JP2017018322A - 知育玩具 - Google Patents

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桐渕 千鶴子
Chizuko Kirifuchi
千鶴子 桐渕
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【課題】立体図形に対する子供の理解力をより向上させることが可能となる。【解決手段】知育玩具1は、複数のプレート部材10A〜10Hが立体的に組み立てられてなる組立体2と、組立体2への文字又は図形の描画に用いられるペン部5を有する筆記具3と、を備える。筆記具3は、アルコール系顔料又は水性顔料をインクとして含む。複数のプレート部材10A〜10Hのそれぞれは、透明材料により所定厚さに形成され、厚さ方向D1から見て多角形状を呈し、ペン部5により文字又は図形を描画可能な主面11a,11b及び側面11cを含むプレート本体11と、プレート本体11の縁部27内に設けられた磁石12と、を有し、磁石12により互いに磁気的に連結して、組立体2を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、知育玩具に関する。
従来、教育現場において立体図形の展開図の学習に用いられる知育玩具が知られている。この種の技術として、例えば、特許文献1には、正方形を立方体の展開図の形状に連続させたシートが開示されている。特許文献1に開示されたシートによれば、立体図形と展開図等の平面図形との関係を理解し易くし、立体図形についての学習効果を高めることが図られている。
実開平7−19761号公報
上述したような知育玩具では、子供は予め決まった1パターンの立体図形とその展開図との関係を理解できるにとどまる。近年、例えば知育への関心が益々高まっているのに伴い、立体図形に対する子供の理解力をより向上させ得る知育玩具が望まれる。
そこで、立体図形に対する子供の理解力をより向上させることが可能な知育玩具を提供することを課題とする。
本発明に係る知育玩具は、複数のプレート部材が立体的に組み立てられてなる組立体と、組立体への文字又は図形の描画に用いられるペン部を有する筆記具と、を備え、筆記具は、アルコール系顔料又は水性顔料をインクとして含み、複数のプレート部材のそれぞれは、透明材料により所定厚さに形成され、厚さ方向から見て多角形状を呈し、ペン部により文字又は図形を描画可能な外面を含むプレート本体と、プレート本体の縁部内に設けられた磁石と、を有し、磁石により互いに磁気的に連結して、組立体を形成する。
この知育玩具では、複数のプレート部材を磁石により磁気的に連結して立体的に組み立てることで、組立体を形成する。このため、子供は、プレート部材同士の連結のうち任意の連結を適宜解除することにより、1つの組立体から様々な異なる展開図を得ることができる。また、プレート本体が透明材料により形成されているので、組立体の構造を子供が把握し易い。加えて、この知育玩具は、ペン部を有する筆記具を更に備え、プレート本体の外面がペン部により描画可能に構成されている。そのため、子供は、組立体に文字又は図形を描画することで、当該文字又は図形を組立体の展開時の目印とすることができる。これにより、組立体のどの部分が展開図のどの部分に対応するかの対応関係を、子供に容易に把握させることができる。また、ペン部による描画は、アルコール系顔料インク又は水性顔料インクによるものなので、子供は描画を何度でも行うことができる。したがって、本発明によれば、立体図形に対する子供の理解力をより向上させることが可能となる。
本発明に係る知育玩具において、複数のプレート部材のうちの一部は、プレート本体が無色透明材料により形成された無色プレート部材であり、複数のプレート部材のうちの他の一部は、プレート本体が有色透明材料により形成された有色プレート部材であってもよい。この場合、プレート部材には無色プレート部材と有色プレート部材とが含まれるので、組立体のどの部分が展開図のどの部分に対応するかの対応関係を、子供に一層容易に把握させることができる。
本発明に係る知育玩具において、組立体の外形は、三角柱、三角錐、立方体、直方体、四角錐、五角柱、又は六角柱であってもよい。この場合、三角柱、三角錐、立方体、直方体、四角錐、五角柱、又は六角柱に対する子供の理解力をより向上させることができる。
また、筆記具は、ペン部により外面に描画された文字又は図形を拭き取って消去する消去部を更に有し、消去部は、端面と、角部を介して端面に連続する側面と、を有し、端面は、プレート部材の主面に含まれる大きさであってもよい。この場合、消去部は、筆記具に設けられており、且つ、プレート部材に対して小片となるとともに、角部を有する。そのため、例えばプレート部材の外面に形成された小さな凹部又は溝部内に文字又は図形を描画したとしても、子供は消去部を用いて当該文字又は図形を容易に拭き取って消去することができる。
本発明によれば、立体図形に対する子供の理解力をより向上させることが可能となる。
実施形態に係る知育玩具の構成図である。 (a)は図1のプレート部材の一部を破断して示す斜視図である。(b)は図2(a)におけるIIb−IIb線に沿っての断面図である。 図1の組立体が展開された状態を示す平面図である。 図1の組立体が2つに分割された状態を示す斜視図である。 変形例に係る組立体の構成を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、実施形態に係る知育玩具の構成図である。図1に示されるように、知育玩具1は、遊びを通じて、立体図形に対する子供の理解力を向上させることが可能な知育用玩具である。知育玩具1は、組立体2と、筆記具3と、を備えている。
組立体2は、複数のプレート部材10A〜10Hが立体的に組み立てられて形成されている。組立体2の外形は、例えば、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱等の多角柱、及び三角錐、四角錐等の多角錐である。四角柱には、立方体及び直方体が含まれる。ここでは、組立体2の外形は、立方体である。
プレート部材10A〜10Hのそれぞれは、透明材料により所定厚さに形成された平板部材である。複数のプレート部材10A〜10Hのそれぞれは、厚さ方向D1(図2(a)参照)から見て、例えば、三角形状、矩形状、ひし形状、五角形状等の多角形状を呈している。ここでは、プレート部材10A,10B,10E,10Fは、厚さ方向D1から見て正方形状を呈し、プレート部材10C,10D,10G,10Hは、厚さ方向D1から見て直角二等辺三角形状を呈している。プレート部材10A〜10Hの詳細な構成については、後述する。
組立体2において、プレート部材10Aは、プレート部材10B,10C,10E,10Gのそれぞれと縁部27(図2(b)参照)同士で連結されている。プレート部材10Bは、プレート部材10A,10D,10F,10Hのそれぞれと縁部27同士で連結されている。プレート部材10Cは、プレート部材10A,10E,10Dのそれぞれと縁部27同士で連結されている。プレート部材10Dは、プレート部材10B,10C,10Fのそれぞれと縁部27同士で連結されている。プレート部材10Eは、プレート部材10A,10C,10D,10Gのそれぞれと縁部27同士で連結されている。プレート部材10Fは、プレート部材10B,10D,10E,10Hのそれぞれと縁部27同士で連結されている。プレート部材10Gは、プレート部材10A,10E,10Hのそれぞれと縁部27同士で連結されている。プレート部材10Hは、プレート部材10B,10F,10Gのそれぞれと縁部27同士で連結されている。
筆記具3は、軸筒4と、ペン部5と、キャップ6と、取付筒7と、イレーサー8と、を有している。軸筒4は、内部にアルコール系顔料又は水性顔料をインクとして収容する円筒状部材である。アルコール系顔料は、定着剤を含まず、アルコール系の溶媒に顔料が分散されたインクである。水性顔料は、樹脂が配合され、主に水からなる溶媒に顔料が分散されたインクである。アルコール系顔料又は水性顔料は、黒色インクとされている。ペン部5は、軸筒4の一端部に設けられている。ペン部5は、文字又は図形からなるマークMの組立体2への描画に用いられる。ペン部5は、軸筒4内に収容されたアルコール系顔料又は水性顔料を吐出する。キャップ6は、軸筒4の一端部及び他端部に着脱自在に装着される円筒状部材である。図示する状態では、キャップ6は、軸筒4の他端部に装着されている。キャップ6は、軸筒4の一端部に装着される際、ペン部5を内部に収容する。
ここでは、文字「A」〜「H」及び図形「●」が、マークMとして、複数のプレート部材10A〜10Hの主面11b及び側面11c(図2(a)参照)に描画されている。詳細には、文字「A」〜「H」が、プレート部材10A〜10Hの主面11bに描画されている。図形「●」が、組立状態においてプレート部材10B,10Dの互いに隣接する側面11cのそれぞれに描画されている。
取付筒7は、イレーサー8が装着固定される角筒状部材であり、キャップ6に対して同軸となるように一体化されている。イレーサー8は、例えば、直方体形状を呈し、フェルト等の繊維からなる多孔質部材である。イレーサー8の長手方向の一端部は、取付筒7内に装着固定され、他端部は、取付筒7外に突出している。取付筒7から突出したイレーサー8の他端部は、ペン部5により描画されたマークMを拭き取って消去する消去部として機能する。イレーサー8の他端部は、端面8aと、角部8cを介して端面8aに連続する側面8bと、を有している。端面8aは、プレート部材10A〜10Hの主面11a,11b(図2(a)参照)に含まれる大きさである。即ち、端面8aの面積は、主面11a,11bの面積よりも小さい。端面8aの横幅は、主面11a,11bの横幅及び縦幅よりも小さく、端面8aの縦幅は、主面11a,11bの横幅及び縦幅よりも小さい。
次に、プレート部材10A〜10Hについて説明する。以下の説明では、プレート部材10Aについて図2(a)及び図2(b)を参照して詳細に説明した後、プレート部材10Aとプレート部材10B〜10Hとの違いについて図3を参照して説明する。
図2(a)は、図1のプレート部材の一部を破断して示す斜視図である。図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線に沿っての断面図である。図3は、図1の組立体が展開された状態を示す平面図である。図2に示されるように、プレート部材10Aは、プレート本体11と、磁石12と、を有している。
プレート本体11は、底壁21と、底壁21に対向する上壁22と、底壁21と上壁22とを接続する4つの側壁23と、を有する中空の板状部材である。底壁21及び上壁22は、一辺が例えば75mmの正方形状である。4つの側壁23は、例えば75mm×6mmの矩形状である。
プレート本体11は、例えばABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等の透明プラスチック材料により形成されている。プレート本体11は、プラスチック製とされることで、例えば射出成形により容易に製造可能となる。また、プレート本体11は、透明とされることで、組立体2(図1参照)の内部が見えるようになるため、立体図形に対する子供の理解力をより高めることができる。なお、プレート本体11が透明とは、プレート本体11の光透過率が、プレート本体11を通してプレート本体11の向こう側(プレート本体11を隔てた反対側)の物体や様子が視認できる程度に高い状態を意味する。透明には、完全に透明及び半透明が含まれる。
更に、プレート本体11は、無色透明又は有色透明とされている。様々な色彩のプラスチック材料がプレート本体11の材料として用いられることで、子供の関心を高めることができる。また、組立体2におけるプレート部材10A〜10Hの位置を、子供に容易に把握させることができる。
底壁21と4つの側壁23とは、底部材24として一体化されている。この底部材24の開口が上壁22により覆われることで、プレート本体11が形成されている。底部材24と上壁22とは、高周波溶着等により接合されている。底部材24と上壁22とは、更にプレート本体11の四隅それぞれに設けられた金属製の鳩目25により、互いに接合されている。
プレート本体11は、ペン部5(図1参照)によりマークMを描画可能な外面として、互いに厚さ方向D1で対向する主面11a,11bと、主面11a,11bを厚さ方向D1に接続する側面11cとを含んでいる。主面11a,11b及び側面11cは、平滑性及び光沢性を有する樹脂面である。主面11aは、底壁21の主面により構成されている。主面11bは、上壁22の主面により構成されている。側面11cは側壁23の主面により構成されている。プレート部材10Aは、主面11aが組立体2の内面をなすとともに、主面11bが組立体2の外面をなすように、組立体2に配置されている。
主面11bには、四辺のうちの一辺の中央近傍において、凹部35が設けられている。凹部35は、例えば、射出成型により形成されたパターンである。凹部35内には、知育玩具1の製品名、及び製造元等の情報が凹凸により示されていてもよい。上述したように、主面11bには、筆記具3により文字「A」が描画されている。文字「A」の一部は、凹部35内にも描画されている。なお、文字「A」は、凹部35内に描画されていなくてもよいし、文字「A」の全体が、凹部35内に描画されていてもよい。また、文字「A」は、主面11aに描画されていてもよい。
底部材24の内部には、複数のリブ26が設けられている。複数のリブ26は、底壁21上に設けられている。複数のリブ26は、プレート本体11の中心部から放射状に延び、端部が側壁23に接続されている。
磁石12は、例えば直方体状に形成されている。磁石12の概略外形寸法は、例えば20mm×5mm×3mmである。磁石12は、プレート本体11の縁部27内においてプレート本体11の辺に沿って設けられている。磁石12は、側壁23の内側に、側壁23に沿って隣接するように設けられている。磁石12は、各側壁23に沿って2つずつ並設され、合計で8個設けられている。
磁石12は、例えばフェライト磁石である。磁石12は、厚さ方向D1の一方側に配置されたN極部12a、及び、厚さ方向D1の他方側に配置されたS極部12bを有している。同じ側壁23に沿って並設された2つの磁石12のうちの一方の磁石12では、N極部12aが底壁21側に配置され、S極部12bが上壁22側に配置されている。同じ側壁23に沿って並設された2つの磁石12のうちの他方の磁石12では、S極部12bが底壁21側に配置され、N極部12aが上壁22側に配置されている。即ち、同じ側壁23に沿って磁石12が偶数並設され、各磁石12は、N極部12a及びS極部12bが、当該側壁23の重心に対して点対称となるように配置されている。
磁石12は、プレート本体11の縁部27内に設けられた磁石保持部28により保持されている。磁石保持部28は、磁石12の大きさに対応する内部空間を有し、この内部空間に磁石12を収容して保持する。磁石保持部28は、プレート本体11の縁部27における底壁21と、上壁22と、側壁23と、底壁21に設けられた第1内壁29及び第2内壁30と、により構成される。第1内壁29は、側壁23から所定距離内側で、側壁23に対向して設けられている。第2内壁30は、第1内壁29の対応する側壁23に沿う方向における両端部と、対応する側壁23とを接続している。なお、磁石12は、磁石保持部28によらず、例えば接着等でプレート本体11の縁部27内に固定されていてもよい。
図3に示されるように、プレート部材10B,10E,10Fは、プレート部材10Aと同じ構成を有している。プレート部材10C,10D,10G,10Hは、厚さ方向D1(図2(a)参照)から見た形状がプレート部材10Aと主に相違し、それ以外はプレート部材10Aと概ね一致する。プレート部材10C,10D,10G,10Hには、プレート部材10Aと同様に、各側壁23に沿って磁石12が2つずつ並設されている。したがって、プレート部材10C,10D,10G,10Hには、合計で6個の磁石12が設けられている。
プレート部材10B〜10Hは、プレート部材10Aと同様に、主面11aが組立体2の内面をなすとともに、主面11bが組立体2の外面をなすように、組立体2に配置されている。また、プレート部材10A,10B,10E,10Fは、プレート本体11が無色透明材料により形成された無色プレート部材であり、プレート部材10C,10D,10G,10Hは、プレート本体11が有色透明材料により形成された有色プレート部材である。
組立体2(図1参照)が展開された状態において、プレート部材10E,10A,10Bは、厚さ方向D1に直交する横方向D2に沿って、この順に並ぶとともに、磁石12により互いに磁気的に連結されている。具体的には、プレート部材10Eとプレート部材10Aとが縁部27同士で連結され、プレート部材10Aとプレート部材10Bとが縁部27同士で連結されている。
プレート部材10D,10C,10A、10G,10H,10Fは、厚さ方向D1及び横方向D2に直交する縦方向D3に沿ってこの順に並び、磁石12により互いに磁気的に連結されている。具体的には、プレート部材10Dとプレート部材10Cとが縁部27同士で連結され、プレート部材10Cとプレート部材10Aとが縁部27同士で連結され、プレート部材10Aとプレート部材10Gとが縁部27同士で連結され、プレート部材10Gとプレート部材10Hとが縁部27同士で連結され、プレート部材10Hとプレート部材10Fとが縁部27同士で連結されている。
ここで、プレート部材10C,10Dは、磁石12により、直角二等辺三角形の底辺(頂角の対辺)をなす縁部27同士で互いに磁気的に連結して組み合わさり、厚さ方向D1から見てプレート部材10A,10B,10E,10Fと同じ矩形状を呈している。同様に、プレート部材10G,10Hは、磁石12により、直角二等辺三角形の底辺(頂角の対辺)をなす縁部27同士で互いに磁気的に連結して組み合わさり、厚さ方向D1から見てプレート部材10A,10B,10E,10Fと同じ矩形状を呈している。
図1及び図3から理解されるように、プレート部材10Eとプレート部材10Cとの連結、プレート部材10Eとプレート部材10Gとの連結、プレート部材10Eとプレート部材10Fとの連結、プレート部材10Bとプレート部材10Dとの連結、プレート部材10Bとプレート部材10Hとの連結、プレート部材10Bとプレート部材10Fとの連結、及び、プレート部材10Fとプレート部材10Dとの連結のそれぞれが解除されることにより、組立体2が展開されている。なお、図3とは異なる連結を解除することにより、組立体2が図3とは異なる展開状態とされてもよい。
図4は、図1の組立体が2つに分割された状態を示す斜視図である。図1及び図4から理解されるように、プレート部材10Cとプレート部材10Dとの連結、プレート部材10Aとプレート部材10Bとの連結、プレート部材10Gとプレート部材10Hとの連結、及びプレート部材10Eとプレート部材10Fとの連結のそれぞれが解除されることにより、組立体2が2つに分割されている。
組立体2をこのような分割状態(断面状態)とすることにより、立方体を所定の平面により切断したときに得られる断面図を子供が理解し易くなる。この場合の所定の平面とは、プレート部材10Aとプレート部材10Bとの連結部分に対応する辺と、プレート部材10Dとプレート部材10Eとの連結部分に対応する辺と、を含む平面である。なお、図4とは異なる連結を解除することにより、組立体2が図4とは異なる分割状態とされてもよい。
次に、図1〜図4を参照しながら、子供が筆記具3を使用してマークMを描画する方法、及びマークMを消去する方法の一例について詳細に説明する。マークMの描画には、ペン部5が使用される。使用前の状態では、キャップ6が軸筒4の一端部に装着されており、ペン部5はキャップ6に収容されている。子供は、ペン部5を使用する際、まず、キャップ6を軸筒4の一端部から取り外し、ペン部5を露出させる。子供は、取り外したキャップ6を軸筒4の他端部に装着する。これにより、筆記具3において、ペン部5の反対側にイレーサー8が配置される。なお、子供は、キャップ6を軸筒4の他端部に装着せず、別の場所に保管してもよい。
続いて、子供は、組立体2の外面をなす主面11b及び側面11cに、ペン部5を接触させる。これにより、ペン部5からアルコール系顔料インク又は水性顔料インクが吐出され、主面11b及び側面11cにマークMが描画される。このとき、筆記具3のアルコール系顔料インク又は水性顔料インクが、プレート本体11を構成する樹脂に対して高い付着力を有しているため、マークMの描画が可能となる。子供は、組立状態のプレート部材10A〜10Hに限らず、展開状態及び分割状態のプレート部材10A〜10Hにも自由にマークMを描画することができる。なお、展開状態及び分割状態のプレート部材10A〜10Hであれば、子供は、組立体2の内面をなす主面11aにも容易にマークMを描画することができる。また、子供は、隣接する複数の主面11bにわたってマークMを描画することもできる。
マークMの消去には、イレーサー8を使用できる。例えば、子供は、マークMを消去する際、筆記具3を持ち替え、イレーサー8の端面8aを主面11a,11b又は側面11cに接触させる。これにより、子供は、イレーサー8の端面8aでマークMを拭き取って消去することができる。このようにペン部5とイレーサー8とが軸筒4の両端に配置され、筆記具3として一体化されているので、子供は筆記具3を持ち替えるだけで、マークMを描画する行為とマークMを消去する行為とを容易に切り替えることができる。
マークMが凹部35内に設けられている場合でも、例えば、子供はイレーサー8の角部8cを凹部35の内面に接触させることにより、容易にマークMを拭き取って消去することができる。同様に、マークMが鳩目25に設けられている場合でも、子供はイレーサー8の角部8cを用いることより、容易にマークMを拭き取って消去することができる。
以上説明したように、本実施形態の知育玩具1では、複数のプレート部材10A〜10Hを磁石12により磁気的に連結して立体的に組み立てることで、組立体2を形成している。このため、子供は、プレート部材10A〜10H同士の連結を解除することができ、これらの連結のうち任意の連結を解除することにより、組立体2を容易に展開状態及び分割状態とすることができる。また、子供は、異なる任意の連結を解除することにより、例えば、1つの組立体2から様々に異なる展開状態及び分割状態を得ることができる。
プレート本体11は、透明プラスチック材料により形成されているので、組立体2の構造を子供が把握し易い。また、知育玩具1では、ペン部5を有する筆記具3を更に備え、主面11a,11b及び側面11cがペン部5により描画可能に構成されている。そのため、子供は、組立体2に文字「A」〜「H」及び図形「●」といったマークMを組立体2の主面11a,11b及び側面11cに対して描画することで、マークMを組立体2の点開時の目印とすることができる。これにより、組立体2のどの部分が展開状態及び分割状態のどの部分に対応するかの対応関係を、子供に容易に把握させることができる。また、ペン部5による描画は、アルコール系顔料インク又は水性顔料インクによるものなので、子供は描画を何度でも行うことができる。
ここで、プレート部材10A〜10Hは、所定厚さに形成された平板部材であるため、主面11a,11bに加えて、側面11cに対しても子供が容易に描画を行うことができる。特に、側面11cにマークMを描画することにより、立体図形における辺の位置と、展開図における辺の位置との対応関係を、子供に一層容易に把握させることができる。
プレート部材10A〜10Hのうちの一部は、プレート本体11が無色透明プラスチック材料により形成された無色プレート部材であり、プレート部材10A〜10Hのうちの他の一部は、プレート本体11が有色透明プラスチック材料により形成された有色プレート部材である。このようにプレート部材10A〜10Hには、無色プレート部材と有色プレート部材とが含まれるので、組立体2のどの部分が展開状態及び分割状態のどの部分に対応するかの対応関係を、子供が一層容易に把握できる。また、様々な色彩のプラスチック材料がプレート本体11の材料として用いられることで、子供の関心が高められる。
筆記具3において、イレーサー8が取り付けられた取付筒7は、軸筒4の端部に装着されるキャップ6と一体化されている。したがって、筆記具3は、ペン部5とイレーサー8とを一体化させて用いることができる。また、筆記具3は、イレーサー8がプレート部材10A〜10Hに対して小片となるため、扱い易い。更に、イレーサー8は、角部8cを有するので、凹部35内にマークMが設けられていても、子供が容易に拭き取って消去できる。
以上のことから、知育玩具1によれば、立体図形に対する子供の理解力をより向上させることができる。組立体2を図3に示されるような展開状態とすることで、立体図形の展開図に対する子供の理解力を更に向上させることができる。また、組立体2を図4に示されるような分割状態とすることで、立体図形の断面図に対する子供の理解力を更に向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、組立体2の外形は、立方体に限らず、複数のプレート部材が立体的に組み立てられて形成されるものであればよい。また、組立体2は、プレート部材10A〜10Hに限らず、他のプレート部材により形成されていてもよい。組立体2は、例えば、厚さ方向D1から見て矩形状を呈するプレート部材だけで、組立体2の外形が立方体となるように形成されていてもよい。また、プレート部材10C,10D,10G,10Hに代えて、例えば、厚さ方向D1から見て正三角形状を呈するプレート部材を用いて組立体2としてもよい。この場合、組立体2の外形は、底面及び上面が菱形をなす四角柱となる。この場合でも、組立体2を図3に示される展開状態と同様の展開状態とすることができるとともに、図4に示される分割状態と同様の分割状態とすることができる。
図5は、第1〜第6変形例に係る組立体の構成を示す斜視図である。図5(a)に示されるように、第1変形例に係る組立体2Aの外形は、三角錐である。組立体2Aは、厚さ方向D1(図2(a)参照)から見て正三角形状を呈する4つのプレート部材10Jのそれぞれの縁部27(図2(b)参照)同士が、互いに磁気的に連結されることにより、形成されている。プレート部材10Jは、厚さ方向D1から見た形状の点でプレート部材10A(図2(a)参照)と主に相違しているものの、それ以外の点でプレート部材10Aと概ね一致している。プレート部材10Jには、プレート部材10Aと同様に、各側壁23に沿って磁石12が2つずつ並設されている。したがって、プレート部材10Jには、合計で6個の磁石12が設けられている。
図5(b)に示されるように、第2変形例に係る組立体2Bの外形は、正三角柱である。組立体2Bは、正三角柱の底面及び上面をなす2つのプレート部材10Kと、正三角柱の側面をなす3つのプレート部材10Lとが縁部27同士で磁気的に連結されることにより、形成されている。プレート部材10Kは、厚さ方向D1から見て正三角形状を呈し、プレート部材10J(図5(a)参照)と同じ構成を有している。プレート部材10Lは、厚さ方向D1から見て正方形状を呈し、プレート部材10A(図2(a)参照)と同じ構成を有している。
図5(c)に示されるように、第3変形例に係る組立体2Cの外形は、長さ、幅、高さの比が2対1対1である直方体である。組立体2Cは、厚さ方向D1から見て長さ、幅の比が2対1である長方形状を呈する2つのプレート部材10Mと、厚さ方向D1から見て正方形状を呈する6つのプレート部材10Nとが縁部27同士で磁気的に連結されることにより、形成されている。プレート部材10Mは、長さ、幅の比が2対1である長方形状の底面及び上面をなし、プレート部材10Nは、幅、高さの比が1対1である正方形状の側面をなし、2つのプレート部材10Nが縁部27同士で互いに連結されたものが、長さ、高さの比が2対1である長方形状の側面をなしている。プレート部材10Mは、厚さ方向D1から見た形状の点、及び、各長辺側の側壁23に沿って磁石12が4つずつ並設されている点で、プレート部材10Aと主に相違しているものの、それ以外の点でプレート部材10Aと概ね一致している。プレート部材10Mの各短辺側の側壁23には、プレート部材10Aと同様に、各側壁23に沿って磁石12が2つずつ並設されている。したがって、プレート部材10Mには、合計で12個の磁石12が設けられている。プレート部材10Nは、プレート部材10A(図2(a)参照)と同じ構成を有している。
図5(d)に示されるように、第4変形例に係る組立体2Dの外形は、正四角錐である。組立体2Dは、正四角錐の底面をなすプレート部材10Pと、正四角錐の側面をなす4つのプレート部材10Qとが、縁部27同士で磁気的に連結されることにより、形成されている。プレート部材10Pは、厚さ方向D1から見て正方形状を呈し、プレート部材10A(図2(a)参照)と同じ構成を有している。プレート部材10Qは、厚さ方向D1から見て正三角形状を呈し、プレート部材10J(図5(a)参照)と同じ構成を有している。
図5(e)に示されるように、第5変形例に係る組立体2Eの外形は、正五角柱である。組立体2Eは、正五角柱の底面及び上面をなす2つのプレート部材10Rと、正五角柱の側面をなす5つのプレート部材10Sとが縁部27同士で磁気的に連結されることにより、形成されている。プレート部材10Rは、厚さ方向D1から見て正五角形状を呈している。プレート部材10Rは、厚さ方向D1から見た形状の点でプレート部材10Aと主に相違しているものの、それ以外の点でプレート部材10Aと概ね一致している。プレート部材10Rには、プレート部材10Aと同様に、各側壁23に沿って磁石12が2つずつ並設されている。したがって、プレート部材10Rには、合計で10個の磁石12が設けられている。プレート部材10Sは、厚さ方向D1から見て正方形状を呈し、プレート部材10A(図2(a)参照)と同じ構成を有している。
図5(f)に示されるように、第6変形例に係る組立体2Fの外形は、正六角柱である。正六角柱の底面及び上面は、厚さ方向D1から見て正三角形状を呈する4つのプレート部材10Tと、厚さ方向D1から見て内角が60度及び120度であるひし形を呈するプレート部材10Uとが、縁部27同士で磁気的に連結されることにより、形成されている。プレート部材10Uでは、内角が120度である角部が五角形の中心に配置されている。正六角柱の側面は、厚さ方向D1から見て正方形状を呈する6つのプレート部材10Vにより形成されている。組立体2は、これらのプレート部材10T,10U,10Vが縁部27同士で磁気的に連結されることにより、形成されている。
上記実施形態では、知育玩具1は、イレーサー8を備えているが、イレーサー8を備えていなくてもよい。子供は手、布巾、紙等によりマークMを拭き取って消去してもよい。また、イレーサー8は、イレーサー8が装着固定される取付筒7がキャップ6と一体化されていることから、筆記具3としてペン部5と機能的に一体化され得るが、必ずしもこれに限られない。例えば、取付筒7がキャップ6と別体とされ、イレーサー8がペン部5と一体化され得ない構成であってもよい。また、イレーサー8は、取付筒7に装着固定されていなくてもよい。
プレート部材10A〜10Hにおいて、磁石12は、各側壁23に沿って1個だけ配置されていてもよい。また、磁石12は、4個ずつ又は6個ずつ並設され、N極部12a及びS極部12bが、当該側壁23の重心に対して点対称となるように配置されていてもよい。プレート部材10A〜10Hは、全て無色プレート部材であってもよいし、全て有色プレート部材であってもよい。また、プレート部材10A〜10Hの少なくとも一部は、主面11bが組立体2の内面をなすとともに、主面11aが組立体2の外面をなすように、組立体2に配置されていてもよい。
アルコール系顔料インク又は水性顔料インクは、黒色に限らず、他の色であってもよい。例えば、有色プレート部材に用いる場合、有色プレート部材の色に応じてアルコール系顔料インク又は水性顔料インクの色が設定されてもよい。即ち、アルコール系顔料インク又は水性顔料インクの色は、有色プレート部材の色と異なる色であって、視認が容易な色とされてもよい。
凹部35は、主面11bの特定の場所に限らず、どの場所に設けられていてもよい。また、凹部35は、主面11a及び側面11cに設けられていてもよい。凹部35は、例えば、射出成型の際、溶融された樹脂を金型に注入するための注入口に対応して形成された窪みであってもよい。更に、主面11a,11b及び側面11cには、溝が設けられていてもよい。このような凹部35及び溝内にマークMが設けられていても、イレーサー8が小片であるとともに、角部8cを有するので、子供が容易に拭き取って消去できる。
主面11aには、周囲よりも透明性が低い1又は複数の低透明部が設けられていてもよい。低透明部は、複数設けられる場合、主面11aに規則的又は不規則に配置されてもよい。低透明部では、例えば、プレート本体11の内面をなす底壁21の主面(主面11aと厚さ方向D1で対向する面)が、つや消しされて形成されている。低透明部が設けられていることにより、描画を行う主面11aの位置を子供が把握し易くなる。また、低透明部は、射出成型の金型から底壁21を取り出す際に用いられる突出しピン用のマークを兼ねていてもよい。
1…知育玩具、2…組立体、3…筆記具、5…ペン部、8…イレーサー(消去部)、8a…端面、8b…側面、8c…角部、10A〜10H,10J〜10V…プレート部材、11…プレート本体、11a,11b…主面(外面)、11c…側面(外面)、12…磁石、27…縁部、M…マーク(文字又は図形)。

Claims (4)

  1. 複数のプレート部材が立体的に組み立てられてなる組立体と、
    前記組立体への文字又は図形の描画に用いられるペン部を有する筆記具と、を備え、
    前記筆記具は、アルコール系顔料又は水性顔料をインクとして含み、
    前記複数のプレート部材のそれぞれは、
    透明材料により所定厚さに形成され、厚さ方向から見て多角形状を呈し、前記ペン部により前記文字又は前記図形を描画可能な外面を含むプレート本体と、
    前記プレート本体の縁部内に設けられた磁石と、を有し、
    前記磁石により互いに磁気的に連結して、前記組立体を形成する、知育玩具。
  2. 前記複数のプレート部材のうちの一部は、前記プレート本体が無色透明材料により形成された無色プレート部材であり、
    前記複数のプレート部材のうちの他の一部は、前記プレート本体が有色透明材料により形成された有色プレート部材である、請求項1記載の知育玩具。
  3. 前記組立体の外形は、三角柱、三角錐、立方体、直方体、四角錐、五角柱、又は六角柱である、請求項1又は2記載の知育玩具。
  4. 前記筆記具は、前記ペン部により前記外面に描画された前記文字又は前記図形を拭き取って消去する消去部を更に有し、
    前記消去部は、端面と、角部を介して前記端面に連続する側面と、を有し、
    前記端面は、前記プレート部材の主面に含まれる大きさである、請求項1〜3のいずれか一項記載の知育玩具。
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