JP2013226769A - 白色反射膜付基材、それを用いた白色反射膜付カバーレイシート及び白色反射膜付回路基板 - Google Patents

白色反射膜付基材、それを用いた白色反射膜付カバーレイシート及び白色反射膜付回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】実装基板の表面にシリコーン系樹脂を含む白色反射層を形成した場合において、表面のタック性を抑制することにより塵埃の付着による、実装工程における作業性の低下や経時的な反射率の低下を抑制する白色反射膜付基材等を提供することを目的とする。
【解決手段】表面層を形成する白色反射膜と支持基材とを備え、白色反射膜は、シリコーン樹脂と無機白色フィラーとを含有し、且つ、ショアD硬さが10以上であり、支持基材と前記白色反射膜とが接着層を介して接着されている白色反射膜付基材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)パッケージ、LEDチップ、太陽光発電素子等の光学素子を実装するための基板の表面に、反射膜を付与するとともに基板表面に形成された導電回路を保護するための技術に関する。詳しくは、基板表面に形成された導電回路を白色反射膜で覆うことにより、導電回路を保護するとともに光の取り出し効率や受光効率を向上させるための技術に関する。
近年、LEDや太陽光発電素子等の光デバイスの需要が高まっている。LEDからの光の取り出し効率や太陽電池の受光効率を向上させるために、これらを実装するための基板の表面に白色の反射膜を形成する技術が知られている。
例えば、下記特許文献1は、三次元架橋したシリコーン樹脂に、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有された反射層が、支持体上で膜状、立体状又は板状に形成されているシリコーン樹脂製反射基材を開示する。そして、このような反射基材によれば、波長340〜1000nmのような幅広い波長の高輝度光を高効率で反射させることができることを開示する。
また、例えば、下記特許文献2は、光反射剤の粒子を分散しつつ含有している弾性ゴム製であり、その被接着面側表面に水酸基を有する弾性体層と、水酸基を被接着面側表面に有する金属箔層とが、互いのそれら水酸基を介して共有結合しつつ、積層して接着している金属箔付き反射シートを開示する。そして、このような金属箔付き反射シートによれば、金属箔層と弾性体層とが、互いの被接着面側表面の水酸基を介して化学的に結合しているために、接着剤を介した部材間の接着の際における気泡の生成や、接着すべき部材の境界からの接着剤のはみ出しがないことを開示する。
また、例えば、下記特許文献3は、表面に反射率50%以上の白色度を有し、耐熱性、可撓性、密着性に優れた白色反射層を有するカバーレイ基材フィルムを開示する。
国際公開2011−118108号パンフレット 特開2011−148263号公報 特開2010−232252号公報
特許文献1〜3に開示されているように、従来、基板の表面に、白色無機フィラーとシリコーン系樹脂を含む白色反射層を形成してLEDからの発光の光取り出し効率等を向上させる技術は知られていた。シリコーン系樹脂を含む白色反射層は、幅広い波長範囲の光を高効率で反射させ、また、光や熱の影響による反射率の経時的な変化が他の樹脂を含む白色反射層に比べて著しく低いという特徴を有する。しかしながら、発明者らは、タック感があるシリコーン系樹脂を含む白色反射層を形成した場合、表面に塵埃が付着することにより、光学素子を実装する工程において塵埃を除去する作業が必要であったり、表面に経時的に塵埃が付着することにより反射率が低下したりすることに気付いた。また、特許文献3に開示されているようなウレタン樹脂や(メタ)アクリル樹脂を含む白色反射層は光や熱の影響による反射率の経時変化が大きいという問題があった。
本発明は、基板の表面にシリコーン系樹脂を含む白色反射層を形成した場合において、塵埃の付着による、実装工程における作業性の低下や経時的な反射率の低下を抑制する白色反射膜付基材等を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、表面層を形成する白色反射膜と、支持基材と、支持基材と白色反射膜との間に介在する接着層とを備え、白色反射膜はシリコーン樹脂と無機白色フィラーとを含有し、且つ、ショアD硬さが10〜60である白色反射膜付基材である。本発明者らは、表面層を形成する白色反射膜を硬くすることにより、軟らかな白色反射膜よりも反射率の経時的な低下が抑制されることを見出した。そしてこの理由を検討した結果、白色反射膜の表面のタック性が抑制されるために微細な埃塵が付着しにくくなっているためであることに気付いた。しかしながら、硬い白色反射膜を支持基材の表面に担持した場合、製造工程において搬送ローラで搬送される際にローラにより折り曲げられて支持基材が撓んだ場合にクラックが発生しやすくなり、また、表面実装時のはんだリフロー工程においては、白色反射膜と支持基材との線膨張係数の違いにより寸法変化に差を生じて、白色反射膜の接着性が著しく低下したりするという問題が生じた。本発明によれば、支持基材と硬い白色反射膜との間に接着層を設けることにより、硬い白色反射膜と支持基材との接着性を向上させることができる。
接着層はショアA硬さが80以下の層であることが好ましい。このような接着層によれば、支持基材が撓んだり折り曲がったりしたときに白色反射膜と支持基材との間に発生するずり応力を緩和することができる。そのために、はんだリフロー工程において生じるような白色反射膜の線膨張率と支持基材の線膨張率との違いによる寸法変化や、撓みによるクラックの発生を抑制することができる。
また白色反射膜の表面は、JIS0237の「傾斜式ボールタック」に準拠したボールタック試験で測定されたボールナンバーが1以下であり、且つ、その表面に平均粒子径25μmの蒸着アルミ粉をまんべんなく均一に散布した後、ノズル径2mm、エア噴出量160L/minのエアーガンで100mmの距離から蒸着アルミ粉を吹き飛ばしたとき、残留する蒸着アルミによって反射率がほとんど低下しない、具体的には、該処理の前後における波長220〜1000nmの光の反射率の低下率が5%以下、さらには3%以下、とくには1%以下であることが好ましい。
また、接着層としては、シリコーン系接着剤,ポリイミド系接着剤,エポキシ系接着剤,ウレタン系接着剤,及びアクリル系接着剤から選ばれる少なくとも1種の接着剤、とくにはシリコーン系接着剤から形成された層であることが耐熱性及び耐候性に優れている点から好ましい。また、支持基材がポリイミド系基材であり、接着層がポリイミド系接着剤である場合や、支持基材がガラエポ基材であり、接着層がエポキシ系接着剤であるように、支持基材と接着層とが同系の樹脂を含む場合には、接着性に特に優れる点から好ましい。
また、支持基材は、目的に応じて適した支持基材であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、ポリイミドフィルムのようなフレキシブルな樹脂フィルムやガラエポ基板のようなリジッドな基板が好ましく用いられうる。
また、本発明の他の一局面は、回路基板上の回路を保護するために用いられるような白色反射膜付カバーレイシートであって、上述のような白色反射膜付基材と、支持基材の白色反射膜が形成された面に対する反対面に形成された基板接着剤層とを備える。このような白色反射膜付カバーレイシートは、反射性を有する白色反射膜を備えた回路基板上の回路を絶縁する保護層になる。なお、白色反射膜付カバーレイシートは、支持基材が可撓性のあるフィルムの場合には可撓性のある白色反射膜付カバーレイフィルムになり、支持基材がリジッドな基板の場合にはリジッドな白色反射膜付カバーレイリジッド基板になる。
また、本発明の他の一局面は、上述したような白色反射膜付基材において、支持基材の表面に導電回路が形成されており、導電回路は電子部品を実装するための実装領域を有し、実装領域を除いた領域に導電回路を保護するように接着層を介して白色反射膜が形成されている白色反射膜付回路基板である。このような白色反射膜付回路基板によれば、導電回路を保護するためのタック性を抑制した白色反射膜を高い接着力を維持しながら形成することができる。
本発明によれば、支持基材の表面にシリコーン系樹脂を含む高い反射率を有する白色反射膜を形成する場合において、高い接着性を維持しながら、塵埃が付着しにくくクラックも発生しにくい白色反射膜を形成することが出来る。
第1実施形態の白色反射膜付カバーレイシート10の模式断面図である。 白色反射膜付カバーレイシート10を回路基板の表面に接着したときの構成を示す模式上面図である。 図2のIII−III´断面における模式断面図である。 FPC30の部品実装領域13を除いた領域の表面に接着層3を介して白色反射膜1を形成したときの白色反射膜付回路基板の上面模式図である。 図4のV−V´断面における模式断面図である。 実施例の初期及び劣化促進処理後の反射率の測定結果を示す。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る白色反射膜付基材の一実施形態である白色反射膜付カバーレイシート10の模式断面図である。図1中、1は白色反射膜、2は樹脂シート、3は接着層、4は回路基板に接着するための接着剤からなる基板接着剤層である。
白色反射膜1は、シリコーン樹脂と無機白色フィラーとを含み、そのショアD硬さが10〜60である硬質シリコーン樹脂組成物からなる層である。シリコーン樹脂と無機白色フィラーを含有するこのような白色反射膜は広範囲の波長を高反射させ、塵埃が付着しにくく、また、光や熱による分解や変質による反射率の経時的な低下が少ない反射膜である。
白色反射膜1の硬さはショアD硬さ10〜60であり、好ましくはショアD硬さ30〜60、さらに好ましくはショアD硬さ40〜50である。ショアD硬さが10未満の場合には、タック性が高くなり表面に埃塵等が付着しやすくなる。その結果、電子部品の実装工程において埃塵等を除去する工程が必要になったり、使用時において埃塵等が徐々に付着することにより反射率が経時的に低下したりする。また、ショアD硬さが60を超える場合には樹脂シート2が製造工程におけるローラによる搬送時に撓んだ場合等にクラックが発生しやすくなる。
なお、本実施形態における白色反射膜のショア硬さは、白色反射膜を形成する材料と同じ材料で作成した厚み10mmのテストピースを用いて、JIS K6253に準拠したデュロメータタイプで測定した値である。
また、白色反射膜1の表面は、JIS Z0237の「傾斜式ボールタック」に準拠したボールタック試験で測定されるボールナンバーが1以下であるようにタック性が低いことが、塵埃等の付着が原因で生じる反射率の低下等が抑制される点から好ましい。
白色反射膜1のタック性は、さらには、その表面に平均粒子径25μmの蒸着アルミ粉を万遍なく均一に散布し、ノズル径2mm、エア噴出量160L/minのエアーガンで100mmの距離から吹き飛ばしたときに、該処理の前後における波長220〜1000nmの光の反射率の低下率が5%以下、さらには3%以下、とくには1%以下であることが好ましい。このような低いタック性の場合には、とくに、非粘着性に優れるために、使用時に塵埃が付着して徐々に反射率が経時的に低下することが充分に抑制される点から好ましい。
シリコーン樹脂としては、三次元的な架橋構造を有する硬質シリコーンが好ましく用いられる。このような硬質シリコーンの具体例としては、例えば主鎖にポリ(ジメチルシロキサン)等のポリ(ジアルキルシロキサン)構造やポリ(ジフェニルシロキサン)等のポリ(ジアリールシロキサン)構造を有し、部分的に主鎖が三次元架橋された架橋シリコーンが挙げられる。なお、シリコーンの三次元的な架橋構造は、側鎖に導入されたアルキルオキシシリル基、ジアルキルオキシシリル基、ビニルシリル基、ジビニルシリル基、ヒドロシリル基、ジヒドロシリル基等の架橋性官能基の反応によって形成されたものでも、配合された有機過酸化物や多官能性の架橋剤の反応によって形成されたものであってもよい。また、架橋構造は必要に応じて白金錯体等の白金触媒の存在下で形成されてもよい。さらに、このような架橋シリコーンには、必要に応じて硬さを調整すること等を目的としてシリコーンレジンやシリコーンワニス等を含有していてもよい。このようなシリコーンは、市販品として、例えば、旭化成ワッカーシリコーン(株)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、信越化学工業(株)、東レ・ダウ・コーニング(株)等により入手することができる。
また、シリコーン樹脂の原料には、さらに接着性を向上させるための化合物が含有されていてもよい。このような化合物の例としては、ビニル基,フェニル基,アルコシキ基,グリシジル基,(メタ)アクリロイル基等の反応性官能基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。さらに具体的には、例えば、CH=CHSi(OCH(ビニルトリメトキシシラン)、CSi(OCH、CH=CHSi(OCHOCH、CO-CHO(CHSi(OCH、CO-CHO(CHSiCH(OCH、CH=CH-CO-O(CHSiCH(OCH、CH=CCH-CO-O(CHSiCH(OCH、2−(2,3−エポキシプロピルオキシプロピル)−2、4,6,8−テトラメチル−シクロテトラシロキサン、2−(2,3−エポキシプロピルオキシプロピル)−2、4,6,8−テトラメチル−6−(トリメトキシシリルエチル)シクロテトラシロキサン、CH(CHSi(OCHCH、CHSi(OCHCH、CHSi(OCH、CH=CHSi(OCHCHOCH、CH=CHSiCH(OCH、CH=C(CH)COOCHCHCHSi(OCHCH、CH=C(CH)COOCHCHCHSi(OCH、HSCHCHCHSi(OCH、HSCHCHCHSi(OCHCH、CH(CHC(=O)SCHCHCHSi(OCHCH、HNCHCHCHSi(OCHCH、HNCHCHCHSi(OCH、HNCHCHNHCHCHCHSi(OCH、HNCHCHNHCHCHCHSiCH(OCH)2、3−(N−フェニル) アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−
グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、O=C=NCHCHCHSi(OCHCH、O=C=NCHCHCHSi(OCH等が挙げられる。このような接着性を向上させるための化合物の添加量は目的に応じて適宜調整されるが、例えば、シリコーン樹脂の原料全量中に0.1〜10質量%、さらには1〜5質量%程度添加することが好ましい。
白色反射膜1の硬さは、シリコーン樹脂自身の硬さと無機白色フィラーの硬さや配合割合により調整されるが、好ましくは比較的硬いシリコーン樹脂を用いてショアD硬さを10〜60に調整することが好ましい。このようなシリコーン樹脂自身の硬さとしては、ショアA70〜ショアD60、さらにはショアA80〜ショアD50であることが好ましい。シリコーン樹脂自身の硬度が低すぎる場合には塵埃の付着により作業性が低下したり、反射率が経時的に低下してしまう傾向がある。また、シリコーン樹脂自身の硬度が高すぎる場合にはクラックが発生しやすくなる傾向がある。なお、シリコーン樹脂の硬さは充填剤や分子量や架橋剤により架橋密度を調整することにより、適宜調整することができる。
無機白色フィラーの具体例としては、例えば、アナターゼ型やルチル型の酸化チタン,アルミナ,硫酸バリウム,マグネシア,チッ化アルミニウム,チッ化ホウ素,チタン酸バリウム,カオリン,シリカ,タルク,粉末マイカ,粉末ガラス,粉末アルミニウム,粉末ニッケル,炭酸カルシウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ルチル型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタン、特にはルチル型酸化チタンが隠蔽性に優れるために反射率がより高くなる点から好ましい。なお、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムをルチル型酸化チタンやアナターゼ型酸化チタンなどの無機白色フィラーとを組み合わせた場合には、優れた反射性に加えて、難燃性を向上させることができる。また、酸化チタンの場合には、光触媒作用を抑制するために、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどで表面処理されていてもよい。
また、無機白色フィラーはシランカップリング剤で処理されていてもよい。無機白色フィラーがシランカップリング剤で処理されている場合には、分散性が改善されるとともにシリコーン樹脂との界面における接着力が向上する。シランカップリング剤の種類は上述したようなシランカップリング剤から適宜選択される。
無機白色フィラーの平均粒子径は特に限定されないが、0.05〜100μm、さらには0.1〜10μm程度であることが反射性に優れる点から好ましい。また、小粒径のフィラーと大粒径のフィラーを組み合わせてもよい。粒径が小さすぎる場合には隠ぺい力が低下する傾向があり、粒径が大きすぎる場合には着色性が低下する傾向がある。また、0.1〜1μm程度の粒径が一般的な光の波長よりも小さいために反射性にとくに優れている点から好ましい。
また、白色反射膜1中の無機白色フィラーの配合割合としては、5〜90質量%、さらには10〜80%、さらに好ましくは40〜80質量%であることが光反射率に優れる点から好ましい。配合割合が多いと粘度が上昇し作業性が悪くなり、配合割合が少ないと光が透過してしまい充分な反射が得られない傾向がある。
白色反射膜1の厚みは特に限定されないが、1〜2000μm、さらには、5〜1000μm、さらに好ましくは10〜100μm程度であることが好ましい。白色反射膜の厚みが薄すぎる場合には、下層の隠蔽性を充分に確保できなくなる傾向があり、厚すぎる場合には可撓性を維持しにくくなる傾向がある。
本実施形態の白色反射膜付カバーレイシート10はその支持基材として樹脂シート2を備える。樹脂シート2としては、従来からカバーレイフィルムの基材フィルムとして用いられているようなフィルムや、リジットなシートが用いられうる。具体的には、例えば、ポリイミド(PI),ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリサルフォン(PSF),ポリエーテルサルフォン(PES),ポリエーテルイミド(PEI),非晶質ポリアリレート(PAR),液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ビスマレイミドトリアジン(BT)等の耐熱性を有するフィルムやシートが挙げられる。これらの中では、ポリイミドフィルムが耐熱性、誘電特性、可撓性に優れ、また汎用性の点から好ましい。なお、例えば、PIは茶色の着色を帯びている。また、例えば、LCPは黄色の着色を帯びている。本実施形態の白色反射膜付カバーレイシート10は、例えば、PIやLCPのような着色を帯びた樹脂シート2の表面に、鮮やかな白色を呈する白色反射膜1を形成することにより高い反射性を付与することができる。
樹脂シート2の膜厚としては、1〜1000μm程度、さらには3〜500μm程度、とくには5〜100μm程度であることが好ましい。
本実施形態の白色反射膜付カバーレイシート10においては、図1に示すように、樹脂シート2の表面に白色反射膜1を直接接着させるのではなく、樹脂シート2の表面に接着層3を介して白色反射膜1を形成することにより、硬い白色反射膜1の接着力を向上させている。
接着層3を形成するための接着剤の具体例としては、例えば、シリコーン系接着剤,ポリイミド系接着剤,エポキシ系接着剤,ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等が挙げられる。これらは、白色反射膜1との接着性及び樹脂シートとの接着性とのバランスを考慮して選択される。これらの中では、シリコーン樹脂組成物である白色反射膜1に対する接着性や、耐熱性、耐候性に優れている観点からシリコーン系接着剤及びエポキシ系接着剤が特に好ましい。なお、シリコーン系接着剤の種類は特に限定されず、硬化タイプとしては一液室温硬化タイプ,二液室温硬化タイプ,加熱硬化タイプのいずれでもよい。
また、樹脂シート2との接着性の点からは、接着層が樹脂シート2と同じタイプの樹脂を含むことが好ましい。例えば、樹脂シート2としてポリイミドフィルムを用いる場合には、ポリイミド系接着剤が好ましく用いられる。また、樹脂シート2としてガラエポ基板を用いる場合には、エポキシ系接着剤が好ましく用いられる。
接着剤の色調は、クリアー、白色等、特に限定されない。また、接着剤層が導光しないように光を遮蔽したりするために、あるいは熱伝導性を上げるために、必要により白色や有色の無機顔料や金属酸化物などを接着剤に含有させてもよい。また、接着剤には難燃性を付与するための難燃剤や熱伝導性を向上させるためのフィラーを含有させてもよい。
接着層3としては、白色反射膜よりも硬化時の硬度が低い、具体的には、ショアA硬さが80以下、さらにはショアA硬さが5〜70になるような接着剤に由来する層であることが好ましい。このような柔軟な接着層3を設けた場合には、ショアD硬さが10以上のような硬い白色反射膜1を設けても、白色反射膜1と樹脂シート2との接着性を充分に維持し、クラックが発生することを抑制できる。
接着層3の膜厚は特に限定されないが、0.1〜50μm程度、さらには0.5〜25μm程度、とくには1〜20μm程度であることが好ましい。
白色反射膜と接着層との膜厚の合計としては、1〜2000μm程度、さらには5〜500μm程度、さらに好ましくは10〜150μm程度であることが好ましい。膜厚の合計が薄すぎる場合には、下層の隠蔽性を充分に確保できなくなる傾向があり、厚すぎる場合には塗工、硬化時の加工性、寸法精度が低下したり、コスト高となる傾向がある。
また、白色反射膜の膜厚に対する接着層の膜厚の比率としては、2000:0.1〜1:50、さらには100:1〜10:20であることが好ましい。白色反射膜の膜厚に対する接着層の膜厚が厚すぎる場合には、相対的に白色反射膜の厚みが薄くなりすぎて反射率が低下してしまったり、塗工乾燥に時間がかかり過ぎる傾向がある。また、接着層の膜厚が薄すぎる場合には応力緩和や接着強度が不充分になる傾向がある。
次に、白色反射膜付カバーレイシート10の製造方法の一例について、詳しく説明する。白色反射膜付カバーレイシート10の製造においては、樹脂シート3の表面に易接着性を付与するための表面処理を、必要に応じて施すことが好ましい。このような易接着性を付与するための表面処理の具体例としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線処理、フレーム処理、イトロ処理又は粗面処理のような表面処理の他、例えば、シランカップリング剤を塗布するようなプライマ―処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング、ラビング処理、アルコール系の溶剤による洗浄処理などの易接着のための化学的処理、物理的処理、及びこれらの組み合わせによる処理等が挙げられる。なお、これらの処理の効果は経時的に減衰する場合もあるために、以下に述べる接着剤の塗布の直前に行うことが好ましい。
そして、樹脂シート2の表面に接着層3を形成するための接着剤を塗布する。接着剤としては、液状の接着剤が好ましく用いられる。このような液状の接着剤は樹脂シート2の表面に所定の厚みに塗布された後、半硬化されることが好ましい。接着剤を塗布する方法の具体例としては、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー、ロールコーターやスプレーコーター等の各種コーターを用いた方法等が挙げられる。液状の接着剤の粘度としては、塗工方法にもよるが、0.5〜1500Pa・s、さらには10〜500Pa・s程度であることが好ましい。
そして、このように形成された接着層3の表面に白色反射膜1を形成するためのインクを所定の厚みで塗工する。白色反射膜1を形成するためのインクの調製方法は特に限定されない。具体的には、例えば、未硬化の液状のシリコーン樹脂と無機白色フィラーと必要に応じてさらに配合されるシランカップリング剤等の添加剤を所定の配合組成に従って配合することによりインクが調整される。また、必要に応じて、メチルエチルケトン(MEK)のような非反応性の溶媒や、反応性または非反応性のシリコーン系希釈剤を所定量添加することにより、塗工性を向上させるために粘度を調整してもよい。反応性希釈剤の具体例としては、例えば液状シリコーン樹脂用反応性希釈剤(モメンティブ・マテリアルズ・パフォーマンス社製 商品名:ME91)等が挙げられる。反応性希釈剤は、未硬化の液状のシリコーン樹脂100質量部に対し、0.1〜30質量部、さらには1〜20質量部程度添加することが好ましい。このようにして調整されるインクは、一般的な塗工法により塗工可能である。インクを塗布する方法の具体例としては、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー、ロールコーターやスプレーコーター等の各種コーターを用いた方法等が挙げられる。インクの粘度としては、塗工方法にもよるが、0.5〜1500Pa・s、さらには10〜500Pa・s程度であることが好ましい。
そして、接着層3の表面に白色反射膜1を形成するためのインクを塗布した後加熱することにより、接着剤及びインクを硬化させる。このようにして、樹脂シート2の一方の面に接着層3を介して白色反射膜1が形成される。さらに、白色反射膜1の表面は、ハンドリングや反射特性の改善とともに更なる塵埃の付着性を低下させるために、凹凸を表面に付与するような表面処理が施されてもよい。具体的には、表面に梨地面などを有する型で微細な凹凸を付与したり、表面を化学処理または研磨などの物理的処理により粗面化したりしてもよい。この粗面化により、反射率を向上させることも出来る。
そして、樹脂シート2の白色反射膜1が形成された面に対する反対面に、基板に接着するための基板接着剤層4を形成することにより、白色反射膜付カバーレイシート10が得られる。
基板接着剤層4を形成するための接着剤としては、カバーレイシートを回路基板表面に接着するために従来から用いられている各種接着剤や粘着剤であれば特に限定なく用いられる。接着剤の具体例としては、シリコーン系,ポリイミド系,エポキシ系,ウレタン系等の硬化性を有する接着剤や粘着剤が挙げられる。基板接着剤層4は容易に繰り返し貼り合わせ可能な密着性に優れたゴム鏡面層であってもよい。このような場合には、手直し、分別廃棄などに好適である。
基板接着剤層4の厚みは特に限定されないが、具体的には、例えば、1〜200μm、さらには、5〜100μm程度であることが好ましい。このような基板接着剤層4には、通常、使用前には基板接着剤層4を保護し、使用時に剥離されて基板接着剤層を表出させるための離型紙が積層されていることが好ましい。このようにして白色反射膜付カバーレイシート10が得られる。離型紙の具体例としては、例えば、白色反射膜付カバーレイシートよりも薄いベースフイルムにシリコーンやフッ素樹脂をコートしたフイルムが挙げられる。離形紙を積層することにより、白色反射膜付カバーレイシート10がフレキシブルな白色反射膜付カバーレイフィルムの場合には、ロール状に巻回した状態で取り扱うことができる。また、白色反射膜付カバーレイシート10のハンドリングに腰を必要とする場合は、ベースに腰のある紙やフィルムなどを離型紙として用いることが好ましい。
なお、本発明の白色反射膜付カバーレイシート10に基板接着剤層4を設ける代わりに、貼り合わせる回路基板の表面に予め接着剤層を設けてもよい。
次に、このようにして得られた白色反射膜付カバーレイシート10を回路基板のカバーレイシートとして用いる場合について図2及び図3を参照して説明する。図2は回路基板20の表面に基板接着剤層4を介して白色反射膜付カバーレイシート10を貼り合せたときの様子を模式的に表した上面模式図、図3は図2のIII−III´断面模式図である。
図2及び図3中、11は導電回路であり、12は導電回路11の一部を構成する、部品を実装するための接点になるランドである。図2及び図3に示すように、回路基板20に貼り合せられた白色反射膜付カバーレイシート10には、回路基板20の部品実装領域13が露出するように窓が設けられている。そして、部品実装領域13以外の部分に形成された導電回路11は白色反射膜付カバーレイシート10が接着されて覆われて保護されている。白色反射膜付カバーレイシート10は表面に反射率の高い白色反射膜1を有する。そのために、部品実装領域13のランド12にLED素子、LEDパッケージ、太陽光発電素子等の光デバイスを実装する場合において、導電回路11の部品実装領域13以外の部分にはんだ等が付着して短絡等を生じることを抑制するとともに、LED素子等からの発光を高い反射率で反射したり、太陽光発電素子の高効率の受光を助ける。
回路基板20に白色反射膜付カバーレイシート10を接着する方法は、従来のカバーレイシートを回路基板に貼り合せるのと同様に、基板接着剤層4に貼り合わされた離型紙を剥離した後、回路基板20にカバーレイシートとして白色反射膜付カバーレイシート10を位置合わせして圧着し貼り合せたり、必要により加熱プレスすること等により基板接着剤層4を硬化させて回路基板20に白色反射膜付カバーレイシート10を接着させて、貼り付けるような方法が挙げられる。
回路基板の種類としては、特に限定されず、いわゆるガラエポ基板,窒化アルミニウム基板,セラミック基板等のリジッド基板の回路基板や、ポリイミドフィルム(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリサルフォン(PSF),ポリエーテルサルフォン(PES),ポリエーテルイミド(PEI),非晶質ポリアリレート(PAR),液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルムを基材とするフレキシブルプリント回路基板(FPC)ビスマレイミドトリアジン(BT)が限定なく用いることができる。なお、FPCに白色反射膜付カバーレイシート10として白色反射膜付カバーレイフィルムを接着した場合には、FPCの可撓性を維持しながら、FPCに反射率が高く反射率の経時的な低下の少ない白色反射膜を付与することできる。白色反射膜付カバーレイシート10に形成された白色反射膜はタック性が少なく、電子部品の実装時にも埃塵等が付着しにくい。
[第2実施形態]
本発明に係る白色反射膜付基材は、フレキシブル回路基板(FPC)やリジッド基板のような回路基板の表面に形成された導電回路を保護する白色反射膜を有する白色反射膜付回路基板としても用いられうる。第2実施形態においては、可撓性を有する樹脂フィルム2’の表面に導電回路11が形成されてなるFPC30の表面に接着層3を介して白色反射膜1をレジスト層として形成させた白色反射膜付フレキシブル回路基板40について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号を付与した要素は第1実施形態と同様の要素であり、詳しい説明は省略する。
図4は、樹脂フィルム2’の表面に導電回路11が形成されてなるFPC30の表面に接着層3を介して白色反射膜1を形成した白色反射膜付フレキシブル回路基板40を模式的に表した上面模式図、図5は図4のV−V´断面の模式図である。
図4及び図5中、11は導電回路であり、12は導電回路11の一部を構成する、部品を実装するための接点になるランドである。図4及び図5に示すように、FPC30の表面に形成された白色反射膜1は、FPC30の部品実装領域13が露出するように接着層3を介して形成されている。そして、部品実装領域13以外の部分に形成された導電回路11は反射率の高い白色反射膜1で覆われて保護されている。そのために、部品実装領域13のランド12にLED素子、LEDパッケージ、太陽光発電素子等の光デバイスを実装する場合において、導電回路11の部品実装領域13以外の部分にはんだ等が付着して短絡等を生じることを抑制するとともに、LED素子等からの発光を高い反射率で反射したり、太陽光発電素子の高効率の受光を助けたりする。
FPC30の表面に白色反射膜1を形成する方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。FPC30の表面の部品実装領域13を除いた部分に接着層3を形成するための接着剤を所定の厚みに塗布する。接着剤の塗布方法は、とくに限定されないが、部品実装領域13に接着剤が塗布されないようにマスクしたスクリーン印刷等の方法によることが好ましい。そして、接着剤を塗布した後、所定の温度に加熱することにより接着剤を半硬化させる。接着剤の種類としては、第1実施形態で説明したものと同様のものが用いられうる。
そして、このように形成された接着層3の表面に白色反射膜1を形成するためのインクを所定の厚みに塗工する。白色反射膜1を形成するためのインクの塗布方法も、とくに限定されないが、部品実装領域13にインクが塗布されないようにマスクしたスクリーン印刷等の方法によることが好ましい。そして、インクを塗布した後、所定の条件で接着剤及びインクを硬化させる。
このようにして、FPC30の表面に接着層3を介して硬い白色反射膜1を形成することにより白色反射膜付フレキシブル回路基板40が得られる。白色反射膜付フレキシブル回路基板40は、FPC30の可撓性を維持しながら、タック性の少ない高反射率の白色反射膜1を表面に有する。白色反射膜1はタック性が少ないために電子部品の実装工程において塵埃等が付着しにくい。また、接着層3を設けているために、FPC30が撓んだ場合に撓みに対する追随性に優れているために、高い接着力を維持するとともにクラックが発生しにくい。
次に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は実施例によりなんら限定されるものではない。
(実施例1)
予め、ショアD20の白色反射膜を形成するためのインクを次のようにして調整した。液状のシリコーン樹脂A1(主鎖がポリジメチルシロキサンを主体とし、二液付加反応加熱タイプの旭化成ワッカーシリコーン(株)製の LR3303/80、硬化時のショアA硬さ80)100質量部に対して、ルチル型酸化チタン(堺化学工業(株)製のSR−1、平均粒子径0.25μm)100質量部添加した。なお、ルチル型酸化チタンには、接着性付与成分としてシランカップリング剤であるビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製のSZ6300)を5phr(parts hundred rubber)になるように付着させておいた。そして、三本ロールを用いて液状のシリコーン樹脂A1中にルチル型酸化チタンを均一分散させることによりインクαを調製した。
一方、支持基材である25μmのポリイミドフィルムをメタノールを用いて洗浄した後、その表面にプラズマ処理を施した。次に、ポリイミドフィルムの表面に一液型のシリコーン接着剤A2(旭化成ワッカーシリコーン(株)製の、ELASTOSIL RT 707 W硬化時のショアA硬さ23)をスクリーン印刷法を用いて硬化後の厚みが10μmになるように塗布した。そして、150℃で10分間加熱することにより半硬化させた。次に、半硬化させた一液型のシリコーン接着剤A2の表面にスクリーン印刷法を用いて硬化後の厚みが50μmになるようにインクαを塗布した。そして、150℃で60分間加熱することにより本硬化させた。このようにして、白色反射膜付基材Iを得た。そして得られた白色反射膜付基材を次のようにして評価した。
[初期及び劣化促進処理後の反射率の測定]
はじめに、得られた白色反射膜付基材の波長220〜1000nmの光に対する反射率を分光光度計UV−3150((株)島津製作所製)を用いて測定した。そして、白色反射膜付基材を劣化促進処理として150℃で500時間及び1000時間処理した後の反射率も同様にして測定した。劣化処理前及び劣化処理後の反射率の測定結果を図6に示す。図6に示すように、劣化促進処理の前後において220〜1000nmの波長における反射率は殆ど変化しなかった。また、この熱処理は熱風乾燥機内で行ったために、塵埃の付着による反射率の低下も同時に評価している。
[白色反射膜の硬さの測定]
金型にインクαをポッティングして50mm×50mmで厚み10mmの試験片を成形した。そして、JIS K6253に準拠したデュロメータタイプでショア硬さを測定した。結果を表1に示す。
[白色反射膜のボールタック性の測定]
JIS Z0237の「傾斜式ボールタック」に準拠したボールタック試験を行った。具体的には、30度の傾斜板に、白色反射膜付基材を貼り付け、この白色反射膜付基材の表面でボールを転がした。そして、測定領域内で停止したボールのうち、最大のボールナンバーを特定した。なお、ボールナンバーが大きいほど、タック性が高いことを示している。結果を表1に示す。
[白色反射膜の粉末付着性の評価]
白色反射膜の表面に平均粒子径25μmの蒸着アルミ粉(日本光研工業(株)製アルミフレーク #40)をまんべんなく均一に散布し、ノズル径2mm、エア噴出量160L/minのエアーガンで100mmの距離から吹き飛ばしたときに、残留した蒸着アルミ粉による反射率の低下を測定した。なお、蒸着アルミ粉の散布処理前の白色反射膜の反射率は約96%であった。
[白色反射膜の接着性の評価]
形成された白色反射膜にポリイミドテープを貼り合わせ180°の角度でポリイミドテープを引き剥がし、接着層の剥離強度を測定した。この時、剥離速度は10mm/minで行った。結果を表1に示す。
[折り曲げ後の白色反射膜の接着性及びクラックの評価]
白色反射膜付基材をガードナー式マンドレル屈曲試験機により、直径10mmの金属ロッドを用いて、5000回折り曲げを繰り返した後、白色反射膜の接着性の評価と同様の方法により180°剥離力を測定した。また、クラックの発生の有無を目視観察し表面状態を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、ポリイミドフィルムの表面に硬化時のショアA硬さ23のシリコーン接着剤A2を塗布する代わりに、硬化時のショアA硬さ70になるように架橋剤を調整したシリコーン接着剤B2(旭化成ワッカーシリコーン(株)製のSEMICOSIL989/1K)を塗布した以外は実施例1と同様にして、白色反射膜付基材を得、評価した。結果を表1に示す。なお、初期及び劣化促進処理後の反射率の測定結果は実施例1と同様の結果が得られたので省略する。
(実施例3)
実施例1において、ポリイミドフィルムの表面に硬化時のショアA硬さ23のシリコーン接着剤A2を塗布する代わりに、硬化時のショアA硬さ30のエポキシ系接着剤C2(セメダイン(株)製のPM100)を塗布した以外は実施例1と同様にして、白色反射膜付基材を得、評価した。結果を表1に示す。なお、初期及び劣化促進処理後の反射率の測定結果は実施例1と同様の結果が得られたので省略する。
(実施例4〜7)
実施例1において、ポリイミドフィルムの表面にシリコーン接着剤Aを硬化後の厚みが10μmになるように塗布する代わりに、それぞれ、0.1μm、1μm、20μm、50μmの厚みになるように塗布した以外は実施例1と同様にして、白色反射膜付基材を得、評価した。結果を表1に示す。なお、初期及び劣化促進処理後の反射率の測定結果は実施例1と同様の結果が得られたので省略する。
(実施例8)
実施例1において、硬化時のショアA硬さ80の液状のシリコーン樹脂A1を用いて調製されたインクαを塗布する代わりに、硬化時のショアD硬さ50の液状のシリコーン樹脂(主鎖がポリジメチルシロキサンを主体とし、二液熱硬化付加タイプのモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社社製のIVSM4500)を用いた以外はインクαと同様にして調製された硬化時のショアD硬さ60のインクβを塗布した以外は実施例1と同様にして、白色反射膜付基材を得、評価した。結果を表1に示す。なお、初期及び劣化促進処理後の反射率の測定結果は実施例1と同様の結果が得られたので省略する。
(実施例9)
実施例1において、インクαを塗布する代わりに、硬化時のショアA硬さ80の液状のシリコーン樹脂A1の代わりに、硬化時のショアA硬さ70になるように架橋剤を調整した液状のシリコーン樹脂(主鎖がポリジメチルシロキサンを主体とし、二液熱硬化付加タイプの旭化成ワッカーシリコーン(株)社製のLR3303/60)を用いた以外はインクαと同様にして調製された、硬化したときのショア硬さD10のインクγを塗布した以外は実施例1と同様にして、白色反射膜付基材を得、評価した。結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1において、ポリイミドフィルムの表面に硬化時のショアA硬さ23のシリコーン接着剤A2を塗布する代わりに、硬化時のショアA硬さ30のポリイミド系接着剤D2を塗布した以外は実施例1と同様にして、白色反射膜付基材を得、評価した。結果を表1に示す。なお、初期及び劣化促進処理後の反射率の測定結果は実施例1と同様の結果が得られたので省略する。
(比較例1)
実施例1において、ポリイミドフィルムの表面に硬化時のショアA硬さ23のシリコーン接着剤Aを塗布せずに、ポリイミドフィルムの表面に直接硬化後の厚みが50μmになるようにインクαを塗布した以外は実施例1と同様にして、白色反射膜付基材を得、評価した。結果を表1に示す。なお、初期及び劣化促進処理後の反射率の測定結果は実施例1と同様の結果が得られたので省略する。
(比較例2)
実施例1において、インクαを塗布する代わりに、硬化時のショアA硬さ80の液状のシリコーン樹脂A1の代わりに硬化時のショアD硬さ50の液状のシリコーン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社社製の、主鎖がポリジメチルシロキサンを主体とする、二液熱硬化付加タイプのシリコーン樹脂)を用いた以外はインクαと同様にして調製された、硬化したときのショア硬さD70のインクδを塗布した以外は実施例1と同様にして、白色反射膜付基材を得、評価した。結果を表1に示す。なお、初期及び劣化促進処理後の反射率の測定結果は実施例1と同様の結果が得られたので省略する。
(比較例3)
実施例1において、インクαを塗布する代わりに、硬化時のショアA硬さ80の液状のシリコーン樹脂A1の代わりに硬化時のショアA硬さ60の液状のシリコーン樹脂(主鎖がポリジメチルシロキサンを主体とし、二液熱硬化付加タイプの旭化成ワッカーシリコーン(株)社製のLR3303/60)を用いた以外はインクαと同様にして調製された、硬化したときのショア硬さA70のインクεを塗布した以外は実施例1と同様にして、白色反射膜付基材を得、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2013226769
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜10の白色反射膜付基材は、いずれも、白色反射膜に埃塵が付着することによる反射率の低下が抑制されており、また、白色反射膜の接着性も高く、さらに、クラックも発生しなかった。一方、接着層を形成しなかった比較例1の白色反射膜付基材は、白色反射膜の接着性が著しく低かった。また、白色反射膜の硬度が高すぎる比較例2の白色反射膜付基材においては、クラックが多数発生した。また、白色反射膜の硬度が低すぎる比較例3の白色反射膜付基材においては、白色反射膜に埃塵が付着することにより反射率が約8.3%低下した。
本発明の白色反射膜付基材は、LEDや太陽光発電素子のような素子またはこれらを含むデバイスを実装する回路基板の受発光の効率を向上させることができる。
1 白色反射膜
2 樹脂シート
2’ 樹脂フィルム
3 接着層
4 基板接着剤層
10 白色反射膜付カバーレイシート
11 導電回路
12 ランド
13 部品実装領域
20 回路基板
30 フレキシブル回路基板
40 反射膜付フレキシブル回路基板

Claims (10)

  1. 表面層を形成する白色反射膜と、支持基材と、前記支持基材と前記白色反射膜との間に介在する接着層とを備え、
    前記白色反射膜はシリコーン樹脂と無機白色フィラーとを含有し、且つ、ショアD硬さが10〜60であることを特徴とする白色反射膜付基材。
  2. 前記接着層がショアA硬さが80以下の層である請求項1に記載の白色反射膜付基材。
  3. 前記白色反射膜の表面は、JIS Z0237の「傾斜式ボールタック」に準拠したボールタック試験で測定されたボールナンバーが1以下であり、且つ、その表面に平均粒子径25μmの蒸着アルミ粉を均一に散布し、ノズル径2mm、エア噴出量160L/minのエアーガンで100mmの距離から吹き飛ばす処理をしたときに、該処理の前後における波長220〜1000nmの光の反射率の低下率が5%以下である請求項1または2に記載の白色反射膜付基材。
  4. 前記接着層が、シリコーン系接着剤,ポリイミド系接着剤,エポキシ系接着剤,ウレタン系接着剤、及びアクリル系接着剤から選ばれる少なくとも1種の接着剤から形成された層である請求項1〜3の何れか1項に記載の白色反射膜付基材。
  5. 前記接着層が、シリコーン系接着剤である請求項1〜3の何れか1項に記載の白色反射膜付基材。
  6. 前記支持基材がポリイミド系基材であり、前記接着層がポリイミド系接着剤である請求項1〜3の何れか1項に記載の白色反射膜付基材。
  7. 前記支持基材がリジッドな支持基板である請求項1〜6の何れか1項に記載の白色反射膜付基材。
  8. 前記支持基材が樹脂フィルムである請求項1〜6の何れか1項に記載の白色反射膜付基材。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の白色反射膜付基材と、前記支持基材の前記白色反射膜が形成された面に対する反対面に形成された基板接着剤層と、を備えることを特徴とする白色反射膜付カバーレイシート。
  10. 請求項1〜8の何れか1項に記載の白色反射膜付基材において、前記支持基材の表面に導電回路が形成されており、前記導電回路は電子部品を実装するための実装領域を有し、前記実装領域を除いた領域に、前記導電回路を保護するように前記白色反射膜が形成されていることを特徴とする白色反射膜付回路基板。
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