JP2017017950A - 固定子の製造方法 - Google Patents

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数馬 金田
Kazuma Kaneda
数馬 金田
聖治 廣瀬
Seiji Hirose
聖治 廣瀬
小西 智之
Tomoyuki Konishi
智之 小西
貴 遠藤
Takashi Endo
貴 遠藤
中山 忠弘
Tadahiro Nakayama
忠弘 中山
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Abstract

【課題】複数の分割鉄心を容易に円筒状に配置でき、焼嵌め時に分割鉄心の位置ずれを生ずることなく、安価に製造することが可能な固定子の製造方法を提供すること。
【解決手段】円柱状の電磁石の周壁にヨーク部及びティース部を有する複数の分割鉄心のティース部側を吸着させて複数の分割鉄心を円筒状に並べて配置する工程と、電磁石の軸方向の一端側に片寄った位置において、複数の分割鉄心を外側から電磁石に向けて押さえ付ける仮留め具を設ける工程と、円筒状に並べられた複数の分割鉄心の外径と略同径の内径を有する円筒形状のケースを加熱し、複数の分割鉄心を一端側からケース内へ挿入し、複数の分割鉄心とケースとを嵌合する焼嵌め行程とを備える。この固定子の製造方法によると、仮留め具は、複数の分割鉄心を押さえ付ける力を維持したまま、ケースへの複数の分割鉄心の挿入動作によって、電磁石の軸方向の他端側に向かって移動される。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、例えば、回転電機の固定子を製造する方法に関する。
回転電機に組み込まれる固定子は、例えば、複数の分割鉄心を円環状に配置した固定子鉄心をケースへ焼き嵌めすることにより製造される。この際、円筒状に配置した複数の分割鉄心の外周をバンドで縛ることにより、外力により分割鉄心の円筒形状が崩れることを防止する。そして、このように縛られた分割鉄心は、焼き嵌め時にバンドが外されケースの中へ挿入される。
しかしながら、バンドを外した状態で複数の分割鉄心をケース内へ挿入するときに、隣接する分割鉄心の間でズレを生じることがある。このズレは、固定子鉄心の円筒形状の歪みの原因となる。
固定子鉄心の円筒形状を保持する方法として、複数の分割鉄心の内側に電磁石を配置し、その磁力により吸着させるとともに、隣接する分割鉄心のいわゆるヨーク部分の接合面に互いに凹部又は凸部を設けることにより複数の分割鉄心を嵌合させて固定する方法が知られている。
この方法によると、凹凸部により分割鉄心同士が嵌合されるため、焼き嵌め時における分割鉄心のズレを低減させることが可能であるが、分割鉄心に凹凸形状の加工が必要となり高価となる。
特開2014−233164 特開2014−233165
そこで、本発明の実施形態は、複数の分割鉄心を容易に円筒状に配置でき、焼き嵌め時に分割鉄心の位置ずれが生じることがなく、安価に製造することが可能な固定子製造方法を提供することを目的とする。
実施形態に係る固定子の製造方法は、円柱状の電磁石の周壁にヨーク部及びティース部を有する複数の分割鉄心のティース部側を吸着させて複数の分割鉄心を円筒状に並べて配置する工程と、電磁石の軸方向の一端側に片寄った位置において、複数の分割鉄心を外側から電磁石に向けて押さえ付ける仮留め具を設ける工程と、円筒状に並べられた複数の分割鉄心の外径と略同径の内径を有する円筒形状のケースを加熱し、複数の分割鉄心を一端側からケース内へ挿入し、除熱することにより複数の分割鉄心とケースとを嵌合する焼嵌め行程とを備える。この固定子の製造方法において、仮留め具は、複数の分割鉄心を押さえ付ける力を維持したまま、ケースへの複数の分割鉄心の挿入動作によって、電磁石の軸方向の他端側に向かって移動される。
図1は、実施形態に係る固定子の分解斜視図である。 図2は、実施形態に係る固定子の分割鉄心の仮留め工程のフロー図である。 図3は、図2の仮留め工程で使用する治具に分割鉄心が並べられている状態を示す斜視図である。 図4は、図3の治具に並べられた分割鉄心に仮留め具が配置される状態を示す分解斜視図である。 図5は、図4の仮留め具が分割鉄心に取り付けられた組立体を示す斜視図である。 図6は、実施形態に係る分割鉄心をケースに焼き嵌めする工程を示すフロー図である。 図7は、図6の焼き嵌め工程で使用する焼き嵌め装置の斜視図である。 図8は、図7の装置を用いて焼き嵌めを開始する状態を示す断面図である。 図9は、焼き嵌めが開始され、ボードとレール部材が接触した状態を示す断面拡大図である。 図10は、ケースの内部から治具を抜いた状態を示す断面図である。 図11は、実施形態に係る仮留め具の変形例を示す斜視図である。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
まず初めに、実施形態に係る固定子1について、図1を用いて説明する。図1は、固定子1の分解斜視図である。なお、固定子1の内側に図示しない回転子が配置され、回転電機が構成される。
固定子1は、ケース10と、固定子鉄心30とを有する。固定子鉄心30は、ケース10の内部に配置される。ケース10は、円筒形状の周壁11を備え、周壁11の一方の端部である図示上端に円環状の蓋体13を備えている。
固定子鉄心30は、複数の分割鉄心40を円筒状に並べて配置することにより形成されている。各分割鉄心40は、簡単に説明すると、ブロック状の磁性体により形成される磁性コア41と、磁性コア41に複数回巻き付けられるコイル43と、を有している。なお、本実施形態に係る分割鉄心40においては、磁性コア41とコイル43との間に絶縁部材であるインシュレータ45を有している。
具体的には、磁性コア41は、図3に示すように、複数個結合することにより円筒を形成するブロック状の部材である。磁性コア41は、ヨーク部分410と、ティース部分430と、を有する。ヨーク部分410は、円筒状に配置されたときに外周面31(図1参照)を形成する湾曲した板状の部分である。ヨーク部分410は、固定子鉄心30の外周面31の一部を形成する外壁面411と、隣接する2つの分割鉄心40と接合する2つのヨーク側面413とを有する。ヨーク部分410の外壁面411は、後述する台座51の外筒510と同じ曲率に湾曲している。2つのヨーク側面413は、隣接して並べられる他の分割鉄心40のヨーク側面413と接合する。すなわち、ヨーク側面413は、分割鉄心40を円筒状に並べるため、半径方向に沿って角度が付けられている。これにより、所定数の分割鉄心40を円筒状に隙間なく配置することができる。
ティース部分430は、ヨーク部分410の外壁面411の反対側から突出している部分である。ティース部分430は、インシュレータ45を介してコイル43が巻かれる部分である。また、ティース部分430は、複数の分割鉄心40が円筒状に配置された固定子鉄心30の内周面35の一部である内壁面431を有する。ティース部分430の内壁面431は、後述する電磁石53の周壁531と略同じ曲率に湾曲する。
インシュレータ45は、磁性コア41のティース部分430のヨーク部分410との接続端側から内壁面431までの間を覆うように設けられる絶縁部材である。インシュレータ45は、例えば、2つの部材から形成され、ティース部分430の所定の範囲を覆ういわゆるボビン形状(図示せず)を有している。そして、図3に示すように、インシュレータ45の図示下端側にリブ450a、上端側にリブ450bを備えている。
続いて、固定子1の製造方法について説明する。まず、固定子鉄心30の仮留め工程について図2〜図5を用いて説明する。
図2は、固定子鉄心30の仮留め工程のフロー図である。図3は、治具50に分割鉄心40を並べている状態を示す斜視図である。図4は、治具50に配置された分割鉄心40に仮留め具60を取り付ける状態を示す斜視図である。図5は、治具50に配置された分割鉄心40に仮留め具60が取り付けられた組立体70を示す斜視図である。
治具50は、図3に示すように、台座51と電磁石53とを備えている。
台座51は、軸方向の一端が塞がれた略円筒形の外筒510と、外筒510よりも外径が小さい円柱状の基台520とを備える。基台520は、外筒510の内側で外筒510と同軸に配置される。すなわち、基台520の外周と外筒510の内周の間には、所定の幅の円筒状の溝530が形成されている。円筒状の溝530の径方向の幅は、電磁石53の周壁531に沿って円環状に配置される分割鉄心40の径方向の幅よりも若干狭く形成される。
電磁石53は、図3に示すように、基台520と略同じ直径を有する略円柱状の金属芯533と、金属芯533に巻き付けられるコイル535とを有している。金属芯533は、周壁531の略中央部に凹部537を備え、その凹部537に沿ってコイル535が巻き付けられている。言い換えれば、電磁石53は、いわゆるボビン形状をした金属芯533の凹部537にコイル535が巻き付けられて構成されている。
また、本実施形態における電磁石53の周壁531には、樹脂シートPが貼り付けられている。樹脂シートPは、例えば、絶縁性を有するポリエステルフィルム等である。
上記構造の治具50を用いて複数の分割鉄心40を円筒状に仮留めする。以下、図2を用いて、分割鉄心40の仮留め方法について説明する。
まず初めに台座51を用意し、基台520の上に電磁石53を配置する(Act101)。続いて、電磁石53のコイル535に電流を流し、磁力を発生させる(Act102)。このときの磁力の強さは、分割鉄心40が容易に外れず、且つ、電磁石53と吸着した分割鉄心40の位置を作業者が手作業により微調整可能な程度の強さに設定される。
作業者は、図3に示すように、磁力を帯びた電磁石53の周壁531に1つ目の分割鉄心40のティース部分430の内壁面431を電磁石53の周壁531に吸着させる。このとき、作業者は、分割鉄心40の磁性コア41のヨーク部分410の図示下端を台座51の外筒510の周縁部511に当接させて配置する。なお、磁性コア41の図示下側に設けられるインシュレータ45のリブ450aは、外筒510の溝530側に位置し、外筒510の内側に位置する。これにより、磁性コア41が外筒510から外れることを防ぐ。
次に、作業者は、2つ目の分割鉄心40を1つ目の分割鉄心40の隣に並べて電磁石53の周壁531に沿って配置する。このとき、作業者は、2つ目の分割鉄心40のヨーク側面413と1つ目の分割鉄心40のヨーク側面413とを隙間なく配置する。さらに、作業者は、3つ目以降の分割鉄心40も同様に電磁石53の周壁531に吸着させるとともに隣り合うヨーク側面413が互いに密着するように並べて配置していく(Act103)。すると、図4に示すように、所定数の分割鉄心40を並べた時点において、電磁石53の周壁531に沿って、円筒状に分割鉄心40が配置される(Act104)。言い換えれば、上述のように複数の分割鉄心40を円筒状に配置することにより固定子鉄心30が形成される。
その後、図4に示すように、電磁石53の周りに形成された円筒状の固定子鉄心30を仮留め具60で仮固定する(Act105)。
仮留め具60は、図4に示すように、湾曲した半円環状の2本のレール部材61と、2本のばね63とを備えている。
レール部材61は、固定子鉄心30の外周面31に沿って周方向に延設される。レール部材61は、第1面(内面)613と、第2面(外面)611と、2つの側面617とを備えている。第1面613は、固定子鉄心30の外周面31と接触する。第2面611は、第1面613の反対側に設けられ、ばね63を嵌め込むためのレール状の凹部615を備える。2つの側面617は、第1面613と第2面611と略直交する壁面である。
なお、本実施形態においては、レール部材61は、2つを連結した状態で固定子鉄心30の全周よりも若干短くなる長さに設計されている。このように、2つのレール部材61の合計長を固定子鉄心30の全周よりも短くすることにより、固定子鉄心30にセットされたときに、2つのレール部材61の端部間に隙間が生じる。作業者は、この状態のレール部材61の凹部615にばね63を引っ張りながら嵌め込む。ばね63の復元力により、固定子鉄心30は、レール部材61を介して電磁石53に向けて押さえ付けられる。これにより、仮留め具60は、固定子鉄心30を仮留めする。ここで、図4に示すように、本実施形態において、仮留め具60は、固定子鉄心30の一端側(図示上側)に片寄って取り付けられる。これは、後述する焼き嵌め工程において、ケース10へ挿入される固定子鉄心30の挿入端側を精度良く円筒形状に束ねておくためである。
また、レール部材61は、固定子鉄心30の外周面31を整える。すなわち、仮留め具60を取り付ける前の治具50に円筒状に並べられた固定子鉄心30は、分割鉄心40の位置のバラつきにより、外周面31に凹凸を有していることがある。レール部材61は、固定子鉄心30の外周面31を第1面613で押圧することにより、外周面31の凹凸をならす。言い換えれば、レール部材61は、固定子鉄心30の外周面31をレール部材61の第1面613を基準とする理想的な円筒形状にすることができる。
なお、仮留め具60として用いられるレール部材61の数はこれに限られない。例えば、一部が離間した円環状の1つのレール部材61を用いることも可能である。また、3つや4つに分割されたレール部材61を用いることも可能である。
また、本実施形態においては、レール部材61の材料として、アルミニウムを用いた。レール部材61の材料は、アルミニウムに限定されず、接触する固定子鉄心30の磁性コア41の材質等を考慮して適宜決定される。
ばね63は、いわゆる引張コイルばねを用いた。本実施形態においては、図4に示すように、作業者は、2本のばね63の両端部を互いに連結して円環状に繋げる。そして、作業者は、作製された円環状のばね63を引っ張りながらレール部材61の凹部615に嵌め込む。ばね63の復元力より、ばね63がレール部材61を介して固定子鉄心30の外周面31を電磁石53に向けて押さえ付ける。また、2本のばね63は、それぞれ、ばね63の長手方向の略中央に、一方のレール部材61と他方のレール部材61の端部間の隙間が位置するように配置される。このようにして、図5に示すように、治具50に固定子鉄心30を、仮留め具60で仮固定した組立体70が作製される。
なお、ばね63の締め付け強度(ばね強度)については、特に定められていないが、固定子鉄心30の外周面31を理想的な円筒形状にならすことができ、且つ、固定子鉄心30の軸方向に仮留め具60を所定の力でスライドすることができる強度に作製される。
上述の構成を有する組立体70は、図5に示すように、固定子鉄心30の図示上方を仮留め具60で束ねられ、仮固定されている。また、固定子鉄心30の図示下方については、各分割鉄心40に設けられるインシュレータ45のリブ450aが台座51の溝530に突き出ることにより、外筒510の内側において固定子鉄心30の位置ずれを防止している。
このため、組立体70の固定子鉄心30は、例えば、停電等により意図せずに電磁石53の磁力が消失した場合においても、固定子鉄心30を構成する分割鉄心40の仮固定の位置を維持することができる。
続いて、上記のように仮留めされた固定子鉄心30をケース10内に焼き嵌めする工程について、図6から図10を用いて説明する。図6は、固定子鉄心30とケース10との焼き嵌め工程を示すフロー図である。図7は、固定子鉄心30をケース10に焼き嵌めする焼き嵌め装置100の斜視図である。図8から図10は、治具50に固定された固定子鉄心30をケース10へ焼き嵌めする状態を示す断面図である。なお、図8から図10において、説明をわかりやすくするため、昇降台300の図示は省略して説明する。
まず、始めに、焼き嵌め装置100の構成について図7を用いて説明する。
焼き嵌め装置100は、恒温槽200と、昇降台300とを備える。
恒温槽200は、その一面に開閉可能なドア(図示せず)が取り付けられている筐体を有する。すなわち、恒温槽200は、いわゆるオーブンである。恒温槽200の内部空間には、ケース10を固定可能なボード210が設けられている。
ボード210は、表面230にケース10を固定するための保持具250を備える。ボード210は、ケース10を恒温槽200へ搬入、または、搬出するため恒温槽200の底部にスライド自在に取り付けられている。また、ボード210は、昇降台300の固定部315に対向する位置に4つの孔215を備える。
昇降台300は、テーブル310と、昇降機330とを備えている。
テーブル310は、略中央に治具50が突没可能な孔部311を有する方形板状の部材である。また、テーブル310は、その表面313に恒温槽200から搬出されたボード210を固定するための固定部315を4箇所に備えている。
また、昇降機330は、図7に示すように、組立体70を台座51の底部側から支持し、組立体70を固定子鉄心30の軸方向に昇降させる装置である。すなわち、昇降機330は、テーブル310の孔部311から固定子鉄心30を突没させる。さらに言えば、昇降機330は、ケース10と同軸上に配置された固定子鉄心30をケース10の軸に沿って嵌め込むための装置である。
上記構造の焼き嵌め装置100を用いて、固定子鉄心30をケース10へ焼き嵌めする。
始めに、図8に示すように、作業者は、保持具250を用いてボード210へケース10を固定する。ボード210へ固定されたケース10は、恒温槽200へ搬入され、200度で120分ほど加熱される(Act201)。
作業者は、ケース10を加熱している間に、上述したように組立体70を昇降台300の昇降機330にセットする(Act202)。
作業者は、規定された任意の加熱時間が経過した後、約200度に加熱されたケース10を恒温槽200から搬出する。このとき、作業者は、ボード210を矢印S(図7参照)の方向にスライドさせ、ケース10を昇降台300のテーブル310上の規定された位置に移動する。
作業者は、規定された位置までボード210を移動すると、テーブル310に設けられた4つの固定部315から棒状突起(図示せず)をボード210の裏面に設けられた孔215に向かってテーブル310から上方に突出し、ボード210とテーブル310とを位置決めし固定する。ここで、規定された位置とは、ケース10と、固定子鉄心30が同軸に位置している状態である。
作業者は、規定された位置にボード210が固定されていることを確認後、昇降機330を駆動する(Act203)。作業者が昇降機330を駆動させると、図8の矢印の示す方向(図示上方)に、固定子鉄心30が移動を開始する。言い換えれば、ケース10と同軸に配置された固定子鉄心30は、ケース10の軸に沿って図示上方に移動し、ケース10の内側へ向かって昇降機330により持ち上げられる(Act204)。
ケース10の内部へ向かって、固定子鉄心30の挿入が開始されると、図9に示すように、固定子鉄心30の図示上方に設置された仮留め具60(図8参照)のレール部材61の側面617がボード210の裏面211の孔213の縁と当接する。
図9に示すように、固定子鉄心30をケース10の内部へ向かって上昇させている間、仮留め具60は、ボード210の裏面211に係合されて移動を禁止される。一方、固定子鉄心30は、昇降機330によって矢印の方向に(図示上方)押上げられて、ケース10の内側へ嵌め込まれる。言い換えれば、仮留め具60は、ボード210の裏面211に押し当てられ、固定子鉄心30の外周面31をスライドしながら、固定子鉄心30と同径の外周を有する台座51の外筒510まで、押し下げられる。すなわち、仮留め具60は、電磁石53の軸方向の他端側に向かって移動し、押し下げられる。
固定子鉄心30の全てがケース10に挿入された後、作業者は、昇降機330の操作を一旦停止する。そして、この状態で、作業者は、1分から5分程度ケース10を放置する(Act205)。
固定子鉄心30の全てがケース10に挿入された状態で、数分間放置することにより、ケース10の温度が下がりケース10が収縮する。これにより、ケース10の内側に挿入された固定子鉄心30がケース10の内部に保持される。なお、ケース10の放置時間は、例えば、ケース10の材質やケース10の周壁の厚みより適宜調整される。
次に、作業者は、電磁石53の電流を切り磁力をなくす(Act206)。これにより、固定子鉄心30と電磁石53との吸着が解除される。この状態で、作業者は、図10に示すように、昇降機330を操作し治具50を下降させる(Act207)。この操作により、固定子鉄心30の内側に配置されていた電磁石53が外れ、固定子鉄心30がケース10の内周面15に固定された固定子1(図1参照)が作製される。
この工程においては、ケース10は、依然として高温であるため、その後一定時間、室温に放置し、ケース10を除熱する(Act208)。その後、固定子鉄心30が焼き嵌めされたケース10に図示しないバスリングを嵌め込み、コイル43を配線して固定子1を作製する(Act209、Act210)。
以上のように、本実施形態によれば、焼き嵌め工程のときに、作業者が固定子鉄心30から仮留め具60を外して、ケース10へ挿入する必要がない。すなわち、仮留め具60を固定子鉄心30に留めた状態で、ケース10に固定子鉄心30を挿入することができる。このため、固定子鉄心30を形成する複数の分割鉄心40の位置が焼き嵌め工程中に動くことがない。このため、理想的な円筒形状を維持した状態の固定子鉄心30をケース10に挿入し焼き嵌めすることができる。
また、仮留め具60は、図5に示すように、ばね63の復元力により固定子鉄心30を図示上方において固定している。これにより固定子鉄心30は、固定子鉄心30のケース10への挿入端側を精度良く円筒形状に束ねておくことができる。
このため、ケース10への固定子鉄心30の挿入時において、固定子鉄心30の円筒形状の歪みや、軸ずれを防ぐことができる。また、仮留め具60で仮固定されている固定子鉄心30は、組立体70を昇降台300へ移動する場合の振動等に対しても安定して保持されている。
また、本実施形態によれば、固定子鉄心30のケース10への挿入工程において、仮留め具60は、ボード210の裏面211に押し当てられる。一方、仮留め具60の第1面613側に位置する固定子鉄心30及び電磁石53は、ケース10の内周面15に沿って軸方向にスライドし、ケース10内へと挿入される。
仮留め具60は、ばね63と固定子鉄心30の間にレール部材61を配置していることにより、固定子鉄心30を面で押圧することができる。このため、仮留め具60は、固定子鉄心30の外周面31を理想的な円柱形状にならすことができる。すなわち、隣接する各分割鉄心40のヨーク側面413同士が精度よく接合される。また、これにより磁束の漏れを防ぐことができる。
また、仮留め具60は、レール部材61の溝611にばね63を嵌め込む構成としている。作業者は、固定子鉄心30への仮留め具60の取付け前に、レール部材61の溝611にばね63を嵌め込み、この状態で固定子鉄心30へ一度に仮留め具60を取り付けることができる。このため、ばね63の押さえ付け位置がレール部材61から外れることがなく、作業性も良い。
また、本実施形態に係る仮留め具60は、ばね力で固定子鉄心30を締め付けて仮留めする構成としている。このため、仮留め具60を固定子鉄心30に取り付ける度に、作業者がその締め付け強度を調節する必要がない。このため、固定子鉄心30の締め付け強度が一定になるだけでなく、作業者の熟練度によらず仮留め作業をすることが可能となる。
また、本実施形態によれば、固定子鉄心30の仮留め工程において、電磁石53の周壁531と分割鉄心40の内側部分45との間に薄い樹脂シートPを挟んでいる。樹脂シートPは、電磁石53と固定子鉄心30との間の摩擦を低減する。
このため、上述の焼き嵌め工程において、ケース10の収縮により固定子鉄心30が押圧された状態で、電磁石53が固定子鉄心30の内側に挟まり抜けなくなることを防ぐことができる。
また、この樹脂シートPを電磁石53と固定子鉄心30との間に配置することにより、固定子鉄心30の内周面35が電磁石53と擦れてキズがつくことを防止することができる。
また、本実施形態によれば、固定子鉄心30の仮留め工程において、いわゆるボビン形状の電磁石53を用いている。このため、例えば、図3に示すように、固定子鉄心30の内周面35と電磁石53の周壁531は、部分接触となる。言い換えれば、電磁石53のコイル535が配置された部分と、内周面35は接触していない。このため、電磁石53の周壁531と、固定子鉄心30の内周面35との間の摩擦を低減することができる。周壁531と内側面450との摩擦が低減されることにより、電磁石53を抜く工程(図10参照)において、固定子鉄心30の内周面35から電磁石53をスムーズに外すことができるためキズの発生を低減することができる。
また、本実施形態に係る治具50は、台座51の基台520の上に電磁石53を配置した構成としている。そして、治具50は、円柱状の電磁石53の直径を固定子鉄心30の内径としている。すなわち、治具50は、複数の分割鉄心40を電磁石53に吸着させながら並べて配置するだけで固定子鉄心30の内周面35を規定することができる。また、仮留め具60の取付け作業において、例えば、作業者が一部の分割鉄心40を強く押した場合においても、電磁石53が芯の役割をしているため、分割鉄心40の位置が内側にずれるようなことがない。
すなわち、本実施形態によると、固定子鉄心30の内周面35により規定される円筒状の空間に配置される図示しない回転子の極と各分割鉄心40までの距離を一定にすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、本実施形態において、固定子鉄心30は、1つの仮留め具60を用いて仮留めされているが、軸方向に離間して配置した2つ以上の仮留め具60を用いて仮留めすることも可能である。複数の仮留め具60を用いることにより、分割鉄心40の位置がずれることをより防ぐことができる。
また、本実施形態においては、仮留め工程における、電磁石53の強さは一定であるが、各工程において電磁石53の磁力の強さを適宜調節することも可能である。すなわち、分割鉄心40を一つ一つ並べて円筒状の固定子鉄心30を作製するときにおいては、上述の強度の磁力を用いて、分割鉄心40の位置を微調整可能な状態にしておく。
その後に作業者は、仮留め具60を嵌め込み固定子鉄心30の外周面31を理想的な円筒形状にならす。全ての分割鉄心40の位置が決定した後、作業者は、電磁石53の磁力を強める。これにより、例えば、組立体70を昇降台300にセットするときに不用意に分割鉄心40の位置が変わるのを防止する。このように、各工程により電磁石53の磁力を変化させることにより、分割鉄心40の位置ずれをより確実に防止することが可能である。
例えば、本実施形態においては、電磁石53と分割鉄心40との間に樹脂シートPを配置しているが、焼き嵌め工程におけるケース10の収縮率や、焼き嵌め代の量により必ずしも配置する必要はない。すなわち、焼き嵌め工程において、固定子鉄心30がケース10から外れることがなく、治具50を取り外すことが可能であれば、樹脂シートPは不要である。
また、仮留め具60は、本実施形態の形状に限定されない。例えば、図11に示す変形例のように、ばね63と、スライド部材65とが交互に円環状に連結されている仮留め具60aとすることもできる。
このように構成された仮留め具60aのばね63は、仮留め具60と同様にばね63の復元力により固定子鉄心30を電磁石53向けて押さえ付ける。
また、スライド部材65の側面651は、焼き嵌め工程において、ボード210の裏面211の孔213を形成する縁部に当接され押し下げられる。一方、仮留め具60aの内側に配置される固定子鉄心30は、ケース10の内部へ挿入される。このとき、スライド部材65は、ばね63による固定子鉄心30の押さえ付けを補助するとともに、裏面211との十分な当接面(側面651)を確保する。これにより、仮留め具60aは、固定子鉄心30の挿入動作に伴って、均一に押し下げられる。
以上のように構成された仮留め具60aによれば、固定子鉄心30の内周面35を電磁石53の周壁531を基準として規定することで、固定子鉄心30を理想的な円筒形状にならすことができる。
このため、作業者は、仮留め具60aを固定子鉄心30に嵌め込むだけで、容易に固定子鉄心30の円筒形状の補正と、仮固定をすることができる。
1…固定子、10…ケース、11…周壁、13…蓋体、15…内周面、30…固定子鉄心、31…外周面、35…内周面、40…分割鉄心、41…磁性コア、410…ヨーク部分、411…外壁面、413…ヨーク側面、43…コイル、430…ティース部分、431…内壁面45…インシュレータ、450a…リブ、450b…リブ、46…側面、47…端面、48…下端面、480…突起部、49…外側部分、490…外側面、50…治具、51…台座、53…電磁石、60…仮留め具、60a…仮留め具、61…レール部材、63…ばね、65…スライド部材、70…組立体、100…焼き嵌め装置、200…恒温槽、210…ボード、211…裏面、213…孔、215…孔、230…表面、250…保持具、300…昇降台、310…テーブル、311…孔部、313…表面、315…固定部、330…昇降機、510…外筒、513…外周面、511…周縁部、520…基台、530…溝、531…周壁、533…金属芯、535…コイル、537…凹部、611…第2面、613…第1面、615…凹部、617…側面、651…側面。

Claims (4)

  1. 円柱状の電磁石の周壁にヨーク部及びティース部を有する複数の分割鉄心の前記ティース部側を吸着させて前記複数の分割鉄心を円筒状にならべて配置する工程と、
    前記電磁石の軸方向の一端側に片寄った位置において、前記複数の分割鉄心を外側から前記電磁石に向けて押さえ付ける仮留め具を取り付ける工程と、
    円筒状に並べられた前記複数の分割鉄心の外径と略同径の内径を有する円筒形状のケースを加熱し、前記複数の分割鉄心を前記一端側から前記ケース内へ挿入し、除熱することにより前記複数の分割鉄心と前記ケースとを嵌合する焼嵌め行程と、
    を備え、
    前記仮留め具は、前記複数の分割鉄心を押さえ付ける力を維持したまま、前記ケースへの前記複数の分割鉄心の挿入動作によって、前記電磁石の軸方向の他端側に向かって移動されることを特徴とする固定子の製造方法。
  2. 前記仮留め具は、
    ばねと、
    前記複数の分割鉄心の外壁面を繋げて形成される面を円筒形にならわせ、前記外壁面に接触する内面を有するレール部材と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の固定子の製造方法。
  3. 前記レール部材の前記内面と反対側の外面には、周方向に沿って、前記ばねを嵌める溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の固定子の製造方法。
  4. 前記仮留め具は、円筒状に並べられた前記複数の分割鉄心の外壁面に沿って湾曲する板状のスライド部材と、ばねと、が交互に周方向に連結された環状の部材であることを特徴とする請求項1に記載の固定子の製造方法。
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