JP2017019389A - 車両用モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の増加を抑えて外ピンハウジングを軽量化することのできる車両用モータ駆動装置を提供する。【解決手段】車両用モータ駆動装置の減速部は、軸線(O)に沿って延びる減速部入力軸(25)と、減速部入力軸に形成された一対の偏心部(25a,25b)と、それぞれの偏心部に回転自在に保持される一対の曲線板(26a,26b)と、曲線板の外周部に係合する複数の外ピン部材(27)と、外ピン部材(27)を保持し、減速部の外郭を形成する外ピンハウジング(40)とを含む。外ピンハウジング(40)は、軸線方向に対向する一対の円盤状部材(41)によって構成されており、外ピン部材(27)と各円盤状部材(41)とが軸線方向に突合せ当接することよって、円盤状部材(41)間の間隔が維持される。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用モータ駆動装置に関し、特に、サイクロイド減速機を搭載した車両用モータ駆動装置に関する。
インホイールモータ駆動装置などの車両用モータ駆動装置は、モータ部と、モータ部から入力される回転を減速して出力する減速部とを備える。減速部がサイクロイド減速機で構成される場合、減速部は、軸線に沿って延びる減速部入力軸に形成された一対の偏心部と、それぞれの偏心部に回転自在に保持される一対の曲線板と、曲線板の外周部に係合する複数の外ピンと、外ピンを保持し、減速部の外郭を形成する外ピンハウジングとを備える。
一般的に外ピンハウジングは一体型であるが、特開2012−97765号公報(特許文献1)には、外ピンハウジングの軽量化のために、外ピンハウジング(外ピン保持部)を、軸線方向で対抗するプレート状リング部材によって形成し、これらを外ピンにより連結することが開示されている。また、この場合、外ピンと曲線板との接触抵抗を低減させるために、外ピンの外周面に摺動特性を有するカラーまたは針状ころを設けた構成が開示されている。さらに、2枚のプレート状リング部材の外周に段付きキーを配置することで、これらの間隔を保持する構成も提案されている。
特開2012−97765号公報
上述のように、特許文献1には、外ピンが2枚のプレート状リング部材の連結ピンを兼ねる構成が開示されているものの、プレート状リング部材の間隔を保持するためには別途専用のピンが必要となっている。したがって、部品点数の増加を抑えつつ、外ピンハウジングを軽量化できる構造が求められていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数の増加を抑えて外ピンハウジングを軽量化することのできる車両用モータ駆動装置を提供することである。
この発明のある局面に従う車両用モータ駆動装置は、モータ部と、モータ部から入力される回転を減速して出力する減速部とを備える。減速部は、軸線に沿って延びる減速部入力軸と、減速部入力軸に形成された一対の偏心部と、それぞれの偏心部に回転自在に保持される一対の曲線板と、曲線板の外周部に係合する複数の外ピン部材と、外ピン部材を保持し、減速部の外郭を形成する外ピンハウジングとを含む。外ピンハウジングは、軸線方向に対向する一対の円盤状部材によって構成されており、外ピン部材と各円盤状部材とが軸線方向に突合せ当接することよって、円盤状部材間の間隔が維持される。
この車両用モータ駆動装置によれば、外ピン部材が円盤状部材間の間隔維持のためのピンを兼ねるため、部品点数の増加を抑えて外ピンハウジングを軽量化することができる。
好ましくは、外ピン部材は、軸線方向両端部に位置する一対の小径部と、小径部間に位置する大径部とを有し、外ピン部材の小径部は、円盤状部材に設けられた穴部に圧入される。この場合、外ピン部材の大径部の縁部と円盤状部材の内側面とが突合せ当接することによって、円盤状部材間の間隔が維持されることが望ましい。
車両用モータ駆動装置は、モータ部および減速部を収容するケーシングと、ケーシングの内壁面のうち各円盤状部材と対向する部分に設けられた筒部材とをさらに備えていてもよい。この場合、外ピン部材の小径部は、円盤状部材を貫通し、筒部材内に挿通されてもよい。
あるいは、外ピン部材の軸方向端面と円盤状部材に設けられた穴部の底面とが突合せ当接することによって、円盤状部材間の間隔が維持されてもよい。
あるいは、外ピン部材は、外周面に周方向溝を有するピンと、ピンの周方向溝に設けられたリング部材とを有していてもよい。この場合、リング部材と円盤状部材の内側面とが突合せ当接することによって、円盤状部材間の間隔が維持される。
車両用モータ駆動装置は、円盤状部材からの外ピン部材の抜けを防止する抜け止め機構をさらに備えることが望ましい。
本発明によれば、部品点数の増加を抑えつつ、外ピンハウジングを軽量化することができる。
本発明の実施の形態1に係るインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。 図1のII−II線に沿って切断したインホイールモータ駆動装置の横断面図である。 図1中の減速部を拡大して示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1における円盤状部材を示す側面図である。 本発明の実施の形態1において、外ピン部材を組み付ける前の外ピンハウジングの分解断面図である。 本発明の実施の形態1において、外ピン部材を組み付けた後の外ピンハウジングの断面図である。 本発明の実施の形態1において、外ピン部材がフローティングボルトを兼ねた例を示す減速部の縦断面図である。 本発明の実施の形態1における抜け止め機構を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1において抜け止め機構を設ける場合の円盤状部材の構成例を示す側面図である。 本発明の実施の形態2において、外ピン部材を組み付ける前の外ピンハウジングの分解断面図である。 本発明の実施の形態2において、外ピン部材を組み付けた後の外ピンハウジングの断面図である。 本発明の実施の形態2における抜け止め機構を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例において、外ピン部材を組み付ける前の外ピンハウジングの分解断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例において、外ピン部材を組み付けた後の外ピンハウジングの断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例における抜け止め機構を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3において、外ピン部材を組み付ける前の外ピンハウジングの分解断面図である。 本発明の実施の形態3において、外ピン部材を組み付けた後の外ピンハウジングの断面図である。 本発明の実施の形態3における抜け止め機構を模式的に示す断面図である。 公知の一体型外ピンハウジングを有する減速部の縦断面図である。 公知の一体型外ピンハウジングを示す側面図である。 図20のXXI−XXI線に沿って切断した公知の一体型外ピンハウジングを示す断面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
<実施の形態1>
本実施の形態に係る車両用モータ駆動装置は、インホイールモータ駆動装置であり、例えば電気自動車などの車両の駆動輪におけるホイールの内側に取付けられる。
(基本構成について)
はじめに、本実施の形態におけるインホイールモータ駆動装置の基本構成について説明する。図1を参照して、インホイールモータ駆動装置21は、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速部Bと、減速部Bからの出力を駆動輪に伝える車輪ハブ軸受部Cとを備える。モータ部Aおよび減速部Bは、ケーシング22内に組み込まれている。
ケーシング22は、モータ部Aを取り囲むように配置されるモータケーシング22a、ポンプケーシング22p、およびモータリヤカバー22tと、減速部Bを取り囲むように配置される減速部ケーシング22bとを有する。これらは、ボルト等により、あるいは一体形成により、相互に結合して1個のケーシング22を構成する。ケーシング22には、車輪ハブ軸受部Cの外輪部材33aが取付固定される。
モータ部Aは、円筒形状のモータケーシング22a内周に固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向に開いた隙間を介して対面する位置に配置されるロータ24と、ロータ24の内側に連結固定されてロータ24と一体回転するモータ回転軸35とを備えるラジアルギャップモータである。あるいは図示はしなかったが、モータ部Aはアキシャルギャップモータであってもよい。
モータケーシング22aは、モータ回転軸35の軸線Oを中心とし、この軸線方向に延びる。ケーシング22の一部であるポンプケーシング22pは、略円板形状の隔壁であって、モータ部Aの軸線O方向一方端で減速部Bとの境界を形成するとともに、転がり軸受37を介してモータ回転軸35の一方端部を回転自在に支持する。さらにポンプケーシング22pは、オイルポンプ51を備える。ケーシング22の一部であるモータリヤカバー22tは、略円板形状であって、モータ部Aの軸線O方向他方端でモータ部Aの端面を形成するとともに、転がり軸受36を介してモータ回転軸35の他方端部を回転自在に支持する。モータリヤカバー22tはモータ部Aの端部であるとともに、インホイールモータ駆動装置21の端部でもある。
モータ回転軸35の一端は、減速部Bの内部に回転自在に設けられた減速部入力軸25と結合する。この結合はスプライン嵌合(セレーション嵌合も含む。以下同じ)であり、管状に形成されたモータ回転軸35の端部開口に、先細に形成された減速部入力軸25が挿入固定される。
減速部Bは、モータ部Aの軸線O方向一方側に同軸配置されたサイクロイド減速機であり、円筒形状の減速部ケーシング22b内に収容されている。減速部Bは、軸線Oに沿って延びる減速部入力軸25と、減速部入力軸25に形成された一対の偏心部25a,25bと、それぞれの偏心部25a,25bに回転自在に保持される公転部材としての一対の曲線板26a,26bと、曲線板26a,26bの外周部に係合する外周係合部材としての複数の外ピン部材27と、軸線Oに沿って延びる減速部出力軸28と、減速部出力軸28と結合し、曲線板26a,26bの自転運動を取り出す内側係合部材としての内ピン31と、一対の曲線板26a,26b間の隙間に取り付けられてこれら曲線板26a,26bの端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー29と、補強部材61とを有する。
減速部入力軸25は、モータ回転軸35の軸線Oに沿って延び、その両端部のうちモータ部Aに近い側にある減速部入力軸25の端部がモータ回転軸35の一端と結合する。モータ部Aから遠い側にある減速部入力軸25の端部は、転がり軸受39を介して、後述する減速部出力軸28の端部に回転自在に支持される。減速部入力軸25の外周には、一対の偏心部25a,25bが軸線Oから偏心して形成される。減速部入力軸25は、偏心部25a,25bよりもモータ部Aに近い側で、転がり軸受38によって回転自在に支持される。
2個で一対の偏心部25a,25bは、円板形状であり、軸線O方向に離隔して配置され、偏心運動による遠心力で発生する振動を互いに打ち消し合うために、周方向180°位相を変えて設けられている。モータ回転軸35および減速部入力軸25は、モータ部Aの駆動力を減速部Bに伝達するモータ側回転部材を構成する。
図2を参照して、曲線板26bは円板形状であり、その外周部を波形に形成される。具体的には曲線板26bの外周部は、エピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成されて径方向に窪んだ複数の曲線凹部であり、外ピン部材27と係合する。なお、外ピン部材27は、後述するように針状ころ軸受(転がり軸受)85を介して曲線板26bの曲線凹部と係合してもよい。
曲線板26bは、一方側端面から他方側端面に貫通する複数の貫通孔30a,30bを有する。貫通孔30aは、曲線板26bの自転軸心Xを中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、内ピン31を受入れる。また、貫通孔30bは、曲線板26bの自転軸心Xに設けられており、曲線板26bの内周になる。曲線板26bは、偏心部25bの外周に相対回転可能に取り付けられる。内ピン31は、針状ころ軸受を含み、内ピン本体31aと、複数の針状ころ31bと、軸受外輪31cを有する。内ピン本体31aは軸受外輪31cを貫通し、針状ころ31bは内ピン本体31aおよび軸受外輪31c間の環状空間に配置される。軸受外輪31cの外周面は、貫通孔31aの孔壁面と転がり接触する。
曲線板26bは、転がり軸受65によって偏心部25bに対して回転自在に支持されている。理解を容易にするため図2では転がり軸受65の周方向一部を破断して示す。この転がり軸受65は、外径面に内側軌道面66aを有する環状の内輪部材66と、内側軌道面66aと外側軌道面になる貫通孔30bの孔壁面との間に配置される複数のころ68と、周方向で隣り合うころ68の間隔を保持する保持器(図示省略)とを備える円筒ころ軸受である。あるいは深溝玉軸受であってもよい。内輪部材66の内径面は偏心部25bの外径面に嵌合する。内輪部材66は内側軌道面66aに位置し径方向に貫通する孔67および内側軌道面66aを挟んで向かい合う一対の鍔部66bをさらに有する。孔67は、偏心部25b内部を軸線O直角方向に延びる分岐油路58bと接続する。曲線板26aについても同様である。
外ピン部材27は、モータ側回転部材の軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に複数設けられ(図2参照)、軸線Oと平行に延びる。そして、2個で一対の曲線板26a,26bが軸線Oを中心として公転運動すると、曲線板26a,26b外周の曲線凹部と外ピン部材27とが直接的または間接的に係合して、曲線板26a,26bに自転運動を生じさせる。
複数の外ピン部材27は、外ピンハウジング40に保持されている。外ピンハウジング40は、減速部Bの外郭を形成し、ケーシング22内に嵌め入れられる。インホイールモータ駆動装置21の軽量化の観点から、減速部ケーシング22bを含めて、ケーシング22は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成されている。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング40は、炭素鋼で形成されていることが望ましい。なお、一般的な外ピンハウジングは1つの円筒状部材によって構成されるが、本実施の形態における外ピンハウジング40は、軸線O方向に対向する一対の円盤状部材41によって構成される。外ピンハウジング40の詳細な構成例については後述する。
減速部ケーシング22bからみて外ピンハウジング40はフローティング状態にされ、外ピンハウジング40の外周面は減速部ケーシング22bの内壁面から離隔する。ただし、外ピンハウジング40は、ケーシング22に対して相対回転不能に取付けされている。サイクロイド減速機では特に、外歯車としての曲線板26a,26bを偏心揺動運動させるため、内歯車としての外ピンハウジング40をケーシング22に対して回り止めしておく必要がある。そのため、外ピンハウジング40とケーシング22とが軸線O方向に対向する対向部には、両者の相対回転を防止する回り止め機構70が設けられている。
回り止め機構70は、ケーシング22に設けられた一対の円筒部材71と、外ピンハウジング40に設けられ、軸線Oと平行に延びる一対の支持ピン73とを有している。支持ピン73は、外ピンハウジング40の外側部周上に、それぞれモータ部A側および車輪ハブ軸受部C側に突出した状態で同軸上に配置される。支持ピン73が、円筒部材71にそれぞれ係合することによって、ケーシング22に対する外ピンハウジング40の相対回転が抑制される。回り止め機構70は、軸線Oを中心とする円周上に複数設けられる。なお、支持ピン73によって外ピンハウジング40がフローティング状態とされることから、支持ピン73はフローティングボルトとも称される。
典型的には、回り止め機構70は弾性支持機能を有しており、円筒部材71は、弾性的に変形可能な弾性ブッシュにより構成される。すなわち、円筒部材71は、径の異なる一対の金属リング71a,71b間にゴム71cを設けて加硫接着したゴムブッシュにより構成されている。円筒部材71は、大径の金属リング71aがケーシング22に設けられたブッシュ組込孔に嵌め入れられることによって、ケーシング22に取付られる。なお、金属リング71aはブッシュ組込孔に対してすきま嵌めされてもよいし、締り嵌めされてもよい。小径の金属リング71b内に支持ピン73が嵌め入れられる。
減速部出力軸28は、モータ部A側の端部に位置する大径フランジ部28bと、車輪ハブ軸受部C側に位置する軸部28dとを有する。大径フランジ部28bと軸部28dとの接続箇所には小径フランジ部28cが形成される。大径フランジ部28bの中心には減速部入力軸25の一端を受け入れる円形凹部34が形成され、円形凹部34の内周面に転がり軸受39が配置される。
大径フランジ部28bの外縁部には、減速部出力軸28の軸線Oを中心とする円周上の等間隔に内ピン31の一端部を固定する穴が形成されている。軸部28dの外周面には、車輪ハブ軸受部Cの車輪ハブ32が連結固定されている(図1参照)。
図3に示すように、大径フランジ部28bから離れた側にある内ピン31の他端部には、補強部材61が設けられている。補強部材61は、減速部B内部で複数の内ピン31先端と結合固定するフランジ形状の大径円板部61bと、大径円板部61bに隣接して同軸に形成され、大径円板部61bよりも小径の小径円板部61cと、小径円板部61cの内周縁からモータ部Aへ延びるさらに小径の円筒部61dとを含む。円筒部61dは軸線Oに沿って延びる形状であるのに対し、大径円板部61bおよび小径円板部61cは、互いに一体形成されて軸線O直角方向に広がる円板部である。
2枚の曲線板26a、26bから一部の内ピン31に負荷される荷重は補強部材61の大径円板部61bおよび減速部出力軸28の大径フランジ部28bを介して全ての内ピン31によって支持されるため、内ピン31に作用する応力を低減させ耐久性を向上させることができる。円筒部61dの先端は、オイルポンプ51に差し込まれて、オイルポンプ51を駆動する(図1参照)。小径円板部61cの内周面には転がり軸受38が配置され、転がり軸受38は減速部入力軸25を回転自在に支持する。
補強部材61は、内ピン31を介して減速部出力軸28と連結することから、減速部出力軸28と一体に回転する。減速部出力軸28、補強部材61、および車輪ハブ32は、図1に示すように、減速部Bの駆動力を駆動輪(ボルト32cと連結する図示しない駆動輪)に伝達する車輪側回転部材を構成する。
モータ回転軸35とスプライン嵌合する減速部入力軸25の端部を除き、減速部入力軸25の大部分は、環状の補強部材61から減速部出力軸28の小径フランジ部28cまでの軸線方向位置と一致する。そして減速部入力軸25は、補強部材61の内部および円形凹部34に配置されて、一方端側で転がり軸受39を介して減速部出力軸28に回転自在に支持され、他方端側で転がり軸受38を介して補強部材61に回転自在に支持される。
外ピンハウジング40の両端部には金属製の転がり軸受62,64が配置される。転がり軸受62,64は車輪側回転部材を回転自在に支持する。転がり軸受62はモータ部Aに近い側に配置され、転がり軸受64は車輪ハブ軸受部Cに近い側に配置される。
図3に示すように、転がり軸受62の外輪62aは、外ピンハウジング40のモータ部A側の円盤状部材41(411)の内周面に相対回転不能に取り付けられ、転がり軸受62の内輪62bは補強部材61の小径円板部61cの外周面に相対回転不能に取り付けられる。複数の転動体62cは外輪62aおよび内輪62b間の環状空間に配置される。複数の転動体62cは図示しない保持器によって円周方向等間隔に保持されている。大径円板部61bの外周面および小径円板部61cの外周面は環状段差を構成する。そして転がり軸受62は、これら大径円板部61bと小径円板部61cの環状段差に収納され、内ピン31と同じ径方向位置に配置される。
転がり軸受64の外輪64aは外ピンハウジング40のうち車輪ハブ軸受部C側の円盤状部材41(412)の内周面に相対回転不能に取り付けられ、転がり軸受64の内輪64bは減速部出力軸28の小径フランジ部28cの外周面に相対回転不能に取り付けられる。複数の転動体64cは、外輪64aおよび内輪64b間の環状空間に配置される。複数の転動体62cは図示しない保持器によって円周方向等間隔に保持されている。大径フランジ部28bの外周面および小径フランジ部28cの外周面は環状段差を構成する。そして転がり軸受64は、これら大径フランジ部28bと小径フランジ部28cの環状段差に収納され、内ピン31と同じ径方向位置に配置される。
図1を参照して、オイルポンプ51は、ポンプケーシング22pの壁内部に設けられた吸入油路52および吐出油路54と接続し、減速部Bの下部に設けられたオイルタンク53から吸入油路52を経て潤滑油を吸い込み、吐出油路54から潤滑油を吐き出す。吐出油路54は、モータ部Aに設けられて潤滑油を冷却する冷却油路55(モータケーシング22aの壁内部)と、モータリヤカバー22tの壁内部に設けられた連絡油路56と、管状のモータ回転軸35および減速部入力軸25の内部に設けられて軸線Oに沿って延びる軸線油路57と、減速部Bで、軸線Oから偏心部25a内を径方向外側に向かって延びる分岐油路58aおよび偏心部25b内を同様に延びる分岐油路58bと、偏心部25a,25bの外周にそれぞれ嵌合する内輪部材66に穿設された孔67(図2参照)および軸線油路57の先端に開口する油路58cと順次接続する。
そしてオイルポンプ51から吐出した潤滑油は、これら油路54,55,56,57,58a(58b)、58cおよび孔67を順次流れて、減速部B内部(転がり軸受38,39,62,64,65、曲線板26a,26b、内ピン31、および外ピン部材27等)を潤滑する。潤滑後の潤滑油は落下してオイルタンク53に集まる。そしてオイルポンプ51によって再び吸入されて、インホイールモータ駆動装置21の内部を循環する。このように本実施形態のインホイールモータ駆動装置21は、軸心給油方式の潤滑油回路を備え、減速部入力軸25から潤滑油を噴射する。そして潤滑油は、減速部入力軸25から径方向外側に流れて減速部Bを潤滑する。また潤滑油は、軸線油路57から分岐して、ロータ24に形成されたロータ油路59を流れ、モータ部A内部を冷却するとともに、転がり軸受36,37を潤滑する。
車輪ハブ軸受部Cは、内輪33c、回転軸としての車輪ハブ32、転動体33、外輪部材33aを有する転がり軸受である。車輪ハブ32は図1に示すように減速部出力軸28の軸線O方向一方側に同軸配置され、減速部出力軸28に連結固定される。外輪部材33aは減速部ケーシング22bの一端にボルト33bで固定され、内輪33cは車輪ハブ32の外周面に嵌合固定される。車輪ハブ軸受部Cは多数の転動体33を複列に有する複列アンギュラ玉軸受であって、第1列の転動体33が減速部Bに近い側で、外輪部材33aおよび内輪33c間に配置され、第2列の転動体33が減速部Bから遠い側で、外輪部材33aおよび車輪ハブ32間に配置される。
車輪ハブ32は、円筒形状の中空部32aと、中空部32aの一端から外径方向に突出する車輪取付けフランジ部32bとを有する。中空部32aの中央孔には軸部28dが嵌合する。また中空部32aの外周面には第2列の転動体33と転がり接触する内側軌道面が形成される。車輪取付けフランジ部32bにはボルト32cによって図示しない駆動輪のロードホイールが連結固定される。
(作動原理について)
次に、上記構成のインホイールモータ駆動装置21の作動原理について説明する。
モータ部Aは、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。これにより、ロータ24に接続されたモータ回転軸35が回転すると、曲線板26a,26bはモータ側回転部材の軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン部材27が、曲線板26a,26bの外周に形成された曲線凹部と転がりながら接触しつつ係合して、曲線板26a,26bをモータ側回転部材の回転とは逆向きに自転運動させる。
各貫通孔30aに挿通される内ピン31は、貫通孔30aの内径よりも十分に細く、曲線板26a,26bの自転運動に伴って貫通孔30aの孔壁面と当接する(図2参照)。これにより、曲線板26a,26bの公転運動が内ピン31に伝わらず、曲線板26a,26bの自転運動のみが減速部出力軸28を介して車輪ハブ軸受部Cに伝達される。なお内ピン31の軸受外輪31cは、貫通孔30aの孔壁面に沿って転がる。このとき、軸受外輪31cの一部が貫通孔30aの孔壁面と接触しつつ軸受外輪31cの残部が貫通孔30aの孔壁面と非接触となる。
このとき、軸線Oと同軸に配置された減速部出力軸28は、減速部Bの出力軸として曲線板26a,26bの自転を取り出す。これにより、減速部入力軸25の回転が減速部Bによって減速されて減速部出力軸28に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部Bの減速比は、外ピン部材27の数をZ、曲線板26a,26bの波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図2に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。本実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を電気自動車に採用することにより、バネ下重量を抑えることができる。その結果、走行安定性に優れた電気自動車を得ることができる。
また、本実施形態においては、減速部Bの曲線板26a,26bを180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。そして本実施形態のセンターカラー29を2枚準備しておき、隣り合う曲線板間にそれぞれ設けるとよい。
また、本実施形態における運動変換機構は、減速部出力軸28に固定された内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成される例を示したが、これに限ることなく、減速部Bの回転を車輪ハブ32に伝達可能な任意の構成とすることができる。例えば、曲線板に固定された内ピンと、車輪側回転部材に形成された穴とで構成される運動変換機構であってもよい。
なお、本実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部Aから駆動輪に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、本実施例における作動の説明では、モータ部Aに電力を供給してモータ部Aを駆動させ、モータ部Aからの動力を駆動輪に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするような場合には、駆動輪側からの動力を減速部Bで高回転低トルクの回転に変換してモータ部Aに伝達し、モータ部Aで発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部Aを駆動させてもよいし、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
(外ピンハウジングの構成について)
まず、本実施の形態における外ピンハウジング40の理解を深めるため、図19〜図21を参照して、公知の一体型外ピンハウジング140の構成について簡単に説明する。
図19を参照して、外ピンハウジング140は円筒形状であり、外ピンハウジング140の軸方向中央部140cが両端側の軸方向端部140a,140bよりも大径にされる。そして小径の軸方向端部140a,140bと大径の軸方向中央部140cとの間の環状空間に、ストレート形状の外ピン(外ピン部材)127が配置される。また外ピンハウジング140は、軸方向端部140a,140bよりも内径側に曲線板26a,26b、減速部出力軸28の端部、内ピン31、偏心部25a,25b、減速部入力軸25の端部を収容する。2枚の曲線板26a,26b間には環状のセンターカラー29が配置される。
図20に示されるように、一体型外ピンハウジング140の軸方向中央部140cには、複数の貫通孔142が周方向に沿って等間隔で設けられている。この貫通孔142に、針状ころ軸受(転がり軸受)127aの外輪が圧入され、外ピン127の軸線方向両端部が、転がり軸受127aによって回転自在に支持されている。このように、外ピン127は、転がり軸受127aを介して外ピンハウジング140に転がり回転自在に取り付けられている。これにより、曲線板26a,26bとの係合による接触抵抗が低減される。
なお、外ピンハウジング140の軸方向中央部140cには、貫通孔142とは異なる径方向位置に複数の貫通孔143が設けられており、この貫通孔143に、上述した支持ピン73が挿通される。
これに対し、本実施の形態に係る外ピンハウジング40は、軸線方向に対向する一対の円盤状部材41(411,412)によって構成されている。つまり、外ピンハウジング40は、外ピン部材27の一方端部を保持する円盤状部材411と、外ピン部材27の他方端部を保持する円盤状部材412とで構成される。このように、外ピンハウジング40が分割形状とされることで、減速部Bの内部部品の組み付けを容易にすることができる。また、本実施の形態では、公知の一体型外ピンハウジング140を単純に2分割するのではなく、2つの円盤状部材41を互いに離れて配置するため、個々の部材41の厚みを薄くすることができる。したがって、インホイールモータ駆動装置21の軽量化および製造原価の低減を実現することができる。
以下に、本実施の形態に係る外ピンハウジング40の構成について詳細に説明する。なお、各円盤状部材41の説明においては、互いに向き合う方向を内側といい、その反対側を外側という。
図4に示されるように、各円盤状部材41は、環状に形成されており、周方向に沿って等間隔に設けられた複数の貫通孔(穴部)42と、貫通孔42とは異なる径方向位置に設けられた複数の貫通孔43とを有している。貫通孔42は、図20に示した公知の外ピンハウジング140の貫通孔142よりも小径であり、この貫通孔42に外ピン部材27の端部が圧入される。貫通孔43は、図20に示した公知の外ピンハウジング140の貫通孔143と同径であってよく、この貫通孔43に支持ピン73が圧入される。
本実施の形態では、外ピン部材27の両端部が一対の円盤状部材41に設けられた貫通孔42に圧入されるため、外ピン部材27は、2つの円盤状部材41を連結するための連結ピンと、2つの円盤状部材41の心合わせのための位置決めピンとを兼ねる。外ピン部材27は通常、等間隔に多数(たとえば12個)設けられるため、外ピン部材27が位置決めピンを兼ねることで、2つの円盤状部材41の心合わせを確実に行うことができる。
このように外ピン部材27が円盤状部材41の貫通孔42に圧入される形態においては、外ピン部材27と曲線板26との当接部における接触抵抗を低減するために、円盤状部材41間に位置する外ピン部材27の外周面に転がり軸受85またはカラー(図示せず)を設けることが望ましい。図2に示されるように、転がり軸受85は、複数の針状ころ85aと軸受外輪85bとを含み、外ピン部材27が軸受外輪85bに挿通される。針状ころ85aは外ピン部材27および軸受外輪85b間の環状空間に配置され、軸受外輪85bの外周面が、曲線板26a,26b外周の曲線凹部と転がり接触する。
ここで、一対の円盤状部材41間に転がり軸受85(またはカラー)を配置する場合、転がり軸受85が正常に動作(相対回転)するためには、軸線O方向に隣り合う円盤状部材41と転がり軸受85との間にある程度の隙間が必要と考えられる。すなわち、2つの円盤状部材41を適切な間隔に維持して組み付けることが重要である。そこで、本実施の形態では、外ピン部材27と各円盤状部材41とが軸線方向に突合せ当接するように構成することによって、円盤状部材41間の適切な間隔P(図6)を維持することとしている。
図5および図6に示されるように、本実施の形態の外ピン部材27は、大径部27aと一対の小径部27bとを有する段付きピンにより構成されている。つまり、外ピン部材27を構成するピンが、軸線方向に段差を有している。一対の小径部27bは軸線方向両端部に位置し、大径部27aは小径部27b間(軸線方向中央部)に位置する。なお、図5および図6に示す一対の円盤状部材41の断面は、図4の想像線に沿って円盤状部材41を切断した場合に表れる断面に相当する。
外ピン部材27を円盤状部材41に組み付ける際、外ピン部材27の小径部27bが円盤状部材41の内側面側から貫通孔42に圧入される。このとき、外ピン部材27の大径部27aの環状の縁部と円盤状部材41の内側面とが突合せ当接する。したがって、大径部27aの軸線方向長さQが適正な間隔Pと略同じ値となるように外ピン部材27を形成することで、円盤状部材41間の間隔を適切な間隔Pに維持することができる。
このように、本実施の形態では、円盤状部材41間の間隔が適正に維持されるため、外ピン部材27の中央部が嵌め入れられる転がり軸受85とその両側に位置する円盤状部材41とを非接触状態に保つことができる。その結果、曲線板26a,26bと転がり軸受85とが正常に動作し、これらの接触抵抗が低減される。なお、転がり軸受85と円盤状部材41との間には間座が設けられていてもよい。
また、本実施の形態では、外ピン部材27によって円盤状部材41の連結、位置合わせ、および間隔維持の全てが実現できるため、部品点数を少なくすることができる。
なお、外ピン部材27はさらに上述の支持ピン73を兼ねてもよい。この場合、図7に示されるように、外ピン部材27Aの一対の小径部27bの軸方向長さは図3等に示した外ピン部材27の一対の小径部27bよりも十分に長い。外ピン部材27Aの一対の小径部27bは円盤状部材41をそれぞれ貫通し、ケーシング22の内側壁に設けられた円筒部材71内に挿通される。この場合、支持ピン73を必要としないため、さらに部品点数を少なくすることができる。
上述のように、本実施の形態では、外ピン部材27(27A)の大径部27aの縁部と各円盤状部材41の内側面とが突合せ当接することによって、円盤状部材41の内側への移動が防止されるが、円盤状部材41の外側への移動も防止されることが望ましい。すなわち、インホイールモータ駆動装置21は、円盤状部材41からの外ピン部材27の抜けを防止する抜け止め機構をさらに備えることが望ましい。
図8には、抜け止め機構80の構成例が示されている。抜け止め機構80は、締結ボルト81と、一方の円盤状部材412(41A)に設けられた貫通孔44と、他方の円盤状部材411(41A)に設けられたタップ穴45とを含む。この場合、締結ボルト81が、円盤状部材412の貫通孔44に挿通され、円盤状部材411のタップ穴45に螺合することで、円盤状部材411,412が互いに離れることを防止する。つまり、円盤状部材41間の間隔が適切な間隔Pより大きくなることを防止する。タップ穴45は貫通孔であってもよい。
抜け止め機構80は外ピンハウジング40の周方向において複数箇所に設けられることが望ましい。この場合、各円盤状部材41に、締結ボルト81を挿通するための貫通孔44と、他の締結ボルト81を固定するためのタップ穴45との双方を設けることで、2つの円盤状部材41の形状を共通とすることができる。図9には、貫通孔44とタップ穴45とを設けた円盤状部材41Aが示されている。円盤状部材41Aは、一例として、支持ピン73挿通用の貫通孔43を有していない。なお、図8に示した一対の円盤状部材41Aの断面は、図9の想像線に沿って円盤状部材41Aを切断した場合に表れる断面に相当する。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、円盤状部材間の間隔を適正な間隔(P)に維持するために、段付き形状の外ピン部材が用いられることとしたが、本実施の形態では、ストレート形状の外ピン部材が用いられる。以下に、実施の形態1のインホイールモータ駆動装置と異なる点のみ詳細に説明する。
図10および図11を参照して、本実施の形態の外ピン部材27Bはストレート形状のピンによって構成されている。円盤状部材41Bは、実施の形態1で示した貫通孔42に代えて、周方向に沿って等間隔で設けられた複数の穴部46を有している。穴部46は貫通孔ではなく、円盤状部材41Bの外側面側に底面460を有する止まり穴である。この場合、外ピン部材27Bの軸方向端面270と穴部46の底面460とが突合せ当接することで、円盤状部材41B間の間隔が維持される。
したがって、本実施の形態では、外ピン部材27Bの全長Qと、2つの円盤状部材41Bそれぞれの穴部46の深さRとの差(Q−2R)が適正な間隔Pと略同じ値となるように、外ピン部材27Bおよび円盤状部材41Bを形成することで、円盤状部材41B間の間隔を適切な間隔Pに維持することができる。なお、2つの円盤状部材41Bの穴部46の深さRは、多少異なっていてもよい。
図12には、本実施の形態の抜け止め機構80Aの構成例が示される。抜け止め機構80Aは、締結ボルト82と、各円盤状部材41Bの穴部46の底部に設けられた貫通孔461と、外ピン部材27Bの両端面270に設けられたタップ穴276とを含む。この場合、一対の締結ボルト82が、それぞれの円盤状部材41Bの貫通孔461に挿通され、外ピン部材27Bのタップ穴276に螺合することで、円盤状部材411,412が互いに離れることを防止する。
なお、このような抜け止め機構80Aは、全ての外ピン部材27Bに対して設ける必要はなく、一部の外ピン部材27Bに対して設けられていればよい。
(変形例)
本実施の形態では、円盤状部材41B本体に止まり穴(穴部46)を設けることで、外ピン部材27Bの端面270と突合せ当接する底面を形成したが、このような例に限定されない。
たとえば、図13および図14に示すように、円盤状部材41Cは、実施の形態1で示した円盤状部材41と同様の構造であって複数の貫通孔42を有する本体部410と、複数の貫通孔42を塞ぐように本体部410の外側面に設けられたスラストプレート48とにより構成されていてもよい。この場合、スラストプレート48の内側面が、外ピン部材27Cの端面270と突合せ当接する。
本変形例では、外ピン部材27Cの全長Qと、2つの円盤状部材41Cの本体部410にそれぞれ設けられた貫通孔42の軸方向長さ(深さ)Rとの差(Q−2R)が適正な間隔Pと略同じ値となるように、外ピン部材27Cおよび円盤状部材41Cの本体部410を形成することで、円盤状部材41C間の間隔を適切な間隔Pに維持することができる。
なお、本変形例においても、図12に示した締結ボルト82を用いて円盤状部材41Cの抜け止めが実現可能である。すなわち、図15に示されるように、抜け止め機構80Bは、締結ボルト82と、スラストプレート48に設けられた、締結ボルト82を挿通するための貫通孔480と、外ピン部材27Cの両端面270に設けられたタップ穴276とで構成されてもよい。
<実施の形態3>
上記実施の形態1では、円盤状部材間の間隔を適正な間隔(P)に維持するために、段付き形状の外ピン部材が用いられることとしたが、本実施の形態では、段の代わりにリング部材を有する外ピン部材が用いられる。以下に、実施の形態1のインホイールモータ駆動装置と異なる点のみ詳細に説明する。
図16および図17を参照して、本実施の形態の外ピン部材27Dは、略ストレート形状のピン271と、ピン271に嵌め込まれた一対のリング部材273とを有している。ピン271の外周面には、リング部材273を嵌め込むための周方向溝272が、ピン271の両端から所定寸法離れた位置にそれぞれ設けられている。リング部材273はたとえばC型リングである。
本実施の形態の円盤状部材41Dは、実施の形態1で示した円盤状部材41と同様に、複数の貫通孔42を有している。この場合、一方のリング部材273の外方端から他方のリング部材273の外方端までの距離Qが適正な間隔Pと略同じ値となるように外ピン部材27Dを形成することで、円盤状部材41D間の間隔を適切な間隔Pに維持することができる。
図18には、本実施の形態の抜け止め機構80Cとして、外ピン部材27Dに抜け止め用の一対のリング部材275が設けられた例が示されている。この場合、ピン271は、その両端部が円盤状部材41Dの貫通孔42から外方に突出するように設けられている。ピン271は、間隔維持用のリング部材273が嵌め入れられる周方向溝272よりも外側(端部側)に、抜け止め用のリング部材275が嵌め入れられる周方向溝274が設けられている。
以上説明したように、各実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置21によれば、外ピンハウジング40を構成する2枚の円盤状部材の連結と間隔維持とがサイクロイド減速機の外ピン部材によって実現されるため、部品点数の増加を抑えて外ピンハウジング40を軽量化することができる。また、その結果、インホイールモータ駆動装置21の製造原価を低減することができる。
なお、各実施形態(変形例を含む)で示した抜け止め機構は、適宜、他の実施形態と組み合わせてもよい。
また、各実施形態に示した車両用モータ駆動装置は、減速部出力軸28により車輪ハブ32を直接回転させるインホイール方式としたが、減速部出力軸にジョイントを介して駆動軸を接続し、この駆動軸により車輪ハブを駆動するオンボード方式のものであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
21 インホイールモータ駆動装置、22 ケーシング、22a モータケーシング、22b 減速部ケーシング、22p ポンプケーシング、22t モータリヤカバー、23 ステータ、24 ロータ、25 減速部入力軸、25a,25b 偏心部、26a,26b 曲線板、27,27A,27B,27C,27D 外ピン部材、27a 大径部、27b 小径部、28 減速部出力軸、28b 大径フランジ部、28c 小径フランジ部、28d 軸部、29 センターカラー、42,43,44,142,143,461,480 貫通孔、31 内ピン、32 車輪ハブ、35 モータ回転軸、85 転がり軸受、40,140 外ピンハウジング、41,41A,41B,41C,41D,411,412 円盤状部材、45,276 タップ穴、46 穴部、48 スラストプレート、51 オイルポンプ、52 吸入油路、53 オイルタンク、54 吐出油路、55 冷却油路、56 連絡油路、57 軸線油路、58a,58b 分岐油路59 ロータ油路、61 補強部材、70 回り止め機構、71 円筒部材、73 支持ピン、80,80A,80B,80C 抜け止め機構、81,82 締結ボルト、127 外ピン、271 ピン、272,274 周方向溝、273,275 リング部材、410 本体部、A モータ部、B 減速部、C 車輪ハブ軸受部、O 軸線、X 自転軸心。

Claims (6)

  1. モータ部と、前記モータ部から入力される回転を減速して出力する減速部とを備え、
    前記減速部は、軸線に沿って延びる減速部入力軸と、前記減速部入力軸に形成された一対の偏心部と、それぞれの前記偏心部に回転自在に保持される一対の曲線板と、前記曲線板の外周部に係合する複数の外ピン部材と、前記外ピン部材を保持し、前記減速部の外郭を形成する外ピンハウジングとを含み、
    前記外ピンハウジングは、軸線方向に対向する一対の円盤状部材によって構成されており、
    前記外ピン部材と前記各円盤状部材とが軸線方向に突合せ当接することよって、前記円盤状部材間の間隔が維持される、車両用モータ駆動装置。
  2. 前記外ピン部材は、軸線方向両端部に位置する一対の小径部と、前記小径部間に位置する大径部とを有し、
    前記外ピン部材の前記小径部は、前記円盤状部材に設けられた穴部に圧入され、
    前記外ピン部材の前記大径部の縁部と前記円盤状部材の内側面とが突合せ当接することによって、前記円盤状部材間の間隔が維持される、請求項1に記載の車両用モータ駆動装置。
  3. 前記モータ部および前記減速部を収容するケーシングと、
    前記ケーシングの内壁面のうち、前記各円盤状部材と対向する部分に設けられた筒部材とをさらに備え、
    前記外ピン部材の前記小径部は、前記円盤状部材を貫通し、前記筒部材内に挿通される、請求項2に記載の車両用モータ駆動装置。
  4. 前記外ピン部材の軸方向端面と前記円盤状部材に設けられた穴部の底面とが突合せ当接することによって、前記円盤状部材間の間隔が維持される、請求項1に記載の車両用モータ駆動装置。
  5. 前記外ピン部材は、外周面に周方向溝を有するピンと、前記ピンの周方向溝に設けられたリング部材とを有しており、
    前記リング部材と前記円盤状部材の内側面とが突合せ当接することによって、前記円盤状部材間の間隔が維持される、請求項1に記載の車両用モータ駆動装置。
  6. 前記円盤状部材からの前記外ピン部材の抜けを防止する抜け止め機構をさらに備える、請求項1に記載の車両用モータ駆動装置。
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