<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
<前扉枠14>
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
<内枠13>
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。なお、図4においては遊技領域PEに配設されている釘等の一部の遊技部品を省略している。
<遊技盤60>
遊技盤60には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口部には一般入賞口61,入賞口ユニット62,作動入球部65、可変入球部66,スルーゲート67、可変表示装置68等がそれぞれ設けられている。一般入賞口61、入賞口ユニット62、作動入球部65、可変入球部66への入球が発生すると、それが遊技盤60の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
可変表示装置68は遊技盤60の中央に位置しており、この可変表示装置68の右方に上記作動入球部65,可変入球部66及びスルーゲート67が配置されているとともに、同可変表示装置68の下方に上記入賞口ユニット62が配置されている。入賞口ユニット62は、作動入球部63と可変入球部64とが1ユニット化されてなる。以下便宜上、各作動入球部63,65及び可変入球部64,66のうち可変表示装置68の下方に位置するものを下側作動入球部63、下側可変入球部64と称するとともに、可変表示装置68の右方に位置するものを右側作動入球部65、右側可変入球部66と称する。
その他に、遊技盤60の最下部にはアウト口70が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口70を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口70への遊技球の入球と明確に区別するために、入賞口ユニット62、作動入球部63,65、可変入球部64,66への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
<可変表示装置68>
ここで、図4及び図5に基づき可変表示装置68について説明する。図5は可変表示装置68を主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。
図5に示すように、可変表示装置68は遊技盤60に対する取付部としてのベース体71を有している。ベース体71は、遊技盤60の後方に位置し、同遊技盤60の背面側(遊技機前方)に開放された略箱状をなしている。ベース体71内には、遊技状況に応じて各種演出等を行う第1表示ユニット75及び第2表示ユニット90が上下に並べられた状態で収容されている。
<第1表示ユニット75>
第1表示ユニット75は、作動入球部63,65への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置76を有している。図柄表示装置76は、ドットマトリックス表示器を備えた表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置76(詳しくは表示画面77)には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
なお、図柄表示装置76は、ドットマトリックス表示器を備えた表示装置より構成されているが、これに限定されることはない。例えば、図柄表示装置76を液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT等の他のタイプの表示装置によって構成してもよい。
第1表示ユニット75は、図柄表示装置76の上方に配された第1可動役物78を有している。第1可動役物78には、左右一対の可動部材79が組み合わされてなり、図柄表示装置76の一辺に沿って延びる筒状のケース部80が設けられている。それら可動部材79については、駆動源としてのモータ81によって駆動されることにより互いに近づく側と遠ざかる側とに移動可能となっている。
ケース部80の一端部には他端部に向けて光を照射する複数の発光体が設けられている。それら発光体は、ケース部80内に収容されており、同ケース部80外から同発光体を直接視認することが困難となっている。また、ケース部80には、当該ケース部80の長手方向(左右方向)と同じ方向に延びる棒状をなすとともに、上記発光体からの光が通過する導光部材が収容されている。導光部材における発光体側の端部に発光体からの光が入射することにより、それら導光部材全域が発光することとなる。
モータ81が駆動され可動部材79が互いに遠ざかる側に移動すると、ケース部80が開放され、当該開放部分を通じて上記導光部材が遊技機正面側に露出することとなる。これにより、第1可動役物78の導光部材を用いた発光演出が遊技機前方から視認可能となる。
第1可動役物78の下方であって図柄表示装置76(詳しくは表示画面77)の前方となる位置には第2可動役物82が配設されている。第2可動役物82は、表示画面77と対峙する位置に配置された可動片83を有している。可動片83は、左右に延びる長板状をなしており、その中央部分を含んだ領域には光を透過する光透過部83aが形成されている。この光透過部83aには光を拡散する機能が付与されており、表示画面77等からの光が当該光透過部83aを通じて遊技機前方へ照射されることにより、あたかも可動片83が発光しているかのように見せることができる。
可動片83における両端部には、当該可動片83を支持する支持機構84が設けられている。支持機構84は、左右一組のスライドベース85と、各スライドベース85に対して上下方向に移動可能な状態で対して取り付けられたスライド部材86と、同スライド部材86及び可動片83を繋ぐ連結部材87とを有してなり、スライドベース85が上記図柄表示装置76と第1可動役物78に対して固定されることで第1表示ユニット75が構築され、同スライドベース85が上記ベース体71に対して固定されることで、第1表示ユニット75がベース体71に対して一体化されている。
支持機構84における連結部材87は長尺状をなしているとともに同連結部材87の一端部がスライド部材86によって回動可能に軸支されている。これにより、それら連結部材87の上記表示画面77に沿った回動が許容されている。また、可動片83は連結部材87の他端部にて回動可能に軸支されている。これにより、可動片83の上記表示画面77に沿った回動が許容されている。
上述したベース体71には、各スライド部材に対して1対1となるようにしてモータが取り付けられている。これら各モータを個々に駆動させることにより、スライド部材が個別に移動することとなる。このように、各スライド部材が個別に移動した場合であっても、上述した取り付け構造を採用することにより、一方のスライド部材の移動が他方のスライド部材によって妨げられることを抑制しており、可動片83の動きの多様化を図っている。これにより、上述した表示画面77にて表示される図柄の動きとの関連性を高め、第1表示ユニット75において図柄表示装置76及び第2可動役物82を用いた一体的な演出が可能となっている。
<第2表示ユニット90>
以上詳述した第1表示ユニット75の下方に、上記第2表示ユニット90が配置されている。第2表示ユニット90は、発光部と、同発光部からの光が透過することにより各種模様を表示する表示部91と、それら発光部及び表示部91が搭載された枠部92とを備え、同枠部92が上記ベース体71に固定されることで遊技盤60に対して一体化されている。
枠部92は前後に開放された略筒状をなしており、その内部に上記発光部が収容されている。発光部は、複数の発光体(詳しくはLED)が実装された発光基板と当該発光基板を保持するホルダ部材とを有しており、同発光基板における発光体等の各種素子が搭載された素子搭載面が表示部91側(遊技機前方)を向くようにして配置されている。
枠部92において発光部よりも前側となる位置、すなわち遊技機前方から視認可能となる位置には上記表示部91が配置されている。表示部91は枠部92における前側の開放部分に合わせて形成されており、当該表示部91によって同開放部分が塞がれた状態となっている。
表示部91は、発光部から発せられた光を透過する板状の透過部材93を複数している。それら透過部材93は、同透過部材93の周縁に沿って形成された枠体により、前後に2重となるように所定の間隔を隔てて相対向した状態で挟持されている。以下便宜上、前側の透過部材を「表側透過部材93F」、後側の透過部材を「裏側透過部材」と称する。
表側透過部材93Fは、上記枠体への取付部としての枠状の表側ベース部と、同表側ベース部から遊技機前方に凸となるように張り出した表側張出部94Fとを有している。表側張出部94Fは、半球状をなしており、その前面全域にはミラー形成層が設けられている。当該ミラー形成層はハーフミラー(ビームスプリッタ)となっており、表側透過部材93Fに照射された光の一部を透過するとともに残りの一部を反射する。特に、遊技機前方(表側透過部材93Fの前面側)から照射される光の反射率は遊技機後方(表側透過部材93Fの背面側)から照射される光の反射率よりも高く設定されており、遊技機前方からの発光部の視認性が抑えられているとともに同発光部からの光の遊技機前方への照射効率の低下が抑制されている。
表側張出部94Fは、そのほぼ全域が上記図柄表示装置76の表示画面77よりも前方に突出している。これにより、表示画面77に表示される画像の一部の表側張出部94Fへの映りこみが許容されている。このように、発光機能が付与された図柄表示装置76(詳しくは表示画面77)と第2表示ユニット90とを並設し、同表示画面77からの第2表示ユニット90への光の照射を許容する構成を採用することにより、以下の効果が期待できる。すなわち、発光部の発光体を消灯した際に、第2表示ユニット90よりもその周辺部位が明るくなることで、同第2表示ユニット90の内部構造(例えば発光基板等)が透過部材93を通じて視認容易となることを好適に抑制することができる。
裏側透過部材は、枠体によって挟持される平板状の裏側ベース部と、同裏側ベース部から遊技機前方に凸となるように張り出した半球状の裏側張出部とを有している。裏側張出部の前面(外面)は、上記表側張出部の後面(内面)に沿うようにして形成されている。裏側張出部において表側張出部94Fと対向している部分には光拡散部が形成されている。
裏側透過部材の光拡散部は、透明性を有する合成樹脂材料の表面につや消し加工(スリガラス加工)及び凹凸加工が施されたものである。このようにして裏側透過部材に光拡散部を設けることにより、同裏側透過部材を通過した光が多方向に分散され光拡散部を介してその反対側が鮮明に視認されないようになっている。すなわち、光拡散部は、光は透過するが、前方から視認した場合にその後方、具体的には発光部を視認困難又は視認不可となるように構成されている。
本実施の形態における第2表示ユニット90においては、上述した表示部91及び発光部の隙間を変化させる可変機構95を有している。具体的には、表示部91を固定式とする一方で発光部を可動式とし、可変機構95によって発光部を前後にスライド移動させることで表示部91と発光部との相対位置を変化させることが可能となっている。このように、表示部91と発光部との距離を変化させることにより、第2表示ユニット90における発光態様の多様化を図っている。
ベース体71には、これら両表示ユニット75,90を囲むようにして発光ユニット96が取り付けられている。発光ユニット96は、ベース体71における前側の開口縁部に沿って延びる環状枠部97と、当該環状枠部に固定された発光基板と、同発光基板を遊技機前方から覆う光透過部材98とを有してなる。これら各種ユニット75,90,96が搭載された状態で、ベース体71が遊技盤60の背面に対してネジ止めされることでそれら各種ユニット75,90,96と遊技盤60とが一体化されている。
上述した各種ユニット75,90,96は、遊技盤60の中央に形成された開口部位を通じて遊技機前方へ露出している。遊技盤60の前面側には、開口部位に沿って形成された環状のセンターフレーム99が取り付けられている。センターフレーム99は上記発光ユニット96を遊技機前方から覆うようにして配置されている。センターフレーム99には発光ユニット96から照射された光が透過する光透過部が形成されており、発光ユニット96からの光によって当該センターフレーム99が発光しているかのように見せることが可能となっている。
また、このセンターフレーム99は、少なくとも当該センターフレーム99における上部を含んだほぼ全域が遊技盤60の前面から遊技機前方に張り出している。これにより、図柄表示装置76の表示画面77等の前方を遊技球が落下することを抑制し、遊技球の落下により表示画面77等の視認性が低下するといった不都合の発生を抑えている。
なお、図5においては、センターフレーム99と発光ユニット96が前後に重なった状態で配置されているが、これら両者は遊技盤60に取り付けられた状態では、同遊技盤60を挟んで対峙することとなる。
センターフレーム99において第1表示ユニット75(図柄表示装置76)と前記入賞口ユニット62(詳しくは下側作動入球部63)との間に位置する部分には遊技球の揺動を許容するステージ99aが設けられている。ステージ99aは左右に延びると共に、当該ステージ99aの上面は中央に向けて下る略弧状をなしている。
センターフレーム99においてステージ99aよりも上側となる部位には遊技領域PEを流下する遊技球を同ステージ99aに案内する上側案内通路99bが設けられており、当該上側案内通路99bを通じてステージ99aに到達した遊技球は、ステージ99aを左右に移動しながら当該ステージ99aの中央部分へ向うこととなる。
ステージ99aの中央部分(詳しくは下側作動入球部63の直上となる部分)には、ステージ99a上の遊技球を下側作動入球部63へと案内する下側案内通路99cが設けられている。下側案内通路99cは、当該下側案内通路99cを通じて下側作動入球部63へと流下する遊技球の当該下側作動入球部63への入球確率が、それ以外の流下経路を経て下側作動入球部63へ向う遊技球の当該下側作動入球部63への入球確率よりも高くなるように構成されている。
<主表示装置69>
可変表示装置68を挟んで右側作動入球部65とは反対側には、主表示装置69が配されている。主表示装置69は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示装置69の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル)と対向している。主表示装置69においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下側作動入球部63への入賞に基づいた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部DLと、右側作動入球部65への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右側作動入球部用表示部DRとを有してなる。
下側作動入球部用表示部DLでは、当該下側作動入球部用表示部DLを構成する発光体(LED)の発光色が下側作動入球部63への入賞をトリガとして所定の順序で切り替えられ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。つまり、発光色の切替表示の停止結果として、下側作動入球部63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。
右側作動入球部用表示部DRでは、当該右側作動入球部用表示部DRを構成する発光体(LED)の発光色が右側作動入球部65への入賞をトリガとして所定の順序で切り替えられ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。つまり、発光色の切替表示の停止結果として、右側作動入球部65への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。
ここで、いずれかの作動入球部63,65への入賞に基づき、対応する表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記切替表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部63,65への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて切替表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とするとよい。
主表示部Dには、下側作動入球部63に対応する下側作動入球部用の保留数表示部HL(以下便宜上、下作動保留数表示部HLと称する)と、右側作動入球部65に対応する右側作動入球部用の保留数表示部HR(以下便宜上、右作動保留数表示部HRと称する)とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動入球部63,65に入賞した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留数表示部HL,HRを構成する発光体(LED)の点灯数によって各作動入球部63,65に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
また、主表示装置69の主表示部Dには両表示部DL,DR以外に、スルーゲート67への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、当該スルーゲート用表示部DSを構成する発光体(LED)の発光色がスルーゲート67への入賞をトリガとして所定の順序で切り替えられ、予め定められた色で停止表示された場合には電役開放状態へ移行する。つまり、発光色の切替表示の停止結果として、スルーゲート67への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。電役開放状態では、右側作動入球部65に設けられた後述する電動役物が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート67を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示装置69の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数表示部HSが設けられている。
これら各表示部DL,DR,DS,HL,HR,HSについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DR,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
但し、主表示部Dにおいては、上記図柄表示装置76の表示画面77と比較して小さく設定されており、更には上記表示画面77が遊技領域PEの略中央に配置されているのに対して当該主表示部Dは遊技領域PEの端寄りとなる位置に配置されている。このため、上記表示画面77と比較して当該主表示部Dの視認性は低くなっている。更には、主表示部Dにおける各表示部DL,DR,DS,HL,HR,HSは全て同様の形状をなしているとともに狭い範囲に集約されている。これにより、個々の表示部に表示される内容は遊技者にとって識別しにくいものとなっている。このように、上記表示画面77に表示される表示内容(当否情報や保留数等)と比較して、主表示部Dにおける表示内容の識別性及び視認性を低くすることで、遊技者の注目が表示画面77等に向きやすくなるように工夫している。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50における遊技盤60の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで、樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示装置68の左側となる領域と、同遊技領域PEにおいて可変表示装置68の右側となる領域とに遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
同図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニットに設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通している。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている(図2参照)。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示装置68(詳しくはベース体71)には、ベース体71を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図37に示すように、可変表示装置68の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口70も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口70を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置68を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<各種入球部63〜66>
本実施の形態においては特に、上述した入賞口ユニット62,右側作動入球部65,右側可変入球部66について特徴的な構成を有している。そこで以下、図4及び図6に基づきこれら各種入球部63〜66に係る構成について補足説明する。図6(a)は右側作動入球部65を正面側から見た概略図、図6(b)は入賞口ユニット62を正面側から見た概略図、図6(c)は右側可変入球部66を正面側から見た概略図である。なお、図6においては遊技領域PEを流下する遊技球の一例を2点鎖線によって示している。
<右側作動入球部65>
先ず図6(a)を参照して右側作動入球部65について説明する。右側作動入球部65は、遊技盤60に対する取付部としてのベース部251を有している。ベース部251は略平板状をなしており遊技盤60の前面と対向するようにして配置されている。右側作動入球部65は、ベース部251が遊技盤60に対して固定されることにより同遊技盤60に対して一体化されている。
ベース部251には、当該ベース部251から後方に延出して設けられ、遊技球を上述した遊技盤60の開口部を通じて同遊技盤60の背面側へと誘導する誘導通路部252が形成されている。また、ベース部251には、同ベース部251から遊技機前方に張り出しており誘導通路部252の入口部分を遊技機前方から覆うカバー部253が形成されている。このように、カバー部253によって入口部分を覆うことにより、遊技機前方から誘導通路部252が視認しにくくなっている。
カバー部253には上側及び左右両側に開放された開放部254が形成されており、同開放部254は当該開放部254を通じた遊技球の流入を許容する大きさを有している。これら開放部254及び誘導通路部252によって右側作動口255が構成されている。
ベース部251において開放部254の上方となる部位には、遊技機前方に突出する突出部261が設けられている。この突出部261によって、開放部254の直上からの右側作動口255への遊技球の流入が妨げられる構成となっている。
また、ベース部251には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物271が設けられている。電動役物271は、左右一対の可動片272,273と同可動片272,273を駆動させるソレノイド式の駆動部274とを有している。可動片272,273は、一端部がカバー部253内に収容されているとともに他端部が同カバー部253から上方に突出している。
可動片272,273は誘導通路部252の入口部分を挟んで相対向した状態で配置されており、これら両可動片272,273の隙間部分については上述した突出部261によって遊技機上方から覆われている。これにより、当該隙間部分を通じた右側作動口255への入球が阻止されている。
可動片272,273においてカバー部253に収容されている側の端部は、遊技盤60の前面に沿った同可動片272,273の回動が許容されるようにして上記カバー部253及びベース部251に固定されている。このように、両可動片272,273を回動可能とすることにより、開放部254において遊技球の流入を許容する範囲を変化させることが可能となっている。
電動役物271の駆動部274については上記主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該主制御装置162から出力される信号に基づいて可動片272,273が回動する。具体的には、図6(a1)に示すように右側作動口255への入球が不可又は困難となる閉状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、図6(a2)に示すように右側作動口255への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又はガイド状態)とに切替可能となっている。
<入賞口ユニット62>
次に図6(b)に基づき入賞口ユニット62について説明する。既に説明したように、入賞口ユニット62は、下側作動入球部63と下側可変入球部64とが一体化されてなる。下側作動入球部63と下側可変入球部64とは、前者が後者よりも上側となるようにして上下(鉛直方向)に並べて配置されている。
入賞口ユニット62は遊技盤60の前面に対向する略平板状のベース部301を有し、当該ベース部301が遊技盤60に対して固定されることにより同入賞口ユニット62が遊技盤60に対して一体化されている。
ベース部301の上部には、当該ベース部301から遊技機後方に延出して設けられ、遊技球を上述した遊技盤60の開口部を通じて同遊技盤60の背面側へと誘導する第1誘導通路部302が形成されている。また、ベース部301には、同ベース部301から遊技機前方に張り出しており第1誘導通路部302の入口部分を遊技機前方から覆う第1カバー部303が形成されている。このように、第1カバー部303によって入口部分を覆うことにより、遊技機前方から第1誘導通路部302が視認しにくくなっている。
第1カバー部303には上側に開放された第1開放部304が形成されており、同第1開放部304は当該第1開放部304を通じた遊技球の流入を許容する大きさを有している。これら第1開放部304及び第1誘導通路部302によって下側作動口305が構成されているとともに、ベース部301,第1誘導通路部302,第1カバー部303によって下側作動入球部63が構成されている。
第1開放部304を通じて下側作動口305に流入した遊技球は、第1誘導通路部302を通じて遊技盤60の背面側へと誘導されることとなる。
下側作動入球部63の下方には上記下側可変入球部64が配されている。下側可変入球部64は、ベース部301から遊技機後方に延出して設けられ、遊技球を上述した遊技盤60の開口部を通じて同遊技盤60の背面側へと誘導する第2誘導通路部352が形成されている。また、ベース部301には、同ベース部301から遊技機前方に張り出しており第2誘導通路部352の入口部分を遊技機前方から覆う第2カバー部353が形成されている。このように、第2カバー部353によって入口部分を覆うことにより、遊技機前方から第2誘導通路部352が視認しにくくなっている。
第2カバー部353には上側及び左右両側に開放された第2開放部354が形成されており、同第2開放部354は当該第2開放部354を通じた遊技球の流入を許容する大きさを有している。これら第2開放部354及び第2誘導通路部352によって下側大入賞口355が構成されている。
第2開放部354の上方には、上述した下側作動入球部63(詳しくは第1カバー部303)が位置している。この下側作動入球部63によって、第2開放部254の直上からの下側大入賞口355への遊技球の流入が妨げられる構成となっている。
また、ベース部301には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物371が設けられている。電動役物371は、左右一対の可動片372,373と同可動片372,373を駆動させるソレノイド式の駆動部374とを有している。可動片372,373は、一端部が第2カバー部353内に収容されているとともに他端部が同第2カバー部353から遊技機上方に突出している。
可動片372,373は第2誘導通路部352の入口部分を挟んで相対向した状態で配置されており、これら両可動片372,373の隙間部分については上述した下側作動入球部63(詳しくは第1カバー部303)によって遊技機上方から覆われている。これにより、当該隙間部分を通じた下側大入賞口355への入球が阻止されている。
可動片372,373において第2カバー部353に収容されている側の端部は、同可動片372,373の遊技盤60の前面に沿った回動が許容されるようにして上記第2カバー部353及びベース部301に固定されている。このように、両可動片372,373を回動可能とすることにより、第2開放部354において遊技球の流入を許容する範囲を変化させることが可能となっている。
電動役物371の駆動部374については上記主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該主制御装置162から出力される信号に基づいて可動片372,373が回動する。具体的には、図6(b1)に示すように下側大入賞口355への入球が不可又は困難となる閉状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、図6(b2)に示すように下側大入賞口355への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又はガイド状態)とに切替可能となっている。
下側可変入球部64は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい開状態に切り替る。ここで、下側可変入球部64に対応する開閉実行モードとは大当たり当選又は特別外れ当選となった場合に移行することとなるモードであり、同下側可変入球部64は、後述する2R大当たり結果又は特別外れ結果に対応した開閉実行モードとなった場合に、上記切り替えが実行されるように設定されている。下側可変入球部64の開放態様としては、所定時間(例えば0.5sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば2ラウンド)を上限として繰り返し開放される態様や、開放が所定回数(例えば2回)の行われる又は入賞総数が所定数(10個)に達するまで所定時間(例えば0.5sec)の開放が繰り返される態様がある。なお、下側可変入球部64に対応する開閉実行モードについては後に詳細に説明する。
<右側可変入球部66>
次に図6(c)を参照して右側可変入球部66について説明する。右側可変入球部66は、遊技盤60に対する取付部としてのベース部451を有している。ベース部451は略平板状をなしており遊技盤60の前面と対向するようにして配置されている。右側可変入球部66は、ベース部451が遊技盤60に対して固定されることにより遊技盤60に対して一体化されている。
ベース部451には、当該ベース部451から後方に延出して設けられ、遊技球を上述した遊技盤60の開口部を通じて同遊技盤60の背面側へと誘導する誘導通路部452が形成されている。また、ベース部451には、ベース部451から遊技機前方に張り出しており誘導通路部452の入口部分を遊技機前方から覆うカバー部453が形成されている。このように、カバー部453によって入口部分を覆うことにより、遊技機前方から誘導通路部452が視認しにくくなっている。
カバー部453には遊技領域PEにおける上流側に開放された開放部454が形成されており、同開放部454は当該開放部454を通じた遊技球の流入を許容する大きさを有している。これら開放部454及び誘導通路部452によって右側大入賞口455が構成されている。
また、ベース部451には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物471が設けられている。電動役物471には、遊技盤60の前面に沿った回動が許容されるようにして上記ベース部451に固定されており、上述した開放部454を覆う位置及び同開放部454を覆わない位置に変位可能にな可動片472と、同可動片472を駆動させるソレノイド式の駆動部474とを有している。
電動役物471の駆動部474については上記主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該主制御装置162から出力される信号に基づいて可動片472を回動させる。具体的には、図6(c1)に示すように右側大入賞口455への入球が不可又は困難となる閉状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、図6(c2)に示すように右側大入賞口455への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又はガイド状態)とに切替可能となっている。
右側可変入球部66は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい開状態に切り替る。ここで、右側可変入球部66に対応する開閉実行モードとは、後述する15R大当たり結果となった場合に移行することとなるモードであり、同右側可変入球部66は、大当たり当選に対応した開閉実行モードとなった場合に、上記切り替えが実行されるように設定されている。右側可変入球部66の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返し開放される態様がある。なお、右側可変入球部66に対応する開閉実行モードについては後に詳細に説明する。
<右側作動入球部65,下側可変入球部64,右側可変入球部66の比較>
ここで、右側作動入球部65と下側可変入球部64及び右側可変入球部66とについて比較する。
右側作動入球部65及び下側可変入球部64は、それぞれ左右一対の可動片272,273,372,373を有しており、これら両可動片272,273,372,373の先端部分が互いに遠ざかるようにして回動することにより、開放状態に切り替る構成となっている。これに対して下側可変入球部64については可動片472を1つしか有しておらず、同可動片472が開放部を覆う位置から移動することにより、開放状態に切り替る構成となっている。つまり、下側可変入球部64及び右側可変入球部66は、前者が後者よりも右側作動入球部65に対して構成上また動作上類似しており、右側作動入球部65との識別性が低くなっている。言い換えれば、下側可変入球部64は、付与された機能の面では右側可変入球部66と共通するものの、その外観及び動きの面では右側作動入球部65と類似する構成となっている。
また、右側作動入球部65と入賞口ユニット62及び下側可変入球部64とを比較した場合、右側作動入球部65及び下側作動入球部63が上方からの遊技球の流入を妨げる機能が付与された突出部261や第1カバー部303を有しているのに対して、右側可変入球部66には、同機能を有する構成が設けられていない。故に、その外観及び動きの面においては右側作動入球部65と入賞口ユニット62とが類似する構成となっている。
下側作動入球部63と下側可変入球部64とが前者が後者の上方に位置するようにして上下に並設されている。より詳しくは、下側作動入球部63については、下側可変入球部64が閉状態となっている場合に当該下側可変入球部64への遊技球の流入を阻止するように配置されている。このような配置とすることにより、下側可変入球部64が下側作動入球部63と同様に遊技球の入球に基づいて保留情報を取得する契機となる機能を有しているものと、遊技者が認識することを期待できる。
特に、下側作動入球部63及び下側可変入球部64は上記ステージ99aの下方にて上下に並設されている。従来の遊技機においてはステージの下方において第1始動入球部(電動役物を有する始動入球部)と第2始動入球部(電動役物を有さない始動入球部)とが後者が上方となるようにして並設されており、本実施の形態においては第1始動入球部を下側可変入球部64で置き換えたことにより、上記擬態効果の更なる向上が期待できる。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181、各種検知センサなどが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口61用の検知センサ151a、下側作動入球部63用の検知センサ151b、右側作動入球部65用の検知センサ151c、下側可変入球部64用の検知センサ151d、右側可変入球部66用の検知センサ151e、スルーゲート67用の検知センサ151fが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、下側作動口305及び右側作動口255への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート67への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び音声ランプ制御装置143が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、大入賞口355,455への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下側作動口305への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右側作動口255への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。
また、MPU602の出力側には、右側作動入球部65の可動片272,273を開閉動作させる駆動部274、下側可変入球部64の可動片372,373を開閉動作させる駆動部374、右側可変入球部66の可動片472を開閉動作させる駆動部474、主表示装置69の各種保留数表示部HL,HR,HSや各種入球部用表示部DL,DR等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口355,455が開閉されるように、MPU602において可変入球部64,66における駆動部374,474の駆動制御が実行される。また、右側作動入球部65の電動役物271の開放状態当選となった場合には、電動役物271が開閉されるように、MPU602において駆動部274の駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示装置69における下側作動入球部用表示部DL又は右側作動入球部用表示部DRの表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。この場合、外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子(第1状態信号出力端子)と、大当たり及び特別外れ信号出力端子(第2状態信号出力端子)とが設けられている。
MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
また、本パチンコ機10では、後述するように各作動口255,305への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり当選でなかったとしても、可変入球部64,66が開閉実行モードに移行することとなる特別外れ結果(すなわち、小当たり)を遊技結果の1種として備えている。この場合に、MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合又は遊技結果が特別外れ結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり及び特別外れ信号出力端子を通じて大当たり及び特別外れ信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり及び特別外れ信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果又は特別外れ結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置620を制御するものである。
表示制御装置620はMPU622が搭載された表示制御基板621を有してなり、MPU622には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM623、そのROM623内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM624、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。
MPU622では、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドに基づいて、可変表示装置68(例えば図柄表示装置76)の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置76における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置76の表示内容について説明する。
図柄表示装置76の表示画面77には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、左図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。右図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、左図柄列と右図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面77では、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、表示画面77は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面77には、5つの有効ライン、すなわち下ライン、中ライン、上ライン、右下がりライン、右上がりラインが設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、後述する大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置76における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示装置69の表示の設定、図柄表示装置76の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置76が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示装置69の作動入球部用表示部DL,DR及び図柄表示装置76における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右側作動入球部65の電動役物271を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。RAM604には、下側作動入球部用保留エリアRaと、右側作動入球部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア604bが設けられている。そして、この保留球格納エリア604bに、下側作動口305又は右側作動口255への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下側作動口305又は右側作動口255に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下側作動口305に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアRaに格納され、右側作動口255に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603bに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図9を用いて説明する。図9に示すように、当否テーブルとしては、図9(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図9(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「307」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」・・・「572」、「598」の21個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果と通常外れ結果との2種類が設定されている。これらの違いについては後に説明する。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入球部64,66の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の右側作動入球部65の電動役物271におけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入球部の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入球部への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、右側可変入球部66の右側大入賞口455の開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は右側大入賞口455への入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、下側可変入球部64の下側大入賞口355の開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は下側大入賞口355への入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構110が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の下側大入賞口355の開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口の開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しにくくなっている。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入球部への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放制限時間が長い又は1回の開放に対する開放制限個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入球部への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口の開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入球部への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
右側作動入球部65の電動役物271におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右側作動入球部65の電動役物271が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物271が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物271の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右側作動入球部65の右側作動口255への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右側作動入球部65(右側作動口255)よりも下側作動入球部63(下側作動口305)への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下側作動入球部63(下側作動口305)よりも右側作動入球部65(右側作動口255)への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右側作動入球部65(右側作動口255)への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が、右側作動入球部65(右側作動口255)又はよりも下側作動入球部63(下側作動口305)に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下側作動入球部63(下側作動口305)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部65(右側作動口255)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアRbに格納される。
<遊技結果の振り分け>
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603cに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図10を用いて説明する。図10に示すように、振分テーブルとしては、図10(a)の下側作動入球部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図10(b)の右側作動入球部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
下側作動入球部用の振分テーブルでは、図10(a)に示すように、遊技結果の振分先として、15R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、2R通常大当たり結果(明示高頻度サポートモード対応遊技結果又は突然時短(高頻度サポートモード)状態となる結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
15R通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
2R通常大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、以降後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに開閉実行モードに移行する前のサポートモードを維持する大当たり結果である。また、サポートモードが高頻度サポートモードとなった場合には、少なくとも次に開閉実行モードとなるまでは当該高頻度サポートモードを維持する。非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果であると言える。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
下側作動入球部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜4」が15R通常大当たり結果に対応しており、「5〜9」が2R通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、通常大当たり結果として、15R通常大当たり結果及び2R通常大当たり結果が設定されていることにより、通常大当たり結果の態様が多様化する。また、上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、右側作動入球部65の電動役物271のサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、右側作動入球部用の振分テーブルでは、図10(b)に示すように、遊技結果の振分先として、15R通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が15R通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、下側作動入球部63(下側作動口305)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、右側作動入球部65(右側作動口255)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、下側作動入球部用の振分テーブル及び右側作動入球部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に通常大当たり結果又は確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、下側作動入球部用の振分テーブルでは、15R通常大当たり結果及び2R通常大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、10個となっているとともに、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、右側作動入球部用の振分テーブルでは、15R通常大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、10個となっているとともに、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、下側作動入球部63(下側作動口305)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、右側作動入球部65(右側作動口255)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、右側作動入球部65(右側作動口255)への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ通常大当たり結果が発生する場合には必ず15R通常大当たり結果となるのに対して、下側作動入球部63(下側作動口305)への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ通常大たり結果となる場合には1/2の確率で2R通常大当たり結果又は15R通常大当たり結果となる。つまり、通常大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R通常大当たり結果の発生確率は、右側作動入球部65への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、下側作動入球部63への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、右側作動入球部65(右側作動口255)への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して下側作動入球部63(下側作動口305)への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、右側作動入球部65(右側作動口255)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が下側作動入球部63(下側作動口305)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、右側可変入球部66の電動役物271が開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには右側作動入球部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、下側作動入球部63(下側作動口305)と右側作動入球部65(右側作動口255)とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は下側作動入球部63(下側作動口305)及び右側作動入球部65(右側作動口255)のうち、右側作動入球部65(右側作動口255)への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、右側作動入球部65(右側作動口255)への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。この場合、外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードと同様に遊技球の入賞が発生しにくいものとなっている。
特別外れ結果に対応する開閉実行モードについて説明すれる。下側可変入球部64は、既に説明したように特別外れ当選に対応した開閉実行モードとなった場合には、下側可変入球部64の電動役物371が開放されるように設定されている。下側可変入球部64の開放態様としては、所定時間(例えば0.2sec)の経過を1回として複数回(例えば2回)開放される態様や、入賞総数が所定数(10個)することで開閉実行モードを終了する態様がある。但し、上述の如く、開放される期間が極めて短いため、入賞総数が所定数に達することで開閉実行モードが終了することは実質的にない。
なお、特別外れ結果に対応した開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
ここで、上記当否及び振分抽選により各種大当たり結果及び特別外れ結果となった場合に、図柄表示装置76の表示画面77にて停止表示される図柄の組み合わせについて説明する。
既に説明したように、表示画面77においては、左・中・右の3つの図柄列が設定されており、各図柄列は「1」〜「9」の9種類の主図柄とそれら各主柄の間に配された副図柄とを有してなる。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、15R通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字(奇数)が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了し、詳しくは左:3、中:5、右:7の図柄の組み合わせが表示され、その後に、明示用画像が表示されるようになっている。
2R通常大当たり結果となる場合には、異なる数字(偶数)が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了し、詳しくは左:2、中:4、右:6の図柄の組み合わせが表示され、その後に、明示用画像が表示されるようになっている。
また、非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となる場合には、開閉実行モード中に下側可変入球部64への入賞が発生した場合と発生していない場合とで異なる図柄の組み合わせが停止表示される構成となっている。具体的には、下側可変入球部64への入賞が発生していない場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせ(完全外れに対応する図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列の変動表示が終了する。詳しくは、大当たり抽選に外れた場合と同様の図柄の組み合わせが表示される。一方、下側可変入球部64への入賞が発生した場合には、抽選結果が非明示2R確変大当たり結果であることを条件として、異なる数字(奇数)が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了し、詳しくは左:3、中:5、右:7の図柄の組み合わせが表示されるとともに非明示2R確変大当たりに当選した旨のメッセージ(例えば「潜伏中」)が表示される。また、抽選結果が特別外れ結果であることを条件として、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了し、左:3、中:4、右:7の図柄の組み合わせが表示されるとともに特別外れ結果となった旨のメッセージ(例えば「残念」)が表示される。
再び図8を参照し、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部63(下側作動口305)又は右側作動入球部65(右側作動口255)に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下側作動入球部63(下側作動口305)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部65(右側作動口255)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置76を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置76における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置76の表示画面77に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置76の表示画面77内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面77における表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示装置69(主表示部D)の下側作動入球部用表示部DL及び右側作動入球部用表示部DRにおける変動表示時間と、図柄表示装置76における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、下側作動入球部用表示部DL及び右側作動入球部用表示部DRにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置76による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート67に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって右側作動入球部65の電動役物271を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物271を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物271を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、下側作動入球部用表示部DL及び右側作動入球部用表示部DRにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dが用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、下側作動入球部用表示部DL及び右側作動入球部用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eが用いられる。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ず、ステップS101では各種スイッチや上記各種検知センサ151a〜151e等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種スイッチや各種検知センサ151a〜151e等の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動入球部63,65(作動口255,305)への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート67への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、作動口用の入賞処理について説明する。作動口用の入賞処理では、先ず遊技球が下側作動入球部63(下側作動口305)に入賞(始動入賞)したか否かを下側作動入球部63用の検知センサ151bの検知状態により判定する。遊技球が下側作動口305に入賞したと判定すると、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、下側作動口305に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、下側作動入球部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該下側作動入球部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、下側作動入球部用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて上記主表示部Dの下作動保留数表示部HLの点灯処理を実行する。具体的には、下作動保留数表示部HLにおいて上下に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの下側2つのLEDに追加して下側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が下側作動入球部63に入賞していないと判定した場合には、遊技球が右側作動入球部65(右側作動口255)に入賞(始動入賞)したか否かを右側作動入球部65(右側作動口255)用の検知センサ151cの検知状態により判定する。遊技球が右側作動口255に入賞したと判定すると、払出制御装置181に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、右側作動口255に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、右側作動入球部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該右側作動入球部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、右側作動入球部用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて上記主表示部Dの右作動保留数表示部HRの点灯処理を実行する。具体的には、右作動保留数表示部HRにおいて上下に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの下側2つのLEDに追加して下側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、上述した情報取得処理と同様の処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、下側作動口305,右側作動口255のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本作動口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S201にて払出制御装置181に対して送信される。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び振分判定を行うとともに、図柄表示装置76による図柄の変動表示の設定、主表示装置69における作動入球部用表示部DL,DRなどの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、右側作動入球部65に設けられた電動役物271を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア604cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物271を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物271の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示装置69におけるスルーゲート用表示部DSの表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物271によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM604に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物271が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物271の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置191から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM604に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS307にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS311以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS311では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS312にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS313にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図13,図14のフローチャートを参照して説明する。
図13に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604のその他フラグ格納エリア604eにおける開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動入球部63,65(作動口255,305)への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示装置69の下側作動入球部用表示部DL及び右側作動入球部用表示部DRのうちいずれか一方が変動表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604のその他フラグ格納エリア604eにおける変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、下側作動入球部用表示部DL及び右側作動入球部用表示部DRのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動入球部用表示部DL,DRが変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア604bの総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である共通保留記憶数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留記憶数CRNが「0」である場合とは、下側作動入球部63(下側作動口305)及び右側作動入球部65(右側作動口255)のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて下側作動入球部用保留エリアRa又は右側作動入球部用保留エリアRbに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず右側作動入球部用保留エリアRbに保留記憶されている右側作動入球部用保留記憶数が「0」か否かを判定する。右側作動入球部用保留記憶数が「0」である場合には下側作動入球部用のデータ設定処理を実行し、右側作動入球部用保留記憶数が「0」でない場合には右側作動入球部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、右側作動入球部用保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち右側作動入球部用表示部DRについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、下側作動入球部用保留記憶数が1以上であるか否かに関係なく、右側作動入球部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するように構成されている。これにより、下側作動入球部用保留エリアRa及び右側作動入球部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、右側作動入球部65(右側作動口255)に対応した右側作動入球部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
下側作動入球部のデータ設定処理では、先ず下側作動入球部用保留エリアRaの下側作動入球部用保留記憶数を1ディクリメントし、続いて共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、下側作動入球部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、下側作動入球部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の下作動保留数表示部HLのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、下作動保留数表示部HLのLEDが上側から順に消灯されるようになっている。
RAM604のその他フラグ格納エリア604eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が下側作動入球部用表示部DL又は右側作動入球部用表示部DRのいずれであるかを特定するための情報である。その後、本データ設定処理を終了する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ず右側作動入球部用保留エリアRbの右側作動入球部用保留記憶数を1ディクリメントし、共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、右側作動入球部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、右側作動入球部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の右作動保留数表示部HRのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、右作動保留数表示部HRのLEDが上側から順に消灯されるようになっている。
消灯処理を行った後は、RAM604のその他フラグ格納エリア604eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示装置69における変動表示及び図柄表示装置76における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、図14のフローチャートを参照し、ステップS305の変動開始処理について説明する。
変動開始処理においては先ず、ステップS401にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア603cに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、15R通常大当たり結果、2R通常大当たり結果、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示装置69の主表示部D(詳しくは右側作動入球部用表示部DR、下側作動入球部用表示部DL)に最終的に停止表示させる絵柄の態様(発光色)の情報を、ROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、主表示部Dに停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM604に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS405では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグをRAM604にセットする処理を実行する。具体的には、15R通常大当たり結果であることを特定した場合には15R通常フラグをセットし、2R通常大当たり結果であることを特定した場合には2R通常フラグをセットし、非明示2R確変大当たり結果であることを特定した場合には非明示2R確変フラグをセットし、明示2R確変大当たり結果であることを特定した場合には明示2R確変フラグをセットし、15R確変大当たり結果であることを特定した場合には15R確変フラグをセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、RAM604に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
一方、ステップS402にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS406にて、ステップS401における当否判定処理の結果が特別外れ結果であるか否かを判定する。特別外れ結果である場合には、ステップS407に進む。
ステップS407では、特別外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示装置69の主表示部Dに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM603に予め記憶されている特別外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。続くステップS408では、特別外れフラグをRAM604にセットする処理を実行する。
また、ステップS406にて、特別外れ結果ではないと判定した場合には、ステップS409にて、通常外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示部Dに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM603に予め記憶されている特別外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び特別外れ結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
以上のとおり、結果表示の内容は、大当たり発生の有無及びその種別更には特別外れや完全外れにて異なる表示内容が設定されている。これにより、遊技ホールの管理者は、遊技回が終了する場合に、主表示部Dの下側作動入球部用表示部DL及び右側作動入球部用表示部DRのうち、当該遊技回に係る変動表示が行われている主表示部Dを見ることにより、その遊技回の遊技結果が何であるかを監視することができる。
特に、主表示部Dに設けられた下側作動入球部用表示部DL及び右側作動入球部用表示部DRは、主制御装置162に直接表示制御される表示部であるため、サブの表示制御装置620が表示制御に際して介在することとなる表示部に比べ、表示の信頼性が高いものとなっている。
但し、上述したように主表示部Dについては、下側作動入球部用表示部DLや右側作動入球部用表示部DR等複数の表示部が集約されており、どの部分がどのような内容を示しているのかを把握することが困難になっている。更には、図柄表示装置76の表示画面77と比較して小さく且つ遊技領域PEの端寄りに配置さてているためその視認性も表示画面77と比べて低くなっている。このため、遊技者の注目は上記表示画面77に向きやすいと想定される。故に、上述したように、一時的に主表示部Dと表示画面77とで表示内容が相違したとしても、ホール管理者と比べて遊技者がこのような差違に気づくことを好適に抑制することができる。
ステップS405、ステップS408及びステップS409のいずれかの処理を実行した後は、ステップS410にて、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM604の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置76にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果又は特別外れ結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果及び特別外れ結果のいずれでもない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM603に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報をRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた表示継続期間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM603に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報を表示継続時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
特に、今回の遊技回の遊技結果が非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果のいずれかとなる場合には、ROM603に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルのうち共通変動表示時間テーブル(共通変動表示時間情報群)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
ここで、既に説明したように、通常遊技状態下で特別外れ結果となる場合及び非明示2R確変大当たり結果となる場合は、下側可変入球部64の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。特別外れ結果となる場合及び非明示2R確変大当たり結果となる場合はいずれも、図柄表示装置76における図柄の変動表示においてリーチ表示が発生することとなり、さらには、その遊技回の変動表示時間の決定に際して共通変動表示時間テーブルを参照することで、主表示部D及び図柄表示装置76における絵柄の変動表示時間が共通のものとなる。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、共通保留記憶数CRNの数が多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、共通保留記憶数CRNやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、特別外れ結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の通常外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
ステップS410にて、表示継続時間の設定処理を実行した後は、ステップS411にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置143では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R通常大当たり結果の情報、2R通常大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、15R確変大当たり結果の情報、特別外れ結果の情報、及び通常外れ結果の情報が含まれる。
ステップS411にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置76での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置620に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置620では、音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置76を表示制御する。これらコマンドを受信したことによる表示制御装置620における処理についての詳細は後述する。
ステップS411の処理を実行した後は、ステップS412にて主表示部Dにおいて絵柄の変動表示を開始させる。その後、ステップS413にて、外部出力解除処理を実行した後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図13)の説明に戻り、主表示部D(詳しくは作動入球部用表示部DL,DR)が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部D(詳しくは下側作動入球部用表示部DL又は右側作動入球部用表示部DR)における表示態様を変更する。具体的には、変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動入球部用表示部が有するLEDが所定の周期で点灯及び消灯されていくように、また発光色が変化するように当該作動入球部用表示部DL,DRを表示制御(各表示用LEDの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図14)のステップS404、ステップS407及びステップS409のいずれかの処理においてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRにて表示されるように主表示装置69を表示制御する。
続くステップS309では変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置620に送信され、表示制御装置620では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置76の表示画面77に確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、音声ランプ制御装置143や表示制御装置620にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図15〜図17のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS501では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回の下側作動入球部用表示部DL又は右側作動入球部用表示部DRにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS503にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、15R通常フラグ、2R通常フラグ、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、先ず上記フラグが15R通常フラグ及び15R確変フラグのいずれかであるかを判定する。今回のフラグが15R通常フラグ又は15R確変フラグであるこの場合、今回の開閉実行モードの対象となる可変入球部を右側可変入球部66とし、開閉実行モードのオープニング用に右側可変入球部66の右側大入賞口455の開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報であって右側可変入球部66の開放に対応した待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が実行される度に1ディクリメントされる。
一方、今回のフラグが15R通常フラグ及び15R確変フラグでない場合、すなわち今回のフラグが2R通常フラグ、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、特別外れフラグのいずれかである場合には、今回の開閉実行モードの対象となる可変入球部を下側可変入球部64とし、オープニング用に下側可変入球部64の下側大入賞口355の開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報であって下側可変入球部64の開放に対応した待機時間情報をセットする。
続くステップS505では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、15R確変フラグ又は15R通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS506にて、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた開放数カウンタOCに、「2」をセットする。開放数カウンタOCは、下側大入賞口355又は右側大入賞口455が開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS507にて、開放数カウンタOCに、「15」をセットする。
ステップS506又はステップS507の処理を実行した後は、ステップS508にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143及び表示制御装置620に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置76における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置620に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置620では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば15R大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、2R大当たりや特別外れに対応する表示内容としての図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置76を表示制御する。
続くステップS509では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM604に、15R通常フラグ、2R通常フラグ、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、大当たり及び特別外れ信号出力端子の信号出力状態を大当たり及び特別外れ信号出力状態とする。これにより、大当たり及び特別外れ信号出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり及び特別外れ信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて開閉実行モードが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS501にて肯定判定をし、ステップS510に進む。ステップS510では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS511にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
<大入賞口開閉処理>
先ず、ステップS601にて下側大入賞口355又は右側大入賞口455が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入球部64,66における駆動部374,474の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。下側大入賞口355又は右側大入賞口455が開放中でない場合には、ステップS602にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS603にて開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。
開放数カウンタOCの値が「0」である場合又は開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」でなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS604に進み、今回の開閉実行モードが15R大当たり(15R通常大当たり又は15R確変大当たり)に対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに15R通常フラグ及び15R確変フラグのいずれか一方が格納されているか否かを判定する。
ステップS604にて肯定判定をした場合には、続くステップS605にて右側可変入球部66における右側大入賞口455の開放処理を実行する。具体的には、右側大入賞口455を開放すべく駆動部274を駆動状態とする。その後、15R大当たり対応の開放時用設定処理として、ステップS606,S607の処理を実行する。すなわち、ステップS606にて開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、第1入賞カウンタPC1に「10」をセットする。
一方、ステップS604にて否定判定をした場合には、続くステップS608にて下側可変入球部64における下側大入賞口355の開放処理を実行する。具体的には、下側大入賞口355を開放すべく駆動部474を駆動状態とする。ステップS608にて開放処理を実行した後は、続くステップS609にて開放時用の設定処理を実行する。ここで、図17のフローチャートを参照して開放時用の設定処理について説明する。
<開放時用の設定処理>
開放時用の設定処理では、先ずステップS701にて開放タイマカウンタTCに「100」(0.2secに相当)をセットする。その後、ステップS702にて今回の開閉実行モードが大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。ステップS702にて肯定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが大当たり結果に対応するものである場合には、続くステップS703にて第1入賞カウンタPC1に「10」をセットして、本開放時用の設定処理を終了する。
一方、ステップS702にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが特別外れ結果に対応するものである場合には、続くステップS704にて開放数カウンタOCの値が「2」であるか否かを判定する。ステップS704にて肯定判定した場合には、続くステップS705にて第1入賞カウンタPC1に「6」をセットする。
ステップS705の処理を実行した後、又はステップS704にて否定判定した場合には本開放時用の設定処理を終了する。
再び図16に戻って、ステップS607及びステップS609の各処理を実行した後は、続くステップS610にて開放コマンドの設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。この開放コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS601にて下側大入賞口355及び右側大入賞口455の何れかが開放中であると判定した場合にはステップS611に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合、ステップS612にて下側大入賞口355又は右側大入賞口455に遊技球が入賞したか否かを、可変入球部64,66に対応した検知センサ151d、151eからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、続くステップS613にて今回の開閉実行モードが非明示2R確変大当たり結果及び特別外れ結果の何れかに対応しているか否かを判定する。ステップS613にて肯定判定した場合には、続くステップS614にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、音声ランプ制御装置143に出力され、当該入賞コマンドによって図柄表示装置76の表示画面77にて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS614にてコマンドの出力処理を実行した後、又はステップS613にて否定判定をした場合には、ステップS615に進む。ステップS615では第1入賞カウンタPC1の値を1ディクリメントし、続くステップS616にて第1入賞カウンタPC1の値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップS616にて肯定判定をした場合、すなわち第1入賞カウンタPC1の値が「0」である場合には、続くステップS617にて今回の開閉実行モードが特別外れ結果に対応するものであるか否かを判定する。当該ステップS617にて肯定判定をした場合には、すなわち今回の開閉実行モードが特別外れ結果に対応するものである場合には、ステップS618に進み開放数カウンタOCを「0」にリセットする。
ステップS618にて開放数カウンタOCをリセットした後、ステップS617にて否定判定をした場合、又はステップS611にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」の場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS619にて下側大入賞口355及び右側大入賞口455のうち開放中の一方を閉鎖すべく駆動部374,474のうち駆動中の一方を非駆動状態とする。
続くステップS620では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。その後、ステップS621にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合にはステップS622にて高頻度入賞モードであるか否かを判定する。言い換えれば、今回の開閉実行モードが15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果のいずれかに対応するものであるか否か、つまり右側可変入球部66の開閉に関するものであるか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、開放タイマカウンタTCに「1000」(すなわち2sec)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、開放タイマカウンタTCに「250」(すなわち0.5sec)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において下側大入賞口355が閉鎖されている時間が高頻度入賞モードにおいて右側大入賞口455が閉鎖されている時間よりも短く設定されている。
その後、ステップS625にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。この閉鎖コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS621にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS622にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が長くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が5secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が10secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が実行される度に1ディクリメントされる。
その後、ステップS627にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。このエンディングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置76における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置620に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置620では、音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば15R大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、2R大当たりや特別外れに対応する表示内容としての図柄の変動表示、が行われるように図柄表示装置76を表示制御する。
遊技状態移行処理(図15)の説明に戻り、ステップS511にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS512にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS513にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS514にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>>
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、RAM604に特別外れフラグが格納されているか否かを判定する。特別外れフラグが格納されている場合には、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。つまり、特別外れ結果となり、開閉実行モードに移行した場合には、その特別外れ結果となった遊技回の遊技状態が開閉実行モードの終了後において維持されることとなる。
一方、RAM604に特別外れフラグが格納されていない場合には、RAM604に15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。15R確変フラグ及び明示2R確変フラグのいずれかのフラグが格納されている場合には、遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。その後、高確率モードフラグを格納するとともに高頻度サポートフラグを格納し、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。
特別外れフラグ、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグのいずれも格納されていないと判定した場合には、非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合にはフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。その後、高確率モードフラグを格納するとともに開閉実行モード前の遊技状態におけるサポートモードと同様のサポートモードとなるように高頻度サポートフラグ及び低頻度サポートフラグの一方を格納し、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモード又は高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。
但し、本実施の形態においては、高頻度サポートモード中は右側作動入球部65へ向けて遊技球を発射することで遊技が行われるとともに、同右側作動入球部65への入賞に基づく抽選対象からは非明示2R大当たり結果が外さている。このため通常は、非明示2R大当たりに当選となるのは、低頻度サポートモード中であると想定される。このため、非明示2R確変大当たり結果となった場合には、開閉実行モード移行前のサポートモードとなる点を鑑みれば、同サポートモードは実質的に毎度低頻度サポートモードになると想定される。
特別外れフラグ、15R確変フラグ、明示2R確変フラグ及び非明示2R確変フラグのいずれも格納されていないと判定した場合、すなわち2R通常フラグ又は15R通常フラグが格納されている場合には、上記フラグ消去処理と同様の処理を実行する。続いて、高頻度サポートフラグを格納するとともにRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットした後に、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS206の電役サポート用処理を図18及び図19のフローチャートを参照して説明する。
図18に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS801にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、右側作動入球部65の電動役物271を開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS802に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物271を開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS803に進み、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた役物タイマエリアYTの値が「0」か否かを判定する。役物タイマエリアYTの値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
役物タイマエリアYTの値が「0」である場合には、ステップS804にて、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS805にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了される。
役物タイマエリアYTの値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS806にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS807にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS808にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS809にて開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア604cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に役物タイマエリアYTに「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、役物タイマエリアYTはタイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
続くステップS810では、ステップS809の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS811の処理を実行することなくステップS812に進み、サポート当選である場合には、ステップS811にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS812に進む。
ステップS812では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS812にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS812にて肯定判定をした場合には、ステップS813にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS814にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS815では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS815にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS816にて開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア604cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に役物タイマエリアYTに「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS817では、ステップS816の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS818にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「2」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS802にて肯定判定をし、ステップS819に進み、役物タイマエリアYTの値が「0」であるか否かを判定する。役物タイマエリアYTの値が「0」でない場合には、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物タイマエリアYTの値が「0」である場合には、ステップS820にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了される。続くステップS821では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS822に進み、電動役物271を開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
<電役開閉処理>
先ず、ステップS901にて電動役物271が開放中であるか否かを判定する。電動役物271が開放中であるか否かは、電動役物用の駆動部274が駆動状態であるか否かで判定する。電動役物271が開放されている場合にはステップS902に進み、役物タイマエリアYTの値が「0」か否かを判定する。
役物タイマエリアYTの値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。役物タイマエリアYTの値が「0」である場合にはステップS903に進み、電動役物271を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、役物タイマエリアYTに「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
その後、ステップS904では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS905にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、ステップS906にてサポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物271が開放中でない場合にはステップS901にて否定判定をし、ステップS907に進む。ステップS907では、役物タイマエリアYTが「0」であるか否かを判定する。役物タイマエリアYTが「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。役物タイマエリアYTが「0」である場合には、ステップS908にて、電動役物271を開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS909にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS910にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS911にて役物タイマエリアYTに「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS912にて役物タイマエリアYTに「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
ここで、本実施の形態においては2R大当たり対応の開閉実行処理及び特別外れ対応の開閉実行処理にて実行される下側可変入球部64(詳しくは電動役物371)の切替態様と右側作動入球部65(詳しくは電動役物271)の切替態様とが同様であることを特徴の1つとしている。そこで、これら各切替態様について比較する。
高頻度サポートモードである場合には、電役開放状態当選となり電動役物271の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間が、1回の開放期間よりも短くなるように設定する。詳しくは、開放期間が1.6secに設定されているとともに1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間は0.5secに設定されており、上記開放を3回実行するように設定されている。
一方、低頻度サポートモードである場合には、0.2secに亘って電動役物271を開放した後、0.5secの閉鎖期間を経て再び電動役物271を0.2secに亘って電動役物271を開放する設定となっている。この切替態様については、開閉実行モードにおける下側可変入球部64の電動役物371の動作態様と同一である。
このように、右側作動入球部65の切替態様(詳しくは低頻度サポートモードにおける切替態様)と下側可変入球部64の切替態様とを同様とすることにより、下側可変入球部64をあたかも作動入球部の一種であるかのような印象を遊技者に対して与えることが可能となっている。
<表示制御装置620にて実行される表示制御処理について>
次に、2R大当たり結果及び特別外れ結果となった場合に、表示制御装置620にて実行される表示制御処理(2R大当たり結果及び特別外れ結果対応表示制御)について、図20〜図23のフローチャートを参照しながら説明する。なお、2R大当たり結果及び特別外れ結果対応表示制御は表示制御装置620にて定期的(例えば2msec)に実行される。
2R大当たり結果及び特別外れ結果対応表示制御では、図20に示すように、先ずステップS1001にて開閉実行モードへの移行タイミングであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から出力された上記オープニングコマンドは音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置620に伝達され、同表示制御装置620においては、このオープニングコマンドに基づいて開閉実行モードへの移行タイミングであるか否かを判定する。
ステップS1001にて肯定判定をした場合にはステップS1002の開閉実行モード対応演出開始処理を実行する。この開閉実行モード対応演出開始処理においては、図柄表示装置76の表示画面77にて一旦停止表示された絵柄を構成している図柄の一部を再度変動表示させる。具体的には、開閉実行モードへの移行タイミングにて表示画面77における図柄の変動表示を停止させることで開閉実行モード移行前の遊技回を終了し、その直後に左・中・右の図柄列のうち中図柄列の変動表示を再開する。これにより、遊技者に対して遊技回があたかも継続しているかのような印象を与えることができる。なお、本処理における変動態様の詳細については後述する。
ステップS1002にて開閉実行モード対応演出開始処理を行った後、又はステップS1001にて否定判定をした場合、すなわち開閉実行モードへの移行タイミングではない場合には、ステップS1003に進み保留数表示変更処理を実行する。
<保留数表示変更処理>
既に説明したように、本実施の形態においては、主制御装置162によって直接表示制御している主表示装置69(詳しくは作動入球部用表示部DL)と、主制御装置162からの情報に基づいて表示制御装置620により表示制御している図柄表示装置76(表示画面77の保留数表示領域LE)とが個別に設けられている。保留数表示変更処理においては、表示制御装置620のMPU622によって図柄表示装置76を制御することにより、保留数表示領域LEにおける表示内容を変更させる。ここで、図21を参照して保留数表示変更処理について具体的に説明する。
保留数表示変更処理においては、先ずステップS1101にて、下側可変入球部64(下側大入賞口355)への入賞が発生しているか否かを判定する。つまり、開閉実行モード中であって下側大入賞口355が開放されている最中に遊技球が同下側大入賞口355へ入賞したか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から音声ランプ制御装置143を経由して入力された入賞コマンドに基づいて入賞発生の有無を判定する。
ステップS1101にて肯定判定をした場合にはステップS1102に進み、RAM624の各種カウンタ格納エリア624bに設けられた下側大入賞口用の入賞カウンタICを「1」加算する。その後、ステップS1103に進みRAM624の各種カウンタ格納エリア624bに設けられた下側作動口用の保留カウンタHCが「4」よりも小さいか否かを判定する。
ステップS1103にて肯定判定をした場合には、ステップS1104にて下側作動口用の保留カウンタHCを「1」加算した後、RAM624の各種カウンタ格納エリア624bに設けられた下側作動口用のダミーカウンタDCを「1」加算する。ダミーカウンタDCは、開閉実行モード中に下側大入賞口355への入賞が発生したことに基づいて、主表示装置69にて表示される保留数と表示画面77の保留数表示領域LEに表示される保留数とが一時的に相違する場合に、その相違する数を表示制御装置620にて把握するためのカウンタである。
ステップS1105にてダミーカウンタの加算処理を行った後、ステップS1101にて否定判定をした場合、S1103にて否定判定をした場合には、ステップS1106に進む。ステップS1106では、下側作動入球部63の下側作動口305への入賞が発生したか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置620に入力される下作動口用の入賞コマンドに基づいて、入賞発生の有無を判定する。
ステップS1106にて肯定判定をした場合には、ステップS1107に進み下側作動口用の保留カウンタHCの値が「4」よりも小さいか否かを判定する。ステップS1107にて否定判定をした場合には、すなわち保留カウンタが最大の「4」である場合には、ステップS1108に進む。
ステップS1108では、下側作動口用のダミーカウンタDCの値が「0」よりも大きいか否かを判定する。ステップS1108にて肯定判定をした場合には、すなわちダミーカウンタDCの値が「1」,「2」,「3」,「4」のいずれかである場合には、ステップS1109に進む。ステップS1109では、ダミーカウンタDCの値を「1」減算する。
一方、ステップS1107にて肯定判定をした場合には、すなわち保留カウンタHCの値が「0」,「1」,「2」,「3」のいずれかである場合には、ステップS1110にて下側作動口用の保留カウンタHCの値を「1」加算する。
ステップS1110にて保留カウンタHCの加算処理を行った後、ステップS1106にて否定判定をした場合、又はステップS1108にて否定判定をした場合には、ステップS1111に進む。
ステップS1111では、ダミー変動表示開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、ダミー変動表示とは、開閉実行モード中に下側可変入球部64(下側大入賞口355)への入賞が発生した場合に、あたかも同入賞に応じた図柄の変動表示が実行されているかのように見せるための表示態様を示す。このダミー変動表示についての詳細な説明は後述する。
ステップS1111にて肯定判定をした場合には、ステップS1112に進み、下側作動口用の保留カウンタHCを「1」減算する。ステップS1112にて保留カウンタHCの減算処理を実行した後、又はステップS1111にて否定判定をした場合には、ステップS1113に進む。
ステップS1113では、今回の保留数表示変更処理中にて、下側作動口用の保留カウンタHCの値が変化したか否かを判定する。ステップS1113にて否定判定をした場合には、すなわち、ステップS1101〜S1110の処理にて保留カウンタHCの値が変更されなかった場合には、そのまま本保留数表示更新処理を終了する。
一方、ステップS1113にて肯定判定をした場合には、ステップS1114の下側作動口用の保留数表示変更処理を実行した後、本保留数表示更新処理を終了する。保留数表示変更処理では、変更された保留カウンタHCの値に合わせて、表示画面77の保留数表示領域LEに表示されている保留数の値を変更するうように図柄表示装置76を制御する。
再び図20に戻り、ステップS1003の保留数表示更新処理を実行した後は、ステップS1004に進む。ステップS1004では、開閉実行モードに合わせて実行している開閉実行モード対応演出の切替タイミングであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から音声ランプ制御装置143を経由して上記エンディングコマンドが入力されているか否かを判定する。当該ステップS1004にて肯定判定をした場合には、ステップS1005の停止図柄決定処理へと進む。
<開閉実行モード中の最終停止図柄決定処理>
ここで、図22を参照して開閉実行モード中の最終停止図柄決定処理について説明する。最終停止図柄決定処理は、上述した開閉実行モード終了時に合わせてダミー変動表示を終了する際に停止させる図柄を決定するための処理である。
本停止図柄決定処理においては先ず、ステップS1201にて今回の下側可変入球部64に係る開閉実行モードが明示2R確変大当たりに対応したものであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から音声ランプ制御装置143を経由して入力された種別コマンドが、明示2R確変大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1202に進み、明示2R確変大当たりに対応した停止図柄の設定処理を行った後、本最終停止図側決定処理を終了する。ステップS1202の処理では、左:3、中:5、右:7の図柄の組み合わせに対応する停止図柄フラグをRAM624の各種フラグ格納エリア624aに格納する。上述した図柄の組み合わせは明示2R確変大当たりを示唆する図柄の組み合わせであり、当該図柄の組み合わせを表示することで、遊技者やホール管理者等が明示2R確変大当たりに当選したことを把握することが可能となる。
一方、ステップS1201にて否定判定をした場合には、ステップS1203に進む。ステップS1203においては、今回の下側可変入球部64に係る開閉実行モードが2R通常大当たりに対応したものであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から音声ランプ制御装置143を経由して入力された種別コマンドが、2R通常大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ステップS1203にて肯定判定をした場合には、ステップS1204に進み、2R通常大当たりに対応した停止図柄の設定処理を行った後、本最終停止図柄決定処理を終了する。ステップS1204の処理では、左:2、中:4、右:6の図柄の組み合わせに対応する停止図柄フラグをRAM624の各種フラグ格納エリア624aに格納する。上述した図柄の組み合わせは2R通常大当たりを示唆する図柄の組み合わせであり、当該図柄の組み合わせを表示することで、遊技者やホール管理者等が2R通常大当たりに当選したことを把握することが可能となる。
一方、ステップS1203にて否定判定をした場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では、上記入賞カウンタICが「0」よりも大きいか否かが判定される。言い換えれば、下側可変入球部64の開放時に下側大入賞口355への入賞が発生したか否を判定する。
ステップS1205にて否定判定をした場合には、すなわち非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となった場合であって且つ下側大入賞口355への入賞が発生しなかった場合には、ステップS1206に進む。ステップS1206では、各大当たり結果及び特別外れ結果に非対応となる停止図柄の設定処理を実行する。具体的には、ROM623の各種テーブル記憶エリア623aに格納された、完全外れ図柄選択用テーブルを参照し、各大当たり及び特別外れ結果に対応する図柄とならないようにして最終停止図柄を選択する。そして、このようにして選択した図柄の組み合わせに対応する停止図柄フラグをRAM624の各種フラグ格納エリア624aに格納する。これにより、最終停止図柄を見ても、遊技結果が非明示2R確変大当たりに移行したか否かを判断することが困難となる。
一方、ステップS1205にて肯定判定をした場合には、ステップS1207に進む。ステップS1207では、今回の下側可変入球部64に係る開閉実行モードが非明示2R確変大当たりに対応したものであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から音声ランプ制御装置143を経由して入力された種別コマンドが、非明示2R確変大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ステップS1207にて肯定判定をした場合には、ステップS1208に進み、非明示2R確変大当たりに対応した停止図柄の設定処理を行った後、本最終停止図柄決定処理を終了する。ステップS1207の処理では、左:3、中:5、右:7の図柄の組み合わせに対応する停止図柄フラグをRAM624の各種フラグ格納エリア624aに格納する。上述した図柄の組み合わせは非明示2R確変大当たりを示唆する図柄の組み合わせであり、当該図柄の組み合わせを表示することで、遊技者やホール管理者等が非明示2R確変大当たりに当選したことを把握することが可能となる。
一方、ステップS1207にて否定判定をした場合には、すなわち今回の下側可変入球部64に係る開閉実行モードが特別外れに対応したものである場合には、ステップS1209に進み、特別外れに対応した停止図柄の設定処理を行った後、本最終停止図柄決定処理を終了する。ステップS1209の処理では、左:3、中:4、右:7の図柄の組み合わせに対応する停止図柄フラグをRAM624の各種フラグ格納エリア624aに格納する。上述した図柄の組み合わせは特別外れを示唆する図柄の組み合わせであり、当該図柄の組み合わせを表示することで、遊技者やホール管理者等が特別外れとなったことを把握することが可能となる。
以上、ステップS1202,S1204,S1206,S1208,S1209の処理を実行した後は、本最終停止図柄決定処理を終了する。
ステップS1005の最終停止図柄決定処理を実行した後は、ステップS1006の入賞対応演出開始処理を実行する(図20参照)。入賞対応演出開始処理は、開閉実行モード中に下側大入賞口355への入賞等に応じて同開閉実行モード中に実行する演出を入賞発生に対応したものに切り替える処理である。ここで、図23を参照して当該入賞対応演出開始処理について説明する。
入賞対応演出処理においては、先ずステップS1301にてRAM624の各種カウンタ格納エリア624bに設けられた上記ダミーカウンタDCの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS1301にて肯定判定をした場合、すなわち演出切替タイミングにて主表示装置69(主表示部D)の保留数表示部HLに表示されている保留数と図柄表示装置76(表示画面77)の保留数表示領域LEに表示されている保留数とが同一である場合には、上記ステップS1002にて設定された演出を継続するべくそのまま本入賞数対応演出開始処理を終了する。
一方、ステップS1301にて否定判定をした場合にはステップS1302に進む。ステップS1302では、ダミーカウンタDCの値が「1」であるか否かを判定する。ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1303にてダミー保留数が「1」であることに対応する1個対応分割演出設定処理を実行する。
1個対応分割演出設定処理においては、上記ステップS1002にて設定された演出を終了した後、すなわち中図柄の変動表示を停止した後、開閉実行モードにおける残余期間を利用して、1度の変動表示を実行する。具体的には、ステップS1002による中図柄の変動表示を、同右図柄、中図柄、左図柄の組み合わせが各種大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応していない図柄となるようにして中図柄の変動表示を停止させ、その後、左,中,右の各図柄列の変動表示を開始する。そして、上述した最終停止図柄決定処理にて決定された最終停止図柄を開閉実行モードが終了するタイミングにて停止表示するように図柄表示装置76を制御する。
ステップS1302にて否定判定をした場合には、ステップS1304に進む。ステップS1304ではダミーカウンタDCの値が「2」であるか否かを判定する。ステップS1304にて肯定判定をした場合には、ステップS1305にてダミー保留数が「2」であることに対応する2個対応分割演出設定処理を実行する。
2個対応分割演出設定処理においては、上記ステップS1002にて設定された演出を終了した後、すなわち中図柄の変動表示を停止した後、開閉実行モードにおける残余期間を利用して、2度の変動表示を実行する。具体的には、ステップS1002による中図柄の変動表示を、左図柄、中図柄、右図柄の組み合わせが各種大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応していない図柄となるようにして中図柄の変動表示を停止させ、その後、左,中,右の各図柄列の変動表示(1度目の変動表示)を開始する。そして、上記残余期間中に1度目の変動表示を停止し、2度目の変動表示を行う。この1度目の変動表示の停止時には、上記ステップS1002に基づく変動表示の停止時と同様に、左図柄、中図柄、右図柄の組み合わせが各種大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応していない図柄となるようにして中図柄の変動表示を停止させる。この変動表示及び停止図柄の決定に際しては、ROM623の各種テーブル記憶エリア623aに記憶された変動表示パターン記憶テーブル及び各種外れ図柄記憶テーブルが参照される。つまり、1度目の変動表示を行う際に活用される各種テーブルについては、通常時に参照されるものが流用されている。1度目の変動表示を停止した後、2度目の変動表示を開始し、上述した最終停止図柄決定処理にて決定された最終停止図柄を開閉実行モードが終了するタイミングにて停止表示するように図柄表示装置76を制御する。
ステップS1304にて否定判定をした場合には、ステップS1306に進む。ステップS1306ではダミーカウンタDCの値が「3」であるか否かを判定する。ステップS1306にて肯定判定をした場合には、ステップS1307にてダミー保留数が3個であることに対応する3個対応分割演出設定処理を実行する。
3個対応分割演出設定処理においては、上記ステップS1002にて設定された演出を終了した後、すなわち中図柄の変動表示を停止した後、開閉実行モードにおける残余期間を利用して、3度の変動表示を実行する。具体的には、ステップS1002による中図柄の変動表示を、左図柄、中図柄、右図柄の組み合わせが各種大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応していない図柄となるようにして中図柄の変動表示を停止させ、その後、左,中,右の各図柄列の変動表示(1度目の変動表示)を開始する。そして、上記残余期間中に1度目の変動表示を停止して2度目の変動表示を行い、その後、2度目の変動表示を同残余期間中に停止する。これら1度目及び2度目の変動表示の停止時には、上記ステップS1002に基づく変動表示の停止時と同様に、左図柄、中図柄、右図柄の組み合わせが各種大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応していない図柄となるようにして中図柄の変動表示を停止させる。この変動表示及び停止図柄の決定に際しては、ROM623の各種テーブル記憶エリア623aに記憶された変動表示パターン記憶テーブル及び各種外れ図柄記憶テーブルが参照される。つまり、1度目及び2度目の変動表示を行う際に活用される各種テーブルについては、通常時に参照されるものが流用されている。2度目の変動表示を停止した後、3度目の変動表示を開始し、上述した最終停止図柄決定処理にて決定された最終停止図柄を開閉実行モードが終了するタイミングにて停止表示するように図柄表示装置76を制御する。
一方、ステップS1306にて否定判定をした場合には、すなわちダミーカウンタDCの値が「4」である場合には、ステップS1308に進む。ステップS1308ではダミー保留数が4個であることに対応する4個対応分割演出設定処理を実行する。
4個対応分割演出設定処理においては、上記ステップS1002にて設定された演出を終了した後、すなわち中図柄の変動表示を停止した後、開閉実行モードにおける残余期間を利用して、4度の変動表示を実行する。具体的には、ステップS1002による中図柄の変動表示を、左図柄、中図柄、右図柄の組み合わせが各種大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応していない図柄となるようにして中図柄の変動表示を停止させ、その後、左,中,右の各図柄列の変動表示(1度目の変動表示)を開始する。そして、上記残余期間中に1度目の変動表示を停止して2度目の変動表示を行い、その後、2度目の変動表示を同残余期間中に停止する。更に、2度目の変動表示を停止した後、3度目の変動表示を開始し、上記残余期間中に3度目の変動表示を停止する。これら1度目〜3度目の変動表示の停止時には、上記ステップS1002に基づく変動表示の停止時と同様に、左図柄、中図柄、右図柄の組み合わせが各種大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応していない図柄となるようにして中図柄の変動表示を停止させる。この変動表示及び停止図柄の決定に際しては、ROM623の各種テーブル記憶エリア623aに記憶された変動表示パターン記憶テーブル及び各種外れ図柄記憶テーブルが参照される。つまり、1度目〜3度目の変動表示を行う際に活用される各種テーブルについては、通常時に参照されるものが流用されている。3度目の変動表示を停止した後、4度目の変動表示を開始し、上述した最終停止図柄決定処理にて決定された最終停止図柄を開閉実行モードが終了するタイミングにて停止表示するように図柄表示装置76を制御する。
以上詳述したステップS1303,S1305,S1307,S1308の各種設定処理を実行した後は、本入賞数対応演出開始処理を終了する。
ここで、ステップS1303,S1305,S1307,S1308の各種設定にて実行される変動表示の期間について補足説明する。本実施の形態においては、上述したように保留数に応じて変動表示が実行される期間を変更させる機能、詳しくは保留数が多くなるにつれて変動表示が実行される期間を短縮する時短機能が付与されている。上記各ステップS1303,S1305,S1307,S1308にて実行される変動表示についても同様の時短機能が付与されている。
例えば、ステップS1305の2個対応分割演出実行処理においては、1度目の変動表示に要する期間は、2度目の変動表示に要する期間よりも短く設定されている。つまり、上記残余期間は1度目の変動表示期間及び2度目の変動表示期間は均等ではなく、前者が後者よりも短く設定されている。同ステップS1305においては、2度目の変動表示の停止結果によって大当たり等の発生が報知されることがある。そこで、上述の如く2度目の変動表示期間を完全外れ前提の1度目の変動表示期間よりも長く設定しておくことで、リーチ表示等の演出を好適に行うことが可能となっている。
再び、図20へ戻り、上記入賞数対応演出開始処理を実行した後、又はステップS1004にて否定判定をした場合には、続くステップS1007に進む。ステップS1007では、開閉実行モードの終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、表示制御装置620には上述したエンディングコマンドを受信した場合に、RAM624の各種カウンタエリアに設けられた終了タイミング用カウンタに予め定められた数(開閉実行モード終了に対応させて予め設定された数)をセットし、ステップS1004にて否定判定をするたびに上記終了タイミング用カウンタを減算し、同終了タイミング用カウンタの値が「0」となった場合に、ステップS1007にて肯定判定をする。
ステップS1007にて肯定判定をした場合には、続くステップS1008にて入賞カウンタICの値及びダミーカウンタDCの値を「0」にリセットして、本表示用処理を終了する。
<開閉実行モードにおける演出の例示>
次に、図24〜図27のタイミングチャートを参照して、開閉実行モード中に実行される各種演出の具体例、詳しくは主制御装置162の当否抽選により非明示2R確変大当たりに当選した場合に実行される演出の具体例について説明する。図24〜図27の(a)はパチンコ機10にて実行されているモードを示し、(b)は下側可変入球部64(下側大入賞口355)の開閉状態を示し、(c)は検知センサ151dからの検知信号を示し、(d)は入賞カウンタICの値を示し、(e)はダミーカウンタDCの値を示し、(f)は主表示装置69の下作動保留数表示部HLに表示されている保留数を示し、(g)は図柄表示装置76の保留数表示領域LEに表示されている保留数を示し、(h)は主表示装置69における下側作動入球部用表示部DLの表示状態を示し、(i)は図柄表示装置76の表示画面77における図柄の表示態様を示している。
先ず、図24のタイミングチャートを参照し、開閉実行モード中に下側大入賞口355への入賞が発生しなかった場合について説明する。
パチンコ機10が低確率モードである場合に下側作動入球部63(下側作動口305)への入賞が発生すると、同入賞に基づいて大当たり等の抽選が実行される。その結果、非明示2R確変大当たりに当選した場合には、同抽選結果に対応する遊技回の終了後に開閉実行モードを経由して高確率モードへと移行される。
具体的には、非明示2R確変大当たり結果に対応する遊技回での図柄の変動表示が開始された後には、非明示2R確変大当たり結果に対応した絵柄を構成する左図柄として同左図柄の変動表示領域に「3」が停止表示される。その後、ta1のタイミングにて右図柄の変動表示領域に非明示2R確変大当たり結果に対応した絵柄を構成する左図柄として「7」が停止表示され、図柄表示装置76の表示画面77にて中図柄が変動表示される。続くta2のタイミングにて中図柄に「6」が停止し、表示画面77に大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応しない絵柄が表示される。また、ta2のタイミングにおいては、それまで変動表示(点滅表示)していた主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLが非明示2R確変大当たり結果に対応した色で点灯することとなる。
このように下側作動入球部用表示部DLが非明示2R確変大当たり結果に対応した色で点灯した後、上述した開閉実行モードへと移行する。開閉実行モードへ移行すると、上述の如く停止表示された中図柄の変動表示が再開される。つまり、左図柄の変動表示領域に「3」図柄が停止表示され、右図柄の変動表示領域に「7」図柄が停止表示された状態にて、中図柄の変動表示が再開される。中図柄の変動表示態様としては、例えば表示されている図柄に付された数が徐々に増加したり減少したりするようにして図柄が上下に揺動するものがある。但し、このように表示画面77における図柄の変動表示が再開された場合であっても、下側作動入球部用表示部DLが非明示2R確変大当たり結果に対応した色で点灯したまま維持されることとなる。
開閉実行モードへの切替タイミングから所定の期間が経過したta3のタイミングでは下側可変入球部64(詳しくは電動役物371)が動作して下側大入賞口355が開放される。これにより、下側大入賞口355への入球が許容される。ta3のタイミングから所定の期間(本実施の形態においては0.2sec)が経過したta4のタイミングでは下側可変入球部64が元の状態に復帰して下側大入賞口355が閉鎖される。これにより、下側大入賞口355への入球が不可となる。
続くta5のタイミングにて再び下側大入賞口355が開放され、その後のta6のタイミングにて同下側大入賞口355が閉鎖される。
このように本実施の形態においては、非明示2R確変大当たりに当選した場合には、下側大入賞口355が2度開放され、係る下側大入賞口355の開放期間内にて、同下側大入賞口355への入賞が発生したか否かによって、図柄表示装置76(表示画面77)におけるその後の演出態様が変化することとなる。
図24に示す具体例においては、下側大入賞口355への入賞が発生していないため、ta6のタイミング以降も、上述した中図柄の変動表示が継続されることとなる。そして、開閉実行モードが終了するta7のタイミングにて中図柄が停止表示される。詳しくは、中図柄に「6」が停止し、表示画面77に大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応しない図柄の組み合わせ(すなわち完全外れに対応する図柄の組み合わせ)が停止表示されることとなる。また、同ta7のタイミングにて遊状状態が高確率モードへと移行されるが、上述した停止絵柄に基づいて同高確率モードへの移行を判断することが困難なる。つまり、開閉実行モード中に下側大入賞口355への入賞が発生しなかった場合には、図柄表示装置76(表示画面77)において高確率モードへの移行の示唆が回避される。このため、同図柄表示装置76の表示内容を参照して高確率モードへの移行に当選している否かを把握することが困難となる。
以上詳述した図24の具体例においては、開閉実行モード中に下側大入賞口355への入賞が発生しなかった場合について説明したが、以下の説明では図25に基づき開閉実行モード中に下側大入賞口355への入賞が発生した場合の演出について説明する。
tb1のタイミング〜tb3のタイミングにおける開閉実行モードへの移行時の図柄の表示態様ついては、上記ta1のタイミング〜ta3のタイミングにおける図柄の表示態様と同様であるため、詳細な説明を省略する。
下側大入賞口355が開放されている期間中のtb4のタイミングにて同下側大入賞口355へ遊技球が流入すると、検知センサ151dによって同入球が検知される。具体的には、検知センサ151dから主制御装置162に出力される検知信号が一時的にLOWレベルからHIレベルに切り変わる。これにより、主制御装置162にて下側大入賞口355への入賞が発生したと判定される。
主制御装置162にて入賞が発生したと判定されると、同主制御装置162から表示制御装置620へと下側大入賞口355への入賞に対応する入賞コマンドが出力される。表示制御装置620にて同入賞コマンドが受信されると、同表示制御装置629に設けられた入賞カウンタICの値が「1」加算されるとともに、保留カウンタHCの値が「1」加算される。詳しくは、入賞カウンタICの値が「0」から「1」に変更されるとともに、図柄表示装置76(表示画面77)の保留数表示領域LEに表示されている保留数が「2」から「3」に変更されることとなる。
また、下側大入賞口355への入賞によって保留数が増加することに伴って、表示制御装置620に設けられた上記ダミーカウンタDCの値が「0」から「1」に更新される。
但し、tb4のタイミングにて保留数表示領域LEに表示されている保留数(保留カウンタHCの値)が変更された場合であっても、主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLに表示されている保留数は変更されることなく、下側大入賞口355への入賞発生前のまま(「2」のまま)維持される。
tb3のタイミングから所定期間(0.2sec)が経過したtb5のタイミングにて下側大入賞口355が閉鎖されると、下側大入賞口335への遊技球の流入が不可となる。tb5のタイミングにて1度目の開放が終了した後、予め定められた期間が経過したtb6のタイミングにおいては下側大入賞口355が再度開放される。
下側大入賞口355が開放されているtb7のタイミングにて当該下側大入賞口355への入賞が発生すると、入賞カウンタICの値が「1」から「2」に変更されるとともに保留カウンタHCの値が「3」から「4」に変更され、更にはダミーカウンタDCの値も「1」から「2」に変更される。特に、保留カウンタHCの値が「3」から「4」に変更されることで、保留数表示領域LEに表示されている保留数も「3」から「4」に変更されることとなる。
但し、tb7のタイミングにて保留数表示領域LEに表示されている数(保留カウンタHCの値)が変更された場合であっても、主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLに表示されている保留数は「2」のまま維持される。
tb6のタイミングから所定期間(0.2sec)が経過したtb8のタイミングであって、下側大入賞口355が閉鎖されるタイミングにてダミーカウンタDCの値が「0」でない場合には、当該tb8のタイミングの直後に表示画面77における図柄の変動表示が停止されることとなる。具体的には、例えば中図柄に「6」が停止し、表示画面77に大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応しない絵柄が表示されることとなる。そして、同tb8のタイミングの直後に全図柄の変動表示が再開される。つまり、あたかもtb1から継続していた遊技回が終了し、次の遊技回へ移ったかのようにして変動表示が実行される。このタイミングにおいては、図柄の変動表示が開始されることに合わせて、保留数表示領域LEに表示されている数が「4」→「3」に変更される。
但し、tb8のタイミングにて保留数表示領域LEに表示されている数(保留カウンタHCの値)が変更された場合であっても、主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLに表示されている保留数は「2」のまま維持される。
続くtb9のタイミングでは、図柄の変動表示が再度停止される。具体的には、表示画面77に大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応しない絵柄が停止表示される。そして図柄が停止表示された直後のタイミングにて、図柄の変動表示が再開される。この際、保留数表示領域LEに表示されている数が「3」→「2」に変更される一方で、主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLに表示されている保留数は「2」のまま維持されることにより、同保留数表示領域LEに表示されている保留数と下側作動入球部用表示部DLに表示されている保留数とが一致することとなる。
tb9のタイミングの直後から開始される絵柄の変動表示は、開閉実行モードが終了するtb10のタイミングにて停止される。詳しくは、開閉実行モード中の下側大入賞口355への入賞(入賞カウンタICの値が「0」から変更されていること)に基づき、左図柄の変動表示領域に「3」図柄、中図柄の変動表示領域に「5」図柄、右図柄の変動表示領域に「7」図柄がそれぞれ停止表示される。係る図柄の組み合わせ(絵柄)は、非明示2R確変大当たり結果に対応する絵柄であり、当該絵柄によって高確率モードへの移行が報知されることとなる。
tb10のタイミングの直後に再び図柄の変動表示が開始されるが、この際、保留数表示領域LEに表示されている数が「2」→「1」に変更されるとともに、下側作動入球部用表示部DLに表示されている数が「2」→「1」に変更される。
以上詳述した具体例については下側大入賞口355への入賞に基づいて増加する保留数が保留カウンタHCにてカウンタ可能な範囲内となる場合の演出について説明したが、次に図26のタイミングチャートを参照して、開閉実行モード中に入賞が発生した場合であって保留カウンタHCにて保留可能な上限を超えた入賞が発生した場合の演出について説明する。
tc1のタイミング〜tc3のタイミングにおける図柄の表示態様ついては、上記tc1のタイミング〜tc3のタイミングにおける図柄の表示態様と同様であるため、詳細な説明を省略する。
下側大入賞口355が開放されている期間中のtc4のタイミングにて同下側大入賞口355へ遊技球が流入すると、検知センサ151dによって同入球が検知され、同検知センサ151dから主制御装置162に出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り変わる。これにより、主制御装置162にて下側大入賞口355への入賞が発生したと判定される。
主制御装置162にて入賞が発生したと判定されると、同主制御装置162から表示制御装置620に下側大入賞口355への入賞に対応した入賞コマンドが出力される。表示制御装置620にて同入賞コマンドが受信されると、入賞カウンタICの値が「0」から「1」に更新されるとともに、保留カウンタHCの値が「2」から「3」に更新される。更に、上記図24及び図25の例と同様に、入賞カウンタICの増加及び保留カウンタHCの増加を条件として、ダミーカウンタDCの値が「0」から「1」に更新される。
特に、保留カウンタHCの値が「2」から「3」へ更新されることに伴って、図柄表示装置76(表示画面77)の保留数表示領域LEに表示されている保留数が「2」から「3」に変更されることとなる。
また、続くtc5のタイミングにて下側大入賞口355へ遊技球が流入すると、検知センサ151dによって同入球が検知され、tc4のタイミングと同様に、表示制御装置620に入賞コマンドが出力される。表示制御装置620にて同入賞コマンドが受信されると、入賞カウンタICの値が「1」から「2」に更新されるとともに保留カウンタHCの値が「3」から「4」に更新される。更に、入賞カウンタICの値の増加及び保留カウンタHCの値の増加を条件として、ダミーカウンタDCの値が「1」から「2」に更新される。
特に、保留カウンタHCの値が「3」から「4」へ更新されることに伴って、図柄表示装置76(表示画面77)の保留数表示領域LEに表示されている保留数が「3」から「4」に変更されることとなる。
但し、tc4のタイミング及びtc5のタイミングにて保留数表示領域LEに表示されている数(保留カウンタHCの値)が変更された場合であっても、主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLに表示されている保留数は「2」のまま維持される。
続くtc6のタイミングにて下側大入賞口355が閉鎖されてから所定の期間が経過したtc7のタイミングでは下側大入賞口355が再度開放される。下側大入賞口355が開放された後のtc8のタイミングにて同下側大入賞口355へ遊技球が流入すると、検知センサ151dによって同入球が検知され、tc4のタイミングやtc5のタイミングと同様に、表示制御装置620に入賞コマンドが出力される。表示制御装置620にて同入賞コマンドが受信されると、入賞カウンタICの値が「2」→「3」に加算される一方、保留カウンタHCの値は上限としての「4」のまま維持されることとなる。このように、保留カウンタHCの値が増加しないため、ダミーカウンタDCの値も「2」のまま維持され、更には図柄表示装置76(表示画面77)の保留数表示領域LEに表示されている数についても「4」のまま維持されることとなる。
また、tc8のタイミングにて下側大入賞口355への入賞が発生しても、主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLに表示されている保留数は「2」のまま維持される。
このように、下側大入賞口355への入賞が発生し、それに伴って保留カウンタHCの値及びダミーカウンタDCの値が加算された場合には、下側大入賞口355が閉鎖されるtc9のタイミングにて表示画面77における図柄の変動表示が停止される。具体的には、例えば中図柄の変動表示領域に「6」図柄が停止し、表示画面77に大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応しない絵柄が表示されることとなる。そして、同tc9のタイミングの直後に全図柄の変動表示が再開される。つまり、あたかも次の遊技回へ移ったかのようにして変動表示が実行される。このタイミングにおいては、図柄の変動表示が開始されることに合わせて、保留カウンタHCの値が「1」減算されるとともに保留数表示領域LEに表示されている数が「4」→「3」に変更される。
続くtc10のタイミングでは、図柄の変動表示が再度停止される。具体的には、表示画面77に大当たり結果及び特別外れ結果のいずれにも対応しない絵柄が停止表示されることとなる。そして図柄が停止表示された直後のタイミングにて、図柄の変動表示が再開される。この際、保留カウンタHCの値が「1」減算されるとともに保留数表示領域LEに表示されている数が「3」→「2」に変更され、当該保留数表示領域LEに表示されている数と主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLに表示されている数とが一致することとなる。
tc10のタイミングの後に実行される絵柄の変動表示は、開閉実行モードが終了するtc11のタイミングにて停止される。詳しくは、開閉実行モード中の下側大入賞口355への入賞に基づき入賞カウンタICの値が変更されたことに基づいて、左図柄における「3」図柄、中図柄列における「5」図柄、右図柄における「7」図柄がそれぞれ停止表示される。係る図柄の組み合わせは、非明示2R確変大当たり結果に対応する絵柄であり、高確率モードへの移行が報知されることとなる。また、同tc10のタイミングにおいては、上述した入賞カウンタICの値及びダミーカウンタDCの値がそれぞれリセットされる(すなわち「0」に変更される)。
tc11のタイミングの直後に再び図柄の変動表示が開始されるが、この際、保留数表示領域LEに表示されている数が「2」→「1」に変更されるとともに、下側作動入球部用表示部DLに表示されている数が「2」→「1」に変更される。
次に、図27のタイミングチャートを参照して、開閉実行モード中に下側大入賞口355及び下側作動口305への入賞が発生した場合について説明する。
tc1のタイミング〜tc3のタイミングにおける図柄の表示態様ついては、上記tc1のタイミング〜tc3のタイミングにおける図柄の表示態様と同様であるため、詳細な説明を省略する。
開閉実行モードに移行され、下側大入賞口355が開放されている期間中のtd4のタイミングにて同下側大入賞口355への遊技球が流入すると、検知センサ151dによって同入球が検知され、同検知センサ151dから主制御装置162に出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り変わる。これにより、主制御装置162にて下側大入賞口355への入賞が発生したと判定される。
主制御装置162にて入賞が発生したと判定されると、同主制御装置162から表示制御装置620に入賞コマンドが出力される。表示制御装置620にて同入賞コマンドが受信されると、入賞カウンタICの値が「0」から「1」に加算されるとともに保留カウンタHCの値が「3」から「4」に加算される。これに伴って、図柄表示装置76(表示画面77)の保留数表示領域LEに表示されている保留数が「3」→「4」に変更される。但し、このような変更が行われた場合であっても主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLに表示されている保留数は「3」のまま維持される。
続くtd5のタイミングにて下側大入賞口355が閉鎖された後(すなわち下側大入賞口355への入賞が発生した後)のtd6のタイミングにて下側作動口305へ遊技球が流入すると、検知センサ151bによって検知され、主制御装置162から表示制御装置620に下側作動口305への入賞に対応する入賞コマンドが出力される。表示制御装置620にて同入賞コマンドが受信されると、ダミーカウンタDCの値が「1」→「0」に減算されるとともに、保留カウンタHCの値及び保留数表示領域LEに表示される数はともに「4」のまま維持される。一方、図柄表示装置76(表示画面77)の保留数表示領域LEに表示されている数は「3」→「4」に加算されることとなる。
続くtd7のタイミングにて下側大入賞口355が再度開放され、td7のタイミングから所定の期間が経過したtd8のタイミングにおいては、下側大入賞口355が閉鎖される。上述の如く、ダミーカウンタDCの値が「0」となっている場合には、td8のタイミング以降も、上述した中図柄の変動表示が継続されることとなる。そして、開閉実行モードが終了するta9のタイミングにて中図柄が停止表示される。詳しくは、開閉実行モード中の下側大入賞口355への入賞に基づき入賞カウンタICの値が変更されたことに基づいて、左図柄における「3」図柄、中図柄列における「5」図柄、右図柄における「7」図柄がそれぞれ停止表示される。係る図柄の組み合わせは、非明示2R確変大当たり結果に対応する絵柄であり、高確率モードへの移行が報知されることとなる。また、同tc10のタイミングにおいては、上述した入賞カウンタICの値及びダミーカウンタDCの値がそれぞれリセットされる(すなわち「0」に変更される)。
td9のタイミングの直後に再び図柄の変動表示が開始されるが、この際、保留数表示領域LEに表示されている数(保留カウンタHCの値)が「4」→「3」に変更されるとともに、下側作動入球部用表示部DLに表示されている数が「4」→「3」に変更される。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
開閉実行モードにおける入球発生頻度が相違するようにして15R大当たり及び2R大当たりを設定し、15R大当たりに対応する開閉実行モードに要する期間と、2R大当たりに対応する開閉実行モードに要する期間とに差違を設けた。これにより、遊技状態の移行契機を多様化し、すなわち開閉実行モードを経由した遊技状態の変化(各種モードの切替態様)を多様なものとし、遊技機の興趣向上に貢献している。また、2R大当たりに対応する開閉実行モードを経由して遊技状態を移行することで、遊技者へ払い出される遊技球の極端な増加を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することにより、遊技状態の移行契機を多様化することが可能となっている。
特に、2R大当たりについては、当該2R大当たりに対応した開閉実行モードに要する期間が、15R大当たりに対応した開閉実行モードに要する期間に比べて極めて短くなっており、遊技者に対して突如として遊技状態(例えば高確率モード/低確率モード)が変化したかのような印象を与えることができる。
2R大当たりとなった場合には、15R大当たりとなった場合と比較して、開閉実行モードに要する期間が短くなるため、ホール管理者が遊技状態の変化を把握しにくくなることが懸念される。この点、本実施の形態においては、2R大当たりとなった場合に下側可変入球部64を動作させることにより、遊技状態の変化が正規のものであるかの確認をホール管理者が例えば目視で簡易的に行うことが可能となっている。
しかしながら、遊技状態を変化させる際に、2R大当たりを経由する構成においては、開閉実行モード中における可変入球部の動きが目に付くと、大当たりとなったにも関わらず、可変入球部への入球が難しいとの印象を遊技者に与える可能性があり、ひいては遊技者に損失感を与えやすくなると懸念される。このため、遊技状態の移行契機の多様化によって遊技機における興趣向上に貢献しようとしても、同効果を好適に発揮させることが困難になると想定される。
この点、本実施の形態においては、15R大当たり用の右側可変入球部66と2R大当たり及び特別外れ用の下側可変入球部64とを別個独立して設けるとともに、遊技者にとって不利となる下側可変入球部64については右側可変入球部66よりも右側作動入球部65との識別性を低く設定する構成とした。これにより、2R大当たり等に当選して下側可変入球部64が動作したとしても、遊技者に対してあたかも作動入球部が動作したかのような印象を与えることができる。故に、下側可変入球部64の開放動作を見た遊技者に損失感を与えにくくすることができ、遊技の多様化によって遊技機における興趣向上効果を好適に発揮させることが可能となっている。
特に、右側可変入球部66においては当該右側可変入球部66の入口部位を覆うようにして1の可動片472を配置しているのに対して、右側作動入球部65及び下側可変入球部64が各入球部64,65の入口部分を挟むようにして1組の可動片272,273,372,373を配置している。これにより、外観に基づく下側可変入球部64と右側作動入球部65との識別性を右側可変入球部66と右側作動入球部65との識別性よりも低下させ、上述した興趣向上効果を一層好適に発揮させることが可能となっている。
また、右側作動入球部65及び下側可変入球部64においては付随する各可動片272,273,372,373が互いに近づく側及び遠ざかる側に移動させることにより開閉切替を行う構成を採用したのに対して、右側可変入球部66においては付随する可動片472を入口部位を覆う位置に近づく側及び遠ざかる側に移動させることにより、開閉切替を行う構成を採用した。これにより、動きに基づく下側可変入球部64と右側作動入球部65との識別性を右側可変入球部66と右側作動入球部65との識別性よりも低下させ、上述した興趣向上効果を一層好適に発揮させることが可能となっている。
特に、下側可変入球部64の開閉切替態様と右側作動入球部65の開閉切替態様とを同様とすることにより、下側可変入球部64と右側作動入球部65との識別性の更なる低下に貢献している。
以上詳述したように、下側可変入球部64と右側作動入球部65との識別性を右側可変入球部66と右側作動入球部65との識別性よりも低下させるには、下側可変入球部64及び右側作動入球部65の外観上の識別性と動きに基づく識別性を低下させることが望ましい。しかしながら、右側作動入球部65の切替態様として低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている場合、仮に高頻度サポートモードに合わせて下側可変入球部64の切替態様を設定すると、同下側可変入球部64の切替動作が目立ちやすくなり、上述した効果が薄れやすくなると想定される。この点、下側可変入球部64の動作態様を右側作動入球部65における低頻度サポートモードでの動作態様と同様となるように設定することにより、そのような不都合の発生を抑え、実用上好ましい構成を実現できる。
特に、下側可変入球部64への入球に基づいて図柄表示装置76における図柄の変動表示を行う構成においては、下側可変入球部64への過度の入賞の発生は、無意味に図柄変動表示を増やすこととなり、遊技進行の妨げとなり得る。この点からも、低頻度サポートモードの動作態様に合わせて下側可変入球部64の動作態様を設定することが好ましい。
開閉実行モード中に下側可変入球部64への入賞が発生した際に、同入賞に基づいて図柄表示装置76における図柄の変動表示が実行可能となっている。これにより、下側可変入球部64と右側作動入球部65との識別性を一層好適に低下させることができる。
下側可変入球部64への入賞に基づいて実行される図柄の変動表示については、通常遊技状態にて図柄の変動表示態様を決定する際に使用される変動表示用のテーブルを参照する構成となっている。これにより、構成の複雑化を抑えつつ、上述した各種効果を発揮させることができる。
また、下側可変入球部64への入賞発生時には、同入賞に基づいて図柄表示装置76の保留数表示領域LEに表示されている保留数を更新可能となっている。つまり、表示されている保留数が上限「4」に達していない場合には、下側可変入球部64への入賞をあたかも作動入球部への入賞であるかのように表示することが可能となっている。これにより、下側可変入球部64と右側作動入球部65との識別性の低下を促進することが可能となっている。
仮に、下側可変入球部64への入球に基づいて保留数表示領域LEに表示されている保留数が変更された場合であって且つ同表示されている保留数が上限「4」に達している場合であっても、下側作動入球部63への入球が発生した場合には、同入球が優先される構成となっている。これにより、下側可変入球部64への入球によって不利益を被るといった不都合を回避している。このような、下側作動入球部63への入球の優先に関しては、内部的な処理によって行われ、上記保留数表示領域LEに表示されている数に変化は生じない。このように表示されている保留数が不規則に変化することを回避することにより、上記不利益回避に基づく処理に起因して遊技者に違和感を与えるといった不都合を生じにくくしている。
下側可変入球部64への入賞に基づいて擬似的に発生した保留については、開閉実行モード中に消化される構成となっている。これにより、上述した識別性低下のための機能が遊技進行の妨げになることを好適に回避している。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、図柄表示装置76における図柄の変動表示を開閉実行モードへの移行タイミングにて停止させ、その後、図柄の一部を再度変動させることにより、擬似的に変動表示を継続させる構成とした。すなわち、実際には開閉実行モードへの移行タイミングにて図柄の変動表示を停止させるももの、その後、図柄の一部(詳しくは中図柄)を再度変動させることにより、開閉実行モードへの移行タイミングを跨いで変動表示が継続しているかのように見せる構成とした。
本実施の形態においては、上述した変動表示の継続に関する構成、詳しくは表示制御装置620のMPU622にて実行される変動表示制御処理が上記第1の実施の形態と相違している。ここで、図28のフローチャートを参照して、本実施の形態における変動表示制御処理について説明する。
本実施の形態における変動表示制御処理においては、主制御装置162から送信された変動用コマンドに基づき、図柄表示装置76を制御して1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置162から送信された変動終了コマンド等を受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。
図28のフローチャートに示すように、ステップS1401にて、図柄表示装置76において1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。1遊技回分の図柄の変動表示が行われていない場合にはステップS1402にて、主制御装置162から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS1403に進む。
ステップS1403では、2R大当たり又は特別外れに対応する種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1403にて否定判定をした場合、すなわち15R大当たり又は外れに対応する種別コマンドを受信している場合には、ステップS1405に進み入力されている変動用コマンド及び種別コマンドに基づいてリーチ発生の有無に関する情報や変動表示期間の情報等を特定するとともに、ROM623に格納された変動表示態様記憶テーブルを参照して、MPU622のレジスタに記憶した変動表示期間の情報と、停止情報アドレスの記憶エリアに格納した情報との両方に対応した変動表示態様の情報を設定する。
具体的には、変動表示態様記憶テーブルは、各変動表示時間の情報と各停止情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて変動表示態様の情報が設定されており、さらに各変動表示態様の情報に対応させてアドレス情報が設定されている。変動表示態様の設定処理では、変動表示態様記憶テーブルにおいて、今回既に特定されている変動表示時間の情報及び停止情報の組み合わせに対応したアドレス情報を特定し、その特定したアドレス情報を、ワークRAMに設けられたパターン情報アドレスの記憶エリアに記憶させる。
一方、ステップS1403にて肯定判定をした場合には、ステップS1406に進む。ステップS1406では、受信している変動用コマンド及び種別コマンドを参照して、変動表示時間等を特定し、この変動表示時間に開閉実行モード開始から終了までの期間を加算して変動表示期間を決定する。つまり、ステップS1405においては変動用コマンド及び種別コマンドで特定した期間をそのまま変動表示期間として採用していたのに対して、ステップS1406においては変動用コマンド及び種別コマンドで特定した期間に予め設定された期間(開閉実行モードに要する期間に相当)を加算することにより、実質的に図柄の変動表示期間が延長される構成となっている。これにより、開閉実行モードへの移行前に開始された図柄の変動表示が開閉実行モードの終了まで継続されることとなる。
なお、主制御装置162によって絵柄の表示態様が直接制御されている主表示部Dの下側作動入球部用表示部DLについては、開閉実行モードへの移行タイミングにてその変動表示が終了するため、開閉実行モード中は下側作動入球部用表示部DLの変動表示が停止し、図柄表示装置76のみが変動表示を行うこととなる。
続くステップS1407では、ROM623に格納された延長対応の変動表示態様記憶テーブルを参照して、MPU622のレジスタに記憶した変動表示期間の情報と、停止情報アドレスの記憶エリアに格納した情報との両方に対応した変動表示態様の情報を設定する。
ステップS1405又はステップS1407にて変動表示態様を決定した後は、ステップS1408に進み、変動開始用処理を実行する。変動開始用処理は、主制御装置162から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、図柄表示装置76における図柄の変動表示を開始させるための処理である。具体的には、上記パターン情報アドレスの記憶エリアに変動表示パターンのアドレス情報が記憶されることにより、MPU622では当該変動開始用処理とは異なる図示しない内部コマンドの出力処理にて、VDPに対して内部コマンドを生成し、今回設定された変動表示パターンに対応した図柄の変動表示が行われるように、図柄表示装置76を駆動させる。この場合、内部コマンドの出力処理は所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し起動されるものであり、当該内部コマンドの出力処理では、設定された変動表示パターンの情報に応じた内部コマンドを図柄の変動表示の開始からの経過時間に応じて生成し、その生成した内部コマンドをVDPに出力する。VDPでは、その内部コマンドに応じて画像データをキャラクタROMから読み出し、その読み出した画像データをビデオRAMに書き込む。これにより、図柄表示装置76において、今回設定された変動表示態様に対応した図柄の変動表示が行われる。
なお、変動表示態様記憶テーブルに記憶されている変動表示態様の情報には、図柄の変動表示の内容だけでなく、その図柄の変動表示とともに表示される背景画像の情報やリーチ演出が行われる場合におけるリーチ演出の画像の情報も含まれている。したがって、設定されている変動表示態様に対応した内部コマンドがVDPに対して出力されることにより、図柄の変動表示とともに背景画像が表示され、さらにはリーチ演出といった各種演出が行われる場合には当該演出画像が表示される。
ステップS1401にて肯定判定をした場合、すなわち1遊技回分の図柄の変動表示が行われている場合には、ステップS1409にて、変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合にはそのまま本変動表示制御処理を終了する。
一方、ステップS1409にて肯定判定をした場合には、ステップS1410に進み、今回の変動表示が2R大当たり又は特別外れに対応するものであるか否かを判定する。ステップS1410にて肯定判定をした場合には、ステップS1411に進み、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。
ステップS1411にて肯定判定をした場合、又はステップS1410にて否定判定をした場合には、ステップS1412に進み変動終了用処理を実行する。変動終了用処理では、最終停止表示コマンドの出力処理を実行する。これにより、最終停止表示コマンドがVDPに出力され、今回の遊技回における停止結果の図柄が最終停止表示される。
ステップS1412にて変動終了処理を実行した後は、本変動表示制御処理終了する。
<下側作動入球部63への入賞に基づく変動表示>
ここで、開閉実行モード中に下側作動入球部63への入賞が発生した場合の対応についても、上記第1の実施の形態における対応とは相違しており、通常時において実行される演出(詳しくは擬似連続変動演出)を利用して開閉実行モード中に下側作動入球部63への入賞に基づく図柄の変動表示を行う構成を採用している。そこで以下、擬似連続変動演出について説明し、その後、開閉実行モード中に下側作動入球部63への入賞が発生した場合の対応について説明する。
擬似連続変動演出は、作動入球部63,65への1個の遊技球の入賞に対する1回の変動表示回において、図柄の変動表示の開始と図柄の変動表示の停止とが所定の複数回に亘って繰り返し行い、最後の図柄の変動表示においてリーチ変動表示が発生する演出である。擬似連続変動演出はあくまで1変動表示回において実行される演出であり、当該擬似連続変動演出が実行されている間は変動表示が行われる毎に主表示部Dの保留数表示部HL,HRが減少することは無い。
擬似連続変動演出における大当たり発生の期待度は、1回の変動表示回における当該擬似連続変動演出の継続回数(連続回数)が多くなるにつれて大きくなるように設定されている。このため、擬似連続変動演出が発生した際には、遊技者は擬似連続変動演出の継続回数が多くなることを期待すると想定される。
上述した開閉実行モード中に下側可変入球部64への入球が発生し、上記ダミーカウンタDCの値が「0」から加算された場合には、開閉実行モード終了後に、すなわち開閉実行モード期間に亘って継続された変動表示が終了した後に、同ダミーカウンタDCに加算された数と同じ回数の擬似連続変動演出が実行される。
ダミーカウンタDCの値に基づく擬似連続変動演出に応じて、図柄表示装置76の保留数表示領域LEに表示されている数が減少するが、この際、主表示部Dの保留数表示部HLの値は維持されることとなる。
但し、開閉実行モード中の下側可変入球部64への入賞に基づいた擬似連続変動演出に関しては、1個の遊技球の入賞に対して予め設定された継続回数(本実施の形態においては1回)を上限として適用される構成となっており、仮に複数の入賞に基づいてダミーカウンタDCの値が「2」〜「4」となっている場合には複数の変動表示回に分けて擬似連続変動演出が適用される。上述したように擬似連続変動演出に関しては継続回数に応じて期待度が高まる構成となっており、特別外れ時にも擬似連続変動演出が行われる。そこで、擬似連続変動演出の継続回数に上限を設定することにより、実際の期待度と継続回数によって増大する期待度とのずれが大きくなることを回避している。
また、上記第1の実施の形態と同様に、表示制御装置620における保留カウンタHCの値が上限に達している場合であってダミーカウンタDCの値が「0」でない場合には、下側作動入球部63への入賞に基づいて、ダミーカウンタDCの値が減算され、下側可変入球部64への入賞に対して下側作動入球部63への入賞が優先される構成となっている。
<開閉実行モードに係る演出の例示>
次に、図29のタイミングチャートを参照して、開閉実行モード中に実行される各種演出の具体例、詳しくは主制御装置162の当否抽選により非明示2R確変大当たりに当選した場合に実行される演出の具体例について説明する。図29の(a)はパチンコ機10にて実行されているモードを示し、(b)は下側可変入球部64(下側大入賞口355)の開閉状態を示し、(c)は検知センサ151dからの検知信号を示し、(d)は入賞カウンタICの値を示し、(e)はダミーカウンタDCの値を示し、(f)は主表示装置69の下作動保留数表示部HLに表示されている保留数を示し、(g)は図柄表示装置76の保留数表示領域LEに表示されている保留数を示し、(h)は主表示装置69における下側作動入球部用表示部DLの表示状態を示し、(i)は図柄表示装置76の表示画面77における図柄の表示態様を示している。
パチンコ機10が低確率モードである場合に下側作動入球部63(下側作動口305)への入賞が発生すると、同入賞に基づいて大当たり等の抽選が実行されるとともに、下側作動入球部用表示部DLの変動表示(点滅表示)及び図柄表示装置76の表示画面77における図柄の変動表示が実行される。
te1のタイミングにて上記各変動表示が停止すると次の遊技回へ移り、te2のタイミングにて主表示部Dの下作動保留数表示部HLに表示されている保留数及び図柄表示装置76の保留数表示領域LEに表示されている保留数が更新される(「4」→「3」に変更される)とともに、下側作動入球部用表示部DLの変動表示(点滅表示)及び図柄表示装置76の表示画面77における図柄の変動表示が開始される。今回の遊技回に対応する上記抽選結果が、非明示2R確変大当たり当選である場合には、下側作動入球部用表示部DLの変動表示が停止したte3のタイミングにて、開閉実行モードへ移行され、その後、所定の期間を経て高確率モードへ移行される。ここで、下側作動入球部用表示部DLの変動表示が停止したte3のタイミング(すなわち開閉実行モードへの移行タイミング)においては、開閉実行モードへの移行前に開始された図柄表示装置76における図柄の変動表示が継続されることとなる。
開閉実行モードへ移行された後の、te4のタイミングにて下側大入賞口355が開放される。下側大入賞口355が開放されている期間中のte5のタイミングにて同下側大入賞口355への遊技球が流入すると、検知センサ151dによって同入球が検知され、同検知センサ151dから主制御装置162に出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り変わる。これにより、主制御装置162にて下側大入賞口355への入賞が発生したと判定される。
主制御装置162にて入賞が発生したと判定されると、同主制御装置162から表示制御装置620に入賞コマンドが出力される。表示制御装置620にて同入賞コマンドが受信されると、入賞カウンタICの値が「0」から「1」に加算されるとともに保留カウンタHCの値が「2」から「3」に加算され、更にダミーカウンタDCの値が「0」から「1」に加算される。これに伴って、図柄表示装置76(表示画面77)の保留数表示領域LEに表示されている保留数が「2」→「3」に変更される。但し、このような変更が行われた場合であっても主表示装置69の下側作動入球部用表示部DLに表示されている保留数は「2」のまま維持される。
te6のタイミングから所定の期間(具体的には0.5sec)が経過したte7のタイミングにて下側大入賞口355が再度開放され、te7のタイミングから所定の期間(具体的には0.2sec)が経過したte8のタイミングにおいては、下側大入賞口355が閉鎖される。そして、te8のタイミングから所定の期間が経過したte9のタイミングにて開放実行モードが終了し、高確率モードへと移行される。
te9のタイミングでは、開閉実行モードへの移行前から継続されている図柄の変動表示が停止する。具体的には、上述した各種大当たり及び特別外れのいずれにも対応していない完全外れ対応の図柄が停止する。例えば、左図柄列における「3」図柄、中図柄列における「6」図柄、右図柄における「7」図柄がそれぞれ停止表示される。
te9のタイミングの直後となるte10のタイミングでは、図柄表示装置76の保留数表示領域LEに表示されている保留数が「3」から「2」に変更されるとともに主表示部Dの保留数表示部HLに表示されている保留数が「2」→「1」に変更される。この際、開閉実行モード中に下側作動入球部63への入賞が発生し、それに基づいて保留数表示領域LEの値が加算されていたことを条件として、入賞カウンタICの値及びダミーカウンタDCの値が「1」から「0」に更新されるとともに図柄の変動表示(詳しくは上記擬似連続変動演出)が開始される。また、開閉実行モード中に下側作動入球部63への入賞が発生したことにより、擬似連続変動演出において最終的に停止表示される図柄の組み合わせが決定される。
te10のタイミングにて実行された擬似連続変動演出においては、順次停止する左図柄と右図柄がte2のタイミング〜te9のタイミングにて停止表示された各図柄と同様となるように設定されている。つまり、先ず左図柄列における「3」図柄が停止表示され、その後、右図柄列における「7」図柄が停止表示されることとなる。そして、擬似連続変動演出が終了するte11のタイミングにて中図柄が停止表示される。詳しくは、開閉実行モード中の下側大入賞口355への入賞により入賞カウンタICの値が変更されたことに基づいて、中図柄列における「6」図柄がそれぞれ停止表示される。係る図柄の組み合わせ、すなわち左図柄列における「3」図柄、中図柄列における「6」図柄、右図柄列における「7」図柄の組み合わせは、完全外れ結果に対応する絵柄である。
te11のタイミングの直後となるte12のタイミングにて、図柄表示装置76における図柄の変動表示及び下側作動入球部用表示部DLにおける図柄の変動表示が開始されるが、この際、表示画面77の保留数表示領域LEに表示されている数(保留カウンタHCの値)が「2」→「1」に変更される。この際、擬似連続変動演出が実行されているため、te11のタイミングにおいては主表示部Dの下側作動入球部用表示部DLが変動表示を停止することは無く(点滅表示のまま維持され)、主表示部Dの下作動保留数表示部HLに表示されている値は「1」のまま維持されることとなる。
te12においてte10のタイミングにて実行された擬似連続変動演出における2度目の変動表示が開始された後は、各図柄が順次停止表示される。具体的には、順次停止する左図柄と右図柄がte10のタイミング〜te11のタイミングにて停止表示された各図柄と同様となるように設定されている。つまり、先ず左図柄列における「3」図柄が停止表示され、その後、右図柄列における「7」図柄が停止表示されることとなる。そして、擬似連続変動演出が終了するte13のタイミングにて中図柄が停止表示されるとともに、主表示部Dの下側作動入球部用表示部DLが点滅表示から点灯表示に切り替わり、1遊技回が終了する。詳しくは、開閉実行モード中の下側大入賞口355への入賞により入賞カウンタICの値が変更されたことに基づいて、中図柄列における「5」図柄がそれぞれ停止表示される。係る図柄の組み合わせ、すなわち左図柄列における「3」図柄、中図柄列における「5」図柄、右図柄列における「7」図柄の組み合わせは、非明示2R確変大当たり結果に対応する絵柄であり、高確率モードへの移行が報知されることとなる。
擬似連続変動演出が終了した後のte14のタイミングでは、主表示部Dの保留数表示部HLに表示されている保留数が「1」→「0」に変更されるとともに、表示画面77の保留数表示領域LEに表示されている保留数が「1」→「0」に変更される。そして、このタイミングにて主表示部Dの下側作動入球部用表示部DLが点灯表示から点滅表示に切り替るとともに、表示画面77にて図柄の変動表示が開始される。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
開閉実行モードへの移行タイミングにて図柄が一旦停止することなく、同移行タイミングを跨ぐようにして図柄の変動表示が継続されることにより、同移行タイミングにて図柄が一旦停止する構成と比較して図柄の変動表示に違和感が生じることを好適に抑制することができる。特に、図柄の変動表示の停止を回避することにより、図柄表示装置76への注目度の低下を抑えることができ、下側可変入球部64の動きが遊技者の目に付くことを抑制することができる。
また、開閉実行モードへの移行タイミング前から続く図柄の変動表示については、開閉実行モードの終了タイミングまで継続される。これにより、遊技者の注目が開閉実行モード中においても図柄表示装置76に向きやすくなり、下側可変入球部64の動きが遊技者の目につくことを好適に抑制することができる。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、「第1始動入球部」としての右側作動入球部65が左右一組の可動片272,273を有するとともに「第2可変入球部」としての下側可変入球部64が左右一組の可動片372,373を有し、「第1可変入球部」としての右側可変入球部66が1の可動片472を有する構成とすることにより、右側作動入球部65及び下側可変入球部64の識別性と、右側作動入球部65及び右側可変入球部66の識別性とに差を生じさせたが、これに限定されるものではない。少なくとも外観及び動作態様(例えば切替態様)の少なくともいずれかを相違させることにより右側作動入球部65及び下側可変入球部64の識別性が右側作動入球部65及び右側可変入球部66の識別性と比べて低くなるように構成されていればよい。
右側可変入球部66における可動片の数を右側作動入球部65等と同数となるように設定することも可能である。この場合、動作態様に差違を設定することにより上述した識別性の差を生じさせるとよい。例えば、右側作動入球部65及び下側可変入球部64の各可動片が左右に回動する構成であるのに対して、右側可変入球部66における可動片が前後方向にスライド移動する構成を採用することにより、上述した識別性の差を担保することができる。但し、係る変更を行った場合には、各可動片の動作に基づく識別性の差は好適に担保することができる反面、それら各可動片が静止している状態での識別性の差を担保することが困難になると想定される。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、構成上の差(外観上の差)を明確にして静止している状態での識別性に差を設定することが好ましい。
なお、大きさ・形状・色等を任意に組み合わせて右側作動入球部65及び下側可変入球部64の識別性が右側作動入球部65及び右側可変入球部66の識別性と比べて低くなるように構成することも可能である。
(2)上記各実施の形態では、「第2始動入球部」としての右側作動入球部65における開閉の切替態様と「第1可変入球部」としての下側可変入球部64における開閉の切替態様とを同一とする一方で、右側作動入球部65の切替態様と右側可変入球部66の切替態様とを非同一とすることにより、右側作動入球部65及び下側可変入球部64の識別性と、右側作動入球部65及び右側可変入球部66の識別性とに差を生じさせたが、これに限定されるものではない。但し、各入球部64〜66の動作時における上記識別性の差を担保することを考慮すれば、少なくとも下側可変入球部64の切替態様が右側可変入球部66の切替態様と比較して右側作動入球部65の切替態様に近くなるように設定されていることが好ましい。
また、下側可変入球部64の動作態様が、右側作動入球部65が低頻度サポートモードである場合の動作態様と同様となるように設定したが、これに限定されるものではない。例えば、右側作動入球部65が高頻度サポートモードである場合の動作態様と同様となるように設定してもよい。
但し、2R大当たりに対応した開閉実行モード後の遊技状態の移行を、15R大当たりに対応した開閉実行モード後の遊技状態の移行と差別化することにより遊技の多様化を図ることができる点に着目すれば、2R大当たり対応の開閉実行モードをすばやく終了することが好ましい。また、開閉実行モード中の下側可変入球部64への入球に基づいて図柄の変動表示を行う構成においては、下側可変入球部64への入球が過度に多く発生することは、遊技者に対する不利益の発生を抑えつつ遊技状態の移行を行うことを困難とする要因になり得る。故に、望ましくは、上述の如く右側作動入球部65がその動作態様として高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードを有する構成においては、下側可変入球部64の動作態様を低頻度サポートモードに合わせることが好ましい。
(3)上記各実施の形態では、2R大当たり時及び特別外れ時においては下側可変入球部64における切替態様を全て同様としたが、これに限定されるものではなく、各種2R大当たり及び特別外れ時の切替態様を異なるものとすることも可能である。
(4)上記各実施の形態では、下側作動入球部63と下側可変入球部64とを1ユニット化したが、これに限定されるものではない。これら各入球部63,64を別体で設けることも可能である。
但し、下側作動入球部63には、下側可変入球部64の可動片372,373の隙間からの遊技球の流入を阻止する機能が付与されており、同下側可変入球部64には右側作動入球部65における突出部261と同様の機能が付与されている。このため、下側作動入球部63及び下側可変入球部64は両者一体となって右側作動入球部65と同様の機能を発揮しているかのように見せることが可能となっている。つまり、下側可変入球部64が有している機能を遊技者に対して錯覚させることが可能となっている。故に、上述の如く各入球部63,64を別体で設けるといった変更を行った場合であっても、下側作動入球部63における上記阻止機能は残存させることが好ましい。
なお、「第2始動入球部」としての下側作動入球部63と「第2可変入球部」としての下側可変入球部64とをセンターフレーム99(詳しくはステージ99a)の下方に配置する構成としたが、これら各入球部63,64の配置に関しては任意である。但し、一般的にステージと複数の始動入球部を有する遊技機においては、これら始動入球部をステージの下方に上下に並べて配置することが多い。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように下側作動入球部63と下側可変入球部64とをステージ99aの下方に上下に並べて配置することにより、あたかも下側可変入球部64に始動入球部としての機能が付与されているかのように擬態させることができる。
(5)上記各実施の形態では、「絵柄表示装置」としての図柄表示装置76、詳しくはその表示画面77に遊技球の保留数を表示する「記憶数表示部」としての保留数表示領域LEを設けたが、同保留数表示領域の配設対象及び位置は上記構成に限定されるものではない。少なくとも、主制御装置162によって表示内容が直接制御される主表示装置69(主表示部D)とは別体で設けられていればよく、例えばセンターフレーム99等に記憶数表示部に相当する構成を配設してもよい。但し主表示部Dの保留数表示部HLよりも記憶数表示部を見やすくすることが好ましく、この点に鑑みれば同記憶数表示部を遊技領域PEの中央に配するとよい。
また、下側作動入球部63(下側作動口305)に対応する保留数と右側作動入球部65(右側作動口255)に対応する保留数とを別々に表示する必要は必ずしもなく、両者を1の表示領域にまとめて表示してもよい。例えば、1の表示領域に各保留数の合計を表示する構成としてもよい。この様な変更を行う場合、下側作動口用の保留数として上限値4を設定するとともに右側作動口用の保留数としての上限値4を設定し、更に下側可変入球部64(下側大入賞口355)への入賞を右側作動口用の保留としてカウントすることも可能である。係る変形例によれば、下側作動口用の保留数が上限に達している場合であっても、遊技球の発射を継続して下側可変入球部64への入賞を発生させることにより、同入賞に基づく保留数の増加が期待できるため、遊技者の遊技継続を促すことができる。
(6)上記各実施の形態では、遊技領域PEにおいて「絵柄表示装置」としての図柄表示装置76の左側となる領域を通過した遊技球(下側作動入球部63へ向けて発射された遊技球)が右側作動入球部65へ到達(詳しくは入球)することが不可となる構成を採用したが、同右側領域を通過した遊技球が右側作動入球部65へ到達(詳しくは入球)することを許容する構成を採用することも可能である。
また、遊技領域PEにおいて「絵柄表示装置」としての図柄表示装置76の右側となる領域を通過した遊技球(右側作動入球部65へ向けて発射された遊技球)が入賞口ユニット62へ到達(詳しくは入賞)することが不可となる構成を採用したが、同右側領域を通過した遊技球が入賞口ユニット62へ到達(詳しくは入賞)することを許容する構成を採用することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、高頻度サポートモードとなっている状況下において、2R大当たり又は特別外れに当選し、右側作動入球部65と下側可変入球部64とが同時期に動作するといった事象が発生し得る。これは、下側可変入球部64と右側作動入球部65との切替態様の違いが明確なものととなり、遊技者に対して下側可変入球部64が作動入球部の一種であるとの印象を与えることを難しくする要因となり得る。故に、望ましくは、上記各実施の形態に示したように、少なくとも右側作動入球部65へ向けて発射された遊技球が下側作動入球部63へ入賞することを回避する構成とするとよい。
(7)上記各実施の形態では、右側作動入球部65への入賞発生時には、15R大当たりに当選可能とする一方、2R大当たりに当選不可となるように構成した。これを変更し、右側作動入球部65への入賞発生時に2R大当たりとなることを許容する構成としてもよい。
但し、このような変更を行った場合には、上記変形例(6)に示した不都合と同様の不都合が生じ得る。故に、好ましくは上記各実施の形態に示したように右側作動入球部65への入賞発生時の抽選対象から2R大当たり結果を除く構成を採用するとよい。
上記各実施の形態では、右側作動入球部65への入賞に基づく当否抽選においては特別外れ結果が抽選対象として設定されていたが、これを変更し、特別外れ結果を抽選対象から除くことも可能である。また、高頻度サポートモードである場合には、同抽選対象から特別外れ結果を除くことも可能である。これにより、右側作動入球部65において電動役物271の開放が高頻度で行われている状況と、下側可変入球部64において電動役物371の開放が低頻度で行われている状況とが重複することを好適に回避することができる。
(8)上記各実施の形態では、遊技領域PEにおいて図柄表示装置76の右側となる領域(詳しくは右側作動入球部65)にスルーゲート67を配設したが、同様のスルーゲートを図柄表示装置76(可変表示装置68)の左側となる領域(詳しくは下側作動入球部63への流下経路)に配設してもよい。これにより、スルーゲート67を遊技球が通過していないにも関わらず、作動入球部に見せかけている下側可変入球部64が動作していることが把握されることを抑制でき、下側可変入球部64への入球に基づいて図柄を変動表示する構成を採用することによって遊技者に違和感を与えることを好適に抑えることができる。
なお、遊技領域PEにおける遊技球の流下経路を可変表示装置68等によって大きく2つに分けるとともに、一方の流下経路に下側作動入球部63及び下側可変入球部64を配し、他方の流下経路に右側作動入球部65及び右側可変入球部66を配したがこれを以下のように変更することも可能である。すなわち、上述の如く流下経路を2つに大別するのではなく、同じ流下経路上に各入球部63〜66を配設することも可能である。
また、「流下経路分化手段」として可変表示装置68を構成したが、他の構成(例えば釘列)等によって流下経路分化手段を構成してもよい。
更には、「第2始動入球部」としての下側作動入球部63へ向けて発射された遊技球が「第1始動入球部」としての右側作動入球部65へ入球不可となるようにそれら各入球部63,65を配置したが、下側作動入球部63へ向けて発射された遊技球が「第1始動入球部」としての右側作動入球部65へ入球可能となるように各入球部63,65を配置してもよい。また、「第1始動入球部」としての右側作動入球部65へ向けて発射された遊技球が下側作動入球部63へ入球不可となるようにそれら各入球部63,65を配置したが、右側作動入球部65へ向けて発射された遊技球が下側作動入球部63へ入球可能となるように各入球部63,65を配置してもよい。但し、このような変更を行う場合には、同じ期間中に右側作動入球部65の開閉動作と下側可変入球部64の開閉動作とが重複することを抑制することが好ましい。故に望ましくは、右側作動入球部65へ向けて発射された遊技球が下側作動入球部63へ入賞する確率を、当該下側作動入球部63へ向けて遊技球が発射された場合に同下側作動入球部63へ入賞する確率よりも低く設定することよい。
(9)上記各実施の形態では、主表示装置69の主表示部D(例えば保留数表示部HL,HR)を主制御装置162によって制御し、図柄表示装置76の表示画面77(例えば保留数表示領域LE,RE)を表示制御装置620によって制御する構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも主制御装置162によって保留数及び遊技結果が表示されるのであれば足り、主制御装置162及び主表示部D以外のどの制御装置及び表示部にて保留数及び遊技結果をどのように表示するかは任意である。
例えば、上記各実施の形態においては、主表示部Dの保留数表示部HL,HRにそれぞれ4つの発光部位を設け、保留数に対応する数だけ同発光部位を発光させることで、保留数に対応する情報を表示する構成としたが、これを変更し、保留数表示部HL,HRを7セグ等を用いて形成し、保留数に対応する情報を数字によって表示する構成としてもよい。
また、図柄表示装置76における保留数表示領域LE,REについては、表示制御装置620の保留カウンタに記憶されている数に対応する情報を必ずしも数字によって表示する必要はなく、留カウンタに記憶されている数に対応する情報を当該数に対応する数のドット等の各種模様によって表示することも可能である。
(10)上記各実施の形態では、2R大当たり結果及び特別外れ結果に対応する開閉実行モードでの下側大入賞口355の開放期間を、実質的に当該下側大入賞口355への入賞数が予め設定された上限に到ることがないように設定することにより、開閉実行モードに要する期間を一定化した上で同開閉実行モードにおいて下側大入賞口355への入賞を打ち切った後の残余期間を分割する構成とし、同開閉実行モード中の図柄の変動表示時間が過度に多様なものとなることを抑制したが、これに限定されるものではない。例えば、必ずしも開閉実行モードに要する期間を一定化する必要はなく、入賞数が上述した上限に到ることにより、同開閉実行モードに要する期間が変化する構成としてもよい。また、入賞数によらず図柄の変動表示期間の総和を一定にする必要は必ずしもなく、例えば、入賞数に応じて図柄の変動表示期間の総和を変化させるこで上記開閉実行モードに要する期間を変化させてもよい。
(11)上記第1の実施の形態では、開閉実行モード中に下側大入賞口355への入賞に基づいて行われる図柄の変動表示態様を、通常遊技状態にて図柄の変動表示態様を決定する際に参照されるテーブルと同様のテーブルを使用する構成としたが、これに限定されるものではない。開閉実行モード中の図柄の変動表示態様を決定する際に使用するテーブルを別途設けてもよい。
(12)上記第1の実施の形態では、開閉実行モード中に下側大入賞口355への入賞が複数回発生し、これら複数の入賞に応じた図柄の変動表示を実行する際には、先の変動表示用の期間を後の変動表示期間よりも短くなるように設定したがこのようは変動表示期間の設定については任意である。例えば、先の変動表示用の期間と後の変動表示期間とを同等とすることも可能である。但し、通常遊技状態において保留数の数が増すことにより、変動表示期間が短縮される機能を有する遊技機においては、開閉実行モード中に同短縮機能がキャンセルされることは、遊技者に対して違和感を与える要因になり得る。故に、好ましくは、上記実施の形態に示したように、開閉実行モード中であっても時間短縮機能に即した変動表示期間の設定を行うとよい。
(13)上記各実施の形態では、主制御装置162からのエンディングコマンドの出力タイミングとほぼ同じタイミングにて下側大入賞口355への入賞受付を終了する構成とした。言い換えれば、下側大入賞口355が閉鎖されるタイミングにて当該下側大入賞口355へと流入した遊技球が直ちに検知センサによって検知される構成とすることにより、エンディングコマンド出力タイミングと、下側大入賞口355への入賞受付を終了する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、下側大入賞口355の閉鎖タイミングと同タイミングにて流入した遊技球が検知センサに到達するのに所定の期間を有する場合には、この所定の期間を上記受付終了のタイミングに加味する構成とすればよい。
また、開閉実行モードへの移行とともに開始される図柄の変動表示を終了するタイミングについては、必ずしもエンディングコマンドが出力されたタイミングよりも後である必要はない。例えば、エンディングコマンドの出力前であっても、下側大入賞口355への入賞が発生した場合には、同入賞発生のタイミング〜エンディングコマンドの出力タイミングまでの間にて上記図柄の変動表示を終了することも可能である。
(14)上記第1の実施の形態では、開閉実行モードへの移行時には、その直前に行われた図柄の変動表示があたかも継続しているかのように見せることを目的として、停止表示された各図柄の一部を再度変動させる構成としたが、これに限定されるものではない。但し、表示画面77の保留数表示領域LEに表示されている保留数が変化することなく、次の図柄の変動表示が行われることは、遊技者に対して違和感を与える要因になり得る。故に、望ましくは、開閉実行モード移行の際には、直前の停止図柄の一部を流用して、あたかも変動表示が継続しているかのように表示することが好ましい。
(15)上記第1の実施の形態では、開閉実行モード中に実行される最後の図柄変動の停止時に開閉実行モード終了後に移行される遊技状態を報知可能な構成としたが、報知のタイミングは、必ずしも最後の図柄変動の停止時に限定されるものではない。但し、事前に報知を行う構成とした場合には、報知から遊技状態の移行までにタイムラグが生じる。このため、遊技状態の移行契機の多様化による(あたかも突如として遊技状態が変化したかのように見せることによる)興趣向上効果を、低下させる要因になり得る。故に、報知タイミングは少なくとも最後の図柄変動表示が行われている期間内とすることが好ましい。
(16)上記第1の実施の形態では、非明示2R確変大当たり結果及び特別外れ結果に対応する開閉実行モード中に下側大入賞口355への入賞が発生した場合には、開閉実行モード終了後の移行先をメッセージ等で報知する構成としたがこれを省略してもよい。
(17)上記各実施の形態では、大当たり種別として15R確変,15R通常,明示2R確変,非明示2R確変,2R通常を有する構成としたが、少なくとも大入賞口への入球に有利不利の設定差が設けられた15R大当たり及び2R大当たりを1種づつ有していれば足り、各種2R大当たりの一部を省略することも可能である。
また、下側作動入球部63及び右側作動入球部65のうちいずれに入球するかによって、参照する大当たり種別の振分テーブルを変更する構成としたがこれに限定されるものではない、各作動入球部63,65への入球が発生した場合に、同一の振分テーブルを参照する構成とすることも可能である。
(18)上記各実施の形態では、2R通常大当たり結果となった場合には、開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに移行される構成としたが、これを変更し、開閉実行モード終了後に同開閉実行モード前のサポートモードを引き継ぐ構成とすることも可能である。つまり、開閉実行モード前のサポートモードが高頻度サポートモードであった場合には開閉実行モード終了後も高頻度サポートモードとなり、開閉実行モード前のサポートモードが低頻度サポートモードであった場合には開閉実行モード終了後も低頻度サポートモードとなる構成を採用してもよい。
(19)上記各実施の形態では、下側可変入球部64又は右側可変入球部66が開閉実行モード中に1Rにつき1回だけ開放される構成としたが、1R中に複数回開放される構成とすることも可能である。
(20)上記各実施の形態では、15R大当たりと2R大当たりとを設定することにより、開閉実行モードにおいて有利不利の差を設けたが、これを以下のように変更することも可能である。例えば、2R大当たりにおけるラウンド数を15Rに変更するとともに、同大当たり中の開放期間や閉鎖期間を予め設定されている15R大当たり中の開放期間や閉鎖期間と比べて遊技球の流入が難しくなるように構成することも可能である。つまり、特別遊技状態としての開閉実行モードにおいて有利不利の差が設定された複数のモードが設定されていれば足り、開閉実行モード中のラウンド数に依存して上記差を設ける必要は必ずしもない。なお、このような変更を行う場合には、併せて主表示部Dにおけるラウンド数表示部を省略することも可能である。
(21)上記各実施の形態では、15R通常大当たり又は15R確変大当たりに当選した場合には、当選した大当たりの種別を報知する構成としたが、大当たりの種別を報知するのではなく、開閉実行モード終了後における遊技状態の有利度合いを示唆する構成とすることも可能である。以下、図30及び図31のフローチャートを参照して具体例を示す。
本変形例においては、確変大当たりに当選した場合には、開閉実行モード終了に高確率モード及び高頻度サポートモードが適用され、その後、100遊技回が経過することにより各モードが低確率モード且つ低頻度サポートモードとなる通常遊技状態に復帰する。つまり、上記実施の形態においては高確率モード及び高頻度サポートモードが次回の大当たり当選まで継続される構成であったのに対して、本変形例においてはその終了条件が異なっている。
詳しくは、図30の開閉実行モード終了時の移行処理に示すように、ステップS1501にて今回の開閉実行モードが特別外れ結果に対応するものであると判定した場合には、そのまま本開閉実行モードを終了する。一方、ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1502に進み、今回の開閉実行モードが15R確変大当たり又は明示2R確変大当たりに対応したものであるか否かを判定する。
ステップS1502にて肯定判定をした場合には、ステップS1503に遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。その後、ステップS1504,S1505にて高確率モードフラグを格納するとともに高頻度サポートフラグを格納し、続くステップS1506にて遊技回数カウンタに「100」をセットする。そして、続くステップS1507にて第1示唆演出用コマンドを設定して本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。第1示唆演出用コマンドは、主制御装置162の通常処理にて実行される外部出力処理にて音声ランプ制御装置143や表示制御装置620に出力される。
一方、ステップS1502にて否定判定をした場合には、ステップS1508に進み、今回の開閉実行モードが非明示2R確変大当たりに対応した開閉実行モードであるか否かを判定する。ステップS1508にて肯定判定をした場合には、ステップS1509にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。その後、ステップS1510にて高確率モードフラグを格納するとともに続くステップS1511にて開閉実行モード前の遊技状態におけるサポートモードと同様のサポートモードとなるように高頻度サポートフラグ及び低頻度サポートフラグの一方を格納し、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモード又は高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。
ステップS1508にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが15R通常大当たりであると判定した場合には、ステップS1512にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。その後、ステップS1513にて高頻度サポートフラグを格納し、続くステップS1514にて遊技回数カウンタに「100」をセットする。そして、続くステップS1515にて第1示唆演出用コマンドを設定して本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。第1示唆演出用コマンドは、主制御装置162の通常処理にて実行される外部出力処理にて音声ランプ制御装置143や表示制御装置620に出力される。なお、本変形例においては、振分抽選の対象から2R通常大当たり結果を省略している。
次に、上述した第1示唆演出用コマンド及び第2示唆演出用コマンドに基づき表示制御装置620にて実行される処理について説明する。表示制御装置620においては、主制御装置162にて振り分けられた大当たり結果が、15R確変大当たり結果,明示2R確変大当たり結果,15R通常大当たり結果,2R通常大当たり結果である場合に、大当たりの種別を示唆する示唆演出を実行する。係る示唆演出は、開閉実行モード終了時に上述した示唆演出用コマンドに基づいて決定される。以下、図31のフローチャートを参照して示唆演出開始処理について説明する。
示唆演出開始処理においては、先ずステップS1601にて開閉実行モードの終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合にはそのまま本示唆演出用開始処理を終了する。一方、ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602に進み、音声ランプ制御装置143を経由して上記第1示唆演出用コマンドが入力されているか否かを判定する。
ステップS1602にて肯定判定をした場合には、ステップS1603の第1示唆演出用処理に進む。第1示唆演出用処理においては、表示制御装置620のROM623に記憶された第1示唆演出用テーブルを参照し、開閉実行モード終了後に実行する示唆演出の態様を決定する。具体的には、第1示唆演出用テーブル及びRAM624に設けられた演出態様決定用の乱数カウンタの値を参照して、通常大当たりよりも確変大当たりである可能性が高いことを示唆する第1示唆態様と、確変大当たりよりも通常大当たりである可能性が高いことを示唆する第2示唆態様との振分抽選を行う。
第1示唆演出用テーブルにおいては上記振分抽選により第1示唆態様となる確率が第2示唆態様となる確率よりも高く設定されているため、確変大当たりに当選している場合には第1示唆態様が選ばれる可能性が高くなる。このように、演出態様の振分抽選を行った後は同第1示唆態様に基づく示唆演出の設定処理を行う。第1示唆態様に基づく示唆演出の設定処理により、図柄表示装置76(表示画面77)における背景の色が通常遊技状態にて選択される背景の色とは異なる色(例えば赤色)に変更されることとなる。
一方、ステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1604に進む。ステップS1604に進み、音声ランプ制御装置143を経由して上記第2示唆演出用コマンドが入力されているか否かを判定する。
ステップS1604にて否定判定をした場合には、そのまま本示唆演出用開始処理を終了する。一方、同ステップS1604にて肯定判定をした場合には、ステップS1605の第2示唆演出用処理に進む。第2示唆演出用処理においては、表示制御装置620のROM623に記憶された第2示唆演出用テーブルを参照し、開閉実行モード終了後に実行する示唆演出の態様を決定する。具体的には、第2示唆演出用テーブル及び上記乱数カウンタの値を参照して、上述した第1示唆態様及び第2示唆態様の振分抽選を行う。
第2示唆演出用テーブルにおいては上記振分抽選により第2示唆態様となる確率が第1示唆態様となる確率よりも高く設定されているため、通常大当たりに当選している場合には第2示唆態様が選ばれる可能性が高くなる。このように、演出態様の振分抽選を行った後は同第2示唆態様に基づく示唆演出の設定処理を行う。第2示唆態様に基づく示唆演出の設定処理により、図柄表示装置76(表示画面77)における背景の色が通常遊技状態にて選択される背景の色及び上記第1示唆態様選択時に変更される背景の色とは異なる色(例えば青色)に変更されることとなる。
ステップS1605及びステップS1603にて示唆演出用処理を実行した後は、ステップS1606に進む。ステップS1606では、RAM624の各種カウンタエリアに設けられた示唆演出用カウンタに高確率モード又は高頻度サポートモードが継続される遊技回の設定数と同数の「100」をセットし、本示唆演出開始処理を終了する。示唆演出用カウンタは、遊技回毎に「1」づつ減算され、当該示唆演出用カウンタの値が「0」となった場合に、上記示唆演出を終了する。
以上詳述した変更を行うことにより以下の効果が期待できる。すなわち、15R通常大当たりに当選した場合であっても、高確率モードに移行されている可能性が残るため、遊技者は直ぐに次の大当たりに当選することを期待して遊技を行うこととなる。これにより、遊技への注目度を好適に高めることができる。
(22)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部63,65)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と
を備え、
前記特別遊技状態として第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定されており、
前記遊技領域に設けられ、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別遊技状態の発生に対応する抽選結果となったことに基づいて、第1形態及び同第1形態よりも遊技球が流入しやすい第2形態に切り替る第1可変入球部(右側可変入球部66)と、
前記遊技領域に設けられ、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別遊技状態の発生に対応する抽選結果となったことに基づいて、第1形態及び同第1形態よりも遊技球が流入しやすい第2形態に切り替る第2可変入球部(下側可変入球部64)と、
前記第1可変入球部又は前記第2可変入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置181)と、
前記第2特別遊技状態終了後に、当該第2特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第2特別遊技状態における前記第2可変入球部の切替態様は、当該第2特別遊技状態にて当該第2可変入球部への入球が発生する機会が前記第1特別遊技状態にて前記第1可変入球部への入球が発生する機会よりも少なくなるように設定されており、
前記始動入球部は、第1形態及び同第1形態よりも遊技球が流入しやすい第2形態に切替可能な可変始動入球部(右側作動入球部65)を有し、
前記第2可変入球部は、当該第2可変入球部と前記可変始動入球部との識別性が前記第1可変入球部と前記可変始動入球部との識別性と比べて低くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、始動入球部への入球を契機として特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われるとともに、同抽選に当選した場合には可変入球部への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。、第2特別遊技状態を経由した遊技状態の変更時に可変入球部を動作させる構成によれば、例えば遊技状態の変化が正規のものであるかの確認をホール管理者が目視にて簡易的に行うことが可能となる。
しかしながら、第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定され且つ可変入球部の動作に基づく上記目視確認が許容された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第2特別遊技状態における可変入球部への入球の期待度が第1特別遊技状態と比べて低くなることで例えば第2特別遊技状態における第2可変入球部の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、特別遊技状態当選によって入球が容易となる対象を当該特別遊技状態の有利度に応じて個別に設定し、更に遊技者にとって不利となる第2可変入球部については第1可変入球部よりも可変始動入球部との識別性を低く設定することにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。つまり第2特別遊技状態に当選して第2可変入球部が動作したとしても、遊技者に対してあたかも始動入球部が動作したかのような印象を与えることができる。これにより、第2可変入球部の動作を見た遊技者に損失感を与えにくくし、上述した遊技意欲の低下を好適に抑えることができる。故に、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
なお、可変始動入球部を有するタイプの遊技機においては、通常遊技状態中に可変入球部が第1形態→第2形態→第1形態の順に切り替わったとしても同可変始動入球部への入球が発生しにくくなるように当該可変始動入球部への切替態様が設定されていることが多い。このため、仮に可変始動入球部への入球が発生しなかったとしてもそれに起因した損失感の発生は比較的少ないと想定される。このように通常遊技状態においては入球がもともと期待しにくい可変始動入球部に第2可変入球部を擬態させることにより、第2可変入球部への入球が困難となっていても、それに起因して損失感が大きくなることを抑えることができる。
また、あたかも作動入球部に見えるように擬態された第2可変入球部の動作により、突如として遊技状態が変化したかのような印象を遊技者に与えることで、遊技機における興趣向上に貢献することができる。
因みに、本特徴に対して「前記可変始動入球部への入球に基づく遊技球の獲得期待数が、前記第1可変入球部への入球に基づく遊技球の獲得期待数よりも少なくなるように設定されている構成(前記可変始動入球部又は前記第1可変入球部への入球に基づいて遊技球を払い出す払出手段を備え、前記可変始動入球部への1の遊技球の入球に基づく遊技球の払出期待数が、前記第1可変入球部への1の遊技球の入球に基づく遊技球の払出期待数よりも少なくなるように設定されている構成)」及び「前記抽選手段は第1抽選手段であり、前記可変始動入球部の前記第2形態への切り替えを行う否かの抽選を行う第2抽選手段を備え、前記第2抽選手段による抽選において前記第2形態への切り替えに当選となる確率が前記第1抽選手段による抽選において前記特別遊技状態当選となる確率よりも高く設定されている構成」の少なくともいずれかを適用することも可能である。上記構成を適用することにより、第2可変入球部を作動入球部であるかのように擬態させることによる上記損失感の低減効果を好適に発揮させることができる。
また、「前記第2特別遊技状態当選となった場合の前記第2可変入球部の切替態様は、当該第2特別遊技状態にて当該第2可変入球部への入球が発生する機会が前記第1特別遊技状態当選となった場合にて前記第1可変入球部への入球が発生する機会よりも少なく」するには、例えば第2特別遊技状態当選時に第2可変入球部が第2形態となる期間を、第1特別遊技状態当選時に第1可変入球部が第2形態となる期間よりも短く設定するとよい。
特徴2.前記可変始動入球部は、
遊技機前方から視認可能に設けられているとともに、当該可変始動入球部の入口部位への遊技球の流入を規制する規制位置及び同入口部位への遊技球の流入を許容する許容位置に変位可能な始動入球部用規制部材(可動片272,273)と、
前記始動入球部用規制部材を、前記規制位置及び前記許容位置に変位させることにより、前記始動入球部を前記第1形態及び前記第2形態に切り替える始動入球部用駆動機構(駆動部274)と
を有し、
前記第1可変入球部は、
遊技機前方から視認可能に設けられているとともに、当該第1可変入球部の入口部位への遊技球の流入を規制する規制位置及び同入口部位への遊技球の流入を許容する許容位置に変位可能な第1可変入球部用規制部材(可動片472)と、
前記第1可変入球部用規制部材を、前記規制位置及び前記許容位置に変位させることにより、前記第1可変入球部を前記第1形態及び前記第2形態に切り替える第1可変入球部用駆動機構(駆動部474)と
を有し、
前記第2可変入球部は、
遊技機前方から視認可能に設けられているとともに、当該第2可変入球部の入口部位への遊技球の流入を規制する規制位置及び同入口部位への遊技球の流入を許容する許容位置に変位可能な第2可変入球部用規制部材(可動片372,373)と、
前記第2可変入球部用規制部材を前記規制位置及び前記許容位置に変位させることにより、前記第2可変入球部を前記第1形態及び前記第2形態に切り替える第2可変入球部用駆動機構(駆動部374)と
を有し、
前記各駆動機構は、前記始動入球部用駆動機構による前記始動入球部用規制部材の動作態様と前記第2可変入球部用駆動機構による前記第2可変入球部用規制部材の動作態様とが共通となるとともに、前記始動入球部用駆動機構による前記始動入球部用規制部材の動作態様と前記第1可変入球部用駆動機構による前記第1可変入球部用規制部材の動作態様とが非共通となるように構成されていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2によれば、始動入球部用規制部材の動作態様と第2可変入球部用規制部材の動作態様とが共通となるとともに、始動入球部用規制部材の動作態様と第1可変入球部用規制部材の動作態様とが非共通となるように構成されている。これにより、各規制部材の動作態様に基づく第2可変入球部と可変始動入球部との識別性を第1可変入球部と可変始動入球部との識別性よりも低くすることができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を実現するには、例えば以下の構成を採用するとよい。すなわち、「始動入球部用規制部材」と「第2可変入球部用規制部材」とはそれら各規制部材の数が同一であって且つ第1形態と第2形態との間で切り替えられる場合の動作が共通であり、これに対して「始動入球部用規制部材」と「第1可変入球部用規制部材」とはそれら各規制部材の数又は動作が異なっている構成を採用するとよい。
より具体的には、「前記始動入球部用規制部材は、当該可変始動入球部の入口部位を挟んで配置されている1組の可動片によって構成されており、前記始動入球部用駆動機構は、前記始動入球部用の各可動片を駆動させて互いに近づく側及び離れる側に変位させることにより前記可変始動入球部を第1形態及び第2形態に切り替えるものであり、前記第2可変入球部用規制部材は、当該可変始動入球部の入口部位を挟んで配置されている1組の可動片によって構成されており、前記第2可変入球部用駆動機構は、前記第2可変入球部用の各可動片を駆動させて互いに近づく側及び離れる側に変位させることにより前記第2可変入球部を第1形態及び第2形態に切り替えるものであり、前記第1可変入球部用規制部材は、前記第1可変入球部の入口部位に併設されている1の可動片によって構成されており、前記第1可変入球部用駆動機構は、当該第1可変入球部用の可動片を駆動させて前記第1可変入球部の入口部位に対して近づく側及び離れる側に変位させることにより当該第1可変入球部を第1形態及び第2形態に切り替えるものである」構成を採用することも可能である。係る構成によれば、例えば第2可変入球部と可変始動入球部との外観等に基づく識別性を第1可変入球部と可変始動入球部との外観に基づく識別性と比べて好適に低下させることができる。
特徴3.前記可変始動入球部は、第1始動入球部であり、
前記始動入球部は、前記第1始動入球部とは別に設けられた第2始動入球部(下側作動入球部63)を有し、
前記始動入球部用規制部材は、前記可変始動入球部の入口部位を挟んで配置されている1組の始動入球部用可動片によって構成されており、
前記第1始動入球部は、前記両始動入球部用可動片の隙間を通じた遊技球の流入を規制する位置に配された流入規制部(突出部261)を有し、
前記始動入球部用駆動機構は、前記各始動入球部用可動片を駆動させて互いに近づく側及び離れる側に変位させることにより前記第1始動入球部を第1形態及び第2形態に切り替えるものであり、
前記第2可変入球部用規制部材は、前記第2可変入球部の入口部位を挟んで配置されている1組の第2可変入球部用可動片によって構成されており、
前記第2可変入球部用駆動機構は、前記各第2可変入球部用可動片を駆動させて互いに近づく側及び離れる側に変位させることにより前記第2可変入球部を第1形態及び第2形態に切り替えるものであり、
前記第2始動入球部は、前記第1可変入球部に並設されているとともに、前記両第2可変入球部用可動片の隙間を通じた前記第2可変入球部の入口部位への遊技球の流入を規制する位置に配置されていることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
複数の始動入球部を有する遊技機においては、これら両始動入球部が並設され、一方の始動入球部への遊技球の流入を他方の始動入球部によって規制する構成が採用されているのが一般的である。そこで、本特徴に示すように、第2可変入球部を第2始動入球部と並設し、同第2始動入球部によって第2可変入球部への遊技球の流入を規制する構成とすれば、遊技者に対してあたかも第2可変入球部が始動入球部であるかのような印象を与えることができる。これにより、特徴1に示した不正等の監視機能の低下を抑えつつ遊技意欲の低下抑制機能を発揮させるという効果を一層好適に発揮させることができる。
なお、第2可変入球部と第2始動入球部とを並設する場合には例えば両入球部を1ユニット化するとともに、第2始動入球部における可動片及び流入規制部を1ユニット化するとよい。これにより、上述した識別性の低減効果を一層顕著なものとすることができる。
特徴4.前記可変始動入球部は、第1始動入球部であり、
前記始動入球部は、前記第1始動入球部とは別に設けられた第2始動入球部(下側作動入球部63)を有し、
前記第2始動入球部は、遊技状態が変更されても入球の期待度が変更されないものであり、
遊技回用の演出を行う絵柄表示装置(図柄表示装置76)の表示画面(表示画面77)の下方には、遊技球が転動する転動面を有するステージ(センターフレーム99のステージ99a)が設けられており、
前記第2可変入球部及び前記第2始動入球部は、前記ステージの下方において前記第2始動入球部が前記第2可変入球部の上方に位置するようにして上下に並設されており、
前記第1始動入球部及び前記第1可変入球部は、前記ステージと前記第2始動入球部との間及び前記第2始動入球部と前記第2可変入球部との間以外の位置に配置されていることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
従来のパチンコ機においては、第1始動入球部と第2始動入球部とが、後者が前者の上方となるようにして上下に並設されていることが多い。これに対して、本特徴に示すようにステージの下方に第2始動入球部を配置するとともにその下方に第2可変入球部を配置することで、第2可変入球部が始動入球部としての機能を有していると遊技者が認識することが期待できる。これにより、特徴1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴5.前記第2可変入球部における第1形態及び第2形態の切替態様は、前記可変始動入球部における第1形態及び第2形態の切替態様と同様となるように設定されていることを特徴とする特徴1乃至特徴4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴5によれば、第2可変入球部の切替態様と可変始動入球部の切替態様とを同様とすることにより、第2可変入球部の動きに基づく当該第2可変入球部と可変始動入球部との識別性を好適に低下させることができる。これにより、特徴1等に示した効果を一層顕著なものとすることができる。
例えば、第2可変入球部における第1形態→第2形態→第1形態の切替回数と可変始動入球部における第1形態→第2形態→第1形態の切替回数とを揃えたり、第2可変入球部が第2形態にて維持される期間と可変始動入球部が第2形態にて維持される期間とを揃えたり、更には第2可変入球部における第2形態間のインターバルと可変始動入球部における第2形態間のインターバルとを揃えたりするとよい。
因みに、特徴2等(可動片を有する構成)との組み合わせにおいては、本特徴を以下のように変更することも可能である。すなわち「前記第2可変入球部における可動片の切替態様は、前記第2始動入球部における可動片の切替態様と同様となるように設定されていることを特徴とする遊技機」に変更することも可能である。
特徴6.前記可変始動入球部は、当該可変始動入球部における第1形態及び第2形態の切替態様として、単位時間当たりでの第2形態となる頻度が相対的に低い低頻度切替態様と、単位時間当たりでの第2形態となる頻度が相対的に高い高頻度切替態様とが設定されており、
前記第2可変入球部における第1形態及び第2形態の切替態様は、前記可変始動入球部における前記低頻度切替態様と同様となるように設定されていることを特徴とする特徴1乃至特徴4のいずれか1つに記載の遊技機。
第2可変入球部と可変始動入球部との識別性を第1可変入球部と可変始動入球部との識別性よりも低下させるには、第2可変入球部及び可変始動入球部の外観上の識別性と切替態様(動き)に基づく識別性を低下させることが望ましい。しかしながら、本特徴に示すように、可変始動入球部の切替態様として低頻度切替態様と高頻度切替態様とが設定されている場合、仮に高頻度切替態様に合わせて第2可変入球部の切替態様を設定すると、当該第2可変入球部の切り替えが目立ちやすくなり、上述した効果が薄れやすくなると想定される。この点、可変始動入球部の切替態様を第2可変入球部における低頻度切替態様と同様となるように設定することにより、そのような不都合の発生を抑え、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴7.前記可変始動入球部は、第1始動入球部であり、
前記始動入球部は、前記第1始動入球部とは別に設けられた第2始動入球部(下側作動入球部63)を有し、
前記遊技領域には、遊技球の流下経路を第1流下経路及び第2流下経路に分化する流下経路分化手段(可変表示装置68等)が設けられ、
前記各始動入球部及び前記流下経路分化手段は、前記第1流下経路を遊技球が流下する場合には少なくとも前記第2始動入球部への入球が可能であり、前記第2流下経路を遊技球が流下する場合には前記第1始動入球部への入球が可能であって前記第1流下経路を遊技球が流下する場合に比べて前記第2始動入球部への入球の期待度が低い又は同第2始動入球部への入球が不可となるように構成されており、
前記抽選手段は、少なくとも前記第1始動入球部の切替態様が前記高頻度切替態様である場合には、同第1始動入球部への入球に基づいた抽選結果が前記第2特別遊技状態の当選となることがないように又は前記低頻度切替態様の場合と比べて前記第2特別遊技状態当選となる確率が低くなるように設定されていることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
特徴6に示したように切替態様を揃えることで第2可変入球部と可変始動入球部(第1始動入球部)との識別性を低下させる構成においては、仮に第1始動入球部の切り替え中に第2可変入球部の切り替えが行われた場合に、第1始動入球部の切替態様と第2可変入球部の切替態様とが相違すると、それら各入球部の機能が同一であると認識している遊技者に対して違和感を与えやすくなると想定される。これは、上述した識別性低下機能を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴によれば、当該第1始動入球部の切替態様が高頻度切替態様である場合には、第1始動入球部への入球に基づく抽選においては、第2特別遊技状態となることが抑制される。また、第2流下経路を流下する遊技球は第2始動入球部へ入球が抑制され、同第2始動入球部への入球によって第2特別遊技状態に当選することが抑制されることとなる。つまり、第1始動入球部の切替態様が高頻度切替態様である場合には、第2可変入球部が動作することが好適に回避されることとなる。これにより、第1始動入球部と第2可変入球部とが異なる切替態様で動作することを回避し、上述した不都合の発生を好適に抑えることができる。
特徴8.絵柄を可変表示する絵柄表示装置(図柄表示装置76)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、前記絵柄を可変表示させるべく前記絵柄表示装置を制御する表示制御手段(表示制御装置620)と
を備え、
前記表示制御手段は、前記第1特別遊技状態となっている期間にて同第2特別遊技状態に移行される前の遊技状態と同様に前記絵柄の可変表示を行うべく前記絵柄表示装置を制御する手段を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴8によれば、第2特別遊技状態中に同第2特別状態への移行前の遊技状態と同様に絵柄の可変表示を行うことにより、遊技者によって第2特別遊技状態への移行が把握されることを抑えることができる。特に、特徴1等に示したように、第2特別遊技状態において第2可変入球部を始動入球部に見せかけて動作させる構成においては、本特徴に示す構成を併用することにより、第2特別遊技状態を経由したことを分かりにくくしつつ遊技状態移行手段による遊技状態の移行を行うことができる。これにより、例えば突如として遊技状態が変化したかのように見せることができ、遊技機における興趣向上に貢献することができる。
特徴9.前記表示制御手段は、前記第2特別遊技状態への移行直前の遊技回における絵柄の可変表示を当該第2特別遊技状態への移行後においても継続させる又は同可変表示を停止させた後に前記第2特別遊技状態への移行後においても当該可変表示が継続しているかのようにして絵柄の可変表示を再開させる可変表示継続手段(表示制御装置620のMPU622において開閉実行モード対応演出開始処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
特徴9によれば、第2特別遊技状態前の遊技状態及び第2特別遊技状態に亘って絵柄の可変表示を継続することにより、絵柄の可変表示に注目している遊技者に対して遊技回があたかも継続しているかのような印象を与えることができる。これにより、第2特別遊技状態への移行タイミングを好適に隠すことが可能となり、特徴7に示した効果を一層好適なものとすることができる。
特徴10.前記可変表示継続手段は、前記第2特別遊技状態において前記第2可変入球部が前記第2形態に切り替っている期間において当該可変表示継続手段による前記絵柄の可変表示を継続するように設定されていることを特徴とする特徴9に記載の遊技機。
特徴1等に示したように、第2可変入球部をあたかも作動入球部であるかのように擬態させる構成においては、第2可変入球部への注目度が過剰に高くなることは、上記擬態が見破られる要因となり得るため好ましくない。
そこで、本特徴に示すように、第2可変入球部が第2形態に切り替っている期間においても絵柄の可変表示が継続される構成とすることで遊技者の注目を絵柄表示装置に向けさせることが可能となり、上記不都合の発生を抑制することができる。特に、第2特別遊技状態への移行タイミングを跨いで継続されている絵柄の可変表示が第2可変入球部の第2形態への切替期間にて継続される構成とし、絵柄の可変表示が上記第2形態への切替期間中や同第2形態への切替前に途切れることを回避することにより、絵柄表示装置への注目が逸れる機会を生じにくくし、上記不都合の発生を一層好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴8に適用することも可能である。この場合、本特徴を「前記表示制御手段は、前記第2特別遊技状態において前記第2可変入球部が前記第2形態に切り替っている期間において前記絵柄の可変表示を行うように設定されていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機」と置き換えるとよい。
特徴11.前記可変表示継続手段は、当該可変表示継続手段による絵柄の可変表示を前記第2特別遊技状態となっている期間内にて終了するように設定されていることを特徴とする特徴9又は特徴10に記載の遊技機。
特徴9等に示したように可変表示継続手段によって絵柄の可変表示を第2特別遊技状態への移行タイミングを跨いで継続する構成においては、本特徴に示すように第2特別遊技状態となっている期間内にて絵柄の可変表示を終了することにより、第2特別遊技状態終了後の遊技状態の移行を円滑に進めることができる。また、例えば遊技状態の移行を知らずに遊技を継続している遊技者が不利益を被るといった不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴12.前記表示制御手段は、前記第2特別遊技状態となっている期間内にて前記第2可変入球部への入球が発生した場合に、前記絵柄表示装置にて当該入球に基づいた絵柄の可変表示を実行する絵柄可変制御手段(表示制御装置620のMPU622にて入賞数対応演出開始処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴8乃至特徴11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴12によれば、第2特別遊技状態中に第2可変入球部への入球が発生すると同入球に基づく絵柄の可変表示が可能となる。始動入球部への入球に基づき絵柄表示装置にて絵柄の可変表示が行われるとともに、第2可変入球部への入球に基づいた絵柄の可変表示を可能とすることにより、第2可変入球部と始動入球部(特に可変始動入球部)との識別性を好適に低下させることができる。これにより、特徴1に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
なお、第2可変入球部への入球に基づく絵柄の可変表示態様としては、上記各始動入球部(特に第2始動入球部)への入球に基づく可変表示態様と同様となるように設定するとよい。これにより、第2可変入球部と始動入球部(特に可変始動入球部)との識別性を一層好適に低下させることができる。
特徴13.前記表示継続手段は、前記第2特別遊技状態となっている期間内であって当該第2特別遊技状態となっている期間における特定のタイミングよりも前のタイミングにて前記第2可変入球部への入球が発生した場合に、前記第2特別遊技状態の終了タイミングよりも前のタイミングにて当該表示継続手段による絵柄の可変表示を終了するように設定されており、
前記表示制御手段は、前記第2特別遊技状態となっている期間内であって当該第2特別遊技状態となっている期間における特定のタイミングよりも前のタイミングにて前記第2可変入球部への入球が発生した場合に、前記表示継続手段による絵柄の可変表示の終了タイミングから当該第2特別遊技状態の終了タイミングまでの期間内にて前記絵柄表示装置における前記第2可変入球部への入球に基づいた絵柄の可変表示を実行可能な絵柄可変制御手段(表示制御装置620のMPU622にて入賞数対応演出開始処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴9乃至特徴11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴13によれば、特徴11に示した効果と同様の効果に加え、以下の効果が期待できる。すなわち、第2特別遊技状態中に絵柄表示装置にて実行される絵柄の可変表示については、特徴1に示した特別遊技状態の当否抽選とは無関係に行われる。このような絵柄の可変表示が、特別遊技状態終了後においても継続されることは、遊技の円滑な進行の妨げとなり得るだけでなくひいては遊技者に不利益を与える要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴によれば、第2特別遊技状態中に継続中の上記絵柄の可変表示終了し、同第2特別遊技状態の残余期間にて第2可変入球部への入球に基づく絵柄の可変表示を実行することで、上述した不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴14.前記可変表示継続手段は、前記第2特別遊技状態となっている期間内であって当該第2特別遊技状態となっている期間における特定のタイミングよりも前のタイミングにて前記第2可変入球部への入球が発生しなかった場合に、当該可変表示継続手段による絵柄の可変表示を前記第2特別遊技状態の終了タイミングまで継続することを特徴とする特徴13に記載の遊技機。
特徴13に示した構成を採用する場合には、第2可変入球部への入球の有無によってその後の対応を変化させる必要が生じる。そこで、第2可変入球部への入球が発生しなかった場合には、可変表示継続手段による絵柄の可変表示を第2特別遊技状態の終了タイミングまで継続する構成とすれば、擬似的に延長された遊技回の終了タイミングと遊技状態の移行タイミングとを揃えることで遊技状態移行後の遊技進行の円滑化に貢献することができる。
特徴15.前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数に対応する対応情報を表示する対応情報表示部(保留数表示領域LE)と、
絵柄を可変表示する絵柄表示装置(図柄表示装置76)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、前記絵柄を可変表示させるべく前記絵柄表示装置を制御する表示制御手段(表示制御装置620)と、
前記第2特別遊技状態中に前記第2可変入球部への入球が発生した際に、前記対応情報表示部に表示されている対応情報を同第2可変入球部への入球に基づいて変更可能な変更手段(表示制御装置620のMPU622にて保留数表示更新処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第2特別遊技状態となっている期間内にて前記第2可変入球部への入球が発生した場合に、前記変更手段によって前記対応情報表示部に表示されている対応情報が変更された回数と同じ回数を上限として、前記第2可変入球部への入球に基づいた前記絵柄の可変表示を実行可能な絵柄可変制御手段(表示制御装置620のMPU622にて入賞数対応演出開始処理を実行する機能)を有し、
前記変更手段は、前記絵柄可変制御手段によって前記第2可変入球部への入球に基づく絵柄の可変表示が行われる際に前記憶数表示部に表示されている数を変更することを特徴とする特徴1乃至特徴14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴15によれば、第2可変入球部への入球が発生した場合に、同入球に基づいて対応情報表示部に表示されている対応情報を変更する(例えば増加させる)ことができる。また、第2可変入球部への入球に基づいて絵柄の可変表示を実行し、それに併せて記憶数表示部に表示されている数を変更する(例えば減少させる)ことができる。これにより、第2可変入球部と始動入球部(詳しくは可変始動入球部)との識別性を一層好適に低下させることができる。
なお、特徴8等との組み合わせにおいては、同特徴8等に示した「絵柄表示装置」及び「表示制御手段」を本特徴に示す「絵柄表示装置」及び「表示制御手段」と同一のものとしてもよい。
因みに、「前記変更手段は、前記第2可変入球部への入球が発生した場合であって前記対応情報表示部に表示されている対応情報が示す数が前記規定数に達していない場合には、前記対応情報表示部に表示されている対応情報を当該対応情報が示す数が前記入球に基づいて増加するようにして変更し、前記対応情報表示部に表示されている対応情報に基づく数が前記規定数に達している場合には前記第2可変入球部への入球が発生した場合であって当該表示されている対応情報をそのまま維持するように設定されている」構成を併用することにより実用上好ましい構成を実現することができる。すなわち、記憶数に上限が設けられている場合には、第2可変入球部への入球に基づいて上記上限が変更されることは不自然である。そこで、当該上限を超える入球(第2可変入球部への入球)が発生した場合に、記憶数表示部に表示されている数の変更を不可とすることにより、上記不自然さを払拭し、第2可変入球部と始動入球部との識別性を一層好適に低下させることができる。
特徴16.前記絵柄可変制御手段は、前記第2可変入球部への入球に基づく絵柄の可変表示を、前記第2特別遊技状態となっている期間内にて終了させるように設定されていることを特徴とする特徴15に記載の遊技機。
特徴15に示したように、絵柄可変制御手段を有する構成においては、上記識別性低下機能を発揮させる上では有利ある。しかしながら、同絵柄可変制御手段を有することで、その後の遊技状態の移行等に支障がでることは好ましくない。そこで、本特徴に示すように、第2特別遊技状態となっている期間内にて第2可変入球部への入球に基づく絵柄の可変表示を終了する構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑えることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴17.前記表示制御手段は、前記第2特別遊技状態となっている期間内にて前記第2可変入球部への入球が発生した場合に、前記変更手段によって変更された回数と同じ回数を上限として前記絵柄表示装置にて当該入球に基づいた絵柄の可変表示を実行可能な絵柄可変制御手段(表示制御装置620のMPU622にて入賞数対応演出開始処理を実行する機能)を有し、
前記絵柄可変制御手段は、前記第2特別遊技状態中に前記始動入球部への入球が発生した場合には、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記規定数未満であり、且つ前記対応情報表示部に表示されている対応情報が示す数が前記第2可変入球部への入球に基づいて変更されて前記規定数に達していることを条件として、前記対応情報数表示部によって表示されている対応情報を維持したまま前記第2可変入球部への入球に基づいて実行され得る可変表示の回数を減らすことを特徴とする特徴15又は特徴16に記載の遊技機。
第2特別遊技状態においては第2可変入球部への入球のみならず始動入球部への入球も発生し得る。第2可変入球部への入球に基づいて対応情報表示部に表示されている対応情報が示す数が規定値に達した後に、始動入球部への入球が発生することで同入球が無効とされることは好ましくない。つまり、特別遊技状態の抽選はあくまで始動入球部への入球に基づいて行われるため、第2可変入球部への入球が優先されて、始動入球部への入球が無効となれば遊技者が不利益を被ることとなるため好ましくない。
この点、本特徴によれば、第2特別遊技状態中に始動入球部への入球が発生した場合には、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が規定数未満であり且つ対応情報数表示部に表示されている対応情報が示す数が第2可変入球部への入球に基づいて規定数に達していることを条件として第2可変入球部への入球に基づく絵柄の可変表示がキャンセルされる。これにより、遊技者に対する不利益の発生を抑えることができ、遊技機における健全性を担保しつつ、特徴14に示した効果を享受することができる。
特徴18.前記表示制御手段は、
前記第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回に対応した絵柄の可変表示を前記第2特別遊技状態にの移行タイミング後も継続させる可変表示継続手段(表示制御装置620のMPU622にて開閉実行モード対応演出開始処理を実行する機能)と、
前記第2可変入球部への入球が発生し、同入球に基づいて前記対応情報表示部に表示されている対応情報が変更される場合には、前記可変表示継続手段による絵柄の可変表示を停止させて、その停止タイミングから前記第2特別遊技状態の終了タイミングまでの期間にて前記第2可変入球部への入球に基づく絵柄の可変表示を行うとともに、前記第2可変入球部への入球が発生していない場合又は同第2可変入球部への入球に基づいた前記対応情報表示部に表示されている対応情報の変更が行われない場合には、前記可変表示継続手段による絵柄の可変表示を前記第2特別遊技状態の終了タイミングまで継続させる可変表示切替手段(表示制御装置620のMPU622にて入賞対応演出開始処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴17に記載の遊技機。
第2特別遊技状態に移行した場合であっても、必ずしも第2可変入球部への入球が発生するとは限らない。また、必ずしも第2可変入球部への入球に基づいて対応情報表示部に表示されている対応情報が変更されるとは限らない。そこで、第2特別遊技状態当選時には、当該第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回に対応した絵柄の可変表示を同第2特別遊技状態への移行後も継続し、更に第2可変入球部への入球発生の有無等によって第2特別遊技状態中における絵柄の可変表示の継続/非継続を切り替える構成とすることにより、第2可変入球部への入球に基づいて絵柄の可変表示を行う構成を採用しつつ、それに起因した絵柄可変表示への違和感の発生を好適に抑制することができる。
特徴19.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部63,65)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と
を備え、
前記遊技領域に設けられ、前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生に対応する抽選結果となったことに基づいて、第1形態及び同第1形態よりも遊技球が流入しやすい第2形態に切り替る可変入球部(下側可変入球部64)と、
前記特別遊技状態終了後に、当該特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記始動入球部は、第1形態及び同第1形態よりも遊技球が流入しやすい第2形態に切替可能に設けられており、
前記可変入球部の形態及び動作態様は、前記始動入球部の形態及び動作態様と共通していることを特徴とする遊技機。
遊技ホール等の管理者においては、遊技機の仕様を事前に把握することが容易である。このように遊技機の仕様を把握しておくことにより、可変入球部の動作を見た場合に、同可変入球部の動きに基づいて遊技状態の変更を把握することが可能となる。これにより、遊技機における不正等の監視機能の低下を抑えつつ、上述した遊技意欲の低下抑制機能を発揮させることができる。
一方、遊技者に関しては上記管理者と比較して、遊技機の仕様を事前に把握することが難しいと想定される。ここで、可変入球部の形態及び動作態様が前記始動入球部の形態及び動作態様と共通していることにより、可変入球部を始動入球部と同種のものであるとの印象を遊技者に対して与えることが可能となる。これにより、例えば可変入球部が第2形態に切り替った場合に遊技球が流入しにくかったとしても、それにより遊技者に損失感を与えることを好適に抑制することができる。
故に、ホール管理者等による遊技機の監視の容易化を図りつつ、遊技者の遊技意欲の減退を好適に抑制することができる。
特徴20.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部63,65)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と、
前記特別遊技状態終了後に、当該第1特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示する絵柄表示装置(図柄表示装置76)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、前記絵柄を可変表示させるべく前記絵柄表示装置を制御する表示制御手段(表示制御装置620)と
を備え、
前記表示制御手段は、前記特別遊技状態となっている期間にて同特別遊技状態に移行される前の遊技状態と同様に前記絵柄の可変表示を行うべく前記絵柄表示装置を制御することを特徴とする記載の遊技機。
特徴20によれば、特別遊技状態中に同特別状態への移行前の遊技状態と同様に絵柄の可変表示を行うことにより、遊技者によって特別遊技状態への移行が把握されることを抑えることができる。これにより、特別遊技状態を経由したことを分かりにくくしつつ遊技状態移行手段による遊技状態の移行を行うことができる。これにより、例えば突如として遊技状態が変化したかのように見せることができ、遊技機における興趣向上に貢献することができる。
なお、本特徴に対して、特徴8〜特徴18に示した技術的思想を適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。