JP2017024957A - 炭化水素の二酸化炭素改質方法、炭化水素の二酸化炭素改質装置ならびに一酸化炭素および水素の製造方法 - Google Patents

炭化水素の二酸化炭素改質方法、炭化水素の二酸化炭素改質装置ならびに一酸化炭素および水素の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二酸化炭素による炭化水素の改質、ならびに、一酸化炭素および水素の製造を、効率よく行うことを可能にする。【解決手段】触媒として焼結鉱を用いると共に、焼結鉱を充填した反応器への二酸化炭素の供給を、反応器におけるガスの流れ方向に異なる複数箇所に分割して行うことにより、前記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素ガスを二酸化炭素によって改質して水素および一酸化炭素を生成する方法および装置に関する。詳しくは、炭化水素の二酸化炭素改質において、低コストな触媒を用い、かつ、触媒を適正に作用させて、効率よく水素および一酸化炭素を生成できる方法および装置に関する。
製鉄業における鉄鉱石(酸化鉄)の還元プロセスにおいては、主として炭素を還元材として用いている。したがって、還元プロセスからは一酸化炭素または二酸化炭素が排出される。近年では、地球温暖化ガスである二酸化炭素を分離・回収して再利用しようとする試みがなされてきている。
一方、製鉄所では鋼材の熱処理等のためにエネルギー源を必要とし、メタン(天然ガス)等を購入している。
このような点に鑑み、メタン等の炭化水素を二酸化炭素と反応させ、一酸化炭素と水素とを含むガスを生成する、炭化水素の二酸化炭素改質方法が知られている。
この炭化水素の二酸化炭素改質方法によれば、二酸化炭素を有効利用し、一酸化炭素と水素とを含む工業的に有用なガスを得られる。
メタンと二酸化炭素とを反応させて、一酸化炭素と水素とを生成する反応は、下記の式1のとおりである。
CH4+CO2 → 2CO+2H2 ・・・ 式1
この反応は従来から知られており、さまざまな検討がなされてきた。しかしながら反応の進行が実用温度域(1000℃程度)においては非常に遅いため、触媒の使用を必要としていた。
例えば、特許文献1には、式1で示される炭化水素の二酸化炭素改質反応を、Ca,SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属の炭酸塩と、炭化水素系原料ガスの分解反応を促進する触媒金属と、Ca,SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属と、Ti,Al,Zr,Fe,WおよびMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む複合酸化物とを含有する触媒を用い、3気圧(0.304MPa)以上の圧力条件下で行う方法が記載されている。
特許第5141765号公報
この触媒を用いることにより、炭化水素の二酸化炭素改質を効率的に行うことが期待できる。
しかしながら、特許文献1に記載される方法では、炭化水素の二酸化炭素改質反応に必要な触媒を製造する必要がある。そのために、炭化水素の二酸化炭素改質に大きなコストを要してしまう。
本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、特別な触媒を製造する必要がなく、かつ、触媒を効率よく利用して、炭化水素の二酸化炭素改質による一酸化炭素および水素の生成を効率よく行うことができる炭化水素の二酸化炭素改質方法および装置、ならびに、一酸化炭素および水素の製造方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は、以下のとおりである。
すなわち、本発明の炭化水素の二酸化炭素改質方法は、炭化水素を二酸化炭素によって改質して、一酸化炭素および水素を生成するに際し、
触媒として焼結鉱を用い、前記焼結鉱を充填した反応器に炭化水素および二酸化炭素を供給すると共に、前記反応器への二酸化炭素の供給を、前記反応器におけるガスの流れ方向に異なる複数箇所に分割して行うことを特徴とする炭化水素の二酸化炭素改質方法を提供する。
このような本発明の炭化水素の二酸化炭素改質方法において、ガスの流れ方向の異なる複数箇所において前記反応器からガスを採取して、下記式で示される還元指数を算出し、前記還元指数が1以上であるガスの採取位置に対応する位置から、前記反応器への二酸化炭素の供給を行うのが好ましい。
還元指数=(COの分圧[kPa]+H2の分圧[kPa])/CO2の分圧[kPa]
また、前記反応器に600℃以上の焼結鉱を充填するのが好ましい。
また、本発明の炭化水素の二酸化炭素改質装置は、触媒としての焼結鉱を充填した反応器と、
前記反応器に炭化水素および二酸化炭素の混合ガスを供給する混合ガス供給手段と、
前記反応器におけるガスの流れ方向に前記原料ガス供給手段による混合ガスの供給位置よりも下流において、前記反応器に二酸化炭素を供給する、1個もしくは前記反応器におけるガスの流れ方向に異なる位置に設けられた複数個のガス供給口と、
前記二酸化炭素供給口の1以上に二酸化炭素を供給するガス供給手段とを有することを特徴とする炭化水素の二酸化炭素改質装置を提供する。
このような本発明の炭化水素の二酸化炭素改質装置において、前記反応器におけるガスの流れ方向に異なる複数箇所に、前記反応器からガスを採取する採取口を有し、
前記二酸化炭素供給手段は、前記採取口から採取されたガスから算出した下記式で示される還元指数が1以上となる前記採取口の位置に対応する前記ガス供給口から、前記反応器への二酸化炭素の供給を行うのが好ましい。
還元指数=(COの分圧[kPa]+H2の分圧[kPa])/CO2の分圧[kPa]
また、さらに、前記反応器に焼結鉱を供給する供給装置を有し、かつ、前記供給装置は、600℃以上の焼結鉱を前記反応器に供給するのが好ましい。
さらに、本発明の一酸化炭素および水素の製造方法は、炭化水素を二酸化炭素によって改質して、一酸化炭素および水素を製造するに際し、
触媒として焼結鉱を用い、前記焼結鉱を充填した反応器に炭化水素および二酸化炭素を供給すると共に、前記反応器への二酸化炭素の供給を、前記反応器におけるガスの流れ方向に異なる複数箇所に分割して行うことを特徴とする一酸化炭素および水素の製造方法を提供する。
このような本発明によれば、特別な触媒を製造する必要なく、製鉄所において容易に得ることのできる焼結鉱を触媒として利用して、かつ、生成された焼結鉱の一酸化炭素および水素による焼結鉱の還元を抑制して、効率よく炭化水素の二酸化炭素による改質を行うことができる。
また、本発明においては、好ましくは、高温の焼結鉱、例えば、焼結機から排出される高温の焼結鉱を、冷却することなく反応器に充填する。これにより、従来は排熱となっていた焼結鉱の顕熱を、反応の化学エネルギーに変換して、排熱を有効に利用できる。その結果、例えば、製鉄所内においてエネルギ源として購入していたメタン(天然ガスなど)の購入量の削減など、コストの削減も図れる。
本発明の炭化水素の二酸化炭素改質方法の一例を説明するための本発明の炭化水素の二酸化炭素改質装置の一例の概念図である。 本発明の炭化水素の二酸化炭素改質方法を説明するためのグラフである。 本発明の炭化水素の二酸化炭素改質方法を説明するためのグラフである。
以下、本発明の炭化水素の二酸化炭素改質方法、炭化水素の二酸化炭素改質装置、ならびに、一酸化炭素および水素の製造方法について、添付の図面に示される好適例を基に詳細に説明する。
図1に、本発明の炭化水素の二酸化炭素改質方法の一例を実施する、本発明の炭化水素の二酸化炭素改質装置の一例を概念的に示す。この図1に示す装置は、本発明の一酸化炭素および水素の製造方法の一例を実施する装置でもある。
本発明の炭化水素の二酸化炭素改質方法すなわち本発明の一酸化炭素および水素の製造方法は、メタン等の炭化水素と二酸化炭素とを反応させることにより、二酸化炭素によって炭化水素を改質して、一酸化炭素および水素を製造するものである。
図1では、炭化水素がメタンである場合を示している。
図1に示される炭化水素の二酸化炭素改質装置10(以下、単に『改質装置10』とも言う)において、反応器12の内部には分散板14が設けられ、分散板14の上に、炭化水素と二酸化炭素とを反応させるための触媒としての焼結鉱が充填されている。
また、反応器12には、二酸化炭素を供給するガス供給口18a〜18d、および、反応器12からガスを採取するためのガス採取口20a〜20hが設けられている。
改質装置10において、メタン(メタンガス(CH4))および二酸化炭素(二酸化炭素ガス(CO2))は、混合ガスとして、混合ガス供給管30によって反応器12の底部から供給され、反応器12内を図中上方に流れる。この流れの中、メタンと二酸化炭素とが反応して、水素(水素ガス(H2))および一酸化炭素(一酸化炭素ガス(CO))が生成され、反応器12の上面の排出管32から、水素および一酸化炭素を含む改質ガスとして排出される。
反応器12には、特に限定はなく、炭化水素の二酸化炭素改質で利用されている反応器が、各種、利用可能である。
従って、反応器12の形状は、円筒型、角筒型、楕円筒型等の各種の形状が利用可能である。中でも、製作しやすい、強度を出しやすい等の点で、円筒型は好適に利用される。
また、反応器12は、縦型でも横型でもよいが、焼結鉱の供給および排出に重力が利用可能である等の点で、縦型が好適に利用される。
焼結鉱の主成分である酸化鉄は、下記の式1を進行させる触媒として有効である。
CH4+CO2 → 2CO+2H2 ・・・ 式1
図示例の改質装置10において、反応器12には、触媒供給管24から所定量の焼結鉱が連続的に供給される。また、供給量に応じた量の焼結鉱が、反応器12の触媒排出管26から連続的に排出される。焼結鉱の供給および排出は、公知の方法で行えばよい。
なお、反応器12への焼結鉱の供給および排出は、連続的ではなく、断続的であってもよい。
触媒供給管24から反応器12に供給する焼結鉱は、各種のものが利用可能である。具体的には、製鉄所において高炉の原料となる焼結鉱であれば、特に大きな制約はない。
また、反応器12に供給する焼結鉱は、常温であってもよいが、温度が600℃以上の高温の焼結鉱が好ましく、800℃以上の高温の焼結鉱がより好ましい。このような高温の焼結鉱としては、焼結鉱の製造装置(焼結機)から排出された、冷却前の焼結鉱が例示される。
製鉄所内には、粉状(おおむね粒径1mm以下)の鉄鉱石を高温処理して塊状(おおむね平均粒径で20mm)にする焼結プロセス(図示省略)がある。この焼結プロセスで生産された塊状の鉄鉱石を、焼結鉱と呼んでいる。
この焼結鉱は製造直後には約1000℃の顕熱を有している。また、前述のとおり、焼結鉱の主成分である酸化鉄は、前述の式1の反応を進行させるための触媒として有効である。したがって、この高温焼結鉱を触媒として用いて、メタンを二酸化炭素で改質することにより、従来は排熱となっていた焼結鉱の顕熱を、一酸化炭素および水素を生成する反応の化学エネルギーに変換して、有効に利用できる。これにより、例えば、製鉄所内においてエネルギ源として購入していたメタンの購入量の削減など、コストの削減も図ることができる。
具体的には、式1のメタンと二酸化炭素とを反応させて一酸化炭素と水素を得る反応は、CO2反応量1molあたりで0.25MJの吸熱反応である。このことは、熱源に排熱を利用することで、排熱から0.25MJの熱量を回収できることを意味している。つまり、高温の焼結鉱を用いることにより、式1に反応により、CO21molあたり0.25MJのエネルギーを創出できることになり、その分、加熱等に必要なメタン等の購入量を低減することが可能になる。
反応器12に供給する焼結鉱が600℃以上であることは、一例として、触媒供給管24から反応器12への焼結鉱の投入部において、投入する焼結鉱の温度を赤外線サーモグラフィなどのサーモビューワ(サーモグラフィ)で測定して、確認すればよい。
反応器12に供給する焼結鉱の温度は、1300℃以下であるのが好ましい。
反応器12内においては、ガスが適正に流れる必要が有る。ここで、反応器12に供給する焼結鉱の温度が高すぎると、焼結鉱が溶融して融着してしまい、ガスの流れを妨げてしまう可能性がある。これに対し、反応器12に供給する焼結鉱の温度を1300℃以下とすることにより、反応器12内における焼結鉱の溶融/融着を、確実に防止できる。
反応器12内における式1の反応には、好ましくは600℃以上の高温が必要である。しかしながら、反応の進行に伴い、反応器12内の焼結鉱は、顕熱を失って冷却される。これに対し、前述のように、焼結鉱を連続的に反応器12に投入し、投入量に応じて反応器12から排出することにより、反応器12内において焼結鉱の温度が低下することを防止できる。
なお、必要に応じて、反応器12内の焼結鉱を加熱してもよい。この際において、焼結鉱の加熱は、ヒータ等を用いる公知の方法で行えばよい。
反応器12に供給する焼結鉱の平均粒径には、特に限定はないが、3〜100mmが好ましく、5〜30mmがより好ましい。
焼結鉱の平均粒径を3mm以上とすることにより、反応器12内に十分な隙間を作ってガス流路を好適確保できる、混合ガスを供給するためのブロア(図示せず)の電力低減等の点で好ましい。
焼結鉱の平均粒径を100mm以下とすることにより、触媒とメタンおよび二酸化炭素との接触面積を十分に確保して効率のよい改質が可能になる、反応器12の小型化(建設費用低減)等の点で好ましい。
焼結鉱の平均粒径(平均粒子径)は、例えば、JIS Z 8801に規定される篩を用いて篩分けし、それぞれの篩に残った試料の質量を計測して、累積分布を作製して求めればよい。具体的には、JIS Z 8819−2に記載される重み付き長さ算術平均径の算出方法に従う。
改質装置10において、メタンおよび二酸化炭素は、混合ガスとして、混合ガス供給管30によって、反応器12の底部から、分散板14の下方に供給される。混合ガスの供給は、公知の方法で行えばよい。
反応器12の下部から供給されたメタンおよび二酸化炭素は、反応器12内を図中上方に流れる。この流れの中、触媒である焼結鉱および焼結鉱が有する熱の作用によって、式1の反応が生じて、メタンが改質されて水素および一酸化炭素が生成され、反応器12の上部の排出管32から、水素および一酸化炭素を含む改質ガスが排出される。
一酸化炭素およびメタンは、各種のものが利用可能である。
図1に示す改質装置10では、コスト低減を図れる一例として、高炉36から排出されるガス(いわゆるBガス)から、二酸化炭素分離装置38によって分離した二酸化炭素を、反応器12に供給している。
また、メタンは、製鉄業等においてエネルギ源として購入したものを用いればよい。あるいは、例えばコークス炉から発生するガス(主要成分の組成、H2:50〜54vol%、CH4:30〜33vol%、CO:6〜8vol%)など、メタン(CH4)を含有するガスをそのまま、または、精製して用いてもよい。
ここで、本発明の改質装置10において、反応器12には、反応器12におけるガスの流れ方向に異なる位置に、反応器12内に二酸化炭素を供給するためのガス供給口18a〜18dが設けられている。
改質装置10において、二酸化炭素分離装置38が分離した二酸化炭素は、混合ガス供給管30に加え、ガス供給口18a〜18dにも供給可能に構成されている。
また、改質装置10においては、反応器12に二酸化炭素を供給するガス供給口を1以上、任意に選択でき、かつ、ガス供給口18a〜18dの個々で、二酸化炭素の供給量を制御できる。ガス供給口18a〜18dへの二酸化炭素の供給は、図示を省略する制御手段による制御の下、公知の方法で行われる。
このように、本発明においては、触媒として焼結鉱を用い、かつ、原料となる二酸化炭素とメタンとの混合ガスを反応器12に供給すると共に、混合ガスの供給位置よりガスの流れ(以下、『ガスの流れ』を単に『ガス流』とも言う)の下流側において、ガス流方向に異なる1箇所以上のガス供給口から、反応器12に二酸化炭素を供給する。すなわち、本発明においては、メタンの二酸化炭素改質において、触媒として焼結鉱を用いると共に、二酸化炭素をガス流方向の異なる位置に複数に分割して供給する。
本発明は、このような構成を有することにより、製鉄所で一般的に製造されている焼結鉱を触媒として用い、かつ、触媒である焼結鉱の還元を防止して、効率のよいメタンの二酸化炭素改質、および、これによる一酸化炭素および水素の製造を可能にしている。
前述のように、メタンと二酸化炭素との反応による一酸化炭素と水素との生成は、下記の式1のとおりである。
CH4+CO2 → 2CO+2H2 ・・・ 式1
このような化学式によるメタンの二酸化炭素改質では、反応が進行するにしたがって、ガス中における還元性ガスである一酸化炭素および水素の割合が増える。すなわち、反応器12内では、ガス流方向の下流に向かうにしたがって、ガス中における還元性ガスである一酸化炭素および水素の割合が増える。
ここで、『還元性のガスの分圧[kPa]/酸化性のガスの分圧[kPa]』を還元指数[−]とすると、メタンの二酸化炭素改質では、
還元指数=(COの分圧[kPa]+H2の分圧[kPa])/CO2の分圧[kPa]
となる。
下記の表1に、反応器12内における反応前後の各成分ガスのモル数を示す。

表1において、『Φ』はメタンの減少分率[−]を示している。
メタンは、反応により初期モル数のPch4から(1−Φ)×Pch4に減少する。メタンと二酸化炭素とは等モル反応するので、二酸化炭素は初期モル数Pco2からPco2−Φ×Pch4に減少する。
一方、一酸化炭素および水素は、メタンの反応モル数に対して2モル生成するので、それぞれ2×Φ×Pch4づつ反応(生成)する。
このうち、酸化性のガスは二酸化炭素であり、還元性ガスは一酸化炭素および水素である。以上より、還元指数を計算すると
還元指数=
(2×Φ×Pch4+2×Φ×Pch4)/(Pco2−ΦPch4) ・・・ 式2
となる。ガス全圧力をn(n=Pch4+Pco2)とすると(式2)は
還元指数=4Φ(n−Pco2)/(Pco2−Φ(n−Pco2)) ・・・ 式3
となる。
図2に、従来のメタンの二酸化炭素改質方法、すなわち、混合ガス供給管30のみから二酸化炭素を供給した場合の、反応器12内における還元指数の計算値および実測値を示す。図2において、横軸は、メタンの減少分率であり、すなわち、左から右に向かって、反応器12におけるガス流方向の上流から下流に対応する。
計算上は、メタンの反応が進行すると酸化性のガスである二酸化炭素が減少し、還元性ガスのガスである一酸化炭素および水素が増加する。従って、反応器12内のガスの還元指数は、破線で示す計算値のように、メタンの反応の進行に従って、漸次、増大するはずである。
ところが、実際に、ガスをサンプリングして還元指数を算出してみると、実線で示す実測値のように、還元指数は、1を超えたあたりから一定値となっている。
これは、還元性ガスすなわち一酸化炭素および水素の生成によって、反応器12内のガスにおける還元性ガスの割合が増加し、還元性ガスが、焼結鉱(酸化鉄)を還元し始めたことに起因する。
すなわち、この現象は、反応系内における還元性ガスの割合が増えたことで、
Fe23+CO=2FeO+CO2 ・・・ 式4
Fe23+H2=2FeO+H2O ・・・ 式5
の反応が生じ、生成した還元性ガスがふたたび酸化性ガスとなっていることを示唆する。
このように、還元指数が1になると、熱エネルギが酸化鉄の還元に使用されてしまい、焼結鉱を触媒とする二酸化炭素とメタンとの反応が効率よく行われず、一酸化炭素および水素の生成効率が低下してしまう。
還元指数の増加と反応の効率の低下との関係は、使用する焼結鉱の被還元性(還元されやすさの度合い)によって異なる。また、ガスと焼結鉱との量比によって、還元指数の増加速度も変動する。
しかしながら、この現象そのものは、触媒として酸化鉄を使用する以上、避けることはできない。
これに対し、本発明においては、混合ガス供給管30からのメタンおよび二酸化炭素の混合ガスの供給に加え、ガス流方向に異なる1以上の位置から、反応器12内に二酸化炭素を供給する。また、二酸化炭素のみの供給は、混合ガスの供給部よりも下流で行う。
これにより、反応器12内において増加した還元指数を、二酸化炭素の供給によって下げることができる。そのため、二酸化炭素の供給位置から下流では、メタンの改質反応が進行し、熱エネルギをメタンの改質反応に作用させて、一酸化炭素および水素を効率よく生成することができる。
すなわち、例えば、2箇所のガス供給口18a〜18bから二酸化炭素を供給することにより、図3に示すように、ガスの流れ方向に向かって、増加した還元指数を低下することを繰り返して、熱エネルギを好適にメタンの改質反応に利用した、効率のよい一酸化炭素および水素の生成を行うことができる。
本発明において、二酸化炭素を供給するガス供給口は、図示例の4箇所に限定はされず、1箇所〜3箇所でもよく、あるいは、5箇所以上でもよい。すなわち、ガス供給口の数は、反応器12の大きさや、メタン等の供給量等に応じて、適宜、設定すればよい。なお、ガス供給口は、基本的に、ガス流方向に等間隔に設ければよい。
また、図示例の改質装置10では、反応器12は、4箇所のガス供給口18a〜18dを有するが、二酸化炭素を供給するガス供給口は、1箇所のみでもよく、2箇所でもよく、3箇所でもよく、4箇所全部でもよい。
すなわち、本発明においては、混合ガスの供給位置も含めて、反応器12のガス流方向に異なる2箇所以上に分割して、反応器12に二酸化炭素を供給すればよい。
二酸化炭素を供給するガス供給口18a〜18dの決定方法(反応器への二酸化炭素の供給位置の決定方法)は、シミュレーションによる方法、設けたガス供給口18a〜18dの全てから二酸化炭素を供給する方法等、各種の方法が利用可能である。
好ましくは、ガス流方向に異なる複数の位置において、反応器12からガスを採取して、採取したガスの還元係数を算出して、還元係数が1以上である採取部に対応するガス供給口を、二酸化炭素の供給位置として決定する。
すなわち、図1に示す改質装置10のように、反応器12のガス流方向に異なる複数箇所に、反応器12からガスを採取するガス採取口20a〜20hを設ける。
その上で、実際に改質装置10によってメタンの二酸化炭素改質を行い、各ガス採取口から20a〜20hから、反応器12内のガスを採取する。さらに、採取したガスの還元係数を算出して、還元係数が1以上であるガス採取口に対応するガス供給口を、二酸化炭素の供給位置として決定する。
一例として、採取したガスの還元係数が1以上であるガス採取口に対して、ガス流方向に同位置のガス供給口、もしくは、ガス流方向に直上流のガス供給口を、二酸化炭素を供給するガス供給口として決定する。
例えば、ガス採取口20cから採取したガスの還元係数が1以上である場合には、ガス供給口18bを二酸化炭素の供給位置として決定する。また、ガス採取口20eから採取したガスの還元係数が1を超えた場合には、ガス供給口18cを二酸化炭素の供給位置として決定する。さらに、ガス採取口20gから採取したガスの還元係数が1以上である場合には、ガス供給口18dを二酸化炭素の供給位置として決定する。
あるいは、採取したガスの還元係数が1を超えたガス採取口に対応して、ガスの流れ方向の同位置、もしくは、上流側のガス採取口との間に、反応器12にガス供給口を形成してもよい。
この操作を、全てのガス採取口から採取されるガスの還元係数が安定するまで行い、メタンの二酸化炭素改質の操業を行う際に、二酸化炭素を供給するガス供給口を決定する。
本発明においては、このようにして、予め二酸化炭素を供給するガス供給口を決定しておき、混合ガス供給管30および決定したガス供給口から二酸化炭素の分割供給を行って、メタンの二酸化炭素改質を行えばよい。
混合ガス供給管30も含めて、各ガス供給口18a〜18dからの二酸化炭素供給量は、特に制限はなく、適宜、調節してよい。好ましくは、反応器12内のガスの還元指数が常に1以下になるように、適宜、調節する。一例として、混合ガス供給管30も含めて、各ガス供給口18a〜18dからの二酸化炭素供給量は、基本的に、同量とすればよい。
本発明においては、二酸化炭素を供給するガス供給口18a〜18dを決定したら、基本的に、操業条件が変わらない限り、二酸化炭素を供給するガス供給口18a〜18dを変更する必要はない。従って、メタンの二酸化炭素改質を行っている際には、基本的に、ガス採取口20a〜20hからのガス採取は不要である。
しかしながら、必要に応じて、ガス採取口20a〜20hの1以上、好ましくは全部からガスを採取して、還元指数を算出し、算出した還元指数に応じて、二酸化炭素を供給するガス供給口18a〜18dを変更してもよい。
反応器12からガスを採取するガス採取口の数は、特に限定は無いが、二酸化炭素を供給するガス供給口よりも多いのが好ましい。
特に、ガス採取口は、ガス流方向に、可能な範囲で、多数、設けるのが、より好ましい。しかしながら、形成可能なガス採取口の数には、限界が有るので、ガス採取口の数は、ガス供給口の数の2倍以上であるのがより好ましい。
なお、ガス採取口20a〜20hも、基本的に、ガス流方向に等間隔で設ければよい。また、ガス採取口20a〜20hは、基本的に、ガス流方向の最上流のガス供給口18aよりも下流に設ければよい。
本発明において、供給するメタンおよび二酸化炭素の量は、要求される処理量、反応器12の大きさ等に応じて、適宜、決定すればよい。
また、反応器12の大きさは、要求されるメタンの処理量等に応じて、適宜、決定すればよい。
反応器12へのメタンおよび二酸化炭素の供給量は、一例として、以下のようにして決定すればよい。
焼結鉱の顕熱として初期温度1000℃から改質反応により600℃までの熱量を回収すると、焼結鉱1ton当たり約0.97GJ(約0.97GJ/ton−焼結鉱)の熱量が利用できる。
一方、式1の反応熱は、二酸化炭素1mol当たり0.25MJ(0.25MJ/mol−CO2)であるから、割り算して、焼結鉱1tonあたりの二酸化炭素の流量は3.88kmol(3.88kmol−CO2/ton−焼結鉱)とすればよい。単位を換算すると、焼結鉱1ton当たりの二酸化炭素の流量は86.9Nm3(86.9Nm3−CO2/ton−焼結鉱)とすればよい。
つまり、例えば、1時間当たり10tonの焼結鉱を供給(熱回収)する場合、二酸化炭素の吹込量は、1時間当たり最大869Nm3(869Nm3−CO2/hr)である。
一般化して、1時間当たりの焼結鉱の供給量W[ton/hr]に対して、二酸化炭素の供給量は、1時間当たり86.9Nm3×W(86.9Nm3−CO2/hr)である。
また、式1より、CO2の減少と同じ量のCH4が消費されるため、CH4の吹込み量はCO2の吹込み量と同じか、それよりも多くすればよい。
一方、反応器12のサイズは、一例として、以下のように決定すればよい。
反応器12内における反応時間をt時間とすると、1時間当たりの焼結鉱の供給量W[ton/hr]に対して、W×t[ton]の焼結鉱を容器内に滞留させておく必要がある。焼結鉱の比重は1.7ton/m3程度であるから、容積[m3]に換算してW×t/1.7の容積が必要である。例えば、W=10、t=0.5とすると、必要な反応器12の容積は2.94m3となる。
これに対し、反応器12内のガス流速が0.5〜3m/sec程度になるように、反応器12の断面積を決めればよい。
以上、本発明の炭化水素の二酸化炭素改質方法、炭化水素の二酸化炭素改質装置、ならびに、水素および一酸化炭素の製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明について、より詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例に限定されないのは、もちろんである。
[使用した焼結鉱]
下記の表2に示す組成および平均粒径の焼結鉱を容易した。なお、この焼結鉱は一例であり、製鉄所において高炉の原料となる焼結鉱であれば、特に大きな制約はない。
[ガス改質装置]
反応器は円筒型とし、焼結鉱の装入および排出に重力を利用するため竪型のものを採用した。
[実施例1(本発明を適用)]
反応器の上部から表2に記載した焼結鉱を10ton/hrで供給した。
反応器内における焼結鉱の滞留時間を0.5hrとした。従って、反応器に充填される焼結鉱の重量は5tonである。そのため、容器の容積は2.94m3必要であった。このとき、容器の半径を0.58mとすることで容器内のガス流速を適正範囲の1.55m/secとすることができた。従って、反応器の高さは2.78mである。
本例においては、予め反応器を用いたメタンの二酸化炭素改質の実験を行い、反応器のガス流方向に異なる複数の位置からガスを採取して、還元係数が1以上となるガス採取口の位置に対応して、二酸化炭素を供給するガス供給口の位置を決定した。
その結果、二酸化炭素を供給するガス供給口を、3箇所、決定した。すなわち、本例においては、二酸化炭素は4箇所に分割して反応器に供給する。具体的には、二酸化炭素は、メタンとの混合ガスとして供給される反応器の下部(CO2供給位置1、0m)に加え、最上流部となる反応器の下部から0.7mのガス供給口(CO2供給位置2)、最上流部となる反応器の下部から1.4mのガス供給口(CO2供給位置3)、および、最上流部となる反応器の下部から2.1mのガス供給口(CO2供給位置4)から供給した。
以上の条件の下、750Nm3/hrのメタンを一括して反応器の下部から供給し、かつ、二酸化炭素を、メタンと混合する反応器の下部と、3箇所のガス供給口との4カ所から、187Nm3/hrずつ供給して、メタンの二酸化炭素改質を行った。
反応器から排出されたガスの組成は、メタン/二酸化炭素/一酸化炭素/水素の順番で、590/590/304/294[Nm3/hr]であった。
本来、一酸化炭素と水素は等量発生するはずであるが、特に酸化鉄と還元反応しやすい水素がやや少ない値となっている。また、排出ガスの還元指数は1.0であった。
供給側のガスの熱量は26.9GJ/hrであったものが、排出側では33.9GJ/hrとなっており、7GJ/hrほどのエネルギーが富化された。
また、10ton/hrの焼結鉱の熱量は9.7GJ/hrであるから、焼結鉱の熱量の72.6%がガスに移行(エネルギー転換)した。
[比較例1]
ガス供給口を使わず、二酸化炭素の全量750Nm3/hrを、メタンと共に反応器下部(CO2供給位置1、0m)から供給した以外は、実施例1と同様に、メタンの二酸化炭素改質を行った。
反応器から排出されたガスの組成は、メタン/二酸化炭素/一酸化炭素/水素の順番で、520/520/322/184[Nm3/hr]であった。
本来、一酸化炭素と水素は等量発生するはずであるが、特に酸化鉄と還元反応しやすい水素が、かなり少ない値となっている。排出ガスの還元指数は1.0であった。
排出ガスの還元指数は[実施例1]と同一であったが、二酸化炭素を分割せずに一括して供給したため、還元能力の高いガスと焼結鉱の接触時間が長くなり、その分焼結鉱の還元(エネルギーとしてはロス)が生じたものと考えられる。また、一酸化炭素と水素とでは、後者の方が還元速度が速いため、水素の減少が顕著であったと考えられる。
供給側のガスの熱量は26.9GJ/hrであったものが、排出側では33.0GJ/hrとなっており、6.1GJ/hrほどのエネルギーが富化された。
また、10ton/hrの焼結鉱の熱量は9.7GJ/hrであるから、焼結鉱の熱量の62.6%がガスに移行(エネルギー転換)したことになり[実施例1]に比較して小さい値であった。
[実施例2(本発明を適用)]
反応器の上部から表2に記載した焼結鉱を50ton/hrで供給した。
反応器内における焼結鉱の滞留時間を0.5hrとした。従って、反応器に充填される焼結鉱の重量は25tonである。そのため、容器の体積は14.7m3必要であった。このとき、容器の半径を1.5mとすることで容器内のガス流速を適正範囲の1.17m/secとすることができた。従って、反応器の高さは2.08mである。
本例においても、予め反応器を用いたメタンの二酸化炭素改質の実験を行い、反応器のガス流方向に異なる複数の位置からガスを採取して、還元係数が1以上となるガス採取口の位置に対応して、二酸化炭素を供給するガス供給口の位置を決定した。
その結果、二酸化炭素を供給するガス供給口は、3箇所に決定した。すなわち、本例においては、二酸化炭素は4箇所に分割して反応器に供給する。具体的には、二酸化炭素は、メタンとの混合ガスとして供給される反応器の下部(CO2供給位置1、0m)に加え、最上流部となる反応器の下部から0.5mのガス供給口(CO2供給位置2)、最上流部となる反応器の下部から1mのガス供給口(CO2供給位置3)、および、最上流部となる反応器の下部から1.5mのガス供給口(CO2供給位置4)から供給した。
以上の条件の下、3800Nm3/hrのメタンを一括して反応器の下部から供給し、かつ、二酸化炭素を、メタンと混合する反応器の下部と、3箇所のガス供給口との4カ所から、950Nm3/hrずつ供給して、メタンの二酸化炭素改質を行った。
反応器から排出されたガスの組成は、メタン/二酸化炭素/一酸化炭素/水素の順番で、2970/2870/1577/1527[Nm3/hr]であった。
本来、一酸化炭素と水素は等量発生するはずであるが、特に酸化鉄と還元反応しやすい水素がやや少ない値となっている。また、排出ガスの還元指数は1.0であった。
供給側のガスの熱量は136.2GJ/hrであったものが、排出側では172.8GJ/hrとなっており、36.5GJ/hrほどのエネルギーが富化された。
また、50ton/hrの焼結鉱の熱量は48.5GJ/hrであるから、焼結鉱の熱量の75.3%がガスに移行(エネルギー転換)した。
[比較例2]
ガス供給口を使わず、二酸化炭素の全量3800Nm3/hrを、メタンと共に反応器下部(CO2供給位置1、0m)から供給した以外は、実施例2と同様に、メタンの二酸化炭素改質を行った。
反応器から排出されたガスの組成は、メタン/二酸化炭素/一酸化炭素/水素の順番で、2590/2590/1645/992[Nm3/hr]であった。
本来、一酸化炭素と水素は等量発生するはずであるが、特に酸化鉄と還元反応しやすい水素が、かなり少ない値となっている。排出ガスの還元指数は1.0であった。
排出ガスの還元指数は[実施例1]と同一であったが、二酸化炭素を分割せずに一括して供給したため、還元能力の高いガスと焼結鉱の接触時間が長くなり、その分焼結鉱の還元(エネルギーとしてはロス)が生じたものと考えられる。また、一酸化炭素と水素とでは、後者の方が還元速度が速いため、水素の減少が顕著であったと考えられる。
供給側のガスの熱量は136.2GJ/hrであったものが、排出側では167.8GJ/hrとなっており、31.6GJ/hrほどのエネルギーが富化された。
また、50ton/hrの焼結鉱の熱量は48.5GJ/hrであるから、焼結鉱の熱量の65.2%がガスに移行(エネルギー転換)したことになり[実施例1]に比較して小さい値であった。
以上の結果を、下記の表3にまとめて示す。

以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
製鉄所で排出される二酸化炭素を用いたメタンの改質による一酸化炭素および水素の製造等に好適に利用可能である。
10 (炭化水素の二酸化炭素)改質装置
12 反応器
14 分散板
18a〜18d ガス供給口
20a〜20h ガス採取口
24 触媒供給管
26 触媒排出管
30 混合ガス供給管
32 排出管
36 高炉
38 二酸化炭素分離装置

Claims (7)

  1. 炭化水素を二酸化炭素によって改質して、一酸化炭素および水素を生成するに際し、
    触媒として焼結鉱を用い、前記焼結鉱を充填した反応器に炭化水素および二酸化炭素を供給すると共に、前記反応器への二酸化炭素の供給を、前記反応器におけるガスの流れ方向に異なる複数箇所に分割して行うことを特徴とする炭化水素の二酸化炭素改質方法。
  2. ガスの流れ方向の異なる複数箇所において前記反応器からガスを採取して、下記式で示される還元指数を算出し、前記還元指数が1以上であるガスの採取位置に対応する位置から、前記反応器への二酸化炭素の供給を行う請求項1に記載の炭化水素の二酸化炭素改質方法。
    還元指数=(COの分圧[kPa]+H2の分圧[kPa])/CO2の分圧[kPa]
  3. 前記反応器に600℃以上の焼結鉱を充填する請求項1または2に記載の炭化水素の二酸化炭素改質方法。
  4. 触媒としての焼結鉱を充填した反応器と、
    前記反応器に炭化水素および二酸化炭素の混合ガスを供給する混合ガス供給手段と、
    前記反応器におけるガスの流れ方向に前記原料ガス供給手段による混合ガスの供給位置よりも下流において、前記反応器に二酸化炭素を供給する、1個もしくは前記反応器におけるガスの流れ方向に異なる位置に設けられた複数個のガス供給口と、
    前記二酸化炭素供給口の1以上に二酸化炭素を供給するガス供給手段とを有することを特徴とする炭化水素の二酸化炭素改質装置。
  5. 前記反応器におけるガスの流れ方向に異なる複数箇所に、前記反応器からガスを採取する採取口を有し、
    前記二酸化炭素供給手段は、前記採取口から採取されたガスから算出した下記式で示される還元指数が1以上となる前記採取口の位置に対応する前記ガス供給口から、前記反応器への二酸化炭素の供給を行う請求項4に記載の炭化水素の二酸化炭素改質装置。
    還元指数=(COの分圧[kPa]+H2の分圧[kPa])/CO2の分圧[kPa]
  6. さらに、前記反応器に焼結鉱を供給する供給装置を有し、かつ、前記供給装置は、600℃以上の焼結鉱を前記反応器に供給する請求項4または5に記載の炭化水素の二酸化炭素改質装置。
  7. 炭化水素を二酸化炭素によって改質して、一酸化炭素および水素を製造するに際し、
    触媒として焼結鉱を用い、前記焼結鉱を充填した反応器に炭化水素および二酸化炭素を供給すると共に、前記反応器への二酸化炭素の供給を、前記反応器におけるガスの流れ方向に異なる複数箇所に分割して行うことを特徴とする一酸化炭素および水素の製造方法。
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