以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<画像投影装置の構成>
図1は、本実施の形態における画像投影装置1を例示する図である。
画像投影装置1は、出射窓3と、外部I/F9と、外気を吸気する吸気口と、を有し、投影画像を生成する光学エンジンが内部に設けられている。画像投影装置1は、例えば外部I/F9に接続されるパソコンやデジタルカメラから画像データを受信する。そして、画像投影装置1の光学エンジンは、受信した画像データに基づいて画像(以下、投影画像と称する場合がある)を生成し、図1に示されるように出射窓3からスクリーンSに画像を投影する。
なお、以下に示す図面において、Y方向は画像投影装置1の幅方向、X方向は画像投影装置1の奥行き方向、Z方向は画像投影装置1の高さ方向である。本実施の形態では、画像投影装置1は、XY平面を水平面とし、Z方向が鉛直方向(重力の方向)であるものとして説明する。
図2は、本実施の形態における画像投影装置1の機能構成を例示するブロック図である。
図2に示されるように、画像投影装置1は、電源4と、メインスイッチ(SW)5と、操作部7と、外部I/F9と、システムコントロール部10と、ファン20と、光学エンジン15と、を有する。
電源4は、商用電源に接続され、画像投影装置1の内部回路用に電圧および周波数を変換し、システムコントロール部10、ファン20、光学エンジン15等に給電する。
SW5は、ユーザによる画像投影装置1のON/OFF操作に用いられる。電源4が電源コード等を介して商用電源に接続された状態で、SW5がONに操作されると、電源4が画像投影装置1の各部への給電を開始し、SW5がOFFに操作されると、電源4が画像投影装置1の各部への給電を停止する。
操作部7は、ユーザによる各種操作を受け付けるボタン等であり、例えば画像投影装置1の筐体に設けられている。操作部7は、例えば投影画像の大きさ、色調、ピント調整等のユーザによる操作を受け付ける。操作部7が受け付けたユーザ操作は、システムコントロール部10に送られる。
ファン20は、システムコントロール部10の制御により回転し、吸気口2から吸気した空気によって、光学エンジン15の光源30を冷却する。
外部I/F9は、例えばパソコン、デジタルカメラ等に接続される接続端子を有し、接続された機器から送信される画像データをシステムコントロール部10に出力する。
光学エンジン15は、光源30と、照明光学ユニット40と、画像生成ユニット50と、投影ユニット60とを有する。光学エンジン15は、システムコントロール部10の制御により、スクリーンSに画像を投影する。
光源30は、例えば水銀高圧ランプ、キセノンランプ、LED等である。光源30は、システムコントロール部10によって制御され、照明光学ユニット40に光を照射する。
照明光学ユニット40は、照明光学手段の一例である。照明光学ユニット40は、光源30から照射された光を画像生成ユニット50のDMD551(詳細後述)へ導く。照明光学ユニット40は、例えば、カラーホイール、ライトトンネル、リレーレンズ等を有する。光源30から照射された光は、照明光学ユニット40によって、DMD551へ導かれる。
画像生成ユニット50は、画像生成手段の一例である。画像生成ユニット50は、固定ユニット51と、可動ユニット55と、を有する。固定ユニット51は、画像投影装置1の筐体に固定されおり、照明光学ユニット40に対して移動不可能である。可動ユニット55は、照明光学ユニット40に対して移動可能に設けられている。
可動ユニット55は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device(以下、単に「DMD」という))551と、可動部材55Aと、を少なくとも有する。
DMD551は、光変調素子の一例である。DMD551は、光源30から照射された光を用いて画像を生成する。
DMD551は、可動式の複数のマイクロミラーが格子状に配列された画像生成面を有する。DMD551は、複数のマイクロミラーからなる略矩形のミラー面(画像生成面と称する場合もある)を有する。DMD551の各マイクロミラーは、鏡面がねじれ軸周りに傾動可能に設けられており、システムコントロール部10から送信される画像信号に基づいてON/OFF駆動される。
マイクロミラーは、例えば「ON」の場合には、光源30からの光を投影ユニット60に反射するように傾斜角度が制御される。また、マイクロミラーは、例えば「OFF」の場合には、光源30からの光を不図示のOFF光板に向けて反射する方向に傾斜角度が制御される。
このように、DMD551は、システムコントロール部10から送信される画像信号によって各マイクロミラーの傾斜角度が制御され、光源30から照射されて照明光学ユニット40を通った光を変調し、投影画像を生成する。言い換えると、DMD551は、各マイクロミラーを個別に駆動することで、画素ごとに光の投射を制御することができる。
可動部材55Aは、DMD551を、照明光学ユニット40に対して移動可能に支持する部材である(詳細後述)。本実施の形態では、可動部材55Aは、DMD551を、DMD551の画像生成面がZY平面と一致するように支持すると共に、該ZY平面に沿って移動可能にDMD551を支持する。可動部材55Aは、システムコントロール部10の制御によって制御されることで移動し、可動部材55Aの移動によって、可動部材55Aによって支持されたDMD551が照明光学ユニット40に対して移動する。
固定ユニット51は、固定部材51Aと、ヒートシンク70と、を有する。
ヒートシンク70は、冷却部材の一例である。ヒートシンク70は、DMD551を冷却する。ヒートシンク70は、DMD551の温度上昇を抑制し、DMD551の温度上昇による動作不良や故障等といった不具合の発生を低減する。
固定部材51Aは、ヒートシンク70を、照明光学ユニット40に対して移動不可能に支持する部材である。
すなわち、本実施の形態では、DMD551は、可動部材55Aによって照明光学ユニット40に対して移動可能に配置されている。一方、DMD551を冷却するヒートシンク70は、固定部材51Aによって照明光学ユニット40に対して移動不可能に配置、すなわち、固定されている。
投影ユニット60は、投影手段の一例である。投影ユニット60は、DMD551によって生成された画像を、スクリーンSへ投影する。例えば、投影ユニット60は、複数の投射レンズ、ミラー等を有し、DMD551によって生成された画像を拡大してスクリーンSへ投影する。
システムコントロール部10は、画像投影装置1に設けられた各部を制御する。システムコントロール部10は、画像制御部11と、移動制御部12と、を有する。説明の便宜上、ここでは本発明に係る機能を主に例示しているが、システムコントロール部10が有する機能はこれらに限られるものではない。本実施の形態では、システムコントロール部10は、例えばCPU、ROM、RAM等を含み、CPUがRAMと協働してROMに記憶されているプログラムを実行することで、システムコントロール部10の各部の機能(画像制御部11、および移動制御部12)が実現される。なお、これに限らず、例えばシステムコントロール部10の各部の機能(画像制御部11、移動制御部12)のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路(半導体集積回路等)により実現される形態であってもよい。
なお、本実施の形態のシステムコントロール部10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等の不揮発性の記録媒体に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
画像制御部11は、外部I/F9から入力される画像データに基づいて、スクリーンSに投影する画像を生成するように、DMD551を制御する。具体的には、画像制御部11は、画像データから生成した画像信号に基づいて、DMD551の各マイクロミラーのON/OFF駆動を制御する。これによって、画像制御部11は、スクリーンSに投影する画像を生成するように、DMD551を制御する。
移動制御部12は、可動ユニット55の、照明光学ユニット40に対する移動を制御する。具体的には、移動制御部12は、可動部材55Aの照明光学ユニット40に対する位置を変位させることで、可動部材55Aによって支持されたDMD551を、照明光学ユニット40に対して移動(変位)させる。
詳細には、移動制御部12は、後述する駆動部を制御することで、可動部材55Aを固定ユニット51に対して相対移動させるように制御する。これにより、移動制御部12は、DMD551の照明光学ユニット40に対する位置を変位させる制御を行う。すなわち、移動制御部12の制御により、DMD551の照明光学ユニット40に対する位置が移動(変位)する。
<光学エンジンの構成>
次に、光学エンジン15の各部の構成について説明する。
図3は、本実施の形態における光学エンジン15を例示する斜視図である。図3(A)は、画像投影装置1の筐体を外した状態の一例を示す斜視図である。図3(B)は、光学エンジン15の部分の一例を示す斜視図である。
光学エンジン15は、光源30と、照明光学ユニット40と、画像生成ユニット50と、投影ユニット60とを有する。
光源30は、照明光学ユニット40へ光を照射する。照明光学ユニット40は、光源30から照射された光を、画像生成ユニット50のDMD551へ導く。本実施の形態では、DMD551は、DMD551の画像生成面とZY平面とが一致するように配置されている。すなわち、本実施の形態では、DMD551は、DMD551の画像生成面と、水平面に対して直交する平面と、が一致するように、配置されている。
投影ユニット60は、画像生成ユニット50に設けられたDMD551で生成された画像を、画像投影装置1の外部へ投影する。
[照明光学ユニット]
図4は、本実施の形態における光学エンジン15のXY断面の一例を示す模式図である。
照明光学ユニット40は、カラーホイール40Aと、ライトトンネル40Bと、リレーレンズ40Cと、平面ミラー40Dと、凹面ミラー40Eと、を有する。
カラーホイール40Aは、例えば、周方向の異なる部分にR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色のフィルタの設けられた円盤状部材である。カラーホイール40Aは、高速回転することで、光源30から照射される光を、RGBの各色に変換する。カラーホイール40AによってRGBの各色に変換された光は、ライトトンネル40Bに到る。
ライトトンネル40Bは、光源30から照射された光の輝度分布を均一化するための筒状の光学部品である。より具体的には、ライトトンネル40Bは、板ガラスを内面に貼り合わせた四角筒状の光学部品である。ライトトンネル40Bは、カラーホイール40Aを透過したRGB各色の光を、内面で多重反射することで輝度分布を均一化し、リレーレンズ40Cへ導く。
リレーレンズ40Cは、ライトトンネル40Bから出射された光の軸上色収差を補正しつつ平面ミラー40Dへ集光する。平面ミラー40Dは、集光した光を凹面ミラー40Eへ反射する。凹面ミラー40Eは、平面ミラー40Dによって反射された光を拡大し、DMD551の画像生成面に導く。
このため、光源30から照射された光は、照明光学ユニット40によって拡大されてDMD551へ導かれる。すなわち、DMD551に導かれた光により形成される像(DMD551と略同等のサイズの像)は、ライトトンネル40Bから照射された光により形成される像(ライトトンネル40Bの光出射側の断面と略同等のサイズの像)を所定の倍率(照明光学ユニット40の光学系に応じて定まる)だけ拡大した像となる。
DMD551は、凹面ミラー40Eからの反射光を変調して、投影するための画像を生成する。DMD551で生成された画像は、投影ユニット60によって外部へ投影される。
投影ユニット60は、例えば、投影レンズ、折り返しミラー、および曲面ミラーを有する。投影レンズは、複数のレンズを有し、DMD551によって生成された画像を、折り返しミラーに結像させる。折り返しミラーおよび曲面ミラーは、結像された画像を拡大するように反射し、画像投影装置1の外部のスクリーンSなどに投影する。
なお、リレーレンズ40C、平面ミラー40D、凹面ミラー40E、DMD551、および投影ユニット60の少なくとも光入射側は、各部品を覆うハウジングによって保持されている。ハウジングの合せ面は、シール材によって密閉された防塵構造となっていることが好ましい。
[画像生成ユニット]
図5は、本実施の形態における画像生成ユニット50を例示する斜視図である。また、図6は、本実施の形態における画像生成ユニット50を例示する、XZ平面の断面図である。
画像生成ユニット50は、可動ユニット55と、固定ユニット51と、を含む。
固定ユニット51は、固定部材51Aと、ヒートシンク70と、を備える。固定部材51Aは、上述したように、ヒートシンク70を照明光学ユニット40に対して移動不可能に支持する。
固定部材51Aは、トッププレート511と、ベースプレート512と、を有する。トッププレート511およびベースプレート512は、板面がZY平面に平行となるように配置された板状部材である。トッププレート511とベースプレート512とは、X方向に所定の間隙を介して平行に設けられており、照明光学ユニット40に固定されている。
ベースプレート512の、トッププレート511の反対側の面には、ヒートシンク70が固定されている。このため、ヒートシンク70は、固定部材51Aによって、照明光学ユニット40に対して移動不可能に固定された状態で支持されている。
可動ユニット55は、DMD551と、可動部材55Aと、を備える。可動部材55Aは、上述したように、DMD551を照明光学ユニット40に対して移動可能に支持する。
可動部材55Aは、可動プレート552と、結合プレート553と、を有し、固定ユニット51に対して移動可能に支持されている。可動プレート552および結合プレート553は、板面がZY平面に平行となるように配置された板状部材である。可動プレート552と結合プレート553とは、X方向に所定の間隙を介して平行に設けられており、一端部(本実施の形態ではZ方向の一端部)が結合されている。
可動部材55Aの可動プレート552は、固定部材51Aのトッププレート511とベースプレート512との間に配置されている。すなわち、本実施の形態では、可動プレート552、結合プレート553、トッププレート511、およびベースプレート512は、ZY平面に平行な板状部材であり、該ZY平面に沿った板面が互いにX方向に沿って平行に配置されている。また、可動プレート552は、ZY平面に沿って移動可能に配置されている。
可動部材55Aの結合プレート553は、可動プレート552との間に固定部材51Aのベースプレート512を挟んで、可動プレート552に固定されている。結合プレート553には、DMD551が固定して設けられている。結合プレート553は、可動プレート552に固定されることで、可動プレート552およびDMD551と共に、固定ユニット51および照明光学ユニット40に対して移動可能に支持されている。
すなわち、DMD551は、可動部材55Aによって支持されることで、可動部材55AのZY平面に沿った移動に伴い、ZY平面に沿って移動可能となっている。なお、ZY平面に沿った移動、とは、ZY平面に沿って回転、Z方向または反Z方向への移動、Y方向または反Y方向への移動、を意味する。
(固定ユニット)
図7は、本実施の形態における固定ユニット51を例示する斜視図である。また、図8は、本実施の形態における固定ユニット51の固定部材51Aを例示する分解斜視図である。
図7および図8に示されるように、固定ユニット51は、固定部材51Aと、固定部材51Aによって支持されたヒートシンク70と、を有する。
固定部材51Aは、トッププレート511と、ベースプレート512と、を少なくとも含む。トッププレート511およびベースプレート512は、平板状の板状部材から形成され、それぞれ、可動ユニット55のDMD551に対応する位置に中央孔513,514が設けられている。また、トッププレート511およびベースプレート512は、複数の支柱515によって、所定の間隙を介して平行に設けられている。
支柱515は、図8に示されるように、上端部(矢印X方向の一端部)がトッププレート511に形成されている支柱孔516に圧入され、雄ねじ溝の形成された下端部(矢印X方向の他端部)がベースプレート512に形成されている支柱孔517に挿入される。支柱515は、トッププレート511とベースプレート512との間に一定の間隔を形成し、トッププレート511とベースプレート512とを、板面(ZY平面に沿った板面)が平行となるように支持する。
また、トッププレート511およびベースプレート512には、支持球体521を回転可能に保持する支持孔522,526がそれぞれ複数形成されている。
トッププレート511の支持孔522には、内周面に雌ねじ溝を有する円筒状の保持部材523が挿入される。保持部材523は、支持球体521を回転可能に保持し、位置調整ねじ524が上から挿入される。ベースプレート512の支持孔526は、下端側が蓋部材527によって塞がれ、支持球体521を回転可能に保持する。
トッププレート511およびベースプレート512の支持孔522,526に回転可能に保持される支持球体521は、それぞれトッププレート511とベースプレート512との間に配置される可動プレート552に接触し、可動プレート552を移動可能に支持する。
図7に戻り、ヒートシンク70は、スプリングおよび段ねじによって、ベースプレート512に固定されている。なお、本実施の形態では、ヒートシンク70が、ベースプレート512に固定された形態を一例として説明するが、ヒートシンク70は、トッププレート511に固定されていてもよい。トッププレート511またはベースプレート512に固定されることによって、ヒートシンク70は、固定部材51Aによって支持される。
図5に戻り、固定部材51Aは、上述した複数の支持球体521を介して可動部材55A内の可動プレート552を挟み込むことによって、可動部材55Aを支持する。これによって、可動部材55Aは、照明光学ユニット40に対して移動可能(すなわち、DMD551の画像生成面に平行な面に沿って移動可能)となるように、固定部材51Aによって支持される。また、支持球体521を用いることで、摺動摩擦の低減を図ることができる。
図9は、本実施の形態における固定部材51Aによる可動プレート552の支持構造を説明するための図である。また、図10は、図9に示されるA部分の概略構成を例示する部分拡大図である。
図9および図10に示されるように、トッププレート511では、支持孔522に挿入される保持部材523によって支持球体521が回転可能に保持されている。また、ベースプレート512では、下端側が蓋部材527によって塞がれている支持孔526によって支持球体521が回転可能に保持されている。
各支持球体521は、支持孔522,526から少なくとも一部分が突出するように保持され、トッププレート511とベースプレート512との間に設けられる可動プレート552に接触して支持する。可動プレート552は、回転可能に設けられている複数の支持球体521により、トッププレート511およびベースプレート512と平行で、且つ、ZY平面に平行な方向に移動可能に、X方向の両面から支持される。
また、トッププレート511側に設けられている支持球体521は、可動プレート552とは反対側で接触する位置調整ねじ524の位置に応じて、保持部材523の一端からの突出量が変化する。位置調整ねじ524を用いて支持球体521の突出量を変化させることで、トッププレート511と可動プレート552との間隔を適宜調整できる。
なお、固定部材51Aに設けられる支柱515、支持球体521の数や位置等は、可動プレート552を移動可能に支持できればよく、本実施の形態に例示される構成に限られるものではない。
また、図8に示すように、トッププレート511のベースプレート512側の面には、磁石531,532,533,534が設けられている。
図11は、本実施の形態における固定部材51Aのトッププレート511を例示する底面図である。トッププレート511のベースプレート512側の面には、磁石531,532,533,534が設けられている。
磁石531,532,533,534は、トッププレート511の中央孔513を囲むように4箇所に設けられている。磁石531,532,533,534は、それぞれ長手方向が平行になるように配置された直方体状の2つの磁石で構成され、それぞれ可動プレート552に及ぶ磁界を形成する。
磁石531,532,533,534の各々は、可動プレート552に各磁石531,532,533,534に対向して設けられたコイルとで、可動プレート552を移動させる駆動部80(駆動部80A、80B、80C、80D)を構成する。
すなわち、本実施の形態では、可動ユニット55(可動部材55A)を駆動する駆動部80を、磁石とコイル(ソレノイド)とからなるソレノイドアクチュエータとして構成する場合を一例として説明する。
(可動ユニット)
図12は、本実施の形態における可動ユニット55を例示する斜視図である。
可動ユニット55は、DMD551と、可動部材55Aと、を備える。可動部材55Aは、照明光学ユニット40(すなわち固定部材51A)に対して移動可能に支持されている。
可動部材55Aは、可動プレート552と、結合プレート553と、トッププレート511を保持するDMD基板555と、を有する。可動プレート552は、上記したように、固定部材51Aのトッププレート511とベースプレート512との間に配置され、複数の支持球体521(図8参照)により、ZY平面に平行な方向に移動可能に支持される。
DMD基板555は、DMD551を保持し、結合プレート553に結合されている。このため、結合プレート553は、DMD基板555によって、DMD551を固定して保持する。
可動プレート552は、平板状の部材から形成され、DMD基板555に設けられたDMD551に対応する位置に中央孔を有し、中央孔の周囲にコイル581,582,583,584が設けられている。
コイル581,582,583,584は、それぞれX方向に平行な軸を中心として電線が巻き回されることで形成されている。コイル581,582,583,584は、可動プレート552のトッププレート511側の面に形成された凹部に設けられており、カバーで覆われている。そして、可動部材55Aが固定部材51Aに支持された状態において、コイル581,582,583,584の各々は、トッププレート511の磁石531,532,533,534(図11参照)の各々に対向する位置に配置されている。
このため、可動プレート552に設けられたコイル581,582,583,584の各々と、トッププレート511に設けられた磁石531,532,533,534の各々と、で、可動プレート552(すなわち、可動部材55A)を移動させる駆動部80(駆動部80A、80B、80C、80D)を構成する。
すなわち、移動制御部12の制御によって、コイル581,582,583,584に電流が流されると、磁石531,532,533,534によって形成される磁界により、可動プレート552を移動させる駆動力となるローレンツ力が、ZY平面に沿って発生する。
可動プレート552は、磁石531,532,533,534とコイル581,582,583,584との間で発生する駆動力としてのローレンツ力を受けて、固定ユニット51(固定部材51A)に対して、ZY平面において直線的又は回転するように変位する。
各コイル581,582,583,584に流される電流の大きさおよび向きは、システムコントロール部10の移動制御部12によって制御される。
移動制御部12は、各コイル581,582,583,584に流す電流の大きさおよび向きによって、可動プレート552の移動(回転)方向、移動量や回転角度等を制御する。つまり、移動制御部12は、駆動部80を制御することで、照明光学ユニット40に対してDMD551を移動させる制御を行うことができる。
駆動部80(80A、80B、80C、80D)の配置と、DMD551を支持した可動部材55Aの移動について、具体的に説明する。図13は、DMD551を支持した可動部材55Aの移動の説明図である。
図13(A)に示すように、本実施の形態では、コイル581および磁石531によって構成される駆動部80Aと、コイル584および磁石534によって構成される駆動部80Dと、は、DMD551を介してY方向に対向配置されている。
移動制御部12が、駆動部80Aのコイル581と、駆動部80Dのコイル584と、に同じ向きの電流を流す制御を行う。すると、これらの駆動部80Aと駆動部80Dの各々には、Y方向に平行な方向(矢印B’1方向、または矢印B’1方向の逆方向)のローレンツ力が発生する。このため、DMD551を保持した可動部材55Aは、固定部材51Aに対して、Y方向に平行な方向(矢印B1方向、または矢印B1方向の逆方向)に移動する。
また、図13(B)に示すように、本実施の形態では、コイル582および磁石532によって構成される駆動部80Bと、コイル583および磁石533によって構成される駆動部80Cと、は、可動部材55AのZ方向の一端部の領域に、Y方向に並んで配列されている。
移動制御部12が、駆動部80Bのコイル582と、駆動部80Cのコイル583と、に同じ向きの電流を流す制御を行う。すると、これらの駆動部80Bと駆動部80Cの各々には、Z方向(矢印B’2方向(すなわち鉛直方向)、または矢印B’2方向の逆方向(反鉛直方向))のローレンツ力が発生する。このため、DMD551を保持した可動部材55Aは、固定部材51Aに対して、Z方向に平行な方向(矢印B2方向、または矢印B2方向の逆方向)に移動する。
また、図13(C)に示すように、移動制御部12が、駆動部80Bのコイル582と、駆動部80Cのコイル583と、に、互いに逆向きの電流を流す制御を行う。すると、これらの駆動部80Bと駆動部80Cの各々には、Z方向における互いに逆方向のローレンツ力が発生する(例えば、矢印B’3方向(すなわち反鉛直方向)と、矢印B’4方向(すなわち鉛直方向))。この場合、DMD551を保持した可動部材55Aは、固定部材51Aに対して、ZY平面に沿って右回りまたは左回り(図13中、矢印B3方向参照)に回転する。
このように、移動制御部12は、駆動部80を制御することで、照明光学ユニット40に対してDMD551を移動させる制御を行うことができる。なお、DMD551の移動量は、駆動部80に印加する電流の強さを調整することで、調整可能である。
また、移動制御部12は、DMD551を、ZY平面に沿って移動させることで、DMD551の各マイクロミラーに対応する画素の位置を変位させる。例えば、移動制御部12は、駆動部80を制御することで、各マイクロミラーの照明光学ユニット40に対する位置を、鉛直方向(Z方向など)に半画素分周期的に移動させることで、鉛直方向の解像度を高解像度化することができる。また、移動制御部12は、駆動部80を制御することによってDMD551の移動方向(回転含む)を調整することで、Z方向およびY方向の双方に高解像度化した画像を、DMD551から照明光学ユニット40へ導くことができる。このため、スクリーンSに投影される画像の高解像度化を図ることができる。
ここで、上述したように、本実施の形態では、DMD551は、可動部材55Aによって支持されている。一方、ヒートシンク70は、固定部材51Aによって支持されている。上述したように、ヒートシンク70は、DMD551を冷却する部材である。このため、DMD551を効率よく冷やす観点から、ヒートシンク70の少なくとも一部は、DMD551に直接接触、または熱伝導部材を介して接触するように設けられていることが好ましい。
図14は、可動部材55Aにおける、DMD551を保持するDMD基板555の説明図である。
図14(A)は、DMD551を保持したDMD基板555の斜視図である。図14(B)は、DMD基板555の、DMD551を保持した側の面の平面図である。図14(C)は、DMD基板555の、DMD551を保持した側の面とは逆側の面(底面と称する場合がある)の平面図である。
図14に示すように、DMD基板555は、ソケット556を介してDMD551を保持する。DMD基板555の一部には貫通孔557が設けられている。DMD基板555に保持されたDMD551における、画像生成面の逆側の面(背面と称する場合がある)は、この貫通孔557を介して、DMD基板555から露出している。そして、DMD551の背面における、ヒートシンク70の接する領域が、ヒートシンク70によって冷却される冷却面551Aとなる。そして、DMD基板555の背面における、少なくともこの冷却面551Aには、熱伝導部材72が配置されている。熱伝導部材72は、DMD551とヒートシンク70とを熱的に接続する。
DMD551の背面とヒートシンク70との間に、DMD551とヒートシンク70とを熱的に接続する熱伝導部材72を設けることで、ヒートシンク70とDMD551間の熱伝導性が向上し、ヒートシンク70によるDMD551の冷却効果が向上する。
熱伝導部材72は、熱伝導性を有する部材であればよい。熱伝導部材72は、熱伝導性を有する樹脂などであってもよく、DMD551の背面に該樹脂を塗布することで形成してもよい。
熱伝導部材72は、熱伝導性を有し、且つ、弾性変形可能なシート状の部材であることが好ましい。弾性変形可能なシート状の部材としては、例えば、ゴム弾性および密着性に優れた熱伝導性シートを用いればよい。
また、熱伝導部材72には、潤滑性が高く且つ熱伝導性を有する材料を用いてもよい。これにより、DMD551からヒートシンク70への放熱と、DMD551の移動時の潤滑との両立が可能となる。
なお、DMD551とヒートシンク70とは、熱的に接続されている必要がある。本実施の形態では、DMD551は可動部材55Aに支持され、ヒートシンク70は固定部材51Aに支持されている。このため、DMD551とヒートシンク70とを熱的に密着させた状態を維持することが困難となる場合がある。
一方、DMD551とヒートシンク70とを熱伝導部材72を介して接続することで、DMD551とヒートシンク70とを、容易に熱的に密着させることができる。例えば、DMD551の移動量がZ方向およびY方向共に±2mmであったとする。この場合、DMD551の最大移動時にも剥がれない程度に十分な厚みの熱伝導部材72を用いることが好ましい。
図15は、DMD551とヒートシンク70との位置関係の一例を示す断面図である。
ヒートシンク70は、固定部材51Aに支持された状態において、DMD基板555の貫通孔557からDMD551の背面に接する突出部70Aを有する。なお、突出部70Aは、DMD551の背面に直接接してもよいし、熱伝導部材72を介してDMD551の背面に接してもよい。
図16および図17には、DMD551の冷却面551Aと、ヒートシンク70の突出部70Aと、の位置関係の一例を示した。なお、図16および図17は、DMD551を保持したDMD基板555を、DMD基板555の底面側から見た平面図である。
図16に示すように、例えば、DMD551の冷却面551AのZY平面の大きさおよび形状が、Z方向10mm×Y方向14.51mmの矩形状であったとする。また、DMD基板555の貫通孔557のZY平面の大きさおよび形状が、Z方向19.9mm×Y方向13.25mmの矩形状であったとする。なお、ソケット556の開口部とDMD基板555の貫通孔557とは、大きさおよび形状が一致しているものとする。
固定部材51Aによって支持されることでヒートシンク70の位置は固定であるが、可動部材55Aおよび可動部材55Aによって支持されたDMD551の位置は、ZY平面において移動する。このため、この可動部材55A(およびDMD551)の移動量が最大移動量であった場合であっても、ヒートシンク70の突出部70Aが、DMD基板555の貫通孔557の壁面にぶつからないように調整する必要がある。
例えば、DMD551の移動量が、Z方向およびY方向ともに±2mmであったとする。この場合、ヒートシンク70の突出部70AにおけるY方向の長さを、9.25mm以下に予め調整する。また、冷却面551AのZ方向の長さが10mmであることから、ヒートシンク70の突出部70AにおけるZ方向の長さを、例えば、14mmに調整すればよい。なお、実際の設計時には、公差を考慮することが好ましい。
なお、図16は、DMD551をZ方向またはY方向へ移動させるときに好ましい寸法の一例である。
一方、DMD551をZY平面において回転させる場合、DMD551の回転を阻害しない設計とすることが好ましい。
例えば、DMD551を、ZY平面において360°回転させることを想定する。この場合、ヒートシンク70の突出部70AにおけるDMD551に対向する面の大きさは、Y方向9.25mm×Z方向14mmの矩形状の領域と、直径14.51mmの円領域との共通部分より、小さく設計することが好ましい。
以上説明したように、本実施の形態の画像投影装置1は、DMD551(光変調素子)と、照明光学ユニット40(照明光学手段)と、投影ユニット60(投影手段)と、ヒートシンク70(冷却部材)と、可動部材55Aと、固定部材51Aと、を備える。
DMD551は、光源30から照射された光を用いて画像を生成する。照明光学ユニット40は、光源30から照射された光をDMD551へ導く。投影ユニット60は、DMD551により生成された画像を投影する。ヒートシンク70は、DMD551を冷却する。可動部材55Aは、DMD551を、照明光学ユニット40に対して移動可能に支持する。固定部材51Aは、ヒートシンク70を照明光学ユニット40に対して移動不可能に支持する。
このように、本実施の形態では、DMD551は、可動部材55Aによって照明光学ユニット40に対して移動可能に配置されている。一方、DMD551を冷却するヒートシンク70は、固定部材51Aによって照明光学ユニット40に対して移動不可能に配置、すなわち、固定されている。
このため、ヒートシンク70の重量によってDMD551の移動が阻害されることが抑制される。従って、本実施の形態では、画像投影装置1は、DMD551(光変調素子)を安定して移動させることができる。
ここで、本実施の形態では、DMD551は、DMD551の画像生成面がZY平面と一致するように、ZY平面に沿って移動可能に可動部材55Aによって支持されている。このため、DMD551は、ZY平面に沿って、鉛直方向であるZ方向や反鉛直方向へ移動する。
このとき、ヒートシンク70とDMD551とを一体的に移動させていた従来の技術では、ヒートシンク70の重量によって、DMD551の移動が安定して行えない場合がある。特に、DMD551を反鉛直方向(重力に逆らう方向)に移動させる場合、ヒートシンク70の重量によって正確な移動が困難となる場合がある。このような場合、DMD551を半画素分周期的に移動させることなどによる高解像度化を精度良く行うことが困難となる。
一方、本実施の形態の画像投影装置1では、DMD551を冷却するヒートシンク70は、固定部材51Aによって照明光学ユニット40に対して移動不可能に配置、すなわち、固定されている。
このため、ヒートシンク70の重量によってDMD551の移動が阻害されることが抑制される。従って、本実施の形態では、画像投影装置1は、DMD551(光変調素子)を安定して移動させることができる。また、画像投影装置1は、投影される画像の高解像度化を精度良く図ることができる。
また、本実施の形態では、画像生成ユニット50(画像生成手段)が、DMD551(光変調素子)と、可動部材55Aと、ヒートシンク70(冷却部材)と、固定部材51Aと、を備えることができる。
また、ヒートシンク70(冷却部材)とDMD551(光変調素子)とを熱的に接続する熱伝導部材72を備えることが好ましい。
また、画像投影装置1は、可動部材55Aによって支持されたDMD551(光変調素子)を、照明光学ユニット40に対して移動させる制御を行う移動制御部12を備えることができる。
(変形例1)
上記実施の形態では、画像生成ユニット50が、DMD551(光変調素子)と、可動部材55Aと、ヒートシンク70(冷却部材)と、固定部材51Aと、を備えた形態を説明した。しかし、ヒートシンク70は、照明光学ユニット40に対して移動不可能に支持されていればよく、画像生成ユニット50において固定される形態に限定されない。
例えば、ヒートシンク70を、照明光学ユニット40に設けた構成としてもよい。
図18は、本変形例の画像投影装置1Aの機能構成を例示するブロック図である。画像投影装置1Aは、光学エンジン15に代えて光学エンジン15Aを備えた以外は、上記実施の形態の画像投影装置1と同様である。
光学エンジン15Aは、照明光学ユニット40および画像生成ユニット50に代えて、照明光学ユニット40Aおよび画像生成ユニット50Aを備えた以外は、上記実施の形態の光学エンジン15と同様である。
照明光学ユニット40Aは、上述した照明光学ユニット40の構成部材に加えて、更に、ヒートシンク70と、ヒートシンク70を支持する固定部材5100Aと、を備える。
固定部材5100Aは、ヒートシンク70を、照明光学ユニット40Aの光学系に対して移動不可能に支持する。すなわち、本変形例では、固定部材5100Aは、照明光学ユニット40Aに設けられ、照明光学ユニット40Aに固定した状態でヒートシンク70を支持する。
固定部材5100Aは、照明光学ユニット40Aの筐体などに固定されていればよく、その固定形態は限定されない。
画像生成ユニット50Aは、固定ユニット51が、固定部材51Aおよびヒートシンク70を備えない点以外は、画像生成ユニット50と同様である。
なお、照明光学ユニット40Aに設けられたヒートシンク70と、画像生成ユニット50Aの可動ユニット55に設けられたDMD551と、は、熱伝導部材72によって熱的に接続されている。なお、熱伝導部材72は、DMD551とヒートシンク70とを熱的に接続するように配置されていればよく、その配置は限定されない。
このように、本変形例では、照明光学ユニット40Aが、固定部材5100Aと、ヒートシンク70と、を有する。そして、ヒートシンク70は、固定部材5100Aによって照明光学ユニット40Aに固定されている。一方、DMD551は、可動部材55Aによって照明光学ユニット40Aに対して移動可能に配置されている。このため、ヒートシンク70の重量によってDMD551の移動が阻害されることが抑制される。従って、本変形例では、上記実施の形態と同様に、DMD551(光変調素子)を安定して移動させることができる。
(変形例2)
また、ヒートシンク70を、投影ユニット60に設けた構成としてもよい。
図19は、本変形例の画像投影装置1Bの機能構成を例示するブロック図である。画像投影装置1Bは、光学エンジン15に代えて光学エンジン15Bを備えた以外は、上記実施の形態の画像投影装置1と同様である。
光学エンジン15Bは、画像生成ユニット50および投影ユニット60に代えて、画像生成ユニット50Bおよび投影ユニット60Bを備えた以外は、上記実施の形態の光学エンジン15と同様である。
投影ユニット60Bは、上述した投影ユニット60の構成部材(光学系)に加えて、更に、ヒートシンク70と、ヒートシンク70を支持する固定部材5200Aと、を備える。
固定部材5200Aは、ヒートシンク70を、照明光学ユニット40に対して移動不可能に支持する。すなわち、本変形例では、固定部材5200Aは、投影ユニット60Bに設けられ、投影ユニット60Bに固定された状態でヒートシンク70を支持する。
固定部材5200Aは、投影ユニット60Bの筐体などに固定されていればよく、その固定形態は限定されない。
画像生成ユニット50Bは、固定ユニット51が、固定部材51Aおよびヒートシンク70を備えない点以外は、画像生成ユニット50と同様である。
なお、投影ユニット60Bに設けられたヒートシンク70と、画像生成ユニット50Bの可動ユニット55に設けられたDMD551と、は、熱伝導部材72によって熱的に接続されている。なお、熱伝導部材72は、DMD551とヒートシンク70とを熱的に接続するように配置されていればよく、その配置は限定されない。
このように、本変形例では、投影ユニット60Bが、固定部材5200Aと、ヒートシンク70と、を有する。そして、ヒートシンク70は、固定部材5200Aによって、投影ユニット60Bに固定されている。一方、DMD551は、可動部材55Aによって照明光学ユニット40に対して移動可能に配置されている。このため、ヒートシンク70の重量によってDMD551の移動が阻害されることが抑制される。従って、本変形例では、上記実施の形態と同様に、DMD551(光変調素子)を安定して移動させることができる。
(変形例3)
なお、ヒートシンク70を、画像投影装置1の筐体に設けた構成としてもよい。
図20は、本変形例の画像投影装置1Cの機能構成を例示するブロック図である。画像投影装置1Cは、光学エンジン15に代えて光学エンジン15Cを備えた以外は、上記実施の形態の画像投影装置1と同様である。
光学エンジン15Cは、画像生成ユニット50に代えて、画像生成ユニット50Cを備えた以外は、上記実施の形態の光学エンジン15と同様である。
画像生成ユニット50Cは、固定ユニット51が、固定部材51Aおよびヒートシンク70を備えない点以外は、画像生成ユニット50と同様である。
本実施の形態では、ヒートシンク70は、固定部材5300Aによって、画像投影装置1Cの筐体に固定されている。このため、ヒートシンク70は、固定部材5300Aによって、投影ユニット60Bに対して移動不可能支持される。
なお、固定部材5300Aは、画像投影装置1Cの筐体に固定されていればよく、その固定形態は限定されない。
固定部材5300Aによって支持されたヒートシンク70と、画像生成ユニット50Cの可動ユニット55に設けられたDMD551と、は、熱伝導部材72によって熱的に接続されている。なお、熱伝導部材72は、DMD551とヒートシンク70とを熱的に接続するように配置されていればよく、その配置は限定されない。
このように、本変形例では、ヒートシンク70は、固定部材5300Aによって、画像投影装置1Cの筐体に固定されている。一方、DMD551は、可動部材55Aによって照明光学ユニット40に対して移動可能に配置されている。このため、ヒートシンク70の重量によってDMD551の移動が阻害されることが抑制される。従って、本変形例では、上記実施の形態と同様に、DMD551(光変調素子)を安定して移動させることができる。
以上、本発明の実施の形態および変形例を説明したが、上述の実施の形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、上述の実施の形態および変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。