JP2017024993A - 毛髪化粧料 - Google Patents

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麻吏 増野
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Abstract

【課題】毛髪の剛さを客観的に評価するための毛髪試験片および評価方法を提供する。【解決手段】複数本の毛髪と固定部材とを含む毛髪試験片であって、前記複数本の毛髪が、相互に離隔して略平行に配置された2つの固定部材の間において単一な層を形成するように該固定部材に対し略垂直に固定された、前記毛髪試験片を提供する。かかる毛髪試験片を用いた目視試験および/またはハンドルオメータ試験によって、毛髪の剛さを客観的に評価することができる。【選択図】図6

Description

本発明は、毛髪の剛さの評価方法、および化粧料による毛髪の剛さへの作用を評価する方法、ならびにこれらの方法に用いることのできる毛髪試験片に関する。
髪質はかたい(剛い)、やわらかい、くせ毛など人によって様々なタイプがある。例えば、異なる人種では、毛髪の形状や剛さが大きく異なる。また、ブリーチ処理、カラーリング処理、パーマ処理、矯正処理などによってダメージを受けた毛髪は、剛くなる傾向があり、一方で年齢を重ねることによって毛髪がやわらかくなりボリュームが少なくなる傾向がある。
したがって、毛髪にハリコシ感を与えるため、または反対にやわらかさを与えるための、毛髪化粧料が求められている。
特開2006−213637号公報
毛髪のハリコシ感やしなやかさは、毛髪を触った時に感じる毛髪の質感の一つであるが、官能的な評価は客観的に評価することが困難である。そこで、ハリコシ感を評価する方法として、毛髪毛束の曲げ試験等が使用されている(特許文献1)。曲げ試験においては、毛髪のハリコシ感(もしくは、しなやかさ)の指標とすることは十分可能であるが、実使用感との相関性を見出す為には測定回数(若しくは、測定サンプル数)を多く実施しなくてはいけない。
したがって、ハリコシ感・しなやかさ(剛さ・やわらかさ)を客観的に評価でき、実使用感との相関性のある結果を得られる評価方法が求められている。
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意研究を重ねる中で、毛髪試験片の形態・形状、使用方法に着目し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下[1]〜[14]に関する。
[1]
複数本の毛髪と固定部材とを含む毛髪試験片であって、前記複数本の毛髪が、相互に離隔して略平行に配置された2つの固定部材の間において単一な層を形成するように該固定部材に対し略垂直に固定された、前記毛髪試験片。
[2]
少なくとも1つの固定部材は、複数本の毛髪の端部を固定している、[1]に記載の毛髪試験片。
[3]
1cmあたり10〜200本の毛髪が固定されている、[1]または[2]に記載の毛髪試験片。
[4]
試験片の幅が0.5〜5cmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の毛髪試験片。
[5]
2つの固定部材の間の毛髪の長さが3〜10cmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の毛髪試験片。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の毛髪試験片の一方の端部を支持部材に支持し、毛髪試験片のしなりを指標として、毛髪の剛さを評価する方法。
[7]
[1]〜[5]のいずれかに記載の毛髪試験片の応力を、ハンドルオメータによって測定し、応力値を指標として、毛髪の剛さを評価する方法。
[8]
[1]〜[5]のいずれかに記載の毛髪試験片に化粧料を塗布し、該試験片の応力をハンドルオメータによって測定し、応力値を指標として、毛髪の剛さへの化粧料の作用を評価する方法。
[9]
化粧料を塗布した毛髪試験片の応力値と、何も塗布していない毛髪試験片の応力値との差異を評価することをさらに含む、[8]に記載の方法。
[10]
[1]〜[5]のいずれかに記載の毛髪試験片に化粧料を塗布し、毛髪試験片の一方の端部を支持部材に支持し、毛髪試験片のしなりを指標として、毛髪の剛さへの化粧料の作用を評価する方法。
[11]
化粧料を塗布した毛髪試験片のしなりと、何も塗布していない毛髪試験片のしなりとの差異を評価することをさらに含む、[10]に記載の方法。
[12]
化粧料の性質を、[8]〜[11]のいずれかに記載の方法で評価することを含む、化粧料の製造方法。
[13]
化粧料を[8]〜[11]のいずれかに記載の評価方法に付して、毛髪に剛さを付与するための化粧料を製造する方法。
[14]
化粧料を[8]〜[11]のいずれかに記載の評価方法に付して、毛髪にやわらかさを付与するための化粧料を製造する方法。
本発明は、毛髪の剛さ(ハリコシ感)を評価に用いることのできる毛髪試験片およびこれを用いた毛髪の剛さの評価方法を提供する。これにより、目視での毛髪の剛さの評価、および数値化された実使用感と相関のある評価を可能とする。さらに、かかる評価方法を利用して、化粧料による毛髪の剛さへの影響・作用を評価することを可能にする。
本発明は、複数本の毛髪を用いるため、1本の毛髪を用いる曲げ試験と比較して、毛髪間のばらつきを平均化することができる。また、本発明の毛髪試験片では、複数本の毛髪が単一の層を形成した状態で固定され、各試験片において毛髪の位置関係、密度等を略同一にできるため、毛束の試験片よりも、より正確な結果が得られ、実使用感とより相関のある評価が可能となる。
本発明の毛髪試験片の一態様を示した図である。 本発明の毛髪試験片の一態様を示した図である。 本発明の毛髪試験片のしなりを指標とした剛さの評価方法に関する実施例1の結果を示す正面図である。 本発明の毛髪試験片のしなりを指標とした剛さの評価方法に関する実施例1の結果を示す側面図である。 ハンドルオメータの例を示す図である。 ハンドルオメータ法による植物油を塗布した毛髪試験片の応力の測定結果(実施例2の結果)を示す図である。 ハンドルオメータ法によるエステル油等を塗布した毛髪試験片の応力の測定結果(実施例3の結果)を示す図である。 ハンドルオメータ法による高粘度油を塗布した毛髪試験片の応力の測定結果(実施例4の結果)を示す図である。 ハンドルオメータ法による油剤含有化粧料を塗布した毛髪試験片の応力の測定結果(実施例5の結果)を示す図である。
本発明において「毛髪」には、人工の毛髪およびヒトの毛髪が含まれる。本発明の好ましい態様において、毛髪はヒトの毛髪である。
本発明の一態様において、評価する化粧料の具体的な用途に合わせて、例えば、ダメージを受けた毛髪、特定の人種の毛髪、特定の年齢層の毛髪など、特定の種類の毛髪を用いることができる。
本発明の一態様において、人工の毛髪の剛さを評価し、ヒトの毛髪の剛さと比較することにより、ヒトの毛髪と同様のハリコシ感・しなやかさを有する人工毛髪をスクリーニングすることができる。
本発明の一態様において、ヒトの健常毛毛髪の剛さと、パーマ、染色などの処理を受けたダメージ毛の剛さを比較することにより、処理により毛髪のハリコシ感・しなやかさへの影響を評価することができる。
本発明の一態様において、化粧料を塗布した毛髪の剛さと、塗布していない毛髪の剛さとを比較することにより、化粧料による毛髪のハリコシ感・しなやかさへの影響を評価することができる。したがって、化粧料の目的に応じて、例えば、ダメージ毛や、細くやわらかな毛髪など、化粧料を用いる対象に応じた毛髪試験片を用いて評価試験を行うことにより、望ましい性質を有する化粧料を製造することに役立つ。
本発明の一態様において、化粧料を塗布した毛髪試験片の剛さを継時的に観察または測定することにより、化粧料により継時的な効果の変化を評価することができる。
本明細書において「化粧料」とは、化粧料の成分および化粧料の混合物のいずれも意味する。
本発明の一態様において、本発明の評価方法を用いることにより、単一の化粧料成分による毛髪の剛さへの作用・影響を評価することができる。本発明の別の態様においては、化粧料成分の混合物による毛髪の剛さへの作用・影響を評価することができる。
本発明において「単一の層」とは、毛髪が重ならずに形成する一つの層を意味するが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、毛髪が重なり合った部分を含む層も、これに含まれる。例えば、毛髪の剛さを判断するために許容される製造誤差、ばらつきの範囲内で、毛髪が重なり合った部分が存在する場合であっても、これに含まれる。
本明細書において「略垂直」「略平行」「略同一」とは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で略「垂直」「平行」「同一」であることを意味し、それらの例は「垂直」「平行」「同一」であり、毛髪の剛さを判断するために許容される製造誤差、ばらつきの範囲内である、略「垂直」「平行」「同一」を含む。
<大きさ>
本発明の毛髪試験片を毛髪自体の剛さの評価に用いる場合には、比較する毛髪試験片における大きさが同一である限りにおいて、適宜選択することができる。
また、本発明の毛髪試験片は、化粧料の評価に用いる場合には、評価試験に用いる複数の試験片が同様の剛さを有することが望ましく、これを満たす限りにおいて、その大きさ(長さ、幅、厚み)は特に限定されない。
本発明の毛髪試験片に用いる毛髪の長さは特に限定されないが、製造の容易性、評価時の操作の容易性などの観点から、毛髪自体の長さは、2.5cm〜15cm、好ましくは2.5cm〜8cm、さらに好ましくは4cm〜6cm程度である。
本発明の毛髪試験片の大きさは特に限定されないが、製造の容易性、評価時の操作の容易性などの観点から、固定部材の間にある毛髪のみの部分(以下、「毛髪部分」とも言う)の大きさは、
長さ:2cm〜10cm、好ましくは2cm〜6cm、さらに好ましくは3cm〜4cm、
幅:0.5cm〜5cm、好ましくは1cm〜4cm、さらに好ましくは1cm〜2cm、
厚み:毛髪一本分の厚み、すなわち40〜120μm、好ましくは45μm〜100μm、さらに好ましくは50μm〜70μm、
程度であることが望ましい。
固定部材を含んだ毛髪試験片全体の大きさは特に限定されないが、製造の容易性、評価時の操作の容易性などの観点から、
長さ:4cm〜14cm、好ましくは4cm〜8cm、さらに好ましくは5cm〜6cm、
幅:0.5cm〜5cm、好ましくは1cm〜4cm、さらに好ましくは1cm〜2cm、
厚み:50〜1000μm、好ましくは100μm〜800μm、さらに好ましくは100μm〜500μm、
程度であることが望ましい。
本明細書において毛髪試験片の「長さ」とは、毛髪の長軸方向と同一の方向を意味し、「幅」は複数本の毛髪が並んで形成する幅を意味し、「厚み」は、毛髪の厚み、太さと同一の方向を意味する。
ここで毛髪の形状が楕円形である場合には、毛髪の厚みは、好ましくは短経方向を厚みとすることが好ましい。
本発明の毛髪試験片に用いる毛髪自体の長さは、特に限定されないが、剛さの比較評価の正確性の観点から、比較対象に用いる複数の毛髪試験片において同一の長さであることが好ましい。したがって、毛髪試験片の毛髪部分の長さに加え、固定部材に固定される毛髪および、存在する場合には、固定部材からさらに伸びる毛髪の長さも、比較対象に用いる複数の毛髪試験片において同一の長さであることが好ましい。
<密度>
本発明の毛髪試験片は、化粧料の評価に用いる場合には、評価試験に用いる複数の試験片が同様の剛さを有することが望ましく、これを満たす限りにおいて、毛髪の密度等は特に限定されない。
本発明の一態様において、均一の性質を有する複数の試験片を作製する観点から、試験片の厚みは、毛髪一本分であることが好ましく、すなわち、試験片の断面では、複数本の毛髪が略一直線に並んで、互いが重なっていないことが好ましい。このように並んだ複数本の毛髪の位置関係が変化しないように端部付近において固定部材によって固定される。
各毛髪間で毛髪径、ダメージの程度などにばらつきがあるため、複数本の毛髪を用いることが望ましく、したがって、本発明の一態様において、一つの毛髪試験片に50本以上、より好ましくは100本以上、さらに好ましくは150本以上の毛髪を用いる。
本発明の一態様において、髪の太さは約40〜120μmであることから、隙間をなるべく少なくして、密度を均質にする観点から、1cm幅あたり、好ましくは10〜200本、より好ましくは50〜150本、さらに好ましくは80〜100本程度の毛髪を並べた試験片とする。
毛髪の剛さを正確に比較するために、試験片における毛髪の密度を略同一のものとすることが望ましい。
本発明の毛髪試験片は、異なる種類(ダメージの程度、年齢、人種、天然/人工)の毛髪のハリコシ感・しなやかさを比較して評価する場合には、その密度を略同一として、それぞれの毛髪試験片の剛さを比較することが好ましい。
<固定部材>
本発明において固定部材は特に限定されないが、並んだ複数本の毛髪の位置関係が変更されないように固定することできる部材が好ましい。固定部材の例としては、両面テープ、セロハンテープ、マスキングテープ、ビニールテープ、などの粘着テープ;接着剤;紙、布、ビニール、紐、糸などの基剤と接着剤との組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の一態様において、固定部材の重さにより、目視試験において毛髪試験片のしなりに影響があるため、これを一定とするために、比較対象に用いられる各毛髪試験片の固定部材は、同程度の重さを有することが好ましい。
本発明の毛髪試験片は、毛髪の位置関係を維持する観点から、少なくとも2つの固定部材を含み、より確実な固定をするため、または毛髪試験片に重みを加えるために、3つ以上の固定部材を含むこともできる。
<毛髪試験片の製造方法>
本発明の毛髪試験片は、どのような手順で製造してもよく、当業者であれば適宜製造することが可能である。
本発明の一態様において、複数本の毛髪を並べて毛髪の単一の層を形成した後に、固定部材で固定し、毛髪試験片を製造することができる。
本発明の別の態様において、固定部材の上に複数本の毛髪を並べて単一の毛髪の層を形成することにより、毛髪試験片を製造することができる。
1個の試験片中の毛髪の密度を均質とする観点、および/または比較のために用いられる複数個の試験片のそれぞれにおける毛髪の密度を均質とする観点から、毛髪同士が重ならないように並んだ試験片とすること、すなわち、並んだ複数の毛髪単一の層となっている試験片とすることが好ましい。
本発明の一態様において、より確実な固定を実現する観点から、または、固定部材に一定の重みのある毛髪試験片とする観点から、複数本の毛髪の固定を、毛髪により形成された単一の層の両側面を固定することが好ましく、具体的には、両側面において、テープ、または基剤および粘着剤を用いて固定することが好ましい。
実使用と毛髪の剛さをより正確に評価する観点から、毛髪試験片において用いる毛髪の向きを揃えることが好ましい。すなわち、毛髪の根元側を一方の固定部材に固定し、毛髪の毛先側を他方の固定部材に固定することが好ましい。
本発明の試験片の一態様を図1に示す。
本明細書において「剛さ」とは、毛髪の剛さ、すなわち、かたさ−やわらかさの程度を意味し、典型的には、ハリコシ感のあるかたい毛髪は剛さが高く、ハリコシ感のないやわらかい毛髪は剛さが低い。
一般的に毛髪の剛さは、毛髪を直接手で触ることにより官能的・主観的に評価される、毛髪の質感の一つである。剛さの高い毛髪は、ハリコシ感がある、弾力があるなどとも表現される。一方、剛さの小さい毛髪は、やわらかい、しなやかなどとも表現される。
<毛髪試験片への化粧料の塗布>
化粧料を塗布した毛髪試験片を用いることにより、毛髪の剛さへの化粧料の作用を評価することができる。
ここで、毛髪試験片に塗布する化粧料の量は特に限定されないが、実使用感に沿った結果を得ることを目的とする場合には、通常毛髪に塗布される化粧料の量を考慮して、毛髪試験片に用いた毛髪の量に応じて適宜選択することができる。また、本発明の一態様においては、毛髪の剛さへの作用をより明確に判断するためには、多量の化粧料を毛髪に塗布して、剛さ試験に供することもできる。
本発明の一態様において、毛髪サンプルに化粧料を塗布した後に、毛髪試験片を作製してもよい。
本発明の別の態様において、毛髪試験片を作製した後に、毛髪部分に化粧料を塗布することができる。この場合には、単一の層となって並んでいる毛髪に、一定量の化粧料を均一に塗布することができ、より正確な剛さの評価が可能となる。
<目視での評価>
本発明は、本発明の毛髪試験片を用いた毛髪の剛さを目視で評価をする方法をさらに提供する。
すなわち、毛髪試験片の一方の端部を支持部材に支持し、毛髪試験片のしなりを指標として、毛髪の剛さを評価する方法を提供する。
本明細書において「支持部材」とは、毛髪試験片を支持することのできる部材であれば、限定されず、あらゆる部材を用いることができる。支持部材は、毛髪試験片を垂直に支持するものであっても、一定の角度で支持するものであってもよい。
本発明の毛髪試験片は、毛髪および固定部材の重みにより、毛髪試験片全体がしなり、そのしなり具合は、毛髪の剛さによって異なることとなる。このしなり具合を指標として、毛髪の剛さを視覚的に評価することが可能となる。
「しなり」は目視で判断することが可能であり、典型的には、支持されていない他方の端部の高さ、および/または先端側の固定部材の高さ、および/またはしなった試験片の最頂点の高さから判断することができる。
本発明の好ましい態様において、毛髪の根元側が固定された端部を支持部材で支持して、毛髪試験片のしなりを観察することが好ましい。
図3および図4に示すように、やわらかな毛髪はしなりが大きく、ハリコシ感のある毛髪はしなりが小さくなる。したがって、しなり具合を目視で判断することで、毛髪の剛さを視覚的に評価することが可能である。毛髪の剛さという物性を、ビジュアル化することが可能となった。
何も塗布していない毛髪試験片のしなり具合よりも、化粧料を塗布した毛髪試験片のしなり具合が大きい場合、かかる化粧料には、毛髪にやわらかさを与える作用があると評価することができる。
何も塗布していない毛髪試験片のしなり具合よりも、化粧料を塗布した毛髪試験片のしなり具合が小さい場合、かかる化粧料には、毛髪に剛さを与える作用があると評価することができる。
<ハンドルオメータでの評価>
本発明は、本発明の毛髪試験片を用いた、ハンドルオメータでの応力値の測定による、毛髪の剛さの評価をする方法をさらに提供する。
ハンドルオメータは、JIS L 1089 E法(ハンドルオメータ法)などにおいて、一般的に紙や織物および編物の生地試験方法に用いられる装置である。
毛髪試験片の測定方向(長さ方向)がスロットに直角になるように置き、次に試料台表面から所定の距離(例えば8mm)まで下がるように調整したブレードを所定時間(例えば15秒)降下させ、試験片を押圧し、指示計による応力の最高値(mN)を確認する。
応力が高い場合には、毛髪の剛さが高く、応力が低い場合には、毛髪の剛さが低いと評価することができる。
何も塗布していない毛髪試験片の応力よりも、化粧料を塗布した毛髪試験片の応力が高い場合、かかる化粧料には、毛髪に剛さを与える作用があると評価することができる。
何も塗布していない毛髪試験片の応力よりも、化粧料を塗布した毛髪試験片の応力が低い場合、かかる化粧料には、毛髪にやわらかさを与える作用があると評価することができる。
本発明においてハンドルオメータでの測定条件は、各毛髪試験片の測定において、条件が同一である限りにおいて、適宜設定することができる。
毛髪の剛さは温度・湿度の影響を受けるため、測定の前に、恒温・恒湿(例えば、23℃、55%)に毛髪試験片を所定の期間(例えば12時間以上)保管することが好ましい。
ハンドルオメータのスロット(試料台の隙間)の幅は、選択が可能であり、この間場が狭くなるほど応力の値は大きくなる。応力の上限値は1270mNであるため、標準として用いる毛髪試験片、例えば、化粧料を塗布していない、健康毛の試験片またはダメージ毛の試験片の応力が適度な値となるように、幅を選択することが好ましい。
<化粧料の製造>
剛さ試験の結果を利用して、所望の性質を有する化粧料を製造することができる。当業者には、かかる結果を利用する方法は自明であり、常法により化粧料を製造することができる。
例えば、毛髪に剛さを与えると判断された各成分、例えば油剤を化粧料成分として用いることにより、毛髪に剛さを与える化粧料を製造することができる。化粧料の成分、配合量を変化させ、それぞれの処方が毛髪の剛さに与える影響を評価することにより、最適な処方を見つけ出すことができる。したがって、本発明の剛さ試験により剛さを判断した成分を、一般的に用いられる化粧料成分と組み合わせることにより、所望の化粧料を製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的な思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。なお、本明細書において、とくに明示しない場合には、%は重量%を意味する。
[製造例1]
毛髪試験片の製造
<材料>
健常毛: 人毛(黒100%根元揃えII/品番BS-B3N:株式会社ビューラックス)
ダメージ毛: 健常毛にダメージ処理(6%過酸化水素水:2%アンモニア水の1:1混合溶液に30分間浸漬、洗髪、ドライヤー乾燥)を5回繰り返し、ダメージ毛を作製した。
固定部材:両面テープ(ナイスタック(R)強力タイプNW-K15、幅15mm:ニチバン(株)社製)
<製造工程>
1. それぞれの毛束から毛髪を切断した。
2. 2cm×1.5cmに切断した両面テープを2枚用意し、4cmの間隔を開けて平行に配置し、粘着面に200本の毛髪を、一方の粘着テープに毛髪の根元を固定し、他方に毛先側を固定して、厚み方向に毛髪がなるべく重ならないように均等に並べた。
3. すべての毛髪を並べた後、固定された部分の毛髪の反対側に同一サイズの両面テープの粘着面を被せ、さらに固定した。
4. 固定された毛髪の毛先を切断し、毛髪試験片の長さを8.5cmとした。
上記の手順により、固定部と固定部との間の毛髪のみの部分の長さが4cmである毛髪試験片(長さ:8.5cm、幅:2cm)を作製した。実物の写真を図2に示す。
[実施例1]
目視による、剛さ試験
● 毛髪サンプル
製造例1で製造したダメージ毛の毛髪試験片
● 化粧料サンプル
カヤ種子油、ツバキ油、アルガンオイル(アルガニアスピノサ核油)、オリーブ油、ブドウ種子油の5種類の植物油を、化粧料サンプルとして用いた。
● 試験方法
1. 毛髪試験片の毛髪部分に化粧料サンプル約0.1gを滴下し、ヘラを用いて均一に塗布した。なお、一つの毛髪試験片には、化粧料を塗布せず、コントロールとして使用した。
2. 毛髪試験片の一端部が垂直となるように支持部材で保持し、1時間経過後に、重みにより自然としなった状態を目視で判断した。
● 評価結果
結果を図3および図4に示す。
カヤ種子油が、毛髪に剛さを与える効果が最も高いことが、視覚的に判断できる。
[実施例2]:ハンドルオメータによる毛髪の剛さ試験
● 測定機器
ハンドルオメータ No.2050(熊谷理機工業(株))
● 毛髪サンプル
製造例1で製造したダメージ毛の毛束(2.5〜3.5g、1000〜1500本、約22cm)
● 化粧料サンプル
カヤ種子油、ツバキ油、アルガンオイル(アルガニアスピノサ核油)、オリーブ油、ブドウ種子油の5種類の植物油を、化粧料サンプルとして用いた。
● 測定方法
1. ダメージ毛の毛束の毛先から約18cmの範囲に化粧料サンプル0.2gを滴下し、ヘラを用いて均一に塗布した。
2. 化粧料を塗布した部分のダメージ毛を用いて、製造例1と同様の方法で毛髪試験片を作製した。なお、化粧料を塗布していないダメージ毛の毛髪試験片を、コントロールとして作製した。
3. 塗布後から1週間後の毛髪試験片を、温度23℃、湿度55%の環境下に12時間以上保管した。
4. 図5に示すハンドルオメータの“試験片”の箇所(スロット)に毛髪試験片の長さ方向が垂直となるように置く。隙間は1cmとした。
5. 試料台から8mmまで下がるように調節されたブレードを15秒間下降させ、毛髪サンプルを押圧する。
6. 指示計による最高値(mN)を確認する。
● 評価結果
結果を図6に示す。
カヤ種子油がダメージ毛に剛さを与え、ツバキ油がダメージ毛に最もやわらかさを与えることが客観的に理解できる。
[参考例]
官能評価試験
パネラー5名により実施例2で用いた毛髪試験片の毛髪部分を実際に触り、剛さ(かたさ−やわらかさ)を評価した。下記の評価基準に基づき評価した結果を下記表1に示す。
○:かたさ(ハリコシ感)があると認めた人数が4名以上
△:かたさ(ハリコシ感)があると認めた人数が2〜3名
×:かたさ(ハリコシ感)があると認めた人数が1名以下
官能評価結果で最もハリコシ感があるとの評価されたカヤ種子油、およびブドウ種子油が、実施例2のハンドルオメータ試験で最も高い応力値を示した。一方、官能評価結果でハリコシ感がないと評価されたツバキ油が、ハンドルオメータ試験で最も低い応力値を示した。
これらの結果から、官能評価とハンドルオメータ試験での応力値に相関関係があるといえる。
[実施例3]
実施例2と同様の、毛髪試験片および方法を用いて、下記表2の化粧料による毛髪の剛さへの作用・影響を評価した。
結果を図7に示す。
ネオライト100P、EIS−V、ISIS、KAK TTIが、ダメージ毛をやわらかくする作用を有することが理解できる。
高粘度油により毛髪への剛さの作用・影響を評価
下記表3の高粘度油をTCG−M(トリ(カプリル酸/カプリン酸グリセリル))へ3%の濃度で溶解したものを化粧料サンプルとして使用し、実施例2と同様の毛髪試験片および方法を用いて、毛髪の剛さへの作用・影響を評価した。
結果を図8に示す。
リソカスタHSDA、リソカスタDA−Lが、毛髪にハリコシ感(剛さ)を与える効果を有することが理解できる。
[実施例4]
実施例2と同様の、毛髪試験片および方法を用いて、下記表4の化粧料による毛髪の剛さへの作用・影響を評価した。
結果を図9に示す。
カヤ種子油含有化粧料が最も剛さが高く、ツバキ油含有化粧料が最も剛さが低く、実施例2における油剤単独による毛髪の剛さへの作用の結果と同様の傾向が化粧料混合物においても見られた。
さまざまな化粧料により毛髪の剛さへの作用・影響を視覚的に、または客観的に評価することが可能となり、優れた化粧料の処方設計を行うことができる。

Claims (14)

  1. 複数本の毛髪と固定部材とを含む毛髪試験片であって、前記複数本の毛髪が、相互に離隔して略平行に配置された2つの固定部材の間において単一な層を形成するように該固定部材に対し略垂直に固定された、前記毛髪試験片。
  2. 少なくとも1つの固定部材は、複数本の毛髪の端部を固定している、請求項1に記載の毛髪試験片。
  3. 1cmあたり10〜200本の毛髪が固定されている、請求項1または2に記載の毛髪試験片。
  4. 試験片の幅が0.5〜5cmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の毛髪試験片。
  5. 2つの固定部材の間の毛髪の長さが3〜10cmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の毛髪試験片。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の毛髪試験片の一方の端部を支持部材に支持し、毛髪試験片のしなりを指標として、毛髪の剛さを評価する方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の毛髪試験片の応力を、ハンドルオメータによって測定し、応力値を指標として、毛髪の剛さを評価する方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の毛髪試験片に化粧料を塗布し、該試験片の応力をハンドルオメータによって測定し、応力値を指標として、毛髪の剛さへの化粧料の作用を評価する方法。
  9. 化粧料を塗布した毛髪試験片の応力値と、何も塗布していない毛髪試験片の応力値との差異を評価することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の毛髪試験片に化粧料を塗布し、毛髪試験片の一方の端部を支持部材に支持し、毛髪試験片のしなりを指標として、毛髪の剛さへの化粧料の作用を評価する方法。
  11. 化粧料を塗布した毛髪試験片のしなりと、何も塗布していない毛髪試験片のしなりとの差異を評価することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 化粧料の性質を、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法で評価することを含む、化粧料の製造方法。
  13. 化粧料を請求項8〜11のいずれか一項に記載の評価方法に付して、毛髪に剛さを付与するための化粧料を製造する方法。
  14. 化粧料を請求項8〜11のいずれか一項に記載の評価方法に付して、毛髪にやわらかさを付与するための化粧料を製造する方法。
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