JP2017017098A - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に改質層が認識できるウェーハ加工方法を提供する。【解決手段】ウェーハの加工方法は、機能層に対して吸収性を有する波長のレーザー光線をウェーハの表面側から照射し、少なくとも一部の外周余剰領域の分割予定ラインに非加工部を残してレーザー加工溝を形成し、機能層を分断するレーザー加工溝形成ステップと、基板に対して透過性を有する波長のレーザー光線をウェーハの裏面側から照射し、基板の内部に破断起点となる改質層を形成する改質層形成ステップと、ウェーハに外力を付与して個々のデバイスチップに分割する分割ステップと、を含む。改質層形成ステップでは、非加工部の改質層を赤外線撮像手段で撮像し、加工位置補正情報として検出するずれ量検出ステップと、加工位置補正情報に基づいてレーザー光線の照射位置を補正する位置補正ステップと、を備える。改質層が該レーザー加工溝と重ならない位置で撮像される。【選択図】図5

Description

本発明は、ウェーハの加工方法に関する。
半導体デバイス又は電子部品の製造工程において、シリコン基板、サファイア基板、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板、及びセラミックス基板のような基板をレーザー加工装置で加工して、複数のデバイスチップに分割する方法が知られている。シリコン基板の表面に低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)を含む機能層が設けられているウェーハをレーザー加工装置で分断する場合、機能層に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射して機能層を分断し、基板に対して透過性を有する波長のレーザー光線で基板の内部に改質層を形成した後、ウェーハに外力を付与してウェーハを複数のデバイスチップに分割する加工方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2013−254867号公報
機能層を分断した後に基板の内部に改質層を形成する場合において、改質層の位置ずれ(レーザー光線の照射位置のずれ)を確認するとき、先に機能層に形成されているレーザー加工溝の陰影の影響で改質層を認識することが困難となり、改質層の位置ずれの検出が困難となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、改質層を容易に認識できるウェーハ加工方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、基板の表面に積層された機能層が格子状に形成された分割予定ラインによって区画され、区画された領域にデバイスが形成されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを表面に備えるウェーハの加工方法であって、該機能層に対して吸収性を有する波長のレーザー光線をウェーハの表面側から照射し、少なくとも一部の外周余剰領域の該分割予定ラインに非加工部を残して、該分割予定ラインに沿ったレーザー加工溝を形成し、該機能層を分断するレーザー加工溝形成ステップと、該レーザー加工溝形成ステップを実施した後、基板に対して透過性を有する波長のレーザー光線を、該非加工部を含む該分割予定ラインに沿って、ウェーハの裏面側から照射し、基板の内部に破断起点となる改質層を形成する改質層形成ステップと、該改質層形成ステップを実施した後、ウェーハに外力を付与して個々のデバイスチップに分割する分割ステップと、を含み、該改質層形成ステップでは、該非加工部の該改質層を赤外線撮像手段で撮像し、所望のレーザー光線照射位置と該改質層の位置とのずれ量を加工位置補正情報として検出するずれ量検出ステップと、該加工位置補正情報に基づいてレーザー光線の照射位置を補正する位置補正ステップと、を備え、該改質層が該レーザー加工溝と重ならない位置で撮像されることを特徴とするウェーハの加工方法を提供する。
上記ウェーハの加工方法において、該レーザー光線照射位置は、該赤外線撮像手段で撮像した該分割予定ライン、又は該レーザー加工溝に対応することが好ましい。
本発明のウェーハの加工方法によれば、外周余剰領域にレーザー加工溝が形成されない非加工部を形成し、非加工部に形成された改質層を撮像することで、改質層を容易に認識でき、レーザー光線の照射位置の補正を実施できる。
図1は、実施形態1に係るウェーハを示す斜視図である。 図2は、実施形態1に係るウェーハの要部を示す断面図である。 図3は、実施形態1に係るレーザー加工装置を示す機能ブロック図である。 図4は、実施形態1に係るレーザー加工装置を示す斜視図である。 図5は、実施形態1に係るウェーハの加工方法を示すフローチャートである。 図6は、実施形態1に係るレーザー加工溝形成ステップにおけるレーザー加工装置の動作を示す模式図である。 図7は、実施形態1に係る保護部材貼着ステップを示す図である。 図8は、実施形態1に係る改質層形成ステップにおけるレーザー加工装置の動作を示す斜視図である。 図9は、実施形態1に係る改質層形成ステップにおけるレーザー加工装置の動作を示す模式図である。 図10は、実施形態1に係るずれ量検出ステップにおける撮像手段の動作を示す模式図である。 図11は、実施形態1に係る赤外線撮像手段によって取得された画像データを示す図である。 図12は、実施形態1に係る赤外線撮像手段によって取得された画像データを示す図である。 図13は、実施形態1に係る分割ステップにおける研磨装置の動作を示す斜視図である。 図14は、実施形態1に係る分割ステップにおける研磨装置の動作を示す正面図である。 図15は、実施形態1に係る分割ステップが実施されたウェーハの要部を示す断面図である。 図16は、実施形態2に係る分割ステップにおけるウェーハを示す斜視図である。 図17は、実施形態2に係る分割ステップにおける分割装置の動作を示す正面図である。 図18は、実施形態2に係る分割ステップにおける分割装置の動作を示す正面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向とする。X軸及びY軸を含むXY平面は、水平面と平行である。XY平面と直交するZ軸方向は、鉛直方向である。
[実施形態1]
<ウェーハ>
図1は、実施形態1に係るウェーハ2を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係るウェーハ2の要部を示す断面図である。図1及び図2に示すように、ウェーハ2は、基板20と、基板20に設けられた機能層21とを有する。ウェーハ2は、実質的に円板状の部材であり、表面2Aと、表面2Aの逆方向を向く裏面2Bとを有する。基板20は、シリコン基板、サファイア基板、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板、及びセラミックス基板の少なくとも一つを含み、表面20Aと、表面20Aの逆方向を向く裏面20Bとを有する。機能層21はデバイスを形成する層であり、基板20の表面20Aに積層される。機能層21は、格子状に形成された分割予定ライン23によって区画されている。機能層21は、SiOF又はBSG(SiOB)のような無機物系の膜とポリイミド系又はパリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜とからなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)を含む。
ウェーハ2の表面2Aは、機能層21の表面を含む。ウェーハ2の裏面2Bは、基板20の裏面20Bを含む。ウェーハ2の表面2Aは、分割予定ライン23によって区画された領域にデバイス22が形成されたデバイス領域DAと、デバイス領域22を囲繞する外周余剰領域SAとを有する。
デバイス22は、ウェーハ2にマトリクス状に配置される。デバイス22は、格子状の分割予定ライン23によって区画される。デバイス22は、ウェーハ2のデバイス領域DAに形成される。外周余剰領域SAにデバイス22は形成されない。ウェーハ2が分割予定ライン23に沿って分割されることにより、IC(integrated circuit)又はLSI(large scale integration)のようなデバイスチップが製造される。
<レーザー加工装置>
次に、実施形態1に係るレーザー加工装置3について説明する。図3は、実施形態1に係るレーザー加工装置3を示す機能ブロック図である。図4は、実施形態1に係るレーザー加工装置3を示す斜視図である。
図3及び図4に示すように、レーザー加工装置3は、ウェーハ2を保持するチャックテーブル31と、チャックテーブル31に保持されたウェーハ2にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段32と、チャックテーブル31に保持されたウェーハ2の光学像を取得する撮像手段33と、チャックテーブル31を移動する移動装置37と、チャックテーブル31の位置を検出する位置検出装置38と、画像データを表示する表示装置39と、レーザー加工装置3を制御する制御手段40とを備えている。
チャックテーブル31は、ウェーハ2を着脱可能に保持する保持面を有する。チャックテーブル31の保持面は、XY平面と平行である。真空ポンプを含む真空吸引源と接続される吸引口が保持面に複数設けられる。チャックテーブル31の保持面にウェーハ2が載せられた状態で真空吸引源が作動することにより、ウェーハ2はチャックテーブル31に吸着保持される。真空吸引源の作動が停止されることにより、ウェーハ2はチャックテーブル31から解放される。
チャックテーブル31は、アクチュエータを含む移動装置37により、X軸方向(加工送り方向)及びY軸方向(割り出し送り方向)に移動される。X軸方向及びY軸方向のチャックテーブル31の位置は、位置検出装置38に検出される。
レーザー光線照射手段32は、パルスレーザー光線発振手段を収容するケーシング34と、ケーシング34の先端部に装着されパルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光する集光器35とを有する。パルスレーザー光線発振手段は、パルスレーザー光線発振器及び繰り返し周波数設定手段を含む。
レーザー光線照射手段32は、機能層21に対して吸収性を有する波長のレーザー光線LB1と、基板20に対して透過性を有する波長のレーザー光線LB2とを射出可能である。レーザー光線照射手段32は、異なる波長のレーザー光線を出力可能な波長可変光源を含む。レーザー光線LB1は、例えば、波長355nmのレーザー光線である。レーザー光線LB2は、例えば、波長1064nmのレーザー光線である。
撮像手段33は、ケーシング34に支持される。撮像手段33は、光学系と、光学系の視野領域に配置されるウェーハ2を照明光線で照明する照明手段と、照明光線で照明されたウェーハ2の光学像を、光学系を介して取得する撮像素子とを有する。撮像手段33は、可視光線で照明してウェーハ2を撮像する可視光線撮像手段33Aと、赤外線で照明してウェーハ2を撮像する赤外線撮像手段33Bとを含む。撮像手段33の照明手段は、ウェーハ2を可視光線で照明する第1照明手段と、赤外光線で照明する第2照明手段とを含む。撮像手段33の撮像素子は、可視光線で照明されたウェーハ2の光学像を取得する第1撮像素子と、赤外光線で照明されたウェーハ2の光学像を取得する第2撮像素子とを含む。撮像素子で取得されたウェーハ2の光学像を示す画像データは、制御手段40に出力される。
制御手段40は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置41と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを含む記憶装置42と、入出力インターフェース装置43とを有する。演算処理装置41は、記憶装置42に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、入出力インターフェース装置43を介して、レーザー加工装置3を制御するための制御信号を出力する。
<ウェーハの加工方法>
次に、実施形態1に係るウェーハ2の加工方法について説明する。図5は、ウェーハ2の加工方法を示すフローチャートである。図5に示すように、ウェーハ2の加工方法は、機能層21に対して吸収性を有する波長のレーザー光線LB1をウェーハ2の表面2A側から照射し、少なくとも一部の外周余剰領域SAの分割予定ライン23に非加工部24を残して、分割予定ライン23に沿ったレーザー加工溝25を形成し、機能層21を分断するレーザー加工溝形成ステップ(SP1)と、レーザー加工溝形成ステップ(SP1)を実施した後、基板20に対して透過性を有する波長のレーザー光線LB2を、非加工部24を含む分割予定ライン23に沿って、ウェーハ2の裏面2B側から照射し、基板20の内部に破断起点となる改質層26を形成する改質層形成ステップ(SP2)と、改質層形成ステップ(SP2)を実施した後、ウェーハ2に外力を付与して個々のデバイスチップに分割する分割ステップ(SP3)と、を含む。
レーザー加工溝形成ステップについて説明する。レーザー加工溝形成ステップは、レーザー加工装置3によって実施される。上述した図4は、レーザー加工装置3がレーザー加工溝形成ステップを実施している状態を示す。図6は、レーザー加工溝形成ステップにおけるレーザー加工装置3の動作を示す模式図である。
レーザー加工溝形成ステップは、機能層21に対して吸収性を有する波長のレーザー光線LB1をウェーハ2の表面2A側から分割予定ライン23に沿って照射し、分割予定ライン23に沿ったレーザー加工溝25で機能層21を分断するステップである。
レーザー加工溝形成ステップにおいては、外周余剰領域SAに設定された非加工部24を除くウェーハ2の全ての分割予定ライン23の機能層21にアブレーション加工が実施される。レーザー加工溝25は、分割予定ライン23の機能層21の幅方向の中央に形成される。レーザー加工溝25を境界として、機能層21が分断される。
図4及び図6に示すように、レーザー加工溝形成ステップにおいては、ウェーハ2の裏面2Bとチャックテーブル31の保持面とが対向し、ウェーハ2の表面2Aが上方を向くように、チャックテーブル31がウェーハ2を保持する。
ウェーハ2がチャックテーブル31に保持された後、レーザー光線LB1とウェーハ2とのアライメント処理が実施される。アライメント処理は、レーザー光線照射手段32から射出されるレーザー光線LB1の照射位置と、ウェーハ2の分割予定ライン23との位置合わせを含む。レーザー光線LB1の照射位置は、集光器35の直下の位置である。アライメント処理において、制御手段40は、位置検出装置38でチャックテーブル31の位置を検出しながら移動装置37を制御して、ウェーハ2において第1方向に延在する分割予定ライン23を撮像手段33の撮像位置に配置する。撮像手段33の撮像位置は、撮像手段33の光学系の視野領域を含み、撮像手段33の直下の位置を含む。制御手段40は、撮像手段33を使って、ウェーハ2の画像データを取得する。レーザー加工溝形成ステップにおける画像データの取得は、可視光線撮像手段33Aによって実施される。可視光線撮像手段33Aは、可視光線でウェーハ2を照明して、ウェーハ2の画像データを取得する。制御手段40は、ウェーハ2の画像データを取得して、パターンマッチングのような画像処理を実施して、レーザー光線LB1の照射位置とウェーハ2の分割予定ライン23とのアライメント処理を実施する。同様に、ウェーハ2において第1方向と直交する第2方向に延在する分割予定ライン23についてもアライメント処理が実施される。
アライメント処理の終了後、制御手段40は、移動装置37を制御して、レーザー光線LB1の照射位置に、分割予定ライン23を配置する。制御手段40は、位置検出装置38でチャックテーブル31の位置を検出しながら移動装置37を制御して、外周余剰領域SAに存在する分割予定ライン23の少なくとも一部にレーザー光線LB1が照射されないように、レーザー光線LB1の照射位置に対するウェーハ2の位置を調整する。すなわち、制御手段40は、少なくとも一部の外周余剰領域SAの分割予定ライン23に、レーザー光線LB1によって加工されない非加工部24が残るように、ウェーハ2の位置を調整する。
図6に示すように、レーザー光線LB1が照射されない非加工部24が残るようにレーザー光線LB1の照射位置に分割予定ライン23の一端部が配置された後、制御手段40は、レーザー光線照射手段32からレーザー光線LB1を射出して、ウェーハ2の機能層21にレーザー光線LB1を照射する。制御手段40は、ウェーハ2の機能層21にレーザー光線LB1を照射しながら移動装置37を制御して、チャックテーブル31に保持されているウェーハ2を、図6の矢印X1で示す方向に移動させる。制御手段40は、レーザー光線LB1の照射位置に分割予定ライン23の他端部が配置されるまで、ウェーハ2を移動させる。
レーザー光線LB1の照射位置に分割予定ライン23の他端部が配置された後、制御手段40は、レーザー光線照射手段32からのレーザー光線LB1の射出を停止する。これにより、外周余剰領域SAの分割予定ライン23に非加工部24が残った状態で、分割予定ライン23に沿ったレーザー加工溝25が形成され、機能層21が分断される。
制御手段40は、格子状に形成された分割予定ライン23の全部についてレーザー光線LB1の照射を行う。これにより、外周余剰領域SAの少なくとも一部に非加工部24が残った状態で、レーザー加工溝25が格子状に形成される。外周余剰領域SAの少なくとも一部に、レーザー加工溝25が形成されない部分である非加工部24が設けられる。
分割予定ライン23の大部分にレーザー光線LB1が照射されてレーザー加工溝25が形成され、分割予定ライン23の僅かな部分にレーザー光線LB1が照射されず非加工部24が形成される。
レーザー加工溝形成ステップが終了した後、ウェーハ2の表面2Aにデバイス22を保護するための保護部材4を貼着する保護部材貼着ステップが実施される。図7は、保護部材貼着ステップを示す図である。図7に示すように、ウェーハ2の機能層21と保護部材4とが対向された後、ウェーハ2の表面2Aに、保護部材4が貼着される。保護部材4により、機能層21のデバイス22が保護される。保護部材4は、シート状の部材である。保護部材4の外形の大きさと、ウェーハ2の外形の大きさとは実質的に等しい。ウェーハ2の表面2Aの全域が保護部材4により覆われる。
次に、改質層形成ステップについて説明する。改質層形成ステップは、レーザー加工装置3によって実施される。図8は、実施形態1に係る改質層形成ステップにおけるレーザー加工装置3の動作を示す斜視図である。図9は、実施形態1に係る改質層形成ステップにおけるレーザー加工装置3の動作を示す模式図である。
改質層形成ステップは、レーザー加工溝形成ステップ及び保護部材貼着ステップの後に実施される。改質層形成ステップは、基板20に対して透過性を有する波長のレーザー光線LB2を、非加工部24を含む分割予定ライン23に沿って、ウェーハ2の裏面2B側から照射し、基板20の内部に改質層26を形成するステップである。
改質層形成ステップにおいては、非加工部24を含むウェーハ2の全ての分割予定ライン23に沿って基板20にレーザー光線LB2が照射され、基板20の内部に格子状の改質層26が形成される。
図8及び図9に示すように、改質層形成ステップにおいては、保護部材4とチャックテーブル31の保持面とが対向し、ウェーハ2の裏面2Bが上方を向くように、保護部材4及びウェーハ2がチャックテーブル31に保持される。
保護部材4及びウェーハ2がチャックテーブル31に保持された状態で、レーザー光線LB2とウェーハ2とのアライメント処理が実施される。アライメント処理は、レーザー光線照射手段32から射出されるレーザー光線LB2の照射位置と、ウェーハ2の分割予定ライン23との位置合わせを含む。アライメント処理において、制御手段40は、位置検出装置38でチャックテーブル31の位置を検出しながら移動装置37を制御して、ウェーハ2において第1方向に延在する分割予定ライン23を撮像手段33の撮像位置に配置する。制御手段40は、撮像手段33を使って、ウェーハ2の画像データを取得する。改質層形成ステップにおける画像データの取得は、赤外線撮像手段33Bによって実施される。赤外線撮像手段33Bは、赤外光線でウェーハ2を照明して、ウェーハ2の画像データを取得する。赤外光線を使うことにより、基板20を透かして、ウェーハ2の表面2Aに設けられている分割予定ライン23又はレーザー加工溝25が撮像される。制御手段40は、ウェーハ2の画像データを取得して、画像処理を実施して、レーザー光線LB2の照射位置とウェーハ2の分割予定ライン23又はレーザー加工溝25とアライメント処理を実施する。同様に、ウェーハ2において第1方向と直交する第2方向に延在する分割予定ライン23についてもアライメント処理が実施される。
アライメント処理の終了後、制御手段40は、移動装置37を制御して、レーザー光線LB2の照射位置に、分割予定ライン23を配置する。制御手段40は、位置検出装置38でチャックテーブル31の位置を検出しながら移動装置37を制御して、非加工部24を含む分割予定ライン23の一端部にもレーザー光線LB2が照射されるように、レーザー光線LB2の照射位置に対するウェーハ2の位置を調整する。すなわち、制御手段40は、非加工部24に対応する基板20の一部にもレーザー光線LB2が照射されるように、ウェーハ2の位置を調整する。
非加工部24にもレーザー光線LB2が照射されるようにレーザー光線LB2の照射位置に分割予定ライン23の一端部が配置された後、制御手段40は、レーザー光線照射手段32からレーザー光線LB2を射出して、ウェーハ2の基板20にレーザー光線LB2を照射する。制御手段40は、ウェーハ2の基板20にレーザー光線LB2を照射しながら移動装置37を制御して、チャックテーブル31に保持されているウェーハ2を、図9の矢印X2で示す方向に移動させる。レーザー光線LB2の照射位置に分割予定ライン23の他端部が配置された後、制御手段40は、レーザー光線照射手段32からのレーザー光線LB2の射出を停止する。これにより、基板20の内部に、分割予定ライン23に沿った改質層26が形成される。
制御手段40は、格子状に形成された分割予定ライン23の全部についてレーザー光線照射手段32によるレーザー光線LB2の照射を行う。レーザー光線LB2の照射位置は、赤外線撮像手段33Bで撮像した分割予定ライン23、又はレーザー加工溝形成ステップで形成されたレーザー加工溝25に対応する。これにより、改質層26が格子状に形成される。
改質層形成ステップは、非加工部24の改質層26を赤外線撮像手段33Bで撮像し、所望のレーザー光線LB2の照射位置と改質層26の位置とのずれ量を加工位置補正情報として検出するずれ量検出ステップと、加工位置補正情報に基づいてレーザー光線LB2の照射位置を補正する位置補正ステップと、を含む。以下、ずれ量検出ステップ及び位置補正ステップについて説明する。
ずれ量検出ステップは、レーザー光線LB2の照射により形成された改質層26の位置を、赤外線撮像手段33Bを使ってチェックするカーフチェックを含む。カーフチェックは、赤外線撮像手段33Bを使って、改質層26を撮像する処理を含む。改質層26は、レーザー加工溝25と重ならない位置で撮像される。すなわち、カーフチェックにおいては、レーザー加工溝25が形成されていない非加工部24に設けられた改質層26が赤外線撮像手段33Bによって撮像される。
図10は、ずれ量検出ステップにおける赤外線撮像手段33Bの動作を示す模式図である。ずれ量検出ステップにおいては、非加工部24の改質層26が赤外線撮像手段33Bで撮像される。
図10に示すように、保護部材4とチャックテーブル31の保持面とが対向し、ウェーハ2の裏面2Bが上方を向くように、保護部材4及びウェーハ2がチャックテーブル31に保持される。制御手段40は、位置検出装置38でチャックテーブル31の位置を検出しながら移動装置37を制御して、非加工部24に設けられている改質層26を赤外線撮像手段33Bの撮像位置に配置する。制御手段40は、赤外線撮像手段33Bを使って、非加工部24の改質層26の画像データを取得する。赤外線撮像手段33Bは、赤外光線でウェーハ2を照明して、改質層26の画像データを取得する。赤外光線を使うことにより、基板20を透かして、ウェーハ2の内部に設けられている改質層26が撮像される。赤外線撮像手段33Bの撮像位置に改質層26が配置され赤外線撮像手段33Bで改質層26が撮像されているときのチャックテーブル31のX軸方向の位置及びY軸方向の位置は、位置検出装置38によって検出される。また、赤外線撮像手段33Bの撮像位置は非加工部24に対応する。位置検出装置38によって規定される座標系内における赤外線撮像手段33Bの撮像位置は既知データである。したがって、制御手段40は、赤外線撮像手段33Bによって撮像された、位置検出装置38によって規定される座標系内における改質層26の位置データを取得可能である。
制御手段40は、赤外線撮像手段33Bを使って取得された改質層26の位置と、所望のレーザー光線LB2の照射位置とのずれ量を加工位置補正情報として算出する。所望のレーザー光線LB2の照射位置を示す目標位置データは、位置検出装置38の座標系内において規定される。制御手段40は、レーザー光線LB2の目標位置データと、赤外線撮像手段33Bを使って取得された改質層26の位置データとに基づいて、位置検出装置38によって規定される座標系内における所望のレーザー光線LB2の照射位置と改質層26の位置とのずれ量を加工位置補正情報として検出する(ずれ量検出ステップ)。制御手段40は、検出した加工位置補正情報に基づいて、レーザー光線LB2の照射位置を補正するための補正量を算出し、その補正量に基づいて、レーザー光線LB2の照射位置を補正する(位置補正ステップ)。
図11は、赤外線撮像手段33Bによって取得された非加工部24の改質層26の画像データを表示する表示装置39の表示例を示す図である。図11に示すように、改質層26がレーザー加工溝25と重ならない位置で撮像されることにより、改質層26の画像データの視認性は向上する。そのため、ずれ量検出ステップは精度良く実施される。
図12は、改質層26がレーザー加工溝25と重なる位置で撮像されたときの改質層26の画像データを表示する表示装置39の表示例を示す図である。赤外線撮像手段33Bは、ウェーハ2の画像データを、ウェーハ2の裏面2B側から取得する。赤外線撮像手段33Bは、赤外線を使ってウェーハ2を撮像するため、ウェーハ2の内部に形成された改質層26のみならず、ウェーハ2の表面2Aに形成されたレーザー加工溝25も撮像する。そのため、図12に示すように、改質層26とレーザー加工溝25とが重なった画像データが取得される可能性がある。その結果、改質層26の位置(レーザー光線LB2の照射位置)を確認するカーフチェックにおいて、先に形成されているレーザー加工溝25の陰影の影響で改質層26の陰影を認識し難くなり、所望のレーザー光線LB2の照射位置と改質層26の位置とのずれ量である加工位置補正情報を高精度に検出することが困難となる。
改質層26がレーザー加工溝25と重ならない位置で撮像されることにより、加工位置補正情報を高精度に検出することができる。
次に、分割ステップについて説明する。分割ステップは、研削装置5によって実施される。図13は、実施形態1に係る分割ステップにおける研削装置5の動作を示す斜視図である。図14は、実施形態1に係る分割ステップにおける研削装置5の動作を示す正面図である。図15は、実施形態1に係る分割ステップが実施されたウェーハ2の要部を示す断面図である。
分割ステップは、ずれ量検出ステップ及び位置補正ステップを含む改質層形成ステップの後に実施される。分割ステップは、ウェーハ2に外力を付与して個々のデバイスチップに分割するステップである。
図13及び図14に示すように、研削装置5は、保護部材4を介してウェーハ2を着脱可能に保持するチャックテーブル51と、チャックテーブル51に保持されたウェーハ2を研削する研削手段52とを備えている。チャックテーブル51は、アクチュエータを含む回転駆動機構によって、矢印51aで示す方向に回転可能である。研削手段52は、スピンドルハウジング521と、スピンドルハウジング521に回転可能に支持され、アクチュエータを含む回転駆動機構によって回転される回転スピンドル522と、回転スピンドル522の下端に装着されたマウンター523と、マウンター523の下面に設けられた研削ホイール524とを有する。研削ホイール524は、円環状の基台525と、基台525の下面に環状に設けられた研削砥石526とを有する。基台525は、マウンター523の下面に締結ボルト527によって固定される。
次に、研削装置5を用いる分割ステップの動作について説明する。研削装置5を用いる分割ステップは、ウェーハ2の裏面を研削する裏面研削ステップを含む。
図13に示すように、ウェーハ2が保護部材4を介してチャックテーブル51の保持面に保持される。保持部材4とチャックテーブル51の保持面とが対向し、ウェーハ2の裏面2Bが上方を向くように、チャックテーブル51は保持部材4を介してウェーハ2を保持する(ウェーハ保持ステップ)。
ウェーハ2が保護部材4を介してチャックテーブル51に保持された後、チャックテーブル51が矢印51aで示す方向に回転されつつ、研削手段52の研削ホイール524が矢印524aで示す方向に回転される。チャックテーブル51及び研削ホイール524が回転している状態で、図14に示すように、研削砥石526とウェーハ2の裏面2Bとが接触される。矢印524bで示すように、研削ホイール524が下方に研削送りされることにより、ウェーハ2の裏面2Bが研削される(裏面研削ステップ)。
ウェーハ2の裏面2Bが研削されることにより、基板20の厚みが薄くなる。改質層26が形成されている部分の強度は低下しており、破断起点となる。薄くなった基板20は、分割予定ライン23に沿って形成された改質層26に沿って分断される。また、基板20の表面20Aに設けられている機能層21には分割予定ライン23に沿ってレーザー加工溝25が形成されている。そのため、改質層26から伸展した亀裂が加工溝25へと伸展し、機能層21も分割予定ライン23に沿って分割される。
以上説明したように、実施形態1によれば、少なくとも一部の外周余剰領域SAの分割予定ライン23に非加工部24を残してレーザー加工溝25が形成された後、レーザー光線LB2の照射によりウェーハ2の内部に改質層26が形成され、改質層26がレーザー加工溝25と重ならない位置で撮像されることにより、改質層26の位置ずれが正確に検出される。したがって、正確に検出された改質層26の位置ずれに基づいて、レーザー光線LB2の照射位置を補正する処理を精度良く実施することができる。
[実施形態2]
実施形態2について説明する。実施形態2では、分割ステップの別の実施例について説明する。実施形態2に係る分割ステップでは、分割装置8が使用される。図16は、実施形態2に係る分割ステップにおけるウェーハ2を示す斜視図である。図17及び図18は、実施形態2に係る分割ステップにおける分割装置8の動作を示す正面図である。
上述の実施形態1と同様、レーザー加工装置3を用いて、レーザー加工溝形成ステップ(SP1)と、ずれ量検出ステップ及び位置補正ステップを含む改質層形成ステップ(SP2)とが実施される。
改質層形成ステップが実施された後、図16に示すように、ウェーハ2の表面2Aから保護部材4が外されるとともに、ウェーハ2の裏面2Bに環状のフレーム6に装着されたダイシングテープ7が貼着される。ダイシングテープ7は、例えば、ポリオレフィンのような合成樹脂シートである。ウェーハ2は、表面2Aが上方を向くように、ダイシングテープ7の表面に貼着される。
次に、ダイシングテープ7に貼着されたウェーハ2が分割装置8に設置される。図17に示すように、分割装置8は、フレーム6を保持するフレーム保持手段81と、フレーム保持手段81に保持されたフレーム6に装着されたダイシングテープ7を拡張するテープ拡張手段82とを備えている。フレーム保持手段81は、環状のフレーム保持部材811と、フレーム保持部材811の外周に配置された複数のクランプ機構812とを有する。フレーム保持部材811の上面は、フレーム6が載置される載置面811aである。載置面811aに載置されたフレーム6は、クランプ機構812によってフレーム保持部材811に固定される。フレーム保持手段81は、テープ拡張手段82によって上下方向に移動可能である。
テープ拡張手段82は、フレーム保持部材811の内側に配置される拡張ドラム821を有する。拡張ドラム821は、フレーム6の内径よりも小さく、ウェーハ2の外径より大きい内径及び外径を有する。テープ拡張手段82は、フレーム保持部材811を上下方向に移動可能な支持手段83を有する。支持手段83は、複数のエアシリンダ831を有する。エアシリンダ831のピストンロッド832がフレーム保持部材811の下面に連結される。複数のエアシリンダ831を含む支持手段83は、フレーム保持部材811の載置面811aが、拡張ドラム821の上端と略同一高さとなる基準位置と、拡張ドラム821の上端より所定量下方の拡張位置との間を上下方向に移動するように、フレーム保持部材811を移動させる。
次に、分割装置8を用いる分割ステップについて説明する。図16に示したように、分割予定ライン23に沿ってレーザー加工溝25及び改質層26が形成されているウェーハ2がダイシングテープ7に支持される。図17に示すように、ダイシングテープ7を介してウェーハ2を支持するフレーム6が、フレーム保持手段81のフレーム保持部材811の載置面811aに載置され、クランプ機構812によってフレーム保持部材811に固定される。このとき、フレーム保持部材811は、図17に示す基準位置に位置付けられている。
次に、支持手段83の複数のエアシリンダ831が作動され、フレーム保持部材811が図18に示す拡張位置に下降される。これにより、フレーム保持部材811の載置面811aに固定されている環状のフレーム6も下降する。そのため、図18に示すように、環状のフレーム6に装着されたダイシングテープ7は、拡張ドラム821の上端部に当接し、拡張する(テープ拡張ステップ)。その結果、ダイシングテープ7に貼着されているウェーハ2には放射状の引張力が作用する。ウェーハ2に放射状の引張力が作用すると、分割予定ライン23に沿って形成された改質層26を破断起点として、ウェーハ2の基板20が分割予定ライン23に沿って分割される。また、機能層21にはレーザー加工溝25が形成されているので、機能層21も分割予定ライン23に沿って分割される。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
2 ウェーハ
2A 表面
2B 裏面
3 レーザー加工装置
4 保護部材
20 基板
21 機能層
22 デバイス
23 分割予定ライン
24 非加工部
25 レーザー加工溝
26 改質層
31 チャックテーブル
32 レーザー光線照射手段
33 撮像手段
34 ケーシング
35 集光器
37 移動装置
38 位置検出装置
39 表示装置
40 制御手段
41 演算処理装置
42 記憶装置
43 入出力インターフェース装置
LB1 レーザー光線
LB2 レーザー光線
DA デバイス領域
SA 外周余剰領域

Claims (2)

  1. 基板の表面に積層された機能層が格子状に形成された分割予定ラインによって区画され、区画された領域にデバイスが形成されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを表面に備えるウェーハの加工方法であって、
    該機能層に対して吸収性を有する波長のレーザー光線をウェーハの表面側から照射し、少なくとも一部の外周余剰領域の該分割予定ラインに非加工部を残して、該分割予定ラインに沿ったレーザー加工溝を形成し、該機能層を分断するレーザー加工溝形成ステップと、
    該レーザー加工溝形成ステップを実施した後、基板に対して透過性を有する波長のレーザー光線を、該非加工部を含む該分割予定ラインに沿って、ウェーハの裏面側から照射し、基板の内部に破断起点となる改質層を形成する改質層形成ステップと、
    該改質層形成ステップを実施した後、ウェーハに外力を付与して個々のデバイスチップに分割する分割ステップと、を含み、
    該改質層形成ステップでは、
    該非加工部の該改質層を赤外線撮像手段で撮像し、所望のレーザー光線照射位置と該改質層の位置とのずれ量を加工位置補正情報として検出するずれ量検出ステップと、
    該加工位置補正情報に基づいてレーザー光線の照射位置を補正する位置補正ステップと、を備え、
    該改質層が該レーザー加工溝と重ならない位置で撮像されることを特徴とするウェーハの加工方法。
  2. 該レーザー光線照射位置は、該赤外線撮像手段で撮像した該分割予定ライン、又は該レーザー加工溝に対応することを特徴とする請求項1記載のウェーハの加工方法。
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