JP2017026372A - 高速炉用燃料要素及び燃料集合体並びにそれを装荷される炉心 - Google Patents
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Abstract
共晶生成温度の低下を防止し、燃料被覆管の健全性を確保し得る高速炉用燃料要素、燃料集合体及びそれを装荷する炉心を提供する。
【解決手段】
マイナーアクチニド(MA)を含む金属燃料を燃料被覆管10内に封入した燃料要素1aは、横断面中央部金属燃料2と横断面中央部金属燃料2の外周部を囲む外周部金属燃料3からなる2層構造の燃料物質領域4を有する。横断面中央部金属燃料2は、マイナーアクチニド含有率の高い棒状燃料であり、外周部金属燃料3はマイナーアクチニド含有率の低い又はマイナーアクチニドを含有しない粒子状又は円筒状の金属燃料である。燃料要素1aは、多孔質の中間端栓7と下部端栓8との間に燃料被覆管10の内面により画定されるガスプレナム領域6を備える。
【選択図】 図1
Description
さて、原子炉の使用済燃料の再処理で発生する高レベル放射性廃棄物(HLW:High Level Radioactive Waste)のうち、マイナーアクチニド(MA:Minor Actinide)である、例えば、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)等は長期間放射能を有しており、このマイナーアクチニド(MA)をリサイクルして高速炉で核変換することによってHLWの有害度を減らし、かつ減衰速度を増大することにより、地層処分の負荷を減らし、環境負荷低減を図る研究が行われている。酸化物燃料に比べて金属燃料は、燃料密度が高いこと、また、中性子を減速する酸素を含まないため中性子の平均エネルギーが高い。このことから、金属燃料は、酸化物燃料に比べMA核変換の効率が良いとされている。そこで、MAを効率良く核変換するため、MAを一定の割合で燃料母材(U, Pu)に添加したMA含有燃料が使用されている。
このような金属燃料を使用する高速炉燃料要素として、例えば、特許文献1が提案されている。特許文献1には、燃料被覆管内に多数の粒子状の金属燃料体及び、金属燃料体の間隙に充填された不活性ガスを有し、粒子状の金属燃料体の焼結等により、隣り合うものの接触面積を増加させ、当該接触面を通じて行われる熱伝導によって、金属燃料体の溶融を防止する高速炉用燃料要素が開示されている。
マイナーアクチニド(MA)含有金属燃料では、添加されたマイナーアクチニド(MA)は、マイナーアクチニド(MA)割合が低いと燃料母材(U,Pu)中に微細な析出相として均質に分散する。一方、マイナーアクチニド(MA)割合が高い燃料では、マイナーアクチニド(MA)はより大きな析出相として偏在する傾向にある。ところが、アメリシウム(Am)等のマイナーアクチニド(MA)の共晶生成温度は、ウランやプルトニウムに比べて低いことから、MA含有率が高い金属燃料では燃料被覆管の健全性が、従来の燃料(MA添加なし)よりも低い温度で損なわれる可能性がある。従って、マイナーアクチニド(MA)を含有する金属燃料では、マイナーアクチニド(MA)による燃料被覆管との共晶生成温度低下を防止するための構造的な工夫が望まれる。
しかしながら、特許文献1に記載される高速炉用燃料要素では、粒子状の金属燃料体が燃料被覆管内面と直に接触する構造であるため、MA含有金属燃料を用いた場合、燃料被覆管との接触面で共晶生成温度の低下が生じる。そのため、例えば、従来の燃料(MA添加なし)より低い温度で燃料被覆管との共晶反応が生じ、燃料被覆管内面が侵食される可能性がある。すなわち、MA含有金属燃料を収納する燃料被覆管の健全性が低下する恐れがある。
そこで、本発明は、共晶生成温度の低下を防止し、燃料被覆管の健全性を確保し得る高速炉用燃料要素、燃料集合体及びそれを装荷する炉心を提供することにある。
また、本発明の燃料集合体は、燃料被覆管内にマイナーアクチニドを含む金属燃料を封入した燃料要素を、複数本束ねてラッパ管に収容し、高速炉の炉心に装荷される燃料集合体であって、前記各燃料要素は、燃料物質領域を、横断面中央部と当該横断面中央部を囲む外周部の2層構造とし、前記横断面中央部にマイナーアクチニド含有率の高い棒状燃料を収容し、前記外周部にマイナーアクチニド含有率の低い又はマイナーアクチニドを含有しない粒子状又は円筒状の金属燃料を収容することを特徴とする。
更にまた、本発明の高速炉の炉心は、内側炉心領域、外側炉心領域及び前記外側炉心領域を囲む径方向中性子反射体領域並びに径方向中性子遮蔽体領域からなる高速炉の炉心であって、前記内側炉心領域及び外側炉心領域に、燃料被覆管内にマイナーアクチニドを含む金属燃料を封入した燃料要素を複数本束ねてラッパ管に収容する燃料集合体を複数体装荷し、前記各燃料要素は、燃料物質領域を、横断面中央部と当該横断面中央部を囲む外周部の2層構造とし、前記横断面中央部にマイナーアクチニド含有率の高い棒状燃料を収容し、前記外周部にマイナーアクチニド含有率の低い又はマイナーアクチニドを含有しない粒子状又は円筒状の金属燃料を収容すると共に、前記燃料集合体は、前記複数の燃料要素の上部端栓の上方に、前記ラッパ管により画定されるナトリウムプレナム領域を備えることを特徴とする。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
このように、燃料被覆管内面に直接或は間接的に接触する上記外周部に収容される金属燃料(合金燃料)は、マイナーアクチニド(MA)含有率が低い又はマイナーアクチニド(MA)を含有しないため、マイナーアクチニド(MA)による燃料被覆管の共晶生成温度の低下が防止され、燃料被覆管の健全性を確保することが可能となる。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
燃料要素1aは、その上下の端部に、それぞれ上部端栓9及び下部端栓8を有し、ヘリウムガスを充填し燃料被覆管10内を封止する。また、燃料要素1aは、下部端栓8と多孔質の中間端栓7の間にガスプレナム領域6を備える。すなわち、ガスレプレナム領域6は、燃料物質領域4の下方に配される。なお、ガスプレナム領域6は、燃料被覆管10により画定される空間であり、横断面中央部金属燃料2及び外周部金属燃料3の核分裂により発生する、核分裂生成物(Fisson Products:FP)のガスを空間内に保持する。すなわち、ガスプレナム領域6は、核分裂生成物(FP)のガスを収めるガス溜として機能する。また、燃料物質領域4の上端部と上部端栓9との空間には、図示しないコイルばねが配されている。コイルばねは、上端が上部端栓9の下面と当接し、下端が燃料物質領域4を形成する横断面中央部金属燃料2及び外周部金属燃料3の上面(燃料物質領域4の上端部)と当接する。これにより、後述する燃料集合体の輸送或いは搬送時において、コイルばねの付勢力により燃料物質領域4を形成する横断面中央部金属燃料2及び外周部金属燃料3の健全性が確保される。なお、複数本の燃料要素1aを束ねて収容する燃料集合体が高速炉の炉心に装荷され運転状態におかれると、燃料物質領域4を形成する横断面中央部金属燃料2及び外周部金属燃料3は、熱膨張(スウェリング)し、燃料被覆管10の内面に当接ないしは密接するため、燃料被覆管10内で変位することなく固定状態となる。
炉心30の炉心領域(内側炉心領域31及び外側炉心領域32を含む)には、金属燃料を含む複数の燃料集合体20aが装荷されており、また、高速炉の起動時、停止時及び出力の調節時に用いられる制御棒35が装荷されている。制御棒35は、炭化ホウ素(B4C)ペレットをステンレス鋼製の被覆管に封入した複数の中性子吸収棒を有する。制御棒35は、主炉停止系及び後備炉停止系の独立した2系統の構成となっているが、図2ではこれらを区別せず記載している。
図2の下図に示されるように、隣接配置される3体の燃料集合体20aは、相互に対向するラッパ管21の側壁の間隙に、インターラッパーギャップ23が形成されている。このインターラッパーギャップ23は、炉心30内で炉心の軸方向上方へ流れる冷却材(液体Na)の流路となり、このインターラッパーギャップ23内を通流する冷却材の流れは、インターラッパー流と称される。また、図2の下図に示すように、横断面六角形状のラッパ管21内に複数本の燃料要素1aが稠密配置され、その配列は三角格子状となる。
ここで、横断面中央部金属燃料2であるマイナーアクチニド(MA)を含有する棒状燃料(U−Pu−MA−Zr合金)と、燃料被覆管10の主成分である鉄(Fe)の共晶生成温度は600℃以下である。一方、高速炉の運転状態においては、高速炉の炉心30は例えば650℃以上となる。そのため、高速炉の炉心30に装荷される燃料集合体20a内に束ねられる燃料要素1aの燃料物質領域4の下端部での温度は400℃、燃料物質領域4の上端部での温度は550℃から600℃となる。従って、仮に、横断面中央部金属燃料2が燃料被覆管10の内面に直接接触するような構造では、特に、燃料物質領域4の上端部付近では、共晶反応により燃料被覆管10の内面にFe−MAの化合物が形成され、燃料被覆管10の内面が侵食(腐食)され、燃料被覆管10の強度低下を招く恐れが生じる。
なお、外周部金属燃料3を、マイナーアクチニド(MA)を含有しない粒子状燃料(U−Pu−Zr合金)に替えて、マイナーアクチニド(MA)を含有しない粒子状燃料(U−Zr合金)とした場合、U−Zr合金とFeとの共晶生成温度は725℃であり、同様に、マイナーアクチニド(MA)による燃料被覆管の共晶生成温度の低下を防止し、燃料被覆管の健全性を確保することができる。
また、更に、本実施例の燃料要素1aでは、図1及び図3に示す通り、ガスプレナム領域6を燃料物質領域4の下方に設けている。そのため、複数本の燃料要素1aを束ねてラッパ管21内に収容する燃料集合体20aでは、燃料物質領域4の直上にNaプレナム領域22が設けられるため、Naプレナム領域22のボイド反応度低減効果が大きい。これにより、極めて稀ではあるが、万が一冷却材流量喪失等の過渡事象時(Unprotected Loss of Flow:ULOF時)においても、実効的なボイド反応度が負となり、高速炉の安全性の向上が図られる。
また、本実施例では、燃料集合体が、上述のマイナーアクチニド(MA)を含有する金属燃料を収容する燃料要素束の軸方向直上にNaプレナム領域を有することから、Naプレナム領域のボイド反応度を効果的に低減できる。これにより、極めて稀ではあるが、万が一冷却材流量喪失等の過渡事象時においても、実効的なボイド反応度が負となり、高速炉の安全性を向上することが可能となる。詳述すると、大型炉心の燃料物質領域が正のボイド反応度を有するのに対し、Naプレナム領域は中性子漏洩による負のボイド反応度を有することから、万が一の冷却材流量喪失等の過渡事象時に、Naプレナム領域のボイドにより炉心全体の実効的なボイド反応度を抑制でき、高速炉の安全性を向上できる。
燃料要素1bは、その上下の端部に、それぞれ上部端栓9及び下部端栓8を有し、ヘリウムガスを充填し燃料被覆管10を封止する。また、燃料要素1bは、下部端栓8と中間端栓7の間にガスプレナム領域6を備える。すなわち、ガスプレナム領域6は、燃料物質領域4の下方に配される。なお、ガスプレナム領域6は、燃料被覆管10により画定される空間であり、横断面中央部金属燃料2及び外周部金属燃料3の核分裂により生成される核分裂生成物(FP)のガスを空間内に保持するガス溜として機能する。
また、本実施例では、鉄を主成分とする燃料被覆管10の内面に直接接触する外周部金属燃料3を、マイナーアクチニド(MA)を含有しない粒子状燃料としたがこれに限られるものではない。例えば、外周部金属燃料3を、マイナーアクチニド(MA)含有率が2%以下の粒子状燃料(U−Pu−MA−Zr合金又はU−MA−Zr合金)とし、横断面中央部金属燃料2を、マイナーアクチニド(MA)含有率が2%を超える棒状燃料(U−Pu−MA−Zr合金又はU−MA−Zr合金)としても良い。これは、金属燃料では、マイナーアクチニド(MA)含有率が2%程度以下であれば、添加されたマイナーアクチニド(MA)は、燃料母材(U,Pu)中に微細な析出相として均質に分散するため、共晶生成温度への影響は小さいためである。
また、図6に示すように、液体Na12の液面と上部端栓9との間に、燃料被覆管10により画定されるガスプレナム領域6を有する。
このように、本実施例の燃料要素1cでは、燃料物質領域4を形成する外周部金属燃料3すら、燃料被覆管10の内面と直接接触することはないため、マイナーアクチニド(MA)による燃料被覆管の共晶生成温度の低下を防止し、燃料被覆管の健全性を確保することができる。
なお、本実施例では、外周部金属燃料3を、マイナーアクチニド(MA)を含有しない円筒状燃料としたがこれに限られるものではない。例えば、外周部金属燃料3を、マイナーアクチニド(MA)含有率が2%以下の円筒状燃料(U−Pu−MA−Zr合金又はU−MA−Zr合金)とし、横断面中央部金属燃料2を、マイナーアクチニド(MA)含有率が2%を超える棒状燃料(U−Pu−MA−Zr合金又はU−MA−Zr合金)としても良い。これは、金属燃料では、マイナーアクチニド(MA)含有率が2%程度以下であれば、添加されたマイナーアクチニド(MA)は、燃料母材(U,Pu)中に微細な析出相として均質に分散するため、共晶生成温度への影響は小さいためである。
本実施例によれば、上述の実施例1及び実施例2におけるNaプレナム領域によるボイド反応度の低減効果は奏し得ないものの、燃料物質領域の上方にガスプレナム領域を有する既存の燃料要素の構成に適用できると共に、マイナーアクチニド(MA)による燃料被覆管の共晶生成温度の低下を防止でき、燃料被覆管の健全性を確保することが可能となる。
上述の通り、燃料要素1dが複数本束ねて収容される燃料集合体内を流れる液体Na(冷却材)は、燃料集合体の下方に配されるエントランスノズルから導入され、燃料集合体の軸方向に沿って下方から上方へと流れる。そのため高速炉の運転状態においては、燃料物質領域4のうち、上端部付近ほど高温となり、その温度は550℃から600℃に達する。従って、燃料被覆管10が高温となる領域も、燃料物質領域4のうち上端部付近の領域、すなわち第1燃料物質領域13内となる。本実施例では、第1燃料物質領域13のみ2層構造とし、燃料被覆管10の内面に液体Naを介して間接的に接触する外周部金属燃料3を配する構成としたものである。これにより、マイナーアクチニド(MA)による燃料被覆管10の共晶生成温度の低下を防止し、燃料被覆管の健全性を確保することができる。
図7に示すように、燃料要素1dは、液体Naの液面と上部端栓9の下面との間に、燃料被覆管10の内面にて画定されるガスプレナム領域6を有する。
2・・・横断面中央部金属燃料
3・・・外周部金属燃料
4・・・燃料物質領域
6・・・ガスプレナム領域
7・・・中間端栓
8・・・下部端栓
9・・・上部端栓
10・・・燃料被覆管
11・・・開孔
12・・・液体Na
13・・・第1燃料物質領域
14・・・第2燃料物質領域
20a,20b・・・燃料集合体
21・・・ラッパ管(横断面六角形状のラッパ管)
22・・・Naプレナム領域
30・・・炉心
31・・・内側炉心領域
32・・・外側炉心領域
33・・・径方向中性子反射体領域
34・・・径方向中性子遮蔽体領域
35・・・制御棒
Claims (14)
- マイナーアクチニドを含む金属燃料を燃料被覆管内に封入した燃料要素であって、
燃料物質領域を、横断面中央部と当該横断面中央部を囲む外周部の2層構造とし、
前記横断面中央部にマイナーアクチニド含有率の高い棒状燃料を収容し、前記外周部にマイナーアクチニド含有率の低い又はマイナーアクチニドを含有しない粒子状又は円筒状の金属燃料を収容することを特徴とする高速炉用燃料要素。 - 請求項1に記載の高速炉用燃料要素において、
前記外周部に収容される粒子状又は円筒状の金属燃料は、マイナーアクチニド含有率が2%以下であることを特徴とする高速炉用燃料要素。 - 請求項2に記載の高速炉用燃料要素において、
前記燃料被覆管内に多孔質の中間端栓を備え、
当該中間端栓と上部端栓との間に前記燃料物質領域を配すると共に、前記中間端栓と下部端栓との間に前記燃料被覆管の内面により画定されるガスプレナム領域を有することを特徴とする高速炉用燃料要素。 - 請求項3に記載の高速炉用燃料要素において、
前記横断面中央部に収容されるマイナーアクチニド含有率の高い棒状燃料は、横断面中心部より軸方向に沿って、前記中間端栓へと向かい貫通する開孔を有することを特徴とする高速炉用燃料要素。 - 請求項2に記載の高速炉燃料要素において、
前記燃料物質領域は、当該燃料物質領域の上端部から下方へ向かい、前記燃料物質領域の軸方向長さの1/3の領域のみ、前記2層構造を有することを特徴とする高速炉用燃料要素。 - 燃料被覆管内にマイナーアクチニドを含む金属燃料を封入した燃料要素を、複数本束ねてラッパ管に収容し、高速炉の炉心に装荷される燃料集合体であって、
前記各燃料要素は、燃料物質領域を、横断面中央部と当該横断面中央部を囲む外周部の2層構造とし、前記横断面中央部にマイナーアクチニド含有率の高い棒状燃料を収容し、前記外周部にマイナーアクチニド含有率の低い又はマイナーアクチニドを含有しない粒子状又は円筒状の金属燃料を収容することを特徴とする燃料集合体。 - 請求項6に記載の燃料集合体において、
前記複数の燃料要素の上方に、前記ラッパ管の内面により画定されるナトリウムプレナム領域を有することを特徴とする燃料集合体。 - 請求項7に記載の燃料集合体において、
前記各燃料要素は、マイナーアクチニド含有率が2%以下の金属燃料を前記外周部に収容することを特徴とする燃料集合体。 - 請求項8に記載の燃料集合体において、
前記各燃料要素は、前記燃料被覆管内に多孔質の中間端栓を備え、
前記中間端栓と上部端栓との間に前記燃料物質領域を配すると共に、前記中間端栓と下部端栓との間に前記燃料被覆管の内面により画定されるガスプレナム領域を有することを特徴とする燃料集合体。 - 請求項9に記載の燃料集合体において、
前記各燃料要素は、横断面中心部より軸方向に沿って前記中間端栓へと向かい貫通する開孔を有する前記マイナーアクチニド含有率の高い棒状燃料を、前記横断面中央部に収容することを特徴とする燃料集合体。 - 内側炉心領域、外側炉心領域及び前記外側炉心領域を囲む径方向中性子反射体領域並びに径方向中性子遮蔽体領域からなる高速炉の炉心であって、
前記内側炉心領域及び外側炉心領域に、燃料被覆管内にマイナーアクチニドを含む金属燃料を封入した燃料要素を複数本束ねてラッパ管に収容する燃料集合体を複数体装荷し、
前記各燃料要素は、燃料物質領域を、横断面中央部と当該横断面中央部を囲む外周部の2層構造とし、前記横断面中央部にマイナーアクチニド含有率の高い棒状燃料を収容し、前記外周部にマイナーアクチニド含有率の低い又はマイナーアクチニドを含有しない粒子状又は円筒状の金属燃料を収容すると共に、
前記燃料集合体は、前記複数の燃料要素の上方に、前記ラッパ管により画定されるナトリウムプレナム領域を備えることを特徴とする高速炉の炉心。 - 請求項11に記載の高速炉の炉心において、
前記各燃料要素は、マイナーアクチニド含有率が2%以下の金属燃料を前記外周部に収容することを特徴とする高速炉の炉心。 - 請求項12に記載の高速炉の炉心において、
前記各燃料要素は、前記燃料被覆管内に多孔質の中間端栓を備え、
前記中間端栓と上部端栓との間に前記燃料物質領域を配すると共に、前記中間端栓と下部端栓との間に前記燃料被覆管の内面により画定されるガスプレナム領域を有することを特徴とする高速炉の炉心。 - 請求項13に記載の高速炉の炉心において、
前記各燃料要素は、横断面中心部より軸方向に沿って前記中間端栓へと向かい貫通する開孔を有する前記マイナーアクチニド含有率の高い棒状燃料を、前記横断面中央部に収容することを特徴とする高速炉の炉心。
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