、より広範囲かつ高精度に二次元平面上の押圧位置を検出することができる。
また、上述の具体例では、柔軟導電性材料13−a1、13−a2、13−b1、および13−b2からなる4個のセンサ素子が、電磁波シールド機能を有する導電性布帛11−1および11−2を共有する構成を挙げている。しかし、それぞれのセンサ素子が必要な電磁波シールド機能を有する最小限の導電性布帛を個別に備える構成としてもよい。ただし、センサ素子が近接しかつ多数配置される場合は、構成の簡単さから上述の具体例のように電磁波シールド機能を有する導電性布帛を共有する構成が好ましい。
本発明による布帛状センサによって出力された電気信号は様々な用途に利用可能である。図9は、本発明の布帛状センサを用いたデバイスを例示するブロック図である。
例えば、本発明の布帛状センサ1と、布帛状センサ1から出力される電気信号を増幅するアンプ26と、アンプ26で増幅された電気信号を検出する検出部27と、検出部27から出力された電気信号を外部機器(図示せず)へ送信する送信部28とからなるデバイス101を構成すれば、布帛状センサ1の表面への接触、圧力、形状変化により出力された電気信号を容易に取り出すことができるので、様々な用途に適用可能である。なお、送信部28による送信方式を無線によるもの有線によるものにするかは、適用される装置に応じて適宜決定すればよい。この場合、図7および図8に示すプリアンプ25−a1、25−a2、25−b1および25−b2は、図9に示すデバイス101においてアンプ26に含まれてもよいし、布帛状センサ1に含まれてもよい。
また、図7および図8に示す布帛状センサ1および検出器30の構成、すなわち図9において送信部28を省略した構成についても、図9の場合と同様に本発明の布帛状センサを用いたデバイス101と見ることができる。
このようなデバイス101の具体例としては、帽子や手袋、靴下などを含む着衣、サポーター、ハンカチ状などの形状をした、タッチパネル、人や動物の表面感圧センサ、関節部の曲げ、捩じり、伸縮を感知するセンサが挙げられる。例えば人に用いる場合には、接触や動きを検出し、医療用途などの関節などの動きの情報収集、アミューズメント用途、失われた組織やロボットを動かすためのインターフェースとして用いることができる。他には、動物や人型を模したぬいぐるみやロボットの表面感圧センサ、関節部の曲げ、捩じり、伸縮を感知するセンサとして用いることができる。他には、シーツや枕などの寝具、靴底、手袋、椅子、敷物、袋、旗などの表面感圧センサや形状変化センサとして用いることができる。さらには、本発明のセンサは布帛状であるため、伸縮性と柔軟性があるので、あらゆる構造物の全体あるいは一部の表面に貼付あるいは被覆することにより表面感圧センサ、形状変化センサとして用いることができる。
本発明の布帛状センサ1に用いる導電性布帛は、導電性を担保する布帛あるいは繊維の表面が十分な導電性を有することを特徴とする。この特徴により、絶縁層と積層することでセンサ機能を簡便に付与することができ、必要に応じて積層する絶縁層の性状を変えることで容易にセンサ機能の調整を行うことができる利点がある。導電性布帛と絶縁層との積層の方法は特に限定されず、必要な強度に応じ、縫合、粘着、接着、熱圧着など従来公知の方法で実施することができる。導電性布帛と絶縁層との間は接着剤やホットプレス等によって接着され分割できない状態にされていても、別の層とみなすことができる。
本発明の布帛状センサ1製造の工程の一つに、導電性を担保する布帛あるいは繊維を増幅や電圧測定のための回路に接続する工程がある。本発明の布帛状センサ1では導電性を担保する布帛あるいは繊維の表面が十分な導電性を有するため、特開平5−296709および特開2011−86114に例示されているように絶縁被覆導電性繊維表面の絶縁被覆を除去する手間が不要であり、前述した回路に接続するための導線あるいは端子に容易に接続できる利点がある。
導電性繊維あるいは導電性布帛と、回路に接続するための導線あるいは端子とを接続する方法としては、導電性繊維あるいは導電性布帛と導線あるいは端子とを直接接続する方法と、導線あるいは端子と導電性繊維あるいは導電性布帛との間に導電性材料を配して間接接続する方法がある。
直接接続する1つ目の方法として、導線や端子と導電性繊維とを直接結ぶ方法が挙げられる。この場合、導線や端子はループ状あるいはフック状の形状とし、導電性繊維が外れにくくすることが好ましい。
直接接続する2つ目の方法として、導線や端子を導電性繊維を含む布帛あるいは導電性布帛に縫い付ける方法が挙げられる。この場合、縫い付けに用いる糸は特に限定されないが、導電性の向上のため導電性繊維を用いて縫い付けることが好ましく、別の導電性布帛片で覆って一緒に縫い付けることも好ましい。
直接接続する3つ目の方法として、導電性表面を有する端子部品で導電性繊維を含む布帛あるいは導電性布帛を挟みこむ方法が挙げられる。この場合、布帛を挟む端子部品は少なくともに布帛を挟んだ片方に部分的に導電性表面を有していればよく、この導電性表面と導電性繊維あるいは導電性布帛とが接するよう挟みこむ必要がある。この端子部品を布帛端部に固定する場合、クリップ状に構成された1つの端子部品とすることが、作業の容易性の点から好ましい。また、この端子部品を布帛端部以外の部分に固定する場合、端子部品は2個に分割されて布帛を挟んだ後に固定する必要があるが、布帛を貫通するネジやピンによって固定することが好ましく、ネジやピンの形状は布帛の繊維密度によって適宜選択することができる。この方法では、布帛内に絶縁して配置された複数本の導電性繊維にそれぞれ端子を接続する場合、それらの導電性繊維の配置間隔に応じて、布帛を挟む端子部品表面に導電パターンを形成することで、それぞれに同時に端子を取り付けることが好ましい。
直接接続する4つ目の方法として、金属製のピンを有する端子部品を布帛に差し込む方法が挙げられる。この場合、導電性繊維に接続する場合は、所望の導電性繊維に接するように差し込む必要がある。また、導電性繊維とピンとの接続を確実にするため、導電性繊維と隣接する繊維との間隔よりも大きな径を有するピンを挿入することが好ましく、ピンを複数備えた端子部品を用い、布帛組織を広げるように繊維間の隙間を拡大してその隙間にピンを挿入し、布帛の形状が復元する力によりピンと導電性繊維との接触圧力を強くすることも好ましい。また、導電性繊維にマルチフィラメントを用い、束ねられたモノフィラメント間にピンを挿入する方法も好ましい。いずれのピンを用いた方法でも、ピンを差し込んだ後に固定のため、布帛の逆側に配したソケット等に挿入し、必要に応じてボンド等で固定することが好ましい。
直接接続する5つ目の方法として、熱収縮チューブに導電性繊維と導線を入れて収縮させることで接続する方法が挙げられる。この場合、熱収縮チューブの固定力は小さいため、チューブで導通を確保した後、ボンド等でチューブ、導電性繊維および導線を固定することが好ましい。
間接接続する1つ目の方法として、導電性繊維あるいは導電性布帛に流動性の導電性材料を乗せ、導線あるいは端子と共に固化させる方法が挙げられる。流動性の導電性材料としてははんだ、導電ペーストあるいは導電接着剤が好ましい例として挙げられる。この場合、布帛は熱により収縮等の品質低下が起こる場合が多いため、低温硬化型の導電ペーストや導電接着剤を用いることが好ましい。導電ペーストあるいは導電接着剤は、良好な導電性を確保するため、金属粉あるいはカーボンナノファイバーを含有する物が好ましく用いられる。
間接接続する2つ目の方法として、導電インクの塗布あるいは導電材料のめっきにより、布帛表面に導電材料の薄膜を形成し、それを貫通するように端子やピンを挿入する方法が挙げられる。薄膜の材料や厚みは、挿入する端子やピンの形状によって適宜選択される。特に導電インクを用いたインクジェット印刷や、マスクを用いた塗布あるいはめっきを行うことで、任意の導電性繊維への導通路を形成することができ、使用できる端子やピンの選択肢が広がるばかりでなく、端子やピンの挿入位置決めを劇的に容易にすることが可能になるため、好ましい。導電インクやメッキに用いられる導電材料は、金属粉あるいはカーボンナノファイバーを含有することが好ましい。この方法では、前記のピンを直接導電性繊維あるいは導電性布帛に接触させる方法と同様、ピンの固定が好ましく実施される。
上記の直接接続する方法および間接接続する方法は、いずれも本発明の布帛状センサ1において導電性を担保する布帛あるいは繊維の表面が十分な導電性を有する特徴を活かし、適用が容易な方法となっている。また上記の方法の多くが、基材として通常の電子基板のように固い材料ではなく、柔軟で隙間のある布帛を用いている特徴を活かし、適用可能となっている。上記に挙げた方法は、適宜組み合わせて実施することもできる。
更に具体例を挙げて説明する。
一つの例として、導電性を担保する繊維として三ツ冨士繊維工業株式会社製の銀メッキナイロン 品名『AGposs』を用い、この導電性繊維を緯糸に1本織り込んだ織物を用いた場合は、織物端部に組織せず余らせた導電性繊維を直接、増幅回路あるいはその他の回路の端子にはんだ付けするか、あるいはネジ端子に挟みこむことで該回路に接続でき、絶縁被覆を除去する工程が不要である。
また、絶縁被覆導電性繊維を用いた場合、回路接続のため絶縁被覆を除去する工程が必要であるが、その工程は通常、布帛を所望の形状にカットする際に、被覆を除去しようとする絶縁被覆導電性繊維のみをカットせずに余分に残し、織編物組織から外れた絶縁被覆導電性繊維に対して被覆除去することで実施されるが、このカット作業が煩雑であるだけでなく、織編物組織から外れた絶縁被覆導電性繊維が起点となって織編物組織が不安定となりほつれやすいという欠点も有する。
この欠点を改善できる例として、導電性を担保する繊維として三ツ冨士繊維工業株式会社製の銀メッキナイロン 品名『AGposs』を緯糸に2本織り込み、それらの導電性繊維の間に絶縁性繊維を織りこんだ織物を用いた場合を挙げる。この場合、上記の直接接続方法の3つ目に挙げた方法を用いることができる。即ち、2本の導電性繊維を短絡させて端子に接続する場合は、端部に導電性繊維を余分に残すことなく所望の形状に織物をカットし、布帛端部で布帛組織内に残った導電性繊維2本ともに布帛表面で触れ合うように、導電性の表面を持つクリップ状の端子を挟みこむことで簡単に端子の接続が可能である。また、上記の例で2本の導電性繊維を短絡させずに別々の端子に接続する場合は、導電性繊維を余分に残すことなく織物を所望の形状にカットし、布帛端部で布帛組織内に残った導電性繊維2本にそれぞれ別々に布帛表面で触れ合うように、絶縁性のエリアで適切な間隔に区切られた2か所の導電性の表面を持つクリップ状の2極端子を適切な場所に挟みこむことで、導電性繊維2本に対し2極の端子を接続することが容易に可能である。上記の2例では、クリップ状の端子を適宜固定することで、布帛端部のほつれも防止することができる利点がある。上記の2例は、絶縁性繊維として圧電性繊維を用いた場合にも好ましく適用することができる。
さらに別の例として、導電性を担保する布としてセーレン株式会社製の銅ニッケルメッキPET平織物『Sui−10−511M』を用いた場合は、上記の間接接続方法の1つ目に挙げたように該布帛表面に導線あるいは端子をはんだ付けするか、上記の直接接続方法の3つ目に挙げたように、導線が接続されたクリップ型端子で該布帛を挟むことで導線を接続し、増幅回路あるいはその他の回路へ容易に接続することができる。
さらに上述の通り、絶縁被覆導電性繊維を用いる場合、端子接続のための絶縁被覆除去は通常、織編物組織から外れた絶縁被覆導電性繊維に対して実施し、布帛端部以外の部分で絶縁被覆を除去し導線を接続することは困難であるが、本発明の導電性布帛は絶縁被覆の除去が不要のため、導電性布帛の組織を解くことなしに、布帛端部以外も含む任意の部分に導線を接続し、増幅回路あるいはその他の回路へ接続することが容易に可能である。
一つの例として、導電性を担保する繊維として三ツ冨士繊維工業株式会社製の銀メッキナイロン 品名『AGposs』を用い、この導電性繊維を緯糸に1本織り込んだ織物を用いた場合は、上記の間接接続方法の1つ目および2つ目に挙げたように、導電性繊維が存在する任意の布帛表面に導電性接着剤やはんだを乗せる方法や、導電性インクによる印刷や転写を行う方法で導線を形成および接続することができる。あるいは、上記の直接接続方法の3つ目に挙げたように、導電性表面を有する2つの端子部品で導電性繊維を含む布帛を挟みこむ方法を適用することもできるし、上記の直接接続方法の4つ目に挙げたように、導電性繊維とその隣の繊維との間にある隙間に、金属製のピンを有する端子部品を挿入することで、導電性布帛の端部以外の任意の場所に増幅回路あるいはその他の回路を接続することが容易に可能である。この方法で用いられる金属製のピンを有する端子部品は、例えばICソケットピンが挙げられ、布帛の糸密度に従って適切な端子ピッチのものを選択でき、複数本の導電糸を別々の端子に接続したい場合は、ICソケットピンの極数を選択することで任意の複数の端子を同時に接続することが容易に可能である。これらの例においては、絶縁被覆導電材料を用いた場合に通常行われるように導電性布帛の組織を解くことなしに、導電性繊維が織り込まれた布帛自体を、導線、ピン状の金属部品や増幅回路あるいはその他の回路の固定用基材に用いることができるため、さらに好ましい。上記の例は織物状の導電性布帛だけでなく、編物および不織布状の導電性布帛にも同様に適用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に記載するが本発明はこれによって何らの限定を受けるものではない。
各実施例および比較例では以下の材料を使用した。
(導電性布帛)
導電性布帛として、セーレン株式会社製の銅ニッケルメッキPET平織物「Sui−10−511M」(以下、「導電布A」と称する。)を用いた。導電布Aの厚さは100μm、体積抵抗率は3×10−4Ω・cmであった。
(柔軟導電性材料)
柔軟導電性材料として、三ツ冨士繊維工業株式会社製の銀メッキナイロン「AGposs」(以下、「導電糸B」と称する。)を用いた。導電糸Bの繊度は136デニール、体積抵抗率は1.1×10−3Ω・cmであった。また、他の柔軟導電性材料として銅線、すなわち直径0.19mmの銅線(体積抵抗率:10−8Ω・cm)を用いた。更に他の柔軟導電性材料として被覆導線、すなわちAWG32、7本心線(単線の直径0.08mm)、外径0.24mmの塩化ビニル被覆銅線を用いた。
上記の各柔軟導電性材料は他の材料と共に平織物にして用いた。具体的には、84dTex/24フィラメントのPET繊維を経糸および緯糸の地糸とし、導電糸Bを2cmの間隔で緯糸に1本ずつ繰り返し入れた平織物を、平織物C1として用いた。また、84dTex/24フィラメントのPET繊維を経糸および緯糸の地糸とし、導電糸Bを緯糸に10本連続して入れた約2mm幅の領域を2cmの間隔で繰り返し配置した平織物を、平織物C2として用いた。また、84dTex/24フィラメントのPET繊維を経糸および緯糸の地糸とし、緯糸に導電糸Bを1本、ポリL−乳酸繊維(84dTex/24フィラメント)を1本、導電糸Bを1本の合計3本を連続して入れた領域を、2cmの間隔で繰り返し配置した平織物を、平織物C3として用いた。ただし、ポリL−乳酸繊維は溶融紡糸後2.3倍に延伸し、100℃で熱固定処理して製造された圧電性繊維である。したがって、平織物C3は圧電布である。
(絶縁性布帛)
絶縁性布帛として、22dTex/24フィラメントのPET繊維を用いた平織物(以下、「絶縁布D1」と称する。)を用いた。また、55dTex/72フィラメントのナイロン繊維を用いた平織物(以下、「絶縁布D2」と称する。)を用いた。また、1mm厚の羊毛フエルト、0.1mm厚のコピー用紙、0.05mm厚のティッシュペーパーを用いた。
次に、各実施例の試料、評価および特性について説明する。後記される表1はそれらをまとめたものである。評価におけるノイズは静置状態での信号の分散の値であり、シグナルの値はベースラインをゼロとしたピーク頂点の値である。S/N比はガラス棒で押圧した時のシグナルの値÷ノイズの値を示す。
(実施例1)
導電布Aおよび絶縁布D1を幅4cm、長さ12cmのテープ状にカットした。平織物C1を幅3cm長さ10cmのテープ状にカットした。平織物C1をカットする際、このテープ状の織物片の中心に、長軸方向に沿って導電糸Bが1本配置されるようにし、短辺の端部に配線用の導電糸Bを8mm残してカットした。カットされた導電布A、絶縁布D1および平織物C1をこの順に積層し、導電布Aおよび絶縁布D1は完全に重なるように配置し、平織物C1および端部の導電糸Bは導電布Aおよび絶縁布D1からはみ出さないように配置し、各層間を両面テープで固定した。両面テープを、平織物C1中の導電糸Bに重ならないよう、テープ状の織物片の中央1cmの幅の領域を避け、各布帛片の端部に長軸方向に沿って貼った。その結果、導電布Aと絶縁布D1と平織物C1とが積層された積層体が形成された。その積層体では、導電糸Bの上方における平織物C1と絶縁布D1との間、および、導電布Aと絶縁布D1との間に、すなわち全層間に、空隙が形成されている。
その後、積層体の導電布Aをミノムシクリップでプリアンプ(増幅率10倍)の+極およびグランドに接続し、平織物C1の端部にカットせず残した導電糸Bをプリアンプの−極に接続した。平織物C1の端部からプリアンプの端子まで接続されている導電糸Bのうち、導電布Aに覆われていない部分の長さは4mmとした。
上記のようにして作製された布帛状センサをアンプ(増幅率10倍)およびノイズカットフィルタ(50−60Hz)を通してオシロスコープに接続した。机の上に平織物C1を上にして静置し、ベースノイズを確認したところ、30mV程度のノイズを受信した。机の上に置いたまま、布帛状センサの中央部に垂直にガラス棒を置いたり離したりしたところ、S/N比2.5の信号が得られた。
(実施例2)
実施例1の積層体の導電布A、絶縁布D1および平織物C1に加えて、さらに絶縁布D1および導電布Aを積層し、すなわち導電布A、絶縁布D1、平織物C1、絶縁布D1および導電布Aをこの順に積層した積層体を形成し、両側の導電布Aをグランドに接続した。このとき、導電布Aと絶縁布D1との間、絶縁布D1と平織物C1との間、平織物C1と絶縁布D1との間、および、絶縁布D1と導電布Aとの間に、すなわち全層間に、空隙が形成されている。その他は、実施例1と同じである。計測結果は表1のとおりである。
(実施例3)
実施例2の積層体において、平織物C1の代わりに銅線を縫い付けた絶縁布D1を用いた。その他は、実施例2と同じである。計測結果は表1のとおりである。
(実施例4)
実施例2の積層体において、平織物C1の代わりに導電布Aを用いた。その他は、実施例2と同じである。計測結果は表1のとおりである。
(実施例5)
実施例2の積層体において、さらに両外側が絶縁布D1で覆われており、それらの絶縁布D1とそれらに対向する導電布Aとの間に空隙がある。その他は、実施例2と同じである。計測結果は表1のとおりである。
(実施例6)
実施例1において、積層体の導電布Aをグランドに接続しなかった。その他は、実施例1と同じである。その結果、手を近づけることで300mV程度の大きなノイズを受信したが、S/N比8.0の信号が観測された(表1参照)。
(実施例7)
実施例1の積層体において、導電布Aの代わりに平織物C1を用いた。言い換えると、導電布Aが含まれておらず、導電布Aによる電磁波シールドが無い状態であった。その他は、実施例1と同じである。その結果、450mV程度の大きなノイズを受信し、S/N比1.5の信号が観測された(表1参照)。
(実施例8)
実施例2の積層体において、平織物C1の端部からプリアンプの端子まで接続されている導電糸Bのうち、導電布Aに覆われていない部分の長さを20mmとした。その他は、実施例2と同じである。計測結果は表1のとおりである。ただし、他の実施例に比べ、特にプリアンプの端子付近に手を近づけたときにはノイズが増大した。
(実施例9)
実施例2の積層体において、テープ状の各布帛の幅を2倍にしてカットし、平織物C1をカットする際、テープ状の織物片の中心に、長軸方向に沿って導電糸Bが2本配置されるようにし、導電布A、絶縁布D1、平織物C1(導電糸Bが2本)、絶縁布D1および導電布Aの積層体を形成した。そして、それら2本の導電糸Bをそれぞれ別々のプリアンプの−極に接続した。その他は、実施例2と同じである。計測結果は表1のとおりである。平織物C1内の2本の導電糸Bの直上をそれぞれ押圧すると、別々に信号を観察することができ、どちらの導電糸Bの直上が押圧されたか判別することができた。
(実施例10)
実施例2のライン状の導電布A、絶縁布D1、平織物C1、絶縁布D1および導電布Aの積層体を2本並べて絶縁布D1に縫い付けた。その他は、実施例2と同じである。計測結果は表1のとおりである。2枚の平織物C1内にそれぞれ配置された2本の導電糸Bの直上をそれぞれ押圧すると、別々に信号を観測することができ、どちらの導電糸Bの直上が押圧されたか判別することができた。
(実施例11)
実施例9の導電布A、絶縁布D1、平織物C1(導電糸Bが2本)、絶縁布D1および導電布Aの積層体において、一方の平織物C1と絶縁布D1との間に、さらに平織物C1(導電糸Bが2本)および絶縁布D1を挿入した。すなわち、導電布A、絶縁布D1、平織物C1(導電糸Bが2本)、絶縁布D1、平織物C1(導電糸Bが2本)、絶縁布D1および導電布Aの積層体を形成した。ただし、一方の平織物C1の2本の導電糸Bが、他方の平織物C1の2本の導電糸Bと直行するように配置し、全ての導電布Aおよび絶縁布D1は、2枚の平織物C1を覆う大きさの正方形とした。その他は、実施例9と同じである。計測結果は表1のとおりである。2枚の平織物C1内にそれぞれ2本ずつ配置された合計4本の導電糸Bの直上をそれぞれ押圧すると、別々に信号を観測することができ、どの導電糸Bの直上が押圧されたか判別することができた。また、導電糸Bが交差している部分の直上を押圧すると、対応する2本の導電糸Bに接続された検知器に同時に信号が観測され、どの導電糸Bの交差点が押圧されたか判別することができた。
(実施例12)
導電布Aを3枚、絶縁布D1を4枚、それぞれ幅4cm長さ12cmのテープ状にカットした。平織物C1を1枚、平織物C3を1枚、幅3cm長さ10cmのテープ状にカットした。平織物C1および平織物C3をカットする際、このテープ状の織物片の中心に、長軸方向に沿って導電糸Bが配置されるようにし、短辺の端部に配線用の導電糸Bを8mm残してカットした。平織物C3の端部に残した2本の導電糸Bは、互いに短絡しないよう収縮チューブで一部をそれぞれ被覆した。カットされた導電布A、絶縁布D1、平織物C1、絶縁布D1、導電布A、絶縁布D1、平織物C3、絶縁布D1および導電布Aをこの順に積層し、導電布Aおよび絶縁布D1は完全に重なるように配置し、平織物C1、平織物C3および端部の導電糸Bは導電布Aおよび絶縁布D1からはみ出さないように配置し、各層間を両面テープで固定した。導電布A、絶縁布D1、平織物C1、絶縁布D1および導電布Aの5層の間では、両面テープを、平織物C1中の導電糸Bに重ならないよう、テープ状の織物片の中央1cmの幅の領域を避け、各布帛片の端部に長軸方向に沿って貼った。導電布A、絶縁布D1、平織物C3、絶縁布D1および導電布Aの5層の間は、層間に空隙がないよう、全面に隙間なく貼った。その結果、導電布Aと絶縁布D1と平織物C1と絶縁布D1と導電布Aと絶縁布D1と平織物C3と絶縁布D1と導電布Aとが積層された積層体が形成された。その積層体では、平織物C1とその上下の絶縁布D1との間に空隙が形成されている。
その後、積層体の3枚の導電布Aをミノムシクリップでプリアンプa(増幅率10倍)およびプリアンプb(増幅率10倍)の+極およびグランドに接続した。平織物C1の端部にカットせず残した導電糸Bをプリアンプaの−極に接続した。平織物C1の端部からプリアンプaの端子まで接続されている導電糸Bのうち、導電布Aに覆われていない部分の長さは4mmとした。平織物C3の端部にカットせず残した2本の導電糸Bを、プリアンプbの+極(グランドと短絡されている)と−極にそれぞれ接続した。平織物C3の端部からプリアンプbの端子まで接続されている導電糸Bのうち、導電布Aに覆われていない部分の長さは4mmとした。
上記のようにして作製された布帛状センサのプリアンプaを、アンプ(増幅率10倍)およびノイズカットフィルタ(50−60Hz)を通してオシロスコープに接続した。机の上に静置し、ベースノイズを確認したところ、21mV程度のノイズを受信した。机の上に置いたまま、布帛状センサの中央部に垂直にガラス棒を置いたり離したりしたところ、S/N比4.2の信号が得られた(表1参照)。
上記の布帛状センサのプリアンプbを、アンプおよびノイズカットフィルタ(50−60Hz)を通してオシロスコープに接続した。机の上に静置し、ベースノイズを確認したところ、20mV程度のノイズを受信した。机の上に置いたまま、布帛状センサの中央部に垂直にガラス棒を置いたり離したりしたところ、圧電布からの信号は全く得られなかった。一方、布帛状センサを90度曲げたところ、S/N比2.8の信号が得られた。ただし、この圧電布の出力については表1に記載していない。
(実施例13)
導電布Aを2枚、絶縁布D1を3枚、それぞれ幅4cm長さ12cmのテープ状にカットした。平織物C2を2枚、それぞれ幅3cm長さ10cmのテープ状にカットした。平織物C2をカットする際、このテープ状の織物片の中心に、長軸方向に沿って導電糸B10本一組分が配置されるようにし、短辺の端部に配線用の導電糸Bを8mm残してカットした。カットされた導電布A、絶縁布D1、平織物C2、絶縁布D1、平織物C2、絶縁布D1、導電布Aをこの順に積層し、導電布Aおよび絶縁布D1は完全に重なるように配置し、平織物C2および端部の導電糸Bは導電布Aおよび絶縁布D1からはみ出さないように配置し、層間を両面テープで固定した。両面テープは平織物C2中の導電糸Bに重ならないよう、テープ状の織物片の中央1cmの幅の領域を避け、各布帛片の端部に長軸方向に沿って貼った。その結果、導電布Aと絶縁布D1と平織物C2と絶縁布D1と平織物C2と絶縁布D1と導電布Aとが積層された積層体が形成された。その積層体では、平織物C1の上側において平織物C2と絶縁布D1との間および導電布Aと絶縁布D1との間に空隙が形成され、並びに、平織物C2の下側において平織物C2と絶縁布D1との間および導電布Aと絶縁布D1との間に空隙が形成された。すなわち全層間に、空隙が形成された。
上記の布帛状センサを以下の通りLCRメーターに接続した。2枚の導電布Aをクリップで短絡させ、LCRメーターのグランドに接続した。1枚の平織物C2の端部にカットせず残した導電糸BをLCRメーターの+極に接続し、もう1枚の平織物C2の端部にカットせず残した導電糸BをLCRメーターの−極に接続した。平織物C2の端部からLCRメーターの電極までの距離は4mmとし、LCRメーターの電極を別の導電布Aでシールドし、シールドに用いた導電布Aはグランドに接続した。上記の布帛状センサ1を机の上に静置し、1メガヘルツの周波数で2枚の平織物C2の間の静電容量を測定したところ、13pFの容量を示した。机の上に置いたまま、布帛状センサ1の中央部に垂直にガラス棒を置いたり離したりしたところ、S/N比7.6の信号が得られた(表1参照)。
(実施例14)
実施例13の積層体において、平織物C2をカットする際、テープ状の織物片の中心に、長軸方向に沿って導電糸B10本二組分が配置されるようにした。だし、一方の平織物C2の導電糸Bが、他方の平織物C2の導電糸Bと直行するように配置し、全ての導電布Aおよび絶縁布D1は、2枚の平織物C1を覆う大きさの正方形とした。その他は、実施例13と同じである。計測結果は表1のとおりである。
(実施例15)
実施例12の積層体において、導電布Aと絶縁布D1と平織物C1と絶縁布D1とを取り除き、導電布Aと絶縁布D1と平織物C3(圧電布)と絶縁布D1と導電布Aとが積層された積層体とした。その他は、実施例12と同じである。布帛状センサを90度曲げたところ、S/N比3.5の信号が得られた。この計測結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例2の積層体において、平織物C1の代わりに被覆導線、すなわち塩化ビニル被覆銅線を用いた。その他は、実施例2と同じである。計測結果は表1のとおりである。同じ検出原理(静電気)で、層構成も似ており、電磁波シールドもある実施例2〜6、9〜11と比較すると、S/N比が相対的に低いことが分った(表1参照)。また、検出回路への接続のために塩化ビニル被覆を除去する工程が必要であった。
(比較例2)
実施例14の積層体において、平織物C2の導電糸Bを被覆導線、すなわち塩化ビニル被覆銅線に置き換えた。その他は、実施例14と同じである。同じ検出原理(静電容量)で、層構成も似ており、電磁波シールドもある実施例13〜14と比較すると、S/N比が相対的に低いことが分った(表1参照)。また、検出回路への接続のために塩化ビニル被覆を除去する工程が必要であった。
1 布帛状センサ
10 素子
10a 圧電素子
10b 静電素子
11、11−1、11−2、11−p 導電性布帛
12、12−1、12−2、12−3 絶縁性布帛
13、13−1、13−2、13−a1、13−a2、13−b1、13−b2、 柔軟導電性材料
14、14−1、14−2 絶縁性布帛
17−1、17−2、17−3、17−4 絶縁性布帛
21−1、21−2 両面テープ
22、22−1、22−2 空隙
23、23−1、23−2 空隙
25−a1、25−a2、25−b1、25−b2 プリアンプ
26 アンプ
27 検出部
28 送信部
30 検出器
31 電気配線
40 圧電性布帛
41、43 柔軟導電性材料
42 圧電性繊維

Claims (12)

  1. 第1の導電性布帛と絶縁層と第2の導電性布帛とがこの順に積層され、押圧または変形を検出する布帛状センサであって、
    前記第1の導電性布帛および前記第2の導電性布帛の中の導電体が導電性物質からなる繊維、絶縁性繊維に導電性物質を被覆した繊維および絶縁性布帛に導電性物質を被覆した布帛の少なくとも一つを含む、
    布帛状センサ。
  2. 前記第1の導電性布帛および前記第2の導電性布帛の中の導電体が金属線、炭素繊維、絶縁性繊維に金属を被覆した繊維および絶縁性布帛に金属を被覆した布帛の少なくとも一つを含む、
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  3. 該布帛状センサへの押圧または変形の強度の変化に伴い発生および解消する静電気によって生じる、前記第1の導電性布帛と前記第2の導電性布帛との間の電位差を検出することにより、該布帛状センサへの押圧を検出する、
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  4. 該布帛状センサへの押圧または変形の強度の変化に伴い発生する前記第1の導電性布帛と前記第2の導電性布帛との距離の変化によって生じる、前記第1の導電性布帛と前記第2の導電性布帛との間の静電容量の変化を検出することにより、該布帛状センサへの押圧を検出する、
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  5. 前記第1の導電性布帛または前記第2の導電性布帛に近接する圧電性繊維を更に含み、
    該布帛状センサへの押圧または変形の強度の変化に伴い前記近接する圧電性繊維の変形によって生じる、前記圧電性繊維の電荷を検出することにより、該布帛状センサの変形を検出する、
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  6. 前記第1の導電性布帛または前記第2の導電性布帛に、互いに絶縁されたライン状の導電性部位が少なくとも2本存在し、前記ライン状の導電性部位が互いに略平行に配置され、前記ライン状の導電性部位付近の押圧または変形を個々に信号として検出する、
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  7. 前記第1の導電性布帛または前記第2の導電性布帛に、互いに絶縁されたライン状の導電性部位が少なくとも3本存在し、前記ライン状の導電性部位が2点以上の交差点を有し、前記交差点付近の押圧または変形を個々に検出する、
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  8. 前記第1の導電性布帛または前記第2の導電性布帛に、互いに絶縁されたライン状の導電性部位が少なくとも4本存在し、前記ライン状の導電性部位が2組に分けられ、同じ組のライン状の導電性部位は略平行に配置され、異なる組のライン状の導電性部位は略直交に配置され、前記ライン状の導電性部位の交差点付近の押圧または変形を個々に検出する、
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  9. 前記布帛状センサの表面をカバーする絶縁性の布帛又はシートを更に備える、
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  10. 導電性繊維と圧電性繊維とが電気的接続を提供するように略同一平面上に配置されている圧電センサを更に備える
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の布帛状センサと、
    前記布帛状センサから出力される電気信号を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段で増幅された電気信号を検出する検出手段と、
    を備えるデバイス。
  12. 前記検出手段から出力された電気信号を外部機器へ送信する送信手段をさらに備える、
    請求項11に記載のデバイス。
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