JP2017026127A - 接触式シール及び転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり軸受の内部への有害異物の侵入を接触式シールで防止することと、シールリップの吸着を防止することの両立性を向上させる。【解決手段】接触式シール9は、内輪4及び外輪5の一方に周方向全周に亘って取り付けられる周縁部10と、内輪4及び外輪5の他方に周方向全周に亘って滑り接触させるシールリップ11と、シールリップ11を形成する材料が周方向全周に亘って付着している芯金13と、芯金13に形成された貫通孔14を塞ぐ膜部15と、を有する。膜部15には、貫通孔14を通じて転がり軸受3の内部6及び外部間に亘るスリット16が形成される。スリット16は、転がり軸受3の内部6及び外部間の圧力差に応じた膜部15の変形によって開閉する。【選択図】図1

Description

この発明は、転がり軸受の内部を外部に対して密封する接触式シールに関する。
例えば、自動車用トランスミッションの歯車減速機では、潤滑油に混入する歯車の摩耗粉などの硬質異物が歯車軸を支持する転がり軸受の内部に侵入することによって、転がり軸受の寿命が低下することがあり、これを防止するために、接触式シールを両側面に設けた転がり軸受を適用する場合がある。
一般的な接触式シールは、内輪及び外輪の一方に取り付けられる周縁部と、内輪及び外輪の他方に滑り接触させるシールリップと、シールリップを形成するゴム材が付着している芯金とを有する。接触式シールは、転がり軸受の内部及び外部間に生じた圧力差の影響を受ける。例えば、歯車減速機の温度変化により、接触式シールで密封された転がり軸受の内部の圧力が外部に対して低くなると、シールリップが吸着し、軸受回転トルクの上昇もしくはシールリップの摩耗などの懸念が生じる。このため、従来、シールリップの吸着を抑える手段が考案されている(特許文献1〜3)。
特許文献1では、接触式シールのうち、軌道輪へ固定する側の一部に切欠き及び溝を設け、軸受内部と外部を連通させることにより、軸受内部と外部間の圧力差を解消している。
特許文献2では、接触式シールのリップの一部にスリットを設けることにより、特許文献1と同様に圧力差を解消している。
特許文献3では、接触式シールの芯金に貫通孔を形成し、この貫通孔を芯金に付着させたゴムの膜部で塞ぐことにより、転がり軸受の内部と外部間の圧力差に応じて膜部が弾性的に変形し、この変形に伴う当該内部の容積変化で圧力差が緩和されるようにしている。
実開平1−158824号公報 実開平6−73454号公報 特開2005−226826号公報(特に図2、段落0044〜0046)
特許文献1や特許文献2の接触式シールでは、接触式シールに設けた切欠きや溝によって軸受内部と外部を通気するため、常に軸受内部と外部が切欠き等の大きな空間で連通しており、軸受寿命に悪影響を及ぼすとされる粒径の大きな有害異物が外部から切欠き等の空間を経て軸受内部に侵入する可能性があった。
特許文献3の接触式シールでは、芯金の貫通孔を塞ぐ膜部の変形量に限界があるため、軸受内部の容積を変化させて圧力差を緩和できる性能が限られ、シールリップの吸着を完全に抑えることが困難であった。
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、転がり軸受の内部への有害異物の侵入を接触式シールで防止することと、シールリップの吸着を防止することの両立性を向上させることである。
上記の課題を達成するため、この発明は、転がり軸受の内部を外部に対して密封する接触式シールにおいて、前記内輪及び外輪の一方に周方向全周に亘って取り付けられる周縁部と、前記内輪及び外輪の他方に周方向全周に亘って滑り接触させるシールリップと、前記シールリップを形成する材料が周方向全周に亘って付着している芯金と、前記芯金に形成された貫通孔を塞ぐ膜部と、を有し、前記膜部には、前記貫通孔を通じて前記転がり軸受の内部及び外部間に亘るスリットが、当該内部及び外部間の圧力差に応じた当該膜部の変形によって開閉するように形成されている、という構成を採用したものである。
上記構成によれば、内輪及び外輪の一方と周縁部間、内輪及び外輪の他方とシールリップ間で切欠き等による隙間がなく、これらの間から有害異物が転がり軸受の内部へ侵入する懸念がない。
また、転がり軸受の内部及び外部間の圧力差に応じて、芯金の貫通孔を塞ぐ膜部の変形が大きくなったり、小さくなったりし、その膜部に形成されたスリット(切り込み)が開いたり、閉じたりする。圧力差が小さくてスリットが閉じているとき、膜部が貫通孔を塞いでおり、貫通孔から有害異物が転がり軸受の内部へ侵入する懸念がない。圧力差が大きくてスリットが開いているとき、スリット及び貫通孔を通じて転がり軸受の内部及び外部間が連通し、圧力差の解消が進む。この解消進行で膜部の変形が小さくなってスリットが閉じ、膜部が貫通孔を塞ぐ状態に戻る。このように、転がり軸受の内部及び外部間の圧力差が一定の範囲を超えたときのみ当該内部及び外部間で通気するため、有害異物の侵入の危険性を最小限にすることが可能である。
したがって、この発明は、上記構成の採用により、転がり軸受の内部への有害異物の侵入を接触式シールで防止することと、シールリップの吸着を防止することの両立性を向上させることができる。
この発明の第1実施形態に係る転がり軸受を示す断面図 (a)は第1実施形態に係る接触式シールの拡大図、(b)は第1実施形態に係る接触式シールの側面図 図1に示す接触式シールの膜部が転がり軸受の内部側へ変形してスリットが開いた状態を示す部分拡大断面図 図1に示す接触式シールの膜部が転がり軸受の外部側へ変形してスリットが開いた状態を示す部分拡大断面図 この発明の第2実施形態に係るスリットを示す部分側面図 この発明の第3実施形態に係るスリットを示す部分側面図 この発明の第4実施形態に係るスリットを示す部分側面図 この発明の第5実施形態に係るスリットを示す部分側面図 この発明に係る転がり軸受を組み込んだトランスミッションの一例を示す概略図
以下、この発明の第1実施形態を添付図面の図1〜図4に基づいて説明する。図1は、歯車減速機のハウジング1の内周と、歯車軸2の外周との間に第1実施形態に係る転がり軸受3が配置された状態を示す。なお、以下で用いる「周方向」は、転がり軸受3の軸受中心軸を中心とした円周方向のことを意味し、「軸方向」は、軸受中心軸に沿った方向のことを意味し、「径方向」は、軸受中心軸と直角な方向を意味する。
歯車減速機は、例えば、副軸式、遊星歯車式等の自動車用トランスミッションである。
転がり軸受3は、歯車軸2に取り付けられた内輪4と、歯車減速機のハウジング1に取り付けられた外輪5と、転がり軸受3の内部6に配置された転動体7と、転動体7を保持する保持器8と、内部6を外部に対して密封する接触式シール9とを備える。内輪4は、外周に軌道を有する環状部材からなる。外輪5は、内周に軌道を有する環状部材からなる。転がり軸受3の内部6は、内輪4及び外輪5間の環状空間からなる。両側の接触式シール9、9は、転がり軸受3の内部6と外部との境界を成す。転がり軸受3の外部は、歯車軸2を収容する歯車減速機のハウジング1の内部に位置し、例えば、歯車軸2や転がり軸受3を浸けるオイルバスが存在する。第1実施形態では転がり軸受3として歯車減速機の歯車軸を支持する玉軸受を例示したが、この発明に係る接触式シールは、ころ軸受、複列軸受等、他形式のシール軸受にも適用することが可能である。
接触式シール9は、内輪4及び外輪5のうち、一方の外輪5に周方向全周に亘って取り付けられる周縁部10と、他方の内輪4に周方向全周に亘って滑り接触させるシールリップ11と、シールリップ11よりも外部側で内輪4の外周との間にラビリンスシールを形成するラジアルリップ12と、シールリップ11及びラジアルリップ12を形成する材料が周方向全周に亘って付着している芯金13と、芯金13に形成された貫通孔14を塞ぐ膜部15と、を有する。図1の接触式シール9の部分の拡大図を図2(a)に示す。図2(b)は、接触式シール9を図2(a)の図中左側の側面(図1の転がり軸受3の内部6側になる側面)を示す。図2(b)中のII−II線は、図2(a)に対応の切断箇所を示す。
図2(a)、(b)に示すように、シールリップ11、ラジアルリップ12を形成する材料は、芯金13に加硫成形することによって付着させられたゴム材になっている。
芯金13は、金属板からプレス加工で成形された環状部材になっており、外周縁を成すように軸方向に曲げたフランジ状の板曲げ部と、その板曲げ部から径方向に沿った円環板状の側面部と、保持器8の内径に近い位置で側面部から保持器8側へ傾いた先端部とからなる。
貫通孔14は、芯金13の側面部を軸方向に貫通しており、周方向に延びた円弧状になっている。貫通孔14は、周方向に均等な間隔で並ぶように周方向の複数個所に形成されている。
膜部15は、図1に示す転がり軸受3の内部6の圧力と外部の圧力のうち、大きな方の圧力を受けて可逆的な変形を生じる。図2(a)、(b)に示すように、1つの膜部15は、芯金13の外部側表面の全部を覆うように付着させられたゴム材のうち、1つの貫通孔14を塞ぐ部分からなる。したがって、膜部15は、周方向の複数個所に貫通孔14と同じ数及び間隔で設けられている。
膜部15は、シールリップ11等と同じ材料で形成されているので、可逆的な変形を長期間に亘って繰り返すことに耐え得るゴム弾性をもっている。膜部15は、シールリップ11と同じ材料に限られないが、シールリップ11と同材料にすれば、シールリップ11の成形時に貫通孔14を塞ぐように設けることができ、十分な耐久性を与えることができる。
膜部15には、図1、図2(a)、(b)に示すように、貫通孔14を通じて転がり軸受3の内部6及び外部間に亘るスリット16が形成されている。スリット16は、芯金13に付着させた膜部15を軸方向に貫通するように切り込むことによって形成されている。転がり軸受3の内部6及び外部間の圧力差に応じて、貫通孔14を塞ぐ膜部15の変形が大きくなったり、小さくなったりし、膜部15に形成されたスリット16が開いたり、閉じたりする。図1、図2(a)、(b)は、転がり軸受3の内部6と外部とが同じ圧力になっており、スリット16が閉じているときの様子を示している。図3は、転がり軸受3の内部6の圧力が外部よりも低く、この圧力差によって膜部15が弾性的に変形し、スリット16が開いているときの様子を示す。図4は、逆に、転がり軸受3の内部6の圧力が外部よりも高く、この圧力差によって膜部15が弾性的に変形し、スリット16が開いているときの様子を示す。このように、スリット16は、転がり軸受3の内部6及び外部間の圧力差に応じた膜部15の変形によって開閉する。転がり軸受3の内部6及び外部間の圧力差が小さくてスリット16が図1に示すように閉じているとき、膜部15が貫通孔14を塞いでおり、貫通孔14から有害異物が転がり軸受3の内部6へ侵入する懸念がない。転がり軸受3の内部6及び外部間の圧力差が大きくてスリット16が図3、図4に示すように開いているとき、スリット16及び貫通孔14を通じて転がり軸受3の内部6及び外部間が連通し、この間で通気が生じて当該圧力差の解消が進む。この解消進行で膜部15の変形が小さくなってスリット16が閉じ、図1に示すように膜部15が貫通孔14を塞ぐ状態に戻る。
スリット16を膜部15に切り込むパターンは、転がり軸受3の内部6及び外部間の圧力差を受ける膜部15の変形によって開閉する限り、適宜のパターンの切れ目にすることが可能である。図示例のスリット16は、周方向に延びた円弧状に形成されている。特にスリット16は、膜部15、貫通孔14の径方向幅の中央を通る円周上に延びている。これにより、スリット16の周方向長さを貫通孔14の周方向長さの範囲内で最も長く得易くしている。
接触式シール9は、周縁部10を外輪5に形成されたシール溝17に圧入嵌合することによって外輪5に取り付けられる。なお、周縁部10は、シール溝17によって保持され易くするため、シールリップ11と同じゴム材料を芯金13の板曲げ部に付着させることによって形成されている。例えば、周縁部10を芯金13のみで構成し、外輪5の内周に直接に圧入嵌合するようにしてもよい。
接触式シール9が正規に外輪5に取り付けられ、内輪4及び外輪5が同心かつ転がり軸受3の内部6が外部と同じ温度及び圧力になった定常状態のとき、シールリップ11が、内輪4に形成されたシール面18に周方向全周に亘って接触し、ラジアルリップ12が内輪4から僅かに浮くように設計されている。シールリップ11とシール面18間には、転がり軸受3の運転中の接触を維持するための締め代が設定されている。転がり軸受3の内部6の負圧化は、接触式シール9を当該内部6側へ傾け、さらにシールリップ11を当該内部6側へ吸い込んでシール面18に吸着させる原因になる。
第1実施形態に係る接触式シール9は、上述のようなものであり、内輪4及び外輪5の一方に周方向全周に亘って取り付けられる周縁部10と、内輪4及び外輪5の他方に周方向全周に亘って滑り接触させるシールリップ11と、シールリップ11を形成する材料が周方向全周に亘って付着している芯金13と、を備えるので、内輪4及び外輪5の一方と周縁部10間、内輪4及び外輪5の他方とシールリップ11間で切欠き等による隙間がなく、これらの間から有害異物が転がり軸受3の内部6へ侵入する懸念がない。
また、接触式シール9は、芯金13に形成された貫通孔14を塞ぐ膜部15を有し、膜部15には、貫通孔14を通じて転がり軸受3の内部6及び外部間に亘るスリット16が当該内部6及び外部間の圧力差に応じた膜部15の変形によって開閉するように形成されているので、図1に示すように、転がり軸受3の内部6及び外部間に圧力差がないとき、膜部15の弾性力によってスリット16が閉じられており、当該内部6及び外部間での通気が遮断される。一方、転がり軸受3の内部6及び外部間に圧力差が生じると、膜部15は圧力に押されて変形する。その圧力差がある一定の圧力に達すると、それまで閉じられていたスリット16が開き、転がり軸受3の内部6及び外部間でスリット16の開口及び貫通孔14を経路とした通気が起こり、その圧力差が解消される。スリット16の開口量は、図3又は図4に示すように、その通気が成される必要最小限であり、また、その圧力差が解消した後は、再びスリット16が図1の閉じた状態に戻り、膜部15によって貫通孔14が塞がれて通気が遮断される。このように、転がり軸受3の内部6及び外部間の圧力差を一定の範囲以下に抑えることが可能となり、ひいては、シールリップ11が吸着することによる軸受回転トルクの上昇やシールリップ11の摩耗等の問題を回避することができる一方、そのための通気は、必要な時のみで、そのためのスリット16の開口量も最小限の大きさにすることが可能となり、転がり軸受3の寿命に悪影響を与える大きさの有害異物、例えば歯車の欠片が転がり軸受3の内部6に侵入する可能性を限りなく低くすることができる。したがって、第1実施形態に係る接触式シール9は、転がり軸受3の内部6への有害異物の侵入を接触式シール9で防止することと、シールリップ11の吸着を防止することの両立性を向上させることができる。
また、第1実施形態に係る接触式シール9は、膜部15が周方向の複数個所に設けられているので、各貫通孔14やスリット16を小さくして有害異物の侵入不可なスリット16の開口量に設定しつつ、十分な通気性を得ることができる。
また、第1実施形態に係る接触式シール9は、膜部15及びスリット16が周方向に延びた円弧状に形成されているので、スリット16の周方向長さを長く設定することが可能であり、これにより、膜部15の変形性を良くして、スリット16が開くときの圧力差の値を小さくすることができる。このことは、圧力差の拡大の早期防止、ひいてはシールリップ11の吸着の早期防止に有利である。
なお、貫通孔、膜部及びスリットの形状は、それぞれ目的や適用サイズによって様々に変更することが可能である。例えば、膜部の大きさやスリットの長さを適宜設定することで、スリットが開く際の圧力差の大きさを調整することが可能である。そのような変更例を第2実施形態以下に示す。なお、以下では、第1実施形態との相違点を述べるに留める。
図5に第2実施形態を示す。第2実施形態の膜部20に切り込まれたスリット21は、径方向と直角な方向に延びた直線状に形成されている。このため、スリット21は、接触式シール9のある1本の直径線に対して直交する一直線の合口になっており、ぴったりと閉じ易くすることができる。第2実施形態のようなスリット21は、圧力差の解消よりも異物の侵入防止を重視する場合に好適である。
図6に第3実施形態を示す。第3実施形態の膜部30に切り込まれたスリット31は、蛇行状に形成されている。このスリット31は、限られた膜部30の面積の中でスリット31の総延長を直線状に比して長くし、膜部30の変形性を良くすることができる。第3実施形態のようなスリット31は、小径な軸受でスリット31が開くときの圧力差を小さくしたい場合に好適である。
図7に第4実施形態を示す。第4実施形態の芯金40には、円形の貫通孔41が形成されており、膜部42も貫通孔41に対応の円形領域になっている。膜部42に切り込まれたスリット43は、径方向に延びた直線状に形成されている。このため、スリット43は、周方向に長さを取らず径方向の長さを活かして膜部42の変形性を良くすることができる。第4実施形態のようなスリット43は、膜部42及び貫通孔41を周方向に大きく取れない小径の軸受でスリット43が開くときの圧力差を小さくしたい場合に好適である。
図8に第5実施形態を示す。第5実施形態は、第4実施形態のスリットパターンを変更したものである。第5実施形態の膜部50に切り込まれたスリット51は、交差する複数の直線状部52、53を有するように形成されている。このため、膜部50が直線状部52、53の交差点から捲れるように変形し易くなり、スリット51が開くときの圧力差を1本の直線状のスリットに比して小さくすることができる。第5実施形態のようなスリット51は、更に小径の軸受でスリット51が開くときの圧力差を小さくしたい場合に好適である。
図9は、歯車減速機である自動車用のトランスミッションの一例を示す概略図である。図示例の歯車減速機は、メインシャフト101とカウンターシャフト102とを有する副軸式のオートマチックトランスミッションになっている。これら両シャフト101,102を内包するミッションハウジング103と、歯車軸であるメインシャフト101との間に、上述のいずれかの実施形態に係る転がり軸受100が介在している。転がり軸受100の外輪は、ミッションハウジング103に形成された軸受座に嵌合されている。転がり軸受100の内輪は、メインシャフト101に取り付けられている。メインシャフト101は、一対の転がり軸受100により、ミッションハウジング103に対して回転自在に支持されている。メインシャフト101と平行に設けられたカウンターシャフト102は、メインシャフト101の歯車104,105に噛み合う歯車106,107を有し、ミッションハウジング103に軸受を介して回転自在に支持されている。このように転がり軸受100がトランスミッション内の軸受として用いられる場合、転がり軸受100の接触式シールにより、歯車104、105の欠片等の有害異物が転がり軸受100内に侵入することを防止しつつ、シールリップの吸着を防止することができる。
今回開示された各実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 歯車減速機のハウジング
2 歯車軸
3 転がり軸受
4 内輪
5 外輪
6 内部
7 転動体
9 接触式シール
10 周縁部
11 シールリップ
13、40 芯金
14、41 貫通孔
15、20、30、42、50 膜部
16、21、31、43、51 スリット
17 シール溝
18 シール面
52、53 直線状部

Claims (8)

  1. 転がり軸受の内部を外部に対して密封する接触式シールにおいて、
    前記内輪及び外輪の一方に周方向全周に亘って取り付けられる周縁部と、
    前記内輪及び外輪の他方に周方向全周に亘って滑り接触させるシールリップと、
    前記シールリップを形成する材料が周方向全周に亘って付着している芯金と、
    前記芯金に形成された貫通孔を塞ぐ膜部と、を有し、
    前記膜部には、前記貫通孔を通じて前記転がり軸受の内部及び外部間に亘るスリットが、当該内部及び外部間の圧力差に応じた当該膜部の変形によって開閉するように形成されていることを特徴とする接触式シール。
  2. 前記膜部が、周方向の複数個所に設けられている請求項1に記載の接触式シール。
  3. 前記膜部及び前記スリットが、周方向に延びた円弧状に形成されている請求項1又は2に記載の接触式シール。
  4. 前記スリットが、径方向と直角な方向に延びた直線状に形成されている請求項1又は2に記載の接触式シール。
  5. 前記スリットが、径方向に延びた直線状に形成されている請求項1又は2に記載の接触式シール。
  6. 前記スリットが、蛇行状に形成されている請求項1又は2に記載の接触式シール。
  7. 前記スリットが、交差する複数の直線状部を有するように形成されている請求項1又は2に記載の接触式シール。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の接触式シールを備え、歯車減速機の歯車軸を支持する転がり軸受。
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