JP2017025972A - 流体圧アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧駆動とした場合など、高い圧力が掛かる場合でも充分な耐久性を有する流体圧アクチュエータを提供する。【解決手段】本流体圧アクチュエータは、流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状のチューブ110と、所定方向に配向されたコード121を編み込んだ構造体であり、チューブの外周面を覆うスリーブ120とによって構成されアクチュエータ本体部100を備える。コード121は、スチールで構成され、コード121の表面をコーティングしたコーティング層を有する。コーティング層は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または前記熱可塑性樹脂及び前記熱硬化樹脂の混合物によって形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、気体または液体を用いてチューブを膨張及び収縮させる流体圧アクチュエータに関し、具体的には、いわゆるマッキベン型の流体圧アクチュエータに関する。
従来、上述したようなチューブを膨張及び収縮させる流体圧アクチュエータとしては、空気圧によって膨張、収縮するゴム製のチューブ(管状体)と、チューブの外周面を覆うスリーブ(網組補強構造)とを有する構造(いわゆるマッキベン型)が広く用いられている(例えば、特許文献1)。
チューブ及びスリーブによって構成されるアクチュエータ本体部の両端は、金属で形成された封止部材を用いてかしめられる。
スリーブは、ポリアミド繊維などの高張力繊維または金属のコードを編み込んだ筒状の構造体であり、チューブの膨張運動を所定範囲に規制する。
このような流体圧アクチュエータは、様々な分野で用いられているが、特に、介護・福祉用機器の人工筋肉として好適に用いられている。
特開昭61-236905号公報
上述したような流体圧アクチュエータにおいて、より高い収縮力が求められている。例えば、介護・福祉用機器の人工筋肉以外でも、ロボットに用いられる流体圧アクチュエータでは、より高い収縮力が求められる。
このような高い収縮力を実現するためには、流体に鉱物油などを用いた油圧駆動とすることが考えられる。しかしながら、油圧駆動の場合、チューブ及びスリーブには、大幅に高い圧力が掛かるため、高い耐久性が求められる。
このような高い圧力が流体圧アクチュエータの内部に掛かると、アクチュエータ本体部が破損する可能性が高まる。特に、チューブの膨張範囲を規制するスリーブが損傷したり、チューブの特定箇所への応力集中によってチューブが損傷してしたりすることが懸念される。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、油圧駆動とした場合など、高い圧力が掛かる場合でも充分な耐久性を有する流体圧アクチュエータの提供を目的とする。
本発明の一態様に係る流体圧アクチュエータ(流体圧アクチュエータ10)は、流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状のチューブ(チューブ110)と、所定方向に配向されたコード(コード121)を編み込んだ構造体であり、前記チューブの外周面を覆うスリーブ(スリーブ120)とによって構成されるアクチュエータ本体部(アクチュエータ本体部100)を備える。前記コードは、スチールで構成される。流体圧アクチュエータは、前記コードの表面をコーティングしたコーティング層(コーティング層122)を有する。前記コーティング層は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または前記熱可塑性樹脂及び前記熱硬化樹脂の混合物によって形成されている。
本発明の一態様において、前記コーティング層は、オレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びウレタン樹脂の何れか、または複数が配合されたものであってもよい。
本発明の一態様において、前記流体圧アクチュエータは、前記アクチュエータ本体部の軸方向における端部を封止する封止部材(例えば、封止部材210)と、前記アクチュエータ本体部を前記封止部材とともにかしめるかしめ部材(例えば、かしめ部材230)とを有し、前記かしめ部材は、前記コーティング層と同一の前記熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または前記熱可塑性樹脂及び前記熱硬化樹脂の混合物によって形成されてもよい。
本発明の一態様において、前記コードの直径は、0.2mm以下であってもよい。
本発明の一態様に係る流体圧アクチュエータによれば、油圧駆動とした場合など、高い圧力が掛かる場合でも充分な耐久性を有する。
図1は、流体圧アクチュエータ10の側面図である。 図2は、流体圧アクチュエータ10の一部分解斜視図である。 図3は、封止機構200を含む流体圧アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。 図4は、アクチュエータ本体部100の一部展開斜視図である。 図5は、コード121の径方向に沿った断面図である。 図6は、本変更例に係る封止機構200Aを含む流体圧アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
(1)流体圧アクチュエータの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る流体圧アクチュエータ10の側面図である。図1に示すように、流体圧アクチュエータ10は、アクチュエータ本体部100、封止機構200及び封止機構300を備える。また、流体圧アクチュエータ10の両端には、連結部20がそれぞれ設けられる。
アクチュエータ本体部100は、チューブ110とスリーブ120とによって構成される。アクチュエータ本体部100には、フィッティング400及び通過孔410を介して流体が流入する。
アクチュエータ本体部100は、チューブ110内への流体の流入によって、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおいて収縮し、径方向DRにおいて膨張する。また、アクチュエータ本体部100は、チューブ110から流体の流出によって、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおいて膨張し、径方向DRにおいて収縮する。このようなアクチュエータ本体部100の形状変化によって、流体圧アクチュエータ10は、アクチュエータとしての機能を発揮する。
流体圧アクチュエータ10の駆動に用いられる流体は、空気などの気体、または水、鉱物油などの液体のどちらでもよいが、特に、流体圧アクチュエータ10は、アクチュエータ本体部100に高い圧力が掛かる油圧駆動にも耐え得る高い耐久性を有する。
また、このような流体圧アクチュエータ10は、いわゆるマッキベン型であり、人工筋肉用として適用できることは勿論のこと、より高い能力(収縮力)が要求されるロボットの体肢(上肢や下肢など)用としても好適に用い得る。連結部20には、当該体肢を構成する部材などが連結される。
封止機構200及び封止機構300は、軸方向DAXにおけるアクチュエータ本体部100の両端部を封止する。具体的には、封止機構200は、封止部材210及びかしめ部材230を含む。封止部材210は、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXの端部を封止する。また、かしめ部材230は、アクチュエータ本体部100を封止部材210とともにかしめる。かしめ部材230の外周面には、治具によってかしめ部材230がかしめられた痕である圧痕231が形成される。
封止機構200と封止機構300との相違点は、フィッティング400(及び通過孔410)が設けられているか否かである。
フィッティング400は、流体圧アクチュエータ10の駆動圧力源、具体的には、気体や液体のコンプレッサと接続されたホース(管路)を取り付けられるように突出している。フィッティング400を介して流入した流体は、通過孔410を通過してアクチュエータ本体部100の内部、具体的には、チューブ110の内部に流入する。
図2は、流体圧アクチュエータ10の一部分解斜視図である。図2示すように、流体圧アクチュエータ10は、アクチュエータ本体部100及び封止機構200を備える。
アクチュエータ本体部100は、上述したように、チューブ110とスリーブ120とによって構成される。
チューブ110は、流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状の筒状体である。チューブ110は、流体による収縮及び膨張を繰り返す。
スリーブ120は、円筒状であり、チューブ110の外周面を覆う。スリーブ120は、所定方向に配向されたコードを編み込んだ構造体であり、配向されたコードが交差することによって菱形の形状が繰り返されている。スリーブ120は、このような形状を有することによって、パンタグラフ変形し、チューブ110の収縮及び膨張を規制しつつ追従する。
スリーブ120を構成するコードの材質などについては後述する。
封止機構200は、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおける端部を封止する。封止機構200は、封止部材210、係止リング220及びかしめ部材230によって構成される。
封止部材210は、胴体部211及び鍔部212を有する。封止部材210としては、ステンレス鋼などの金属を好適に用い得るが、このような金属に限定されず、硬質プラスチック材料などを用いてもよい。
胴体部211は、円管状であり、胴体部211には、流体が通過する通過孔215が形成される。通過孔215は、通過孔410(図1参照)に連通する。胴体部211には、チューブ110が挿通される。
鍔部212は、胴体部211に連なっており、胴体部211よりも流体圧アクチュエータ10の軸方向DAXにおける端部側に位置する。鍔部212は、胴体部211よりも外径が大きい。鍔部212は、胴体部211に挿通されたチューブ110及び係止リング220を係止する。
胴体部211の外周面には、凹凸部213が形成される。凹凸部213は、胴体部211に挿通されたチューブ110の滑り抑制に寄与する。凹凸部213による凸部分が3つ以上形成されることが好ましい。
また、胴体部211の鍔部212寄りに位置には、胴体部211よりも外径が小さい小径部214が形成される。なお、小径部214の形状については、図3以降においてさらに説明する。
係止リング220は、スリーブ120を係止する。具体的には、スリーブ120は、係止リング220を介して径方向DR外側に折り返される(図2において不図示、図3参照)。
係止リング220の外径は、胴体部211の外径よりも大きい。係止リング220は、胴体部211の小径部214の位置においてスリーブ120を係止する。つまり、係止リング220は、胴体部211の径方向DR外側であって、鍔部212に隣接する位置において、スリーブ120を係止する。
係止リング220は、胴体部211よりも小さい小径部214に係止させるため、本実施形態では、二分割の形状としている。なお、係止リング220は、二分割に限らず、より多くの部分に分割してもよいし、一部の分割部分が回動可能に連結されていてもよい。
係止リング220としては、封止部材210と同様の金属や硬質プラスチック材料などを用いることができる。
かしめ部材230は、アクチュエータ本体部100を封止部材210とともにかしめる。かしめ部材230としては、アルミニウム合金、真鍮、及び鉄などの金属を用いることができる。なお、後述するように、かしめ部材230は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または熱可塑性樹脂及び熱硬化樹脂の混合物によって形成しても構わない。
かしめ用の治具によってかしめ部材230がかしめられると、かしめ部材230には、図1に示したような圧痕231が形成される。
(2)封止機構の構成
図3は、封止機構200を含む流体圧アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。
上述したように、封止部材210は、胴体部211の外径よりも小さい外径を有する小径部214を有する。
係止リング220は、小径部214の径方向DR外側に配置される。係止リング220の内径R1は、胴体部211の外径R3よりも小さい。なお、係止リング220の外径R2も、胴体部211の外径R3よりも小さくてもよい。
チューブ110は、鍔部212に当接するまで胴体部211に挿通される。一方、スリーブ120は、係止リング220を介して径方向DR外側に折り返されている。この結果、スリーブ120は、係止リング220を介して折り返された折り返し部120aを有する。
折り返し部120aは、チューブ110の径方向DR外側に位置するスリーブ120、つまり、係止リング220で折り返される前のスリーブ120と接着されている。
具体的には、スリーブ120と折り返し部120aとの間には、接着層240が形成される。なお、接着層240は、スリーブ120を構成するコードの種類によって適切な接着剤が用いればよい。
さらに、接着層240は、後述するコーティング層122と同一の樹脂を含んでいてもよい。また、かしめ部材230と折り返し部120aとの間に、コーティング層122と同一の樹脂を含むシート状の部材を介在させてもよい。
かしめ部材230は、封止部材210の胴体部211の外径よりも大きく、胴体部211に挿通された上で治具によってかしめられる。かしめ部材230は、アクチュエータ本体部100を封止部材210とともにかしめる。
具体的は、かしめ部材230は、胴体部211に挿通されたチューブ110、チューブ110の径方向DR外側に位置するスリーブ120、及び折り返し部120aをかしめる。つまり、かしめ部材230は、チューブ110、スリーブ120及び折り返し部120aを封止部材210とともにかしめる。
(4)アクチュエータ本体部100の構成
図4は、アクチュエータ本体部100の一部展開斜視図である。図4に示すように、アクチュエータ本体部100は、チューブ110とスリーブ120とによって構成されている。
チューブ110は、ブチルゴムなど弾性材料によって構成された筒状体(管状体)である。また、流体圧アクチュエータ10を油圧駆動とする場合には、耐油性が高いNBR(ニトリルゴム)を用いてもよい。
スリーブ120は、チューブ110の外周面を覆うように設けられる。スリーブ120は、互いに交差するように配向された複数のコード121を編み込んで形成される。
図5は、コード121の径方向に沿った断面図である。図5に示すように、スリーブ120は、コード121の表面をコーティングしたコーティング層122を有する。
なお、図4及び図5では、2本のコード121をペアとして、互いに交差するようにコード121のペアが配向されているが、ペアとするコード121の本数は、2本以外(モノフィラメントまたはマルチフィラメント)でも構わない。また、2本以上の場合は、コード121を撚ったものでも構わない。
コード121は、スチール、つまり、鉄を主成分とした合金で構成される。コード121の直径は、0.2mm以下であることが好ましい。コード121は、強度が求められるため、炭素量の多い70C以上のスチールを用いることが好ましい。
コーティング層122は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または熱可塑性樹脂及び熱硬化樹脂の混合物によって形成される。
具体的には、コーティング層122としては、オレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びウレタン樹脂の何れかを用いることが好ましい。或いはこれらの樹脂が複数配合されたものでもよい。
コーティング層122を形成する熱可塑性樹脂は、コード121と接着されることが好ましい。また、コード121への密着性をよくするためにマレイン酸などによる変性された樹脂が用いられていてもよい。
また、かしめ部材230(図3参照)は、コーティング層122と同一の熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または当該熱可塑性樹脂及び当該熱硬化樹脂の混合物によって形成されることが好ましい。つまり、かしめ部材230、コーティング層122と同一の樹脂の部材で構成されることが好ましい。
(5)変更例
次に、上述した流体圧アクチュエータ10の変更例について説明する。具体的には、封止機構200の変更例について説明する。以下、上述した流体圧アクチュエータ10と異なる部分について主に説明する。
図6は、本変更例に係る封止機構200Aを含む流体圧アクチュエータ10の軸方向DAXに沿った一部断面図である。図6に示すように、図3に示した封止機構200に代えて、封止機構200Aが用いられる。封止機構200と封止機構200Aとの相違点は、封止部材210のような小径部214が形成されていないことである。また、封止機構200Aでは、係止リング220が用いられていない。
封止部材210Aの胴体部211Aには、チューブ110が挿通される。封止機構200Aでは、係止リング220が用いられていないため、スリーブ120は折り返されていない。
かしめ部材230Aは、チューブ110及びスリーブ120を、封止部材210Aとともにかしめる。
(6)作用・効果
以下、上述した本実施形態に係る流体圧アクチュエータ10の作用及び効果について説明する。
表1は、比較例及び実施例に係る流体圧アクチュエータの構成及び評価試験結果を示す。
Figure 2017025972
表1に示すように、比較例1,2及び実施例1〜3に係る流体圧アクチュエータを作成し、流体圧アクチュエータの耐久性について評価試験を実施した。
比較例1,2に係る流体圧アクチュエータは、コーティング層を有していない。一方、実施例1〜3は、コードをコーティングしたコーティング層を有するとともに、コード直径は、0.2mm以下(0.18mm)である。
耐久性の評価試験では、各流体圧アクチュエータを油圧で駆動し、アクチュエータ本体部に何らかの損傷が生じるまでの作動回数(時間)を測定した。「耐久性」の欄の数値は、比較例1の測定結果を100とした場合における指数を示す。
実施例1〜3では、コーティング層を有し、コード直径は、0.2mm以下であるため、耐久性が大幅に向上していることが解る。
このように、流体圧アクチュエータ10によれば、コード121は、スチールで構成され、コード121をコーティングするコーティング層122は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または熱可塑性樹脂及び熱硬化樹脂の混合物によって形成される。
通常、流体圧アクチュエータ10のようなマッキベン型の流体圧アクチュエータでは、有機繊維のコードが広く用いられているが、コード121はスチール製であるため、強度が極めて高い。このため、油圧駆動によって高い圧力が掛かる場合でも、充分な強度を有する。
一方、コード121とチューブ110との摩擦などによって、アクチュエータ本体部100が収縮及び膨張を繰り返した場合の耐久性が問題となり得る。さらに、コード121の錆による強度の低下も問題となり得る。
流体圧アクチュエータ10では、コーティング層122によってコード121がコーティングされているため、コード121の錆を抑制できる。また、コード121表面の摩擦係数が低下し、滑り易くなる。このように、流体圧アクチュエータ10によれば、耐久性も向上する。
すなわち、流体圧アクチュエータ10によれば、油圧駆動とした場合など、高い圧力が掛かる場合でも充分な耐久性を有する。
本実施形態では、コーティング層122は、オレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC))、ポリアミド(PA)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びウレタン樹脂の何れか、または複数が配合されたものである。このような熱可塑性樹脂を用いることによって、スチール製のコード121の表面を容易かつ確実にコーティングできる。
本実施形態では、かしめ部材230は、コーティング層122と同一の熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または熱可塑性樹脂及び熱硬化樹脂の混合物によって形成することができる。このように、コーティング層122の樹脂と相溶性である干渉用の樹脂を用いてアクチュエータ本体部100をかしめることで、コード121の密着性を高めることができる。
つまり、かしめ部材230とアクチュエータ本体部100(スリーブ120)とを一体化することができる。これにより、流体圧アクチュエータ10の耐久性、特に、アクチュエータ本体部100の封止部材210からの引き抜き防止に効果がある。
本実施形態では、コード121の直径は、0.2mm以下である。これにより、充分なスリーブ120の柔軟性を確保でき、流体圧アクチュエータ10の円滑な動作を妨げない。
(7)その他の実施形態
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
例えば、上述した実施形態では、スリーブ120と折り返し部120aとの間には、接着層240が形成されていたが、このような接着層240は、必ずしも形成されていなくても構わない。特に、かしめ部材230をコーティング層122と同一の熱可塑性樹脂によって形成した場合には、接着層240は形成されていなくても構わない。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
10 流体圧アクチュエータ
20 連結部
100 アクチュエータ本体部
110 チューブ
120 スリーブ
120a 折り返し部
121 コード
122 被覆層
200, 200A 封止機構
210, 210A 封止部材
211, 211A 胴体部
213 凹凸部
214 第1小径部
215 通過孔
220 係止リング
230, 230A かしめ部材
231 圧痕
240 接着層
300 封止機構
400 フィッティング
410 通過孔

Claims (4)

  1. 流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状のチューブと、所定方向に配向されたコードを編み込んだ構造体であり、前記チューブの外周面を覆うスリーブとによって構成されるアクチュエータ本体部を備える流体圧アクチュエータであって、
    前記コードは、スチールで構成され、
    前記コードの表面をコーティングしたコーティング層を有し、
    前記コーティング層は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または前記熱可塑性樹脂及び前記熱硬化樹脂の混合物によって形成されることを特徴とする流体圧アクチュエータ。
  2. 前記コーティング層は、オレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びウレタン樹脂の何れか、または複数が配合されたものであることを特徴とする請求項1に記載の流体圧アクチュエータ。
  3. 前記流体圧アクチュエータは、
    前記アクチュエータ本体部の軸方向における端部を封止する封止部材と、
    前記アクチュエータ本体部を前記封止部材とともにかしめるかしめ部材と
    を有し、
    前記かしめ部材は、前記コーティング層と同一の前記熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、または前記熱可塑性樹脂及び前記熱硬化樹脂の混合物によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の流体圧アクチュエータ。
  4. 前記コードの直径は、0.2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体圧アクチュエータ。
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