JP2017023324A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技への注目度を良好に高めることができる遊技機を提供する。【解決手段】遊技領域に設けられた作動入球部への入球に基いて大当たりの抽選が実行され、図柄表示装置の表示画面75aにおいてはその抽選結果に応じて図柄の変動表示〜確定表示が行われる。図柄の変動表示態様には、完全外れと大当たり結果となる期待度が完全外れよりも高くなるように設定されたリーチ表示とが設けられている。リーチ表示には大当たり結果となる期待度が異なるスーパーリーチA〜Cが含まれている。抽選モードが高確率モード且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる回数制限付の高確遊技状態においては、当該高確遊技状態にて実行されたリーチ演出を含んだ遊技演出に対応する期待度が当該遊技演出が実行された遊技回の後の遊技回にて報知される。【選択図】 図40

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある(例えば特許文献1参照)。近年では絵柄表示装置等の高機能化に伴いより多様な演出を行うことが可能となっており、遊技演出が単調になって遊技機への興味が早々に低下することを抑制している。
特開2005−074175号公報
しかしながら、上述したように演出の多様化を行った場合、遊技機の仕様等を熟知した熟練者等に対して興趣向上効果を上手く発揮させることができる反面、遊技機の仕様等をよくわかっていない遊技初心者にとっては何が起こっているのかを理解するのが一層困難になり得る。これでは、上述した演出の多様化機能を上手く発揮させることが難しくなると懸念される。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を好適に向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている判定対象の特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように遊技装置を制御する遊技回制御手段と
を備え、
前記遊技装置は、各遊技回にて前記付与判定手段の判定結果に応じた演出を行う演出実行手段を有し、
前記演出実行手段による演出態様は、前記付与対応結果となる期待度を相違させて複数設けられており、
所定の遊技回にて実行された演出態様の期待度に関する情報を当該所定の遊技回の後に実行される遊技回にて報知する報知手段を備えていることを特徴とする。
遊技への注目度を良好に高めることができる。
一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 可変表示ユニットを前方から見た斜視図である。 (a)可変表示ユニットの正面図、(b)可変表示ユニットの背面図である。 可変表示ユニットの分解斜視図である。 表示部材の動きを示す動作説明図である。 表示部材が表示位置に配置された状態を示す説明図である。 表示部材が表示位置に配置された状態を示す説明図である。 表示部材と反射部との位置関係を示す断面図である。 特別演出が実行される場合の表示態様を示す概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図である。 図柄表示装置の表示画面において表示される図柄を説明するための説明図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。 情報取得処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 図柄変動態様の決定等に係る電気的構成を示すブロック図である。 報知・演出制御装置のMPUによる変動表示制御処理を示すフローチャートである。 変動開始用処理を示すフローチャートである。 (a)変動表示態様の種類を示す概略図、(b)各変動表示態様の概要を示す概略図である。 (a)表示制御装置のMPUによる保留表示制御用コマンド対応処理を示すフローチャート、(b)保留表示の様子を示す概略図である。 主制御装置のMPUによる保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUによる保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。 報知・演出制御装置のMPUによる保留予告演出用設定処理を示すフローチャートである。 (a)保留予告演出の流れを示す概略図、(b)保留予告演出の種類を示す概略図である。 (a)報知・演出制御装置のMPUによる役物連動特別演出用設定処理を示すフローチャート、(b)特別演出実行処理を示すフローチャートである。 遊技の流れを示すタイミングチャートである。 (a)主制御装置のMPUによる開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャート、(b)変動表示モードを示す概略図である。 (a)主制御装置のMPUによる変動表示時間の設定処理を示すフローチャート、(b)通常設定処理を示すフローチャートである。 (a)特殊設定処理を示すフローチャート、(b)第1変動表示時間テーブルを示す概略図である。 (a)第2変動表示時間テーブルを示す概略図、(b)規定回数到達時の変動表示態様の内わけを示す概略図である。 (a)高確遊技状態における表示内容を示す概略図、(b)高確遊技状態における表示内容の変化を示す概略図である。 (a)表示制御装置のMPUによる期待度報知開始用処理を示すフローチャート、(b)期待度報知終了用処理を示すフローチャートである。 遊技演出毎の期待度を示す概略図である。 期待度報知の流れを示すタイミングチャートである。 期待度報知の様子を示す概略図である。 特殊設定処理の変形例を示すフローチャートである。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
<前扉枠14>
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上側膨出部31にて上皿33よりも手前側となる部分には、遊技者によって操作される操作ボタン35が配設されている。この操作ボタン35が操作されることにより後述する操作対応の演出(例えば役物連動の特別演出)等が実施されることとなる。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
<内枠13>
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。
なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。また、樹脂ベース50に対して遊技盤60を遊技前方から搭載する構成とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
<遊技盤60>
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置64,65、スルーゲート66、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置64,65への入球が発生すると、それが遊技盤60の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
その他に、遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置64,65、スルーゲート66への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動入球部62,63等が配設されている。作動入球部62,63は、可変表示ユニット67の下方に上下に並べて配置されている。以下便宜上、上側の作動入球部を「上側作動入球部62」と称し、下側の作動入球部を「下側作動入球部63」と称する。
下側作動入球部(抽選契機入球部)63については特に、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が設けられている。電動役物71は、左右一対の可動片71aと同可動片71aを駆動させるソレノイド式の電動役物駆動部71bとを有してなり、当該可動片71aを動作させることにより下側作動入球部63における入口部(下側作動口63a)への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又は補助状態)と、同入球が上記開状態よりも困難となる閉状態(非サポート状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域及び左側となる領域には、上記スルーゲート66がそれぞれ配置されており、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が予め設定された時間に亘って開状態となる。
可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)64,65については、可変表示ユニット67の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット67の下方(詳しくは作動入球部62,63の下方)に配置された可変入球装置を「下側可変入球装置64」と称し、可変表示ユニット67の右方(詳しくは下側作動入球部63の下方)に配置された可変入球装置を「右側可変入球装置65」と称する。
下側可変入球装置64は、遊技盤60の背面側へと通じる下側大入賞口64aを備えているとともに、当該下側大入賞口64aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、下側大入賞口64a用の開閉部材としての開閉扉64bを有してなる。開閉扉64bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉64bは遊技盤60の背面側に設けられた可変入球駆動部64c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉64bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
また、右側可変入球装置65についても同様に、遊技盤60の背面側へと通じる右側大入賞口65aを備えているとともに、当該右側大入賞口65aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、右側大入賞口65a用の開閉部材としての開閉扉65bを有してなる。開閉扉65bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉65bは遊技盤60の背面側に設けられた可変入球駆動部65c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉65bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入球装置64,65の開放態様としては、例えば所定時間(本実施の形態においては0.6sec又は30sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(本実施の形態においては9ラウンド)を上限とした開閉扉64b又は開閉扉65bの開放が繰り返されるように設定されている。
また、開閉実行モードにおいては、下側可変入球装置64(下側大入賞口64a)が開放の対象となる場合と、右側可変入球装置65(右側大入賞口65a)が開放の対象となる場合とが設定されている。これら両開放態様については、後述する大当たりの種類に応じて選択される。
ここで、各作動入球部62,63及び各可変入球装置64,65の配置について補足説明する。
上記可変表示ユニット67の左側となる領域に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は遊技領域PEにおいて当該可変表示ユニット67の下側となる領域、すなわち上側作動入球部62及び下側作動入球部63が配置されている領域へと誘導されやすくなっている。この際、両作動入球部62,63を素通りした遊技球は下側可変入球装置64へと流下し、当該下側可変入球装置64の下側大入賞口64aへ入球しなかった場合には、アウト口68を通じて遊技領域PE外に排出される。一方、上記右側可変入球装置65については可変表示ユニット67の左側となる領域を流下した遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、可変表示ユニット67の左側となる領域へ向けて発射された遊技球の右側大入賞口65aへの入球が回避されている。
また、可変表示ユニット67の右側となる領域に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は右側可変入球装置65へ向けて流下する。右側可変入球装置65には、遊技球を遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の下側となる領域(詳しくは下側作動入球部63)へ向けて誘導する誘導部が形成されており、右側可変入球装置65の右側大入賞口65aを素通りした遊技球は下側作動入球部63へ向けて流下することとなる。そして当該下側作動入球部63を素通りした遊技球は下側可変入球装置64へ向けて流下する。ここで、上側作動入球部62については、可変表示ユニット67の右側となる領域へ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、同遊技球は両可変入球装置64,65及び下側作動入球部63への入球が許容されている一方で、上側作動入球部62への入球が回避されている。
なお、本実施の形態においては、上述したように可変表示ユニット67の左右両側にスルーゲート66をそれぞれ配置しているため、遊技球を可変表示ユニット67の左右のどちらに向けて発射したとしても(遊技状況に応じて打ち分けを行ったとしても)下側作動入球部63の電動役物71によるサポート機能が担保される。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67は、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を変動表示する図柄表示装置75と可動式の演出装置としての可変表示装置76と有している。これら両表示装置75,76は、図柄表示装置75を奥側、可変表示装置76を手前側として前後に並設されており、両表示装置75,76における各種演出を見る際の目線の移動量の低減が図られている。
また、可変表示ユニット67は、両表示装置75,76を囲むようにして配設されたセンターフレーム77を備えている。センターフレーム77は遊技機前方に突出しており、このセンターフレーム77によって表示装置75,76の前方領域における遊技球の通過が規制されている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)発生となり、上述した開閉実行モードへ移行することとなる。
作動入球部62,63は、可変表示ユニット67寄りとなる位置に配置されている。作動入球部62,63への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部62,63に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動入球部62,63を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
作動入球部62,63の側方(右側可変入球装置65の下方)には、主表示ユニット81が配されている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット81の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
主表示ユニット81においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、上側作動入球部62(上側作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する上側作動入球部用表示部DUと、下側作動入球部63(下側作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部DLとを有してなる。
上側作動入球部用表示部DUでは、上側作動入球部62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上側作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上側作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上側作動入球部用表示部DUにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下側作動入球部用表示部DLでは、下側作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、下側作動入球部用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部DL,DUにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止(確定表示)されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止(確定表示)されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット81の主表示部Dには両作動入球部用表示部DL,DU以外に、スルーゲート66への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート66への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート66への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート66への入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下側作動入球部63に設けられた上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DL,DU,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DU,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして演出制御装置ユニット142が搭載されている。演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置610と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置610が装着されている。
報知・演出制御装置610は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
<裏パックユニット15>
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<可変表示装置76>
次に、図4〜図7に基づき遊技盤60に設けられた可変表示ユニット67(特に可変表示装置76)及びそれに関連する構成について詳しく説明する。図5は可変表示ユニット67を斜め前方から見た斜視図、図6(a)は可変表示ユニット67の正面図、図6(b)は可変表示ユニット67の背面図、図7は可変表示ユニット67の分解斜視図である。なお、図6及び図7においては便宜上、図柄表示装置75を簡略化してい示している(2点鎖線参照)。
既に説明したように可変表示ユニット67は図柄表示装置75,可変表示装置76,センターフレーム77を有している。図5に示すように、それら各種構成75〜77は、センターフレーム77,可変表示装置76,図柄表示装置75の順に前側から並べて配設されており、このうちセンターフレーム77が遊技盤60の前面側、可変表示装置76及び図柄表示装置75が遊技盤60の背面側に搭載されている。既に説明したように、センターフレーム77については遊技盤60の前面から突出しており、同センターフレーム77によって両表示装置75,76を囲むことにより遊技領域PEを流下している遊技球がそれら各表示装置75,76に対して衝突することを回避している(図4参照)。
センターフレーム77において作動入球部62,63の直上に位置している部分(センターフレーム77の下部)には、遊技球の転動を許容するステージ部77aが設けられている。ステージ部77aは表示画面75aの下端縁に沿うようにして左右に延びており、その中央位置には、遊技球を上側作動入球部62へと案内する案内部77bが形成されている。センターフレーム77において表示画面75aの側方に位置する部位には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の側方となる領域を流下する遊技球をステージ部77aへと導く入口部77cが形成されており、当該入口部77cを通じてステージ部77aに到達した遊技球は当該ステージ部77a上にて左右への揺動を繰り返すこととなる。このように揺動を繰り返す過程で案内部77bへ入った遊技球は高い確率で上側作動入球部62へと流入し、遊技機前方へ延びる溝部に捕まった遊技球はステージ部77aから転落し上側作動入球部62を素通りする。
可変表示装置76は、予め設定された実行条件が成立して役物連動特別演出(以下、説明の便宜上、特別演出ともいう)を実行する場合に動作する可変機構300と、当該可変機構300を収容するケース体350とを備えている。可変表示装置76を図柄表示装置75(詳しくは表示画面75a)の前方に配置したのは、表示画面75aにおける図柄の表示態様と、可変表示装置76による動作態様(演出内容)とに相関関係を与え、それら両表示装置75,76によって一体的な演出を行いやすくするための工夫である。
当該特別演出が実行される場合には、可変機構300によって表示画面75aが所定の態様で区画され、これに応じて表示画面75aにおける表示内容が切り替る。詳しくは、可変機構300によって表示画面75aが中央部分とその他の部分とに区画され、表示画面75aにおいては上記他の部分における絵柄が非表示となり、上記中央部分にて図柄の変動表示が実行されることとなる。
ケース体350は、遊技盤60の背面に対向する略板状のベース部351と、同ベース部351の周縁部から遊技盤60側へ起立する壁状をなし同ベース部351を囲む囲み部352とを有している。囲み部352の前端部分には遊技盤60に対する取付部が形成されており、当該取付部が遊技盤60に対して固定されることで可変表示装置76が遊技盤60に搭載された状態となっている。
図6(b)に示すように、ベース部351において遊技盤60とは反対側を向いている部位には図柄表示装置75用の設置部353が形成されており、当該設置部353に図柄表示装置75が設置されることで図柄表示装置75と可変表示装置76とが一体化されている。ベース部351において図柄表示装置75の表示画面75aに対向している部分には、当該表示画面75aに合わせて開口部354が形成されている。この開口部354を通じて表示画面75aが遊技盤60側(遊技機正面側)に露出している。
再び図5を参照して説明すれば、ケース体350においてベース部351及び囲み部352によって囲まれた領域には、上記可変機構300が設置されている。可変機構300は、ケース体350に対する取付部としての本体310を有しており、当該本体310がケース体350に対して固定されることで可変機構300とケース体350とが一体化されている。
図7に示すように、本体310は外形が囲み部352に合わせて形成された略枠状をなしており、当該本体310の中央開口311がケース体350の開口部354と連通している。これにより、遊技機前方からの表示画面75aの視認性が担保されている。
本体310の背面側であって、当該本体310とケース体350のベース部351とによって挟まれた領域には、上記特別演出の実行時に使用される表示部材320が複数配設されている。このように可変表示ユニット67外部への露出が抑えられた領域に表示部材320を配することにより同表示部材320の保護を図っている。
表示部材320は、中央開口311へ突出して表示画面75aに遊技機前方から重なる表示位置(図6(a)の破線部分を参照)と、本体310の背面に形成された収容部313に収容されて上記重なりが抑えられた待機位置(図6(b)の2点鎖線部分を参照)との両位置での切り替えが許容されている。特別演出が実行される場合には、表示部材320が表示位置に配置され、当該表示部材320によって表示画面75aにおける図柄の変動表示領域が区画される。
ここで、図7を参照して表示部材320のスライド移動を実現するための構成について具体的に説明する。表示部材320は、中央開口311に沿うようにして並べて配されている(中央開口311を中心として環状に配されている)。本体310の背面には表示部材320を保持する保持部312が各表示部材320に1対1で対応させて形成されている。これら保持部312によって、中央開口311の中心部分へと近づく側(中央開口311に対する突出量が大きくなって中央開口311を最小とする側)と当該中心部分から遠ざかる側(中央開口311に対する突出量が小さくなって中央開口311を最大とする側)とにスライド移動可能な状態で表示部材320が保持されている。言い換えれば、表示部材320は、それら表示部材320同士の距離が狭まる側と拡がる側とにスライド移動可能な状態で保持されている。
保持部312は、中央開口311に向けて延びる溝状をなしているとともに保持対象となっている1の表示部材320を挟んで対峙するように配置されている。表示部材320には本体310の背面と対向する平板状の基部321が形成されており、同基部321の端部が上記溝状部位に嵌まった状態となっている。そして、基部321の端部が溝状部位内を摺動するようにして表示部材320が移動することにより、上記表示位置及び待機位置間での移動が行われる際のスライド方向が規定されている。このように、保持部312が表示部材320の移動方向を規定する機能を有している点に着目すれば同保持部312を「ガイド部」又は「規定部」と称することも可能である。
表示部材320において保持部312によって保持されている端部については、表示部材320がどの位置に配置された場合であっても同保持部312に収まった状態で維持され、当該保持部312からの露出することはない。更には、保持部312及び同保持部312によって保持されている端部については、センターフレーム77や後述する枠体341等によって覆われており、遊技機前方から視認困難となっている。
本体310において保持部312と隣接する位置には、表示部材320を個別に駆動させる駆動部330が同表示部材320に1対1で対応させて設けられている。なお、駆動部330についても上記保持部312等と同様に、センターフレーム77や遊技盤60の背面側となる位置に配置されており、遊技機前方から視認不可となっている。
図6に示すように、各駆動部330は、報知・演出制御装置610に対して電気的に接続されたモータ330aと、同モータ330aに付随するピニオン330bとを有してなる。一方、表示部材320の基部321において上記保持部312によって保持されている端部には、駆動部330のピニオン330bに係合するラック321aが形成されている。ラック321aは当該端部に沿って延びており、表示部材320の移動範囲全域にてラック321aとピニオン330bとの係合状態が維持される構成となっている。
報知・演出制御装置610から出力される駆動信号に基づいてモータ330aが駆動すると、その駆動力がピニオン330b→ラック321aを経由して表示部材320に伝達され、各表示部材320が別個独立して動作することとなる。
また、上記収容部313には表示部材320の位置を検知する検知センサ335が配されている(図6(b)等参照)。当該検知センサ335は報知・演出制御装置610に対して電気的に接続されており、同報知・演出制御装置610においては検知センサ335からの検知信号(検知情報)に基づいて表示部材320の位置を、具体的には待機位置に存在しているが否かを把握することが可能となっている。
図7等に示すように、基部321における中央開口311側の端部には、遊技機正面側に光を発する発光部322が形成されている。発光部322は中央開口311の中心部側に凸となるようにして折れ曲がっている(略く字状をなしている)。発光部322の両端部は、表示部材320が上記表示位置〜待機位置間のどの位置に存在している場合であっても、前後方向における本体310との重なりが維持されるように構成されている。これにより、発光部322の両端部については遊技機前方からの視認が本体310によって妨げられている。
表示部材320は透明性を有する合成樹脂材料を用いて形成されており、当該表示部材320において発光部322以外の部分については同部分を通じた後方の視認性が担保されている。表示部材320が上述した表示位置に配置されている状況下においては、基部321が表示画面75aの一部を覆うこととなるが、当該重なっている部分を通じた表示画面75aの視認性が担保される。かかる構成を採用することにより基部321と発光部322とが明確に差別化されている。
発光部322は、基部321から遊技機正面側へ突出した突条部325を有している。突条部325は表示画面75a側に開放された中空状をなしており、この中空部分を表示画面75a側から覆うようにして発光基板326が取り付けられている(図6(b)参照)。発光基板326の前面には複数の発光体327(詳しくはLED)が実装されており、突条部325において発光基板326と対向している部分には、発光体327からの光を拡散させる光拡散部が形成されている。
発光体327からの光は、突条部325を通過する際に拡散されて遊技機前方へ照射されることとなる。特に、発光体327については、突条部325に沿うようにして配列されており(図6(b)参照)、発光体327の点灯時又は点滅時には発光部322全体が発光しているかのような印象を遊技者に対して与えやすくなっている。
本体310とセンターフレーム77との間には、中央開口311を覆う前面カバー340が取り付けられている。前面カバー340は、中央開口311に沿って延びる枠体341を有しており、当該枠体341が本体310に対して固定されることにより、本体310と前面カバー340とが一体化されている。
枠体341には当該枠体341の開放部分を覆うパネル部材342が取り付けられており、同パネル部材342によって中央開口311を通じた表示部材320や表示画面75aへのアクセスが制限されている。パネル部材342は透明な合成樹脂材料を用いて形成されており、当該パネル部材342を通じた上記表示画面75aや表示部材320の視認性が担保されている。
次に、図6及び図8を参照して特別演出を実行する際の表示部材320の動きについて説明する。図8は表示部材320の動きを示す概略図であり、可変機構300を遊技機後方から見た状態を示している。
既に説明したように、表示部材320は中央開口311の周縁に沿って配列されている。具体的には、図6に示すように、中央開口311を囲むようにして同中央開口311の下側、左側、左上側、右上側、右側にそれぞれ配置されている。これら、各表示部材320においては隣り合う他の表示部材との位置関係が同様となるように構成されている。
そこで以下、中央開口311の下方に配された下側の表示部材320B(以下便宜上、下側表示部材320Bと称する),中央開口311の左方に配された左側の表示部材(以下便宜上、左側表示部材320Lと称する),中央開口311の右方に配された右側の表示部材320(以下便宜上、右側表示部材320Rと称する)の動きについて例示し、他の表示部材の動きについては説明を援用する。
なお、以下の説明においては、下側表示部材320Bに対応する収容部及び発光部を「下側収容部313B」,「下側発光部322B」、左側表示部材320Lに対応する収容部及び発光部を「左側収容部313L」,「左側発光部322L」、右側表示部材320Rに対応する収容部及び発光部を「右側収容部313R」,「右側発光部322R」として適宜区別する。
図8(a)に示すように、各表示部材320B,320L,320Rが待機位置に配置されている場合には、それら各表示部材320B,320L,320Rが収容部313B,313L,313Rに収容されており、同表示部材320B,320L,320Rのほぼ全体が当該本体310,遊技盤60,センターフレーム77等によって遊技機前方から覆われている。このため、待機位置に配置されている表示部材320B,320L,320Rについては、遊技者等から視認困難又は不可となるように隠蔽された状態となっている。
特別演出が開始される場合には、各表示部材320B,320L,320Rを個別に表示位置へと移動させるべく各駆動部330に対してそれぞれ駆動信号が出力される。これらの駆動信号に基づいて駆動部330が動作し、各表示部材320B,320L,320Rが表示位置へと移動する。
なお、本実施の形態においては、左右の表示部材320L,320Rと下側表示部材320Bとでは待機位置から表示位置への移動距離が異なる構成となっているが、最終的に待機位置へと到達するタイミングが全ての表示部材320B,320L,320Rで同一となるように各表示部材320B,320L,320Rに対応する駆動信号の出力開始タイミングがずらして設定されている。
左側表示部材320Lについては表示位置へ向けたスライド方向が右方となっており、当該左側表示部材320Lの隣に配置されている下側表示部材320Bは表示位置へ向けたスライド方向が上方となっている。そして、特別演出が実行される場合にはこれら左側表示部材320L及び下側表示部材320Bが相互の距離が小さくなるようにして移動することとなる。
また、上述の如く下側表示部材320Bは表示位置への移動方向が上方となっており、当該下側表示部材320Bの隣に配置されている右側表示部材320Rは表示位置への移動方向が左方となっている。そして、特別演出が実行される場合にはこれら下側表示部材320B及び右側表示部材320Rが相互の距離が小さくなるようにして移動することとなる。
各駆動部330は、既に説明したようにモータ330a(詳しくはステッピングモータ)と当該モータ330aからの動力を表示部材320B,320L,320Rに伝達する伝達手段としてのピニオン330bとを有してなり、同ステッピングモータに対して出力される駆動信号のパルス数によって表示部材320B,320L,320Rの表示位置が規定されている。つまり、表示位置への移動時には、予め設定されたパルス数の駆動信号がステッピングモータに出力されることにより、表示部材320B,,320L,320Rの位置が確定することとなる。
この場合、隣接する表示部材320B,320L,320R(より詳しくは発光部322B,322L,322R)の間には所定の隙間が確保され、それら表示部材320B,320L,320R同士の干渉が回避される。これにより、スライド方向が交差し、互いの距離が小さくなるようにして移動する構成を採用したとしても1の表示部材によって他の表示部材の移動が妨げられるといった不都合が生じにくくなっている。
なお、本実施の形態においては、表示部材320の保持部312からの脱落を阻止するストッパが採用されているが、当該ストッパに対して表示部材320B,320L,320Rが当たることによりそれ以上の移動が規制され、表示位置への配置が完了する構成とすることも可能である。
再び図6を参照して説明すれば、全ての表示部材320が表示位置に配置された場合には、図6(a)の破線等に示すように、隣り合う他の表示部材320との間隔が狭まるとともに、発光部322の両端部を除いた部分が、表示画面75aの前方に位置することとなる。この状態では、当該発光部322をパネル部材342を通じて遊技機前方から視認可能となる。
このように表示画面75aの前方に表示部材320が集合した状態では、発光部322によって表示画面75aを中央部分とその他の部分とに区画するようにして略星状の仕切りFが形成されることとなる。この仕切りFにおいて隣り合う表示部材同士が近接する端部に関しては、本体310,前面カバー340(詳しくは枠体341),センターフレーム77によって覆われており、上述した仕切りFの頂部があたかも隠蔽されているかのようにして表示されている。つまり、仕切りFにて隣り合う表示部材320の発光部322が完全に連なっているわけではないが、各発光部322の端部を隠蔽することにより、あたかも頂部が存在し仕切りFが環状をなしているかのような印象を遊技者に対して与えることができる構成となっている。
<擬似連結手段>
本実施の形態においては、表示位置に配置された状態にて隣り合う表示部材320の発光部322同士が繋がらない構成(隙間を隔てて対峙する構成)を採用しつつ、これら発光部322同士があたかも繋がっているかのように連結(擬似的に表示)する擬似連結手段が採用されている。以下、図9〜図11を参照して、当該擬似連結手段について説明する。図9は発光部322と擬似連結手段との位置関係を示す可変表示装置76の正面斜視図、図10は発光部322と擬似連結手段との位置関係を示す可変機構300の背面斜視図、図11は図6(a)のA−A線部分断面図である。なお、図9〜図11においては表示部材320が表示位置に配置されている状態を示しており、図9及び図10においては便宜上、表示部材320にドットハッチングを付与している。
図9に示すように、表示部材320が表示位置に配置された状態にて発光部322の端部の前方となる領域及び隣り合う表示部材320(詳しくは発光部322)の間に形成される隙間の前方となる領域には、上記表示手段を構成するミラー部400がそれら各領域に跨るようにして設けられており、当該ミラー部400によって発光部322の端部及び上記隙間が遊技機前方から覆われている(図10参照)。ミラー部400については鏡面加工が施されており、当該ミラー部400を通じた発光部322の端部の視認が遮られている。
ミラー部400は、ガラスパネル23(図1等参照)と対向する前面部411と、当該前面部411から遊技機後方へと起立する反射面421,422とを有している。反射面421,422は、遊技機正面視にて発光部322と交差するように(略直交となるように)構成されている。可変表示ユニット67については、遊技中の遊技者の目が表示画面75aの正面に位置するように配置されており、上記反射面421,422は、遊技者が目線を当該反射面421,422に移した場合に、同反射面421,422に上記発光部322が映るように構成されている。
具体的には、ミラー部400は、隣り合う2つの発光部322のうち一方の発光部322に対応する反射面421(以下、第1反射面421と称する)と、他方の発光部322に対応する反射面422(以下、第2反射面422と称する)とを有してなり、それら第1反射面421及び第2反射面422については映り込みの対象が異なっている。以下、左側表示部材320Lと下側表示部材320Bとに対応するミラー部400における第1反射面421と第2反射面422との差違(図9参照)について例示するが、他のミラー部400についても各反射面421,422の構成については同様である。
第1反射面421及び第2反射面422は、前者が左側表示部材320L側且つ後者が下側表示部材320B側となるようにして並設されているとともに、それら両表示部材320L,320Bの中間に位置する境界部423を介して連なっている。言い換えれば、ミラー部400の反射面については、その中間位置にて折れ曲がっており、異なる方向を向いた反射面421,422がその境界部423を介して連続するように構成されている。より詳しくは、境界部423が表示画面75aの中央側に凸となるようにして折れ曲がっており、それら両反射面421,422のなす角が鈍角となるようにして形成されている。言い換えれば、両反射面421,422のなす角は、それら第1反射面421及び第2反射面422が互いに向き合わないように設定されている。
第1反射面421は左側表示部材320Lの発光部322Lの前方に位置しており、当該発光部322Lの下部(折れ曲がり部よりも下側となる部分)に対して遊技機正面視にて交差する(略直交となる)平面状をなすように形成されている。これにより、表示画面75aの前方から同第1反射面421が視認された場合に、左側表示部材320Lの発光部322Lの映り込みを許容している。特に、第1反射面421は平面状をなしているため、発光部322Lの実像と第1反射面421に映った発光部322Lの虚像との差違を小さくし、それら実像と虚像とが一体的であるとの印象を遊技者に対して与えやすくなっている。
また、第1反射面421は第2反射面422とは反対側を向いており、その向きが下側表示部材320Bの発光部322Bの映り込みが回避されるように設定されている。言い換えれば、第1反射面421は、表示画面75aの前方から当該第1反射面421が視認されている状況下においては、同第1反射面421に対して発光部322L以外の発光部の映り込みが回避される構成となっている。
一方、第2反射面422は下側表示部材320Bの発光部322Bの前方に位置しており、当該発光部322Bの左部(折れ曲がり部よりも左側となる部分)に対して遊技機正面視にて交差するように(略直交となるように)構成されている。これにより、表示画面75aの前方から同第2反射面422が視認された場合に、下側表示部材320Bの発光部322Bの映り込みを許容している。特に、第2反射面422は平面状をなしているため、発光部322Bの実像と第2反射面422に映った発光部322Bの虚像との差違を小さくし、それら実像と虚像とが一体的であるとの印象を遊技者に対して与えやすくなっている。
また、第2反射面422は第1反射面421とは反対側を向いており、その向きが左側表示部材320Lの発光部322Lの映り込みが回避されるように設定されている。言い換えれば、第2反射面422は、表示画面75aの前方から当該第2反射面422が視認されている状況下においては、同第2反射面422に対して発光部322B以外の発光部の映り込みが回避される構成となっている。
このように、各反射面421,422に対して同時に複数の発光部322が映り込まないように制限することにより、反射面421,422に映る発光部322の像を認識しやすくなっている。
ここで、図11を参照して、ミラー部400の構成について補足説明する。本実施の形態においては、ミラー部400を本体310に形成された本体側ミラー部315と前面カバー340(詳しくは枠体341)に形成されたカバー側ミラー部345とによって構成している。
より詳しくは、第1反射面421を本体側ミラー部315の第1反射面316及び当該第1反射面316と同一平面上に位置するカバー側ミラー部345の第1反射面346によって構成するとともに第2反射面422を本体側ミラー部315の第2反射面317及び当該第2反射面317と同一平面上に位置するカバー側ミラー部345の第2反射面347によって構成し、更に境界部423を本体側ミラー部315における両反射面316,317の境界部318及びカバー側ミラー部345における両反射面346,347の境界部348によって構成している。遊技者の目の位置は、遊技者の体格や姿勢等に依存するため画一的にならない。そこで、上記構成を採用してミラー部400の大型化を図ることにより、遊技者の目線のばらつきに起因した擬似連結機能の低下を抑えている。
本体側ミラー部315及びカバー側ミラー部345については、パネル部材342を隔てて対峙しており、前者が遊技領域PE側への露出が抑えられているのに対して、後者は遊技領域PE側へ露出した状態となっている。
図9に示すように、遊技領域PE側へ露出したカバー側ミラー部345においてセンターフレーム77のステージ部77aの後方に位置しているものについては、反射面346,347が上向きの成分を有する平面状をなしており、同ステージ部77aとともに遊技球の転動領域を形成している。具体的には、反射面346,347の幅寸法(前後幅)が遊技球の直径寸法よりも大きく設定されている。これにより、当該反射面346,347上での遊技球の転動が許容されている。
但し、それら反射面346,347については、その大部分がステージ部77aの上面よりも上側に位置し、前後に段差状をなすように構成されているため、反射面346,347からステージ部77aに落下した遊技球が同反射面346,347上に復帰する機会は少なくなっている。これにより、遊技球の誘導機能を発揮しつつ、ステージ部77aに到達した遊技球が過度に反射面346,347上に乗り上げてミラー部400に付与された擬似表示機能が妨げられるといった不都合を生じにくくしている。
なお、表示画面75aの上方に配されたミラー部400すなわち隣り合う右上側の表示部材320及び左上側の表示部材320に対応するミラー部400については、前面カバー340に設けられた可動式の装飾体によって覆われている(図6参照)。装飾体は待機位置と演出位置とに切替可能となっており、同装飾体が待機位置から演出位置に移動することで上側のミラー部400が遊技機前方から視認可能となる。遊技中は、遊技者の視線が表示画面75aと作動入球部62,63とに向きやすく目線が比較的に下側へ偏る傾向にある。つまり、上側のミラー部400については他のミラー部400と比較して遊技者の注意が向きにくい箇所に配置されている。このため、上側のミラー部400が上述の如く可動役物によって覆われている構成を採用したとしても、それによる演出機能の低下が生じにくくなっている。
次に、図12を参照し、擬似連結の態様について説明する。図12は特別演出が実行された場合の擬似連結態様の変化を示す概略図であり、図12(1)群はミラー部400及び発光部322を遊技機前方から見た図、図12(2)群はミラー部400及び発光部322を遊技機正面から見た図となっている。なお、図12(1)群においては、ミラー部400に表示されている内容をドットハッチングによって示している。
特別演出が実行される場合にはミラー部400における表示態様が図12(a)→図12(b)→図12(c)の順に変化する。本実施の形態においては、散在する各ミラー部400における表示態様は同様となるため、以下の説明においては左側表示部材320L及び下側表示部材320Bの両者に対応する左下側のミラー部400(以下、左下側ミラー部400Xと称する)での表示内容について例示する。なお、左下側ミラー部400Xにおける第1反射面421を「第1反射面421X」、第2反射面422を「第2反射面422X」と称する。
特別演出が実行される場合には、図12(a)→図12(b)に示すように、待機位置に配置された左側表示部材320L及び下側表示部材320Bが表示位置へ向けた移動を開始する。
発光部322L,322Bが収容部313L,313Bから突出し遊技機正面視にて反射面421X,422Xに交差する位置へ到達すると、第1反射面421Xに左側表示部材320Lの発光部322Lが映り込むとともに第2反射面422Xに下側表示部材320Bの発光部322Bが映り込む。
本実施の形態における第1反射面421Xは、左側表示部材320Lの移動経路に沿うように延びており、全移動範囲のうち発光部322Lの下側の端部が収容部313Lから突出している範囲にて、発光部322Lの第1反射面421Xに対する映り込みが許容されることとなる。また、本実施の形態における第2反射面422Xは、下側表示部材320Bの移動経路に沿うようにして延びており、全移動範囲のうち発光部322Bの左側の端部が収容部313Bから突出している範囲にて、発光部322Bの第2反射面422Xに対する映り込みが許容されることとなる。
既に説明したように、発光部322Lの下部と第1反射面421Xとは遊技機正面視にて略直交となるように構成されているため、第1反射面421Xへの映り込みによってあたかも発光部322Lが第1反射面側に延長されたかのように表示されることとなる。特に、左側表示部材320Lの移動方向を保持部312によって規定することで第1反射面421Xと発光部322Lとの動作隙間の拡がりを抑えている。これにより、発光部322Lの実像と第1反射面421Xに映り込んだ虚像との間にブランクが形成されることを抑制している。
また、発光部322Bの下部と第2反射面422Xとは遊技機正面視にて略直交となるように構成されているため、第2反射面422Xへの映り込みによってあたかも発光部322Lが第1反射面側に延長されたかのように表示されることとなる。下側表示部材320Bの移動方向を保持部312によって規定することで第2反射面422Xと発光部322Bとの動作隙間の拡がりを抑えている。これにより、発光部322B実像と第2反射面422Xに映り込んだ虚像との間にブランクが形成されることを抑制している。
図12(b)→図12(c)に示すように、各反射面421X,422Xに映っている虚像が境界部318Xに到達すると、当該虚像が境界部318Xにて寸断されることとなる。つまり、一方の反射面に表示されている虚像は境界部318Xを跨いで他の表示面に移り込むことなく、映り込みが減縮される。この際、第1反射面421Xに映っている虚像の分断されている箇所と、第2反射面422Xに映っている虚像の分断されている箇所とが、境界部348Xにて交わることとなる。これにより、第1反射面421Xに映った発光部322Lにかかる虚像と第2反射面422に映った発光部322Bにかかる虚像とが繋がり、発光部322Lと発光部322Bとがあたかもミラー部400X内で連結したかのような表示態様となる。
このような擬似的な連結は、各表示部材320L,320B(詳しくは各発光部322L,322B)が表示位置へ到達するよりも前に発生するように構成されている。そして、表示位置へ向けた移動に伴って、両表示部材320L,320Bにかかる虚像において連なっている箇所の割合が大きくなり、連結が突如として発生したかの印象を遊技者に対して与えにくくなっている。
また、上述の如く擬似連結が実現された後は、図12(c)に示す表示位置へと両表示部材320L,320Bが移動することにより、上記連結部分が表示画面75aの中央側へと変位することとなる。これにより、星状をなす仕切りFが縮小されたかのような印象を遊技者に対して与えることができる。
以上詳述した構成によれば、以下の優れた効果を奏する。
図柄表示装置75の表示画面75aの前方領域にて表示部材320を動作させる構成を採用することにより、演出用の領域の拡がりを抑え、遊技領域PEが圧迫されることを抑制している。また、表示部材320を用いた特別演出においては、同表示部材320及び図柄表示装置75によって一体的にな演出を行うことにより、演出に対する遊技者の注目度の向上を図っている。
このような構成においては、表示画面75aを囲むようにしてセンターフレーム77や枠体341等を設けることにより、それら枠体341等によって表示部材320による演出範囲が制限される。このような演出範囲の制限は、表示部材320を用いた演出の迫力向上等の妨げとなり得るため好ましくない。この点、上記実施の形態においては、枠体341や本体310において表示画面75aの中央側を向いている部位にミラー部400を設け、同ミラー部400に表示部材320が映る構成を採用した。これにより、あたかも枠体341等を超えて演出範囲が拡がっているかのような印象を遊技者に与えることができる。これにより上述したように演出範囲が制限された構成において、同演出範囲を擬似的に拡張することができる。
各表示部材320を移動可能とした場合には、同表示部材320を用いた演出のインパクトを強める等して当該演出への注目度を一層好適に向上することができる。また、表示部材320を用いた演出を行わない場合には同表示部材320を表示画面75aとの重なりが抑えられた位置(例えば待機位置)へ移動させることにより表示画面75aの視認性の低下を抑制することができる。
しかしながら、表示部材320を移動可能とした遊技機においては、当該移動を実現する構成(例えば駆動部330)が遊技機前方に露出することにより見栄えが低下する。これは、上述した演出効果の発揮を妨げる要因となり得るため好ましくない。そこで、駆動部330を枠体341等の背面側に配設することにより、当該駆動部330を隠蔽して上記見栄えの低下を抑えることができる。但し、かかる構成においては駆動部330の配置領域の確保により、表示部材320の移動領域に対する制約が強まる等して演出範囲の拡張が困難になることは好ましくない。ここで、上述の如く枠体341や本体310において表示画面75aの中央側を向いている部位にミラー部400を設け、同ミラー部400に表示部材320が映る構成を採用すれば、あたかも枠体341の外側まで演出範囲が拡がっているかのような印象を遊技者に与えることができ、枠体の背面側に駆動部330を配設したことによる演出範囲の拡張制限を払拭することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
表示部材320の実像と虚像とを利用して枠状の仕切りFを生じさせ、その仕切りFの一部が表示画面75aの外縁を超えるように視認される構成とすることにより、枠体341等による空間的な制約を回避した広範囲での演出を実行することができる。
表示画面75aの外縁からはみ出さないようにして表示画面75aの一部を区画しようとすれば、区画された領域が小さくなりやすい。一方、仕切りFの一部が枠体341等によって分断される構成においては、区画機能が上手く発揮されなくなる。この点、仕切りFにおいて表示画面75aの外縁からはみ出している部分を虚像によって補完することにより、区画機能を担保しつつ表示画面75aにおける広域を利用した演出が可能となる。これにより、同演出に対する注目度を好適に高めることができる。
表示画面75aを囲むようにして複数の表示部材320を配置し、特別演出を行う際にはそれら表示部材320が表示画面75aの前方にて擬似的に一体化される構成とした。このように、複数の表示部材320を組み合わせる構成を採用することで、表示部材320の待機領域が局所的に大きくなるといった不都合を好適に回避することができる。しかしながらその反面、もともと1体化された表示部材を使用した演出を行う場合と比較して、表示部材320同士の連結部分の見栄えが低下しやすくなると想定される。この点、上記実施の形態においては、ミラー部400に映った虚像同士が連なる構成とすることにより、上述した見栄えの低下を抑えることができる。
特に、連結状態を擬似的に表示する擬似表示手段としてミラー部400を採用したことで、例えば表示部材320(詳しくは発光部322)を模した映像を表示可能なディスプレイ等を擬似表示手段として採用する場合と比較して、構造の簡略化及び省スペース化を実現できる。また、制御負荷の増大を抑える点においても有利である。
表示部材320(詳しくは発光部322)の実像同士が連なる構成を採用するのではなく、ミラー部400に映った虚像同士が連なる構成を採用した場合には、実像と虚像との間にブランクが生じることで、実像同士が連なっているような印象を遊技者に対して与えにくくなる可能性がある。そこで、ミラー部400を隣り合う発光部322と同発光部同士の隙間の前方に配し、実像と虚像とが一体であるかのように見せる構成とすることにより、遊技者に対して虚像部分での連なりをあたかも両発光部322の構造的な連なりであるかのように印象付けることが可能となり、上記効果を一層好適に発揮させることができる。
ミラー部400が表示部材320の端部(実像と虚像との入れ替わり部分)を覆う構成を採用することにより、同一部分を示した実像と虚像とが混在することを回避している。これにより、実像と虚像とが混同することを回避し、それら両像の一体感を高めている。
ミラー部400が隣り合う2つの表示部材320(発光部322)のうち一方に対応する第1反射面421と、他の表示部材320(発光部322)に対応する第2反射面422とを有し、それら両反射面421,422の境界部423が枠体341の内側に凸となる構成とした。これにより、虚像が境界部423にて寸断され、その寸断されている部分(端部)にてそれら虚像同士が連なることにより、両表示部材320(発光部322)の端部同士が連なっているかのように見せることができ、虚像同士が交差して連なりのイメージが弱くなることを抑制している。
境界部423についても、両反射面421,422と同様に表示部材320(発光部322)の映り込みを許容しているため、上記寸断されている部分の間にブランクが生じることを抑え、虚像同士の連なりを好適に表示することができる。特に、境界部423については、両反射面421,422に対して滑らかに連続する曲面状をなしている。これにより、両虚像を歪ませながら繋げることができ、僅かな模様等のずれをごまかすようにして虚像同士を融合させることができる。
このようにミラー部400が複数の反射面421,422を有してなる構成においては、表示位置に位置する1の表示部材(発光部322)が両反射面421,422に映り込むことでミラー部400によって表示される内容が煩雑になると想定される。これは、ミラー部400にて各像が連なっていることを遊技者に示す上で、同遊技者による理解を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、上記実施の形態においては、第1反射面421を隣り合う2つの表示部材320(発光部322)のうち一方の映り込みを許容しつつ他の表示部材320(発光部322)の映り込みを不可とする構成とし、2反射面422を当該他方の表示部材320(発光部322)の映り込みを許容しつつ上記一方の表示部材320(発光部322)の映り込みを不可とする構成とした。このように表示位置に位置する各表示部材320(発光部322)が両反射面421,422に対して同時に映り込むことを回避することで上記不都合を好適に抑制することができる。
各反射面421,422は自身への映り込みを許容している表示部材320の移動経路に沿うようにして延びており、各表示部材320の表示位置への移動が完了するよりも前に同表示部材320を映すことが可能となっている。故に、例えば各表示部材320(発光部322)の虚像同士が連結される場合に、突如として各表示部材320(発光部322)がミラー部400に移り込んで巨大化したかのように表示されることを回避し、各表示部材320(発光部322)を擬似的に一体化させる際に違和感が生じることを抑制することができる。
複数の表示部材320を用いて一体的な演出を行う構成においては、例えば各表示部材320の連結部位を変えることにより、表示部材320を用いた演出の全体像を変化させることができる。このような構成を機構的に実現しようとした場合には、例えば表示部材320の表示位置への移動に併せて変形(例えば伸縮)させる等の工夫が必要となり、同表示部材320及びそれに付随する構成が複雑になる。
この点、上記実施の形態に示すように、実像ではなくミラー部400に映る虚像同士が連なっている擬似連結部位が表示部材320(発光部322)上をシフトしているかのように見せる構成とすれば、構造の複雑化を抑えつつ、演出用手段の全体像を変化させることが可能となる。つまり、構造の複雑化を抑えつつ、発光部322によって構成されている仕切りFが拡大/縮小したかのような印象を遊技者に対して与えることができる。
以上詳述した擬似表示手段を有する構成においては、当該擬似表示手段を前後に大きくすることにより、演出機能の向上に貢献することができる。しかしながら、単に擬似表示手段を拡大することは、表示画面75aを遊技者から遠ざけることで同表示画面75aの視認性を低下させたり、パネル部材342に相当する構成が遊技機前方に張り出すことで遊技領域PEを圧迫したりする要因になると想定される。
この点、パネル部材342よりも前側と後側とにそれぞれミラー部315,345を設けることにより、後側のミラー部315(本体側ミラー部315)によって虚像表示機能を担保し、前側のミラー部345(カバー側ミラー部345)によって同虚像表示機能を向上しつつ遊技領域PEを流下する遊技球の動きに変化を与えることができる。これにより、上記各種不都合を回避しつつ、擬似表示手段を用いた演出機能の向上に貢献することができる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成を図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181及び各種検知センサ151a〜151dなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサ151a〜151dの一部として、一般入賞口61、可変入球装置64,65、作動入球部62,63及びスルーゲート66などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、作動入球部62,63への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート66への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置610が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603eが参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入球装置64への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、作動入球部62,63への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置610には、変動開始コマンド(変動用コマンド)、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、可変入球装置64,65の開閉扉を開閉動作させる可変入球駆動部64c,65c、作動入球部63の電動役物71を開閉動作させる電動役物駆動部71b、主表示ユニット81が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602はそれら各種構成の制御を行う。
具体的には、開閉実行モードにおいては可変入球装置64,65が開閉されるように、MPU602において可変入球駆動部64c,65cの駆動制御が実行される。また、作動入球部63の電動役物71の開放状態当選となった場合には、電動役物71が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部71bの駆動制御が実行される。また、MPU602によって主表示ユニット81の入球部用表示部DL,DU,DS及び保留数表示部HSの表示制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置610に設けられた報知・演出制御基板611には、MPU612が搭載されている。MPU612には、当該MPU612により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU612には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU612の入力側には、主制御装置162の他に可変表示装置76(可変機構300)に設けられた検知センサ335等が接続されている。この検知センサ335からの検知信号(検知情報)に基づいて、各表示部材320が待機位置に存在しているか否かを把握可能となっている。また、MPU612の入力側には上述した操作ボタン35が接続されており、この操作ボタン35からの信号に基づいて操作の有無を把握することが可能となっている。MPU612の出力側には、発光部26〜28やスピーカ部29、可変表示装置76(可変機構300)の発光基板326や駆動部330等が接続されている。
MPU612では主制御装置162から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット67を制御する。具体的には、報知・演出制御装置610では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間(リーチ演出の発生の有無)を把握し、最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともにリーチ演出の内容の詳細を決定する。このような遊技回毎に実行される処理にて、リーチ演出が上記特別演出に対応するものとなった場合には、発光基板326に発光体327を発光させるための信号を出力するとともに駆動部330に対して各表示部材320を表示位置へと移動させるための駆動信号を出力する。
表示制御装置620はMPU622が搭載された表示制御基板621を有してなり、MPU622には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したプログラムROM623、プログラムROM623内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるワークRAM624、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)625、画像データが格納されたキャラクタROM626、キャラクタROM626から読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAM627などが内蔵されている。
VDP625は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP625はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP625は、MPU622、ビデオRAM627等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM627に記憶させる画像データを、キャラクタROM626から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROM626は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM626には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。これら画像データやテーブル等はキャラクタROM626に記憶されている。
なお、キャラクタROM626を複数設け、各キャラクタROM626に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM623に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM626に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM627は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM627の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
表示制御装置620のMPU622では、報知・演出制御装置610から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。具体的には、報知・演出制御装置610にて最終決定された変動表示の内容及び停止表示する図柄の組み合わせの種類に合わせて遊技回毎に変動表示を行う。この際、上記特別演出に対応するリーチ演出が実行される場合には、可変機構300によって表示画面75aが区画されるのに合わせて、表示画面75aにおける図柄の変動表示領域を変更する。詳しくは、図柄の変動表示領域を表示画面75aの全域から、表示部材320(詳しくは発光部322)によって囲まれた特定の領域に変更する。そして、当該特別演出が終了して可変機構300が初期状態に復帰する場合に、当該可変機構300の動きに併せて変動表示領域を特別演出実行前の状態に復帰させる。
ここで、図柄表示装置75(表示画面75a)の表示内容について、図14及び図15を参照して詳細に説明する。図14は図柄表示装置75の表示画面75aを示す概略図であり、図15は図柄表示装置75にて変動表示される図柄を個々に示す概略図である。
図14(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面75aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている(図15参照)。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面75aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図14(b)に示すように、表示画面75aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面75aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果、確変大当たり結果となったことを示す大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、16R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、4R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置75にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよく、数字が付されてない図柄が含まれる又は数字が付されていない図柄のみの構成としてもよい。
図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様について更に説明すると、本パチンコ機10では、上記のように大当たり結果の報知に際して対応する図柄の組合せが停止表示される前段階として、リーチ表示が行われるように設定されている。リーチ表示(リーチ演出又はリーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、可変入球装置64,65の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図14に基づいて当該リーチ表示について補足説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面75aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
そして、本パチンコ機10では、上記のリーチ表示を行う際に、その後に大当たり結果が発生する期待度、すなわち当該リーチ表示においてリーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示される期待度を示す演出の1つとして上記特別演出が設定されており、リーチ演出の多様化が図られている。
表示画面75aにおいて、上図柄列の変動表示領域、中図柄の変動表示領域、下図柄の変動表示領域を有してなる変動表示領域MEの下方となる部分には、保留表示領域NEが設定されている。当該保留表示領域NEには、遊技球が作動入球部62,63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Da1〜Da8が左右方向に並ぶようにして区画された保留数表示領域Daが設けられている。
具体的には、遊技球が上側作動入球部62に入球した場合の最大保留個数は4個であり、下側作動入球部63に入球した場合の最大保留個数は4個である。詳細については後述するが、本実施の形態では上側作動入球部62及び下側作動入球部63への入賞順に合計で8個の保留情報が記憶される構成となっている。これに対応させて保留数表示領域Daには、第1単位保留表示領域Da1、第2単位保留表示領域Da2、第3単位保留表示領域Da3、第4単位保留表示領域Da4、第5単位保留表示領域Da5、第6単位保留表示領域Da6、第7単位保留表示領域Da7、第8単位保留表示領域Da8が設定されている。
例えば、遊技球が作動入球部62,63に入賞した場合の保留個数(総保留数)が1個の場合には、第1単位保留表示領域Da1のみにて所定の保留表示用画像MPが表示され、遊技球が作動入球部62,63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Da1〜第4単位保留表示領域Da4にて所定の保留表示用画像MPが表示される構成となっている。なお、図14(b)では保留個数が3個である場合について例示している。
また、保留表示領域NEには、保留数表示領域Da(詳しくは第1単位保留表示領域Da1)と横並びとなるようにして、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留表示用画像MPが表示される実行対象表示領域Dbが設けられている。
遊技回が終了して次の遊技回に移行する場合には、保留数表示領域Da(第1単位保留表示領域Da1)に表示されている保留表示用画像MPが実行対象表示領域Dbに移り、保留数表示領域Daに表示されている保留表示用画像MPを下位側にシフトすることとなる。
<各種カウンタについて>
次に、主制御装置162のMPU602にて各種抽選を行うための電気的な構成について図16を用いて説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、作動入球部用表示部DL,DUの表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の概要設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、16R確変大当たり結果や4R確変大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75にて外れ結果対応の変動表示を行う際のリーチ抽選等に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、作動入球部用表示部DL,DU及び図柄表示装置75における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下側作動入球部63の電動役物71を電役開放状態(サポート状態)とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ604aに格納されている情報(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報)は、作動入球部62,63への入賞が発生した場合に、RAM604に「取得情報記憶手段」として設けられた保留球格納エリア604bに格納される。
保留球格納エリア604bは、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとを備えている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、作動入球部62,63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ604aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra8に格納される。なお、当該保留情報が「特別情報」に相当する。
第1エリアRa1〜第8エリアRa8には、作動入球部62,63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1〜Ra8が設けられていることにより、作動入球部62,63への遊技球の入球履歴がそれぞれ4個(計8個)まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア604bには総保留数記憶領域FEが設けられており、当該総保留数記憶領域FEには作動入球部62,63への入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、作動入球部用表示部DL,DUの変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動入球部62,63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は20個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動入球部62,63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bの保留エリアREに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、16R確変大当たり結果及び4R確変大当たり結果が設定されている。
16R確変大当たり結果は開閉実行モードにて右側可変入球装置65が16回開放される大当たり結果であり、4R確変大当たり結果は開閉実行モードにて下側可変入球装置64が4回開放される大当たり結果である。開閉実行モードの終了後には、抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる。高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態(以下、高確遊技状態という)は、当該高確遊技状態への移行後に実行された遊技回数が終了基準回数(上限数:具体的には100回)となるまで継続され、当該終了基準回数に到達することにより、低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の遊技状態(以下、低確遊技状態という)に切り替わることとなる。
本実施の形態においては、下側作動入球部63への入球に基づく振り分けが上側作動入球部62への入球に基づく振り分けよりも遊技者にとって有利となるように差違が設けられている。具体的には、下側作動入球部63への入球に基づいて大当たり結果となった場合には上側作動入球部62への入球に基づいて大当たり結果となった場合よりも、上記16R確変大当たり結果となる確率が高くなるように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動入球部62,63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、作動入球部62,63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の保留エリアREに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
なお、詳細については後述するが高確遊技状態においては遊技回数に応じてリーチが発生する遊技回、リーチの発生抽選が行われる遊技回、リーチが発生しない遊技回が予め決まっており、リーチの発生抽選が行される場合にリーチ乱数カウンタC3が参照される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、作動入球部用表示部DL,DUにおける変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置75や主表示ユニット81(作動入球部用表示部DL,DU)における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603cに格納されている変動表示時間テーブルが参照される。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上記作動入球部用表示部DL,DUにおける停止結果(絵柄)が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603dに記憶された停止結果テーブルが用いられる。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下側作動入球部63に付属の電動役物71を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば電動役物71を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば電動役物71を開放状態に制御しない。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、図17のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞検知センサの状態を読み込み、当該入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート66への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリア604cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、上記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、報知・演出制御装置610に対して、保留記憶数と対応する主表示ユニット81の保留数用表示部DHを点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動入球部62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、図18及び図19のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
図18に示すように、作動口用の入賞処理においては先ず、ステップS201にて遊技球が上側作動入球部62に入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が上側作動入球部62に入球したと判定した場合には、ステップS202に進み、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS203では、上側作動入球部62に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上側作動入球部62への入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204では、大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2等の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201にて遊技球が上側作動入球部62に入賞していないと判定した場合にはステップS205に進む。ステップS205では、遊技球が下側作動入球部63に入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が下側作動入球部63に入球したと判定した場合には、ステップS205に進み、払出制御装置181に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、ステップS202,S205にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置181に対して送信される。
続くステップS207では、下側作動入球部63に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下側作動入球部63への入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
なお、ステップS201,S205の両処理にてそれぞれ否定判定をした場合、すなわち上側作動入球部62及び下側作動入球部63のいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
ここで、図19を参照して、ステップS204の情報取得処理について説明する。
<情報取得処理>
情報取得処理においては先ずステップS301にて、保留球格納エリア604bの保留数記憶領域FEに格納された始動保留球数N、詳しくは上側作動入球部62及び下側作動入球部63のうち当該情報取得処理の契機となった入球部に係る始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する入球部の始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて保留数記憶領域FEに格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用の保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、作動入球部62,63への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行し、本情報取得処理を終了する。なお、保留コマンドには上側作動入球部62及び下側作動入球部63のうちいずれの入球部への入賞に基づくものであるかの情報が含まれる。
ステップS306の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に送信されることとなる。表示制御装置620においては当該保留コマンドを受信することにより上述した保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、表示制御装置620は、報知・演出制御装置610を経由して表示制御装置620にて同コマンドを受信した場合には、保留数表示領域Daに上記保留表示用画像MPを表示(例えば追加)させるための処理を実行する。保留数表示領域Daにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば共通保留数CRNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Da1に保留画像が表示され、共通保留数CRNが8であれば左から8個目の第8単位保留表示領域Da8に保留画像が表示されるようになっている。なお、ステップS305,S306の各処理についての詳細な説明は後述する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図20のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置610に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置75による図柄の変動表示態様の概要の設定、主表示ユニット81の表示制御などを行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、下側作動入球部63に併設された電動役物71を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア604cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物71を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物71の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、スルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物71によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物71が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物71の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図21〜図23のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図21のフローチャートに示すように、ステップS501にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUが変動表示中であるか否かを判定する。作動入球部用表示部DL,DUが変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア604bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて保留球格納エリア604bの保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にて主表示ユニット81における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について詳細に説明する。先ず、ステップS504のデータ設定処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
<データ設定処理>
データ設定処理では、先ずステップS601にて、保留数記憶領域FEに記憶されている始動保留球数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。続くステップS602にて、保留エリアREの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603にて、保留エリアREの各エリアRa1〜Ra8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRa1〜第8エリアRa8に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアするとともに、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3、第5エリアRa5→第4エリアRa4、第6エリアRa6→第5エリアRa5、第7エリアRa7→第6エリアRa6、第8エリアRa8→第7エリアRa7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置610に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップS604にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610を経由し、表示制御装置620に送信される。表示制御装置620では、シフト時コマンドを受信することで、作動口用の保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
<変動開始処理>
次に、ステップS505の変動開始処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、当否抽選モードが低確率モードである場合には、ROM603の当否テーブル記憶エリア603aに記憶された低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、当否抽選モードが高確率モードである場合には、ROM603の当否テーブル記憶エリア603aに記憶された高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS702では、ステップS701における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果(以下、大当たり結果という)であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS703にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM603の振分テーブル記憶エリア603bに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が16R確変大当たり結果に対応した情報及び4R確変大当たり結果に対応した情報の何れに含まれているかを特定する。詳しくは、当該保留情報が上側作動入球部62への入球に対応している場合には上側作動入球部62用の振分テーブルを参照し、当該保留情報が下側作動入球部63への入球に対応している場合には下側作動入球部63用の振分テーブルを参照して種別判定を行う。
続くステップS704では、ステップS703における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が16R確変大当たり結果であるか否かを判定する。16R確変大当たり結果である場合には、ステップS705にて16R確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、16R確変大当たり結果でない場合(4R確変大当たり結果である場合)には、ステップS706にて4R確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS702にて大当たり当選ではないと判定した場合(外れ結果である場合)には、ステップS707にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS705〜ステップS707の各停止結果設定処理では、主表示ユニット81に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、大当たり乱数カウンタC1,大当たり種別カウンタC2及びROM603の停止結果テーブル記憶エリア603dに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS705及びステップS706では、今回の遊技回の当否判定結果が、16R確変大当たり結果又は4R確変大当たり結果であることをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納する。具体的には、ステップS705では16R確変大当たりフラグを格納し、ステップS706では4R確変大当たりフラグを格納する。
ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理を実行した後は、ステップS708にて、変動表示時間の設定処理を実行する。各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。なお、変動表示時間の設定処理についての詳細は後述する。
ステップS708にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS709にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、16R確変大当たり結果の情報、4R確変大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS709にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における環状電飾部26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように環状電飾部26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置610は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置75での変動表示パターンを把握し、その把握した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置75を表示制御する。その後、ステップS710にて主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUにおいて絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図21)の説明に戻り、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUが変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示用カウンタの値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示用カウンタの値は、上述した変動表示時間の設定処理にてセットされる。また、このセットされた変動表示カウンタの値は、タイマ割込み処理(図17)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUにおける表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が主表示ユニット81にて停止表示されるように当該主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUを制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置75の表示画面75aにて確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図24のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては、先ずステップS801にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進み、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUにおける絵柄の変動表示(詳しくは確定表示)が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS803にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、16R確変大当たりフラグ又は4R確変大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられたラウンドカウンタエリアRCに、大当たり種別に応じて決められた値、具体的には「16」又は「4」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口64a,65aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS805に進む。ステップS805では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口64a,65aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入球駆動部64c,65cを駆動状態とすることで大入賞口64a,65aを開放させる。なお、本実施の形態においては、16R確変大当たり結果となった場合には右側可変入球装置65(右側大入賞口65a)が開閉対象となり、4R確変大当たり結果となった場合には下側可変入球装置64(下側大入賞口64a)が開閉対象となる。
大入賞口64a,65aが開放中である場合には、当該大入賞口64a,65aの開放から所定時間(具体的には30sec)が経過していること又は所定個数(具体的には10個)の遊技球が入賞していることを条件として、可変入球駆動部64c,65cの駆動状態を停止し、大入賞口64a,65aを閉鎖させる。
続くステップS806では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS807にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、抽選モードを高確率モードに設定し且つサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。これにより遊技状態が上述した高確遊技状態となる。高確遊技状態は、当該高確遊技状態にて実行された遊技回が終了基準回数(上限数:具体的には100回)となるまで又は高確遊技状態中に大当たり結果となるまで継続される。高確遊技状態終了後は、抽選モードが低確率モード且つサポートモードが低頻度サポートモードに対応する低確遊技状態に移行する。
その後、ステップS808にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、16R確変大当たりフラグ又は4R確変大当たりフラグのうち、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納されているフラグを消去する。
<報知・演出制御装置610及び表示制御装置620の電気的構成について>
次に、図25のブロック図を参照して、報知・演出制御装置610及び表示制御装置620の電気的構成について補足説明する。
既に説明したように報知・演出制御装置610に設けられた報知・演出制御基板611には、MPU612が搭載されている。MPU612には、当該MPU612により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613と、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPU612に対してROM613及びRAM614が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU612には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU612の入力側には主制御装置162が接続されており、当該主制御装置162から既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンドや保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、更には、オープニングコマンドやエンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。また、MPU612の入力側には前扉枠14に設けられた操作ボタン35が接続されており、この操作ボタン35の操作情報が入力される構成となっている。
MPU612の出力側には、既に説明したように前扉枠14に設けられた発光部26〜28及びスピーカ部29、可変表示装置76(図示略)、表示制御装置620が接続されている。主制御装置162から報知・演出制御装置610に入力された各種コマンドの一部は、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置620に送信される。
表示制御装置620は、プログラムROM623及びワークRAM624が複合的にチップ化された素子であるMPU622と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)625と、キャラクタROM626と、ビデオRAM627とがそれぞれ搭載された表示制御基板621を備えている。なお、MPU622に対してプログラムROM623及びワークRAM624が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
表示制御装置620のMPU622は、報知・演出制御装置610を経由して主制御装置162から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP625の制御(具体的にはVDP625に対する内部コマンドの生成)を実施する。より具体的には、MPU622では、報知・演出制御装置610を経由して主制御装置162から送信されたコマンドに基づいて図柄表示装置75における各遊技回の変動表示パターンを決定する処理を実行するとともに後述する保留予告に係る処理を実行し、その処理結果に対応してVDP625に対する描画処理を実行する。これにより、図柄表示装置75の表示画面75aにて各種画像が表示されることとなる。
プログラムROM623は、MPU622により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM624は、MPU622による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM624の各エリアに記憶される。
VDP625は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP625はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP625は、MPU622、ビデオRAM627等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM627に記憶させる画像データを、キャラクタROM626から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROM626は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM626には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
また、キャラクタROM626には、上記データの一部として、図柄表示装置75の保留表示領域NEに表示させるための画像データ(保留表示用画像MP)や実行対象表示領域Dbに表示させる区画枠用の画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア626aと、後述する予告演出が実行される場合に表示される画像データが格納された予告演出用画像データ記憶エリア626bが設けられている。なお、キャラクタROM626を複数設け、各キャラクタROM626に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM623に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM626に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM627は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM627の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。ビデオRAM627には、保留表示領域NEに対応した保留用表示エリア627aと実行用表示エリア627bが設けられている。
保留用表示エリア627aには、作動口用の保留エリアREにおける第1エリアRa1〜第8エリアRa8と1対1で対応するように、第1単位エリア〜第8単位エリアが設定されている。表示画面75aにおける保留数表示領域Daの各単位保留表示領域Da1〜Da8では、各単位エリアに書き込まれた保留表示用情報(データ)に応じて上記保留表示用画像MPが表示される。なお、データが設定されていない単位エリアに対応した単位保留表示領域Da1〜Da8では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置75の表示画面75aにおける背景画像が表示される。
実行用表示エリア627bは実行エリアAEと対応している。表示画面75aにおける実行対象表示領域Dbでは、実行用表示エリア627bに書き込まれたデータに応じて上記保留表示用画像MPが表示される。なお、データが設定されていない場合には図柄表示装置75の表示画面75aにおける背景画像が表示される。
既に説明したように本実施の形態では、表示画面75aにおける図柄の変動表示態様の概要が主制御装置162からのコマンドを参照して報知・演出制御装置610により特定され、その特定結果に基づいて変動表示態様の詳細が表示制御装置620によって決定される構成となっている。具体的には、報知・演出制御装置610のMPU612では、所定の周期(例えば2msec)で起動される定期処理の一環として変動表示制御処理が実行され、この変動表示制御処理にて図柄の変動表示態様の概要等が特定される。ここで、図26のフローチャートを参照して変動表示制御処理について説明する。
<変動表示制御処理>
変動表示制御処理においては、先ずステップS901にて遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置75にて1遊技回分の図柄の変動表示又は確定表示が実行されているか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS902に進み、主制御装置162から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS902にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
ステップS901の説明に戻り、当該ステップS901にて肯定判定をした場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS904に進む。ステップS904では主制御装置162から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS904にて否定判定をした場合には、ステップS905にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行や決定された演出の変更を行う処理である。
ステップS904にて肯定判定をした場合にはステップS906に進み、当該ステップS906にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、図柄の変動表示や実行されている演出を当該遊技回に係る保留情報に対応するようにして終了させる(確定停止させる)。かかる処理では、スピーカ部29や発光部26を駆動制御することで確定停止に対応する演出を行う。そして、確定コマンドを表示制御装置620に出力してから、本変動終了用処理を終了する。表示制御装置620のMPU622では、受信した確定コマンドに基づき図柄表示装置75にて図柄を確定停止させるよう制御する。
<変動開始用処理>
ここで、図27のフローチャートを参照して、ステップS1003の変動開始用処理について補足説明する。変動開始用処理は、主制御装置162から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、遊技回用の演出を開始させるための処理である。変動開始用処理では、遊技回用の演出としてリーチ表示、上述した役物連動の特別演出、後述する保留予告演出等の設定を行う。ここでは、リーチ表示の設定に関する処理を説明し、特別演出や保留予告演出等の設定に関する処理については後述する。
変動開始処理においては、先ずステップS1001にて今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置162から変動用コマンドが送信される場合には種別コマンドも併せて送信される。ステップS1001では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、16R確変大当たり結果の情報、4R確変大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1001では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU612のレジスタに記憶する。
続くステップS1002では、ステップS1001にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち16R確変大当たり結果又は4R確変大当たり結果である場合には、続くステップS1003にて、大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の停止結果を決定する(停止結果決定処理を行う)。停止結果決定処理においては、16R確変大当たり結果である場合に、一の有効ラインL1〜L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。また、4R確変大当たり結果である場合には、一の有効ラインL1〜L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
大当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選等によってランダムに決定される。ROM613の各種テーブルエリアに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインL1〜L5とアドレス情報とが記憶されており、上記処理にて決定された最終停止ラインはRAM614に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリアにアドレス情報として記憶される。またこの際、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM614の停止結果アドレス記憶エリアに記憶される。
また、大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の変動表示態様を決定する(変動表示態様決定処理(演出パターン決定処理)を行う)。既に説明したとおり、大当たり結果となった場合、その結果はリーチ表示を経て報知される構成となっている。リーチ表示用の変動表示態様決定処理では、ROM613の変動表示パターンテーブル記憶エリア613bに記憶されているリーチ表示用の変動表示パターンテーブルを取得し、今回受信している変動用コマンドの変動表示時間及び種別コマンドにおける遊技結果に対応したノーマルリーチ表示又はスーパーリーチ表示の演出パターンを決定する。また、決定した変動表示態様のアドレス情報をRAM614のパターンアドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下に示す変動表示態様決定処理においてもROM613の変動表示パターンテーブル記憶エリアから対応する変動表示パターンテーブルを取得して変動表示時間及び遊技結果に対応した演出パターンを決定する。そして、演出パターン決定処理にて決定した演出パターンのアドレス情報をRAM614のパターンアドレス記憶エリアに記憶する。
ステップS1002にて大当たり結果ではないと判定した場合にはステップS1004に進む。ステップS1004では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS1005に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。リーチ発生用の演出設定処理では演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。前者については、上記ステップS1003の処理と同様であるため説明を援用する。本処理は外れリーチに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ラインL1〜L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1〜L5上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列Z2の図柄をリーチラインに対して前又は後にずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果を決定する。その後、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
ステップS1003又はステップS1005の処理を実行した後は、ステップS1006にて可変表示装置76を用いた役物連動特別演出に係る設定処理を実行する。本実施の形態においては、大当たり結果となる場合及びリーチ表示を経由して外れ結果となる場合の何れにおいても特別演出が発生し得る構成となっている。この設定処理についての詳細は後述する。
ステップS1004にてリーチ発生ではないと判定した場合は、ステップS1007に進む。ステップS1007では、外れ用の演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。本処理はリーチ演出を伴わない完全外れに対応するものであり、大当たり結果に対応する図柄組合せが形成されないようにして停止図柄を決定する。
ステップS1006又はステップS1007の処理を実行した後は、ステップS1008に進む。ステップS1008では、ステップS1003、ステップS1005、ステップS1007にて決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止結果コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置620へ出力する処理を実行する。表示制御装置620のMPU622では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づき、今回の遊技回における演出を実行するべく図柄表示装置75の表示制御を行う。
ステップS1008の処理を実行した後は、続くステップS1009にて、遊技回用の演出を開始する処理を実行した後、本変動開始用処理を終了する。具体的には、上記ステップS1003、ステップS1005、ステップS1007にて決定した演出パターンに基づいてスピーカ部29や発光部26の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
ここで、図28に基づき図柄表示装置75(表示画面75a)にて表示される図柄の変動表示態様について補足説明する。図28(a)は変動表示態様の種類を示す概略図、図28(b)群は各変動表示態様の概要を示す概略図である。
<変動表示態様>
図28(a)に示すように、表示画面75aにて実行される図柄の変動表示態様は、完全外れ,ノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチB,スーパーリーチCの5つに大別される。これら各変動表示態様については、変動表示時間が異なるように設定されており、主制御装置162からのコマンドに付与され変動表示時間に係る情報に基づいて遊技回毎の変動表示態様の概要を把握可能となっている。
具体的には、完全外れの変動表示時間については「3sec〜8sec」(保留数に応じて差が設定されている)、ノーマルリーチAの変動表示時間については「10sec」、ノーマルリーチBの変動表示時間についてはノーマルリーチAの変動表示時間よりも長い「15sec」、スーパーリーチAの変動表示時間についてはノーマルリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「16sec」、スーパーリーチBの変動表示時間についてはスーパーリーチAの変動表示時間よりも長い「17sec」、スーパーリーチCの変動表示時間については他のスーパーリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「18sec」となっている。例えば、主制御装置162からのコマンドに付与された変動表示時間に関する情報が「15sec」である場合には、報知・演出制御装置610にてノーマルリーチBを実行すべき旨が把握されることとなる。
なお、大当たり結果に対応する遊技回では、スーパーリーチC > スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチA の順に選択されやすくなるようになっており、外れ結果に対応する遊技回では、完全外れ > ノーマルリーチA > ノーマルリーチB > スーパーリーチA > スーパーリーチB > スーパーリーチC の順に選択されやすい構成となっている。つまり、変動表示時間が長くなるにつれて大当たりの当選期待度(以下、単に期待度ともいう)が高くなる設定となっている。
ここで、図28(b1)を参照してノーマルリーチA,Bの変動表示態様について説明する。ノーマルリーチA,Bが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列Z1において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図14参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列Z2を停止表示することにより、変動表示が終了する。そして、リーチライン上に当該リーチ表示を構成している図柄と同一の図柄が停止することで大当たりに当選した旨が報知され、同リーチライン上にそれ以外の図柄が停止することで大当たりに当選していない旨が報知されることとなる。このようにして、最終停止表示された図柄の組み合わせについては所定期間に亘ってそのまま維持される。つまり、停止表示期間が経過するまでは今回の遊技回が続いており、当該停止表示期間が経過することにより次の遊技回への移行が許容されることとなる。
本実施の形態においてはリーチラインが形成された後の中図柄列Z2の変動表示時間に差を設定することにより、ノーマルリーチAとノーマルリーチBとの変動表示時間の差が確保されているが、両者の差の設定の仕方については任意である。例えば、変動表示が開始されてからリーチラインが形成されるまでの時間に差を設定することにより、上記変動表示時間の差を確保することも可能である。
次に、上述したノーマルリーチA,Bの変動表示態様を踏まえてスーパーリーチA,B,Cの変動表示態様について説明する。図28(b2)〜(b4)に示すように、スーパーリーチA,B,Cについては、ノーマルリーチA,Bと同様の過程を経て上述したリーチラインを形成する。そして、リーチラインを形成した後、中図柄列Z2の変動表示に併せて、所定のキャラクタを動画として表示することによりリーチ演出を行う構成となっている。具体的には、スーパーリーチAにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に妖精を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチBにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に男の子を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチCにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に女の子を模したキャラクタが表示されることとなる。なお、上記「リーチ演出」は、図柄の変動表示態様だけでなく、上述したキャラクタ画像の表示等を含むものである。
<保留予告について>
本実施の形態では、RAM604の保留球格納エリア604bに記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告に係る演出が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前に所定の確率で実行される構成となっている。未だ抽選対象となっていない保留情報に対応した演出が当該保留情報に係る遊技回となるよりも前のタイミングにおいて実行されることにより、遊技者にとっては現在進行中の遊技回に対応した保留情報の抽選結果を確認する遊技だけでなく、後に抽選対象となる保留情報が抽選対象となった場合の結果を上記演出の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技への注目度を高めることができる。
なお、この保留予告演出については、表示画面75aの変動表示領域MEにて上述した図柄の変動表示に併せて実行されるものと、表示画面75aの保留表示領域NEにて保留表示の態様の変化に併せて実行されるものとに大別されるが前者については説明を省略する。
保留表示領域NEにて実行される保留予告については、表示画面75aにおける保留表示を利用している。そこで以下、図29(a)のフローチャート及び図29(b)の概略図を参照して、保留予告演出の前提となる構成、表示制御装置620のMPU622にて実行される保留表示制御用の処理(保留表示制御用コマンド対応処理)について説明する。保留表示制御用コマンド対応処理は、所定の周期(本実施の形態では2msec)で起動される定期処理の一環として実行される処理である。
<保留表示制御用コマンド対応処理>
図29(a)に示すように、保留表示制御用コマンド対応処理では、先ずステップS1101にて、主制御装置162から報知・演出制御装置610を経由して保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1102にて、ワークRAM624の各種カウンタエリアに設けられた保留数カウンタの値(保留記憶数SN)を1加算する。
ステップS1102の更新処理を実行した後は、ステップS1103に進み保留表示追加処理を実行し、本保留表示制御用コマンド対応処理を終了する。上述した保留記憶数SNはビデオRAM627の保留用表示エリア627aに対応している。保留表示追加処理にて保留表示用画像MPの表示設定を行う場合には、保留用表示エリア627aにおいて保留記憶数SNに対応した単位エリアに保留表示情報(詳しくは保留用画像データ記憶エリア626aに記憶された保留用画像のアドレス)がセットされる。表示画面75aにおける保留数表示領域Daの各単位保留表示領域Da1〜Da8では、各単位エリアに書き込まれたデータに応じて上記保留表示用画像MPが追加表示される。
例えば、図29(b1)に示すように、第1単位保留表示領域Da1及び第2単位保留表示領域Da2に保留表示用画像MPが表示されている状況下にて、すなわち保留記憶数SN=「2」となっている状況下にて、保留コマンドを受信した場合には、保留記憶数SNが「2」→「3」となり、保留用表示エリア627aの第3単位エリアに保留表示情報がセットされる。これにより、図29(b2)に示すように、第3単位保留表示領域Da3にて保留表示用画像MPの表示が追加されることとなる。
ステップS1101の説明に戻り、当該ステップS1101にて否定判定をした場合にはステップS1104に進む。ステップS1104では、主制御装置162から報知・演出制御装置610を経由してシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1104にて否定判定をした場合にはそのまま本保留表示制御用コマンド対応処理を終了する。
ステップS1104にて肯定判定をした場合には、ステップS1105に進む。ステップS1105では、ワークRAM624の保留カウンタエリアに設けられた保留数カウンタの値(保留記憶数SN)を1減算する。
続くステップS1106にてシフト処理を実行し、本保留表示制御用コマンド対応処理を終了する。シフト処理では、保留用表示エリア627aの第1単位エリアにセットされている保留表示情報を実行用表示エリア627bに移すとともに、保留用表示エリア627aの第1単位エリア〜第8単位エリアにセットされている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせる。
具体的には、第1単位エリアの保留表示情報を実行用表示エリア627bに移すとともに、第2単位エリア→第1単位エリア、第3単位エリア→第2単位エリア、第4単位エリア→第3単位エリア、第5単位エリア→第4単位エリア、第6単位エリア→第5単位エリア、第7単位エリア→第6単位エリア、第8単位エリア→第7単位エリアといった具合に各単位エリア内の保留表示情報をシフトさせる。
例えば、図29(b1)に示すように、第1単位保留表示領域Da1及び第2単位保留表示領域Da2に保留表示用画像MPが表示されている状況下にて、すなわち保留記憶数SN=「2」となっている状況下にて、シフト時コマンドを受信した場合には、保留記憶数SNが「2」から「1」になる。これに伴い、実行用表示エリア627bの保留表示情報が消去され、第1単位エリアの保留表示情報が実行用表示エリア627bに、第2単位エリアの保留表示情報が第1単位エリアに、第3単位エリアの保留表示情報が第2単位エリアにシフトされる。この結果、図29(b3)に示すように、実行対象表示領域Db及び第1単位保留表示領域Da1に保留表示用画像MPが表示されることとなる。
ここで、保留用画像データ記憶エリア626aには、保留用画像群として色の異なる複数種(詳しくは白、青、黄、赤の4種)の保留表示用画像MPが記憶されており、各色によって上記アドレスが異なっている。保留表示情報の設定に際しては、上述した保留予告の有無等に応じてどの色による表示を行うかは報知・演出制御装置610にて決定されており、この情報は保留コマンドが報知・演出制御装置610を経由する際に当該報知・演出制御装置610により同保留コマンドに組み込まれる。つまり、表示制御装置620では受信した保留コマンドから色に関する情報を読み取ることにより、どの色に対応するアドレスを上記保留表示用情報として設定するかを把握する。
次に、主制御装置162のMPU602にて実行される保留予告にかかる処理について説明する。保留予告にかかる処理としては、上記保留予告用の確認処理(図19のステップS305)と保留コマンドの設定処理(図19のステップS306)とが設定されており、これら各処理はタイマ割込み処理(図17)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図18)、詳しくはステップS204の情報取得処理の一環として実行される構成となっている。つまり、保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理については、作動入球部62,63への入賞に基づいて実行される構成となっている。
以下、図30のフローチャートを参照し保留予告用の確認処理について説明する。
<保留予告用の確認処理>
保留予告用の確認処理では、ステップS1201にて、保留球格納エリア604bの保留数記憶領域FEに記憶された始動保留記憶数Nと共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU602のレジスタに記憶する。その後、ステップS1202〜S1206にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1202にて、作動入球部62,63への今回の入賞に基づき上記ステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS1203では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1204に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS1202にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1205に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照してステップS302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1204又はステップS1205の後はステップS1206に進み、ステップS1202にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1207にてMPU602のレジスタに大当たり情報を記憶し、そのまま本保留予告用の確認処理を終了する。
なお、ステップS1207の処理においては、今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり種別判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり種別カウンタC2の値を把握し、振分テーブルを参照して大当たりの種別を判定する。ステップS1207にてMPU602のレジスタに記憶される情報には大当たりの種別に係る情報が含まれることとなる。
一方、ステップS1206にて否定判定をした場合には、ステップS1208に進む。ステップS1208では、作動入球部62,63への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS1209では、ROM603のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1208にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1209の処理を実行した後はステップS1210に進み、ステップS1208にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1211にて、MPU602のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
なお、詳細については後述するが、高確遊技状態となっている場合には、外れ結果となる遊技回にてリーチ演出を行うか否かについては高確遊技状態における遊技回数に依存する構成となっている。故に、高確遊技状態においては、リーチ発生の有無に係る情報についてはリーチ乱数カウンタC3の値ではなく、高確遊技状態における遊技回数を参照して設定されることとなる。
<保留コマンドの設定処理>
次に、図31のフローチャートを参照して保留コマンドの設定処理について説明する。
保留コマンドの設定処理においては先ず、ステップS1301にて、MPU602のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留予告用の確認処理(図30)において大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していると特定されたか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合にはステップS1202に進み、大当たり対応保留コマンドを設定する。なお、上記コマンドの設定や後述する各種コマンドの設定は、RAM604に設けられたコマンド設定エリアに対してコマンド情報を格納することにより行われる。なお、大当たり対応保留コマンドには、大当たりの種別に関する情報が含まれる。
一方、ステップS1301にて否定判定をした場合、すなわちMPU602のレジスタに大当たり情報が記憶されていないと判定した場合には、ステップS1303に進み、MPU602のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留予告用の確認処理(図30)においてリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応していると特定されたか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS1304にて外れリーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS1305にて完全外れ対応保留コマンドを設定する。
ステップS1302,S1304,S1305にて保留コマンドの設定を行う場合には、変動種別カウンタCSの値等を参照して変動表示時間を決定し、同変動表示時間にかかる情報を当該保留コマンドに付与する。低確遊技状態においては変動表示時間の決定に際しては、上記ステップS708にて実行される変動表示時間の設定処理と同じように、変動表示時間テーブルが参照される。これに対して、高確遊技状態においては、リーチ発生の有無すなわち変動表示時間が変動種別カウンタCSの値とは無関係に決定される構成となっている。このため、高確遊技状態においては、予め決まっている変動表示時間を把握し、この変動表示時間に係る情報を保留コマンドに付与する。
このようにして設定された保留コマンドが表示制御装置620に送信され、同表示制御装置620においては同保留コマンドに基づいて図柄の変動表示態様等を把握可能となる。なお、既に説明したように完全外れの場合には、当該保留情報にかかる遊技回を開始する際に記憶されている保留情報の数に応じて変動表示時間が変化し得る。そこで、完全外れ対応保留コマンドを設定する場合には、変動表示時間の仮設定が行われる。
ステップS1302、ステップS1304、ステップS1305のいずれかのコマンド設定処理を実行した後は、ステップS1306にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。
ステップS1306では、先ず直前の保留予告用の確認処理(図30)におけるステップS1201にてMPU602のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS1302、ステップS1304、ステップS1305のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれることとなる。以上詳述したステップS1306の処理を実行した後に、本保留コマンド設定処理を終了する。
ステップS1306にて保留個数の情報が含められた保留コマンドは、次回の通常処理(図20)におけるステップS401の外部出力処理により、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、報知・演出制御装置610では、保留コマンドに後述する保留予告用の情報を追加して表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、その受信した保留コマンドに基づいて保留表示や保留予告用の処理等を実行する。
また、保留コマンドの設定の仕方は、表示制御装置620において保留コマンドによって、大当たり当選の有無、大当たり当選の場合にはその際の大当たり種別、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無等、言い換えれば図柄の変動表示態様を特定することができるのであれば任意である。例えば、大当たり対応保留コマンド,外れリーチ対応保留コマンド,完全外れ対応保留コマンドの組み合わせが、各保留個数に対応させて個別に設定されており、保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理(図30)における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成とすることも可能である。
次に、図32のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される保留予告に係る処理(保留予告演出用設定処理)について説明する。保留予告演出用設定処理は、所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される定期処理の一環として実行される。
<保留予告演出用設定処理>
保留予告演出用設定処理においては先ず、保留コマンド又はシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。報知・演出制御装置610のMPU612にて受信したコマンドはRAM614のコマンド格納エリア614aに一旦格納される。当該コマンド格納エリア614aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。対応保留コマンドを受信しているか否かの判定に際しては、コマンド格納エリア614aにおける今回の読み出し対象のエリアに大当たり対応保留コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、かかるコマンドの読み出しの構成は、変動開始用コマンド等の他のコマンドの読み出しにおいても同様である。
ステップS1401にて否定判定をした場合には、そのまま本保留予告演出用設定処理を終了する。なお、本実施の形態においては、保留予告演出用設定処理が定期処理に組み込まれており、各コマンドの受信タイミングと当該保留予告演出用設定処理の実行タイミングとがずれる可能性がある。そこで、ステップS1502にてコマンドの有無を再確認することにより保留予告演出が意図せぬタイミングで発生することを抑制する構成としている。但し、このようなコマンドの再確認については必須ではなく、当該確認処理を省略してもよい。
ステップS1401にて肯定判定をした場合にはステップS1402に進む。ステップS1402では保留予告演出を行うか否かの抽選処理を行う。本実施の形態においては、保留予告の抽選契機として保留コマンドの受信とシフト時コマンドの受信とが設定されている。但し、これらのコマンドの受信を契機とした抽選態様は相違しているため、両抽選処理の差違について説明する。
保留コマンドに係る抽選処理では、保留予告の抽選対象が今回新たに追加された保留情報に限定される。つまり、RAM614の保留情報格納エリア614gに設けられた第1エリアRc1〜第8エリアRc8のうち、今回受信した保留コマンドに対応するエリアに記憶された情報に基づいて保留予告の可否抽選が行われる。この抽選は、記憶されている情報から当該保留情報に係る遊技回が大当たりであるか否か、リーチ表示が行われるか否か、またリーチ表示が行われる場合にはそのパターンを把握し、それに応じた抽選テーブルと抽選用カウンタエリア614cに設けられた抽選カウンタの値とに基づいて行われる。
ROM613の抽選用テーブル記憶エリア613aには、保留コマンド受信時用の抽選テーブルとして、大当たり用の抽選テーブル、外れノーマルリーチA用の抽選テーブル、外れノーマルリーチB用の抽選テーブル、外れスーパーリーチA用の抽選テーブル、外れスーパーリーチB用の抽選テーブル、外れスーパーリーチC用の抽選テーブル、完全外れ用の抽選テーブルが記憶されている。
これら各種テーブルについては、大当たり > スーパーリーチC > スーパーリーチB > スーパーリーチB > ノーマルリーチA > ノーマルリーチB > 完全外れの順に当選確率が高くなるように設定されている。
シフト時コマンドに係る抽選処理では、保留予告の抽選対象がシフト後に残存する全ての保留情報となる。つまり、RAM614の保留情報格納エリア614gに設けられた第1エリアRc1〜第8エリアRc8に記憶されている全ての情報に基づいて保留予告の可否抽選が行われる。この抽選は記憶されている各情報について個別に行われる。そして、その抽選順序(優先順序)は新しい順(第8エリアRc8 → 第7エリアRc7 →・・・→ 第1エリアRc1)となるように規定されている。例えば、共通保留数CRNが「2」の場合に、先ず第2エリアRc2に記憶された情報に基づいて抽選が行われ、この抽選に当選しなかった場合に第1エリアRc1に記憶された情報に基づいて抽選が行われることとなる。
本実施の形態においては特に、共通保留数CRNの値が多くなることにより、完全外れに対応する遊技回における変動表示時間が短縮される。そこで、上述の如く新しい保留情報を優先的に抽選対象とすることにより、保留予告を実行する場合の予告演出の期間を好適に確保することができる。
ステップS1402の抽選処理を実行した後は、ステップS1403に進む。ステップS1403ではステップS1402の抽選処理に当選したか否かを判定する。ステップS1403にて否定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。これに対して、ステップS1403にて肯定判定をした場合には、ステップS1404に進み、保留予告態様決定処理を実行する。
ここで、図33の概略図を参照して、本実施の形態における保留予告演出の概要について説明する。図33(a)に示すように、保留予告演出は図柄表示装置75(表示画面75a)の保留表示領域NEに表示おける保留表示の態様等を保留予告に対応するものに変化させることにより実行される。具体的には、保留数表示領域Daに表示された保留表示用画像MPのうち該当遊技回(該当保留)に対応するものを変化させる(本実施の形態では色を変化させる)。遊技回が進むことで色の変化した保留表示用画像MPは、図33(a1)→図33(a2)→図33(a3)→図33(a4)→図33(a5)に示すように実行対象表示領域Db側へ順次シフトする。
保留予告演出においては、表示される保留表示用画像MPの色が複数パターン設定されている。具体的には、図33(b)に示すように、青色のレベル1、黄色のレベル2、赤色のレベル3の3つのパターンが設定されている。該当保留が大当たり結果に対応している場合には、レベル3 > レベル2 > レベル1の順に選択されやすくなっており、該当保留が外れ結果に対応している場合にはレベル1 > レベル2 > レベル3の順に選択されやすくなっている。
また、保留予告が開始された場合の色(レベル)が維持されるパターンや、遊技進行に伴ってより上位の色にステップアップするパターンが設けられており、保留予告演出の多様化が実現されている。上記ステップS1404の処理においては保留予告演出のパターンを決定する。続くステップS1405では予告演出設定処理を実行する。これにより、決定された内容が表示制御装置620にコマンドによって伝達されることとなる。表示制御装置620においてはこのコマンドに基づいて保留予告演出を実行する。
ステップS1405の処理を実行した後はステップS1406に進む。ステップS1406では予告演出の態様を記憶する。より詳しくは、遊技状態が高確遊技状態となっている場合には、上記ステップS1404にて決定された保留予告演出の態様を記憶する。この記憶内容については後述する期待度報知を行う際に参照されることとなる。
以上詳述した保留予告演出については、該当遊技回よりも前のタイミングにて開始され得る演出である。次に、可変表示装置76を用いて該当遊技回中に実行される役物連動特別演出(特別演出)について説明する。特別演出の発生の可否決定権については、保留予告演出と同様に報知・演出制御装置610に委ねられている。ここで、図34のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される特別演出に係る制御処理(役物連動特別演出用設定処理及び特別演出実行処理)について説明する。これら各種処理は、報知・演出制御装置610のMPU612における定期処理の一環として実行される。
<役物連動特別演出用設定処理>
役物連動特別演出用設定処理は変動開始用処理にて変動表示態様が決定された後に実行される処理である(図27のステップS1006参照)。役物連動特別演出用設定処理においては、図34(a)に示すようにステップS1501にて今回の遊技回がスーパーリーチに対応しているか否かを判定する。ステップS1501にて否定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。ステップS1501にて肯定判定をした場合には、ステップS1502に進む。
ステップS1502では特別演出抽選処理を実行する。この抽選においては、大当たり結果の場合の方が外れ結果よりも特別演出が発生しやすい構成となっている。ステップS1502の抽選処理を実行した後は、ステップS1503に進む。ステップS1503では、特別演出の抽選に当選したか否かを判定する。ステップS1503にて肯定判定をした場合には、特別演出設定処理を実行する。これにより、該当遊技回にて可変表示装置76を用いた特別演出が実行され得る状態となる。本実施の形態においては、内部的に特別演出の実行条件が成立していたとしても、最終的な実行の可否については遊技者の操作に依存する構成となっている。具体的には、所定の操作有効期間中に操作ボタン35が操作されることにより特別演出が実行される。
ステップS1503にて否定判定をした場合にはステップS1505に進む。ステップS1505では、煽り演出設定処理を行う。詳細については後述するが、煽り演出は特別演出が行われるように見せつつも実際には当該特別演出が行われない演出である。煽り演出についても抽選によって発生の可否が決定される構成となっており、特別演出と煽り演出とを併用することにより特別演出が行われることを遊技者に期待させることができる。
ステップS1504にて特別演出設定処理がなされたことを条件として上述した特別演出実行処理が実行される。以下、図34(b)のフローチャートを参照して特別演出実行処理について説明する。
<特別演出実行処理>
特別演出実行処理においては先ず、ステップS1601にて特別演出中であるか否かを判定する。ステップS1601にて肯定判定をした場合にはそのまま本特別演出実行処理を終了する。ステップS1601にて否定判定をした場合には、ステップS1602に進む。ステップS1602では操作受付期間中となっているか否かを判定する。本実施の形態に示す特別演出については、遊技者により操作ボタン35が操作されたことに基づいて実行される。この操作については操作を有効に受け付ける受付期間が予め設定されており、この期間中に操作が行われたことを条件として特別演出が発生する。ここで、上記煽り演出については、特別演出の準備が整っている場合と同様に遊技者に操作ボタン35の操作を示唆するものの、仮に操作が行われたとしても特別演出が実行されない演出である。これにより、操作→特別演出発生と操作→特別演出非発生との分岐が生じる。
ステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1603に進む。ステップS1603では操作受付を開始するタイミングであるか否かを判定する。本実施の形態においては、スーパーリーチへの発展後に操作受付が開始される。ステップS1603にて否定判定をした場合にはそのまま本特別演出実行処理を終了する。ステップS1603にて肯定判定をした場合にはステップS1604にて受付開始処理を行った後、本特別演出実行処理を終了する。
受付開始処理ではRAM614の各種カウンタエリア614eに設けられた操作用タイマカウンタを用いて操作受付期間を規定し、表示制御装置620に操作受付開始コマンドを送信する。操作用タイマカウンタが初期値(例えば「0」)に復帰するまでの期間が操作受付期間となる。表示制御装置620ではこの操作受付開始コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aに遊技者に対して操作ボタン35の操作を促す画像を表示する。
ステップS1602の説明に戻り、ステップS1602にて肯定判定をした場合、すなわち操作受付期間中である場合には、ステップS1605に進む。ステップS1605では操作受付が開始されてから操作受付期間が経過したか否かを判定する。ステップS1605にて否定判定をした場合には、ステップS1606に進む。ステップS1606では操作ボタン35からの操作情報(検知信号)に基づいて操作ボタン35の操作が行われたか否かを判定する。ステップS1606にて否定判定をした場合には、そのまま本特別演出実行処理を終了する。ステップS1606にて肯定判定をした場合には、ステップS1607に進む。
ステップS1607では「可動演出装置」としての可変表示装置76の駆動処理を実行する。これにより、可変表示装置76を構成する各表示部材320が待機位置から表示位置(演出位置)に移動し、図柄表示装置75の前方にて上記仕切りFが形成されることとなる。
ステップS1607の処理を実行した後、又はステップS1605にて肯定判定をした場合には、ステップS1608に進む。ステップS1608では、受付終了処理を実行する。これにより、操作用タイマカウンタが0クリアされ、以降は操作ボタン35の操作が無効となり操作ボタン35の操作に基づく特別演出についても不可となる。例えば、操作ボタン35の操作が催促されたにも関わらず、操作が行われることなく操作期間を経過した場合には、特別演出がキャンセルされる。
ステップS1608の処理を実行した後は、ステップS1609にて演出態様の記憶処理を行う。具体的には、操作催促→操作あり→特別演出発生、及び操作催促→操作あり→特別演出非発生の何れの態様となったかが記憶される。なお、煽り演出が実行された場合には、その旨も記憶されることとなる。
ここで、図35のタイミングチャートを参照して保留予告演出や特別演出が実行される際の遊技の流れについて例示する。図35に示す例では、ta1のタイミングにて外れ結果に対応した図柄組み合わせが停止表示され、ta2のタイミングにて次の遊技回が開始される。このta2のタイミングでは4つの保留情報が記憶されている。これら4つの保留情報のうち古い順に数えて3つ目の保留情報については、当該保留情報に係る遊技回にて外れ結果対応のスーパーリーチへ発展するものとなっている。
ta2のタイミングにて次遊技回に進んだ際には、3つ目の保留情報に対応する保留画像が白色から青色に変化することにより保留予告演出が開始される。青色に変化した保留画像については、次の遊技回に移行したta3のタイミングにて青色から黄色に変化し、更に次の遊技回に移行したta4のタイミングにて黄色から赤色に変化する。これにより、当該保留画像に係る遊技回については大当たり結果となる期待が段階的に上昇する。
ta4のタイミングにて保留予告演出の対象となった該当遊技回が開始してから所定の期間が経過したta5のタイミングでは図柄表示装置75の表示画面75aにおける図柄の変動表示態様がリーチ表示に移行する。その後、ta6のタイミングでは、スーパーリーチに発展することとなる。図35に示す例では、リーチ演出としてスーパーリーチAが選択されている。上記保留予告演出については最上位の赤色に発展しているのに対して、スーパーリーチAについては当該保留予告よりも大当たり結果となる期待度が若干低くなっている。このため、ta6のタイミングでは大当たり結果となる期待が僅かながら低下することとなる。
スーパーリーチAに発展した後には、操作ボタン35の操作示唆が実行される。具体的には、図柄表示装置75の表示画面75aに操作ボタン35の操作を促すメッセージ(「ボタンを押せ」)が表示される。但し、この時点では、可変表示装置76による役物連動特別演出(特別演出)が実行されるか否かを遊技者が目視にて判別することは不可能となっている。
図35に示す例では、該当遊技回が特別演出に対応している。このため、ta7のタイミングにて操作ボタン35が操作されると、当該操作に応じて可変表示装置76が動作する。特別演出が開始されると、可変表示装置76を構成する各表示部材320が表示画面75aの外周から中央に向けて変位し、それら表示部材320が組み合わされることにより星型の枠が形成されることとなる。図示は省略しているが、これに併せて図柄の変動表示領域が表示画面75a全体から当該枠によって囲まれた領域(区画領域)に収まるように減縮されることとなる。特別演出については、当該特別演出が実行された際に大当たり結果となる期待度がスーパーリーチAや赤色対応の保留予告演出よりも高くなるように設定されている。これにより、大当たり結果への期待が再び高まる。
ta9のタイミングでは、図柄表示装置75の表示画面75aに外れ結果に対応する図柄組み合わせが停止表示され、外れ結果となった旨の確定表示が開始される。これにより、遊技者に対して外れ結果となった旨が明示されることとなる。
低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の低確遊技状態と、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の高確遊技状態とでは、実行される遊技演出自体(例えば保留予告演出,リーチ演出,特別演出等)については共通であり、大当たり結果となる遊技回においてはリーチ演出を経てその旨が報知される点についても共通である。これに対して、低確遊技状態及び高確率遊技状態では、外れ結果となる遊技機にてリーチ演出を実行するか否かの判断を行うための構成が一部相違している。低確遊技状態においては都度の遊技回にてリーチ演出の可否を抽選によって決定する構成としたが、高確遊技状態においてはリーチ演出の可否が大当たり結果となった際の種別等(具体的には、大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2の値)によって事前にある程度決まる構成となっている。つまり、リーチ演出発生の有無が高確遊技状態にて実行される遊技回数に依存する構成となっている。以下、図36を参照してリーチ演出の可否決定に係る構成について補足説明する。図36(a)は開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャート、図36(b)は変動表示態様の決定に係る構成を示す概略図である。
<高確遊技状態におけるリーチ演出の可否判定>
既に説明したように、本実施の形態にて大当たり結果となった場合には開閉実行モード(特別遊技状態)を経て回数制限付の高確遊技状態に移行する。具体的には、図24に示した遊技状態移行処理にて開閉実行モードの終了条件が成立した場合には、ステップS807の処理(開閉実行モード終了時の移行処理)を実行する。
図36(a)に示すように、開閉実行モード終了時の移行処理においては、ステップS1701にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセット、続くステップS1702にて各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグをセットする。これにより、遊技状態が高確遊技状態に切り替わることとなる。
ステップS1702の処理を実行した後は、ステップS1703にてRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた遊技回数カウンタGCに「100」をセットする。この遊技回数カウンタGCは遊技回が1消化される(進行する)毎に「1」ずつ減算され、遊技回数カウンタGCが「0」に戻った場合に上記高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグが消去される。これにより、遊技状態が高確遊技状態から低確遊技状態に復帰することとなる。
ステップS1703の処理を実行した後は、ステップS1704にて変動表示モードの設定処理を実行した後、本移行処理を終了する。既に説明したように、本実施の形態においては変動表示態様の概要が変動表示時間によって規定される構成となっており、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603cにはこの変動表示時間を規定する変動表示時間テーブルが複数記憶されている。変動表示時間テーブルについては、低確遊技状態となっている状況下にて参照される低確遊技状態用の変動表示時間テーブルと、高確遊技状態となっている状況下にて参照される高確遊技状態用の変動表示時間テーブルとに大別される。
低確遊技状態用の変動表示時間テーブルについては、遊技回毎に参照されるものが共通化されているのに対して、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルについては遊技回毎に参照されるものが各々設けられている。より詳しくは、変動表示モードによって、高確遊技状態にて実行される遊技回とその遊技回にて使用される変動表示時間テーブルとの対応付けがなされている。この変動表示モードについては、大当たり結果の詳細な種類(具体的には大当たり乱数カウンタC1の値と大当たり種別カウンタC2の値との組み合わせ)によって決まる構成となっている。
大当たり乱数カウンタC1の値のうち高確遊技状態にて当選結果となるものの数は「30」個であり、大当たり種別カウンタC2は「30」個である。低確遊技状態にて当選結果となる大当たり乱数カウンタC1の値が「3」個であることを考慮して、本実施の形態においては主表示ユニット81に表示される大当たり絵柄の種類は3×30=90個となっている。これら大当たり絵柄に各々対応付けて、参照するテーブルの種類及び順序を記憶する変動表示モードとして第1変動表示モード〜第90変動表示モードが記憶されている。例えば、図36(b)に示すように、大当たり乱数カウンタC1の値が「7」且つ大当たり種別カウンタC2の値が「1」の場合には、変動表示モードとして第1変動表示モードが設定される。
各変動表示モードにおいては、リーチ演出が必ず発生する遊技回を規定した第1規定回数と、リーチ演出の発生抽選を行う遊技回を規定した第2規定回数とが設定されている。上述したテーブルについては、第1規定回数に係る遊技回に到達するまで及び第1規定回数到達後の遊技回から第2規定回数に係る遊技回に到達するまで参照される変動表示時間テーブルと、第1規定回数に係る遊技回にて参照される変動表示時間テーブルと、第2規定回数に係る遊技回にて参照される変動表示時間テーブルと、第2規定回数到達後に参照される変動表示時間テーブルとに大別される。このようにして変動表示時間テーブルの一部共通化を図りテーブル数の増大を抑えることにより、記憶容量の圧迫を抑制している。
第1規定回数到達に伴って参照される変動表示時間テーブルにおいてはリーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ演出が確定する変動表示時間が設定される構成となっており、第2規定回数到達時に伴って参照される変動表示時間テーブルにおいてはリーチ乱数カウンタC3の値によってリーチ演出が発生する確率が複数段階に変化するように構成されている。これに対して、第1規定回数及び第2規定回数ではない他の遊技回にて参照される変動表示時間テーブルについては大当たり結果となった場合を除いてリーチ演出が実行されない変動表示時間が設定される構成となっている。
<変動表示時間の設定>
ここで、図37〜図39を参照して、変動表示時間の設定の流れ(具体的には変動表示時間の設定処理)について説明する。変動表示時間の設定処理は、主制御装置162のMPU602にて実行される変動開始処理の一部を構成している。
図37(a)のフローチャートに示すように、変動表示時間の設定処理においては先ず、ステップS1801にて高確遊技状態中であるか否かを判定する。ステップS1801にて否定判定をした場合、すなわち低確遊技状態中である場合にはステップS1802にて通常設定処理を実行し、ステップS1801にて肯定判定をした場合にはステップS1803にて特殊設定処理を実行した後、本変動表示時間の設定処理を終了する。
通常設定処理においては先ず、図37(b)に示すように、ステップS1901にて大当たり結果に対応する遊技回であるか否かを判定する。ステップS1901にて肯定判定をした場合には、ステップS1902,S1903に示すようにリーチ発生用の変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を設定する。ここでは、取得された変動種別カウンタCSの値によって変動表示時間が決定される構成となっており、変動表示時間の多様化が実現されている。本実施の形態においては、変動種別カウンタCSの値によって図柄表示装置75における変動表示態様の概要(リーチ演出の種別)が決定される。この決定された結果に応じて、報知・演出制御装置610のMPU612においてはリーチ演出の詳細(例えばエフェクトやカットインの有無、その種類等)が決定されることとなる。
ステップS1901にて否定判定をした場合には、ステップS1904に進む。ステップS1904ではリーチ乱数カウンタC3の値とROM603に記憶されたリーチ抽選用テーブルとを参照してリーチ発生の抽選を行い、当該抽選に当選した場合には、ステップS1902,S1903にてリーチ発生用の変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を設定する。この設定に際しても変動種別カウンタCSの値によって図柄表示装置75における変動表示態様の概要(リーチ演出の種別)が決定されることとはなるが、大当たり結果を契機としている場合と比較して期待度の低いリーチ演出に対応した変動表示時間が選ばれやすくなっている。
大当たり結果に対応する遊技回ではなく且つリーチ発生抽選に漏れた遊技回である場合には、ステップS1905,S1906にてリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を設定する。この設定処理においては、変動種別カウンタCSの値だけでなく、当該処理を実行する時点で記憶されている保留情報の数が加味されることとなる。例えば、記憶されている保留情報の数が多くなることで変動表示時間として比較的短いものが選択されやすくなる。このように抽選待ちの保留情報が溜まっている状況においては、変動表示時間を短くするこにより遊技進行の迅速化が実現されている。
以上詳述したように、低確遊技状態にて参照される変動表示時間テーブルについては実行された遊技回数の影響を受けない構成となっている。これに対して、高確遊技状態においては実行された遊技回数に応じて参照される変動表示時間テーブルが規定されている。ここで、図38(a)のフローチャートを参照してステップS1803の特殊設定処理について説明する。
特殊設定処理においては先ずステップS2001にて高確遊技状態における遊技回数が第1規定回数となったか否かを判定する。具体的には、図36(b)に示した変動表示モードと遊技回数カウンタGCの値を参照して、第1規定回数となったか否かを判定する。例えば、変動表示モードとして第1変動表示モードが設定されている場合には、第1規定回数として「10」が設定されており、遊技回数カウンタGCの値が「90」となったか否かを判定する。なお、遊技回数カウンタGCの値は変動開始処理(ステップS505)が起動する際に、更新(「1」減算)される。
ステップS2001にて肯定判定をした場合にはステップS2002に進む。ステップS2002ではROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603cに記憶されている第1変動表示時間テーブルを参照し、続くステップS2003にて変動表示時間を設定した後、本特殊設定処理を終了する。本実施の形態においては、今回の高確遊技状態がどの変動表示モードに対応しているかによって参照される第1変動表示時間テーブルが決まる構成となっている。
具体的には、図38(b)の概略図に示すように、第1変動表示時間テーブルは第1変動表示時間テーブルA〜第1変動表示時間テーブルCの3種類のテーブルによって構成されている。第1変動表示時間テーブルAが参照される場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ演出が確定する。また、当該遊技回が外れ結果に対応している場合には変動種別カウンタCSの値が何れであってもリーチ演出としてスーパーリーチAが確定する構成となっている。
また、第1変動表示時間テーブルB及び第1変動表示時間テーブルCが参照される場合にも、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ演出が確定する。第1変動表示時間テーブルBが参照される場合には当該遊技回が外れ結果に対応していることに基づいて変動種別カウンタCSの値が何れであってもリーチ演出としてスーパーリーチBが確定し、第2変動表示時間テーブルCが参照される場合には当該遊技回が外れ結果に対応していることに基づいて変動種別カウンタCSの値が何れであってもリーチ演出としてスーパーリーチCが確定する。
なお、当該遊技回が大当たり結果に対応している場合には、変動種別カウンタCSの値に応じてスーパーリーチA〜スーパーリーチCの振り分けがなされる。この場合、スーパーリーチA < スーパーリーチB < スーパーリーチCの順に振分率が高くなるように設定されている。因みに、大当たり結果の場合であっても、外れ結果の場合と同様に、参照している第1変動表示時間テーブルに応じて変動種別カウンタCSの値とは関係なくリーチ演出の種類が確定する構成とすることも可能である。
図38(a)の説明に戻り、ステップS2001にて否定判定をした場合には、ステップS2004に進む。ステップS2004では高確遊技状態における遊技回が第2規定回数となったか否かを判定する。具体的には、図36(b)に示した変動表示モードと遊技回数カウンタGCの値を参照して、第2規定回数となったか否かを判定する。ステップS2004にて肯定判定をした場合には、ステップS2005に進む。
ステップS2005ではROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603cに記憶されている第2変動表示時間テーブルを参照し、続くステップS2006にて変動表示時間を設定した後、本特殊設定処理を終了する。本実施の形態においては、今回の高確遊技状態がどの変動表示モードに対応しているかによって参照される第2変動表示時間テーブルが決まる構成となっている。
ここで、図39(a)の概略図に示すように、第2変動表示時間テーブルは、第2変動表示時間テーブルA〜第2変動表示時間テーブルDの4種類が設定されている。第2変動表示時間テーブルAが参照される場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ演出が確定する。また、当該遊技回が外れ結果に対応している場合には変動種別カウンタCSの値が何れであってもリーチ演出としてスーパーリーチAが確定する構成となっている。
また、第2変動表示時間テーブルB及び第2変動表示時間テーブルCが参照される場合にも、リーチ乱数カウンタC3が何れであってもリーチ演出が確定する。第2変動表示時間テーブルBが参照される場合には当該遊技回が外れ結果に対応していることに基づいて変動種別カウンタCSの値が何れであってもリーチ演出としてスーパーリーチBが確定し、第2変動表示時間テーブルCが参照される場合には当該遊技回が外れ結果に対応していることに基づいて変動種別カウンタCSの値が何れであってもリーチ演出としてスーパーリーチCが確定する。
これに対して、第2変動表示時間テーブルDが参照される場合には当該遊技回が外れ結果に対応していることに基づいてリーチ乱数カウンタC3の値が何れであってもリーチ演出が非発生(完全外れ)となる。つまり、第2変動表示時間テーブルDが参照される所定の変動表示モード(例えば第4変動表示モード等)においては、外れ結果であるならば当該遊技回においてはリーチ演出が発生せず完全外れとなる。
今回の遊技回が大当たり結果に対応している場合には、変動種別カウンタCSの値に応じてスーパーリーチA〜スーパーリーチCの振り分けがなされる。この場合、スーパーリーチA < スーパーリーチB < スーパーリーチCの順に振分率が高くなるように設定されている。因みに、大当たり結果の場合であっても、外れ結果の場合と同様に、参照している第2変動表示時間テーブルに応じて変動種別カウンタCSの値とは関係なくリーチ演出の種類が確定する構成とすることも可能である。
再び図38(a)の説明に戻り、ステップS2004にて否定判定をした場合、すなわち第1規定回数及び第2規定回数の何れでもない場合には、ステップS2007に進む。ステップS2007では、高確遊技状態における遊技回数が第2規定回数に達する前であるか否かを判定する。ステップS2007にて肯定判定をした場合には、ステップS2008に進む。
ステップS2008ではROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603cに記憶されている第3変動表示時間テーブルを参照し、続くステップS2008にて変動表示時間を設定した後、本特殊設定処理を終了する。第3変動表示時間テーブルについては、当該遊技回が外れ結果に対応していることに基づいてリーチ乱数カウンタC3の値に関係なく完全外れが確定する。また、当該遊技回が外れ結果に対応している場合には変動種別カウンタCSの値及び記憶されている保留情報の数に応じて変動表示時間が設定される。
ステップS2007にて否定判定をした場合には、ステップS2010に進む。ステップS2010ではROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603cに記憶されている第4変動表示時間テーブルを参照し、続くステップS2011にて変動表示時間を設定した後、本特殊設定処理を終了する。第4変動表示時間テーブルについては、当該遊技回が外れ結果に対応していることに基づいてリーチ乱数カウンタC3の値に関係なく完全外れが確定する。また、当該遊技回が外れ結果に対応している場合には変動種別カウンタCSの値及び記憶されている保留情報の数に応じて変動表示時間が設定される。
なお、第3変動表示時間テーブル及び第4変動表示時間テーブルにおいては、外れ結果となった場合に設定される変動表示時間に差が設けられている。具体的には、第2規定回数到達後は、第2規定回数到達前と比較して変動表示時間が長くなるように構成されている。但し、このような差については任意であり、第2規定回数到達後は、第2規定回数到達前と比較して変動表示時間が短くなるように構成してもよいし、このような差を設けない構成としてもよい。
今回の遊技回が大当たり結果に対応している場合には、変動種別カウンタCSの値に応じてスーパーリーチA〜スーパーリーチCの振り分けがなされる。この場合、スーパーリーチA < スーパーリーチB < スーパーリーチCの順に振分率が高くなるように設定されている。因みに、大当たり結果の場合であっても、外れ結果の場合と同様に、参照している第3変動表示時間テーブル及び第4変動表示時間テーブルに応じて変動種別カウンタCSの値とは関係なくリーチ演出の種類が確定する構成とすることも可能である。
本実施の形態においては、高確遊技状態にて実行されるリーチ演出の回数に上限が生じている。具体的には、1度目又は2度目のリーチ演出においては外れ結果となる可能性を含んでいるものの、3度目のリーチ演出においてはリーチ演出発生=大当たり結果確定となる。このような構成では、実際には大当たりが確定→リーチ演出が発生する構成ではあるものの、これとは逆に3度目のリーチ演出が発生することが大当たりの契機になっているかのような印象を遊技者に与えることができる。これにより、外れ結果となったリーチ演出を踏み台に大当たりに近づいているように見せることができ、リーチ演出発生への遊技者の期待感を好適に煽ることができる。
ここで、図39(b)の概略図を参照して、高確遊技状態中のリーチ演出の発生態様について補足説明する。
既に説明したように、高確遊技状態においては、当該高確遊技状態中に実行された遊技回数が第1規定回数に達した際に大当たりの有無等に関係なく必ずスーパーリーチが発生する。そして、高確遊技状態中に実行された遊技回数が第2規定回数に達した際の一部にてスーパーリーチが発生する。なお、これら第1規定回数及び第2規定回数については、第1規定回数 < 第2規定回数である点については共通しているものの、それら回数については様々となっているため、遊技者はどの遊技回が第1規定回数又は第2規定回数であるかを識別することは困難となっている。
第1規定回数に達した際にスーパーリーチAが発生した場合には、第2規定回数到達時にリーチ演出(スーパーリーチA〜スーパーリーチC)の発生率が、第1規定回数到達時にスーパーリーチB又はスーパーリーチCが発生した場合と比較して高くなるように、上記変動表示モード及び変動表示時間テーブルが設定されている。具体的には、第1規定回数に達した際にスーパーリーチAが発生した場合に第2規定回数到達によってリーチ演出(スーパーリーチA〜スーパーリーチC)が発生する確率は80%となっており、第1規定回数に達した際にスーパーリーチBが発生した場合に第2規定回数到達によってリーチ演出(スーパーリーチA〜スーパーリーチC)が発生する確率は60%となっており、第1規定回数に達した際にスーパーリーチCが発生した場合に第2規定回数到達によってリーチ演出(スーパーリーチA〜スーパーリーチC)が発生する確率は40%となっている。つまり、第1規定回数に達した際に期待度の低いリーチ演出となるほど、次回第2規定回数到達時にリーチ演出に発展する可能性は高くなるように構成されている。
上述したように本実施の形態においては3度目のリーチ演出の発生=大当たり確定となる構成であるため、遊技者はできるだけ早く2度のリーチ演出が実行されること期待するものと想定される。そこで、第1規定回数到達時に期待度の低いリーチ演出が実行された場合には、第2規定回数到達時のリーチ演出の発生確率が高くなる構成とすることにより、リーチ演出単体ではなく高確遊技状態にて実行される演出全体の流れによって大当たり結果への期待を好適に煽ることができる。
また、第1規定回数到達時に実行されたリーチ演出の種類に応じて、第2規定回数到達時にリーチ演出が発生する場合のスーパーリーチA〜スーパーリーチCの振り分けに差が生じる。第1規定回数に達した際にスーパーリーチAが発生した場合には、第1規定回数到達時にスーパーリーチB〜スーパーリーチCが発生した場合と比較して、より期待度の高い演出が発生する可能性が高くなるように演出態様の振り分けが差別化されている。具体的には、第1規定回数に達した際にスーパーリーチAが発生した場合に第2規定回数到達によってリーチ演出(スーパーリーチA〜スーパーリーチC)が発生する場合の内わけが、スーパーリーチAが20%,スーパーリーチBが30%,スーパーリーチCが50%となる。これに対して、第1規定回数に達した際にスーパーリーチBが発生した場合に第2規定回数到達によってリーチ演出(スーパーリーチA〜スーパーリーチC)が発生する場合の内わけが、スーパーリーチAが30%,スーパーリーチBが30%,スーパーリーチCが40%となり、第1規定回数に達した際にスーパーリーチCが発生した場合に第2規定回数到達によってリーチ演出(スーパーリーチA〜スーパーリーチC)が発生する場合の内わけが、スーパーリーチAが40%,スーパーリーチBが30%,スーパーリーチCが30%となる。
このように、第1規定回数到達時に比較的期待度が低くなるように設定されたリーチ演出が行われる場合には、第2規定回数到達時に比較的期待度が高くなるように設定されたリーチ演出が行われやすくすることにより、大当たり結果となりやすい高確遊技状態にて大当たりへの期待感が高い演出を経験することなく、当該高確遊技状態が終了することを抑制している。
本実施の形態においては、高確遊技状態においては3度のリーチ演出については大当たり結果が確定する構成となっている。このような構成にする上で、図柄表示装置75の表示画面75aにおける表示態様についても高確遊技状態中は当該高確遊技状態に対応するものに切り替わることとなる。ここで、図40の概略図を参照して、高確遊技状態における表示態様について補足説明する。
高確遊技状態に移行すると、図40(a)に示すように、表示画面75aの変動表示領域MEの上部に履歴表示部SE(大ウィンドウ)が現出する。この履歴表示部SEは、左右に並ぶ複数の個別表示部DE(小ウインドウ)を有してなり、個別表示部DEの数はリーチ発生上限回数と同じ数(3つ)となっている。高確遊技状態に移行したことを契機として、これら個別表示部DEにはリーチ演出が発生し得ることを示すメッセージとして「STANDBY」が表示される。また、変動表示領域MEの下部には、高確遊技状態の残り継続回数を示す情報が表示される。この残り継続回数が0となるまでに3度のリーチ演出が発生した場合には、3度目のリーチ演出を経由して開閉実行モードへ移行することとなる。
図40(b)に示すように、遊技回が進むにつれて高確遊技状態の残り継続回数が減る。ここで、大当たり結果となることなく実行された遊技回数が第1規定回数に到達すると、外れ結果対応のリーチ演出が実行され、個別表示部DEのうち1つが外れ結果に対応する表示に切り替わる(本実施の形態においてはシャッタを模した画像が表示されリーチ演出の残り回数が1つ減った旨が明示される)。これに併せて、表示画面75aに青色のエフェクトが追加され、残り遊技回中に2度のリーチ演出が実行されることへの注目が促される。
その後、大当たり結果となることなく遊技が進み、高確遊技状態にて実行された遊技回数が第2規定回数に到達すると、リーチ演出が行われるか否かに分かれることとなる。図40(b)に示す例では、第2規定回数に到達することにより、外れ結果対応のリーチ演出が実行される。これに基づいて個別表示部DEのうち1つが外れ結果に対応する表示に切り替わる(本実施の形態においてはシャッタを模した画像が表示されリーチ演出の残り回数が1つ減った旨が明示される)。これに併せて、表示画面75aのエフェクトが青色から赤色に変化し、残り遊技回中にリーチ演出が実行されることへの注目が促される。
上述したように大当たり結果となる期待度が異なる複数種の演出(例えば、保留予告演出、特別演出、リーチ演出等)が組み合わされることにより遊技演出が実行される構成となっていることにより、遊技演出の多様化が実現されている。これは遊技の単調化を抑制する上では有利である。しかしながら、このように遊技演出の多様化を実現した場合には、演出パターンが多岐にわたることにより、遊技者は遊技演出全体での期待度がどの程度であるかを把握することが困難になり得る。例えば、スーパーリーチ毎の平均的な期待度についての知識を持ち合わせていたとしても、各スーパーリーチに保留予告演出や特別演出等が複合することにより、総合的な期待度がどの程度であるかを把握することが困難となる。これは、演出の多様化が遊技者を困惑させる要因になるため好ましくない。
そこで、高確遊技状態においては、リーチ演出が行われた遊技回については遊技演出の全体での期待度を報知する機能が付与されている。具体的には、表示制御装置620のMPU622においては定期処理の一環として期待度報知処理が実行されることを特徴の1つとしている。この期待度報知処理は、期待度報知開始用処理と期待度報知終了用処理とに大別される。そこで以下、図41及び図42を参照して当該期待度報知に係る構成について説明する。図41(a)は期待度報知開始用処理を示すフローチャート、図41(b)は期待度報知終了用処理を示すフローチャート、図42は遊技演出の期待度を示す概略図である。
<期待度報知>
図41(a)に示すように、期待度報知用開始処理においては先ず、ステップS2101にて高確遊技状態中であるか否かを判定する。ステップS2101にて否定判定をした場合には、そのまま本期待度報知開始用処理を終了する。ステップS2101にて肯定判定をした場合には、ステップS2102に進む。ステップS2102では外れ結果に対応するスーパーリーチが実行される遊技回にて確定表示が終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS2102にて否定判定をした場合には、そのまま本期待度報知開始用処理を終了する。
ステップS2102にて肯定判定をした場合には、ステップS2103に進む。ステップS2103では演出態様確認処理を実行する。本実施の形態における報知・演出制御装置610のMPU612においては保留予告演出の態様や特別演出の態様等を把握/記憶し(ステップS1406,S1609等参照)、その情報を表示制御装置620に送信する機能が付与されている。これら送信された情報に基づいて表示制御装置620のMPU622においては、保留予告演出の有無及びその種類、特別演出の有無、リーチ演出の種類を確認する。そして、これら確認された情報に基づいて今回の遊技回における総期待度を把握する。例えば、リーチ演出(変動表示態様)としてスーパーリーチAが設定され、保留予告演出が発生せず、特別演出が発生した場合の総期待度は50%となる(図42参照)。
ステップS2103の処理を実行した後は、ステップS2104にて期待度表示の対象となる個別表示部DEを特定する処理を行う。詳細については後述するが、期待度報知の対象となる個別表示部DEについては「STADBY」が非表示となり、抽選機会が1つ減ったことを示唆すべくシャッタを模した画像が表示されることとなる。本ステップS2104の処理では、このシャッタ画像の表示対象となる個別表示部DEを特定する。
ステップS2104の処理を実行した後は、ステップS2105にて期待度表示の開始処理を行う。これにより、ステップS2104にて特定された個別表示部DEにステップS2103にて把握された期待度が表示されることとなる。このようにして開始された期待度の表示(報知)については、高確遊技状態が終了するまで又は高確遊技状態中に大当たり結果となるまで継続される。
次に、図41(b)のフローチャートを参照して、期待度表示の終了用処理について説明する。期待度報知終了用処理においては先ず、ステップS2201にて高確遊技状態の終了タイミング又は開閉実行モードへの移行タイミングであるか否かを判定する。ステップS2201にて否定判定をした場合には、そのまま本期待度報知終了用処理を終了する。
ステップS2201にて肯定判定をした場合には、ステップS2202に進む。ステップS2202では期待度の表示(報知)を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS2202にて否定判定をした場合には、そのまま本期待度報知終了用処理を終了する。ステップS2202にて肯定判定をした場合には、ステップS2203に進む。ステップS2203では期待度報知終了用処理を実行する。これにより、個別表示部DEに表示されている期待度の表示が全て解除されることとなる。この処理を行った後は、ステップS2204にて期待度報知に係る演出情報を消去して、本期待度報知用処理を終了する。
ここで、図43のタイミングチャートを参照して、期待度報知の流れについて説明する。図43においては、第1規定回数及び第2規定回数にてリーチ表示が実行されるものの、大当たり結果となることなく高確遊技状態が終了する場合について例示している。
tb1のタイミングにて開閉実行モード(特別遊技状態)が終了して高確遊技状態に移行すると、上記作動入球部62,63への入球に基づく大当たりの抽選が再開されることとなる。高確遊技状態における遊技回数が第1規定回数に達した(詳しくは第1規定回数に係る遊技回が開始された)tb2のタイミングでは図柄表示装置75の表示画面75aにてリーチ表示が開始される。tb3のタイミングにて外れ結果に対応する図柄組み合わせが停止表示され、遊技結果を明示する確定表示期間が経過したtb4のタイミングでは遊技結果が明示された該当遊技回にて実行された遊技演出の総期待度の表示が開始される。例えば、赤色対応の保留予告演出、特別演出、スーパーリーチBが実行された場合には、それら各種演出を勘案した期待度(75%:図42参照)が第1個別表示部DE1〜第3個別表示部DE3の何れかに表示される。
高確遊技状態における遊技回数が第2期待回数に達した(詳しくは第2規定回数に係る遊技回が開始された)tb5のタイミングでは図柄表示装置75の表示画面75aにてリーチ表示が開始される。tb6のタイミングにて外れ結果に対応する図柄組み合わせが停止表示され、遊技結果を明示する確定表示期間が経過したtb7のタイミングでは遊技結果が明示された該当遊技回にて実行された遊技演出の総期待度の表示が開始される。例えば、赤色対応の保留予告演出、特別演出、スーパーリーチCが実行された場合には、それら各種演出を勘案した期待度(85%:図42参照)が第1個別表示部DE1〜第3個別表示部DE3のうち、今回の遊技回に対応するもの(未だ期待度が表示されていないもの)に表示される。つまり、以降は第1規定回数到達時に実行された遊技演出の期待度と第2規定回数到達時に実行された遊技演出の期待度との両方が表示されることとなる。
高確遊技状態における遊技回数が所定回数(100回)に達し、高確遊技状態から低確遊技状態に移行するtb8のタイミングでは各個別表示部DEにおける期待度の表示が解除されることとなる。これにより、期待度報知が終了する。
上述したように個別表示部DEにて期待度の表示を行う構成においては、実際にリーチ演出が行われた遊技回と表示されている期待度との対応付けが分かりにくくなることにより、表示されている数字が何を意味しているのかが不明になる。これでは、期待度を報知する意義が低下し得る。そこで、本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図44を参照して当該工夫に係る構成について説明する。図44は外れ結果に対応した遊技機におけるリーチ演出〜期待度報知の流れを示す概略図である。
高確遊技状態における遊技回数が第1規定回数となった遊技回においては、図44(a)→図44(b)に示すようにリーチ演出が実行される。リーチ演出としてスーパーリーチCが設定されている場合には、図44(b)に示すように図柄表示装置75の表示画面75a(変動表示領域ME)における中央に、女の子を模したキャラクタ画像が表示される。
ここで、個別表示部DE3には変動表示領域MEに表示されたキャラクタ画像が簡易表示(縮小表示)される。これにより、変動表示領域MEにて実行されているリーチ演出(該当遊技回)と個別表示部DE3とに関連性が付与され、遊技者に個別表示部DE3が今回の遊技回と関連していることが示唆される。
図44(b)→図44(c)に示すように変動表示領域MEにて外れ結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示(確定表示)されると、図44(b)→図44(c)に示すように個別表示部DE3に表示されていたキャラクタ画像が非表示となり、当該キャラクタ画像に代えてシャッタ画像が表示される。このシャッタ画像には、該当遊技回にて実行された一連の遊技演出に対応した期待度が数字で表示されることとなる。このように、該当遊技回と個別表示部DE3との関連付を行った後に、期待度の表示を行うことにより、その数字の意味が分かりやすくしている。
以上上述した実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
遊技回にて実行されるリーチ演出が複数設けられ、それら各種リーチ演出に対応付けられた大当たり結果となる期待度が相違している構成においては、リーチ演出の多様化を実現して遊技の単調化を抑制する上で有利である。しかしながら、期待度に差が設けられている構成では、遊技者は期待度の高いリーチ演出が発生することを期待して遊技を行うものと想定され、期待度の高い演出が発生しないこと更にはリーチ演出自体が発生しないことが遊技者を失望させて、遊技意欲を低下させる要因になると想定される。
この点、本実施の形態においては、高確遊技状態における中に遊技回数が第1規定回数となった場合に期待度の低いリーチ演出が設定された場合ほど、後の遊技回(第2規定回数到達時)にてリーチ演出が実行される可能性が高くなる。このようにして、リーチ演出の発生確率を上げる構成とすることにより、実行されたリーチ演出が期待度の低いものであったとしても、その後の遊技機にてリーチ演出に発展する期待度が変化する。このように、ある種のリーチ演出高確状態を作り出すことにより、遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
特に、第1規定回数となった際に期待度の低いリーチ演出が設定された場合ほど、後の遊技回(第2規定回数到達時)にてリーチ演出が実行される際には、比較的期待度の高いリーチ演出が実行されやすくなるように構成されている。つまり、期待のできない演出が実行された後には、期待度の高い演出が発生する可能性が高まり、期待度の低い演出が実行された後には、遊技者の期待が後の遊技回に向くこととなる。このようにして、遊技機があたかも上り調子であるように見せることにより、遊技意欲の低下を抑制し、期待感を好適に持続させることができる。
これに対して、仮に期待度の高いリーチ演出が連続して外れ結果となった場合には、期待感を煽った挙句に外れ結果が続くことで、遊技者に運が無いとの印象を与えかねない。そこで、第1規定回数となった際に期待度の高いリーチ演出が設定された場合ほど、後の遊技回(第2規定回数到達時)にてリーチ演出が実行される際には、比較的期待度の低いリーチ演出が実行されやすくなるように構成されている。これにより、上記不都合の発生を回避して、遊技者の遊技意欲の減退を抑制している。
特に、期待度の高いリーチ演出を経て外れ結果になってしまった場合には、遊技者の期待感を大きく煽った反動が懸念される。仮に、過度に期待感が煽られるような事象が続いてなお大当たり結果とならなければ遊技者の遊技意欲を急速に低下させてしまうと懸念される。そこで、先の遊技回にて比較的期待度の高いリーチ演出が実行される場合には、後の遊技回にて比較的期待度の低いリーチ演出が設定されやすくする構成とすることには、過剰な煽りを抑制して上述した遊技意欲の減退の抑制に貢献できるという技術的意義がある。
高確遊技状態においては、大当たり結果となった場合には必ずリーチ演出が発生し、事前に2度の外れ結果対応のリーチ演出が行われた場合には、大当たり結果となるまでリーチ演出の発生が回避される構成となっている。つまり、高確遊技状態にてリーチ演出が3度発生した場合には、3度目のリーチ演出の内容に関わらず大当たり結果が確定することとなる。このような構成では、大当たり結果となることでリーチ演出が発生するのであり、リーチ演出が3度発生したから大当たり結果となるわけではないが、見かけ上はあたかもリーチ演出が3度発生したら大当たり結果になるように意識させることができる。この結果、遊技者は少しでも早く且つ少しでも多くリーチ演出が発生することを期待して遊技を行うものと想定される。
このような構成との組み合わせにおいては、第1規定回数となってリーチ演出が発生した際にたとえ期待度の低いものが実行されたとしても、それによって第2規定回数となった際にリーチ演出が発生することとなる。故に、高確遊技状態となっている状況下にて期待度の低いリーチ演出が実行されることが必ずしも不利ではないとの印象を与えることができ、高確遊技状態中に中だるみ等によって遊技意欲が低下するといった不都合の発生を好適に抑制できる。
高確遊技状態においては、右ルートへ遊技球を発射することにより投資を抑えながら遊技を進めることができる。ここで、右ルートへ遊技球を発射している状況下においては、上側作動入球部62への入球が回避され、下側作動入球部63への入球が主となる。このような状況下では、記憶される保留数の上限については実質的に下側作動入球部63の記憶上限数(4つ)に依存することとなる。ここで、本実施の形態においては、第1規定回数と第2規定回数との差は、ある程度の幅が設定されてはいるものの少なくとも一部については記憶上限数(4つ)よりも大きくなるように設定されている(図36参照)。つまり、上述したリーチ演出に係る可変機能の影響が、保留上限数を超えて及ぶこととなる。
遊技機の演出には、記憶可能な保留情報の上限数に亘ってある種の連続性が付与された演出が実行されるものがあるが、この場合でも影響が及ぶ範囲が保留上限数によって制限されることとなる。この点、本実施の形態に示す構成によれば、演出高確又は演出低確等の影響について上述したような制約を回避することにより、演出連携等の自由度を一層好適に向上することができる。
上述したように遊技回間の演出に係る連携を強化した場合には、演出に対応付けらた期待度の平均値を保つことはできてもそのばらつきが大きくなって当該平均値が目安になりにくくなると想定される。これでは、演出毎に期待度を差別化した意味が薄れてしまう。そこで、本実施の形態に示すように、回数制限がある高確遊技状態にてリーチ演出の発生確率の変化を許容しつつ、回数制限のない低確率遊技状態においては上記変化を許容しない構成とすれば、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特に、高確遊技状態においては、リーチ演出の発生回数に事実上の縛りが設けられている。これにより、過度にリーチ演出が発生してしまい、上記期待度の下振れが過度になることが抑制される。
そもそも遊技回数に制限が設けられている高確遊技状態については、低確遊技状態と同様に抽選によってリーチ演出の可否を決定する構成とした場合には、高確遊技状態中に必ずしもリーチ演出が発生する保障がない。故に、上述したような複数の遊技回に係る連携機能が担保できない場合が生じる。このような事情から、高確遊技状態においては、規定回数の到達によってリーチ演出が少なくとも1度は発生する構成とすることには、上述した各種効果を安定して発揮させる上で技術的意義がある。
また、大当たり結果ではないにも関わらずリーチ演出が頻発しては、リーチ演出発生時の期待度が設計値を大きく下回ってしまう。このため、高確遊技状態においてはリーチ演出に係る期待度が下落しているかのような印象を遊技者に与える可能性がある。そこで、高確遊技状態中にリーチ演出が発生し得る回数を予め規定しておき、それ以外の遊技回では大当たり結果とならない限りはリーチ演出が規制される構成とすることにより、体感での期待度と実際の期待度との乖離を抑えることができる。
高確遊技状態においては、当該高確遊技状態への移行契機となった大当たり結果に基づいて高確遊技状態中に参照するテーブルを予め規定することで、どの遊技回にてどのリーチ演出が発生するかを予め定める構成とした。これは、上述したような期待度のばらつき等を抑えつつ遊技回間での連携を強化する上で、主制御装置162に生じる制御負荷を軽減する工夫である。
図柄表示装置75の表示画面75a等にて実行される遊技演出(リーチ演出)を通じて大当たりの抽選結果を報知する構成においては、遊技演出毎に大当たり結果となる期待度の関連付を行うことにより、遊技者の注目度の向上を図ることができる。但し、同じような演出が繰り返される場合には、遊技が単調になって遊技者の遊技意欲が低下すると懸念される。このような事情に鑑みた場合には、遊技演出の態様を多様化して、遊技の単調化を抑制することには技術的意義がある。
しかしながら、そもそも遊技演出毎に大当たり結果となる期待度が相違している構成においては、演出態様が複雑になることにより、遊技演出の期待度がどの程度であるのかを識別することが困難になると懸念される。このような事情に配慮して、遊技演出の期待度を当該演出実行中に報知する構成とすれば、上記不都合の発生を抑制することはできるものの、遊技者の注目が遊技演出ではなく報知される期待度に向きやすくなり、遊技演出の存在価値が低下し得る。
この点、本実施の形態に示すように、期待度に関する情報を遊技演出が実行された遊技回(以下、該当遊技回という)の後に実行する構成とすれば、遊技者は事前に行われた遊技演出の期待度がどの程度であったかを確認することができる。これにより、演出による注目度向上効果を享受しつつ、遊技演出の多様化に起因した上記不都合の発生を抑制することができる。これにより、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
特に、上記報知が後の遊技回中に行われる構成によれば、期待度を確認したい遊技者に対して遊技の継続を促すことができる。これは、例えば期待度が高そうな演出を経て外れ結果となった場合に、当該演出が遊技を止める契機となることを抑制する上でも好ましい構成である。
本実施の形態に示す遊技機においては、大当たり結果となる場合と外れ結果となる場合とを比較した場合には、前者よりも後者となる可能性が高い。また、大当たり結果となった場合には、開閉実行モードに移行することにより遊技状態が切り替わる。このような事情に鑑みれば、外れ結果となった場合に上記報知を行う構成とすることには、報知機能を好適に発揮させることができるという技術的意義がある。
該当遊技回と期待度の報知とのタイムラグがあまり大きくなってしまっては、報知された情報がそもそも何を意図しているものか分かりづらくなる。これに対して、該当遊技回にて遊技演出が行われている最中に報知を行った場合には、演出のインパクトが弱くなり当該遊技演出への注目度が低下すると想定される。そこで、抽選結果を明示する確定表示期間中に期待度の報知を開始する構成とすれば上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
ここで、仮に報知期間=確定表示期間となってしまっては遊技が間延びしてしまい、遊技進行の円滑さが損なわれると懸念される。この点、確定表示期間〜以降の遊技回に亘って上記報知が継続される構成とすることにより、遊技進行の円滑化を図りつつ報知期間を担保することができる。
本実施の形態に示す遊技機においては、記憶されている保留情報の数が多くなることにより変動表示時間(演出期間)が短縮される機能(所謂、時間短縮機能)が付与されている。このような事情に鑑みれば、遊技の状況によっては報知期間を十分に担保することが困難になる可能性を否定できない。そこで、本実施の形態に示すように、少なくとも保留情報の記憶上限数よりも大きな数に対応する遊技回に亘って報知が継続される構成とすることにより、報知機能が上手く発揮されなくなることを好適に抑制できる。
上記報知機能を発揮する上では、遊技演出と報知との関連性が弱くなることで、報知される情報が何に対応するものかが分かりづらくなる。例えば、報知される情報量を増やす等して当該報知の意味を遊技者に伝えようとすれば、表示領域が無駄に嵩んでしまい、図柄等の変動表示領域MEが過度に圧迫される。この点、本実施の形態に示すように、変動表示領域MEの表示内容に対応する情報が表示される個別表示部DEを期待度報知用の領域として利用する構成とすれば、報知される期待度と遊技演出との関連性が分かりづらくなることを抑制できる。これは、報知される情報量を減縮して可変表示領域との共存を図る上で好ましい構成である。
遊技者の操作の有無によって遊技演出が変化し得る構成においては、遊技演出の流れが遊技者の操作に依存することとなる。「操作部」としての操作ボタン35については、必ずしも遊技者によって操作されるとは限らず、場合によって操作し得る状況であっても操作が見送られる可能性を否定できない。そこで、期待度に関する情報を報知する場合には、操作が行われた場合と操作が行われなった場合とで特別演出を加味するか否かを分ける構成とすることにより、状況に適した態様で期待度に関する情報を提供できる。例えば、操作を行うことにより期待度が極めて高い演出が実行される状況下にて操作が行われなかった場合に、操作が行われたことを加味して期待度に関する情報を報知することで、報知される情報の確からしさが低下する。遊技者が報知された情報を後の遊技にて活用しようとした場合に報知内容と実績とがかけ離れてしまうことは、報知機能に対する遊技者の信頼を低下させる要因になると懸念される。そこで、本実施の形態に示したように、操作を行うべき状況にて操作が行われなかった場合には、それを踏まえた期待度に関する情報の報知を行うことにより、報知機能の信頼性を好適に担保する構成とすることにより、実情上好ましい構成を実現できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、大当たり結果の詳細な種類(詳しくは大当たり乱数カウンタC1と大当たり種別カウンタC2との組み合わせ)に応じて、高確遊技状態(「第2遊技状態」に相当)における遊技回毎の変動表示態様を予め定める構成、具体的には遊技回毎に参照される変動表示時間テーブル及び参照順序を予め規定する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、先の遊技回における変動表示態様の設定結果に応じて後の遊技回にて参照される変動表示テーブルを切り替える(変更する)構成とすることも可能である。以下、図38を参照してその具体例について説明する。図45は上述した変動表示時間の設定処理を構成する特殊設定処理を示したフローチャートである。
図45に示す特殊設定処理においては、先ずステップS2301にて大当たりに当選しているか否かを判定する。ステップS2301にて否定判定をした場合には、ステップS2302に進む。ステップS2302では今回の遊技回が第1規定回数に対応しているか否かを判定する。第1規定回数に到達している場合にはステップS2303にてリーチ発生用第1特殊変動表示時間テーブルを参照し、続くステップS2304,S2305にて変動表示時間の設定及び変動表示情報の記憶処理を行う。変動表示情報は、第1規定回数にて実行されたリーチ演出の種類等を識別可能な情報であれば足り、具体的な形態については任意である。
ステップS2302にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技回が第1規定回数ではない場合には、ステップS2306に進む。ステップS2306では今回の遊技回が第2規定回数に対応しているか否かを判定する。ステップS2306にて肯定判定をした場合には、ステップS2307にてリーチ発生抽選処理を実行する。リーチ発生抽選処理では、リーチ発生抽選テーブル及びリーチ乱数カウンタC3の値を参照して、抽選によりリーチ発生の可否を決める。リーチ発生抽選に当選した場合には、ステップS2308にて肯定判定をしてステップS2309に進む。
ステップS2309ではリーチ発生用の第2特殊変動表示時間テーブルを参照し、ステップS2310にて変動表示時間の設定を行う。第2特殊変動表示時間テーブルについては、第1規定回数到達時に実行されたリーチ演出の種類(変動表示時間)に応じて複数設けられており、この処理においてはステップS2305にて記憶した変動表示情報に基づいて、参照すべき第2特殊変動表示時間テーブルを選択する。その後は、ステップS2011にて上記変動表示情報を消去して本特殊設定処理を終了する。
なお、第2特殊変動表示時間テーブルは、第1規定回数到達時にスーパーリーチAが実行されたことに対応する第2特殊変動表示時間テーブルA、スーパーリーチBが実行されたことに対応する第2特殊変動表示時間テーブルB、スーパーリーチCが実行されたことに対応する第3特殊変動表示時間テーブルCに大別され、第2特殊変動表示時間テーブルC < 第2特殊変動表示時間テーブルB < 第2特殊変動表示時間テーブルAの順にスーパーリーチCが選択されやすくなっている。
また、上記リーチ発生抽選処理にて参照されるリーチ発生抽選テーブルについても、第1規定回数到達時にスーパーリーチAが実行されたことに対応するリーチ発生抽選テーブルA、スーパーリーチBが実行されたことに対応するリーチ発生抽選テーブルB、スーパーリーチCが実行されたことに対応するリーチ発生抽選テーブルCに大別され、リーチ発生抽選テーブルC < リーチ発生抽選テーブルB < リーチ発生抽選テーブルAの順にリーチ発生抽選に当選する可能性が高くなるように構成されている。
ステップS2310にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS2311にて上記変動表示情報を消去して、本特殊設定処理を終了する。
ステップS2306又はステップS2308にて否定判定をした場合には、ステップS2312に進む。ステップS2312ではリーチ非発生用の変動表示時間テーブルを参照し、ステップS2313にて変動表示時間の設定を行う。その後、本特殊設定処理を終了する。
ステップS2301の説明に戻り、当該ステップS2301にて肯定判定をした場合には、ステップS2314に進む。ステップS2314ではリーチ発生用第3特殊変動表示時間テーブルを参照して、続くステップS2315にて変動表示時間の設定処理を行う。仮に第1規定回数到達後に大当たり結果となった場合にはステップS2305にて記憶された変動表示情報を参照する。第1規定回数到達時にスーパーリーチA〜スーパーリーチCのうち期待度の低いものが選択された場合ほど、当該ステップS2315の処理では期待度の高いものが選択されやすくなる。ステップS2315の処理を実行した後は、ステップS2316に進む。ステップS2316では第1規定回数に到達済みであるか否かを判定する。ステップS2316にて否定判定をした場合にはそのまま本特殊設定処理を終了し、ステップS2316にて肯定判定をした場合にはステップS2311にて変動表示情報を消去して本特殊設定処理を終了する。
上記実施の形態に示したように高確遊技状態移行時に設定された通りの流れで遊技(演出)が進む場合と比較して、本変形例に示す抽選方式を採用した場合には、演出発生に規則性を生じにくくして遊技の単調化の抑制に一層好適に貢献することができる。
(2)上記実施の形態では、高確遊技状態(「第2遊技状態」に相当)となっている状況下にて第1規定回数到達時に実行される表示演出としてスーパーリーチA〜スーパーリーチCが設け、スーパーリーチA < スーパーリーチB < スーパーリーチCの順に演出実行時に大当たりとなる期待度が高くなるように設定した。その上で、第1規定回数到達時に期待度が低い表示演出(リーチ演出)が選択される程、第2規定回数到達時にリーチ演出が実行される可能性が高くなる構成としたが、これを変更し、第1規定回数到達時に期待度が高い表示演出(リーチ演出)が選択される程、第2規定回数到達時にリーチ演出が実行される可能性が高くなる構成とすることも可能である。
また、第2規定回数到達時にはリーチ演出を行うか否かの振り分けを行う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第1規定回数到達時に期待度が低い表示演出(例えばスーパーリーチA)が選択される場合には第2規定回数到達時にリーチ演出が確定される構成としてもよいし、第1規定回数到達時に期待度が高い表示演出(例えばスーパーリーチB)が選択される場合には第2規定回数到達時にリーチ演出が確定される構成としてもよい。
(3)上記実施の形態では、第1規定回数到達時に期待度が低い表示演出(リーチ演出)が選択される程、第2規定回数到達時にリーチ演出が実行される可能性が高くなり且つ選択されるリーチ演出についても期待度の高いものが優遇される構成としたが、これら2つを可変対象とする必要は必ずしもなく、何れか一方のみを可変対象とすることも可能である。
例えば、先の遊技回にて選択される表示演出と後の遊技回にて選択される表示演出の期待度とに関連性を付与するという技術的思想を具現化する上では、第2期待回数到達時のリーチ演出の発生確率は変化しないものの、第1規定回数到達時に期待度が高い表示演出(リーチ演出)が選択される程、第2規定回数到達時にリーチ演出が実行される場合に期待度の高いものが選ばれやすくなる構成としてもよい。また、第1規定回数到達時に期待度が高い表示演出(リーチ演出)が選択される程、第2規定回数到達時にリーチ演出が実行される場合に期待度の低いものが選ばれやすくなる構成としてもよい。
(4)上記実施の形態では、抽選モードが高確率モード且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる高確遊技状態(「第2遊技状態」に相当)にて、先の遊技回におけるリーチ演出の態様(種類)と後の遊技回におけるリーチ演出の発生確率とに関連性を付与する構成としたが、これに限定されるものではない。
少なくとも実行される遊技回数に上限が設けられているのであれば足り、例えば高確率モード且つ低頻度サポートモードとなる遊技状態や低確率モード且つ高頻度サポートモードとなる遊技状態に回数制限が設けられているのであれば、これら各種遊技状態にて上記実施の形態と同様の関連性を付与することも可能である。
なお、上記技術的思想が適用される遊技状態については必ずしも大当たりの抽選やサポート抽選に関連するものである必要はない。すなわち、主制御装置162による遊技進行に影響するものである必要はない。例えば、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置610や表示制御装置620にて背景画像やBGM等が各々相違する滞在ステージ等の表示状態の切り替えが行われる構成においては、回数制限が付与された所定の表示状態となった場合に、上記実施の形態と同様の関連性を付与することも可能である。例えば、所定の表示状態となった場合には先の遊技回にてリーチ表示が行われた場合には、そのリーチ表示の種類に応じてそれよりも後の遊技回におけるリーチ表示にてリーチ表示の種別選択に影響が及ぶ構成としてもよい。
(5)上記実施の形態では、第1規定回数到達時にはスーパーリーチへの発展が確定する構成としたが、これを変更し、ノーマルリーチ及びスーパーリーチへの振り分けを行う構成としてもよい。この場合、第1規定回数到達時にノーマルリーチが選択される場合には第2規定回数到達時にスーパーリーチが選択される可能性が高くなる又はスーパーリーチが確定する構成としたり、第1規定回数到達時にスーパーリーチが選択される場合には第2規定回数到達時にノーマルリーチが選択される可能性が高くなる又はノーマルリーチが確定する構成としたりすることも可能である。
(6)上記実施の形態では、主制御装置162によってリーチ発生の有無及びリーチの種類を決定し、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置610にてその決定内容(リーチの種類等)を把握する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、主制御装置162においてはリーチ発生の有無のみを決定し、リーチの種類等の詳細を決定する機能については報知・演出制御装置610が担う構成とすることも可能である。更には、主制御装置162においてはリーチ発生の有無とは無関係に変動表示時間のみを決定し、リーチ発生の有無やリーチの種別等の決定を報知・演出制御装置610に委ねる構成とすることも可能である。
(7)上記実施の形態では、高確遊技状態においては遊技回数毎に参照される変動表示時間テーブルを個別に設けることにより、当該高確遊技状態における遊技回の実行回数が規定回数に達した場合に、リーチ演出が発生する構成とした。但し、このような構成については必須ではなく低確遊技状態と同様に共通の変動表示時間テーブルを用いて都度の遊技回にてリーチ発生の有無の抽選を行う構成とすることも可能である。
なお、上記実施の形態では、高確遊技状態中に複数の遊技回にて同じ変動表示時間テーブルを参照する構成としたが、これを変更し、1遊技回毎に参照するテーブルを切り替える構成(例えば高確遊技状態における遊技上限回数と同じ数のテーブルを有する構成)としてもよい。
(8)上記実施の形態では、第2規定回数到達でリーチ演出を行うか否かを抽選する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、第2規定回数到達でリーチ演出が確定する構成とすることも可能である。少なくとも3度目のリーチ演出発生までは大当たり確定にはならないため、それよりも少ない数である限りはリーチ演出が確定する遊技回の数を変更してもよい。
(9)上記実施の形態では、高確遊技状態にてリーチ演出の実行回数が「3」回となった場合には大当たりが確定する構成、すなわちリーチ演出が2度行われた後は大当たりとなるまでリーチ演出が回避される構成としたが、必ずしもリーチ演出の実行回数を大当たりに直結させる必要はない。
例えば、リーチ演出の実行回数が増える毎にその後のリーチ演出発生時の大当たり期待度が高くなる構成とすることも可能です。具体的には、リーチ演出が実行されることによりその後のリーチ発生確率が下がる構成とすることにより、リーチ演出発生時の期待度を高めることができる。
(10)上記実施の形態では、大当たりの契機となった大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の組み合わせ(大当たり絵柄)毎に高確遊技状態中に参照する変動表示時間テーブルを決める構成としたが、必ずしも参照する変動表示時間テーブルを固定する必要はない。参照する変動表示時間テーブルを先の遊技回における変動表示時間の設定結果等に応じて切り替える構成とすることも可能である。
また、変動表示時間テーブルを固定する場合であっても、スーパーリーチA〜スーパーリーチCの変動表示時間を共通化して、リーチ種別の振り分けをサブ側の制御装置である報知・演出制御装置610に依存する構成として、当該報知・演出制御装置610にリーチ種別振分用のテーブルを設け、このテーブルを先のリーチ演出時の種別等に応じて切り替える構成とすることも可能である。
(11)上記実施の形態では、第1規定回数到達時のリーチ演出の選択と第2規定回数到達時のリーチ演出の可否とに関係性を付与する構成とした。つまり、第1規定回数到達時のリーチ演出の選択の影響が第2規定回数到達時のリーチ演出の可否判定に及ぶ構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、上記影響が複数の遊技回におけるリーチ演出の可否判定に及ぶ構成とすることも可能である。また、高確遊技状態が終了するまで上記影響が持続される構成とすることも可能である。
(12)上記実施の形態では、リーチ演出の発生確率変更の影響が高確遊技状態に実行される遊技回にのみ及ぶ構成としたが、実際にリーチ演出が発生するまでは高確遊技状態から低確遊技状態に移行した場合であっても上記影響が続く構成し、先の影響が複数の遊技状態を跨ぐ構成とすることを否定するものではない。
(13)例えば高確遊技状態となっている状況下においては、1の遊技回における演出態様の振分態様が他の遊技回における演出態様の振分態様に影響する構成としたが、複数の遊技回における演出態様の振分態様が他の遊技回における演出態様の振分態様に影響する構成とすることも可能である。
例えば、比較的期待度の低いスーパーリーチAが連続した場合には、比較的期待度の高いスーパーリーチCが選択されやすくなったり、比較的期待度の高いスーパーリーチCが連続した場合には比較的期待度の低いスーパーリーチAが選択されやすくなったりする構成としてもよい。
(14)上記実施の形態では、第1規定回数と第2規定回数との最小差が保留数の記憶上限数よりも多くなるようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1規定回数と第2規定回数との最小差を記憶上限数と一致させてもよいし記憶上限数よりも少なるしてもよい。
なお、リーチ演出が確定する又はリーチ演出の可否の抽選を行う遊技回については上記2つに限定されるものではない。例えば、リーチ演出が確定する又はリーチ演出の可否の抽選を行う既定回数を追加又は削除することも可能である。これに併せて、大当たり確定演出となるリーチ演出の発生回数についても加減するとよい。
(15)上記実施の形態では、一連の遊技回演出に関する大当たり期待度の報知を当該演出が実行された遊技回の確定表示が行われている最中(詳しくは確定表示の終了時)に開始する構成としたが、当該報知の開始タイミングについては任意に変更してもよい。例えば、変動表示が終了した際に期待度の報知を開始する構成としてもよいし、後の遊技回中に期待度の報知を開始する構成としてもよい。但し、該当遊技回よりも後に期待度の報知を開始した場合にはその報知が進行中の遊技回に係るものであるかそれとも先の遊技回に係るものかが分かりづらくなって遊技者を困惑させる可能性が高くなる。故に、報知される期待度とその期待度が対応付けられている遊技回との関連性を担保する点に鑑みれば、期待度の報知開始タイミングについては次遊技回の開始前とすることが好ましい。
(16)上記実施の形態では、一連の遊技回演出が終了した際に全てを加味した期待度を報知する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、例えば確定表示が行われる前から期待度の報知を開始し、演出の進行に応じて報知されている期待度がそれまでに実行されている演出を加味するようにして更新される(例えば加減される)構成とすることも可能である。但し、このような構成では演出自体への注目度が薄れたり制御負荷が増大したりし得る。故に、望ましくは一連の遊技回演出に係る期待度を確定表示後に表示することには技術的意義がある。
(17)上記実施の形態では、高確遊技状態においてはリーチ演出が実行される場合にリーチ演出を含んだ遊技回演出全体での大当たり期待度を事後的に報知する構成としたが、この報知の可否を遊技者の操作に応じて切り替える構成とすることも可能である。
(18)上記実施の形態では、外れ結果に対応するリーチ演出が行われたことを条件として上記期待度の報知を行う構成としたが、これに加えて又はこれに置換するようにして大当たり結果に対応するリーチ演出が行われた場合に期待度の報知を行う構成とすることも可能である。この場合、例えば開閉実行モードへの移行中や開閉実行モード中に当該期待度の報知期間を確保するとよい。
(19)上記実施の形態では、高確遊技状態の終了又は高確遊技状態中の大当たりを契機として期待度報知が解除される構成としたが、期待度報知の解除条件についてはこれに限定されるものではない。例えば、リーチ演出に係る遊技回の開始時又は期待度報知の開始時に保留情報が記憶されている場合には、この保留情報分だけ期待度報知が継続する構成としてもよい。また、記憶されている保留情報が「0」になるまで期待度報知が継続する構成とすることも可能である。
(20)上記実施の形態では、複数の遊技回に各々対応した期待度報知が並行して行われる構成(期待度報知が重複する構成)としたが、これに限定されるものではない。期待度の報知中にリーチ演出が実行された場合にはこの新たに実行されたリーチ演出に対応させて期待度が上書きされる構成とすることも可能である。
(21)上記実施の形態では、スーパーリーチが実行される際には変動表示領域MEに現出するキャラクタと同じキャラクタを模した画像を個別表示部DEに並行して表示することにより個別表示部DEと変動表示領域MEとの関連付けを行う構成とした。この個別表示部DEに期待度を表示することにより、それまで実行されていた遊技回と表示されている期待度とを結びつける構成としたがこれに限定されるものではない。表示中の期待度がどの遊技回に対応しているのかを遊技者が把握できるのであれば足り、例えば確定表示中に変動表示領域MEに大きく表示された期待度が上記個別表示部DEに縮小表示される構成とすることにより結びつきを担保する構成としてもよい。
(22)上記実施の形態では、表示画面75aにおける図柄の変動表示態様の概要を決定する機能と、保留予告の概要を決定する機能とを別々の制御装置に付与する構成としたが、これら2つの機能を1の制御装置に集約してもよい。
(23)上記実施の形態では、高確遊技状態となっている状況下にて1度目の外れ結果に対応するリーチ演出が実行された場合に、その遊技回にて実行された演出の期待度を後の遊技回にて報知する構成とした。ここで、この期待度が例えば最大「100%」〜最小「0%」の範囲のうち「40%」と表示されている場合には、次回のリーチ演出発生時に大当たり結果となる確率が「100%」から「40%」を除した「60%」となるように2度目のリーチ演出の可否や演出態様を決定する構成とすることも可能である。つまり、報知された期待度が先の遊技回での期待度のみを示すのではなく、後の遊技回にてリーチ演出→大当たり結果となる期待度を示す構成とすることにより、上述した期待度報知機能によって遊技回間の連携を強化することができる。
(24)上記実施の形態では、高確遊技状態となっている状況下にて1度目の外れ結果に対応するリーチ演出が実行された場合の期待度と、2度目の外れ結果に対応するリーチ演出が実行された場合の期待度とにある種の関連性を付与したが、このような関連性を以下のようにして強化することも可能である。すなわち、1度目の外れ結果に対応する演出の期待度と、2度目の外れ結果に対応する演出の期待度との合算が、3度目の演出発展時に大当たり結果となる期待度を示す構成とすることも可能である。上記実施の形態においては3度目のリーチ演出は大当たり結果の場合にのみ実行される構成となっている。そこで、1度目のリーチ演出→2度目のリーチ演出を決定する際にその期待度の合算が「100%」となるようにしてリーチ演出を決める構成とするとよい。このような技術的思想を抽出した場合、時期が重複するようにして表示される複数の遊技回に係る期待度の合算値がその後のリーチ演出発生時に大当たり結果となる期待度を示す構成としてもよい。
なお、このような構成を採用する場合には、その表示内容の意味が遊技者に上手く伝わらないことにより遊技演出への注目度向上効果が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、個別に期待度を報知する構成に加え期待度の合算値を報知する(例えば3つ目の個別表示領域に表示する)構成とすることが好ましい。
(25)上記実施の形態では、遊技回演出に対応する期待度を数字によって明示する構成としたが、配色やキャラクタ画像の形状/数等によって期待度を模式的に示す構成とすることも可能である。
(26)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態に移行する(例えば特許文献1)。
」という背景技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている判定対象の特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU602にて判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように遊技装置(例えば主表示ユニット81や図柄表示装置75等)を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能や報知・演出制御装置610のMPU612にて変動表示制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記遊技装置は、各遊技回にて前記付与判定手段の判定結果に応じた報知を行う報知手段(例えば図柄表示装置75)を有し、
前記報知手段による報知の態様は、前記付与対応結果となる期待度を相違させて複数種類設けられており、
先の遊技回における報知態様に応じてそれよりも後に実行される遊技回における報知態様を設定する報知態様設定手段(例えば主制御装置162のMPU602にて特殊設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、先の遊技回における報知態様に対応づけて後の遊技回における報知態様が設定されることとなる。このように、前後の遊技回における報知の態様に関連性を付与して遊技進行の単調化を抑制することにより、遊技への注目度の向上に貢献することができる。
特徴A2.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている判定対象の特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU602にて判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように遊技装置(例えば主表示ユニット81や図柄表示装置75等)を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能や報知・演出制御装置610のMPU612にて変動表示制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記遊技装置は、各遊技回にて前記付与判定手段の判定結果に応じた報知を行う報知手段(例えば図柄表示装置75)を有し、
前記報知手段による報知態様として、第1報知態様(例えば完全外れ表示)と当該第1報知態様よりも前記付与対応結果となる期待度が高くなるように設定された第2報知態様(例えばリーチ表示)とが設けられており、
前記第2報知態様として、第1所定態様(例えばスーパーリーチA)と当該第1所定態様よりも前記付与対応結果となる期待度が高くなるように設定された第2所定態様(例えばスーパーリーチC)とが設けられており、
前記報知手段による報知態様を設定する報知態様設定手段(例えば主制御装置162のMPU602にて特殊設定処理を実行する機能)を備え、
前記報知態様設定手段は、前記付与対応結果とはならない先の遊技回にて前記第1所定態様による報知を行う場合には、後の遊技回にて前記第2報知態様となる確率が高まるように構成されていることを特徴とする遊技機。
報知態様として第1報知態様と第2報知態様とが設けられ、前者よりも後者の方が付与対応結果となる期待度が高くなるように設定されている構成においては、遊技者は第2報知態様となることを期待して遊技を行うものと想定される。ここで、第2報知態様として第1所定態様と第2所定態様とを設けている場合には、報知態様の多様化を実現することができる反面、折角第2報知態様となっても第2所定態様とならないことに対して遊技者が失望する可能性がある。これは遊技者の遊技意欲を低下させる要因にもなり得る。
そこで、第2所定態様とならなかった場合には、例えば第2所定態様となった場合と比較して後の遊技回にて第2報知態様となる確率が上がる構成とすることにより、後の遊技回でも第2報知態様(特に第2所定態様)となることへの期待を高めることができる。このようにして、遊技者にとって好ましくない流れとなっている場合には後の遊技回にて少なくとも第2報知態様となる可能性を上げることにより(ある種の救済機能を発揮させることにより)、遊技者の遊技への注目度の低下を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す構成を「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶されている判定対象の特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段と、前記付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように遊技装置を制御する遊技回制御手段とを備え、前記遊技装置は、各遊技回にて前記付与判定手段の判定結果に応じた報知を行う報知手段を有し、前記報知手段による報知態様として、第1報知態様と当該第1報知態様よりも前記付与対応結果となる期待度が高くなるように設定された第2報知態様とが設けられており、前記第2報知態様として、第1所定態様と当該第1所定態様よりも前記付与対応結果となる期待度が高くなるように設定された第2所定態様とが設けられており、前記報知手段による報知態様を設定する報知態様設定手段を備え、前記遊技回制御手段によって遊技が進行する際の遊技状態として、第1遊技状態及び第2遊技状態が設けられており、前記第2遊技状態にて実行された遊技回数が予め設定された規定回数となった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させる移行手段を備え、前記報知態様設定手段は、前記第2遊技状態となっている状況下にて、前記付与対応結果とはならない先の遊技回にて前記第1所定態様による報知を行う場合には、後の遊技回における報知態様が前記第2報知態様となる確率が高まるように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴A3.前記報知態様設定手段は、前記付与対応結果とはならない先の遊技回にて前記第1所定態様による報知が行われた状況下で、後の遊技回にて前記第2報知態様となる場合に前記第2所定態様となる確率が高まるように構成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、先の外れ結果対応の遊技回にて期待の低い第1所定態様による報知が行われた場合には、後の遊技回では第2報知態様(第2所定態様)となる可能性が高くなる。これにより、遊技の流れにメリハリをつけることができ、遊技の単調化の是正に貢献することができる。
特に、相対的に期待度の低い第1所定報知の後に相対的に期待度の高い第2所定報知が発生する可能性を高める構成とすれば、あたかも遊技の流れが上り調子となって特典付与が近いかのような印象を与えることができる。
特徴A4.前記報知態様設定手段は、前記付与対応結果とはならない先の遊技回にて前記第2所定態様に対応した報知を行う場合には、後の遊技回にて前記2報知態様となる確率が、先の遊技回にて前記第1所定態様に対応した報知を行う場合よりも低くなるように構成されていることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
第1報知態様及び第2報知態様(第1所定態様/第2所定態様)のうち最も付与態様結果となる期待度の高い第2所定態様を経て外れになってしまった場合には、遊技者の期待感を大きく煽った反動によって遊技者の遊技意欲が低下すると懸念される。特に、過度に期待感が煽られるような事象が続いてなお付与対応結果とならなければ遊技者の遊技意欲を急速に低下させてしまうと懸念される。そこで、先の遊技回にて第2所定態様による報知が行われた場合には、後の遊技回にて第2報知態様となる確率が下がる構成とすることにより、過剰な煽りを抑制して上述した遊技意欲の減退の抑制に貢献できる。
特徴A5.前記報知態様設定手段は、前記付与対応結果とはならない先の遊技回にて前記第2所定態様による報知が行われた状況下で、後の遊技回にて前記第2報知態様となる場合には前記第1所定態様となる確率が高まるように構成されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
期待度が高い報知(例えば所謂激熱外し)が連発した場合には、報知連発中における遊技者の期待感を高めることができる反面、それらが終了した後は流れが悪いとの印象を遊技者に与える可能性を否定できない。これは、遊技意欲を急速に低下させる要因となり、遊技の継続を終える契機になり得る。そこで、後の遊技機にて第2報知態様となる場合には敢えて第1所定態様となる確率が上がる構成として過度の煽りを抑えることにより、上記反動による遊技意欲の低下を好適に抑制できる。
特徴A6.前記報知態様設定手段による確率変更の対象となる遊技回は、前記第2報知態様となった遊技回に対して、前記取得情報記憶手段により記憶可能な特別情報の上限数分よりも後に記憶された特別情報に対応する遊技回とすることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように特別情報の記憶上限を超えて確率変更の影響が及ぶ構成とすることにより、上限数の範囲内でしか遊技者の期待感の向上に貢献できなくなることを回避できる。言い換えれば、上限数の範囲内で効果が発揮されなかった場合にその効果が終了する訳ではなく、その影響を後へ繋ぐことができる。故に、例えば相対的に期待度の高い第2報知態様での報知の頻発を抑制できる。
特徴A7.前記遊技回制御手段によって遊技が進行する際の遊技状態として、第1遊技状態(例えば低確率遊技状態)及び第2遊技状態(例えば高確率遊技状態)が設けられており、
前記第2遊技状態にて実行された遊技回数が予め設定された規定回数(例えば100回)となった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させる移行手段(主制御装置162のMPU602における遊技状態を切り替える機能)を備え、
前記第1遊技状態においては前記報知態様設定手段による確率の変化が規制されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したように、報知の連携を強化した場合には期待度の平均値を保つことはできてもそのばらつきが大きくなって平均値が目安になりにくくなると想定される。これでは、報知態様の期待度に差を付与した意味が薄れてしまう。そこで、本特徴に示すように回数制限がある第2遊技状態にて特徴A1等に示した報知態様の変化を許容しつつ、回数制限のない第1遊技状態にて報知態様の変化を規制する構成とすれば、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A8.前記報知態様設定手段は、
前記第2遊技状態にて実行された遊技回数が第1所定回数となった場合に報知態様を前記第2報知態様とする第1設定手段と、
前記第2遊技状態にて前記第1規定回数到達後に実行された遊技回数が第2所定回数となった場合に報知態様を前記第1報知態様及び前記第2報知態様の何れとするかを振り分ける第2設定手段と、
前記第1設定手段によって設定された報知態様が前記第1所定態様となる場合に前記第2設定手段による振分態様を第1振分態様とし、前記第1設定手段によって設定された報知態様が前記第2所定態様となる場合に前記第2設定手段による振分態様を前記第1振分態様よりも前記第2所定態様への振分確率が高い第2振分態様とする振分態様可変手段と
を有していることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A7に示したように遊技回数に制限が設けられている第2遊技状態については、そもそも第2報知態様にて報知が実行されるとは限らない。また、第2報知態様にて報知が実行されたからといって後に実行される遊技回との関連性を担保できるとも限らない。故に、この種の遊技機に特徴A1等に示した技術的思想を適用する場合には、上述した各種効果を上手く発揮されない可能性がある。そこで、本特徴に示すように、第2遊技状態となって実行された遊技回数が第1所定回数となることで第2報知態様となり、第2所定回数となることで第1報知態様と第2報知態様との振分が行われる構成にて、第1所定回数到達時の態様が第1所定態様及び第2所定態様の何れであるかによって第2所定回数到達時の態様が第1所定態様及び第2所定態様の何れになりやすいかが変化する構成とすれば、上記課題を解消して特徴A1等に示した各種効果を好適に発揮させることができる。
特徴A9.前記第2所定回数は、前記取得情報記憶手段によって記憶可能となる特別情報の上限数よりも大きな数となるように設定されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、報知態様の可変機能が保留上限数を超えたところで発揮される。このようにして、特別情報の記憶上限を超えて確率変更の影響が及ぶ構成とすることにより、上限数の範囲内でしか遊技者の期待感の向上に貢献できなくなることを回避できる。言い換えれば、上限数の範囲内にのみ遊技者の注目が向くような不都合の発生を回避できる。また、敢えて記憶上限を超えたところで効果が発揮される構成とすることにより、相対的に期待度の高い第2報知態様が過度に頻発することを抑制することができる。
特徴A10.前記第2遊技状態では、予め設定された所定回数に到達する遊技回以外の遊技回では前記付与対応結果となる遊技回を除き前記第2報知態様となることが規制されていることを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
付与対応結果ではないにも関わらず第2報知態様が頻発しては、当該第2報知態様発生時の期待度が設計値を大きく下回ってしまう。このため、第2遊技状態における第2報知態様に対する遊技者の期待感が低下し得る。そこで、第2遊技状態中に第2報知態様となり得る回数を予め規定しておき、それ以外の遊技回では付与対応結果とならない限りは第2報知態様となることが規制される構成とすることにより、体感での期待度と実際の期待度との乖離を抑えることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記第1所定回数到達後であって前記第2所定回数到達前に前記付与対応結果となった場合には、前記報知態様として前記第2報知態様が設定されることを特徴とする特徴A8又は特徴A10に記載の遊技機。」とすることも可能である。係る構成によれば、第2報知態様→外れ結果→第2報知態様となった場合には付与対応結果となる期待が高まる。これにより、後の遊技回にて第2報知態様となる確率を上げることによる注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴A11.前記報知態様設定手段は、前記第2遊技状態にて前記第2報知態様となる確率が高くなるように設定している場合には少なくとも1の遊技回にて報知態様が前記第2報知態様となるまで当該設定が維持されるように構成されていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、第2報知態様となる確率が高くなるように設定された場合には、実際にその恩恵によって第2報知態様となるまでその設定が維持されるため、その機能が上手く発揮されないまま第2遊技状態が終了してしまうことを抑制できる。
特徴A12.前記報知態様設定手段は、前記第2遊技状態にて前記第2報知態様となる確率が高くなるように設定している状況下にて前記第2報知態様となることなく前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合に、当該設定を解除する手段を有していることを特徴とする特徴A7乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、第2遊技状態から第1遊技状態に移行することにより第2報知態様高確が解除されることとなる。このようにして、高確の恩恵が第1遊技状態に引き継がれることを回避することにより、第1遊技状態と第2遊技状態と報知態様の差違を明確化することができる。
特徴A13.前記報知態様設定手段は、
前記第2遊技状態となっている状況下にて前記付与対応結果となった場合には報知態様として前記第2報知態様を設定する手段と、
前記第2報知態様にて報知が行われた回数が制限回数に達した場合には、それ以降は前記付与対応結果となるまで前記第2報知態様とすることを制限する手段と
を有していることを特徴とする特徴A7乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、第2遊技状態においては第2報知態様となり得る遊技回数に制限が付与されており、制限回数に達した後は付与態様結果となるまで第2報知態様となることが回避される。上述したように報知態様の設定に手を加えて第2報知態様となる確率を高くした場合には、当然第2報知態様の発生率が上がることで第2報知態様に係る期待度が低下し得る。このような期待度の低下が顕著になってしまった場合には、第2遊技状態にて第2報知態様となることが遊技者の遊技意欲を低下させる要因にもなり得る。
そこで、第2報知態様高確となり得る第2遊技状態では付与対応結果となった場合には第2報知態様とする一方、外れ対応の第2報知態様となり得る回数にも制限が加えることにより、当該第2遊技状態にて第2報知態様の期待度が低下することを好適に抑制できる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある(例えば特許文献1参照)。近年では絵柄表示装置等の高機能化に伴いより多様な演出を行うことが可能となっており、遊技演出が単調になって遊技機への興味が早々に低下することを抑制している。」という背景技術について、「しかしながら、上述したように演出の多様化を行った場合、遊技機の仕様等を熟知した熟練者等に対して興趣向上効果を上手く発揮させることができる反面、遊技機の仕様等をよくわかっていない遊技初心者にとっては何が起こっているのかを理解するのが一層困難になり得る。これでは、上述した演出の多様化機能を上手く発揮させることが難しくなると懸念される。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報(保留情報)を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている判定対象の特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU602にて判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように遊技装置(例えば主表示ユニット81や図柄表示装置75等)を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能や報知・演出制御装置610のMPU612にて変動表示制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記遊技装置は、各遊技回にて前記付与判定手段の判定結果に応じた演出を行う演出実行手段(例えば図柄表示装置75)を有し、
前記演出実行手段による演出態様は、前記付与対応結果となる期待度を相違させて複数設けられており、
所定の遊技回にて実行された演出態様の期待度に関する情報を当該所定の遊技回の後に報知する報知手段(表示制御装置620のMPU622にて期待度報知用の各種処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
演出を通じて特典付与の抽選結果を報知する構成においては、例えば演出毎に付与対応結果となる期待度の関連付を行うことにより、遊技者の注目度の向上を図ることができる。但し、同じような演出が繰り返される場合には、遊技が単調になって遊技者の遊技意欲が低下すると懸念される。このような事情に鑑みた場合には、演出態様の多様化を実現して、遊技の単調化を抑制することには技術的意義がある。
しかしながら、そもそも演出毎に付与対応結果となる期待度が関連付けられている構成においては、演出態様が複雑になることにより、演出の期待度がどの程度であるのかを識別することが困難になると懸念される。このような事情に配慮して、演出の期待度を当該演出実行中に報知する構成とすれば、上記不都合の発生を抑制することはできるものの、遊技者の注目が演出ではなく報知される期待度に向きやすくなり、演出の存在価値が低下し得る。
この点、本特徴に示すように、期待度に関する情報を演出が実行された遊技回(以下、該当遊技回という)の後に実行する構成とすれば、遊技者は事前に行われた演出の期待度がどの程度であったかを確認することができる。これにより、演出による注目度向上効果を享受しつつ、演出の多様化に起因した上記不都合の発生を抑制することができる。これにより、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴B2.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報(保留情報)を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている判定対象の特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU602にて判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように遊技装置(例えば主表示ユニット81や図柄表示装置75等)を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能や報知・演出制御装置610のMPU612にて変動表示制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記遊技装置は、各遊技回にて前記付与判定手段の判定結果に応じた演出を行う演出実行手段(例えば図柄表示装置75)を有し、
前記演出実行手段による演出態様は、前記付与対応結果となる期待度を相違させて複数設けられており、
所定の遊技回にて実行された演出態様の期待度に関する情報を当該所定の遊技回の後に実行される遊技回にて報知する報知手段(表示制御装置620のMPU622にて期待度報知用の各種処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
演出を通じて特典付与の抽選結果を報知する構成においては、例えば演出毎に付与対応結果となる期待度の関連付けを行うことにより、遊技者の注目度の向上を図ることができる。但し、同じような演出が繰り返される場合には、遊技が単調になって遊技者の遊技意欲が低下すると懸念される。このような事情に鑑みた場合には、演出態様の多様化を実現して、遊技の単調化を抑制することには技術的意義がある。
しかしながら、そもそも演出毎に付与対応結果となる期待度が関連付けられている構成においては、演出態様が複雑になることにより、演出の期待度がどの程度であるのかを識別することが困難になると懸念される。このような事情に配慮して、演出の期待度を当該演出実行中に報知する構成とすれば、上記不都合の発生を抑制することはできるものの、遊技者の注目が演出ではなく報知される期待度に向きやすくなり、演出の存在価値が低下し得る。
この点、本特徴に示すように、期待度に関する情報を演出が実行された遊技回(以下、該当遊技回という)の後に実行する構成とすれば、遊技者は事前に行われた演出の期待度がどの程度であったかを確認することができる。これにより、演出による注目度向上効果を享受しつつ、演出の多様化に起因した上記不都合の発生を抑制することができる。これにより、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
特に、上記報知が後の遊技回中に行われる構成によれば、期待度を確認したい遊技者に対して遊技の継続を促すことができる。これは、例えば期待度が高そうな演出を経て外れ結果となった場合に、当該演出が遊技を止める契機となることを抑制する上でも好ましい構成である。
特徴B3.前記報知手段は、前記所定の遊技回であって前記付与対応結果に対応していない遊技回にて実行された演出態様の期待度に関する情報を当該所定の遊技回の後に実行される遊技回にて報知する手段を有していることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
遊技機においては、付与対応結果となる場合と付与対応結果とならない場合(外れ結果となる場合)とを比較した場合には、前者よりも後者となる可能性が高いことが多い。また、付与対応結果となった場合には、特別遊技状態等に移行することにより、遊技状態が切り替わることが多い。このような事情に鑑みれば、外れ結果となった場合に上記報知を行う構成とすることには、報知機能を好適に発揮させることができるという技術的意義がある。
特徴B4.前記報知手段は、前記所定の遊技回にて付与判定の結果を明示する明示期間中に前記期待度に関する情報の報知を開始し、当該報知を前記所定の遊技回の後に実行される遊技回に跨るようにして継続する手段を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
所定の遊技回と期待度の報知とのタイムラグがあまりに大きくなってしまっては、報知された情報がそもそも何を意図しているものか分かりづらくなる。これに対して、所定の遊技回にて演出が行われている最中に報知を行った場合には、演出のインパクトが弱くなり当該演出への注目度が低下すると想定される。そこで、付与判定の結果を明示する明示期間中に前記期待度に関する情報の報知を開始する構成とすれば上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
ここで、仮に報知期間=明示期間となってしまっては遊技が間延びしてしまい、遊技進行の円滑さが損なわれると懸念される。この点、明示期間〜以降の遊技回に亘って上記報知が継続される構成とすれば、遊技進行の円滑化を図りつつ報知期間を担保することができる。
特徴B5.前記報知手段は、前記期待度に関する情報を、前記取得情報記憶手段によって記憶可能となる特別情報の上限数よりも大きな数に対応する遊技回に亘って報知する手段を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技機においては、記憶されている特別情報の数が多くなることにより演出期間が短縮される機能(所謂、時間短縮機能)が付与されていることが多い。このような事情に鑑みれば、遊技の状況によっては報知期間を十分に担保することが困難になる可能性を否定できない。そこで、本特徴に示すように、少なくとも特別情報の記憶上限数よりも大きな数に対応する遊技回に亘って報知が行われる構成とすることにより、報知機能が上手く発揮されなくなることを好適に抑制できる。
特徴B6.前記遊技回制御手段によって遊技が進行する際の遊技状態として、第1遊技状態(例えば低確率遊技状態)及び第2遊技状態(例えば高確率遊技状態)が設けられており、
前記第2遊技状態にて実行された遊技回数が予め設定された基準回数(例えば100回)となった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させる移行手段(主制御装置162のMPU602における遊技状態を切り替える機能)を備え、
前記報知手段は、前記報知を前記第2遊技状態から前記第1遊技状態への移行に基づいて解除する手段を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1等に示した報知を回数制限付の第2遊技状態となっている場合に限定することにより、報知機能を享受したい遊技者に対して第2遊技状態を目指して遊技を行うように促すことができる。
また、上記報知が過度に長期化してしまった場合には、報知自体が遊技者に煩わしさを与える要因になり得る。そこで、第2遊技状態の終了を契機に当該第2遊技状態中に開始された報知を解除(終了)する構成とすれば、報知期間の間延びに起因した不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B7.前記演出実行手段は、表示画面が形成され当該表示画面にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置75)を有し、
前記演出実行手段は、前記表示画面にて前記演出を行うようにして前記絵柄表示手段の表示制御を行う手段を有し、
前記表示画面には、
前記演出に伴い前記絵柄が表示される可変表示領域と、
前記可変表示領域における表示内容に対応する情報を表示する対応情報表示領域と
が設けられており、
前記対応情報表示領域は、前記所定の遊技回が終了した後に前記期待度を報知する報知領域としての機能が付与されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1等に示した報知機能を発揮する上では、演出と報知との関連性が弱くなることで、報知される情報が何に対応するものかが分かりづらくなる。例えば、報知される情報量を増やす等して当該報知の意味を遊技者に伝えようとすれば、表示領域が無駄に嵩んでしまい、可変表示領域が圧迫されやすくなる。この点、本特徴に示すように、可変表示領域の表示内容に対応する情報が表示される対応情報表示領域を期待度報知用の報知領域として利用する構成とすれば、報知される期待度と演出との関連性が分かりづらくなることを抑制できる。これは、報知される情報量を減縮して可変表示領域との共存を図る上で好ましい構成である。
特徴B8.前記報知手段は、先の遊技回に係る期待度の報知を行っている状況下にて後の遊技回にて実行された演出態様の期待度に関する情報を、先に実行されている前記報知を維持したまま報知する手段を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
先の報知が後の報知によって上書き等される場合には、先の報知が遊技者に伝わりにくくなり、期待度に関する情報の報知機能が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、後の報知が行われる場合にも先の報知を維持する構成として、報知が重複し得る構成とすれば、上記不都合の発生を抑制できる。
また、上述したように報知を維持する構成とすれば、これらの情報を(演出の発生の具合や期待度の推移)を遊技の流れを推し量る要素として活用するように遊技者に対して促すことができる。
特徴B9.前記演出は複数の演出構成要素が組み合わされてなり、それら演出構成要素の組み合わせに応じて前記期待度が相違する構成となっており、
前記報知手段は、前記演出構成要素の組み合わせに対応する期待度を報知するように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B9に示すように、演出構成要素の組み合わせによって期待度が相違する構成は、遊技の単調化を抑制する上では好ましい。しかしながら、演出態様が複雑になればなるほど、部分毎の期待度を把握することはできても演出全体での期待度の把握は困難になり得る。そこで、本特徴に示す構成に対して特徴B1等に示した技術的思想を適用することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B10.遊技者により操作される操作部(操作ボタン35)を備え、
前記演出構成要素には、前記操作部の操作に対応して演出態様が当該操作に対応するようにして変化するものがあり、
前記報知手段は、前記操作部の操作が行われた場合には、操作対応の演出構成要素を加味した期待度に関する情報を報知し、前記操作部の操作が行われなかった場合には、操作対応の演出構成要素を加味しない期待度に関する情報を報知する手段を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B10に示すように、遊技者の操作の有無によって演出が変化し得る構成においては、演出の流れが遊技者の操作に依存することとなる。このような操作部については、必ずしも遊技者によって操作されるとは限らず、場合によって操作し得る状況であっても操作が見送られる可能性を否定できない。そこで、期待度に関する情報を報知する場合には、操作が行われた場合と操作が行われなった場合とで操作対応の演出構成要素を加味するか否かを分ける構成とすることにより、状況に適した態様で期待度に関する情報を提供できる。例えば、操作を行うことにより期待度が極めて高い演出が実行される状況下にて操作が行われなかった場合に、操作が行われたことを加味して期待度に関する情報を報知することで、報知される情報の確からしさが低下する。遊技者が報知された情報を後の遊技にて活用しようとした場合に報知内容と実績とがかけ離れてしまうことは、報知機能に対する遊技者の信頼を低下させる要因になると懸念される。そこで、本特徴に示すように、操作を行うべき状況にて操作が行われなかった場合には、それを踏まえた期待度に関する情報の報知を行うことにより、報知機能の信頼性を好適に担保する構成とすることにより、実情上好ましい構成を実現できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域(遊技領域PE)内に配置された各遊技部品(釘69等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、60…遊技盤、75…遊技装置を構成する図柄表示装置、75a…表示画面、76…遊技装置を構成する可変表示装置、162…主制御装置、300…可変機構、602…MPU、610…報知・演出制御装置、612…MPU、620…表示制御装置、622…MPU、DE1〜DE3…個別表示領域、ME…変動表示領域、SE…特殊表示領域。

Claims (4)

  1. 予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
    前記取得情報記憶手段に記憶されている判定対象の特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段と、
    前記付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように遊技装置を制御する遊技回制御手段と
    を備え、
    前記遊技装置は、各遊技回にて前記付与判定手段の判定結果に応じた演出を行う演出実行手段を有し、
    前記演出実行手段による演出態様は、前記付与対応結果となる期待度を相違させて複数設けられており、
    所定の遊技回にて実行された演出態様の期待度に関する情報を当該所定の遊技回の後に実行される遊技回にて報知する報知手段を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記報知手段は、前記所定の遊技回であって前記付与対応結果に対応していない遊技回にて実行された演出態様の期待度に関する情報を当該所定の遊技回の後に実行される遊技回にて報知する手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記報知手段は、前記所定の遊技回にて付与判定の結果を明示する明示期間中に前記期待度に関する情報の報知を開始し、当該報知を前記所定の遊技回の後に実行される遊技回に跨るようにして継続する手段を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記遊技回制御手段によって遊技が進行する際の遊技状態として、第1遊技状態及び第2遊技状態が設けられており、
    前記第2遊技状態にて実行された遊技回数が予め設定された基準回数となった場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させる移行手段を備え、
    前記報知手段は、前記報知を前記第2遊技状態から前記第1遊技状態への移行に基づいて解除する手段を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の遊技機。
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