JP2017020433A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でセンサの素子温度の推定精度を向上できる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン1の制御装置10は、エンジン1の排気に含まれる酸素量を計測する酸素濃度センサ3と、酸素濃度センサ3のインピーダンスZacに応じて、インピーダンスZacと素子温度との間の特性に基づき、素子温度の推定値である素子温度T1を推定する第1温度推定部14と、エンジン1の運転状態に関連する運転状態関連情報(推定排気温度Tg)に基づいて素子温度の推定値である推定素子温度T2を推定する第2温度推定部15と、を備え、第1温度推定部14は、推定素子温度T2に基づいて特性を学習する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン1の制御装置10は、エンジン1の排気に含まれる酸素量を計測する酸素濃度センサ3と、酸素濃度センサ3のインピーダンスZacに応じて、インピーダンスZacと素子温度との間の特性に基づき、素子温度の推定値である素子温度T1を推定する第1温度推定部14と、エンジン1の運転状態に関連する運転状態関連情報(推定排気温度Tg)に基づいて素子温度の推定値である推定素子温度T2を推定する第2温度推定部15と、を備え、第1温度推定部14は、推定素子温度T2に基づいて特性を学習する。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の吸気または排気に含まれる対象物量を計測するセンサを備える内燃機関の制御装置に関する。
従来、電圧を印加することにより酸素量、窒素酸化物、または粒子状物質などの対象物量に応じた電流が流れる特性を有し、出力される電流値に基づいて対象物量を検出することができるセンサが知られている。一般に、このようなセンサはその出力が素子温度によってばらつく温度依存性が大きいため、例えばヒータ等を利用して素子温度を適温(活性温度)に保ち、対象物量の検出精度を良好に維持する構成がとられている。
このシステムでは、ヒータへの通電をフィードバック制御するために素子温度を検出する必要があるが、装置の大型化やコストアップを抑えるために、素子温度を直接計測せず、素子温度以外の情報に基づきセンサの素子温度を推定する手法、例えばセンサのインピーダンスに基づき素子温度を推定する手法が取られる場合がある。センサのインピーダンスと素子温度との関係は、温度域に応じて安定度が異なるため、素子温度の推定精度にばらつきが生じる場合がある。このため、ヒータの抵抗に応じてセンサの素子温度を推定し、インピーダンスに応じて推定した素子温度との差異に応じて、推定された素子温度を補正することで、素子温度の推定精度を向上する構成が知られている(例えば特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来の素子温度の推定手法では、ヒータ抵抗を測定するための構成要素を設ける必要があるため、構成が複雑になる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成でセンサの素子温度の推定精度を向上できる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る内燃機関の制御装置(10)は、内燃機関(1)の吸気または排気に含まれる対象物量を計測するセンサ(3)と、前記センサのインピーダンス(Zac)に応じて、前記センサのインピーダンスと前記センサの素子温度との間の特性に基づき、前記素子温度の推定値である第1素子温度(T1)を推定する第1温度推定部(14)と、前記内燃機関の運転状態に関連する運転状態関連情報(Tg)に基づいて前記素子温度の推定値である第2素子温度(T2,T2e)を推定する第2温度推定部(15)と、を備え、前記第1温度推定部は、前記第2素子温度に基づいて前記特性を学習することを特徴とする。
この構成により、運転状態関連情報に基づく第2素子温度を用いて、インピーダンスと素子温度との間の特性を学習できるので、インピーダンスの検出精度のばらつきを低減でき、インピーダンスに基づくセンサの第1素子温度の推定精度を向上することが可能となる。また、一般的な運転状態に関する運転状態関連情報を利用して第2素子温度を推定するため、第2素子温度を推定するために特別な構成要素を設ける必要がない。したがって、簡易な構成でセンサの第1素子温度の推定精度を向上できる。
本発明によれば、簡易な構成でセンサの素子温度の推定精度を向上できる内燃機関の制御装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1〜4を参照して第1実施形態について説明する。本実施形態に係る内燃機関1(以下では「エンジン1」とも表記する)の制御装置10は、エンジン1の吸気または排気に含まれる対象物量(酸素量、窒素酸化物(NOx)、または粒子状物質(PM)など)を計測するセンサを備え、このセンサにより計測される対象物量に応じてエンジン1の動作を制御するものである。本実施形態では、図1に示すように、このようなセンサの一例として酸素濃度センサ3を挙げている。
図1〜4を参照して第1実施形態について説明する。本実施形態に係る内燃機関1(以下では「エンジン1」とも表記する)の制御装置10は、エンジン1の吸気または排気に含まれる対象物量(酸素量、窒素酸化物(NOx)、または粒子状物質(PM)など)を計測するセンサを備え、このセンサにより計測される対象物量に応じてエンジン1の動作を制御するものである。本実施形態では、図1に示すように、このようなセンサの一例として酸素濃度センサ3を挙げている。
酸素濃度センサ3は、エンジン1の排気管2に設置され、排気ガス(被検出ガス)中の酸素濃度を検出する。酸素濃度センサ3は、直流電圧Vdcを印加することにより酸素濃度に応じた直流電流Idc(以降では「センサ出力電流」とも表記する)が流れる特性をもつセンサ素子4を有し、排気ガス中の酸素濃度にほぼ比例する限界電流を発生する限界電流式のセンサである。つまり、酸素濃度センサ3は、排気管2を流れる排気ガス中の酸素濃度に応じて、出力する直流電流Idcを変化させるものとなっている。排気ガス中の酸素濃度が高くなれば、酸素濃度センサ3から出力される直流電流Idcは大きくなり、排気ガス中の酸素濃度が低くなれば、酸素濃度センサ3から出力される直流電流Idcは小さくなる。
また、酸素濃度センサ3のセンサ素子4は、交流電圧Vacを印加することにより交流電流Iac(以降では「センサ出力電流」とも表記する)が流れる特性も持つ。
酸素濃度センサ3のセンサ素子4は、例えば部分安定化ジルコニアからなる固体電解質層を含んで構成され、所定の活性温度の範囲(例えば700℃以上)のときに活性状態となり、上記のセンサ出力電流を酸素濃度に応じて発生させることができる。センサ素子4の温度(素子温度)を活性温度の範囲内に維持するために、酸素濃度センサ3にはヒータ5が内蔵されている。ヒータ5の発熱によってセンサ素子4の温度を上昇させることができる。
制御装置10は、印加電圧制御回路11と、ヒータ制御回路12と、マイコン13とを備える。
印加電圧制御回路11は、図1に示すように、酸素濃度センサ3のセンサ素子4と電気的に接続されており、センサ素子4に印加する印加電圧(交流電圧Vac、直流電圧Vdc)を制御すると共に、センサ素子4から出力されるセンサ出力電流(交流電流Iac、直流電流Idc)に応じた電圧値を取得する。また、印加電圧制御回路11は、マイコン13とも電気的に接続されており、マイコン13からの指令信号に応じて印加電圧Vac,Vdcを制御すると共に、センサ素子4から取得したセンサ出力電流Iac,Idcに対応する電圧値をマイコン13に出力する。
ヒータ制御回路12は、酸素濃度センサ3のヒータ5及びマイコン13と電気的に接続されており、マイコン13からの指令信号に応じてヒータ5の発熱量を制御する。ヒータ制御回路12は、例えばヒータ5の通電率(デューティ)を制御することで、ヒータ5の発熱量を制御することができる。
マイコン13は、印加電圧制御回路11及びヒータ制御回路12を介して酸素濃度センサ3の動作を制御する。マイコン13は、A/D変換器(図示せず)を介して、印加電圧制御回路11からセンサ出力電流Iac,Idcに対応する電圧値を取得する。また、マイコン13は、D/A変換器(図示せず)を介して、印加電圧制御回路11及びヒータ制御回路12にそれぞれ指令信号を出力する。
マイコン13は、印加電圧制御回路11を制御して酸素濃度センサ3のセンサ素子4に所望の直流電圧Vdcを印加し、これに応じて酸素濃度センサ3から出力される直流電流Idcに対応する電圧値を印加電圧制御回路11から取得する。マイコン13は、印加電圧制御回路11から取得した電圧値から直流電流Idcを算出し、この算出した直流電流Idcに基づき排気ガスの酸素濃度を算出することができる。マイコン13は、算出した排気ガスの酸素濃度に応じて、例えば酸素濃度が所望の値となるようにエンジン1の燃料噴射量や吸気量の制御等を行う。
また、マイコン13は、印加電圧制御回路11を制御して酸素濃度センサ3のセンサ素子4に所望の交流電圧Vacを印加し、これに応じて出力される交流電流Iacに対応する電圧値を印加電圧制御回路11から取得する。マイコン13は、印加電圧制御回路11から取得した電圧値から交流電流Iacを算出し、この算出したセンサ出力電流Iacと、交流電圧Vacとに基づき、酸素濃度センサ3のインピーダンスZacを算出する。インピーダンスZacは、酸素濃度センサ3に印加する交流電圧Vacを、これに応じて酸素濃度センサ3から出力される交流電流Iacで除することで導出できる(Zac=Vac/Iac)。つまり、交流電圧Vacを酸素濃度センサ3に印加することによって、インピーダンスZacに応じた交流電流Iacが酸素濃度センサ3に流れる、とも表現することができる。
インピーダンスZacの大小関係は、酸素濃度センサ3の素子温度の高低関係と対応するものである。つまり、マイコン13は、インピーダンスZacに基づき酸素濃度センサ3の素子温度を間接的に把握することができる。なお、本実施形態では、このようにインピーダンスZacに基づき推定される素子温度T1を「第1素子温度」とも表記する。
マイコン13は、このように推定した素子温度T1(第1素子温度)に基づいて、酸素濃度センサ3のセンサ素子4の実際の温度が所望の設定温度となるようにヒータ制御回路12をフィードバック制御する。また、マイコン13は、エンジン1の運転状態などに応じて(例えば燃費が高効率領域となるように)、センサ素子4の設定温度を活性温度領域内で適宜設定することができる。
なお本実施形態では、酸素濃度センサ3のサイズや設置スペース、コストなどの制約のため、センサ素子4の実際の温度を温度センサ等によって直接計測せず、素子温度との関連性を有するインピーダンスZacに基づきマイコン13が素子温度を推定する構成をとる。このため、センサ素子4の素子温度T1の推定精度が悪いと、設定温度が活性温度領域の境界付近に設定された場合に、上記のフィードバック制御により素子温度を制御しても実際の素子温度が活性温度領域から外れてしまい、酸素濃度センサ3が機能しない虞がある。このような状況を回避すべく、少なくとも活性温度領域を含む範囲において素子温度を高精度に推定できることが望ましい。マイコン13は、このような機能に係る構成要素として、図1に示すように第1温度推定部14と、第2温度推定部15とを備える。
第1温度推定部14は、酸素濃度センサ3のインピーダンスZacに応じて、インピーダンスZacと酸素濃度センサ3の素子温度T1との間の特性に基づき、酸素濃度センサ3の現実の素子温度の推定値である素子温度T1を推定する。第1温度推定部14は、例えば、図3に例示するようなインピーダンスZacと素子温度T1との関係の特性に従って、インピーダンスZacと素子温度T1とを関連付けて作成されたマップを有している。図3には、インピーダンスZacと素子温度T1との関係の特性例Aが実線で図示され、後述する学習により補正された後の特性例Bが点線で図示されている。図3の横軸はインピーダンスZacを表し、図3の縦軸は素子温度T1を表している。第1温度推定部14は、算出されたインピーダンスZacを用いて、このインピーダンスZacに関連付けられた素子温度T1をマップから取得することで、素子温度T1を推定する。
なお、図3に示す特性例A,Bでは、インピーダンスZacが相対的に大きい場合には素子温度T1が相対的に低くなり、インピーダンスZacが相対的に小さい場合には素子温度T1が相対的に高くなる特性を例示しているが、印加電圧制御回路11の回路構成によってはインピーダンスZacの大小関係と素子温度T1の高低関係とが逆となる場合もある。
さらに、第1温度推定部14は、後述する第2温度推定部15により推定される推定素子温度T2に基づいて、インピーダンスZacと素子温度T1との関係の特性を学習する学習制御を実施できる。より詳細には、第1温度推定部14は、インピーダンスZacに基づき推定した素子温度T1と、この素子温度T1の推定と同じタイミングで第2温度推定部15により推定される推定素子温度T2とを用いて、素子温度T1が推定素子温度T2に近づく方向にインピーダンスZacと素子温度T1との関係の特性のマップを更新する。この学習制御の詳細については図2を参照して後述する。
第2温度推定部15は、エンジン1の運転状態に関連する「運転状態関連情報」に基づいて、酸素濃度センサ3の現実の素子温度の推定値である推定素子温度T2(第2素子温度)を推定する。本実施形態では、このような運転状態関連情報としてエンジン1の推定排気温度Tgが用いられる。第2温度推定部15は、例えばエンジン1の負荷及び回転数に基づき推定排気温度Tgを算出することができる。第2温度推定部15は、例えば、図4に例示するようなエンジン回転数、エンジン負荷、及び推定排気温度Tgの関係の特性に従って、エンジン回転数及びエンジン負荷と推定排気温度Tgとを関連付けて作成されたマップを有している。図4の横軸はエンジン回転数を表し、図4の縦軸はエンジン負荷を表している。図4に例示するように、一般に、エンジン1の負荷または回転数が大きい場合には推定排気温度Tgは相対的に高温となり、エンジン1の負荷または回転数が小さい場合には推定排気温度Tgは相対的に低温となる。
第2温度推定部15は、例えばエンジン1からマイコン13に入力されたエンジン1の負荷及び回転数の情報を用いて、これらに関連付けられた推定排気温度Tgをマップから取得し、この取得した推定排気温度Tgを用いて推定素子温度T2を算出することで、推定素子温度T2を推定する。
マイコン13は、物理的には、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース(A/D変換器14及びD/A変換器15)を備えたコンピュータシステムとして構成される。上述したマイコン13の各機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、RAMやROMにおけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。マイコン13は、例えば制御装置10が搭載される車両のECU(Electronic Control Unit)の一部として実装される。
次に、図2のフローチャートを参照して、第1実施形態に係る制御装置10のマイコン13により実施されるインピーダンス−素子温度特性の学習制御の手順を説明する。本制御は制御装置10全体の全体制御により必要なタイミングで実施される。
ステップS101では、インピーダンス−素子温度特性の学習制御が許可されているか否かが判定される。本実施形態では、第1温度推定部14は、ヒータ5の制御がオフ状態のときに学習制御が許可される。ステップS101の判定の結果、学習制御が許可されている場合(ステップS101のYes)には、ステップS102に進み、学習制御が開始される。一方、学習制御が許可されていない場合(ステップS101のNo)には、学習制御を実施せずに本制御フローを終了する。
ステップS102では、第1温度推定部14により、インピーダンス値Z1に基づき素子温度T1が算出される。上述のとおり、第1温度推定部14は、酸素濃度センサ3のセンサ素子4に印加した交流電圧Vacと、これに応じて出力される交流電流Iacとを用いて酸素濃度センサのインピーダンス値Z1を算出し、例えば図3に示すインピーダンス値Z1と素子温度T1との関係の特性Aを参照して、このインピーダンスZ1に関連付けられた素子温度T1をマップから取得することで、素子温度T1を算出する。ステップS102の処理が完了するとステップS103に進む。
ステップS103では、第2温度推定部15により、推定排気温度Tgが算出される。第2温度推定部15は、エンジン1からマイコン13に入力されたエンジン1の負荷及び回転数の情報を用いて、例えば図4に示すエンジン回転数、エンジン負荷、及び推定排気温度Tgの関係の特性のマップを参照して、当該負荷及び回転数に関連付けられた推定排気温度Tgを取得する。ステップS103の処理が完了するとステップS104に進む。
ステップS104では、第2温度推定部15により、ステップS103にて算出された推定排気温度Tgに基づき推定素子温度T2が算出される。第2温度推定部15は、例えば推定排気温度Tgから所定値を加減してオフセットを取ることや、推定排気温度Tgと推定素子温度T2とが関連付けられたマップを参照すること、などの手法により推定素子温度T2を算出する。第2温度推定部15は、算出した推定素子温度T2の情報を第1温度推定部14に出力する。ステップS104の処理が完了するとステップS105に進む。
ステップS105では、第1温度推定部14により、ステップS102にて算出された素子温度T1と、ステップS104にて算出された推定素子温度T2の差が所定値以上であるか否かが判定される。ステップS105の判定の結果、素子温度T1と推定素子温度T2の差が所定値以上である場合(ステップS105のYes)には、ステップS106に進む。一方、素子温度T1と推定素子温度T2の差が所定値未満の場合(ステップS105のNo)には、インピーダンス−素子温度特性の学習を実施せずに本制御フローを終了する。
ステップS106では、ステップS105にて素子温度T1と推定素子温度T2の差が所定値以上であるので、第1温度推定部14により、推定素子温度T2に基づいてインピーダンス−素子温度特性の学習が行われる。第1温度推定部14は、自らがインピーダンス値Z1に基づき算出する素子温度T1が、第2温度推定部15により排気温度Tgに基づき算出される推定素子温度T2に近づくように特性の学習を行う。特性を学習する手法としては、例えば図3に示すように、所定のインピーダンス値Z1に素子温度T1が関連付けられる当初の特性曲線Aが、このインピーダンス値Z1に素子温度T2が関連付けられる特性曲線Bの方向へ変形するように、インピーダンスZacと素子温度T1との対応関係を全域にわたり更新する手法が挙げられる。この場合、学習の収束判定は、例えば、(1)特性曲線Aが特性曲線Bに変形され、インピーダンス値Z1に関連付けられる素子温度が素子温度T1から推定素子温度T2に収束したとき、または、(2)インピーダンス値Z1に関連付けられる素子温度が素子温度T1から、推定素子温度T2±ばらつき値に収束したとき、などの条件を適用できる。また、特性を学習する手法は、図3に示した例以外でもよく、例えば素子温度T1と推定素子温度T2の差分に応じたオフセット量を設定し、特性曲線Aをこのオフセット量でT2側へ平行移動するようにインピーダンスZacと素子温度T1との対応関係を変更する手法でもよいし、今回の制御フローで算出された部分(図3の例ではインピーダンスZ1に対応する素子温度)のみを変更する手法でもよい。ステップS106の処理が完了すると本制御フローを終了する。
第1実施形態に係る内燃機関の制御装置10の効果を説明する。上述のように、本実施形態では、酸素濃度センサ3のサイズ等の制約のため、センサ素子4の実際の温度を温度センサ等によって直接計測せず、素子温度との関連性を有するインピーダンスZacに基づきマイコン13が素子温度T1を推定する構成をとる。ここで、インピーダンスZacと素子温度T1との関係は、センサ単品ごとに特性のばらつきがあるため、インピーダンスの検出精度にばらつきが生じる場合があり、素子温度の推定精度に影響を受ける虞がある。また、インピーダンスの検出精度を確保するためにセンサの設計交差や生産工程を厳格にすると、設計や生産工程が複雑になりコスト高の要因となるので、現状のセンサ単品特性のばらつきのままでも素子温度の推定精度を向上できることが望ましい。
これに対して、本実施形態の制御装置10では、排気温度と素子温度との関係がセンサの製品ばらつきの影響を受けにくく安定していることに着眼し、酸素濃度センサ3の素子温度T1の推定に用いるインピーダンス−素子温度特性を、推定排気温度Tgから導出した推定素子温度T2に基づいて学習する構成をとる。これにより、インピーダンスZacの検出精度のばらつきを低減できるため、インピーダンスZacに基づく酸素濃度センサ3の素子温度T1の推定精度を向上することが可能となる。また、推定排気温度Tgは、エンジン1の負荷や回転数などの一般的な運転状態に関する情報を利用して推定することができるので、排気温度Tgを測定するために特別な構成要素を設ける必要がない。したがって、第1実施形態の制御装置10によれば、簡易な構成で酸素濃度センサ3の素子温度T1の推定精度を向上できる。
また、第1実施形態の制御装置10において、第1温度推定部14は、ヒータ5の制御がオフ状態のときに、インピーダンス−素子温度特性の学習を実施するので、酸素濃度センサ3の素子温度が安定している状態で特性の学習を実施でき、効果的な学習を促進できるので、酸素濃度センサ3の素子温度T1の推定精度をさらに向上できる。
なお、第1実施形態では、エンジン1の負荷及び回転数に基づき算出される推定排気温度Tgを用いて推定素子温度T2を算出する構成を例示したが、推定素子温度T2の推定に用いる運転状態関連情報として排気温度を用いることができればよく、例えば、エンジン1の排気管2に排気温度センサを設け、この排気温度センサにより排気温度を直接計測する構成でもよい。
(第2実施形態)
図5,6を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態は、構成要素は図1に示す第1実施形態のものと同様であるが、図5に示すように、推定素子温度T2eを推定するための情報源である運転状態関連情報として、エンジン1の運転状態(負荷及び回転数)の情報を用いる点で、第1実施形態と異なる。
図5,6を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態は、構成要素は図1に示す第1実施形態のものと同様であるが、図5に示すように、推定素子温度T2eを推定するための情報源である運転状態関連情報として、エンジン1の運転状態(負荷及び回転数)の情報を用いる点で、第1実施形態と異なる。
図5のフローチャートを参照して、第2実施形態に係る制御装置10のマイコン13により実施されるインピーダンス−素子温度特性の学習制御の手順を説明する。
ステップS201,S202の各処理は、図2を参照して説明した第1実施形態のステップS101,S102と同様なので説明を省略する。
ステップS203では、第2温度推定部15により、エンジンの運転状態(エンジン1の負荷及び回転数)に基づき推定素子温度T2eが算出される。第2温度推定部15は、エンジン1からマイコン13に入力されたエンジン1の負荷及び回転数の情報を用いて、例えば図6に示すエンジン回転数、エンジン負荷、及び推定素子温度T2eの関係の特性のマップを参照して、当該負荷及び回転数に関連付けられた推定素子温度T2eを取得する。図6の横軸はエンジン回転数を表し、図6の縦軸はエンジン負荷を表している。図6に例示するように、一般に、エンジン1の負荷または回転数が大きい場合には推定素子温度T2eは相対的に高温となり、エンジン1の負荷または回転数が小さい場合には推定素子温度T2eは相対的に低温となる。第2温度推定部15は、算出した推定素子温度T2eの情報を第1温度推定部14に出力する。ステップS203の処理が完了するとステップS204に進む。
ステップS204では、第1温度推定部14により、ステップS202にて算出された素子温度T1と、ステップS203にて算出された推定素子温度T2eの差が所定値以上であるか否かが判定される。ステップS204の判定の結果、素子温度T1と推定素子温度T2eの差が所定値以上である場合(ステップS204のYes)には、ステップS205に進む。一方、素子温度T1と推定素子温度T2eの差が所定値未満の場合(ステップS204のNo)には、インピーダンス−素子温度特性の学習を実施せずに本制御フローを終了する。
ステップS205では、ステップS204にて素子温度T1と推定素子温度T2eの差が所定値以上であるので、第1温度推定部14により、推定素子温度T2に基づいてインピーダンス−素子温度特性の学習が行われる。特性の学習手法は、図2のステップS106の場合と同様であるので説明を省略する。ステップS205の処理が完了すると本制御フローを終了する。
このように第2実施形態では、推定素子温度T2eを推定するための情報源である運転状態関連情報として、第1実施形態の推定排気温度Tgとは異なる情報、具体的には、エンジン1の運転状態(負荷及び回転数)の情報を用いる点で第1実施形態と異なるものであるが、推定素子温度T2eに基づきインピーダンス−素子温度特性の学習を行う点では第1実施形態と同様である。したがって、第2実施形態の構成でも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
上記実施形態では、酸素濃度センサ3の推定素子温度T2,T2eの推定に利用する運転状態関連情報として、エンジン1の排気温度(第1実施形態)や負荷及び回転数(第2実施形態)を用いる構成を例示したが、これらの他にも、例えば点火時期、空燃比、冷却水温度、または、エンジン1が吸気弁または排気弁のバルブタイミング変更装置や排気ガス再循環装置を備える場合はそれらの制御量など、排気温度に影響する情報のいずれかを運転状態関連情報として用いても良いし、これらの情報を適宜組み合わせて用いても良い。
上記実施形態では、インピーダンス−素子温度特性の学習制御の許可条件として、ヒータ5の制御がオフ状態であることを例示したが他の条件でもよく、例えば、(1)エンジン1の回転数及び負荷が一定となっていることや、(2)車速が所定範囲内であること、を許可条件としてもよい。
また、上記実施形態では、許可条件を満たす場合にインピーダンス−素子温度特性の学習制御を実施する構成を例示したが、例えばモード走行中など、上記の許可条件を満たさない走行状態の最中にも学習制御を実施することも可能である。この場合、特性の学習を実施する際に、例えばヒータ5の制御をオフ状態にするなど、積極的に上述の各種の許可条件に相当する運転状態となるように車両各部の制御を調整して、効果的な学習を促進できる構成としてもよい。
1 エンジン(内燃機関)
3 酸素濃度センサ(センサ)
10 制御装置
14 第1温度推定部
15 第2温度推定部
Zac,Z1 インピーダンス
T1 素子温度(第1素子温度)
T2,T2e 推定素子温度(第2素子温度)
Tg 推定排気温度(運転状態関連情報)
3 酸素濃度センサ(センサ)
10 制御装置
14 第1温度推定部
15 第2温度推定部
Zac,Z1 インピーダンス
T1 素子温度(第1素子温度)
T2,T2e 推定素子温度(第2素子温度)
Tg 推定排気温度(運転状態関連情報)
Claims (7)
- 内燃機関(1)の吸気または排気に含まれる対象物量を計測するセンサ(3)と、
前記センサのインピーダンス(Zac,Z1)に応じて、前記センサのインピーダンスと前記センサの素子温度との間の特性に基づき、前記素子温度の推定値である第1素子温度(T1)を推定する第1温度推定部(14)と、
前記内燃機関の運転状態に関連する運転状態関連情報(Tg)に基づいて前記素子温度の推定値である第2素子温度(T2,T2e)を推定する第2温度推定部(15)と、
を備え、
前記第1温度推定部は、前記第2素子温度に基づいて前記特性を学習する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置(10)。 - 前記運転状態関連情報が、前記内燃機関の排気温度(Tg)を含む、
請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記排気温度は、前記内燃機関の負荷及び回転数に基づき算出される、
請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記排気温度は、前記内燃機関の排気管に設けられる排気温度センサにより計測される、
請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記運転状態関連情報が、前記内燃機関の負荷及び回転数を含む、
請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記センサが所定の設定温度となるように前記センサを加熱するヒータ(5)を備え、
前記第1温度推定部は、前記ヒータの制御がオフ状態のときに前記特性の学習を実施する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記センサが所定の設定温度となるように前記センサを加熱するヒータを備え、
前記第1温度推定部は、前記特性の学習を実施する際に前記ヒータの制御をオフ状態にする、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015139391A JP2017020433A (ja) | 2015-07-13 | 2015-07-13 | 内燃機関の制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113168165A (zh) * | 2018-12-27 | 2021-07-23 | 松下知识产权经营株式会社 | 作业支援装置、作业支援方法、以及程序 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH11303671A (ja) * | 1998-04-24 | 1999-11-02 | Nissan Motor Co Ltd | エンジンの排気系温度推定装置 |
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-
2015
- 2015-07-13 JP JP2015139391A patent/JP2017020433A/ja active Pending
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