JP2017020614A - ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツおよびこれを備えた動力伝達装置 - Google Patents

ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツおよびこれを備えた動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017020614A
JP2017020614A JP2015140501A JP2015140501A JP2017020614A JP 2017020614 A JP2017020614 A JP 2017020614A JP 2015140501 A JP2015140501 A JP 2015140501A JP 2015140501 A JP2015140501 A JP 2015140501A JP 2017020614 A JP2017020614 A JP 2017020614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
constant velocity
velocity universal
dynamic damper
universal joint
boot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015140501A
Other languages
English (en)
Inventor
由里子 日内地
Yuriko Hinaichi
由里子 日内地
雄一郎 野呂
Yuichiro Noro
雄一郎 野呂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2015140501A priority Critical patent/JP2017020614A/ja
Publication of JP2017020614A publication Critical patent/JP2017020614A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Diaphragms And Bellows (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Abstract

【課題】ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツをコンパクト化する。
【解決手段】軸方向の一端に設けられ、等速自在継手10に固定される大径筒部31と、軸方向の他端に設けられ、回転軸としての中間シャフト2に固定される小径筒部32と、両筒部31,32の間に設けられ、等速自在継手10と中間シャフト2の相対的な角度変位に伴って弾性変形する筒状の変形可能部33と、小径筒部32が中間シャフト2に固定された状態で中間シャフト2に接触する筒状のダイナミックダンパ部34とを備えたダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツ30であって、変形可能部33とダイナミックダンパ部34とを軸方向でオーバーラップさせた。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツおよびこれを備えた動力伝達装置に関する。
周知のように、エンジンを駆動源とした自動車には、エンジンの動力を駆動車輪に伝達するためにドライブシャフトやプロペラシャフト等の動力伝達装置が搭載される。例えば、ドライブシャフトは、軸方向(自動車に搭載された状態では車幅方向)に離間して設けられ、駆動車輪側およびエンジン側に夫々配置される固定式等速自在継手および摺動式等速自在継手と、両等速自在継手間に設けられ、両等速自在継手の内側継手部材と一体回転可能な回転軸(中間シャフトとも称される)とを備える。
上記のドライブシャフトにおいては、回転軸と固定式等速自在継手の外側継手部材との間、および回転軸と摺動式等速自在継手の外側継手部材との間に、筒状のブーツ(等速自在継手用ブーツ)が夫々設けられる。これにより、継手内部に充填されたグリース等の潤滑剤の外部漏洩や継手内部への異物侵入が可及的に防止される。ブーツは、外側継手部材のカップ部に固定される大径筒部と、回転軸に固定される小径筒部と、両筒部の間に設けられ、等速自在継手と回転軸の相対変位(角度変位等)に伴って変形する蛇腹状の変形可能部とを有し、通常は、上記各部がゴム、樹脂(熱可塑性エラストマー)、又はシリコン等の弾性材料で一体成形されている。
ところで、自動車の運転走行時、すなわちドライブシャフトの作動時には、上記回転軸の回転アンバランス等に起因して、自動車の乗り心地や静粛性に悪影響を及ぼす曲げ振動や捩り振動等の有害振動が発生する場合がある。そこで、ドライブシャフトには、振動吸収手段としてのダイナミックダンパが装着される場合がある。ダイナミックダンパは、有害振動の主たる振動数に適合して共振するようにその固有振動数が調整されており、回転軸等の振動エネルギーをダイナミックダンパの振動エネルギーに変換して吸収することで有害振動を抑制する。
ダイナミックダンパは、ブーツとは別体に回転軸の軸方向所定位置に固定される場合がある他、例えば下記の特許文献1に記載されているように、ブーツと一体的に設けられ、ブーツと共に回転軸に固定される場合もある。特許文献1のように、ブーツにダイナミックダンパ部を一体的に設けた場合、組み付け工数の低減等により、ダイナミックダンパ付きの動力伝達装置を低コストに実現できる、回転軸のみならず等速自在継手で生じる有害振動も可及的に抑制可能となるので、有害振動の抑制効果が高まる、などといった利点がある。
なお、特許文献1のブーツにおいて、ダイナミックダンパ部は、その全体が、蛇腹状の変形可能部の小径側端部と小径筒部の基端との間に設けられ[同文献の図1(a)参照]、あるいは、小径筒部の自由端に連ねて設けられる[同文献の図1(b)参照]。
特開2007−78105号公報
ところで、ドライブシャフトをはじめとする動力伝達装置にダイナミックダンパを設ける場合には、ダイナミックダンパに所望の振動抑制機能を持たせつつ、ダイナミックダンパと周辺部品との干渉を回避する必要がある。しかしながら、ダイナミックダンパ部がブーツと一体的に上記態様で設けられていると、ダイナミックダンパ部の軸方向寸法分だけブーツが軸方向に長寸化するため、周辺部品との干渉を避けることが難しくなる場合がある。このような問題は、例えば、ダイナミックダンパ部の形状に工夫を凝らすことで可及的に解消できるとも考えられるが、ブーツの生産性(量産性)低下・高コスト化を招来することから得策ではない。
また、継手内部への潤滑剤の充填量は、通常、ブーツと継手の内部容積に応じて決定付けられる。このため、ブーツの内部容積を減じることができれば、継手内部への潤滑剤の充填量を減じることができ、これを通じて等速自在継手、ひいては動力伝達装置の低コスト化を図り得る。
そこで、本発明は、コンパクトでありながら、所望の振動吸収性を有するダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、軸方向の一端に設けられ、等速自在継手の外側継手部材に固定される大径筒部と、軸方向の他端に設けられ、等速自在継手の内側継手部材と一体的に回転する回転軸に固定される小径筒部と、大径筒部と小径筒部の間に設けられ、等速自在継手と回転軸の相対変位に伴って弾性変形する筒状の変形可能部と、小径筒部が回転軸に固定された状態で回転軸に接触する筒状のダイナミックダンパ部とを備えたダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツであって、変形可能部とダイナミックダンパ部とを軸方向でオーバーラップさせたことを特徴とする。なお、本発明でいう「等速自在継手と回転軸の相対変位」とは、両者の相対的な角度変位のみならず、両者の相対的な軸方向変位をも含む概念である。すなわち、本発明に係るダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツ(以下、単に「ブーツ」あるいは「ダンパ付きブーツ」ともいう)は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手、あるいは、角度変位および軸方向変位の双方を許容する摺動式等速自在継手の何れにも適用することができる。
上記構成によれば、ダイナミックダンパ部の少なくとも一部を変形可能部の内周に収容・配置することができる。この場合、変形可能部の内周に配置されるダイナミックダンパ部の軸方向寸法分だけ特許文献1に比べブーツを全体として軸方向にコンパクト化することができ、また、変形可能部の内周に配置されるダイナミックダンパ部の体積分だけブーツの内部容積を減じることができる。そして、ブーツが全体として軸方向にコンパクト化されれば、当該ブーツを等速自在継手(動力伝達装置)に取り付けた際に周辺部品と干渉する可能性が可及的に減じられるため、特殊形状のダイナミックダンパ部を採用せずとも所望の振動吸収性を確保することができ、また、ダンパ付きブーツの内部容積が減じられれば、継手内部への潤滑剤の充填量を減じて等速自在継手、ひいては動力伝達装置の低コスト化を図ることができる。
変形可能部とダイナミックダンパ部とを軸方向でオーバーラップさせるための具体的手段として、変形可能部の他端(小径筒部側の端部)を、ダイナミックダンパ部の外径面に接続する構成を採用することができる。なお、変形可能部の他端は、変形可能部とダイナミックダンパ部とを一体成形することでダイナミックダンパ部の外径面に接続するようにしても良いし、別部材を用いてダイナミックダンパ部の外径面に接続(固定)するようにしても良い。
ダイナミックダンパ部は、筒状のおもり部と、このおもり部を回転軸と同心上に保持する保持部とを有するものとすることができる。このようにすれば、ダイナミックダンパ部を複雑形状化することなく、回転軸が回転等するのに伴って生じる有害振動を適切に抑制することができる。
ダイナミックダンパ部の保持部は、ブーツの大径筒部、小径筒部および変形可能部と弾性材料で一体成形することができる。この場合、ブーツを安価に量産することができる。
また、ダイナミックダンパ部の保持部は、ブーツの大径筒部、小径筒部および変形可能部のうち、小径筒部のみと第1の弾性材料で一体成形し、大径筒部と変形可能部とを上記第1の弾性材料とは異なる第2の弾性材料で一体成形しても良い。このようにすれば、変形可能部に必要とされる諸特性(例えば、耐屈曲疲労性や耐膨張変形性等)を適切に確保しつつ、ダイナミックダンパ部に必要とされる振動吸収性を適切に確保することができる。なお、ここでいう「第1の弾性材料とは異なる第2の弾性材料」とは、例えば、第1の弾性材料として樹脂材料(熱可塑性エラストマ―)を選択使用した場合に、第2の弾性材料としてゴム又はシリコン等を選択使用する場合のみならず、第1および第2の弾性材料として何れも樹脂材料を使用する場合であっても、選択使用するベース樹脂の種類、配合割合等を相互に異ならせる場合も含む概念である。
以上で説明した本発明に係るダンパ付きブーツは、例えば、軸方向に離間して配置された第1および第2の等速自在継手と、両等速自在継手間に設けられ、両等速自在継手の内側継手部材と一体回転する回転軸とを備えた動力伝達装置において、第1の等速自在継手と回転軸との間、および第2の等速自在継手と回転軸との間の少なくとも一方に設けることができる。なお、上記の動力伝達装置としては、ドライブシャフトやプロペラシャフトを挙げることができる。
上記の動力伝達装置において、ダイナミックダンパ部は、等速自在継手(外側継手部材)と回転軸(内側継手部材)の相対的な角度変位に伴って、等速自在継手の外側継手部材と接触するように設けることもできる。
以上に示すように、本発明によれば、コンパクトでありながら、所望の振動吸収性を有するダンパ付きブーツを実現することができる。これにより、車両設計の自由度拡大、並びに、動力伝達装置の静粛性向上および低コスト化に寄与することが可能となる
本発明の第1実施形態に係るダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツを備えたドライブシャフトの全体構造を示す図である。 図1の要部拡大図である。 本発明の第2実施形態に係るダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツを装着した固定式等速自在継手の縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係るダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツを装着した固定式等速自在継手の縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係るダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツを装着した固定式等速自在継手の縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜5に基づいて説明する。
図1に、本発明の第1実施形態に係るダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツを備えた動力伝達装置としてのドライブシャフトの全体構造を示し、図2に、図1の要部拡大図を示す。図1に示すように、ドライブシャフト1は、軸方向に離間して配置された第1および第2の等速自在継手10,20と、両等速自在継手10,20間に設けられた回転軸としての中間シャフト2とを備える。図示例において、第1の等速自在継手10は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手であり、駆動車輪側(図1の紙面左側であり、以下「アウトボード側」ともいう)に配置される。また、第2の等速自在継手20は、角度変位および軸方向変位の双方を許容する摺動式等速自在継手であり、エンジン側(図1の紙面右側であり、以下「インボード側」ともいう)に配置される。
第1の等速自在継手10は、いわゆるバーフィールド型(BJ)であり、図2にも示すように、カップ部12および軸部13を有する外側継手部材11と、カップ部12の内周に収容された内側継手部材14と、カップ部12と内側継手部材14との間に配置されたボール15と、カップ部12の内径面と内側継手部材14の外径面との間に配され、ボール15を円周方向等間隔に保持する保持器16とを備える。詳細な図示は省略するが、この等速自在継手10として、アンダーカットフリー型(UJ)が用いられる場合もある。
図1に示すように、第2の等速自在継手20は、いわゆるトリポード型(TJ)であり、カップ部22および軸部23を有する外側継手部材21と、カップ部22の内周に収容された内側継手部材としてのトリポード部材24と、トルク伝達部材としてのローラ26とを備える。トリポード部材24には径方向に延びる脚軸25が周方向等間隔で3本設けられており、各脚軸25の外周にローラ26が1個ずつ回転自在に嵌合されている。詳細な図示は省略するが、この等速自在継手20として、ダブルオフセット型(DOJ)が用いられる場合もある。
図1に示すように、中間シャフト2は、金属棒材又は金属パイプで形成され、インボード側およびアウトボード側の端部外周にスプライン3,3を有する。中間シャフト2のアウトボード側のスプライン3は、等速自在継手10の内側継手部材14の孔部に対してスプライン嵌合によって連結され、中間シャフト2のインボード側のスプライン3は、等速自在継手20のトリポード部材24の孔部に対してスプライン嵌合によって連結されている。これにより、中間シャフト2、等速自在継手10の内側継手部材14および等速自在継手20のトリポード部材24が一体回転可能となる。
等速自在継手10,20の内部空間には、それぞれ、潤滑剤としてのグリースが充填されている。継手内部空間に充填されたグリースの外部漏洩、さらには継手内部空間への異物侵入を防止するため、等速自在継手10の外側継手部材11と中間シャフト2との間、および等速自在継手20の外側継手部材21と中間シャフト2との間には、筒状の等速自在継手用ブーツ30,40が夫々設けられている。
ブーツ40は、締結バンド5aにより外側継手部材21のカップ部22に固定された大径筒部41と、締結バンド5bにより中間シャフト2に固定された小径筒部42と、両筒部41,42間に設けられ、等速自在継手20(外側継手部材21)と中間シャフト2(トリポード部材24)の相対的な角度変位および軸方向変位に伴って変形する蛇腹状の変形可能部43とを有し、上記各部41〜43はゴム、樹脂(熱可塑性エラストマー)又はシリコン等の弾性材料(本実施形態ではゴム)で一体成形されている。
図2にも示すように、ブーツ30は、アウトボード側の端部に設けられ、締結バンド4aにより外側継手部材11のカップ部12に固定された大径筒部31と、インボード側の端部に設けられ、締結バンド4bにより中間シャフト2に固定された小径筒部32と、両筒部31,32間に設けられ、等速自在継手10(外側継手部材11)と中間シャフト2(内側継手部材14)の相対的な角度変位に伴って変形する蛇腹状の変形可能部33と、ダイナミックダンパ部34と、を有するダイナミックダンパ付きブーツである。
ダイナミックダンパ部34は、円筒状のおもり部35と、このおもり部35を中間シャフト2と同心上に保持する保持部36とからなる。保持部36は、おもり部35の内径面と中間シャフト2の外径面との間に介在し、おもり部35の内径面を被覆する内径側円筒部36aと、おもり部35の両端面を被覆する一対のフランジ部36b,36bと、おもり部35の外径面を被覆する外径側円筒部36cと、アウトボード側フランジ部36bの内径からアウトボードに延在する筒部36dとを有する。このダイナミックダンパ部34は、ブーツ30の小径筒部32が中間シャフト2に固定された状態で中間シャフト2に接触するように小径筒部32と変形可能部33との間に設けられており、ドライブシャフト1の作動(自動車の運転走行)に伴って中間シャフト2等に曲げ振動や捩り振動等の有害振動が発生すると、有害振動の主たる振動数に適合して共振し、有害振動を抑制(吸収・減衰)するように構成されている。なお、ダイナミックダンパ部34の筒部36dは中間シャフト2に締め代をもって固定されるとともに、内径側円筒部36aは中間シャフト2との間に隙間を形成している。
本実施形態のダンパ付きブーツ30は、大径筒部31、小径筒部32および変形可能部33と、ダイナミックダンパ部34の保持部36とが樹脂材料で一体成形された樹脂ブーツとされる。より詳細に説明すると、変形可能部33の小径端部(インボード側の端部)33aは、ダイナミックダンパ部34の保持部36を構成する外径側円筒部36cの軸方向略中央部に接続され、また、ダイナミックダンパ部34のインボード側の端部(インボード側のフランジ部36b)に小径筒部32の基端が接続され、かつ、ダイナミックダンパ部34のアウトボード側のフランジ部36bの内径にアウトボード側に延在する筒部36dが接続されている。かかる構成から、ダイナミックダンパ部34と変形可能部33とは軸方向でオーバーラップし、ダイナミックダンパ部34の一部(アウトボード側の一部)は、変形可能部33の内周に収容・配置されている。
上記のように、本発明に係るダンパ付きブーツ30においては、変形可能部33とダイナミックダンパ部34の一部とが軸方向でオーバーラップし、ダイナミックダンパ部34の一部が、変形可能部33の内周に収容されている。このようにすれば、変形可能部33の内周に配置されるダイナミックダンパ部34の軸方向寸法分だけブーツ30を全体として軸方向にコンパクト化することができ、また、変形可能部33の内周に配置されるダイナミックダンパ部34の体積分だけブーツ30の内部容積を減じることができる。そして、ブーツ30が全体として軸方向にコンパクト化されれば、このブーツ30を等速自在継手10(ドライブシャフト1)に取り付けた際に周辺部品と干渉する可能性が可及的に減じられるため、特殊形状のダイナミックダンパ部34を採用せずとも所望の振動吸収性を確保することができる。また、ブーツ30の内部容積が減じられれば、継手内部への潤滑剤の充填量を減じて等速自在継手10、ひいてはドライブシャフト1の低コスト化を図ることができる。
ところで、ブーツ30の変形可能部33の全長寸法(ブーツ30の縦断面における変形可能部33の輪郭線に沿った長さ。後述する実施形態も含め以下同様。)は、ブーツ30が装着される等速自在継手10の角度変位量の他、変形可能部33の大径端部(大径筒部31側の端部)と小径端部33aとの径差に応じて設定され、この径差が大きくなるほど長くする必要がある。この点、本実施形態では、変形可能部33の小径端部33aをダイナミックダンパ部34の外径面に接続することにより、より詳細には、変形可能部33の小径端部33aを、ダイナミックダンパ部34を構成する外径側円筒部36cの軸方向略中央部に接続することにより、変形可能部33とダイナミックダンパ部34の一部とを軸方向でオーバーラップさせている。
この場合、ダイナミックダンパ部34が存在せず、変形可能部33と小径筒部32とが直接的に接続されている場合と比較して、ダイナミックダンパ部34の径方向の厚み分だけ変形可能部33の小径端部33aが大径化されるため、変形可能部33の両端部間の径差を縮小することができる。これにより、変形可能部33の全長寸法を短縮して変形可能部33をコンパクト化することができるので、ブーツ30を全体として軽量・コンパクト化することができる。
さらに、本実施形態では、大径筒部31、小径筒部32および変形可能部33と、ダイナミックダンパ部34の保持部36とを樹脂材料で一体成形しているので、ブーツ30を低コストに量産することができる。なお、このようなブーツ30は、例えば、おもり部35をインサート部品として成形金型内に配置し、その他の部分を樹脂材料で射出成形する、いわゆるインサート成形により得ることができる。
以上、本発明の一実施形態に係るダンパ付きブーツ30、およびこれを備えたドライブシャフト1について説明を行ったが、本発明の実施の形態はこれに限定されるわけではない。以下、本発明の他の実施形態に係るダンパ付きブーツについて説明を行うが、同様の機能を奏する部材・部位については上述した実施形態と同様の参照番号を付して重複説明を省略する。
図3は、本発明の第2実施形態に係るダンパ付きブーツを備えたドライブシャフト1の要部拡大図である。同図に示すダンパ付きブーツ30が図2に示すダンパ付きブーツ30と異なる主な点は、ダイナミックダンパ部34の保持部36を内径側円筒部36a、一対のフランジ部36b,36bおよび筒部36dのみで構成し(要するに、外径側円筒部36cを省略)、別途の締結バンド4cを用いて変形可能部33の小径端部33aをダイナミックダンパ部34の外径部に接続(固定)した点にある。すなわち、この実施形態のブーツ30では、ダイナミックダンパ部34の保持部36は、大径筒部31、小径筒部32および変形可能部33のうち、小径筒部32のみと一体的に設けられ、大径筒部31および変形可能部33は、ダイナミックダンパ部34および小径筒部32とは別体とされる。
また、ダイナミックダンパ部34の保持部36は、ゴム、樹脂(熱可塑性エラストマー)又はシリコン等の群から選択される第1の弾性材料で小径筒部32と一体成形され、大径筒部31と変形可能部33とは、第1の弾性材料とは異なる第2の弾性材料で一体成形されている。このようにすれば、変形可能部33に必要とされる耐屈曲疲労性や耐膨張変形性等を適切に確保しつつ、ダイナミックダンパ部34に必要とされる振動吸収性を適切に確保することができる。具体例を挙げるとすれば、第1の弾性材料としては、ゴム材料(このゴム材料は、吸収・減衰すべき有害振動の周波数に応じて選定される)を使用し、第2の弾性材料としては、上記の要求特性を考慮して、熱可塑性エラストマ―を主成分とする樹脂材料又はクロロプレンゴムを主成分とするゴム材料を使用することが考えられる。
図4は、本発明の第3実施形態に係るダンパ付きブーツを備えたドライブシャフト1の要部拡大図である。同図に示すダンパ付きブーツ30が図2に示すダンパ付きブーツ30と異なる主な点は、変形可能部33の小径端部33aが、ダイナミックダンパ部34の外径面(外径側円筒部36c)のインボード側の端部付近に接続され、ダイナミックダンパ部34の大半が変形可能部33の内周に収容・配置されている点にあり、これに伴い、ダイナミックダンパ部34は、等速自在継手10と中間シャフト2とが相対的に角度変位し、等速自在継手10の作動角が所定値を超えたときに、外側継手部材11のカップ部12の開口端と接触可能となっている。
このようにすれば、等速自在継手10が必要以上に大きな作動角をとるのをダイナミックダンパ部34で規制することができるので、変形可能部33の全長寸法等を必要とされる最大作動角に応じた最適値に設計することが容易となる。そして、本実施形態では、等速自在継手10が所定の作動角をとった段階で外側継手部材11がダイナックダンパ部34に接触するので、変形可能部33の全長寸法は、図2に示す実施形態よりも大幅に短縮されている。これにより、ブーツ30を大幅に軽量・コンパクト化し、また低コスト化することができる。
図5は、本発明の第4実施形態に係るダンパ付きブーツを備えたドライブシャフト1の要部拡大図である。同図に示すダンパ付きブーツ30が、図2に示すダンパ付きブーツ30と異なる主な点は、変形可能部33の小径端部33aが、ダイナミックダンパ部34の外径面(外径側円筒部36c)のインボード側端部に接続され、ダイナミックダンパ部34の略全体が変形可能部33の内周に収容・配置されている点、および等速自在継手10が所定の作動角をとった段階でダイナックダンパ部34に外側継手部材11が接触するように構成され、変形可能部33の全長寸法が図2に示す実施形態よりも大幅に短縮されている点にある。なお、本実施形態では、変形可能部33を、蛇腹状ではなく、テーパ状に形成することによってその全長寸法を短縮し、ダンパ付きブーツ30を全体として大幅にコンパクト化している。
なお、図4および図5に示す構成は、特に、後輪を駆動するためのいわゆるリア用ドライブシャフトにおいて好適に採用し得る。リア用ドライブシャフトは、操舵輪である前輪を駆動するためのフロント用ドライブシャフトに比べ、等速自在継手10に必要とされる最大作動角が格段に小さい(一般的に最大作動角は、フロント用:40〜50°程度、リア用:10〜20°程度)からである。
以上で説明した実施形態では、締結バンド4a,4b、4cを用いてダンパ付きブーツ30の大径筒部31および小径筒部32を、等速自在継手10の外側継手部材11および中間シャフト2にそれぞれ固定するようにしたが、両筒部31,32の何れか一方又は双方は、例えば、ボルト部材や溶着、接着等の他の手段で相手部材に固定するようにしても良い。
また、以上では、本発明に係るダンパ付きブーツ30を、固定式等速自在継手である第1の等速自在継手10と中間シャフト2の間に設けたが、本発明に係るダンパ付きブーツ30は、摺動式等速自在継手である第2の等速自在継手20と中間シャフト2の間に設けることもできる。また、本発明に係るダンパ付きブーツ30は、ドライブシャフトのみならず、プロペラシャフト等、その他の動力伝達装置を構成する等速自在継手と回転軸の間に設けることも可能である。
本発明は以上で説明した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 ドライブシャフト(動力伝達装置)
2 中間シャフト(回転軸)
10 第1の等速自在継手
11 外側継手部材
14 内側継手部材
20 第2の等速自在継手
21 外側継手部材
24 トリポード部材(内側継手部材)
30 ブーツ(ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツ)
31 大径筒部
32 小径筒部
33 変形可能部
34 ダイナミックダンパ部
35 おもり部
36 保持部

Claims (7)

  1. 軸方向の一端に設けられ、等速自在継手の外側継手部材に固定される大径筒部と、軸方向の他端に設けられ、前記等速自在継手の内側継手部材と一体回転する回転軸に固定される小径筒部と、前記大径筒部と前記小径筒部の間に設けられ、前記等速自在継手と前記回転軸の相対変位に伴って弾性変形する筒状の変形可能部と、前記小径筒部が前記回転軸に固定された状態で前記回転軸に接触する筒状のダイナミックダンパ部とを備えたダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツであって、
    前記変形可能部と前記ダイナミックダンパ部とが軸方向でオーバーラップしていることを特徴とするダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツ。
  2. 前記変形可能部の軸方向の他端を、前記ダイナミックダンパ部の外径面に接続した請求項1に記載のダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツ。
  3. 前記ダイナミックダンパ部が、筒状のおもり部と、該おもり部を前記回転軸と同心上に保持する保持部とを有する請求項1又は2に記載のダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツ。
  4. 前記大径筒部、前記小径筒部および前記変形可能部と、前記ダイナミックダンパ部の前記保持部とを弾性材料で一体成形した請求項3に記載のダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツ。
  5. 前記小径筒部と前記ダイナミックダンパ部の前記保持部とを第1の弾性材料で一体成形し、前記大径筒部と前記変形可能部とを、前記第1の弾性材料とは異なる第2の弾性材料で一体成形した請求項3に記載のダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツ。
  6. 軸方向に離間して配置された第1および第2の等速自在継手と、両等速自在継手間に設けられ、両等速自在継手の内側継手部材と一体回転する回転軸とを備え、
    前記第1の等速自在継手と前記回転軸との間、および前記第2の等速自在継手と前記回転軸との間の少なくとも一方に、請求項1〜5の何れか一項に記載のダイナミックダンパ付等速自在継手用ブーツを設けてなる動力伝達装置。
  7. 前記等速自在継手と前記回転軸の相対的な角度変位に伴って、前記等速自在継手の外側継手部材と前記ダイナミックダンパ部とが接触する請求項6に記載の動力伝達装置。
JP2015140501A 2015-07-14 2015-07-14 ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツおよびこれを備えた動力伝達装置 Pending JP2017020614A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015140501A JP2017020614A (ja) 2015-07-14 2015-07-14 ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツおよびこれを備えた動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015140501A JP2017020614A (ja) 2015-07-14 2015-07-14 ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツおよびこれを備えた動力伝達装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017020614A true JP2017020614A (ja) 2017-01-26

Family

ID=57889459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015140501A Pending JP2017020614A (ja) 2015-07-14 2015-07-14 ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツおよびこれを備えた動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017020614A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060217208A1 (en) Propshaft with constant velocity joint attachment
CN107401583A (zh) 汽车减速器
WO2018088103A1 (ja) ダイナミックダンパ
JP2019526759A (ja) 等速ジョイント管板上のダンパー
JP6206341B2 (ja) 車両の動力伝達構造
JP2008082393A (ja) 自動車用駆動軸
JP2009085380A (ja) 等速自在継手
JP7412099B2 (ja) 動力伝達機構及び車両
WO2020081028A2 (en) Driveshaft with a slidable coupling
JP2017024522A (ja) プロペラシャフト支持構造
KR20150125575A (ko) 롤링 부트
JP2017020614A (ja) ダイナミックダンパ付き等速自在継手用ブーツおよびこれを備えた動力伝達装置
JP2018112198A (ja) ダンパ構造体
JP2012189190A (ja) 摺動式等速自在継手
JP4619662B2 (ja) ステアリング装置用固定式等速自在継手
JP2018119603A (ja) ダンパ構造体及びその組立方法
JP6253933B2 (ja) 等速自在継手
JP2007120544A (ja) ドライブシャフト
JP2010025207A (ja) 等速自在継手
JP6765231B2 (ja) 等速自在継手用ブーツ、及びこのブーツを備えた動力伝達構造
JP2018044607A (ja) 摺動式等速自在継手
JP2016056883A (ja) 等速自在継手
JP2013234733A (ja) 等速自在継手
JP2018096471A (ja) ダンパ構造体
WO2017126305A1 (ja) 動力伝達ユニット