JP2017017189A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書は、半導体素子を収容しており表面に金属製の放熱板が露出しているパワーカードの放熱板が露出している面が放熱材を介して冷却部材と対向しているとともにパワーカードと冷却部材の積層方向に荷重が加えられている半導体装置において、パワーカードから冷却部材への伝熱性を高める技術を提供する。
【解決手段】本明細書が開示する製造方法は、塗布工程と、硬化工程と、積層押圧工程を備える。塗布工程は、熱又は光を与えると硬化する放熱材22aを、流動性を維持している状態でパワーカード10の平坦面10aに塗布する工程である。硬化工程は、凹部30aが設けられている型30を当該凹部30aの開口が平坦面10aと対向するようにパワーカード10に押し付けつつ当該凹部30aの中で放熱材22aを硬化する工程である。そして、積層押圧工程は、硬化後の放熱材に冷却部材を積層し、積層方向に荷重を加える工程である。
【選択図】図3
【解決手段】本明細書が開示する製造方法は、塗布工程と、硬化工程と、積層押圧工程を備える。塗布工程は、熱又は光を与えると硬化する放熱材22aを、流動性を維持している状態でパワーカード10の平坦面10aに塗布する工程である。硬化工程は、凹部30aが設けられている型30を当該凹部30aの開口が平坦面10aと対向するようにパワーカード10に押し付けつつ当該凹部30aの中で放熱材22aを硬化する工程である。そして、積層押圧工程は、硬化後の放熱材に冷却部材を積層し、積層方向に荷重を加える工程である。
【選択図】図3
Description
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。特に、半導体素子を収容しており表面に金属製の放熱板が露出しているパワーカードの放熱板が露出している面が放熱材を介して冷却部材と対向しているとともにパワーカードと冷却部材の積層方向に荷重が加えられている半導体装置の製造方法に関する。
上記したタイプの半導体装置は、半導体素子に対する冷却性能が高く、例えば電気自動車の駆動系のインバータに用いられている。そのような半導体装置の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1の半導体装置では、パワーカードの放熱板の表面と冷却器(冷却部材)の表面の微視的な隙間を埋めるために、パワーカードと冷却器の間に放熱材であるグリスが充填されている。パワーカードと冷却器は、いずれも平板型であり、幅広面の法線が水平方向を向く姿勢で保持されている。パワーカード(特に放熱板)と冷却器の間からグリスが垂れ落ちることを防止するために、パワーカードの表面の下方に、水平方向に伸びる突条が設けられている。
流動性を有するグリスを使用する場合、パワーカードの放熱板の熱変形の繰り返しによってもパワーカードと冷却部材の間からグリスが流出する。グリスが流出すると、放熱板から冷却部材への伝熱性が低下する。流動性を有するグリスの代わりに非流動性の放熱材、例えば柔軟な放熱シートを放熱板と冷却部材の間に挟むことが考えられる。しかし、柔軟であるとはいえ、非流動性の放熱材を挟むだけでは、放熱板の表面、あるいは、冷却部材の表面の微視的な隙間を十分には埋められず、放熱板から冷却部材への伝熱性が向上しない。発明者は、当初は流動性を有しており、熱あるいは光などを与えると硬化する放熱材を放熱板と冷却部材の間に充填することも検討した。以下、当初は流動性を有しており、熱あるいは光などを与えると硬化する放熱材を硬化性放熱材と称する。硬化性放熱材を塗布してパワーカードと冷却部材を積層して荷重を加えると、硬化性放熱材が流動性を有している間に荷重によってその厚みが薄くなりすぎる。放熱材の厚みが薄すぎると、金属製の放熱板が熱変形したときに対向している冷却部材と接触し、放熱板の表面に酸化金属の被膜が形成されてしまう。酸化金属の被膜は放熱板から冷却部材への伝熱性を低下させる。本明細書は、上記課題に鑑みて創作された。本明細書は、放熱材を挟んでパワーカードと冷却部材が積層されている半導体装置において、パワーカード表面の放熱板から冷却部材への伝熱性を高める技術を提供する。
本明細書が開示する技術は、半導体素子を収容しており表面に金属製の放熱板が露出しているパワーカードの放熱板が露出している面が放熱材を挟んで冷却部材と対向しているとともにパワーカードと冷却部材の積層方向に荷重が加えられている半導体装置の製造方法に関する。本明細書が開示する製造方法では、塗布工程と、硬化工程と、積層押圧工程を備える。塗布工程は、熱又は光を与えると硬化する放熱材を、流動性を維持している状態でパワーカードの表面に塗布する工程である。硬化工程は、深さ一定の凹部が設けられている型を当該凹部の開口がパワーカードの表面と対向するようにパワーカードに押し付けつつ当該凹部の中で放熱材を硬化する工程である。そして、積層押圧工程は、硬化後の放熱材に冷却部材を積層し、積層方向に荷重を加える工程である。
このような構成によれば、流動性を維持している放熱材をパワーカードの表面に塗布することにより、パワーカードの放熱板表面の微視的な隙間を放熱材で満たすことができる。一方、硬化工程により、型の凹部の深さに規定された一定の厚みを有する非流動性の放熱材がパワーカードの表面に形成される。凹部の深さは、完成した半導体装置において放熱板が熱変形したときに冷却部材に接触しないだけの値に規定されている。そして、硬化工程の後に、硬化後の放熱材に冷却部材を積層することにより、非流動性でありながら、パワーカードの表面の微視的な隙間を満たしているとともに、型の凹部の深さに規定された一定の厚みの放熱材をパワーカードと冷却部材の間に形成することができる。そのような放熱材を備えることにより、パワーカードから冷却部材への伝熱性が向上する。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
図面を参照して実施例の半導体装置の製造方法を説明する。先に、本実施例の製造方法により製造される半導体装置の構成について説明する。図1は、本実施例の製造方法により製造された半導体装置2の斜視図である。半導体装置2は、複数のパワーカード10と複数の冷却器3が積層されたユニットである。なお、図1では、一つのパワーカードだけに符号10を付し、他のパワーカードには符号を省略している。同様に一つの冷却器だけに符号3を付し、他の冷却器には符号を省略している。また、半導体装置2の全体が見えるように、半導体装置2を収容するケース31は仮想線で描いてある。1個のパワーカード10は、2個の冷却器3に挟まれる。パワーカード10と一方の冷却器3との間に絶縁板6aが挟まれており、パワーカード10と他方の冷却器3との間に絶縁板6bが挟まれている。パワーカード10と絶縁板6a、6bの間に後述する非流動性の放熱材(以下、放熱シートと称する)が挟まれる。絶縁板6a、6bと冷却器3の間に後述する流動性の放熱材(以下、グリスと称する)が塗布される。本実施例では、放熱シートの成形工程に特徴がある。放熱シートの成形工程を含む半導体装置2の製造方法については、後述する。なお、図1では各放熱材の図示は省略している。また、図1は、理解し易いように、1個のパワーカード10と絶縁板6a、6bを半導体装置2から抜き出して描いてある。
一つのパワーカード10には4個の半導体素子が収容されている。4個の半導体素子は、具体的には、2個のトランジスタTa、Tbと、2個のダイオードDa、Dbである。冷却器3を通る冷媒により、半導体素子が冷却される。冷媒は液体であり、典型的には水である。
パワーカード10と冷却器3は、共に平板型であり、複数の側面のうち最大面積の平坦面が対向するように積層されている。パワーカード10と冷却器3は交互に積層されており、ユニットの積層方向の両端には冷却器が位置している。複数の冷却器3は、連結パイプ5a、5bで連結されている。ユニットの積層方向の一端に位置する冷却器3には、冷媒供給管4aと冷媒排出管4bが連結されている。冷媒供給管4aを通じて供給される冷媒は、連結パイプ5aを通じて全ての冷却器3に分配される。冷媒は各冷却器3を通る間に隣接するパワーカード10から熱を吸収する。各冷却器3を通った冷媒は連結パイプ5bを通り、冷媒排出管4bから排出される。
半導体装置2はケース31に収容される際、ユニットの積層方向の他端側に板バネ32が挿入される。その板バネ32により、パワーカード10と絶縁板6a、6bと冷却器3が積層されたユニットには、積層方向の両側から荷重が加えられる。その荷重は、例えば3[kN]である。パワーカードと絶縁板の間には放熱シートが挟まれ、絶縁板と冷却器の間にはグリスが塗布されている。3[kN]という高い荷重は、放熱シートのパワーカードと絶縁板に対する密着性を高め、グリスの層を薄く引き延ばす。これにより、パワーカード10から冷却器3への伝熱効率が高まる。パワーカード10は、直接的には絶縁板6a、6bに熱を奪われる。それゆえ、絶縁板6a、6bは冷却部材に相当する。半導体装置2は、各素子Ta、Tb、Da、Db(半導体素子)を収容したパワーカード10が放熱シート(放熱材)を介して絶縁板6a、6b(冷却部材)に接しているとともに、積層方向に荷重が加えられているデバイスである。
パワーカード10を説明する。パワーカード10において、絶縁板6aと対向する一方の平坦面10aには、放熱板16a、16bが露出している。平坦面10aとは反対側の平坦面10bには、別の放熱板17(図1では不図示)が露出している。平坦面10bには、放熱シートを挟んで絶縁板6bが接している。パワーカード10の上面(図中Z軸の正方向を向く面)からは3本の電極端子7a、7b、7cが伸びており、下面(図中Z軸方向の負方向を向く面)からは制御端子29が伸びている。
図2を参照してパワーカード10と冷却器3との間の構造について説明する。図2は、図1のパワーカード10を図中の座標系のXY面に平行な平面であってトランジスタTaとTbを横切る平面でカットした断面図である。
先に、パワーカード10の内部構造を説明する。4個の各素子Ta、Tb、Da、Dbは、樹脂製のパッケージ13に収容されている。パッケージ13は、射出成形により形成され、半導体素子を封止する。なお、以下では、パワーカード10の平坦面10a、10bをパッケージ13の平坦面10a、10bと称する場合がある。
いずれの半導体素子も平坦なチップである。トランジスタTa(Tb)のチップの一方の平坦面にはコレクタ電極が露出しており、他方の平坦面にはエミッタ電極が露出している。トランジスタTaの一方の平坦面の電極はハンダ15により放熱板16aの裏面に接合している。放熱板16aの表面は、パッケージ13の平坦面10aに露出している。トランジスタTaの他方の平坦面の電極は、導電性のスペーサ14を介してハンダ15により放熱板17の裏面に接合している。放熱板17の表面は、パッケージ13の平坦面10bに露出している。なお、トランジスタTa(Tb)のゲート電極は、チップの一方の平坦面の端に設けられている。また、トランジスタTbの各電極もトランジスタTaと同様に、ハンダ15とスペーサ14を利用して放熱板16bと放熱板17に接合している。
放熱板16aは、電極端子7aの一部である。トランジスタTaの電極を外部の他のデバイスと接続するための電極端子7aにおいて、パッケージ13の平坦面10aに露出している部位が放熱板16aに相当する。電極端子7aはトランジスタTaの電極と接しているので、トランジスタTaの内部の熱を伝えやすい。一方、冷却器3はアルミニウム(導電性の金属)で作られているので、放熱板16aと絶縁する必要がある。それゆえ、半導体装置2は、冷却器3と放熱板16a(パワーカード10)との間に絶縁板6aを挟んでいる。絶縁板6a、6bは、薄くて絶縁性が高く、伝熱性も良いセラミックスで作られている。放熱板16a(電極端子7a)及びスペーサ14は、導電性と伝熱性に優れた銅で作られている。放熱板16b、放熱板17も同様である。
放熱板16b、17も夫々、放熱板16aと同様に、電極端子7b、7cの一部である。また、ダイオードDa、Dbも、トランジスタTa、Tbと同様に、平坦なチップである。ダイオードDa、Dbの平坦面に露出している電極は、トランジスタTa、Tbと同様に、放熱板16a、16b、17に接続している。
パワーカード10の平坦面10aと絶縁板6aの間には、放熱シート20aが挟まれている。放熱シート20aは、当初は流動性を有しており、加熱することにより硬化する放熱材がシート状に硬化したものであり、柔軟性を有するゴム状のシートである。同様に、パワーカード10の平坦面10bと絶縁板6bの間にも、放熱シート20bが挟まれている。放熱シート20a、20bの厚みは、100ミクロン以下である。
放熱板16a、16bの表面は、パワーカード10の平坦面10aに対して面一となっている。放熱シート20aは、パワーカード10の平坦面10aと絶縁板6aの間に挟まれており、パワーカード10と絶縁板6aの積層方向には、荷重が加えられている。よって、放熱シート20aは、放熱板16a、16bと絶縁板6aに密着する。同様に、放熱板17の表面も、パワーカード10の平坦面10bに対して面一となっている。放熱シート20bも、パワーカード10と絶縁板6bの積層方向に荷重が加えられることにより、放熱板17と絶縁板6bに密着する。
絶縁板6aと冷却器3の間には、流動性の放熱材であるグリス9が塗布されている。同様に、絶縁板6bと冷却器3の間にも、グリス9が塗布されている。なお、グリス9の層の厚みは、100ミクロン以下である。
図3、図4を参照して、半導体装置2の製造方法について説明する。図3は、パワーカードの表面に流動性を維持している放熱材を塗布する塗布工程を示す図である。図4は、塗布工程の後に、その流動性を有する放熱材を硬化する硬化工程を示す図である。
図3の塗布工程では、先ず、パワーカード10の平坦面10aに、後に硬化して放熱シート20aとなる放熱材22aを塗布する。放熱材22aは、当初は流動性を有する放熱材であり、加熱することにより硬化する熱硬化性の放熱材である。放熱材22aは、流動性を維持している状態で、放熱板16a、16bの全面を覆うようにパワーカード10の平坦面10aに塗布される。放熱材22aは、流動性を有しているので、放熱板16a、16bの表面の微視的な隙間にも入り込む。
次に、放熱材22aを塗布したパワーカード10の平坦面10aに型30を押し付けつつ、放熱材を硬化させる(硬化工程)。図3には、押し付ける前の型30も描いてある。型30には、凹部30aが設けられている。凹部30aの深さは一定である。図3では、凹部30aの深さに符号Dが付されている。深さDは、銅製の放熱板16a、16bが半導体素子(ダイオードDa、Dbも、トランジスタTa、Tb)の発熱により熱変形したときの面外変形量の推定値よりも大きい値に設定されている。図4に示すように、型30は、凹部30aの開口がパワーカード10の平坦面10aと対向するようにパワーカード10の平坦面10aに押し付けられる。凹部30aの開口は、放熱板16a、16bの全面を覆う広さである。別言すれば、型30をパワーカード10に押し付けている状態で押し付ける方向(即ち、X軸方向)から見たときに、放熱板16a、16bが凹部30aの内側に位置している。
型30をパワーカード10に押し付けると、凹部30aの中に平坦面10aに塗布されている放熱材22aが収容される。放熱材22aは、凹部30aとパワーカード10の平坦面10aにより形成される空間に充填される。別言すれば、パワーカード10の平坦面10aには、凹部30aとパワーカード10の平坦面10aにより形成される空間に充填されるのに十分な量の放熱材22aが塗布される。
図3の塗布工程の後に図4の硬化工程が行われる。上述したように、放熱材22aは熱硬化性である。型30をパワーカード10に押し付けた状態で、型30に熱を加えることにより、凹部30aの中に収容されている放熱材22aにも熱が伝わり、放熱材22aが硬化する。放熱材22aは凹部30aとパワーカード10の平坦面10aにより形成される空間に充填されているので、放熱材22aは凹部30aの深さDに規定されて厚みDのシートとなるように硬化する。図4に示す硬化工程により厚みDの放熱シート20aが成形される。また、型30で成形されることにより、放熱シート20aは、放熱板16a、16bの全面を覆う大きさに成形される。
図4に示す硬化工程の後に、型30を放熱シート20aから離型することにより、パワーカード10の平坦面10aに放熱シート20aが配置される。その後、配置された放熱シート20aに絶縁板6aを積層する積層工程が実施される。なお、型30は、放熱シート20aから離形し易いように、テフロン(登録商標)コート型を使用するとよい。
パワーカード10の平坦面10bと絶縁板6bの間に挟まれる放熱シート20bも、上述の放熱シート20aと同様の工程により成形される。絶縁板6bも、上述の積層工程と同様の工程により、放熱シート20bに積層される。
上述の工程が実施された後に、絶縁板6a、6b夫々のパワーカード10が位置する側と反対側の面にグリス9が塗布され、図1に示すように、隣接する冷却器3の間にパワーカード10、絶縁板6a、6bの組みが挿入される。そして、板バネ32によりパワーカード10と冷却器3との積層方向(即ち、X軸方向)に荷重が加えられて、半導体装置2が製造される。
本実施例の効果について説明する。流動性を維持している放熱材22aを放熱板16a、16bの表面に塗布することにより、放熱板16a、16bの表面の微視的な隙間が放熱材22aで満たされる。当該微視的な隙間が満たされた状態で放熱材22aが硬化するので、硬化後の放熱材22a(即ち、放熱シート20a)を介した放熱板16a、16bから絶縁板6a(冷却部材)への伝熱性が高まる。また、流動性を有する放熱材22aを型30の中で硬化させることにより、放熱材22aを型30の深さDに規定された厚みDを有するシートとなるように硬化させることができる。即ち、型30の深さDにより規定された厚みDを有する放熱シート20aを成形することができる。先に述べたように、深さDは、放熱板16a、16bの熱変形時の面外変形量の推定値よりも大きく設定されている。これにより、完成された半導体装置において放熱板16a、16bが熱変形しても絶縁板6a(冷却部材)に触れることがない。即ち、放熱板16a、16bが絶縁板6a(冷却部材)に接触して放熱板表面に、伝熱性を阻害する酸化金属(酸化銅)が形成されることがない。すなわち、時間が経過しても、放熱材22aを介した放熱板16a、16bから絶縁板6a(冷却部材)への高い伝熱性が維持される。また、流動性のグリスと異なり、放熱シート20aは流動性を有しないので、放熱板16a、16bの熱変形の繰り返しによっても放熱板16a、16bと絶縁板6a(冷却部材)の間から放熱シート20aが排除されることはない。放熱シート20bでも同様の効果が得られる。
また、凹部30aの底面の面粗度を低くすることにより、放熱シート20aの絶縁板6aと接触する面を低い面粗度で成形できる。当該接触する面の面粗度が低くなることで、放熱シート20aの絶縁板6aに対する追従性が向上し、放熱シート20aと絶縁板6aの間の熱伝達率の向上に寄与し得る。放熱シート20bと絶縁板6bでも同様の効果が得られる。
硬化工程の後に、放熱シート20a、20bの夫々に絶縁板6a、6bを積層し、パワーカード10と絶縁板6a、6bの組みを隣接する冷却器3の間に挿入し、板バネ32により積層方向に荷重を加える工程が、「積層押圧工程」の一例である。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。図では、理解を助けるため、グリスの層の厚み、放熱シートの厚み、などを強調して描いることに留意されたい。
図2に示したように、冷却器3の内部は単純な空洞である。冷却器3の内部空間には、絶縁板6a、6bと接する側板の裏面に接するフィンを設けてもよい。
絶縁板6a、6bと、絶縁板6a、6bと冷却器3の間に挟まれているグリス9は無くてもよい。この場合、冷却器3が「冷却部材」の一例である。
塗布工程により塗布する放熱材22aは、熱硬化性の放熱材に限らない。放熱材22aは、光を与えると硬化する放熱材であってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:半導体装置
3:冷却器
4a:冷媒供給管
4b:冷媒排出管
5a、5b:連結パイプ
6a、6b:絶縁板
7a、7b、7c:電極端子
9:グリス
10:パワーカード
10a、10b:平坦面
13:パッケージ
14:スペーサ
15:ハンダ
16a、16b、17:放熱板
20a、20b:放熱シート
22a:放熱材
29:制御端子
30:型
30a:凹部
31:ケース
32:板バネ
Da、Db:ダイオード
Ta、Tb:トランジスタ
3:冷却器
4a:冷媒供給管
4b:冷媒排出管
5a、5b:連結パイプ
6a、6b:絶縁板
7a、7b、7c:電極端子
9:グリス
10:パワーカード
10a、10b:平坦面
13:パッケージ
14:スペーサ
15:ハンダ
16a、16b、17:放熱板
20a、20b:放熱シート
22a:放熱材
29:制御端子
30:型
30a:凹部
31:ケース
32:板バネ
Da、Db:ダイオード
Ta、Tb:トランジスタ
Claims (1)
- 半導体素子を収容しており表面に金属製の放熱板が露出しているパワーカードの前記放熱板が露出している面が放熱材を挟んで冷却部材と対向しているとともに前記パワーカードと前記冷却部材の積層方向に荷重が加えられている半導体装置の製造方法であって、
熱又は光を与えると硬化する放熱材を、流動性を維持している状態で前記パワーカードの表面に塗布する塗布工程と、
深さ一定の凹部が設けられている型を当該凹部の開口が前記パワーカードの前記表面と対向するように前記パワーカードに押し付けつつ当該凹部の中で前記放熱材を硬化する硬化工程と、
硬化後の前記放熱材に前記冷却部材を積層し、前記積層方向に荷重を加える積層押圧工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
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