JP2020118518A - 複合素子及びセンサ - Google Patents
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の座席に人体検知センサを配置して、その人体検知センサにより、着座しているか否かを検知して、その検知結果をエアバッグシステムに出力するようにしている。例えば、特許文献1には、静電容量センサにより人の接近を検知して、更に押下するとスイッチの動作をする人体検知センサが記載されている。この人体検知センサでは、静電容量センサと、封止空間に荷重がかかることによる流体の圧力変化を検知する圧力センサとを組み合わせることにより、誤検出を防止することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る複合素子10の構成を表すものである。この複合素子10は、例えば、第1の導電層11と、絶縁層12と、第2の導電層13と、有機圧電材料を含んだ圧電層14と、第3の導電層15とをこの順に含んだ積層構造を有している。このうち、第1の導電層11は静電誘導センサとして機能し、第2の導電層13、圧電層14、及び、第3の導電層15は圧電センサとして機能する圧電シート10Aである。絶縁層12は、第1の導電層11と第2の導電層13とを電気的に絶縁し、静電誘導センサと圧電センサとを分離するものである。すなわち、第1の導電層11と、圧電シート10Aとを、絶縁層12を間に挟んで、積層したものである。
第1の導電層11、第2の導電層13、及び、第3の導電層15は、電気伝導性を持つ高分子化合物を繊維基材に付着させた構造を有している。繊維基材は、繊維を含むものであり、繊維基材を構成する材料としては、例えば、植物繊維(綿、麻など)や動物繊維(シルク、羊毛、他の獣毛(アルパカ、アンゴラ、カシミヤなど)などの天然繊維、又は、合成高分子材料(ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)よりなる合成繊維が挙げられる。また、紙あるいは木でもよい。これらは混合して用いられてもよい。中でも、シルク、綿、合成繊維、紙、及び、木材からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。
第1の導電層11、第2の導電層13、及び、第3の導電層15の厚さは、限定はされないが、1nm〜10μm程度が汎用的であり、20nm〜5μmがより好ましい。第1の導電層11、第2の導電層13、及び、第3の導電層15の厚さは、互いに同一であってよいが、用途に応じて、互いに異なっていてもよい。
第1の導電層11、第2の導電層13、及び、第3の導電層15の外周形状は、特に限定はされず、正方形、長方形、円形、楕円形、その他の多角形や異形、長尺の帯状(テープ状)など、用途に応じたものであってもよい。
第1の導電層11、第2の導電層13、及び、第3の導電層15の外周形状のサイズ(面積)もまた限定はされず、用途に応じたものであってよい。例えば、グローブ型センサやモーションセンサの用途では、1〜400mm2程度が汎用的であり、10〜100mm2がより好ましい。例えば、ロボットハンド用センサの用途では、10〜40000mm2程度が汎用的であり、100〜10000mm2がより好ましい。例えば、タッチパネルなどの入力デバイスの用途では、10〜100000mm2程度が汎用的であり、100〜50000mm2がより好ましい。
導電性を有しない布と圧電層を張り合わせた後、導電体を付与する場合、塗布プロセスでむらができ、2次元的に均一な導電性の実現に高い技術を要する可能性があるため、布の段階で導電性が付与される態様が好ましい。
導電体の付与が前記いずれの段階で行われても、結果物である第1の導電層11、第2の導電層13、及び、第3の導電層15を観察すると、繊維基材の一部または全部には導電体が付着しており、それが互いに接触し、電気的に導通している。
第1の導電層11、第2の導電層13、及び、第3の導電層15の繊維基材に付着される電気伝導性を持つ高分子化合物は、特に限定はされないが、ポリチオフェン系の導電性高分子化合物が好ましい。高い電気伝導性を得ることができるからである。このような導電性高分子化合物としては、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が好ましく挙げられ、特に、酸化剤及びドーパントとしてp−トルエンスルホン酸の鉄塩(pTS)を添加したPEDOTは、導電性高分子の大きさがオリゴマーの点で好ましい。
繊維基材に、pTSをドーパントとして含有するPEDOTが導電体として付与された導電層の製造方法は、公知技術を参照することができる。
例えば、特許文献4には、PEDOT−PSSが記載されているが、より好ましい導電層の製造方法が記載されている。この製造方法は、導電性高分子を基材に付着した導電性高分子導電体の製造方法であって、(セリシンを塗布した繊維よりなる基材あるいは表面にセリシンを塗布した基材を加熱したのち、又は、加熱しつつ、前記基材に、前記導電性高分子の単量体を含む原料溶液を塗布する原料塗布工程)と、(前記基材に、前記原料溶液を塗布した後に、前記単量体の重合を促進させる酸化剤、前記導電性高分子に導電性を発現させるためのドーパント、及び、粘性を高めるための増粘剤を含む製造用溶液を塗布する製造用溶液塗布工程)とによって、導電性の布を形成するものである。ここで、前記導電性高分子として、PEDOTが好ましいものとして挙げられており、ドーパントとしてpTSが挙げられている。さらなる詳細は、特許文献4を参照してよい。
絶縁層12は、例えば、アクリル樹脂材料、ポリエステル樹脂材料、ポリウレタン樹脂材料、ポリエーテル樹脂材料、ゴム材料、シリコーン樹脂材料、ポリアミド樹脂材料、フッ素樹脂材料、エポキシ樹脂材料など絶縁材料のベースとなる樹脂組成物により構成されることが好ましい。圧電層14のフレキシブル性を損なわないよう、フレキシブル性を持たせることができるためである。また、フィルム形状の膜を利用することにより均一な表面を形成することができるからである。絶縁層12の厚さは、例えば、40〜100μmが好ましく、60〜80μm程度がより好ましい。
圧電層14の厚さは、必要とされる電位差に応じて、または、有機圧電材料の圧電特性に応じて、適宜に選択することができ、限定はされないが、1〜500μm程度が汎用的であり、2〜100μmがより好ましい。
圧電層14の外周形状やサイズは、特に限定はされないが、上記した第2の導電層13及び第3の導電層15の外周形状およびサイズと同様であってよい。
圧電層14の圧電特性は、層厚方向に圧縮力を受けた場合に電荷が発生する特性(以下、「層厚方向の圧電特性」ともいう)であってもよいし、層拡張方向に引張り力や圧縮力を受けた場合に電荷が発生する特性(以下、「層拡張方向の圧電特性」ともいう)であってもよい。後述のとおり、グローブ型センサやモーションセンサ、ロボットハンド用センサ、タッチパネルなどの用途では、層拡張方向への引張り力を検出することが有用であり、また、第2の導電層13及び第3の導電層15は、電極層でありながら、層拡張方向に伸縮可能とすることができる。よって、前記の用途に好ましく対応し得、かつ、第2の導電層13及び第3の導電層15の伸縮特性を有効に利用する点から、層拡張方向の圧電特性を有する圧電層がより好ましい。
上記のような層拡張方向の圧電特性を有する圧電体としては、上記特許文献7に記載されたような、d14圧電定数が所定の数値以上となるように形成された圧電体(以下、「d14圧電体」ともいう)が挙げられる。
圧電層に用いられる有機圧電材料は、特に限定はされず、従来公知の圧電ポリマーを用いることができる。好ましい有機圧電材料として、ポリアミノ酸、ポリ乳酸、ポリフッ化ビニリデン、または、多糖類を主成分として含む材料が挙げられる。これらの材料は、層厚方向の圧電特性を有する圧電体の材料として用いることもできるが、層拡張方向の圧電特性を有する圧電体(とりわけ、d14圧電体)の材料として用いられることがより好ましい。
ポリアミノ酸を含有する圧電体とその製造方法は、例えば、特許文献7,8など、公知技術を参照することができる。
ポリアミノ酸のなかでも、ポリα−アミノ酸が好ましいものとして挙げられる。ポリα−アミノ酸は、好ましくは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、オルニチン、セリン、スレオニン、トリプトファン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシンおよびその誘導体から選択される1種以上の単位を含有するポリα−アミノ酸である。前記「1種以上の単位」に関して、例えば、グリシンの単位とは、グリシンに由来する単位を意味する。他のα−アミノ酸の単位も同様の意味である。また、前記「1種以上の単位を含有するポリα−アミノ酸」には、1種のみの前記α−アミノ酸の単位を含有するホモポリマー、および2種以上の前記α−アミノ酸の単位を含有するコポリマーが包含される。後述の「1種以上の単位」も同様の意味である。
好ましいポリα−アミノ酸としては、作製時の延伸配向プロセスが不要な点や信号の温度依存性を示さない点、熱安定性が高い点、安定的な圧電効果を示すという点から、化1に示したポリγ−ベンジル−L−グルタミン酸が例示される。
有機圧電材料として用いられる多糖類としては、セルロース誘導体を含むものが好ましいものとして挙げられる。セルロース誘導体は、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、カルボキシメチルセルロースから選択される1種以上が挙げられる。詳細は後述する。これらの材料のなかでも、エチルセルロースは、作製時の延伸配向プロセスが不要な点、信号の温度依存性を示さない点、価格や安定的な圧電効果を示す点から、好ましい多糖類である。
有機圧電材料として用いられる高分子材としては、圧電性を示すポリ乳酸やポリフッ化ビニリデンから選択される1種以上が挙げられる。これらの材料のなかでも、ポリ乳酸は信号の温度依存性を示さず、分極処理を必要としない点から、好ましい高分子材である。
乳酸モノマーはキラリティ(対掌性)を有し、分子構造同士が重ね合わせることのできない鏡像異性体を持つ。このような異性体をL体、D体と呼び、L体が重合したものをL型ポリ乳酸(PLLA)、D体が重合したものをD型ポリ乳酸(PDLA)と呼ぶ。前者は左巻き螺旋、後者は右巻き螺旋構造の高分子となる。これらのポリ乳酸(例えば、PLLA)からなるフィルムを一軸延伸して分子を配向すれば圧電性が発現する。PLLAの圧電定数(圧電d定数)は7〜12pC/N程度と小さいが、PLLAは比誘電率が約2.5と非常に低いため、圧電出力定数(=圧電g定数、g=d/εT)が大きな値となり、センシング感度は高くなる。ポリ乳酸は、ずり圧電特性を有しており、分子の配向方向により曲げ又はねじれを検出することができる。
d33圧電体の製造方法としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンを主成分として含有する材料などの未延伸のフィルムを一軸方向に延伸して高分子を配向させる方法が挙げられる。しかしながら、延伸により得られたフィルムは、延伸方向(高分子の配向方向)に直交する層拡張方向に力を加えた場合に裂け易い傾向がある。
d14圧電体の製造方法としては、例えば、ポリ乳酸やポリアミノ酸などの未延伸のフィルムを一軸方向に延伸して高分子を配向させる方法が挙げられる。しかしながら、延伸により得られたフィルムは、延伸方向(高分子の配向方向)に直交する層拡張方向に力を加えた場合に裂け易い傾向がある。
ポリアミノ酸を主成分として含有する材料よりなるd14圧電体の製造方法もまた、従来公知の製造方法を参照することができる。例えば、上記特許文献7には、ポリアミノ酸を含有し、d14圧電定数の最高値が3pC/N以上の圧電フィルムの製造方法として、(A)ポリアミノ酸および(C)有機液状媒体を含むポリアミノ酸組成物を支持体上に塗工する第1工程と、第1工程で得られたポリアミノ酸組成物層を乾燥してフィルムとする第2工程とを含む製造方法が記載されている。この製造方法によれば、圧電層の破断伸度の最低値が2%以上であり、かつd14圧電定数の最高値が3pC/N以上の好ましい圧電シートが得られる。この製造方法では、前記のポリアミノ酸組成物が、さらに(B)重量平均分子量が5,000以上のポリマーを含んでいてもよい。該ポリマーの好ましい重量平均分子量は、5,000以上、200,000以下のポリマーである。該ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリウレタン樹脂から選択される1種以上のものが挙げられる。ポリアミノ酸を含有するd14圧電体およびその製造方法のさらなる詳細については、特許文献7を参照することができる。
本発明では、好ましいd14圧電体の1例として、多糖類を主成分として含有する材料よりなるd14圧電体(d14圧電定数の最高値は1pC/N以上である)とその製造方法を提唱する。以下、「多糖類を主成分として含有する材料よりなるd14圧電体」を、「多糖類d14圧電体」ともいう。
多糖類d14圧電体の製造方法は、多糖類および液状媒体を含み、複屈折を有する多糖類組成物を支持体上に塗工する第1工程と、および、該第1工程で得られた多糖類組成物層を乾燥してフィルムとする第2工程とを含む。好ましい態様では、第2工程は磁場を作用させておらず、かつ、第2工程後に、フィルムの延伸工程を含まない。好ましい態様では、液状媒体が沸点40℃以上、250℃以下の液状媒体を1種以上含む。好ましい態様では、液状媒体が沸点40℃以上、210℃以下の液状媒体を1種以上含む。好ましい態様では、液状媒体が、メタノール、エタノール、水、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ベンジルアルコール、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリフルオロ酢酸から選択される1種以上である。好ましい態様では、多糖類のGPC法による数平均分子量が10,000以上である。好ましい態様では、多糖類がセルロースまたはその誘導体を含む。好ましい態様では、多糖類がセルロース誘導体であり、該セルロース誘導体が、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、カルボキシメチルセルロースから選択される1種以上である。好ましい態様では、多糖類がキサンタンガムを含む。好ましい態様では、第1工程において、多糖類組成物の塗り厚が500μm以下となるように多糖類組成物を塗工する。好ましい態様では、多糖類組成物の固形分量が20重量%以上である。好ましい態様では、多糖類組成物の25℃における粘度が5,000mPa・s以上である。好ましい態様では、多糖類組成物の25℃における粘度が50,000mPa・s以上である。好ましい態様では、第2工程が多糖類組成物層を300℃以下の温度で乾燥することを含む。
ここで、多糖類(以下、「A成分」ともいう)は、アルドヘキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リブロース、キシルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、フコース、フクロース、ラムノース等の単糖およびその誘導体から選択される1種以上の単位を含有するポリマー(すなわち、多糖類)であればよい。なお、多糖類の「誘導体」としては、天然の状態で誘導体化されて得られるものと多糖あるいはその誘導体として取り出した後にさらに有機合成反応を用いて誘導体化されているものが存在するが、いずれを用いてもよい。天然の状態で誘導体化されて得られるものの例としては、キサンタンガム、アルギン酸等が挙げられる。一方、有機合成反応を用いて誘導体化されているものの例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、カルボキシル化プルラン等の非セルロースの誘導体が挙げられる。また、上記に挙げるセルロース誘導体がイソシアネートを用いたウレタン化、エポキシドを用いたヒドロキシアルキル化、酸塩化物等を用いたエステル化、アクリルニトリルを用いたシアノエチル化等で誘導体化されたものも、「セルロース誘導体」に含まれる。
多糖類組成物には、圧電層に求められる作用効果(すなわち、圧電層を構成する多糖類分子の配向)を大きく損なわない範囲内で、多糖類組成物の特性改善や圧電層の特性の改善を目的としてA、B成分以外の配合成分をさらに含有させることができる。かかる任意の配合成分としては、例えば、無機フィラー、有機フィラー、顔料、結晶核剤、消泡剤、酸化防止剤、増粘剤などの各種添加剤、多糖類以外のポリマーが挙げられる。これらの任意の配合成分の添加量は、少な過ぎると添加の効果を損なうが、多くなると樹脂組成物の特性(複屈折や粘度等)や圧電層の特性(圧電性等)を損なうおそれがある。このためA、B成分以外の任意の配合成分の含有量はA成分100重量部に対して、通常50重量部以下が好ましく、30重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらに好ましい。
(多糖類組成物の調製)
支持体上に塗工する塗工液として、上記の多糖類組成物を調製する。
(多糖類組成物の塗工、乾燥)
多糖類組成物を支持体上に塗工し(第1工程)、得られた多糖類組成物層を乾燥する(第2工程)ことで、多糖類を含むフィルム(未延伸フィルム)が得られる。第1工程での多糖類組成物の塗工方法は、多糖類組成物に一方向にせん断力が作用し流動性をもつ樹脂組成物がフィルム状に変形、加工すれば良く、具体的な塗工手法としてはバーコート、カンマコート、ダイコート、スロットダイコート、ブレードコート、グラビアコート、グラビアオフセット印刷など公知の塗工方法が挙げられる。塗工に当たってコーターが動いても、支持体が動いても、両方動いても良い。塗工は、一方向にせん断力が作用していれば良く、バーコートなどのように支持体に対して所定の一方向に向けて多糖類組成物が塗り進められていても良く、ダイコートなどのようにせん断力が働いた多糖類組成物が支持体上にキャストされても良い。この所定の一方向に向けて多糖類組成物にせん断力が作用していく方向が多糖類分子の配向方向(すなわち、多糖類分子の主鎖の配向方向)になる。なお、「塗工方向」とは、この所定の一方向に向けて多糖類組成物にせん断が作用している方向のことである。
支持体上に形成された多糖類組成物層の乾燥方法は、塗工後の多糖類組成物層における多糖類分子の配向状態を保持しつつ液状媒体を除去できる方法であればどんな方法でも良く、常温、常圧での乾燥(自然乾燥)でも良いし、加熱乾燥でも減圧乾燥でも良い。加熱乾燥の場合、バッチオーブン、熱風乾燥炉、ベルト式連続炉、遠赤外線乾燥炉など公知の加熱機器を用いることが出来る。
乾燥後の多糖類フィルムには適切な温度と時間のアニール処理を施しても良いし、しなくとも良い。
圧電シート10Aと第1の導電層11とは、積層方向から見た形状を同一として、圧電シート10Aの全体を第1の導電層11で覆うように、圧電シート10Aと第1の導電層11との全体を重ねるようにしてもよいが、例えば、圧電シート10Aと第1の導電層11との積層方向から見た形状を異ならせ、圧電シート10Aの一部を第1の導電層11で覆うようにしてもよい。例えば、図2に示したように、積層方向から見た形状を、第1の導電層11は三角形、圧電シート10Aは四角形とし、積層方向において、圧電シート10Aの一部に、第1の導電層11が重ならない非積層領域10Bを設けるようにしてもよい。図2は、複合素子10を積層方向において第1の導電層11の側から見た構造を概念的に表したものであり、理解を容易とするために、第1の導電層11には梨地を付して示している。
接着剤層16を構成する接着剤は、粘着剤をも意味する。接着剤層16は、第1の導電層11、絶縁層12、第2の導電層13、圧電層14、及び、第3の導電層15のフレキシブル性を損なわないよう、フレキシブル性を有するものであることが好ましい。接着剤層16が電気絶縁層であったとしても、圧電層14に生じる電荷は、第2の導電層13、第3の導電層15を通じて外部検出装置によって検出することができる。接着剤層16は、絶縁層12と同様に絶縁材料のベースとなる樹脂組成物を使用することができる。接着剤層16の厚さは、特に限定はされないが、0.1〜500μm程度が好ましく、1〜100μm程度がより好ましい。
有機圧電材料を含んだ圧電層14を、別の工程で圧電フィルムとして形成し、第1の導電層11、絶縁層12、第2の導電層13、圧電層14、及び、第3の導電層15をこの順に、直接的にまたは接着剤層16を介して積層することが好ましい。各層を接着剤層16なしで、直接的に積層する場合には、各層を積層して熱圧着、又は、縫製などにより固定することができる。
この複合素子10は、例えば、センサ20として用いることができる。図3はセンサ20の構成を表すものであり、図4は具体的な回路構成を表わすものである。このセンサ20は、スイッチ又はタッチパネルとして用いられるものであり、指先等の人体Mの近接又は接触によって操作がされるものである。このセンサ20は、例えば、複合素子10と、複合素子10の第1の導電層11と電気的に接続され、第1の導電層11に生じる静電容量の変化を検出する第1の検出回路21と、複合素子10の第2の導電層13及び第3の導電層15とそれぞれ電気的に接続され、第2の導電層13と第3の導電層15との間の電圧変化を検出する第2の検出回路22とを備えている。
このセンサ20では、例えば、複合素子10が指先等の人体Mで押圧されると、第1の導電層11に人体Mが接近又は接触することにより静電容量が変化し、第1の検出回路21により例えば矩形波の変形として検出する。また、圧電層14に圧力が加えられ、又は、屈曲されることにより、第2の導電層13と第3の導電層15との間の電圧が変化し、第2の検出回路22により例えば発振周波数の変化として検出する。
スイッチ、タッチパネル、ウェアラブルデバイス、グローブ型入力デバイス、モーションセンサ、ロボットアーム用センサなどがあげられる。
上記実施の形態では、第1の導電層11と、圧電シート10Aとを積層する場合について説明したが、第1の導電層11と圧電シート10Aとを積層せず分離して、配置するようにしてもよい。第1の導電層11と圧電シート10Aとは、隣接して並べてもよく、間を開けて配置してもよい。この場合、絶縁層12は設けなくてよい。このように構成しても、上記実施の形態と同様に厚みを薄く、かつ、フレキシブル性を高めることができる。また、静電誘導センサと圧電センサとを組み合わせることができ、検知精度を高めることができる。
Claims (7)
- 第1の導電層と、
第2の導電層、有機圧電材料を含んだ圧電層、及び、第3の導電層をこの順に含んだ圧電シートとを備え、
前記第1の導電層、前記第2の導電層、及び、前記第3の導電層は、電気伝導性を持つ高分子化合物を繊維基材に付着させた構造を有する
ことを特徴とする複合素子。 - 前記第1の導電層と、前記圧電シートとは、絶縁層を間に挟んで、積層されていることを特徴とする請求項1記載の複合素子。
- 前記高分子化合物は、ポリチオフェン系の導電性高分子化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1に記載の複合素子。
- 前記繊維基材は、シルク、綿、合成繊維、紙、及び、木材からなる群のうちの少なくとも1種を含み、
前記導電性高分子化合物は、酸化剤及びドーパントとしてp−トルエンスルホン酸の鉄塩を添加したポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンである
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の複合素子。 - 前記有機圧電材料は、ポリアミノ酸、多糖類、ポリ乳酸、または、ポリフッ化ビニリデンを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1に記載の複合素子。
- 前記第1の導電層は静電誘導センサとして機能し、前記圧電シートは圧電センサとして機能することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の複合素子。
- 請求項1から請求項6のいずれか1に記載の複合素子と、
前記第1の導電層と電気的に接続され、前記第1の導電層に生じる静電容量の変化を検出する第1の検出回路と、
前記第2の導電層及び前記第3の導電層とそれぞれ電気的に接続され、前記第2の導電層と前記第3の導電層との間の電圧変化を検出する第2の検出回路と
を備えたことを特徴とするセンサ。
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JP2017026396A (ja) * | 2015-07-17 | 2017-02-02 | 帝人株式会社 | 布帛状センサおよびこれを含むデバイス |
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2019
- 2019-01-23 JP JP2019008897A patent/JP7236686B2/ja active Active
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