JP2017019239A - 水圧転写方法及び水圧転写装飾品 - Google Patents
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被転写体30とは、水圧転写フィルム10によって装飾されるものである。そしてその組成は、特に限定されるものではないが、本発明においては、水圧転写フィルム10の転写層12を密着させることが困難である特殊な下地として、ガラス質からなるもの、無極性高分子からなるものなどが対象となる。
表面改質処理とは、被転写体30の表面を改質させる処理のことであり、後述する有機無機複合化合物を均一に被転写体30の被転写面30Aにコーティングするものである。なお、表面改質処理を行う前に、被転写体30は、エタノールなどによる脱脂により脂分などの不純物が除去されるのが好ましい。
有機無機複合化合物とは、本明細書において、金属原子、半導体原子又は非金属原子に、1以上の有機基が結合した化合物であり、被転写体30であるガラス質や無極性高分子の表面の被密着性を改質するものである。
上記表面改質処理後に、被転写体30に下塗材を塗装することが好ましい。水圧転写フィルム10の密着性をより向上させるためである。下塗材には汎用の合成樹脂系下塗材を使用し、ウレタン系やアクリル系の合成樹脂下塗材を好適に使用することができ、熱硬化型、常温硬化型のどちらも使用することができる。また、希釈剤の違いによる水系塗料であっても溶剤系塗料であっても使用することができる。一例を挙げると、ネオペイントウレタン#7000AB(ウレタン系、常温硬化型、溶剤系、亜細亜工業株式会社製)、キクスイプライマーバンノウS(アクリル系、常温硬化型、溶剤系、菊水化学工業株式会社製)などを使用することができる。
水圧転写フィルム10とは、水圧転写を行うフィルムであり、水溶性または水剥離性を有する支持体層11と、被転写体30に転写される印刷模様等が施された転写層12と、が積層されたフィルムである。
水圧転写とは、被転写体30の表面に、水圧転写フィルム10を用いて、水圧により印刷模様等を転写印刷する方法である。水圧転写は、平面的な形状のみならず立体的な形状に対しても転写印刷が可能という利点を有する。
上塗材とは、水圧転写を施した被転写体30の上に塗装するもので、耐候性や耐水性を付与するものである。上塗材には汎用の合成樹脂系上塗材を使用し、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系の合成樹脂上塗材を好適に使用することができ、熱硬化型、常温硬化型のどちらも使用することができる。また、水系塗料であっても溶剤系塗料であっても使用することができる。一例を挙げると、スーパーラックエコ(アクリル系、熱硬化型、溶剤系、日本ペイント株式会社製)、ウレタンクリヤーUC−810F(ウレタン系、常温硬化型、溶剤系、亜細亜工業株式会社製)、シリコンクリヤーSC−310PE(シリコン系、常温硬化型、溶剤系、亜細亜工業株式会社製)、クリーンマイルドフッソ(フッ素系、常温硬化型、溶剤系、エスケー化研株式会社製)などを使用することができる。
被転写体30として、被転写体A:衛生陶器(ガラス質)、被転写体B:ポリプロピレン容器(無極性高分子)を用いた。被転写体30は脂分を除去するため、エタノールによる脱脂を行った。衛生陶器には便器を使用し、水が流れる部分であるボウル部は養生テープで覆い、水圧転写フィルム10による装飾が施されないようにした。
表1に記載の表面改質処理剤及び表面改質処理を行った。静電塗装処理では、汎用の水性静電塗装機を用い、出力電圧DC30KVで行った。加圧塗装処理では、汎用のエアースプレーガンを用い、エアー圧0.2MPaで行った。燃焼塗装処理では、汎用の燃焼塗装機を用い、有機無機複合化合物と燃焼剤との合計流量1g/minで行った。
下塗材として、以下のものを使用した。下塗材P(ネオペイントウレタン#7000AB(亜細亜工業株式会社製))。
図1に示す設備、及び表2に記載の水圧転写フィルム10及び条件で水圧転写を行った。なお、活性剤25には、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジブチルフタレートの混合溶液を用いた。
上塗材として、以下のものを使用した。上塗材T(ウレタンクリヤーUC−810F(亜細亜工業株式会社製))。
表3及び4に記載の試験例に従い、被転写体30としてガラス質又は無極性高分子に水圧転写を行い、性能確認試験として、密着力と耐アルカリ性を試験した。なお、試験例1〜7及び9〜15は実施例であり、試験例8及び16は比較例である。
密着力は、付着性(JIS K 5600−6−6:1999(塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)))に準拠して測定した。そして、試験結果の分類0(カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない。)〜5(剥がれの面積が35%を上回る。)で評価した。
耐アルカリ性は、JIS A 6909:2014(建築用仕上塗材)7.16耐アルカリ性試験A法に準拠して測定した。ただし、試験基材は、被塗装体をおよそ150×50×4mmとなる大きさに切断したものを使用した。そして、剥がれ及び膨れの発生がないもの(以下、異常がないものとする。)を○、膨れの発生があるものを△、膨れ及び剥がれの発生があるものを×、として評価した。
試験例1〜8は、表3に示すように、被転写体30としてガラス質の衛生陶器に水圧転写を行ったものである。表面改質処理と下塗材塗装を行った試験例1〜6は、密着性は分類0(カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない。)であり、耐アルカリ性は異常がなかった。表面改質処理を行い、下塗材塗装を行わなかった試験例7は、密着性は分類2(剥がれの面積が5%を超えるが15%を上回ることはない。)であるが、耐アルカリ性は異常がなかった。表面改質処理を行わず下塗材塗装を行った試験例8は、密着性は分類5(剥がれの面積が35%を上回る。)であり、耐アルカリ性は膨れ及び剥がれの発生が確認できた。
試験例9〜16は、表4に示すように、被転写体30として無極性高分子のポリプロピレン容器に水圧転写を行ったものである。表面改質処理と下塗材塗装を行った試験例9〜14は、密着性は分類0(カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない。)であり、耐アルカリ性は異常がなかった。表面改質処理を行い、下塗材塗装を行わなかった試験例15は、密着性は分類2(剥がれの面積が5%を超えるが15%を上回ることはない。)であるが、耐アルカリ性は異常がなかった。表面改質処理を行わず下塗材塗装を行った試験例16は、密着性は分類5(剥がれの面積が35%を上回る。)であり、耐アルカリ性は膨れ及び剥がれの発生が確認できた。
11 支持体層
12 転写層
Claims (4)
- 水圧転写フィルムを水面に浮遊させ、該水圧転写フィルムの表層の転写層の上から被転写体を押圧して、該被転写体に前記転写層を水圧によって転写する水圧転写方法において、
前記被転写体の被転写面が、ガラス質又は無極性高分子から形成され、
前記水圧転写の前処理として、前記被転写面に有機無機複合化合物による表面改質処理を行うことを特徴とする水圧転写方法。 - 前記有機無機複合化合物が、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1に記載の水圧転写方法。
- 前記表面改質処理が、静電塗装処理、加圧塗装処理又は燃焼塗装処理のいずれか1つを行う処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水圧転写方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水圧転写方法で得られることを特徴とする水圧転写装飾品。
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