JP2006305163A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】リーチ演出表示の多様化に伴う表示の繁雑化を抑制し、好適にリーチ演出表示が行える遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ機は、表示画面上に複数の絵柄が所定の順序で配列された複数の図柄列をスクロール表示する図柄表示装置を備えている。図柄表示装置の表示画面上には有効ラインL1〜L5が設定されている。有効ラインL1〜L3の何れかでシングルリーチが発生すると、左上がりラインL4上にそのリーチ図柄を移動させると共に、上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄以外の第1図柄が非表示とされる。これにより、第1図柄の非表示領域を拡張することができる。
【選択図】 図25

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
例えばパチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、複数種の図柄を表示画面上にて変動表示する図柄表示装置を備えるものがあり、大当たり状態等の遊技者に有利な特別遊技状態が発生する場合には、この表示画面上の予め設定された有効位置に例えば同一図柄の組合せ等といった特定の図柄の組合せが決定表示される。そして特別遊技状態の発生に伴い大入賞口が開放したり、ビッグボーナスゲームに突入したりするようになっている。
かかる遊技機においては、特定の図柄の組合せが決定表示される前段階として、特別遊技状態発生への期待感を高めるべく所謂リーチ演出が行われる。一例としては、3つの図柄列の図柄が1セットとなって変動表示が開始されると共に各図柄列の図柄が順次停止される遊技機では、先に停止した2つの図柄列の同一図柄が予め設定された有効ライン上に一旦停止するとリーチ表示となる。そして、リーチ表示となった後に種々のリーチ演出が適宜行われ、特別遊技状態が発生する場合には最終停止図柄列の同一図柄が更にリーチ表示となった有効ライン上で停止し、図柄が決定表示される(例えば特許文献1参照)。リーチ表示となった後に最終停止図柄列の変動と共に行われる様々なリーチ演出として、例えば演出用のキャラクタを最終停止図柄列の変動と同期させて動作表示させることによって、遊技者にリーチ演出を楽しませたり、その変動停止後に特別遊技状態が発生する確率を示したりしている。従って、表示画面上で表示させるリーチ演出を多様なものとすることにより、特別遊技状態への発生確率を様々に示したり、遊技者に遊技を飽きさせないといった効果を奏することができる。
しかしながら、表示画面上に表示されるリーチ演出の多様化に伴い、その画面内の表示が繁雑なものとなるおそれがある。つまり、上記のように演出用キャラクタを表示させるリーチ演出では、該演出用キャラクタと図柄とが大きく重なって表示される可能性がある。この結果、図柄の視認性の低下等といった問題が生じる。また、演出用キャラクタを表示させるリーチ演出の他に、例えば最終停止図柄列を拡大表示するリーチ演出を行う場合でも、同様の問題が生じる。
また、表示画面を大型にすることにより、リーチ演出表示の多様化に伴う表示の繁雑化といった問題を解消することが考えられる。ところが、この場合、コストがアップするといった別の問題が生じることとなる。

特開2003−305227号公報
本発明は、リーチ演出表示の多様化に伴う表示の繁雑化を抑制し、好適にリーチ演出表示が行える遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.表示部(表示画面G)上に複数種の絵柄(第1図柄)が所定の順序で配列された複数の絵柄列(各図柄列Z1〜Z3)をそれぞれ並行するように配置し、該各絵柄列の絵柄を循環するように配列方向にスクロール表示させる絵柄表示装置(図柄表示装置41)と、
前記複数の絵柄の変動開始条件成立を判断する変動開始判断手段(主制御装置271)と、
前記変動開始判断手段による変動開始条件成立を示す判断結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり)を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置271)と、
前記変動開始判断手段による変動開始条件成立を示す判断結果に基づいて前記複数の絵柄の変動表示を開始させると共に、前記抽選手段の抽選結果が当選である場合には前記複数の絵柄を特定絵柄の組合せ(同一主図柄の組合せ)で停止するよう前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(表示制御装置214)と
を備え、
前記変動表示を終了させる前段階として、前記表示部内の予め設定された複数の有効ライン(有効ラインL1〜L5)のうちの1の有効ライン上に前記特定絵柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ絵柄(リーチ図柄)の組合せを停止表示させることによりリーチライン(リーチライン)を形成させ、該リーチラインが形成されている状況下において最終停止絵柄列(中図柄列Z2)によりリーチ変動(リーチ変動)を行い得る構成とした遊技機において、
前記複数の有効ラインとして、少なくとも前記複数の絵柄列の変動方向と垂直に交わる第1有効ライン(左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3)と、該第1有効ラインに対して傾斜した第2有効ライン(左上がりラインL4)と、該第2有効ラインと交差する第3有効ライン(右上がりラインL5)とを設定した上で、前記第2有効ラインと前記第3有効ラインとが同時に前記リーチラインを形成し得るようにし、
さらに、前記第2有効ラインと前記第3有効ラインとの交差する位置を前記最終停止絵柄列の絵柄が通過するように設定することにより該交差する2の有効ライン上に同時に前記最終停止絵柄列の1の絵柄が停止し得る構成とし、
前記表示制御手段は、
前記第1有効ライン上に前記リーチ絵柄の組合せが停止表示されると、そのリーチ絵柄を前記第2有効ライン上に移動させて前記リーチラインを変更するよう前記絵柄表示装置を制御するリーチライン変更手段(表示制御装置214において行われる外れシングルリーチ表示処理のステップS1505)と、
前記リーチライン変更手段による前記リーチラインの変更に伴って、前記リーチラインを形成する前記絵柄列の中で前記リーチ絵柄以外の絵柄を少なくとも前記最終停止絵柄列の変動が停止表示されるまで視認不能とするよう前記絵柄表示装置を制御する視認不能化手段(表示制御装置214において行われる外れシングルリーチ表示処理のステップS1506)と、
前記抽選手段の抽選結果が非当選であり、前記リーチライン変更手段及び前記視認不能化手段によってリーチラインが形成され得る場合に、前記最終停止絵柄列の最終停止絵柄を決定し、該最終停止絵柄を表示するよう前記絵柄表示装置を制御する最終停止絵柄表示手段(表示制御装置214において行われる外れシングルリーチ表示処理のステップS1508)と、
前記視認不能化手段によって視認不能とされた絵柄をその変動停止後に再表示するよう前記絵柄表示装置を制御する絵柄再表示手段(表示制御装置214において行われる外れシングルリーチ表示処理のステップS1514)と
を備え、
前記最終停止絵柄表示手段は、前記リーチラインが形成される前記第2有効ライン上の他に前記第3有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得ない絵柄を前記最終停止絵柄として設定する最終停止絵柄設定手段(表示制御装置214において行われる変動パターン設定処理のステップS1411)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、リーチ絵柄の組合せによるリーチラインが第1有効ライン上に形成されると、このリーチ絵柄の組合せが第2有効ラインに移動されて該第2有効ライン上にリーチラインが形成されると共に、該リーチラインを形成する各絵柄列のリーチ絵柄以外の絵柄が視認不能にされて最終停止絵柄列が変動表示される(以下、この変動をライン変更リーチ変動と称する)。
第2有効ラインは第1有効ラインに対して傾斜するように設定されている。これにより、リーチラインを第1有効ライン上から第2有効ライン上に変更することで、リーチライン上に表示される最終停止絵柄列の絵柄とその絵柄と隣り合うリーチ絵柄との間隔を広げることができる。また、リーチラインを形成する各絵柄列において、リーチ絵柄以外の絵柄を視認不能とすることにより、絵柄が表示されていない領域(非表示領域)を拡張することができる。これにより、リーチ演出として、例えば最終停止絵柄列の絵柄をリーチ絵柄よりも拡大表示させる場合に、拡張された前記非表示領域を利用することで、リーチラインを形成する各絵柄列の絵柄と重なって表示されること抑制することができる。また、その他のリーチ演出として、新たに演出用キャラクタを表示させる場合であっても、前記拡張された非表示領域を利用することにより、該演出用キャラクタがリーチラインを形成する各絵柄列の絵柄と重なって表示されることを抑制することができる。従って、ライン変更リーチ変動を行う構成とすることにより、リーチ演出表示の多様化に伴う表示の繁雑化を抑制でき、好適にリーチ演出表示を行うことができる。
さらに、ライン変更リーチ変動を行うことにより、リーチラインを形成する各絵柄列の絵柄の占める領域が大幅に低減されるため、表示部を大型にすることなくリーチ演出表示の多様化に伴う表示の繁雑化を抑制することができる。これにより、コストがアップするといった問題も解消することができる。
また本構成では、第2有効ラインと第3有効ラインとに同時にリーチラインが形成され得る構成となっている。これにより、2ライン同時にリーチラインが形成された場合では、特定絵柄の組合せとなる確率が、1ラインにリーチラインが形成された場合と比較して見た目上アップしているため、遊技者の特別遊技状態への期待感を膨らますことができる。
特別遊技状態の抽選結果が非当選であり、ライン変更リーチ変動が行われる状況下で、その変動停止後には、視認不能とされた絵柄が再表示される。仮にリーチラインが形成されている第2有効ライン上で単に特定絵柄の組合せとなり得ない最終停止絵柄列の絵柄が停止表示される構成であれば、視認不能とされた絵柄が再表示されると、第3有効ライン上で特定絵柄の組合せが表示され得る。これでは、特別遊技状態の抽選結果と停止表示状態とが矛盾しており、遊技者に混乱を与える可能性が大いにある。この点、本構成であれば、リーチラインが形成されている第2有効ライン上の他に、第3有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得ない最終停止絵柄列の絵柄が停止表示され得る構成とした。これにより、上記のような特別遊技状態の抽選結果と停止表示状態とに矛盾が生じることがない。従って、遊技者に混乱を与えることなく、好適にライン変更リーチ変動を行うことができる。また、仮に、ライン変更リーチ変動の停止表示後に視認不能とされた絵柄を再表示せず、そのまま停止表示される構成であれば、通常の停止表示状態(所定の絵柄数、所定の表示態様)と異なるため、遊技者に違和感を与えるおそれがある。この点、本構成とすることにより、ライン変更リーチ変動の変動終了後に、通常の停止表示状態となるため、上述したような遊技者に違和感を与えることがない。
なお、ここにいう絵柄の「視認不能」とは、透明表示、非表示を意味するだけでなく、識別不可能な程度でありリーチ演出の妨げとならない縮小表示や、完全な透明表示ではないが識別不可能な程度でありリーチ演出の妨げとならない略透明表示の場合も意味する。また、ここにいう絵柄の「停止」には、完全なる静止状態となる場合だけでなく細かく揺れ動く場合も含み、絵柄変動が停止したとみなされる状態を広義に意味する。詳しく説明すると、絵柄のスクロール変動が停止し、それら絵柄がその停止位置で揺れ動く場合も「停止」とみなす。
手段2.手段1において、前記絵柄再表示手段によって絵柄が再表示される段階、或いは絵柄が再表示されている最中に、前記変動開始判断手段により次の遊技回の変動開始条件が成立した場合には、前記絵柄再表示手段による絵柄の再表示を中止し、次の遊技回の変動表示を開始することを特徴とする遊技機。
手段2によれば、ライン変更リーチ変動の停止表示後、視認不能とされた絵柄が再表示される段階、或いは再表示されている最中に、次の遊技回の変動条件が成立すると、絵柄の再表示が中止され、次の遊技回の変動表示が開始される。これにより、ライン変更リーチ変動の停止表示後の都度、視認不能とされた絵柄が再表示されないため、表示制御手段の処理負荷の軽減を図ることができる。さらに、遊技者にテンポの良い遊技を提供することができる。
手段3.手段1において、前記絵柄の変動の最中に、前記変動開始判断手段によって次の遊技回の変動開始条件成立を示す判断結果が取得され、その判断結果による変動表示を一旦留保する留保手段(保留球格納エリア)と、
前記絵柄列の変動開始時における前記留保手段による留保の有無を判別する変動開始時判別手段(主制御装置271で行われる変動開始処理のステップS405の保留コマンド設定機能)と
を備え、
前記表示制御手段は、前記変動開始時判別手段による留保有無の判別結果に応じて前記絵柄再表示手段の絵柄再表示を許可するか否かを決定する絵柄再表示決定手段を備え、
前記変動開始時判別手段によって留保が存在すると判別されると、前記絵柄再表示決定手段は前記絵柄再表示手段による絵柄再表示を非許可とし、さらに前記表示制御手段は前記最終停止絵柄表示手段による最終停止絵柄の停止表示後に次の遊技回の変動表示を開始させるべく前記絵柄表示装置を制御することを特徴とする遊技機。
手段3によれば、ライン変更リーチ変動が行われる遊技回の変動開始時に、留保が存在する場合、つまり次の遊技回の変動開始条件が成立している場合には、その変動停止後、視認不能とされた絵柄が再表示されない。この場合、停止表示状態が通常の停止状態と異なることから、遊技者に違和感を与えるといった問題が懸念されるが、変動停止後、次の遊技回の変動表示が開始される構成としたため、前述した遊技者に違和感を与えるといった問題を解消することができる。さらに、変動停止後に視認不能とされた絵柄を再表示しないため、表示制御手段の処理負荷の軽減を図ることができる。また、遊技者にテンポの良い遊技を提供することができる。
手段4.手段3において、前記最終停止絵柄表示手段は、
リーチラインが形成されている第2有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得ない絵柄を前記最終停止絵柄として設定する外れ絵柄設定手段(表示制御装置214において行われる変動パターン設定処理のステップS1410)と、
前記最終停止絵柄設定手段と前記外れ絵柄設定手段とを選択する最終停止絵柄設定選択手段(表示制御装置214の変動パターン設定処理のステップS1409で作動保留球数Nの有無判別によって停止図柄が決定される選択機能)と
を備え、
前記最終停止絵柄設定選択手段は、少なくとも前記変動開始時判別手段によって留保が存在しないと判別された場合に、前記最終停止絵柄設定手段を選択することを特徴とする遊技機。
手段4によれば、ライン変更リーチ変動が行われる遊技回の変動開始時に、少なくとも留保が存在しない場合、つまり次の遊技回の変動開始条件が成立していない場合には、リーチラインが形成されている第2有効ライン上の他に第3有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得ない絵柄が最終停止絵柄として停止表示される。これにより、ライン変更リーチ変動の変動停止後、視認不能とされた絵柄が再表示されても、第3有効ライン上で特定絵柄の組合せが表示されることがない。
手段5.手段4において、前記最終停止絵柄設定選択手段は、前記変動開始時判別手段によって留保が存在すると判別された場合に、前記外れ絵柄設定手段を選択することを特徴とする遊技機。
手段5によれば、ライン変更リーチ変動が行われる遊技回の変動開始時に、留保が存在する場合には、単にリーチラインが形成されている第2有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得ない絵柄が最終停止絵柄として停止表示される。つまりこの場合では、留保が存在しない場合と異なり、第3有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得ない絵柄は考慮されない。留保が存在するライン変更リーチ変動において、仮に、第3有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得る絵柄を最終停止絵柄として停止表示させた場合であっても、その変動停止後、視認不能とされた絵柄が再表示されないため、第3有効ライン上で特定絵柄の組合せが表示されることがない。従って、手段1で述べた、特別遊技状態の抽選結果と停止表示状態との矛盾が生じるといった問題を回避することができる。さらに、留保が存在する場合は、留保が存在しない場合と異なり、第3リーチラインで特定絵柄の組合せとなり得る絵柄が最終停止絵柄となる場合がある。これにより、ライン変更リーチ変動によって最終停止絵柄のバリエーションが損なわれることを防ぐことができる。
手段6.手段3乃至手段5のいずれかにおいて、前記最終停止絵柄表示手段による前記最終停止絵柄の停止表示時における留保の有無を判別する停止表示時判別手段(主制御装置271で行われる第1特定ランプ部制御処理のステップS312の最終停止時保留コマンド設定機能)を備え、
前記変動開始時判別手段によって留保が存在しないと判別された後、前記停止表示時判別手段によって留保が存在すると判別された場合には、前記絵柄再表示決定手段は、前記絵柄再表示手段による絵柄再表示を非許可とし、さらに前記表示制御手段は前記最終停止絵柄表示手段による最終停止絵柄の停止表示後に次の遊技回の変動表示を開始させるべく前記絵柄表示装置を制御することを特徴とする遊技機。
手段6によれば、絵柄の変動開始時に留保が存在しない状態でライン変更リーチ変動が行われる場合において、その変動停止時に留保が存在すると、その変動停止後、視認不能とされた絵柄が再表示されずに、次の遊技回の変動表示が開始される。これにより、表示制御手段の処理負荷の軽減を図ることができ、遊技者にテンポの良い遊技を提供することができる。
手段7.手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記リーチラインの変更及びリーチ絵柄以外の絵柄の視認不能化は、前記第1有効ライン上にリーチラインが形成されてから所定時間の経過後に行われることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、第1有効ライン上にリーチラインが形成されてから所定時間が経過した後に、ライン変更リーチ変動が行われる。これにより、遊技者に第1有効ライン上にリーチラインが形成されたことを一旦視認させることができ、ライン変更リーチ変動の一連の流れを視認させることができる。
手段8.手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記表示部を矩形状に形成し、
前記第1有効ラインを複数設定すると共に、前記表示部の一辺に沿うように設定し、
さらに、前記第2有効ラインを前記表示部の対角線方向に設定し、
前記最終停止絵柄列を、前記複数の絵柄列のうちその中央の絵柄列に設定したことを特徴とする遊技機。
手段8の遊技機では、複数の第1有効ラインは、矩形状に形成された表示部の一辺に沿うようにして設定されている。これにより、絵柄列は第1有効ラインと垂直に交わるため、表示部の他辺に沿うように設定されることとなる。また、第2有効ラインは、表示部の対角線方向に設定されている。さらに、最終停止絵柄列は、複数の絵柄列のうち中央の絵柄列と設定されている。この構成とすることにより、ライン変更リーチ変動時にリーチ演出として、リーチラインが形成された第2有効ライン上の最終停止絵柄列の絵柄を拡大表示する場合、好適に拡大表示することができる。
手段9.手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記表示制御手段は、前記複数の有効ラインのうち1の有効ライン上に停止表示させる各絵柄列の絵柄を決定した上で、その決定絵柄と絵柄列の所定順序の配列とからその他の有効ライン上に停止表示させる絵柄を決定することを特徴とする遊技機。
手段9によれば、各有効ライン上に停止表示される絵柄列の絵柄は、複数の有効ラインのうち1の有効ライン上に停止表示される各絵柄列の絵柄によって決定される。つまり、絵柄列の絵柄は所定の順序で配列されているため、1の有効ライン上に停止表示させる各絵柄列の絵柄を決定すると、残りの有効ライン上に停止表示させる絵柄が決定されることとなる。これにより、表示制御手段の処理負荷の軽減を図ることができる。
手段10.手段1乃至手段9のいずれかにおいて、遊技を統括管理する主制御手段(主制御装置271)と、前記主制御手段の補助的な役割を果たす副制御手段(表示制御装置214)とを備えた構成とし、該副制御手段が前記表示制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
手段10では、副制御手段が表示制御手段を備えている。これにより、遊技を統括管理する主制御手段の負荷を軽減することができる。
手段11.表示部(表示画面G)上に複数種の絵柄(第1図柄)が配列された3つの絵柄列(各絵柄列Z1〜Z3)をそれぞれ並行するように配置し、該絵柄列の絵柄を循環するように配列方向にスクロール表示させる絵柄表示装置(図柄表示装置41)と、
前記複数の絵柄の変動開始条件成立を判断する変動開始判断手段(主制御装置271)と、
前記変動開始判断手段による変動開始条件成立を示す判断結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり)を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置271)と、
前記変動開始判断手段による変動開始条件成立を示す判断結果に基づいて前記複数の絵柄の変動表示を開始させると共に、前記抽選手段の抽選結果が当選である場合には前記複数の絵柄を特定絵柄の組合せ(同一主図柄の組合せ)で停止するよう前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(表示制御装置214)と
を備え、
前記3つの絵柄列のうち両側に位置する絵柄列が停止表示される段階で、前記表示部内の予め設定された複数の有効ライン(有効ラインL1〜L5)のうちの1の有効ライン上に前記特定絵柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ絵柄(リーチ図柄)の組合せを停止表示させることによりリーチライン(リーチライン)を形成させ、該リーチラインが形成されている状況下において前記3つの絵柄列のうち中間に位置する絵柄列である最終停止絵柄列(中図柄列Z2)の絵柄によりリーチ変動(リーチ変動)を行い得る構成とした遊技機において、
前記複数の有効ラインとして、少なくとも前記複数の絵柄列の変動方向と垂直に交わる第1有効ライン(左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3)と、該第1有効ラインに対して傾斜した第2有効ライン(左上がりラインL4)と、該第2有効ラインと交差する第3有効ライン(右上がりラインL5)とを設定した上で、該第2有効ラインと該第3有効ラインとの交差する位置を前記最終停止絵柄列の絵柄が通過するように設定することにより該交差する2の有効ライン上に同時に前記最終停止絵柄列の1の絵柄が停止し得るようにし、
さらに両側に位置する絵柄列のうちの一方の絵柄列には、その変動方向に対して所定の順序で前記複数種の絵柄を配列し、他方の絵柄列には、前記複数種の絵柄を前記所定の順序とは逆の順序で配列することにより、前記第2有効ライン上に前記リーチ絵柄の組合せによるリーチラインと前記第3有効ライン上に前記リーチ絵柄の組合せによるリーチラインとが同時に形成され得る構成とし、
前記表示制御手段は、
前記第1有効ライン上に前記リーチ絵柄の組合せが停止表示されると、そのリーチ絵柄を前記第2有効ライン上に移動させて前記リーチラインを変更するよう前記絵柄表示装置を制御するリーチライン変更手段(表示制御装置214において行われる外れシングルリーチ表示処理のステップS1505)と、
前記リーチライン変更手段による前記リーチラインの変更に伴って、前記リーチラインを形成する前記絵柄列の中で前記リーチ絵柄以外の絵柄を少なくとも前記最終停止絵柄列の変動が停止表示されるまで視認不能とするよう前記絵柄表示装置を制御する視認不能化手段(表示制御装置214において行われる外れシングルリーチ表示処理のステップS1506)と、
前記抽選手段の抽選結果が非当選であり、前記リーチライン変更手段及び前記視認不能化手段によってリーチラインが形成され得る場合に、前記最終停止絵柄列の最終停止絵柄を決定し、該最終停止絵柄を表示するよう前記絵柄表示装置を制御する最終停止絵柄表示手段(表示制御装置214において行われる外れシングルリーチ表示処理のステップS1508)と、
前記視認不能化手段によって視認不能とされた絵柄をその変動停止後に再表示するよう前記絵柄表示装置を制御する絵柄再表示手段(表示制御装置214において行われる外れシングルリーチ表示処理のステップS1514)と
を備え、
前記最終停止絵柄表示手段は、前記リーチラインが形成される前記第2有効ライン上の他に前記第3有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得ない絵柄を前記最終停止絵柄として設定する最終停止絵柄設定手段(表示制御装置214において行われる変動パターン設定処理のステップS1411)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、リーチ絵柄の組合せによるリーチラインが第1有効ライン上に形成されると、このリーチ絵柄の組合せが第2有効ラインに移動されて該第2有効ライン上にリーチラインが形成されると共に、該リーチラインを形成する各絵柄列のリーチ絵柄以外の絵柄が視認不能とされて最終停止絵柄列が変動表示される(以下、この変動をライン変更リーチ変動と称する)。
第2有効ラインは第1有効ラインに対して傾斜するように設定されている。これにより、リーチラインを第1有効ライン上から第2有効ライン上に変更することで、リーチライン上に表示される最終停止絵柄列の絵柄とその絵柄と隣り合うリーチ絵柄との間隔を広げることができる。また、リーチラインを形成する各絵柄列において、リーチ絵柄以外の絵柄を視認不能とすることにより、絵柄が表示されていない領域(非表示領域)を拡張することができる。これにより、リーチ演出として、例えば最終停止絵柄列の絵柄をリーチ絵柄よりも拡大表示させる場合に、拡張された前記非表示領域を利用することで、リーチラインを形成する各絵柄列の絵柄と重なって表示されること抑制することができる。また、その他のリーチ演出として、新たに演出用キャラクタを表示させる場合であっても、前記拡張された非表示領域を利用することにより、該演出用キャラクタがリーチラインを形成する各絵柄列の絵柄と重なって表示されることを抑制することができる。従って、ライン変更リーチ変動を行う構成とすることにより、リーチ演出表示の多様化に伴う表示の繁雑化を抑制でき、好適にリーチ演出表示を行うことができる。
さらに、ライン変更リーチ変動を行うことにより、リーチラインを形成する各絵柄列の絵柄の占める領域が大幅に低減されるため、表示部を大型にすることなくリーチ演出表示の多様化に伴う表示の繁雑化を抑制することができる。これにより、コストがアップするといった問題も解消することができる。
また本構成では、第2有効ラインと第3有効ラインとに同時にリーチラインが形成される構成となっている。これにより、2ライン同時にリーチラインが形成された場合では、特定絵柄の組合せとなる確率が、1ラインにリーチラインが形成された場合と比較して見た目上アップしているため、遊技者の特別遊技状態への期待感を膨らますことができる。
特別遊技状態の抽選結果が非当選であり、ライン変更リーチ変動が行われる状況下で、その変動停止後には、視認不能とされた絵柄が再表示される。仮にリーチラインが形成されている第2有効ライン上で単に特定絵柄の組合せとなり得ない最終停止絵柄列の絵柄が停止表示される構成であれば、視認不能とされた絵柄が再表示されると、第3有効ライン上で特定絵柄の組合せが表示され得る。これでは、特別遊技状態の抽選結果と停止表示状態とが矛盾しており、遊技者に混乱を与える可能性が大いにある。この点、本構成であれば、リーチラインが形成されている第2有効ライン上の他に、第3有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得ない最終停止絵柄列の絵柄が停止表示され得る構成とした。これにより、上記のような特別遊技状態の抽選結果と停止表示状態とに矛盾が生じることがない。従って、遊技者に混乱を与えることなく、好適にライン変更リーチ変動を行うことができる。また、仮に、ライン変更リーチ変動の停止表示後に視認不能とされた絵柄を再表示せず、そのまま停止表示される構成であれば、通常の停止表示状態(所定の絵柄数、所定の表示態様)と異なるため、遊技者に違和感を与えるおそれがある。この点、本構成とすることにより、ライン変更リーチ変動の変動終了後に、通常の停止表示状態となるため、上述したような遊技者に違和感を与えることがない。
なお、ここにいう絵柄の「視認不能」とは、透明表示、非表示を意味するだけでなく、識別不可能な程度でありリーチ演出の妨げとならない縮小表示や、完全な透明表示ではないが識別不可能な程度でありリーチ演出の妨げとならない略透明表示の場合も意味する。また、ここにいう絵柄の「停止」には、完全なる静止状態となる場合だけでなく細かく揺れ動く場合も含み、絵柄変動が停止したとみなされる状態を広義に意味する。詳しく説明すると、絵柄のスクロール変動が停止し、それら絵柄がその停止位置で揺れ動く場合も「停止」とみなす。
さらに、手段11に手段2〜手段10を適用してもよい。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
弾球遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ229等)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニット50の球案内通路)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、可変表示ユニット35等)とを備えた遊技機。
特別表示部及び可変表示装置を備えた弾球遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ229等)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニット50の球案内通路)と、遊技領域内に配置された作動口(作動口33)、特別表示部(第1特定ランプ部47)、可変表示装置(図柄表示装置41)及び可変入賞装置(可変入賞装置32)とを備え、作動口への遊技球の入球を検知すると特別表示部に表示される表示内容を可変表示し、その停止時の表示内容が特定の表示内容である場合に可変入賞装置を所定態様で開放させるようにした遊技機。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2、図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用(リユース)が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成してもよい。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。更に言うと、本パチンコ機10には右側に遊技球発射ハンドル18の設置箇所が設けられているため、遊技球発射ハンドル18とは反対側の側部を中心に本体枠12を開閉可能としたということができる。本体枠12は合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されている。ABS樹脂を用いることにより、比較的低コストで耐衝撃性の高い本体枠12を得ることができる。本体枠12をアルミニウム等の金属によって構成してもよい。なお本実施の形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。かかる構成では、本体枠12とにより遊技機本体が構成される。
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成する奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。奥壁パネル17には球排出口17aが設けられており、球排出口17aより排出された遊技球が下皿16内に貯留されるようになっている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。なお、球抜きレバー19はプッシュ式としてもよい。そして、球抜きレバー19が操作されると下皿16の底面に設けられた図示しない閉鎖板が一体に又はリンクを介して移動して球抜き穴が開放され、下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。球抜きレバー19には球抜き穴を塞ぐ側へ球抜きレバー19を付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられ、球抜きレバー19の操作が解除された際には付勢部材の付勢力によって閉鎖板が球抜き穴の開放位置に復帰する構成となっている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
ベース部15には膨出部15aの左方に灰皿21が設けられている。灰皿21は、内部に溜まった吸い殻等を除去しやすいように手前側下方に反転可能に取り付けられており、その右側面と背面とでベース部15に対面している。具体的な図示は省略するが、灰皿21の右側面には当該灰皿21を回動可能な状態で片持ち支持するための支軸が設けられ、同背面には灰皿21が図示のように上方に開口した位置でベース部15に係止される係止部が設けられている。前面板14はその大部分が本体枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。前面板14はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。なお、灰皿21が近くに配置されている関係上、下皿16と奥壁パネル17とを構成する部位に関しては難燃性のABS樹脂を用い、仮に誤ってたばこ等を置いても燃えにくくなるよう構成することが好ましい。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。なお、前扉枠13は前面板14と同様、ABS樹脂にて成形されている。前扉枠13はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。なお、上皿23も下皿16等と同様、難燃性のABS樹脂にて構成することが可能である。
本パチンコ機10では、ガラス扉枠と前飾り枠とを個別に設けこれらを前面枠(本実施の形態の本体枠に相当)に対して各々開閉可能とすると共に前飾り枠に上皿を設けていた従来構成と異なり、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13とし、前扉枠13に対して一体的に上皿23を設ける構成としている。この場合、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13としたため、当該前扉枠13においてガラス支持構造の強度向上が実現できる。つまり、本パチンコ機10では、遊技領域の拡張を目的とし、その遊技領域拡張に伴い大きめのガラス137を前扉枠13に搭載している。従って、ガラス周囲の枠部分が幅狭になり、強度低下の問題が懸念されるが、ガラス下方に上皿一体の枠部分を設けること等によりガラス支持構造の十分な強度が確保できる。なお、ガラス137の縦横寸法は、従来一般に405mm×405mmであったのに対し、本パチンコ機10では453mm×434mmとしている。
また、前扉枠13は、少なくともその開閉の際に遊技球発射ハンドル18と干渉しないようにして下方に拡張されている。具体的な数値を示すと、パチンコ機下端から前扉枠13の下端までの寸法Laは、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10では30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機下端から上皿23の上端までの寸法Lbも小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10では約261mmとなっている。ここで、上皿23の位置を下げたことにより、遊技ホールにおいてパチンコ機10左側に並設される球貸し装置のノズル先端との上下方向の距離が大きくなって貸球のこぼれ落ち等が懸念されるが、本実施の形態では、当該ノズルからの貸球排出部分となる左側部分において、膨出部22の壁面を他の壁面より高くした立ち上げ部22aを形成している。これにより、上皿23の位置を下げた構成にあっても貸球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。立ち上げ部22aの高さ寸法は上皿23の下げ寸法に見合うものであれば良く、その最大高さ寸法は本実施の形態では25mmとされている。
なお、前扉枠13においては、上皿形成のための膨出部22が手前側に大きく膨出して設けられるが、上皿23より上方のそれ以外の部位(後述する環状電飾部102等)は、球貸し装置のノズルとの干渉を避けるべく手前側への膨出が制限されている。具体的には、外枠11からの手前側への寸法が45〜50mmに制限されている。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30は、従来と同様、上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている。
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口33が配置され、さらにその下方に可変入賞装置32が配置されている。また、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部両側に一般入賞口31がそれぞれ複数配置されている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。アウト口36は、遊技盤30の下端略中央を逆U字状に切り欠いて形成されている。そのため、アウト口を穴状に形成していた従来構成に比べ、アウト口形成が容易となる(但し、図4では手前側にレールユニット50が重ねて設けられているため、アウト口36が閉じた状態で示されている)。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技盤30の左右両側部には、組付相手である本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように凹部としての切欠38が複数箇所に形成されている。
前述したとおり、本パチンコ機10では上皿23の位置を下げられており、それに伴い上皿23の最下流部に設けた遊技球の取込口の位置も同様に下げられている。この場合、遊技球取込口が比較的高い位置にあった従来構成では、遊技球取込口と遊技盤30とが前後に重なり、遊技盤30には遊技球取込口に対応する切欠を設ける必要があったが、本パチンコ機10では、遊技球取込口を下げたことにより遊技球取込口と遊技盤30とが前後に重なることがなく、遊技球取込口用の切欠の形成が不要となる。故に、遊技盤30の製作工程上、有利な構成となる。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。このセンターフレーム43は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。センターフレーム43の上部中央には、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48が横並びの状態で設けられている。また、これら両特定ランプ部47,48が配設された領域を挟むように、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ44は、図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。上述したように、センターフレーム43の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、保留ランプ44、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。センターフレーム43の下部には、第2特定ランプ部48に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、前記保留ランプ44と同様に、図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。
図柄表示装置41は8インチサイズの液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。この図柄の変動表示については、後に詳細に説明することとする。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置の他に、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第1特定ランプ部47には、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプが配設されている。そして、作動口33への入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、作動口33への入賞をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定時間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定時間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。これにより、第1特定ランプ部47には、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には、大当たりが発生し、青色が停止表示された場合には、大当たりが発生しない。また、最終的に赤色で停止表示された場合と、最終的に緑色で停止表示された場合とで、大当たりの種類が異なり、前者の方が遊技者に有利な大当たりが発生することとなる。この発光色の切り替えに関しては、後に詳細に説明することとする。
一方、第2特定ランプ部48には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが配設されている。この第2特定ランプ部48は、スルーゲート34の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、遊技球がスルーゲート34を通過すると、赤色光の点灯と緑色光の点灯とが交互に行われる。これにより、第2特定ランプ部48には、赤色、緑色が交互に表示されることとなる。そして、赤色が停止表示された場合には、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、大当たりが発生すると、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態となる。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、より具体的には、摩擦抵抗を低減するべくフッ素配合のポリカーボネート樹脂が用いられている。レールユニット50は、内外二重に設けられた内レール部51と外レール部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、外レール部52は内レール部51の上方開放領域を囲むようにかつ内レール51の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。
内レール部51は、他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられている。また、外レール部52は、内レール部51と同様に他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられた支持部52aを有し、その支持部52aの内側面に、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするための摺動プレート52bが取り付けられている。摺動プレート52bは、長尺状をなすステンレス製の金属帯よりなり、複数箇所で支持部52aに支持されている。かかる場合、内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、これら各レール部51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により球案内通路が形成されている。なお、内外のレール部51,52が対向する部位では、遊技盤30との当接部53により各レール部51,52が連結されており、球案内通路は手前側に開放した溝状に形成されている。
レールユニット50において、前記球案内通路より遊技球が飛び出す部位(図4の左上部)には戻り球防止部材54が取着され、該飛び出した遊技球の最大飛翔部分に対応する部位(図4の右上部)には返しゴム55が取着されている。戻り球防止部材54により、一旦球案内通路から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。ここで、レールユニット50の上下及び左右の各端部は略直線状に形成されている。つまり、レールユニット50の上下及び左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。レールユニット50は、遊技盤30上の遊技領域の最大幅となる位置が遊技盤30の左右端位置に至るように配設されている。なお、レールユニット50の球案内通路に対応する部位のなかでも特に遊技球の受け入れ部位に関しては、当該レールユニット50を強固に取り付けて遊技球の飛びを安定させるべく、該当するフランジ56が他よりも多い箇所(本実施の形態では3カ所、他は2カ所)でネジ止めされている。
内レール部51及び外レール部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。凸部57は、内レール部51の外周部から下方へ延びるように形成され、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路76(図3参照)に導く機能を有する。遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するためのスペース(図のSa,Sb)となっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58a,58bが形成されている。証紙等のシールを遊技盤30に直接貼り付ける構成とすることで、証紙等の不正な貼り直し等が行いにくいものとなっている。
遊技盤30においてレールユニット50よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
次に、遊技領域について説明する。遊技盤30の盤面はレールユニット50(内外レール部51,52)により内外領域に区画され、略円形状に区画された内側領域が遊技領域とされている。特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て内レール部51及び外レール部52によって囲まれる領域のうち、内外レール部51,52の対向部分である球案内通路の領域を除いた領域として説明する。つまり、遊技領域は球案内通路部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール部52によってではなく内レール部51によって特定される。また、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定され、遊技領域の下側限界位置はアウト口36が形成された遊技盤30の下端位置によって特定され、遊技領域の上側限界位置は外レール部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。すなわち、遊技領域の幅寸法は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上又は480mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さ寸法は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとすることができる。なお、遊技領域の幅又は高さが一定値以上となると、遊技領域の一部が遊技盤30の盤面を越えることも考えられるが、その越えた領域については他の部材を遊技盤面に沿って設けること等によって補えばよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、本実施の形態のように従来と同様の大きさの遊技盤30を使用している前提下では相当に遊技領域を拡大しているといえる。なお、パチンコ機10の外形は遊技ホールへの設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。なお、80%以上を確保するには遊技領域の形状を略円形状とすることは困難となるため、隅部(例えば右下隅部や右上隅部)を拡張したような形状とすることが好ましい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
遊技領域の拡張に関連して、可変表示ユニット35の両側に位置するスルーゲート34は、該ゲート34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の作動口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。また、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、比較的大型の可変表示ユニット35を遊技領域中央に設けても、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34、風車37、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための三角釘等の誘導釘)、他の役物などを余裕をもって配設することができ、可変表示ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の流れが単調とならず、遊技球の挙動を存分に楽しませることができる。
遊技盤30の左右両側部に切欠38が形成されて本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉が回避されていること、レールユニット50において遊技盤30上の遊技領域の最大幅となる位置が遊技盤30の左右端位置にまで至るようになっていることは既に述べたが、更に後述するように、本体枠12の左右両側部に設けられる補強部材(軸受け金具235:図9参照)と施錠装置(基枠247、連動杆248等:図9参照)とを配置するための領域を残した幅となるようにして本体枠12に遊技盤30が取り付けられている。これらのことからも、遊技領域の拡張が図られている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース25において、窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース25に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後球案内通路を通じて遊技領域に案内される。前述のとおり遊技領域が従来よりも大幅に拡張されたことにより、球案内通路の曲率は小さくなっているため、打出球を安定化させるための工夫が必要となる。そこで、本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くして発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、また発射レール61を遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成することで発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で球案内通路に案内できるようにしている。さらに打出球の安定化を図るべく、発射レール61を設置した金属板62を大型化すると共に該金属板62を多数箇所(本実施の形態では15〜20カ所)でネジ止めしており、これにより発射レール61が遊技盤30に対して強固に位置決めされている。
発射レール61と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。従って、仮に遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部のファール球通路76に通じる隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が球案内通路内を逆流してくる際、その多くは外レール部52に沿って流れ、外レール部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は球案内通路内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路76に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路76に確実に案内され、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前扉枠13側の球出口(上皿23の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前扉枠13側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の発射基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材63,64を設置してある。これにより、前扉枠13側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には、基端部を中心に回動可能に支持された打球槌が設けられ、打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や槌シャフト部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(基端部と反対側の先端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果も得られる。
また、本体枠12の前面において発射レール61の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部245(図10参照)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70は、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂材料により内部を視認可能に構成され、本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した状態で本体枠12と前扉枠13との間に収まるよう厚みが比較的薄くなるように形成されている。遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
樹脂ベース25には、窓孔26の右下部に略四角形状の小窓78が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部スペース(図4のSa)に貼られた証紙等は、この小窓78を通じて視認できるようになっている。この小窓78から遊技盤30上に証紙等を直接貼り付けることも可能である。
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部にも小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。前扉枠開放スイッチ27は、樹脂ベース25の前面に出没可能なピンを有しており、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠13の閉鎖が検知され、本体枠12に対して前扉枠13を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠13の開放が検知されるようになっている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図5に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。従って、金属片28a,28bを通じて、前扉枠13背面の金具類が本体枠12側の施錠装置やヒンジ金具に導通され、これら施錠装置やヒンジ金具と共にアースされる。
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。従って、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。この場合、シリンダ錠91は、遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
図2に示すように、本体枠12には、シリンダ錠91を囲むようにして縦長状のカバー部材92が取り付けられている。詳細な図示は省略するが、カバー部材92には、その上端部及び下端部に係止部(フック)が形成されている。従って、上側の係止部を本体枠12側に係止させると共に、下側の係止部を本体枠12と前面板14との間に挟み込むことにより、カバー部材92が本体枠12に取り付けられる。前扉枠13には、カバー部材92の形状に合わせて切欠部145が形成されており、前扉枠13を閉鎖した状態ではこの前扉枠13と共にカバー部材92がパチンコ機前面部を構成する。なお、前扉枠13を閉鎖したとき、カバー部材92に形成された鍔部が前扉枠13により押さえられ、カバー部材92のがたつきが防止されるようになっている。
次に、前扉枠13について図1,図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、前扉枠13の背面図である。
前扉枠13には遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は、円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になる形状であってもよい。前扉枠13の窓部101上方において、最も狭い部位のフレーム幅は約61mmである。本実施の形態における上記フレーム幅寸法は、本体枠12において外レール部52の最上部(遊技領域の上端)と本体枠12の上端との間の距離とほぼ一致するものであって、85mm〜95mm程度の上記フレーム幅を有する従来機種に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域における上部領域の視認性が確保されやすくなると共に、大型の可変表示ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。窓部101上方のフレーム幅(最狭部位)の寸法は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下としても差し支えない。
前扉枠13の左右のフレーム部分は、フレーム幅を小さくするには制約があり、前扉枠13自体の強度及びガラス支持強度を確保するのに十分な幅寸法を必要とする。本実施の形態では、左右の各フレーム部分において最も狭い部位のフレーム幅を何れも約44mmとしている。この場合、本パチンコ機10にあっては遊技領域を大幅に拡張したことから、パチンコ機10の正面から見て左側すなわち開閉軸線側では、前扉枠13のフレーム幅が上記の通り約44mmとなるのに対し、レールユニット50の外レール部52の左端位置と本体枠12の左端位置との距離が約21mmとなり、後者の寸法がかなり小さいものとなっている。つまり本構成では、前扉枠13を閉鎖した状態において、球案内通路の一部が、前扉枠13の左側フレーム部分と重複し覆い隠されるようになる。しかしながら、球案内通路において遊技球が一時的に視認困難となったとしても、かかる球案内通路は遊技球が遊技領域に案内されるまでの通過領域に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。以上により、前扉枠13の十分な強度及びガラス支持強度を確保しつつも、遊技に何ら支障を及ぼすことなく遊技領域の拡張が可能となる。
前扉枠13の下端部における左右両側には、本体枠12表面や遊技盤30表面等(証紙等を含む)の一部を視認できるよう透明樹脂を取り付けた小窓107が設けられている。小窓107に取り付けられる透明樹脂は、その内部の証紙等を工場等で容易に機械読み取りできるよう平坦状に構成される。但し、小窓107に、内部の証紙等をホール作業者等が容易に目視できるよう拡大レンズ部を設けることも可能である。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。なお、環状電飾部102は、内外二重の樹脂カバー層とその内側に収容された発射板付き発光体(LED)とよりなり、樹脂カバー層の各々の内側面には各層で縦横に交差する向きに突条(又は波状の突起)が設けられている。外側の樹脂カバー層は透明であり、内側の樹脂カバー層は有色である。従って、環状電飾部102を発光させれば、多数に分散化された状態、又は立体感を伴った状態の電飾が実現できるようになる。樹脂カバー層には、ガラス粉末入りの樹脂材料を用いると良い。このような樹脂カバー層の構成は、他の電飾部(例えば中央電飾部103や賞球ランプ105)に適用することもできる。
前扉枠13には、窓部101の下方位置に、貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部120が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部120の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、貸球操作部120を設けた本パチンコ機10の構成において、カードユニットを用いたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機との共用が可能となる。
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
図5の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機10においても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
図5の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
下側の補強板134には、前記発射レール61に対向する位置に樹脂ケース136が取り付けられている。樹脂ケース136には、前記貸球操作部120用の回路基板が収容されている。樹脂ケース136の背面(図5に見える面)は平坦状をなし、前扉枠13を閉じた際に発射レール61の側壁を構成するようになっている。故に、発射レール61から遊技球が前方にこぼれ落ちることが防止される。
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の内側が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。ガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
前述した通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前扉枠13を閉じた状態にあっては、内外のレール部51,52間に形成された球案内通路の一部が前扉枠13により覆い隠される構成となっている。それ故、球案内通路では手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らず戻ってくると、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前扉枠13に、球案内通路の手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。レールカバー140は略円弧状をなす板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記球案内通路の形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、球案内通路の基端部から先端部近傍までの区間を覆うようになっている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前扉枠13に取着した図5の状態で右端となる部位)には、球案内通路がガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。以上のレールカバー140の構成により、前扉枠13が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が球案内通路のほぼ全域を覆うこととなって、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
また、レールカバー140の下部裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ後方へ向けて突出する突条142が形成されている。突条142は、前扉枠13が閉じられた状態において、球案内通路内に入り込んだ状態で内レール部51に重なり合うように配置される。従って、例えば前扉枠13と本体枠12との隙間から針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、球案内通路の内側にある遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金やフィルム等を侵入させにくくなり、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、図6はパチンコ機10の背面図、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、発射制御装置312(発射制御基板)及び電源装置313(電源基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図8の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
各ユニット201〜203を回動可能に支持する支軸部M1,M4,M6は、各ユニット201〜203をパチンコ機10の裏面から開いた状態で容易に取り外し可能なヒンジ構造となっている。簡単に説明すると、第1制御基板ユニット201については、締結部M2の締結及び係止爪部M3の係止を解除すると共に、当該ユニット201を軸線Aを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203がない前提であれば、第1制御基板ユニット201を取り外すことができる。また、第2制御基板ユニット202については、締結部M5の締結を解除すると共に、当該ユニット202を軸線Bを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、第2制御基板ユニット202を取り外すことができる。さらに、裏パックユニット203については、締結部M7の締結及び係止部M8,M9の係止を解除すると共に、当該ユニット203を軸線Cを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203を取り外すことができる。
ここで、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。この場合、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部重複して設けられるため、裏パックユニット203を開かないことには第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能であり、さらに言うと、第1制御基板ユニット201及び裏パックユニット203が各々逆方向に展開する構成であるため、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能である。従って、第1制御基板ユニット201を取り外すことに着目すると、他のユニット202,203に比べて取り外しが困難な構成となっている。さらに、施錠装置をキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっているため、より一層第1制御基板ユニット201の取り外しが困難なものとなっている。より具体的な構成については後述する。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図9は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図10は本体枠12を後方より見た斜視図、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図9にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図4参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部の例えば遊技ホールの島設備等へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に集合板ユニット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複していない。従って、遊技盤30を本体枠12から取り外す際において、排出通路盤17が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿23の裏側に配置されており、上皿23に至る球排出口(図2の球通路樋138)より針金やフィルム等を差し込み、さらにその針金やフィルム等を本体枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで、本パチンコ機10では、図10に示すように、排出通路盤217には、球通路樋138の上部位置に対応する高さ位置に、本体枠12に重なり合うようにしてパチンコ機10前方に延びるプレート219を設けた。従って、本体枠12と排出通路盤217との隙間から針金やフィルム等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して可変入賞装置32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置に特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球が特定領域に入ったことを判定するスイッチである。特定領域とはラウンドの更新可否を判定するための領域であり、Vゾーンとも称されている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271に取り込まれ、該主制御装置271よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、払出制御装置311の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。ここで、従来のいわゆる証拠球方式では、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行うようにしていたが、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に検知して払出が直ちに行われるようにしているため、払い出す遊技球が多量にあってもその払出をいち早く実施することが可能となるとともに、入賞球処理装置が不要となる。
集合板ユニット215には、その右上部に盤用外部端子板230が設けられている。盤用外部端子板230には、第1図柄の変動が停止(最終停止)する毎に信号出力するための出力端子と、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。なお、図9に示すように、本体枠12裏側の左下部には、打球槌等を備えるセットハンドル228及び発射モータ229が設けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図12に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。なお、第2制御基板ユニット202用の軸受け部237と裏パックユニット203用の軸受け部238とを各々個別の軸受け金具で構成することも可能である。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。なお、裏パックユニット203は、その上部に大量の遊技球を貯留することから、裏パックユニット203の上部を支持するための固定具241,242に関しては特に十分な強度を持つ構成とするのが望ましく、本実施の形態では回動式の固定具を用いている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図9では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図9では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。
なお、本体枠12の左右側部に軸受け金具235と施錠装置(基枠247、連動杆248等)とが振り分けられる上記構成において、これら軸受け金具235及び施錠装置(基枠247、連動杆248等)を配置するための領域を残した幅となるようにして、本体枠12に前記遊技盤30が取り付けられている。これによっても遊技領域の拡張が図られていることは前述した通りである。
本体枠12の背面における遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿23、下皿16又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。遊技球分配部245は、左側の開口部245aが第1排出口66を介して上皿23に通じ、中央の開口部245bが第2排出口67を介して下皿16に通じ、右側の開口部245cが排出通路218に通じるように、各通路が形成されている。遊技球分配部245は、本体枠12に対してネジ等により強固に取り付けられている。従って、遊技球分配部245の設置部位における浮き上がりが防止され、隙間から針金やフィルム等を侵入させることによる不正行為が防止できるようになっている。なお、本体枠12の下端部には、奥壁パネル17の裏側に設置されたスピーカ20の背後を囲むための合成樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、スピーカボックス246がスピーカ音を後方へ逃さないように機能することで低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図13〜図16に基づいて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。なお、基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニット274によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット274はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット274による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット274を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合発生の際や主基板の検査の際など基板ボックス273を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス273の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス273に残しておけば、基板ボックス273を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
音声ランプ制御装置272は、例えば主制御装置271又は表示制御装置214からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス275に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置272上には電源中継基板276が搭載されており、電源装置313の電源が電源中継基板276を介して表示制御装置214及び音声ランプ制御装置272に供給されるようになっている。
取付台251は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、例えば緑や青等に着色されて不透明とされている。但し、取付台251は無色透明又は半透明であってもよい。取付台251の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は縦横に直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面252の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面252より起立した起立部254が一体成形されている。そして、横長の基板搭載面252上に主制御装置271が配置されると共に、縦長の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部254にて支えられる。また、音声ランプ制御装置172は、複数箇所でネジ等により基板搭載面253に固定される。
ここで、図15及び図16に示すように、基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔256が形成されている。一方、主制御装置271の基板ボックス273には、その裏面の左右2カ所に回動操作式の固定具277が設けられている。主制御装置271を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔256に固定具277が挿通されるように主制御装置271を載置し、その状態で固定具277を回動操作することで主制御装置271がロックされる。従って、主制御装置271は第1制御基板ユニット201の裏面側から固定具277をロック解除しなければ取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
また、取付台251において、主基板用の基板搭載面252の下方には、基板搭載面252の裏面空間に通じる開口を遮蔽するための遮蔽部257が設けられている。従って、基板搭載面252の下方より取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具277のロック状態を不正に解除することができないようになっている。また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態では、当該ユニット201の上部が裏パックユニット203により覆われるため、やはり取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具277のロック状態を不正に解除することができないようになっている。
前述した通り、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ取り外すことが不可能であり、また、施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっている。つまり、本体枠12を開くことができなければ、結果的に第1制御基板ユニット201を回動させたり取り外すことができず、ひいては主制御装置271の取り外しも不可能となる。それ故、主制御装置271の不正な載せ替えや盗難等を効果的に防止することができる。
主制御装置271は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置272はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を搭載した状態において各制御装置271,272はその一部を前後に重ねて配置される。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置271はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置される。故に、主制御装置271に重なる領域まで音声ランプ制御装置272を拡張することが可能となり、また別の見方をすれば音声ランプ制御装置272に重なる領域まで主制御装置271を拡張することが可能となり、パチンコ機10という限られた大きさの中にあっても、各制御基板271,272の大型化に良好に対処できるとともに、各制御装置271,272を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。なお、基板搭載面252の裏面には格子状のリブ258が設けられており、主制御装置271の支持強度が高められている。
取付台251の左端面には上下一対の掛止ピン261が設けられており、この掛止ピン261を前記軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される。取付台251の右端部には前記被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ262が設けられている。取付台251の上端部には前記係止爪片233が係止される長孔263が設けられている。従って、ナイラッチ262を被締結孔232にはめ込むと共に、長孔263に係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、軸受け金具231及び掛止ピン261が前記支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ262が前記締結部M2に、係止爪片233及び長孔263が前記係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図17〜図19に基づいて説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図、図18は同ユニット202の斜視図、図19は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311及び発射制御装置312は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われる。また、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、主制御装置271と同様、被包手段を構成する基板ボックス315がボックスベースとボックスカバーとを備え、それらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、後述する払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。基板搭載面302には、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源装置313の基板ボックス317上には略平板状の台座プレート303が載置されるとともに台座プレート303上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。払出制御装置311と電源装置313との間には台座プレート303が介在するため、例えばノイズ除去用の金属プレート等を設置するには台座プレート303に金属プレート等を取り付ければ良く、ノイズ対策が簡単に実現できる。
取付台301には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン305が設けられており、掛止ピン305を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台301の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。なお、軸受け部237及び掛止ピン305が前記支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が前記締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を図20〜図22に基づいて説明する。図20は裏パックユニット203の正面図、図21は裏パックユニット203の分解斜視図である。図22はタンクレールの分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置272も併せて囲む構成となっている。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置214等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができるようになっている。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。なお、図示は省略するが、ケースレール357の上流部には、タンク355やタンクレール356から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置358には、払出モータ358aの回転を検出する払出回転センサと、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。バイブレータ360は、バイブモータとそのバイブモータを収容する合成樹脂製のケースとによりユニット化されており、2本の脚部360aでタンクレール356に取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図22に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有している。レール本体361の上流部には球面状の球受部362が形成され、球受部362によりタンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれるようになっている。レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に塵埃を落下させるための開口部365が設けられている。レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。整流板367は、下流側ほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、その下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが発生し難くなっている。なお、レール本体361が帯電防止のために黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は球詰まり等を目視で確認できるように透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。整流板367には、遊技球の流下を阻止するための手動式のストッパ369が取り付けられている。
図20,図21の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。従って、裏パックユニット103を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット103を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。なお、軸受け部238及び掛止ピン385が前記支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が前記締結部M7に、固定具242及び係止孔387が前記係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が前記係止部M9に相当する。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図23のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置271には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込み処理(図33参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図27参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
主制御装置271のCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。主制御装置271の入力側には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。一方、主制御装置271の出力側には、払出制御装置311や表示制御装置214が接続されている。また、第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプのスイッチや第2特定ランプ部48に配設されたLEDランプのスイッチも接続されている。これにより、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48は、主制御装置271により直接的に制御されることとなる。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置271のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置271のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により、NMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置271、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置214は、図柄表示装置41における第1図柄(特別図柄)の変動表示を制御するものである。表示制御装置214は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置271の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には音声ランプ制御装置272が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には図柄表示装置41が接続されている。
表示制御装置214のCPU521は、主制御装置271から送信される図柄表示コマンドに基づいて図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、図柄表示装置41に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、図柄表示装置41の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置271や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置271や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置271のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置271及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置271及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込み処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込み処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置271及び払出制御装置311は、NMI割込み処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置271及び払出制御装置311のバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。RAM消去スイッチ323が押された際、RAM消去スイッチ回路543は、主制御装置271及び払出制御装置311に対してRAM消去信号SG2を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御装置271及び払出制御装置311においてそれぞれのバックアップエリア503a,513aのデータがクリアされる。
ここで、図柄表示装置41に表示される第1図柄と、同図柄表示装置41における表示内容について図24、図25に基づいて説明する。図24は、第1図柄たる複数の図柄を個々に示す図面である。図25は、図柄表示装置41の表示画面Gを示す図面であり、(a)には表示画面G内の有効ライン設定を、(b)には図柄をはめ込んだ表示内容の一例を示す。
図24の(a)〜(k)に示すように、第1図柄は、「1」〜「9」の数字を各々付した10種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。詳しくは、各主図柄では、それぞれ異なる特徴が付与された9種類のキャラクタよりなる後方図柄の右側に「1」〜「9」の数字が付されている。但し、「4」の数字が付された主図柄は2個設けられており、この主図柄は後方図柄であるキャラクタは同種であるが、付されている数字の色が異なっている。この場合において、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「高確率図柄」に相当し、当該高確率図柄が揃うことで特別遊技状態たる大当たり状態に突入し、さらにその後、高確率時の状態に移行する。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「低確率図柄」に相当し、当該低確率図柄が揃うことで大当たり状態に移行するが、かかる場合には高確率時の状態には移行しない。なお、高確率時とは、第1図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄の組合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。また、第1特定ランプ部47においては、確変状態となる大当たりのときに赤色が表示され、通常状態となる大当たりのときに緑色が表示される。
次に、図柄表示装置41の表示画面Gについて説明する。図25の(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gは、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されており、各図柄列Z1〜Z3に、前述した第1図柄が規定の順序で表示される。詳細には、上図柄列Z1は数字の降順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列され、各主図柄の間に副図柄が交互に1つずつ配列されている。下図柄列Z3は数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列され、各主図柄の間に副図柄が交互に1つずつ配列されている。これに対して、中図柄列Z2は数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で、さらに「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が配置されている。即ち、中図柄列Z2のみ「4」の主図柄が2個配置されており、主図柄が10個存在する構成となっている。なお、上述したように、2個配置されている「4」の主図柄は、後方図柄であるキャラクタは同種であるが付されている数字の色が異なっているので、「3」の主図柄と「5」の主図柄との間の「4」の主図柄であるのか、「9」の主図柄と「1」の主図柄との間の「4」の主図柄であるのかは識別可能となっている。また、中図柄列Z2に配列されている副図柄は、図柄列Z1,Z3同様、各主図柄の間に配列されている。そして、表示画面Gでは、各図柄列Z1〜Z3に配列された複数の第1図柄が周期性をもって右から左へとスクロールするように変動表示される。また、表示画面Gには、各図柄列Z1〜Z3に左・中・右の3列に第1図柄が表示され、結果として3列×3列の計9個の第1図柄が表示されるようになっている。実際には、図25の(b)に示すように、表示画面Gに第1図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。
表示画面Gには、その画面上で各図柄列Z1〜Z3と垂直に交わる第1有効ラインと、互いに交差する第2有効ライン及び第3有効ラインとが設定されている。詳細には、第1有効ラインとして、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3が設定されており、第2有効ラインとして左上がりラインL4が、第3有効ラインとして右上がりラインL5がそれぞれ設定されている。そして、毎回の遊技に際しては、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に第1図柄の変動表示が停止され、図柄決定した時に第1図柄がいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。なお、上図柄列Z1→下図柄列Z3の順に第1図柄の変動表示が停止され、有効ラインL1〜L5上に大当たり図柄の組合せとなり得る図柄が停止した状態をリーチと称し、リーチが発生している有効ラインL1〜L5をリーチラインともいう。本実施の形態では、上述したように、上図柄列Z1は9個の主図柄が降順に配列され、下図柄列Z3は9個の主図柄が昇順に配列されているため、有効ラインL1〜L3上で、同時に2以上の有効ラインがリーチラインとなることはなく、そのリーチをシングルリーチと称する。一方、左上がりラインL4上でリーチが発生すると、同時に右上がりラインL5上に別のリーチが発生するため、そのリーチをダブルリーチと称する。ダブルリーチが発生すると、シングルリーチの場合と比較して見た目上大当たり図柄の組合せとなる確率が倍となっており、遊技興趣の向上を図ることができる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置271内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や第1図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図26に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え開始から切り替え終了までの期間を決定する第1変動種別カウンタCS1とを用いることとしている。
これらのカウンタC1,CINI,CS1は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1の値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。本実施形態では、低確率時に乱数値「337」が保留球格納エリアに格納されれば大当たり後に高確率状態となり、高確率時に乱数値「67,131,199,269,337」のいずれかが保留球格納エリアに格納されれば大当たり後も高確率状態が継続する。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置41の図柄の変動時間に相当する。第1変動種別カウンタCS1は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置41による第1図柄の変動表示の設定に際して第1変動種別カウンタCS1のバッファ値が取得される。
なお、各大当たり乱数カウンタC1及び第1変動種別カウンタCS1の大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、第1変動種別カウンタCS1の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。また、図示は省略するが、第2特定ランプ部48の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタC2が用いられる。第2図柄乱数カウンタC2は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプカウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御装置271内のCPU501により実行される各制御処理を図27〜図33のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図31は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置271のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図31において、ステップS501では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置271に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS502では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS503では、大当たり乱数カウンタC1の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1をそれぞれ1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際に0にクリアする。そして、大当たり乱数カウンタC1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS504では、作動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図32のフローチャートにより説明すると、ステップS601では、遊技球が作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が作動口33に入賞したと判別されると、続くステップS602では、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。作動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS603に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。続くステップS604では、前記ステップS503で更新した大当たり乱数カウンタC1の値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
なお、遊技球が作動口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い図柄表示装置41による第1図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、第1図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、大当たり乱数カウンタC1の値の格納処理(ステップS604)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットすることとしている。具体的には、上記始動入賞処理は2msec周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の大当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する第1図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定されるようになっている。
図33は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置271のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。このNMI割込みにより、電源遮断時の主制御装置271の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置271内のCPU501のNMI端子に出力され、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。図33のNMI割込み処理プログラムは、主制御装置271のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置271の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理において、ステップS701では使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS702ではスタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS703では電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS704では電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。ステップS705ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS706では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。その内容はステップS704の電源遮断通知コマンドの送信を行わない点を除き上記説明と同様である。
図27は、主制御装置271内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
メイン処理において、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置272、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し、続くステップS105ではRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(ステップS114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114〜S116)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源遮断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では電源遮断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では電源遮断の発生情報をクリアする。ステップS110ではサブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。また、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源遮断前の状態に復帰させた後、電源遮断前の番地へ戻る。
次に、通常処理の流れを図28のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、図柄表示装置41による第1図柄の変動表示に際して変動時間コマンド、変動種別コマンド、保留コマンド、最終停止コマンド、最終停止時保留コマンド等を表示制御装置214に送信する。なお、これらの各コマンドは、変動時間コマンド→変動種別コマンド→保留コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間経過のタイミングで最終停止コマンド及び最終停止時保留コマンドがまとめて送信されるようになっている。
次に、ステップS202では、第1変動種別カウンタCS1の更新を実行する。具体的には、第1変動種別カウンタCS1を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では240)に達した際に0にクリアする。そして、第1変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS204では、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。この第1特定ランプ部制御処理により、大当たり判定や第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置41による第1図柄の変動表示の設定も行われる。但し、第1特定ランプ部制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS205では、大当たり状態である場合において可変入賞装置35の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
ステップS206では、第2特定ランプ部48に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。簡単に説明すると、遊技球がスルーゲート34を通過したことを条件に、その都度の第2特定ランプカウンタC2の値が取得されると共に第2特定ランプ部48に表示される色の切り替え処理が実施される。そして、第2特定ランプ乱数カウンタC2の値により表示される色の抽選が実施され、赤色が選択されると、作動口33に付随する電動役物が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2特定ランプカウンタC2も、大当たり乱数カウンタC1と同様に、図31に示すタイマ割込み処理により更新されるようになっている。
その後、ステップS207では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び第1変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(ステップS208,S209)。つまり、ステップS208では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS209では、第1変動種別カウンタCS1の更新を実行する。具体的には、第1変動種別カウンタCS1を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では240)に達した際に0にクリアする。そして、第1変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができる。
次に、前記ステップS204の第1特定ランプ部制御処理を図29及び図30のフローチャートを参照して説明する。
第1特定ランプ部制御処理において、ステップS301では、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に図柄表示装置41で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。そして、この間、第1特定ランプ部47には、赤色又は緑色が表示され続けている。続くステップS302では、第1特定ランプ部47が切り替え表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1特定ランプ部47が切り替え表示中でもない場合、ステップS303に進み、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。そして、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
大当たり中又は第1特定ランプ部47が切り替え表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS304に進む。ステップS304では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS305では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS306では、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを開始する切替開始処理を実行する。具体的には、表示される色の切り替え時期を判断するためにタイマをリセットし、さらに第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプの現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御した上で、赤色光源のスイッチをオン制御する。これにより、第1特定ランプ部47には、赤色が表示される。なお、大当たり終了後でない場合には、切り替え表示開始前は青色光源のスイッチがオンとなっており、大当たり終了後である場合には、赤色光源又は緑色光源のスイッチがオンとなっている。また、この切替開始処理においては、上記処理を行うのと共に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている第1変動種別カウンタCS1の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1特定ランプ部47に表示さえる色の切替表示時間を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と表示される色の切替表示時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
その後、ステップS307では、第1図柄の変動開始処理を実行する。ここで、図30のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS401では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合、ステップS402では、その大当たりが高確率状態へ移行する確変大当たりなのか、高確率状態へ移行しない非確変大当たりなのかを示す変動種別コマンドとしての大当たりコマンドを設定する。一方、ステップS401で大当たりでないと判別された場合、ステップS403に進み、大当たり以外を示す変動種別コマンドとしての外れコマンドを設定する。
ステップS402又はステップS403で変動種別コマンドを設定した後、ステップS404では、ワークRAM503のカウンタ用バッファに格納されている第1変動種別カウンタCS1の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1図柄の変動時間を決定し、当該変動時間を変動時間コマンドに設定する。第1変動種別カウンタCS1と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。但し、上述したように第1変動種別カウンタCS1の値により第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間が決定される。従って、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係を規定するテーブルは、第1変動種別カウンタCS1の数値と第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間との関係を規定するテーブルと対応付けられている。
変動時間コマンドを設定した後、ステップS405では、第1特定ランプ部制御処理内のステップS304にて1減算された作動保留球数Nの値が0か否かを示す保留コマンドを設定する。そして上記の通り変動種別コマンド、変動時間コマンド及び保留コマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
図29の説明に戻り、ステップS302がYES、すなわち第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え表示中である場合には、ステップS308に進み、切替表示時間が経過したか否かを判別する。上述したように、第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間は予め設定されており、この切替表示時間が経過した時にステップS308が肯定判別される。ステップS308において切替表示時間が経過していないと判別された場合には、ステップS309において表示色切替処理を実行する。この表示色切替処理により、各光源のスイッチがオンオフ制御され、第1特定ランプ部47に表示される色が切り替えられる。具体的には、切替開始処理においてリセットされたタイマが所定時間(例えば、1sec)経過したかどうかが判別され、所定時間経過していた場合には、現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御した上で、予め設定されているフラグを確認し、当該フラグに基づいて所定の光源をオン制御すると共に、フラグのセット及び消去処理を行う。このフラグは第1フラグ、第2フラグというように2種類設定されており、これら2種類のフラグの状態により次にオン制御する光源が決定される。例えば、第1フラグが0であり、第2フラグが1の場合には、緑色光源のスイッチをオン制御し、さらに第2フラグを消去する(両フラグが0の状態となる)。また、両フラグが0の場合には、青色光源のスイッチをオン制御し、さらに第1フラグをセットする(第1フラグが1、第2フラグが0の状態となる)。また、第1フラグが1であり、第2フラグが0の場合には、赤色光源のスイッチをオン制御し、さらに第1フラグを消去し、第2フラグをセットする(第1フラグが0、第2フラグが1の状態となる)。なお、変動開始処理においては、赤色光源のスイッチがオン制御された後に、第1フラグが0、第2フラグが1に設定される。これにより、赤色、緑色、青色の順序で第1特定ランプ部47に表示される色が変更され、前記順序の色の切り替えが繰り返し行われることとなる。一方、前記タイマが所定時間経過していなかった場合には、光源のスイッチのオンオフ制御を行うことなく本処理を終了する。
ステップS308において切替表示時間が経過したと判別された場合には、ステップS310において切替終了処理を実行する。この切替終了処理は、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを最終的にどの色で停止するかを判別し、判別された色の光源をオン制御するための処理である。具体的には、まず現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御する。その後、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を確認し、当該遊技回において確変状態となる大当たりが発生する場合には、赤色光源のスイッチをオン制御し、当該遊技回において通常状態となる大当たりが発生する場合には、緑色光源のスイッチをオン制御し、当該遊技回において大当たりが発生しない場合には、青色光源のスイッチをオン制御する。これにより、それぞれの遊技結果に応じた色が第1特定ランプ部47に表示されることとなる。なお。ここで設定された表示色は、次回の切替開始処理まで維持される。この切替終了処理が行われた後、S311において、停止図柄の最終停止のために設定されている最終停止コマンドを設定する。そして続くステップS312において、停止図柄の最終停止時の作動保留球数Nが0か否かを示す最終停止時保留コマンドを設定し、その後本処理を終了する。
なお、この第1特定ランプ部制御処理において設定された変動種別コマンド、変動時間コマンド、保留コマンド、最終停止コマンド、最終停止時保留コマンドなどは、上述した図28の通常処理における外部出力処理において表示制御装置214に対して出力され、表示制御装置214は、これらのコマンドに基づいて図柄の変動態様等の細かな表示内容を決定し、図柄表示装置41を直接的に表示制御する。これにより、図柄表示装置41の表示画面において図柄の変動表示が行われる。
ここで、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え態様を、図柄表示装置41における図柄の変動表示と対応させて、図34を用いて以下に説明する。図34(a)は、図柄表示装置41の上・中・下の図柄の表示状況と第1特定ランプ部47において表示される色の切り替え表示が行われているかどうかの状況とを示し、図34(b)は、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え制御の詳細な状況を示す。なお、図34においては、前回の遊技回で大当たりが発生せずに今回の遊技回で確変状態となる大当たりが発生するパターンを示すが、他のパターンにおいては最初と最後に表示される色が異なるのみで基本的な態様は同様である。
まずt1のタイミングで、主制御装置271は、第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプのスイッチをオンオフ制御することにより、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え制御を開始すると共に、表示制御装置214に対して表示コマンドを出力する。そして、表示制御装置214は、当該表示コマンドに基づいて表示画面において上・中・下の図柄の変動表示を即座に開始させるよう図柄表示装置41を表示制御する。これにより、上・中・下の図柄の変動と第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え表示とが同時に開始されることとなる。また、このt1のタイミングで、主制御装置271において第1変動種別カウンタCS1の値に基づき第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図34におけるt1〜t4までの時間に相当する。その後、表示制御装置214が独自に図柄表示装置41を表示制御することにより、t2のタイミングで、上図柄の変動表示が停止され、所定間隔を置いて下図柄の変動表示が停止され、さらにt3のタイミングで、中図柄の変動表示が停止される。この間、主制御装置271は、第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプの各光源のスイッチをオンオフ制御することにより、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え制御を継続して行っている。具体的には、第1特定ランプ部47には赤色、緑色、青色の順序でそれぞれの色が所定時間ずつ表示され、当該順序で表示される色の切り替えが繰り返し行われる。そして、t4のタイミングで、主制御装置271は、切替表示時間が経過したことを判断し、第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプの緑色光源のスイッチをオフ制御し、さらに赤色光源のスイッチをオン制御することにより、第1特定ランプ部47に表示される色の切替終了処理を行い、さらに表示制御装置214に対して最終停止コマンドを出力する。この最終停止コマンドを入力することにより表示制御装置214は、上・中・下の図柄を最終停止表示させるよう図柄表示装置41を表示制御する。これにより、t4のタイミングで図柄表示装置41の表示画面における図柄の変動表示と第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え表示とが同時に終了することとなる。なお、t4のタイミングでは、第1特定ランプ部47に緑色が表示されてから所定時間経過していないが、切替表示時間が経過しているので、それに規制されることなく緑色光源のスイッチがオフ制御され、赤色光源のスイッチがオン制御される。この赤色光源のスイッチのオン状態は、次の遊技回になるまで継続される。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図35は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
まず、ステップS801では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS802では、主制御装置271から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS803に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS804で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS805では電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し、続くステップS806ではRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS807ではRAM判定値を算出し、続くステップS808では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(ステップS815〜S818)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS815〜S818)に移行する。つまり、ステップS815ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS816ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS817ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS818では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源遮断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS809では電源遮断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS810では電源遮断の発生情報をクリアする。また、ステップS811ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS812では使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS813,S814では、割込み許可/不許可を電源遮断前の状態に復帰させた後、電源遮断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図36のフローチャートを参照しながら説明する。
図36において、ステップS901では、主制御装置271からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS902では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS903では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS904では、下皿16の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿16の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS905では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS906では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS907〜S909では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく且つ前記ステップS901で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS907,S908が共にNO)、ステップS909に進み、図37に示した後述する賞球制御処理を開始する。また、賞球の払出不可状態又は総賞球個数が0であれば(ステップS907,S908の何れかがYES)、ステップS910〜S912の貸球払出の処理に移行する。
貸球払出の処理において、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS910がNO、S911がYES)、ステップS912に進み、図38に示した後述する貸球制御処理を開始する。また、貸球の払出不可状態又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS910がYES又はS911がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS913では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS914では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図37に示す賞球制御処理において、ステップS1001では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1002では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1003に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1004に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1005に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1006に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1007で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
また、図38に示す貸球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
次に、表示制御装置214による表示制御の具体的手順について説明する。
本実施の形態では、表示制御装置214内のCPU521は、主制御装置271内のCPU501と同様に各種カウンタ情報を用いて、第1図柄の変動パターンの設定などを行うこととしている。具体的には、第1図柄の変動パターン選択などに使用される変動種別カウンタHCと各図柄列の停止表示図柄の設定に使用される上・中・下の各停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBとを用いることとしている。
変動種別カウンタHCには、例えば0〜198のカウンタ値が用意されている。そして、変動種別カウンタHCは、短時間間隔(例えば20msec)でそのカウンタ値の範囲内において例えば1ずつ加算され、カウンタ値の最大値(198)に達した後0に戻る構成となっている。また、その更新値がワークRAM523の所定領域に設定された変動種別カウンタ用バッファに適宜格納される。
停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBにもカウンタ値がそれぞれ用意されている。上列第1図柄及び下列第1図柄では、主図柄及び副図柄を合わせて18の第1図柄の何れかが表示されることから、停止図柄カウンタHCU,HCBには各々に18個(0〜17)のカウンタ値が用意されている。一方、中列第1図柄では主図柄及び副図柄を合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、停止図柄カウンタHCMには20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。停止図柄カウンタHCUによって上図柄列Z1の左ラインL1上に停止表示させる第1図柄が決定され、停止図柄カウンタHCMによって中図柄列Z2の左ラインL1上に停止表示される第1図柄が決定され、停止図柄カウンタHCBによって下図柄列Z3の左ラインL1上に停止表示される第1図柄が決定される。各図柄列Z1〜Z3は、各々規定の順序(上図柄列Z1は降順、中図柄列Z2及び下図柄列Z3は昇順)で第1図柄が配列されているため、左ラインL1上に停止表示される第1図柄が決定されることで、残りの第1図柄(中ラインL2及び右ラインL3上に表示される第1図柄)が決定されることとなる。つまり上図柄列Z1を例に挙げて説明すると、左ラインL1上に停止表示される第1図柄として数字番号の5が付されたエビキャラクタが決定されると、中ラインL2上には副図柄の貝図柄、右ラインL3上には数字番号の4が付されたサメキャラクタが表示されることとなる。
本実施の形態では、停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBのカウンタ値も変動種別カウンタHCと同様に短時間間隔(例えば20msec)で各々カウンタ値の範囲内においてランダムに更新する構成となっている。各停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBは更新時期が重ならないようにして更新され、それら停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの組合せがワークRAM523の大当たり図柄バッファ、1降順外れシングルリーチ図柄バッファ、1降順以外外れシングルリーチ図柄バッファ、外れダブルリーチ図柄バッファ、完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、表示制御装置214のCPU521内で行われる停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの更新処理について図39に基づいて説明する。図39は、停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの更新処理を示すフローチャートである。
先ずステップS1201では、上図柄列の停止図柄カウンタHCUの更新時期か否かを判別し、ステップS1202では、中図柄列の停止図柄カウンタHCMの更新時期か否かを判別する。そして、上図柄列の更新時期(ステップS1201がYES)であればステップS1203に進み、上図柄列の停止図柄カウンタHCUを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS1201がNO、ステップS1202がYES)であればステップS1204に進み、中図柄列の停止図柄カウンタHCMを更新する。さらに、下図柄列の更新時期(ステップS1201,S1202が共にNO)であればステップS1205に進み、下図柄列の停止図柄カウンタHCBを更新する。上記HCU,HCM,HCBの更新処理によれば、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBが短時間間隔(例えば、20msec)で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。
その後、ステップS1206では、上記更新した停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの組合せによって大当たり図柄の組合せになっているか否かを判別する。大当たり図柄の組合せである場合にはステップS1207に進み、その時の停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの組合せをワークRAM523の大当たり図柄バッファに格納して、本処理を一旦終了する。大当たり図柄の組合せでない場合にはステップS1208に進み、その組合せがリーチ図柄の組合せになっているか否かを判別する。各停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの各値の組合せは、左ラインL1上に停止表示させる各図柄列Z1〜Z3の第1図柄の組合せを決定しており、その左ラインL1上の各第1図柄から中、右ラインL2,L3上に停止表示させる第1図柄が決定される。従って、リーチ図柄の組合せとなっているか否かは、有効ラインL1〜L5上の何れかでリーチ図柄の組合せとなっているか否かを判別する。リーチ図柄の組合せである場合にはステップS1209に進み、その組合せがシングルリーチの組合せであるか否かを判別する。シングルリーチの組合せである場合、ステップS1210に進み、リーチライン上に停止表示される中図柄がリーチ図柄の数字番号を基準とした1つ降順の数字番号であるか否かを判別する。具体例を挙げると、リーチ図柄が数字番号2の付されたハリセンボンキャラクタであるならば、そのリーチライン上の中図柄が数字番号1の付されたタコキャラクタであるか否かを判別する。但し、リーチ図柄が数字番号1の付されたタコキャラクタである場合、ここでいう1降順図柄は、数字番号9の付された9の付されたカニキャラクタとなる。リーチライン上に停止表示される中図柄の数字番号がリーチ図柄の数字番号より1つ降順の数字番号である場合には(ステップS1210がYES)、ステップS1211に進み、その時の停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの組合せをワークRAM523の1降順外れシングルリーチ図柄バッファに格納して、本処理を一旦終了する。一方、そのシングルリーチにおいてリーチライン上に停止表示される中図柄の数字番号が、リーチ図柄の数字番号より1つ降順の数字番号でない場合(ステップS1210がNO)、ステップS1212に進み、その時の停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの組合せをワークRAM523の1降順以外外れシングルリーチ図柄バッファに格納して、本処理を一旦終了する。リーチ図柄の組合せであるが、そのリーチ図柄の組合せがシングルリーチ以外である場合は(ステップS1208がYES、ステップS1209がNO)、そのリーチはダブルリーチであるため、ステップS1213に進み、その時の停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの組合せをワークRAM523の外れダブルリーチ図柄バッファに格納して、本処理を一旦終了する。大当たり図柄の組合せでもなく、リーチ図柄の組合せでもない場合は(ステップS1206,S1208が共にNO)、完全外れであるため、ステップS1214に進み、その時の停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの組合せをワークRAM523の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を一旦終了する。
次に、表示制御装置214内のCPU521により実行される表示制御処理を図40に示すフローチャートに基づいて説明する。CPU521は、図40に示す手順に従って主制御装置271から提供される各種コマンドの処理を実行する。
図40において、先ずステップS1301では、主制御装置271から変動種別コマンド、変動時間コマンド又は保留コマンドの何れかのコマンドを受信したか否かを判別する。変動種別コマンド、変動時間コマンド又は保留コマンドの何れかのコマンドを受信していれば、ステップS1302に進み、そのコマンドが示す情報をワークRAM523に格納する。そして、ステップS1303に進み、変動種別コマンド、変動時間コマンド及び保留コマンドの全てのコマンドを受信したか否かを判別する。そして、ステップS1301〜ステップS1303までの処理を繰り返して変動種別コマンド、変動時間コマンド及び保留コマンドの全てのコマンドを受信した場合にステップS1303が肯定判別され、ステップS1304に進み、変動パターン設定処理を行う。
ここで、図41に基づいて変動パターン設定処理について説明する。先ずステップS1401では、表示制御処理のステップS1302でワークRAM523に格納した変動種別コマンドの示す情報に基づいて大当たり否かを判別する。この場合、主制御装置271から変動種別コマンドとして大当たりコマンドを受信していれば大当たりであるため、ステップS1402に進み、ワークRAM523に格納された変動時間コマンドの示す情報に基づいて大当たり変動パターンを決定する。その際、変動種別カウンタHCの値を確認し、変動時間毎に設定された大当たり時変動パターンテーブルをその値に基づいて参照することにより大当たり時の変動パターンが決定される。この結果、同一変動時間であっても種々の変動パターンを設定することが可能となる。そして、続くステップS1403では、ワークRAM523の大当たり図柄バッファに格納されている上・中・下の各停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの各値から停止図柄として大当たり図柄を決定する。
主制御装置271から変動種別コマンドとして外れコマンドを受信した場合、ステップS1401を否定判別し、ステップS1404に進む。ステップS1404では、ワークRAM523に格納された変動時間コマンドの情報に基づいて外れ変動パターンを決定する。外れ変動パターンとして、有効ラインL1〜L3の何れかでリーチとなるシングルリーチ、有効ラインL4,L5が同時にリーチとなるダブルリーチ、そして前記両リーチとならない完全外れがある。これら外れ変動パターンの決定は、上述した大当たり変動パターンの決定と同様に、変動種別カウンタHCの値を確認し、変動時間毎に設定された外れ時変動パターンテーブルをその値に基づいて参照することにより決定される。外れ変動パターンを決定すると、続くステップS1405ではその変動パターンがリーチであるか否かを判別する。リーチでない場合は、ステップS1406にてワークRAM523の完全外れ図柄バッファに格納されている上・中・下の各停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの各値から停止図柄として完全外れ図柄を決定する。
ステップS1404にて決定した外れ変動パターンがリーチである場合(ステップS1405がYES)、ステップS1407に進み、そのリーチがシングルリーチか否かを判別する。シングルリーチでない場合はダブルリーチであるため、ステップS1408に進み、ワークRAM523の外れダブルリーチ図柄バッファに格納されている上・中・下の停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの各値から停止図柄として外れダブルリーチ図柄を決定する。
ステップS1407にてシングルリーチであると判別された場合、ステップS1409に進み、ワークRAM523に格納された保留コマンドの示す情報に基づいて作動保留球数Nが0か否かを判別する。作動保留球数Nが0でない場合にはステップS1410に進み、第1外れシングルリーチ図柄を決定する。第1外れシングルリーチ図柄の決定とは、ワークRAM523の1降順外れシングルリーチ図柄バッファ又は1降順以外外れシングルリーチ図柄バッファの何れかに格納されている停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの各値から停止図柄として外れシングルリーチ図柄を決定することをいう。この際に、変動種別カウンタHCの値を確認し、その値毎に設定された外れシングルリーチ図柄選択テーブルをその値に基づいて参照することにより、1降順外れシングルリーチ図柄バッファ又は1降順以外外れシングルリーチ図柄バッファの何れかが選択されることとなる。例えば、外れシングルリーチ図柄選択テーブルにおいて、変動種別カウンタHCの値が0〜98までを1降順外れシングルリーチ図柄バッファとし、99〜198までを1降順以外外れシングルリーチ図柄バッファとする。そして、作動保留球数Nが0でなく(ステップS1409がNO)、変動種別カウンタHCの値が10である場合には、1降順外れシングルリーチ図柄バッファが選択され、そこに格納されている停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの各値から停止図柄が決定されることとなる。一方、ステップS1409にて作動保留球数Nが0であると判別すると、ステップS1411に進み、第2外れシングルリーチ図柄を決定する。第2外れシングルリーチ図柄の決定とは、ワークRAM523の1降順以外外れシングルリーチ図柄バッファに格納されている停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの各値から停止図柄として外れシングルリーチ図柄を決定することをいう。上記何れかの変動パターン及び停止図柄を決定した場合に本処理を終了し、表示制御処理に戻る。
図40に戻り、ステップS1301〜S1304までの処理を終えると、主制御装置271から最終停止コマンド及び最終停止時保留コマンドを受信するまで待機する。最終停止コマンド及び最終停止時保留コマンドを受信すると(ステップS1305がYES)、ステップS1306に進み、該最終停止コマンドが示す最終停止情報と該最終停止時保留コマンドが示す最終停止時の保留情報をワークRAM523に格納して本処理を一旦終了する。なお、最終停止時の保留情報とは、最終停止時における作動保留球数N(最終停止時作動保留球数N)が0か否かを示す情報である。
ここで、表示制御装置214が決定した変動パターン等の画像を表示するために行う図柄表示処理について説明する。表示制御装置214のCPU521は決定した変動パターン等に基づき画像コントローラ526に対する内部コマンドを生成する等の各種の演算処理を開始する。内部コマンドは、変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドであり、決定した変動パターン等に基づいてその都度必要な内部コマンドが生成される。これにより、画像コントローラ526は、CPU521からの指令(内部コマンド)に応じて描画処理を行い、図柄表示装置41での図柄の変動表示を開始する。またこのとき、CPU521は、その都度の表示演出に同期させながら、音声類、ランプ類を駆動するための制御コマンドを音声ランプ制御装置272に対して送信する。これにより、音声ランプ制御装置272は、CPU521からの制御コマンドに従って音声類やランプ類を駆動させる。
次に上述した図柄表示処理において、変動パターン設定処理によって変動パターンが外れシングルリーチと決定された場合の表示処理について説明する。なお、シングルリーチとは、前述したように、有効ラインL1〜L3上に何れか1の有効ライン上に、上図柄列Z1と下図柄列Z3との同一主図柄が停止して中図柄列Z2(最終停止図柄列)が変動している状態をいう。この場合、表示制御装置214は、変動している各図柄列Z1〜Z3を所定時間経過によって上図柄列Z1→下図柄列Z3の順で変動を停止してシングルリーチを発生させる。
外れシングルリーチ表示処理において、作動保留球数Nが0である場合と0でない場合とでは、一部異なる処理が行われる。従って、外れシングルリーチ表示処理では、先ず作動保留球数Nが0か否かが判別され、夫々に対応した表示処理が行われることとなる。図42は、作動保留球数Nが0である場合の外れシングルリーチ表示処理を示すフローチャートである。
先ずステップS1501では、図柄が変動しているか否かを判別する。変動中でなければ、ステップS1502に進み、図柄の高速変動を開始する。変動中であればステップS1503に進み、有効ラインL1〜L3のうち1の有効ライン上にリーチラインを形成したか否かを判別する。つまり、上記変動パターン設定処理にて決定した第2外れシングルリーチ図柄(図41のステップS1411)の上図柄及び下図柄が停止表示したか否かを判別する。リーチラインを形成していない場合は否定判別され、ステップS1501に戻る。図柄が変動中であってリーチラインを形成している場合、ステップS1504に進み、有効ラインL1〜L3の何れかにリーチラインが形成されてから所定時間T(例えば、2s)が経過したか否かを判別する。所定時間Tが経過していなければ経過するまで待機する。一方、リーチラインが形成されてから所定時間Tが経過したと判別すると、ステップS1505に進みリーチライン変更処理を行う。リーチライン変更処理では、有効ラインL1〜L3のうち1の有効ライン上でリーチラインを形成している上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄を、左上がりラインL4上に表示してリーチラインの変更を行う。そして、続くステップS1506では、リーチ図柄以外非表示処理を行う。リーチ図柄以外非表示処理では、上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄を除く図柄を非表示とする処理が行われる。その後、ステップS1507に進み、前記第2外れシングルリーチ図柄の中図柄(最終停止図柄)が、停止位置(左ラインL1)に位置するか否かを判別する。最終停止図柄が停止位置に位置しない場合は、引き続き中図柄列Z2のスクロール変動を行う。最終停止図柄が停止位置に位置する場合、ステップS1508に進み、最終停止図柄をその停止位置で停止表示させる。これにより、表示画面G上では、図柄列Z1〜Z3のスクロール変動が一旦停止する。その後、ステップS1509に進み、ワークRAM523に最終停止情報が格納されているか否かを判別する。最終停止情報が格納されていない場合、つまり主制御装置271から最終停止コマンドを受信していない場合、主制御装置271から最終停止コマンドを受信してワークRAM523に最終停止情報を格納するまで待機する。最終停止情報がワークRAM523に格納されている場合には、ステップS1510に進み、ステップS1508にて一旦停止表示した各図柄で最終停止表示させる。この場合、最終停止コマンドと共に主制御装置271から最終停止時保留コマンドも送信されており、その最終停止時保留コマンドが示す情報もまたワークRAM523に格納されている。従って、続くステップS1511では、最終停止時保留コマンドが示す情報に基づいて最終停止時作動保留球数Nが0か否かを判別する。最終停止時作動保留球数Nが0でない場合、ステップS1512に進み、表示制御処理においてワークRAM523に格納した情報(具体的には、変動種別コマンド、変動時間コマンド、保留コマンド、最終停止コマンド及び最終停止時保留コマンドが示す各情報)を消去し、本処理を一旦終了する。その後、最終停止時作動保留球数Nが0でないため、表示画面G上では、次の遊技回の変動表示が開始されることとなる。一方、最終停止時作動保留球数Nが0の場合には、ステップS1513に進む。ステップS1513では、ステップS1512と同様にワークRAM523に格納されている各情報を消去する。そして、ステップS1514では、ステップS1506にて非表示とした上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄以外の図柄を表示する図柄再表示処理を行う。これにより、表示画面G上には、所定数の図柄(本実施の形態では9の第1図柄)が表示されることとなる。そして、図柄再表示処理を行った後、本処理を一旦終了する。
作動保留球数Nが0でない場合の外れシングルリーチ表示処理については、上記作動保留球数Nが0の場合の外れシングルリーチ表示処理と一部異なる処理であるため、その異なる点を図42に基づいて説明する。ステップS1501〜S1510までは同様の処理を行う。なお、停止図柄は変動パターン設定処理において決定された第1外れシングルリーチ図柄である。ステップS1510で最終停止表示処理を行った後、作動保留球数Nが0でないため、最終停止時作動保留球数Nの有無の判別を行うことなく、ワークRAM523に格納されている各情報を消去して、処理を終了することとなる。
次に、表示制御装置214による表示制御において、上述した外れシングルリーチが発生した場合、実際に表示画面G上でどのような表示が行われるかを、具体例を挙げて説明する。以下の説明では便宜上、前述した主図柄を各々に付された数字番号で記述することとし、具体的にはそれぞれ「1」図柄、「2」図柄、「3」図柄、・・・「9」図柄と記述する。
図43は、作動保留球数Nが0より大きい場合に、外れシングルリーチが発生した遊技回についての変動態様を示したものである。(a)では、表示画面Gにおいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄が高速変動した後に上図柄列Z1及び下図柄列Z3の左右方向の変動表示(具体的には表示画面Gを正面から見て右側から左側への変動表示であり、以下、スクロール変動と称する)が一旦停止し、例えば右ラインL3上で「1」図柄のシングルリーチが発生した状態を示す。(a)の如くシングルリーチが発生し所定時間Tが経過すると、(b)に示すように上図柄列Z1のリーチ図柄である「1」図柄が左上がりラインL4上へ移動され(外れシングルリーチ表示処理のステップS1505において行われるリーチライン変更処理)、さらには、上図柄列Z1及び下図柄列Z3の「1」図柄以外の第1図柄(この場合では、「9」図柄及び副図柄)が非表示にされる(外れシングルリーチ表示処理のステップS1506において行われるリーチ図柄以外非表示処理)。このように、シングルリーチのリーチラインが変更等される変動((a)→(b)となる変動)を以下ではライン変更リーチ変動と称する。ライン変更リーチ変動を行うことにより、リーチライン上に表示される最終停止図柄列の第1図柄とその第1図柄と隣り合うリーチ図柄(この場合では、「1」図柄)との間隔を広げることができ、さらに第1図柄が表示されていない領域(非表示領域)を拡張することができる。従って、(c)に示すように、リーチ演出として最終停止図柄列の各図柄をリーチ図柄よりも拡大表示する場合、拡張された非表示領域を利用することで、最終停止図柄列の各図柄がリーチ図柄と重なって表示されることを抑制することができる。最終停止図柄列の停止表示の場合には、外れ時のライン変更リーチ変動であるため、リーチラインが形成されている左上がりラインL4上には「1」図柄以外の第1図柄が停止表示される。(d)ではリーチライン上に「9」図柄が停止表示された図を示す。そして、その停止表示後、作動保留球数Nが0でないため、次の遊技回へと各図柄列Z1〜Z3のスクロール変動表示が開始される。この場合、各図柄列Z1〜Z3は高速変動されるので、非表示とされた上図柄列Z1及び下図柄列Z3の第1図柄を表示しなくとも、遊技者に違和感を与えることがない。さらに、非表示とされた前記第1図柄を表示しないため、表示制御装置214の処理負担の軽減を図ることができる。
図44は、作動保留球数Nが0の場合に、外れシングルリーチが発生した遊技回についての変動態様を示したものである。(a)には、ライン変更リーチ変動の状態を示す。つまり、例えば右ラインL3上で「1」図柄のシングルリーチが発生して所定時間T経過後に上図柄列Z1のリーチ図柄である「1」図柄が左へ移動すると共に、上図柄列Z1及び下図柄列Z3の「9」図柄及び副図柄が非表示となった状態を示す。そして、(b)では、図43(c)と同様にリーチ演出として最終停止図柄列の第1図柄をリーチ図柄よりも拡大表示させた状態を示す。最終停止図柄列の停止表示の場合、外れ時のライン変更リーチ変動であるため、リーチラインが形成されている左上がりラインL4上には「1」図柄は停止表示されない。さらに、作動保留球数Nが0であるため、「1」図柄の1降順である「9」図柄も左上がりラインL4上に停止表示されない。(c)ではリーチライン上に「8」図柄が停止表示された図を示す。そして、最終停止図柄列の停止表示後、(d)に示すように、ライン変更リーチ変動時に非表示とされた上図柄列Z1及び下図柄列Z3の第1図柄(「9」図柄及び副図柄)が表示される。
図43及び図44では、右ラインL3上にシングルリーチが発生した場合を例に挙げて説明したが、左ラインL1又は中ラインL2上にシングルリーチが発生した場合についても同様にライン変更リーチ変動が行われる。左ラインL1上でシングルリーチが発生した場合では、所定時間Tの経過後に下図柄列Z3のリーチ図柄が左上がりラインL4上に移動されると共に、上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄以外の第1図柄が非表示とされることとなる。また、中ラインL2上でシングルリーチが発生した場合では、所定時間Tの経過後に上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄がそれぞれ左上がりラインL4上に移動されると共に、上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄以外の第1図柄が非表示とされることとなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
大当たり抽選が非当選であり、有効ラインL1〜L3上の何れかでリーチラインが形成されてシングルリーチが発生すると、そのリーチ図柄が左上がりラインL4上に移動されると共に、上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄以外の図柄が非表示とされるライン変更リーチ変動が行われる構成とした。リーチラインが有効ラインL1〜L3上の何れかから左上がりラインL4上に移動されることにより、リーチライン上に表示される最終停止図柄列の第1図柄とその第1図柄と隣り合うリーチ図柄との間隔を広げることができる。また、上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄以外の第1図柄が非表示とされることで、第1図柄が表示されていない領域(非表示領域)を拡張することができる。これにより、リーチ演出として最終停止図柄列の図柄をリーチ図柄よりも拡大表示させる場合に、拡張された非表示領域を利用することで上図柄列Z1及び下図柄列Z3の第1図柄と重なって表示されることを抑制することができる。従って、リーチ演出表示の多様化に伴う表示の繁雑化を抑制でき、好適にリーチ演出表示を行うことができる。
さらに、ライン変更リーチ変動を行う構成とすることにより、上図柄列Z1及び下図柄列Z3の第1図柄の数並びに第1図柄の占める領域が大幅に低減されるため、表示画面を大型にすることなくリーチ演出表示の多様化に伴う表示の繁雑化を抑制することができる。これにより、コストがアップするといった問題も解消することができる。
さらに、作動保留球数Nが0であり、外れシングルリーチ時のライン変更リーチ変動において、その変動停止時に作動保留球数Nが0であった場合には、変動停止後に非表示とされた上図柄列Z1及び下図柄列Z3の第1図柄を表示させる構成とした。仮に、ライン変更リーチ変動の停止表示後に非表示とされた前記第1図柄を表示せず、その画面のまま停止表示されていると、表示画面G上に表示されている第1図柄数の少なさ等から遊技者に違和感を与え、遊技者は、例えば表示画面Gに不具合が生じたのではと思うおそれがある。この点、上記構成とすることにより、表示画面G上に所定数の第1図柄(本実施の形態では9図柄)が表示されるため、上述したような遊技者に違和感を与え、表示画面Gに不具合が生じたのではと思われることがない。
また、ライン変更リーチ変更が停止表示された後、非表示とされた各図柄を表示させると、右上がりラインL5上でリーチラインが形成される。仮に、外れ時のライン変更リーチ変動で、単にリーチラインが形成されている左上がりラインL4上で大当たり図柄の組合せとなり得ない図柄を停止表示させる構成であれば、変動停止後に右上がりラインL5上で大当たり図柄の組合せとなって表示され得る。これでは、遊技者に不快感を与えてしまい、遊技興趣の低下を引き起こすおそれがある。この点、本実施の形態では、単に左上がりラインL4上で大当たり図柄の組合せとなり得ないだけでなく、右上がりラインL5上でも大当たり図柄の組合せとなり得ない構成とした。これにより、上述のような問題を解消することができる。
また、作動保留球数Nが0でない場合の外れシングルリーチ時のライン変更リーチ変動では、作動保留球数Nが0である場合と異なり、右上がりラインL5上で大当たり図柄の組合せとなり得る図柄が最終停止図柄となる場合がある。これにより、ライン変更リーチ変動によって最終停止図柄のバリエーションが損なわれることを防ぐことができる。
また、作動保留球数Nが0であり、外れシングルリーチ時のライン変更リーチ変動において、その変動中に作動保留球数Nが0でなくなった場合には、その停止表示後に、非表示とされた図柄を表示させることなく次の遊技回の変動表示が開始される構成とした。これにより、テンポの良い遊技を提供することができる。さらに、この場合、ライン変更リーチ変動の停止表示後、各図柄列Z1〜Z3は高速変動されるため、非表示とされた図柄を表示しなくとも遊技者に違和感を与えることがない。また、非表示とされた図柄を表示しないため、表示制御装置214の処理負担の軽減を図ることができる。
また、有効ラインL1〜L3上の何れかにリーチラインが形成されてから所定時間Tの経過後に、上記ライン変更リーチ変動が行われる構成とした。これにより、遊技者にライン変更リーチ変動の前段階である有効ラインL1〜L3上のシングルリーチを視認させることができ、ライン変更リーチ変動の一連の流れを視認させることができる。
表示制御装置214において、各停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの更新された各値の組合せにより、有効ラインの左ラインL1上に停止表示させる各図柄列Z1〜Z3の第1図柄を決定し、その決定された第1図柄を基準として第1図柄の配列順序から残りの停止表示させる第1図柄を決定する構成とした。これにより、表示画面G内に停止表示される第1図柄の全てを個々に決定すること必要がないため、表示制御装置214の処理負荷の軽減を図ることができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、上図柄列Z1には数字の降順に9種類の主図柄を配列し、下図柄列Z3には数字の昇順に9種類の主図柄を配列することにより、左上がりラインL4と右上がりラインL5とに同時にリーチラインが形成される構成としたが、これを変更しても良い。例えば、上図柄列Z1及び下図柄列Z3に主図柄を不規則に配列した中で、それぞれの図柄列の一部を、左上がりラインL4と右上がりラインL5とが同時にリーチラインを形成可能な配列にする構成であっても良い。なお、この場合には、上記ライン変更リーチ変動の際にリーチラインが形成されている左上がりラインL4上に停止表示される中図柄列Z2の第1図柄を、左上がりラインL4及び右上がりラインL5で大当たり図柄の組合せとなり得ない第1図柄とする必要がある。
(b)上記実施の形態では、ライン変更リーチ変動において、有効ラインL1〜L3上の何れかで形成されたリーチラインを左上がりラインL4上に移動させる構成としたが、右上がりラインL5上に移動させる構成に変更しても良い。この構成とする場合に上記実施の形態から変更する点を説明する。上記実施の形態では、表示制御装置214のCPU521内で行われる停止図柄カウンタの更新処理(図39参照)において、各停止図柄カウンタの更新値の組合せがシングルリーチ図柄の組合せである場合(ステップS1209がYES)、中図柄がリーチ図柄の1降順か否かを判別していたが、これを1昇順か否かを判別する構成に変更する。そして、1昇順である場合にはその組合せをワークRAM523の1昇順外れシングルリーチ図柄バッファに格納し、1昇順でない場合にはワークRAM523の1昇順以外外れシングルリーチ図柄バッファに格納する。さらに、表示制御装置214のCPU521より実行される変動パターン設定処理(図41参照)において、第1外れシングルリーチ図柄の決定の際には(ステップS1410)、ワークRAM523の1昇順外れシングルリーチ図柄バッファ又は1昇順以外外れシングルリーチ図柄バッファの何れかに格納されている停止図柄カウンタの値から停止図柄として外れシングルリーチ図柄を決定する。また、第2外れシングルリーチ図柄の決定の際には(ステップS1411)、ワークRAM523の1昇順以外外れシングルリーチ図柄バッファに格納されている停止図柄カウンタの値から停止図柄を決定する。このように変更することにより、有効ラインL1〜L3上の何れかに形成されたシングルリーチから右上がりラインL5に変更するリーチ変動の場合、非表示とされた左上がりラインL4上で大当たり図柄の組合せとなり得ず、上記実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
(c)上記実施の形態では、シングルリーチが発生するとリーチラインを変更すると共に、リーチ図柄を除く上図柄列Z1及び下図柄列Z3の図柄を非表示とするライン変更リーチ変動が行われる構成としたが、シングルリーチの中でライン変更リーチ変動を行う場合と行わない場合とを2種類設ける構成であってもよい。その構成としては、例えば、右ライン上L3上にリーチラインが形成された場合に前記ライン変更リーチ変動を行い、左、中ラインL1,L2でリーチラインが形成された場合には前記ライン変更リーチ変動を行わないといった構成である。この構成とすることにより、リーチ時の表示態様の幅を広げることができ、遊技興趣の向上を図ることができる。
(d)上記実施の形態では、作動保留球数Nが0でなく、外れライン変更リーチ変動の場合において、その変動停止後、非表示とされた各図柄を表示させることなく次の遊技回の変動表示を開始する構成としたが、非表示とされた各図柄を表示させてから次の遊技回の変動表示を開始する構成としても良い。この構成とする場合には、作動保留球数Nの有無に関わらず、右上がりラインL5上で大当たり図柄の組合せとなり得ない中図柄をリーチライン上で停止表示させる構成とする必要がある。この構成とする際に、本実施の形態から変更する点について具体的に説明する。先ず、停止図柄カウンタの更新処理(図39参照)において、外れシングルリーチ時に停止図柄の組合せは、常にその中図柄がリーチ図柄の1降順以外となる構成に変更する。従って、ステップS1210で中図柄がリーチ図柄の1降順であると判別された場合は、その組合せをワークRAM523のどのバッファにも格納しない構成とする。また、変動パターン設定処理において(図41参照)、変動パターンが外れシングルリーチである場合(ステップS1407を肯定判別)には、停止図柄カウンタ処理にてワークRAM523の1降順以外外れシングルリーチ図柄バッファに格納されている各停止図柄カウンタの各値から外れシングルリーチ図柄を決定する構成に変更する。さらに、本実施の形態において、作動保留球数Nが0の場合に行われる外れシングルリーチ表示処理(図42参照)を、外れシングルリーチ変動の際には作動保留球数Nの有無に関わらず行う処理とし、さらに、ステップS1510にて最終停止表示処理を行った後、ワークRAM523内を消去し、非表示とされた第1図柄を再表示とする図柄再表示処理を行う構成に変更する。また、主制御装置271が表示制御装置214に保留コマンド及び最終停止時保留コマンドを送信する必要がない。これにより、主制御装置271によるの保留コマンドの設定(図30参照)及び最終停止時保留コマンドの設定(図29参照)をしない構成に変更する。そして、これに伴い、表示制御装置214の表示制御処理(図40参照)における保留コマンド及び最終停止時保留コマンドに関する処理をしない構成に変更する。
(e)上記実施の形態では、ライン変更リーチ変動の場合に、上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄以外の第1図柄を非表示とする構成としたが、透明に表示する構成であっても良い。この場合であっても、ライン変更リーチ変動によって第1図柄が表示されていない領域(非表示領域)を拡張することができる。さらに、上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄以外の第1図柄を略透明に表示、或いは縮小表示する構成であっても良い。但し、この場合には遊技者がそれらの第1図柄を視認不能となる程度にまで、略透明、或いは縮小する必要がある。
(f)上記実施の形態では、表示制御装置214において行われる外れシングルリーチ表示処理(図42参照)であって、その遊技回の変動開始時の作動保留球数Nが0の場合には、停止図柄の最終停止表示後に、最終停止時の作動保留球数Nの有無によって非表示とされた第1図柄を再表示するか否かを判別する構成としたが、これを次のように変更しても良い。
図42の外れシングルリーチ表示処理のステップS1511〜S1514の処理に替えて図柄再表示処理を行う構成とする。図柄再表示処理では、ステップS1510の最終停止表示処理後、主制御装置271から表示コマンドを受信したか否かを判別する。表示コマンドを受信していれば図柄再表示処理を終了して、上述した変動パターン設定処理を行う。従って、この場合では、非表示とされた第1図柄が表示されずに次の遊技回の変動表示が開始される。一方、主制御装置271から表示コマンドを受信していない場合には、非表示とした第1図柄を表示する処理を行う。この処理では、非表示とした第1図柄を表示しつつも、その表示処理の最中に主制御装置271から表示コマンドを受信すると、図柄の変動表示を優先すべく、図柄再表示処理を中止して、変動パターン設定処理を行う。従って、この場合では、非表示とされた第1図柄が完全に表示される前に、次の遊技回の変動表示が開始される。
このように構成することにより、最終停止表示時の作動保留球数Nが0であっても、遊技球が作動口33に入賞したタイミング(実際には表示制御装置214が主制御装置271から表示コマンドを受信したタイミング)で次の遊技回の変動表示が開始されるから、遊技者テンポの良い遊技を提供することができる。
なお、この構成において、表示制御処理でワークRAM523に格納した情報は、最終停止表示処理から図柄再表示処理までの間で消去されれば良く、例えば最終停止表示処理内で消去を行う構成であっても良い。
(g)上記実施の形態では、表示制御装置214のCPU521は停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの値を用いて各図柄列の停止図柄を決定する構成とした。具体的には、停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBによって各図柄列Z1〜Z3の左ラインL1上に停止表示される第1図柄を決定する構成とした。これを変更し、停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBによって各図柄列Z1〜Z3の中ラインL2又は右ラインL3に停止表示される第1図柄を決定する構成でも良い。各図柄列Z1〜Z3の第1図柄は所定の順序で配列されているため、何れか1の有効ライン上に停止表示される第1図柄を決定する構成であれば、図柄が決定されることとなる。
(h)上記実施の形態では、シングルリーチの場合において、作動保留球数Nが0でない場合に表示制御装置214のワークRAM523の1降順外れシングルリーチ図柄バッファ又は1降順以外外れシングルリーチ図柄バッファの何れかに格納されている停止図柄カウンタHCU,HCM,HCBの各値から停止図柄としての外れシングルリーチ図柄を決定する構成とした。この際に、変動種別カウンタHCの値とその値毎に設定された外れシングルリーチ図柄選択テーブルとを参照することにより、1降順外れシングルリーチ図柄バッファ又は1降順以外外れシングルリーチバッファを選択する構成としたが、これを次のように変更しても良い。例えば、新たに上記2のバッファを選択するための選択用カウンタと該カウンタの値毎に設定されたテーブルを用いる構成であっても良い。要は、外れシングルリーチ変動であり、作動保留球数Nが0でない場合には、リーチライン上(左上がりラインL4上)でリーチ図柄と同一の第1図柄が停止表示されない構成であれば、その構成は任意である。
(i)上記実施の形態では、ライン変更リーチ変動が行われると、リーチ演出として最終停止図柄列の主図柄がリーチ図柄よりも拡大表示して変動される構成としたが、その他のリーチ演出を表示する構成であっても良い。その構成として、例えば、ライン変更リーチ変動が行われると、新たに演出用のキャラクタを表示させ、その演出用キャラクタを最終停止図柄列の変動に同期させて動作表示させる構成である。この場合、演出用キャラクタをライン変更リーチ変動によって拡張された非表示領域(第1図柄が表示されていない領域)に表示させることにより、該演出用キャラクタが少なくとも上図柄列Z1及び下図柄列Z3と重なって表示されることを抑制することができる。この結果、演出用キャラクタを視認し易くなる。
(j)上記実施の形態では、ライン変更リーチ変動において、リーチラインの変更表示と上図柄列Z1及び下図柄列Z3のリーチ図柄以外の非表示とをほぼ同時に行う構成としたが、リーチラインの変更表示を行った後にリーチ図柄以外の非表示を行う構成、或いはリーチ図柄以外の非表示を行った後にリーチラインの変更表示を行う構成であっても良い。
(k)上記実施の形態では、大当たり乱数カウンタC1の値によって大当たりか否かが決定され、大当たりである場合にはその値によって確変大当たりか非確変大当たりかが決定される構成としたが、大当たりカウンタC1の他に大当たり種別カウンタC2を設け、大当たりカウンタC1の値によって大当たりか否かが決定され、大当たり種別カウンタC2の値によってその大当たりが確変大当たりか非確変大当たりかが決定される構成に変更しても良い。
一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図である。 パチンコ機を構成する本体枠の前面構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 前扉枠の構成を示す背面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 本体枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 本体枠の背面構成を示す斜視図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 軸受け金具の構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 タンクレールの分解斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1図柄を個々に示す図面である。 図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 第1特定ランプ部制御処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 第1特定ランプ部に表示される色の切替表示と図柄表示装置における図柄の変動表示との相関を示すタイムチャートである。 払出制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 払出制御処理を示すフローチャートである。 賞球制御処理を示すフローチャートである。 貸球制御処理を示すフローチャートである。 停止図柄カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 表示制御処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 外れシングルリーチ表示処理を示すフローチャートである。 保留がある場合のリーチパターンの表示例を示す図である。 保留がない場合のリーチパターンの表示例を示す図である。
符号の説明
41…絵柄表示装置としての図柄表示装置、214…表示制御手段等としての表示制御装置、271…抽選手段等としての主制御装置。

Claims (1)

  1. 表示部上に複数種の絵柄が所定の順序で配列された複数の絵柄列をそれぞれ並行するように配置し、該各絵柄列の絵柄を循環するように配列方向にスクロール表示させる絵柄表示装置と、
    前記複数の絵柄の変動開始条件成立を判断する変動開始判断手段と、
    前記変動開始判断手段による変動開始条件成立を示す判断結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段と、
    前記変動開始判断手段による変動開始条件成立を示す判断結果に基づいて前記複数の絵柄の変動表示を開始させると共に、前記抽選手段の抽選結果が当選である場合には前記複数の絵柄を特定絵柄の組合せで停止するよう前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段と
    を備え、
    前記変動表示を終了させる前段階として、前記表示部内の予め設定された複数の有効ラインのうちの1の有効ライン上に前記特定絵柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ絵柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、該リーチラインが形成されている状況下において最終停止絵柄列によりリーチ変動を行い得る構成とした遊技機において、
    前記複数の有効ラインとして、少なくとも前記複数の絵柄列の変動方向と垂直に交わる第1有効ラインと、該第1有効ラインに対して傾斜した第2有効ラインと、該第2有効ラインと交差する第3有効ラインとを設定した上で、前記第2有効ラインと前記第3有効ラインとが同時に前記リーチラインを形成し得るようにし、
    さらに、前記第2有効ラインと前記第3有効ラインとの交差する位置を前記最終停止絵柄列の絵柄が通過するように設定することにより該交差する2の有効ライン上に同時に前記最終停止絵柄列の1の絵柄が停止し得る構成とし、
    前記表示制御手段は、
    前記第1有効ライン上に前記リーチ絵柄の組合せが停止表示されると、そのリーチ絵柄を前記第2有効ライン上に移動させて前記リーチラインを変更するよう前記絵柄表示装置を制御するリーチライン変更手段と、
    前記リーチライン変更手段による前記リーチラインの変更に伴って、前記リーチラインを形成する前記絵柄列の中で前記リーチ絵柄以外の絵柄を少なくとも前記最終停止絵柄列の変動が停止表示されるまで視認不能とするよう前記絵柄表示装置を制御する視認不能化手段と、
    前記抽選手段の抽選結果が非当選であり、前記リーチライン変更手段及び前記視認不能化手段によってリーチラインが形成され得る場合に、前記最終停止絵柄列の最終停止絵柄を決定し、該最終停止絵柄を表示するよう前記絵柄表示装置を制御する最終停止絵柄表示手段と、
    前記視認不能化手段によって視認不能とされた絵柄をその変動停止後に再表示するよう前記絵柄表示装置を制御する絵柄再表示手段と
    を備え、
    前記最終停止絵柄表示手段は、前記リーチラインが形成される前記第2有効ライン上の他に前記第3有効ライン上で特定絵柄の組合せとなり得ない絵柄を前記最終停止絵柄として設定する最終停止絵柄設定手段を備えたことを特徴とする遊技機。
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