JP2017020203A - 吸音板の耐崩落性遮音壁と遮音壁吸音板の崩落防止施工方法及び施工用治具と施工装置 - Google Patents

吸音板の耐崩落性遮音壁と遮音壁吸音板の崩落防止施工方法及び施工用治具と施工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】既存の遮音壁に改修工事を施して遮音壁の吸音板が崩落しないようにすることである。
【解決手段】
隣接する支柱2、2に支持されて段積みされた多数の吸音板10に、それぞれワイヤ20の挿通孔6a、7a、8aを有する連結部材を固着し、一本の支柱2に一端部が係止されたワイヤ20を前記挿通孔を通過させて元の支柱2に戻り他端部を係止し、かつ前記挿通孔のいずれかを、一定以上の張力がワイヤに加えられると破壊されるようにしておき、吸音板10のいずれかが落下したときにワイヤ20に弛みが生じるようにしたのである。
【選択図】図1

Description

この発明は、高速道路等に設置されている遮音壁に係り、特にその構成部材である吸音板の崩落防止対策を施した遮音壁に関する。さらに、既存の遮音壁を改修して吸音板の崩落を防止できるようにする施工方法に関し、この施工方法に用いる施工用治具及び施工装置に関する。
高速道路等の遮音壁は、道路沿いに一定間隔で立設された支柱間に、多数のボックス状吸音板を段積みして構築されている。勿論段積みが崩れないように工夫されているが、通常は上段の吸音板の下端に設けたリム(rim)を下段の吸音板の上端部に係合して上段と下段の吸音板が外れないようにしている。しかしながら、遮音壁に吹き付ける強風や遮音壁に対する車輌の激突等によって、段積みが崩れたり、吸音板が破壊され、吸音板が落下したり、吸音板を構成する板状部材が飛散して、人身事故が発生している。
そこで、この発明の課題は、既存の遮音壁に改修工事を施して、例え遮音壁の吸音板が外れるような衝撃が加えられても、吸音板が飛散しないようにすることである。
上記の課題を解決するために、この発明は、隣接する支柱に支持されて段積みされた長方形ボックス形状の吸音板からなる遮音壁において、前記の個々の支柱を中心にして隣接する段積みされた吸音板は、それぞれの吸音板に固着された連結部材を挿通するワイヤで段順に接続され、このワイヤは両端が前記中心の支柱に係止されて、接続された吸音板を廻る閉ループラインを形成し、前記連結部材は、これに接続されたワイヤに一定以上の張力が加わると、ワイヤの接続が外れる第1の連結部材と、一定以上の張力に対してワイヤの接続を保持する第2の連結部材を含み、この第2の連結部材は全ての吸音板に設けられ、前記第1の連結部材は任意の吸音板に設けられ、この第1の連結部材によって前記ワイヤの閉ループラインに迂回路を形成したことを特徴とする。
また、隣接する支柱に支持されて段積みされた長方形ボックス形状の吸音板からなる遮音壁において、隣接する支柱間に段積みされた吸音板は、それぞれの吸音板に固着された連結部材を挿通するワイヤで段順に接続され、このワイヤは一端が隣接する一方の支柱に係止され他端が他方の支柱に係止されて、接続された吸音板を廻る開ループラインを形成し、前記連結部材は、これに接続されたワイヤに一定以上の張力が加わるとワイヤの接続が外れる第1の連結部材と、一定以上の張力に対してワイヤの接続を保持する第2の連結部材を含み、この第2の連結部材は全ての吸音板に設けられ、前記第1の連結部材は任意の吸音板に設けられ、この第1の連結部材によって前記ワイヤの開ループラインに迂回路を形成したことを特徴とする。
前記ワイヤの一端が前記支柱の先端に係止され、最上段の吸音板の第2の連結部材よりも上方に配置された第1の連結部材にワイヤを接続することによる第1の迂回路と、前記最上段よりも下方の吸音板に設けられた第2の連結部材に対して横方向に配置された第1の連結部材にワイヤを接続することによる第2の迂回路のいずれかはまたは両方を前記ループラインに形成することができる。
この発明の施工方法は、道路の側縁に沿って立設された支柱に支持されて段積みされた吸音板からなる遮音壁に対して、前記吸音板の崩落防止工事を施工する方法であって、前記吸音板に道路側から貫通孔を設け、この貫通孔にボルトを挿入して、ワイヤ挿通孔を有するワイヤ連結部材を前記ボルトによって吸音板の前面に取り付ける第1の工程と、ワイヤ挿通孔を有する別のワイヤ連結部材を直接吸音板の前面に固着する第2の工程と、ワイヤの一端を支柱に係止し、吸音板の段順に前記ボルトによる連結部材の挿通孔及び直接固着した連結部材の挿通孔にワイヤを通してワイヤの他端を支柱に係止し、このワイヤによって閉ループラインまたは開ループラインを形成する第3の工程とから構成される。
前記第1の工程において、前記ボルトを吸音板の道路反対側から前記貫通孔に挿入し、前記吸音板の前面に突出したボルトの先端にアイナットをねじ合せることによって、ワイヤ挿通孔を有する連結部材を吸音板に取り付けることができる。
別の方法として、前記第1の工程において、前記ボルトを吸音板の前面から貫通孔に挿入し、道路と反対側に突出したボルト先端にナットをねじ合せ、ボルトの吸音板前面側にリングを設けて、ワイヤ挿通孔を有する連結部材を吸音板に取り付けることもできる。
これらの施工方法に用いられる治具は、ボルトまたはナットを着脱自在にかつ前記ボルトまたはナットの先端が前方に突き出るように保持する保持手段と、この保持手段を支持して前記ボルトまたはナットの先端を、前記吸音板に設けた貫通孔の先端に当てがう支持部材によって構成される。
前記保持手段は前面壁と側面壁及び後面壁を有する側面視がほぼ台形状のフレームよりなり、前記前面壁には一端が開放されたスリットが設けられ、スリットに前記ボルトまたはナットが着脱可能に嵌り込み、前記後面壁に設けられた押圧手段によって前記ボルトまたはナットが前面壁に押し付けられかつボルトまたはナットのねじ部が前面壁から突き出るように保持される構成とすることができる。
また、前記保持手段を支持する支持部材は縦長のポールによって形成することができる。さらに、前記支持部材に電磁石とカメラのいずれか一方または両方を取り付けることができる。
この発明の遮音板の崩落防止施工装置は、遮音壁の道路側に沿って立設されたアームと、このアームの上端から遮音壁の道路と反対側まで延びるブラケットに設けられた滑車と、前記アーム及びブラケットに沿って延び、前記滑車を介して、前記施工用治具に接続されたロープからなり、このロープの操作によって前記施工用治具を吸音板の裏面に沿って上下動可能とした構成である。
前記滑車は前記ブラケットに沿って移動可能になっており、前記アームは遮音壁に沿って移動可能になっている。
この発明によれば、以上のように、遮音壁にループライン状に張り廻らせたワイヤで吸音板を支柱に接続し、かつループラインに迂回路を設けたので、吸音板が遮音壁から外れるような激しい衝撃が加えられてもワイヤに保持されて崩落することがなく、また迂回路によってワイヤに弛みが生じるようにしてあるので、支柱に対する衝撃を緩和して遮音壁自体が崩壊するような事故を防止することができる。さらに、ワイヤを吸音板に接続する連結部材が、吸音板を貫通するボルトによって構成されているので、吸音板を補強し、吸音板の耐衝撃性を向上して、吸音板自体の破壊を防止すると同時に吸音板の崩落を防止する効果を高めることができる。
遮音壁の正面図、 吸音板を接続するワイヤの斜視図、 同上のワイヤの端部を保持する構造を示す(a)は断面図、(b)は平面図、 同上のワイヤを支柱に接続する構造を示す(a)は側面図、(b)は横断面図、 同上のワイヤの吸音板に対する接続状態を示す部分斜視図、 図1の6−6線に沿った吸音板の拡大断面図、 図1の7−7線に沿った吸音板の拡大断面図、 施工工事用治具を示す(a)は斜視図、(b)は部分側面図、 施工工事用治具を遮音壁から懸垂した状態を示す(a)は側面図、(b)は一部拡大側面図、 同上の治具を用いて吸音板にワイヤ連結部材を取り付けた状態を示す縦断面図、 同上の治具の走行構造を示す正面図、 施工工事用治具の他の例を示す(a)は斜視図、(b)は部分側面図、 同上の治具を用いて吸音板にワイヤ連結部材を取り付けた状態を示す縦断面図である。
まず、吸音板の落下防止処置を施した遮音壁の構造について、図1及び図7を参照して説明する。図1に示すように、例えば高速道路Rの側縁に沿ってH型鋼からなる支柱2が一定間隔で立設されており、隣接する支柱2間に長方形ボックス形状の吸音板10が段積みされ支持されている。これらの吸音板10には、ワイヤ20が接続されており、このワイヤ20の両端は支柱2の上端に係止されている。
前記ワイヤ20は、ステンレス撚線等の強靭で耐候性を有する線条よりなり、図2に示すように、両端にそれぞれ丸棒形状のエンドセット(抜け止め)21、21が固着されている。このワイヤ20を支柱2に係止する機構の一例を図3及び図4に基づいて説明する。図3に示すように、フランジ2a、2aを有するH型鋼からなる支柱2の先端両側に、アングル材よりなる支持部材3、3を溶接等によって固着し、この支持部材3に平坦な支持板4をボルト3a等でほぼ水平に固定する。この支持板4の中央部には、広幅の中央スリット4aから両側に延びる狭幅のスリット4b、4bが形成されており、スリット4aの幅はエンドセット21の径より大きく、スリット4bの幅はエンドセット21の径よりも小さくしてある。従って、エンドセット21を支持板4の下面からスリット4aに挿入すると、エンドセット21は支持板4の上面まで貫通し、その状態でスリット4bの方向に移動すると、スリット4bから抜け出すことが出来なくなり、ワイヤ20の一端が支持板4に係止されることになる。即ちワイヤ20に対してスリット4bの外端方向の張力を与えておくと、ワイヤ20の端部が支柱板4に係止された状態を維持する(図5参照)。このワイヤ20の中途部分は、図4に示すように、支柱2の基部に支持される。図示するように、ヘッド部分にリング(eye)5aが一体に形成されたアイボルト(eye bolt)5が支柱2の基部にねじ込まれ、ワイヤ20がリング5aに挿通されて支持される。
図1及び図5に示すように、遮音壁1の最上段に位置する吸音板10には、第1の連結部材6(挿通孔6aで表す)と第2の連結部材7(リング7aで表す)が取り付けられ、中段の吸音板10には第2の連結部材7が取り付けられ、最下段の吸音板10には第2の連結部材7と第3の連結部材8(挿通孔8aで表す)が取り付けられている。
前記第1の連結部材6は、図6に示すように、吸音板10の前面板11(後述)上端部に沿って略アングル状に折り曲げられた板状体よりなり、前面板11からの突出部にはワイヤ20の挿通孔6aが設けられ、前面板11にリベット6bによって固着されている。前記第2の連結部材7は、吸音板10の前面板11と背面板12(後述)の窪み12aを貫通するボルト7cと、このボルトの先端に設けられた、ワイヤ20を挿通するリング7aよりなる。前記第3の連結部材8は、図7に示すように、アングル状の板状材よりなり、前面板11からの突出部にはワイヤ20の挿通孔8aが設けられ、リベット8bによって前面板11に固着されている。これらの連結部材のうち、第1と第3の連結部材6と8は、実質的に同一の機能を有し、一定以上の負荷が加わると破壊されるようになっている。例えばワイヤ20に対して一定以上の張力が加わると、リベット6b、8bが前面板11から抜け落ちたり、リベットヘッドが破壊されるようになっている。ここで一定以上の張力とは、吸音板10の段積みが崩れたときにワイヤ20に加わる張力以上の張力を言う。
図1は、上記連結部材6、7,8を用いて吸音板10にワイヤ20を接続した一例を示している。図示のように、全ての吸音板10には、上下のほぼ中間位置及び左右のほぼ4分割位置に、第2の連結部材7(リング7aで表す)が一対固着されており、さらに、最上段の吸音板10には、その上端でかつ前記第2の連結部材7に対応する位置に、一対の第1の連結部材6(挿通孔6aで表す)が固着され、最下段の吸音板10には、中央位置の上下に一対の第3の連結部材8(挿通孔8aで表す)が固着されている。
まず、図1の個々の支柱2を中心として例えば図の場合中央の支柱2に、一端が係止されたワイヤ20は、中央支柱2の左側最上段の吸音板10の支柱寄りに固着された第1の連結部材6の挿通孔6aと、第2の連結部材7のリング7aを通って中段の吸音板10の片側に固着された第2の連結部材7のリング7aを通り、さらに最下段の吸音板10の中央位置下側に固着された第3の連結部材8の挿通孔8a(図7参照)を通って反対側(図の右側)に折り返し、第2の連結部材7のリング7aを挿通し、中央支柱2の基部に固着されたリング5aに導入される。
このワイヤ20は、中央支柱2の右側に支持された吸音板10に向って延び、まず最下段の吸音板10の中央支柱寄りに固着された第2の連結部材7のリング7aを通り、第3の連結部材8の挿通孔8aから折り返して上昇し中段及び最上段の吸音板10に設けられた第2の連結部材7のリング7aを経て最上段の第1の連結部材6の挿通孔6aを通り、中央支柱2の支持板4にエンドセット21によって係止され、中心の支柱2から左右の吸音板10を段順に廻(めぐ)る閉ループライン(loop−line)を形成する。そして、第1及び第3の連結部材6と8は、この閉ループラインに迂回路を形成している。
上記のようにワイヤ20によって吸音板10を連結した状態でワイヤ20は弛みなく張設されていることが望ましい。いま、事故の発生によって吸音板10の段積みが崩れた場合、崩落する吸音板10によってワイヤ20に張力が加えられ、張力が一定以上になると第1及び第3の連結部材6、8によってワイヤ20のループに迂回路が形成されているため、これらの連結部材6、8のいずれかまたは両方が破壊されてワイヤ20の接続が吸音板10から部分的に外れ、ワイヤ20に弛みが生じる一方、第2の連結部材7との接続は維持されているので、吸音板10の落下は防止されると同時に衝撃が吸収されて支柱2に加わる負荷が緩和され、遮音壁1の倒壊などの重大な事故を防止することができる。
図1に示すワイヤ20と吸音板10との接続パターンは、これに限定されるものではなく、一個の吸音板10に対して少なくとも一個以上の第2の連結部材7を固着し、段積みした任意の吸音板10に第1または第3の連結部材6、8のような張力で破壊される連結部材を固着し、それらの連結部材にワイヤ20が弛みをもつことのできるパターンで挿通しておけばよい。さらに、ワイヤ20は図1の閉ループラインで接続する場合に限らず、隣接する支柱2と2間に開ループラインを形成するように掛け渡してもよい。
ここで、遮音壁1を構成する吸音板10は、図6及び図7に示すように、前面板11と背面板12とを有し、これらの前面板11と背面板12の上下に底板13と頂板14を設けてボックス体を形成し、このボックス体内に発泡プラスチック等の吸音材15を充填したものであればよく、段積み作業を容易にするために底板13と頂板14を同方向に傾斜させたり、底板13や前面板11の下端に排水孔を設けたり、底板13を図6と逆方向に傾斜させて段積みの間隙を補完する補充部材を設けるなど、様々な構成上の変更、付加を施した吸音板が含まれる。なお、図1中、符号11bは前面板11に形成されたルーバ列、符号11aは前面板11にルーバが形成されていない平坦面を指す。
次に、高架道路等に設けられた既存の遮音壁にワイヤ20を張設して、図1のような遮音壁1を構築する施工方法について説明する。まず、図1に示す第2の連結部材7(リング7aで表す)を取付けるため、図8に示すように、吸音板10の連結部材7の取付け位置に、ドリルを用いて道路側から即ち前面板11の表面から背面板12に達する貫通孔16を形成する。貫通孔16は、図8(a)に示すように、前面板11の平坦面11aと背面板12の窪み12aに対応する位置に設ける。
前記貫通孔16を形成した後、図8に示すような治具30を用いて第2の連結部材7を取り付ける。図示のように、治具30は、背面板12に対してほぼ直角になるようボルト7cを支持することができる保持フレーム31と、ボルト7cを前記フレーム31に押圧する押圧部材35と、前記ボルト保持フレーム31を背面板12に沿って上下動できるように支持するポール40よりなる。
前記ボルト保持フレーム31は、平坦な板状材によって側面視でほぼ台形に形成され、前面壁33には、ボルト7cの軸を横方向から嵌め込むことができるスリット33aが設けられている。このスリット33aは、ボルトヘッド7bの外径よりも幅が狭く、後面壁34に固定された押圧部材35によってヘッド7bを前面壁33に押し付けると、ボルト7cは保持フレーム31の前面からほぼ直面に突出した状態で保持される。
前記押圧部材35は、弾性的にヘッド7bを前面壁33に押し付けることができる構造であればよいが、図示の場合はボルトの先端に出没自在に保持されたボール35aを圧縮スプリング35bによって押圧した構造になっている。そして、ボルト7cのヘッド7bが前面壁33裏面に接するように、スリット33aの開放端からスリット33aに沿ってボルト7cの軸を嵌め込むと、ヘッド7bの外面が押圧部材35のボール35aを押し込むようにしてスリット33aの閉鎖端まで嵌り込み、ボルトヘッド7bは前面壁33の内面にスプリング35bの押圧力によって押し付けられ、ボルト7cのほぼ全長が前面壁33から突出した状態に保持される。また、図10に示すように、ボルト7cが吸音板10の貫通孔16に挿入された状態で保持フレーム31をスリット33aの開放端と逆方向に移動させると、ボルトヘッド7bがボール35aの滑動と共に押圧部材35から外れ、ボルト7cは保持フレーム31から外れる。なお、保持フレーム31の台形形状は、吸音板10の背面板に設けられた断面台形状窪み12aとほぼ相似形にして窪み12aに嵌め込む作業(後述)が容易にできるようにわずかの余裕(間隔)を持たせておくのが好ましい。勿論、機構上の必然性から必要な間隔は設けなければならない。
上記治具30のボルト保持フレーム31を支持するポール40は中空になっており、光ファイバ41aが収納され、先端に設けられたファイバスコープ41がボルト保持フレーム31の上方から突出し、貫通孔16の周辺を撮像できるようになっている。また、ポール40の下端部には、電磁石42が取り付けられ、この電磁石42を作動させる配線(図示せず)もポール40内に収納されている。
次に、治具30を使用して連結部材7を取り付ける方法について説明する。先に述べたように、まず道路R側から吸音板10に貫通孔16を設ける。この作業は、道路Rから行なうので容易である。そこで図9に示すように、治具30を遮音壁1の背面側、即ち道路Rの外側に懸垂する。そのため、遮音壁1の前面から背面側に突出するブラケット43aを有する逆L字形の支持アーム43を遮音壁1の前面(道路側)に立設する。そして、前記ブラケット43aの前端部と後端部(支持アーム43の上端部)にそれぞれ滑車43bと43cを取り付け、これらの滑車43b、43cに懸垂ロープ45を掛け渡し、前記治具30のポール40の一端とウエイト44を接続する。このウエイト44を手動で上下動させることによって、前記治具30を上下動させることができる。また、前記ファイバスコープ41に接続された光ファイバ41aは、前記ロープ45に沿って遮音壁1の前面に延びディスプレイ41bに接続される。なお、ウエイト44の重量を治具30の重量とほぼ釣合うようにしておき、懸垂ロープ45に適当な摩擦力を与えておくと、治具30の上下動をスムーズに行うことができ、また任意の位置に治具30を停止させることができる。この場合、治具30とウエイト44の重量差が摩擦力を超えないようにしておく。
前記ブラケット43aに取り付けられた滑車43bは、ブラケット43aの上面43dを滑動するローラ43eに支持されており、このローラ43eは引張りロープ46に接続され、引張りロープ46の末端は前記ディスプレイ41b付近まで延び、このロープ46を引張ることによってローラ43eを図の右方に移動させると、ローラ43eに接続された滑車43bを介して治具30のポール40を遮音壁1の背面、即ち吸音板10の背面板12に接近させることができる。また、ブラケット43aの上面43dには、ローラ43eの移動範囲内で、先端方向に適当な下り勾配を有する斜面が設けられているので、引張りロープ46の引張り力を解除するとローラ43eはブラケット43aの先端に自然に戻る。
いま、図9に示すように、遮音壁1の吸音板10にボルト7cを取り付ける場合、ボルト7cを挿入すべき貫通孔16の見当を付けて道路R側からウエイト44の付いたロープ45を操作し、治具30を昇降させてボルト7cを保持したフレーム31の位置を目的の貫通孔16に合せる。この間、ファイバスコープ41の映像をディスプレイ41bで観察しながらボルト7cの先端が貫通孔16にほぼ合致することを確かめる(図8参照)。そこで、引張りロープ46を下方に引張るとブラケット43dの上面に載せられたローラ43eがアーム43の方向に引寄せられ、従って治具30も吸音板10の方向に移動するためボルト7cを保持したフレーム31が背面板12の窪み12aに接近し、さらに窪み12aに没入するとボルト7cの先端が貫通孔16に挿入される。このとき、ファイバスコープ41によって、貫通孔16とボルト7cの先端位置との一致を判定する基準を、ブラケット43aの上面43dの勾配分だけ考慮に入れておく必要がある。例えばディスプレイ41bの表面に予め貫通孔16の基準線とボルト7c先端の基準線を表示しておくなどの方法がある。そのほか、この誤差はわずかであるので、貫通孔16の径をボルト7cの径よりも充分大きくすることによって吸収することもできる。ボルト7cの先端が貫通孔16に挿入されると電磁石42に通電し、さらに引張ロープ46を牽引して、図10に示すように、ボルト7cの先端が吸音板10の前面板11から突出するまで、ボルト保持フレーム31を背面板12の窪み12a内に没入させる。このとき、電磁石42の吸引力が作用して治具30が吸音板10に接近するのを助勢し、吸着した後は治具30の位置を固定する。
ボルト7cの先端が前面板11から突出すると、アイナット(リング7a)をねじに合せる。そして電磁石42の通電を切って消磁し、治具30の吸音板10に対する固着を解く。その後、前述のように(図8参照)ボルト保持フレーム31をスリット33aの開口端と逆方向に移動させると、ボルト7cは保持フレーム31から抜け出す。即ちアーム43を同方向に移動させることによって、保持フレーム31の支持ポール40が移動するので、治具30に保持されたボルト7cは治具30から外れる。この取り外し作業を行うため、図9及び図11に示すように、遮音壁1の最上段にある吸音板10の上面に沿ってレール47を取り付け、このレール47に沿って走行できるローラ48aを有する台車48に、前記アーム43を取り付ける。これによって、アーム43を遮音壁1の敷設方向に移動させることが可能になり、またアーム43に設けた滑車43b、43c及び懸垂ロープ45による治具30の釣下げ構造によって、治具30を縦方向に移動させることができるので、治具30の縦横方向の移動が可能になり連結部材7の取り付け作業を効率よく行なうことができる。
上述の治具30は、ボルト7cを保持する構造になっていたがナットを保持する構造にしてもよい。図12に示すように、保持フレーム31は側面壁32、前面壁33、後面壁34からなり、前記と同様にほぼ台形状であるがこの高さがより小さく、前面壁33には広幅のスリット33aが形成されている。そのスリット33aの閉鎖端に対応する位置に、前記と同様の押圧部材35が後面壁34に取り付けられている。そして前記ボルト7cに代えて袋ナット(cap nut)9が保持フレーム31に装着される。この袋ナット9には大径のヘッド9aが設けられており、スリット33aの開放端からヘッド9aを前面壁33の裏面に接するように押し込むと、ヘッド9aの外面が押圧部材35のボール35aを押し込んでスリット33aの閉鎖端で停止し、ヘッド9aが前面壁33の裏面とボール35aとの間に挟持され、袋ナット9は保持フレーム31から前方に突出した状態で保持される。
この状態で、前記のボルト7cを保持した場合と同様の操作によって、袋ナット9を吸音板10の貫通孔16にほぼ合致させ、図13に示すように保持フレーム31を吸音板10の窪み12aに嵌め込み、吸音板10の前面板11から挿入したボルト7cと袋ナット9をねじ合せる。このボルト7cは、リング7aと一体のアイボルトであってもよく、或いは棒ボルトにアイナットを係合したものでもよい。
前記ボルトまたはナットの保持フレーム31に代えて、他の保持手段例えば公知の自動チャック装置を用いることができる。この場合、袋ナット9以外に通常のナットを使用することができる。また、電磁石42は適当な個所に複数備え付けてもよく、逆に省略することも可能である。さらに、ファイバスコープにかえてCCDカメラを用いてもよい。その他、遮音壁1の上面を走行させるレール47及び台車48を省略して人手による持ち運びや他の運搬手段例えば車輌等を用いてもよい。従ってアーム43の形状、構造は図示の実施形態に限らず、治具30を吸音板10の背面板12に沿って上下動可能に懸垂できる構造であればよく、道路側から小型クレーンを用いて治具30を操作することもできる。
1 遮音壁
2 支柱
2a フランジ
3 支持部材
3a ボルト
4 支持板
4a 中央スリット
4b 狭幅のスリット
5 アイボルト
5a リング
6 第1の連結部材
6a 挿通孔
6b リベット
7 第2の連結部材
7a リング
7b ボルトヘッド
7c ボルト
8 第3の連結部材
8a 挿通孔
8b リベット
9 袋ナット
9a ヘッド
10 吸音板
11 前面板
11a 平坦面
11b ルーバ
12 背面板
12a 窪み
13 底板
14 頂板
15 吸音材
16 貫通孔
20 ワイヤ
21 エンドセット
30 治具
31 保持フレーム
32 側壁
33 前面壁
33a スリット
34 後面壁
35 押圧部材
35a ボール
35b 圧縮スプリング
40 ポール
41 ファイバスコープ
41a 光ファイバ
41b ディスプレイ
42 電磁石
43 支持アーム
43a ブラケット
43b、43c 滑車
43d ブラケットの上面
43e ローラ
44 ウエイト
45 懸垂ロープ
46 引張りロープ
47 レール
48 台車
48a ローラ
R 道路

Claims (13)

  1. 隣接する支柱に支持されて段積みされた長方形ボックス形状の吸音板からなる遮音壁において、前記個々の支柱を中心にして隣接する段積みされた吸音板は、それぞれの吸音板に固着された連結部材を挿通するワイヤで段順に接続され、このワイヤは両端が前記中心の支柱に係止されて、接続された吸音板を廻る閉ループラインを形成し、前記連結部材は、これに接続されたワイヤに一定以上の張力が加わるとワイヤの接続が外れる第1の連結部材と、一定以上の張力に対してワイヤの接続を保持する第2の連結部材を含み、この第2の連結部材は全ての吸音板に設けられ、前記第1の連結部材は任意の吸音板に設けられ、この第1の連結部材によって、前記ワイヤの閉ループラインに迂回路を形成したことを特徴とする吸音板の耐崩落性遮音壁。
  2. 隣接する支柱に支持されて段積みされた長方形ボックス形状の吸音板からなる遮音壁において、隣接する支柱間に段積みされた吸音板は、それぞれの吸音板に固着された連結部材を挿通するワイヤで段順に接続され、このワイヤは一端が隣接する一方の支柱に係止され他端が他方の支柱に係止されて、接続された吸音板を廻る開ループラインを形成し、前記連結部材は、これに接続されたワイヤに一定以上の張力が加わるとワイヤの接続が外れる第1の連結部材と、一定以上の張力に対してワイヤの接続を保持する第2の連結部材を含み、この第2の連結部材は全ての吸音板に設けられ、前記第1の連結部材は任意の吸音板に設けられ、この第1の連結部材によって前記ワイヤの開ループラインに迂回路を形成したことを特徴とする吸音板の耐崩落性遮音壁。
  3. 前記ワイヤの一端が前記支柱の先端に係止され、最上段の吸音板の第2の連結部材よりも上方に配置された第1の連結部材にワイヤを接続することによる第1の迂回路と、前記最上段よりも下方の吸音板に設けられた第2の連結部材に対して横方向に配置された第1の連結部材にワイヤを接続することによる第2の迂回路のいずれかまたは両方が前記ループラインに形成された請求項1または2に記載の吸音板の耐崩落性遮音壁。
  4. 道路の側縁に沿って立設された支柱に支持されて段積みされた吸音板からなる遮音壁に対して、前記吸音板の崩落防止工事を施工する方法であって、前記吸音板に道路側から貫通孔を設け、この貫通孔にボルトを挿入して、ワイヤ挿通孔を有するワイヤ連結部材を前記ボルトによって吸音板の前面に取り付ける第1の工程と、ワイヤ挿通孔を有する別のワイヤ連結部材を直接吸音板の前面に固着する第2の工程と、ワイヤの一端を支柱に係止し、吸音板の段順に前記ボルトによる連結部材の挿通孔及び直接固着した連結部材の挿通孔にワイヤを通してワイヤの他端を支柱に係止し、このワイヤによって閉ループラインまたは開ループラインを形成する第3の工程とからなる遮音壁吸音板の崩落防止施工方法。
  5. 前記第1の工程において、前記ボルトを吸音板の道路と反対側から前記貫通孔に挿入し、前記吸音板の前面に突出したボルトの先端にアイナットをねじ合せることによって、ワイヤ挿通孔を有する連結部材を吸音板に取り付けることを特徴とする請求項4に記載の遮音壁吸音板の崩落防止施工方法。
  6. 前記第1の工程において、前記ボルトを吸音板の前面から貫通孔に挿入し、道路と反対側に突出したボルト先端にナットをねじ合せ、ボルトの吸音板前面側にリングを設けて、ワイヤ挿通孔を有する連結部材を吸音板に取り付けることを特徴とする請求項4に記載の遮音壁吸音板の崩落防止施工方法。
  7. ボルトまたはナットを着脱自在にかつ前記ボルトまたはナットの先端が前方に突き出るように保持する保持手段と、この保持手段を支持して前記ボルトまたはナットの先端を、前記吸音板に設けた貫通孔の先端に当てがう支持部材よりなる請求項5または6に記載の吸音板の崩落防止施工方法に用いる施工用治具。
  8. 前記保持手段は前面壁と側面壁及び後面壁を有する側面視がほぼ台形状のフレームよりなり、前記前面壁には一端が開放されたスリットが設けられ、このスリットに前記ボルトまたはナットが着脱可能に嵌り込み、前記後面壁に設けられた押圧手段によって前記ボルトまたはナットが前面壁に押し付けられかつボルトまたはナットのねじ部が前面壁から突き出るように保持される請求項7に記載の施工用治具。
  9. 前記保持手段を支持する支持部材は、縦長のポールよりなる請求項7または8に記載の施工用治具。
  10. 前記支持部材に電磁石とカメラのいずれか一方または両方が取り付けられた請求項7〜9のいずれかに記載の施工用治具。
  11. 遮音壁の道路側に沿って立設されるアームと、このアームの上端から遮音壁の道路と反対側まで延びるブラケットに設けられた滑車と、前記アーム及びブラケットに沿って延び、前記滑車を介して、請求項7〜10のいずれかに記載の施工用治具に接続されたロープからなり、このロープの操作によって前記施工用治具を吸音板の裏面に沿って上下動可能とした遮音壁吸音板の崩落防止施工装置。
  12. 前記滑車は前記ブラケットに沿って移動可能になっている請求項11に記載の吸音板の崩落防止施工装置。
  13. 前記アームは遮音壁に沿って移動可能になっている請求項11または12に記載の吸音板の崩落防止施工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115387252A (zh) * 2021-05-25 2022-11-25 西藏中驰集团股份有限公司 一种新型防撞声屏障

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