JP2017016836A - 電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板3に実装される電気コネクタ1は、基板3の端子31に圧入される圧入端子11を保持するインナーハウジング10と、基板3にねじ4により締結されるアウターハウジング20とを備える。インナーハウジング10およびアウターハウジング20は、別体であり、圧入端子11の圧入およびアウターハウジング20の締結により、基板3と共に組み付けられる。
【選択図】図5
Description
コネクタを基板に実装する際には、基板の端子にコネクタの半田端子を挿入し、コネクタの固定部と基板とをねじ止めした後、半田端子と基板端子とを半田付けする。
しかも、基板に固定部をねじ止めするためのトルクによって、圧入端子と基板端子との接続部分に負荷が加わり、接続部分が破損するおそれもある。
そこで、本発明は、圧入端子を用いていながら、基板への実装時にハウジングの破損や圧入接続部分の破損を防ぐことのできる電気コネクタを提供することを目的とする。
そして、本発明は、第1ハウジングおよび第2ハウジングが、別体であり、圧入端子の圧入および第2ハウジングの締結により、基板と共に組み付けられることを特徴とする。
「仮組み」は、基板への実装に際して、第1ハウジングと第2ハウジングとを組み付けることを意味する。
本発明によれば、第1ハウジングおよび第2ハウジングが仮組みされていても、圧入端子が圧入される向きとは逆の向きへと、第1ハウジングに対する第2ハウジングの変位が許容された状態で、圧入端子の圧入を行うことができる。
そうすると、基板に着座した第2ハウジングが、圧入端子が圧入される向きとは逆の向きへと逃げるため、圧入端子の圧入時に第2ハウジングが基板に強く押し付けられることがないので、第2ハウジングが破損しない。
また、第1ハウジングおよび第2ハウジングが別体であるため、第1ハウジングおよび第2ハウジングを仮組みせずに第1ハウジング単体の状態で、圧入端子の圧入を行うこともできる。この場合にも、勿論、圧入端子の圧入時に第2ハウジングが破損しない。
〔第1実施形態〕
図1に示す電気コネクタ1は、電子機器等に組み込まれる基板3に実装される。
電気コネクタ1は、図2に示すように、別体に形成されたインナーハウジング10およびアウターハウジング20を備えている。
インナーハウジング10は、絶縁性の樹脂から射出成形されている。成形されたインナーハウジング10に圧入端子11を圧入することにより、あるいは、圧入端子11をインサート成形することにより、圧入端子11を保持したインナーハウジング10を得ることができる。
このインナーハウジング10は、基板3に直接固定される部分を備えておらず、基板3に締結されるアウターハウジング20によって基板3に間接的に固定される。
本実施形態の圧入端子11は、全体が直線状に形成されており、基板端子31内への圧入により基板3に保持される圧入部11Aと、インナーハウジング10から突出したコンタクト部11B(図2)とを有している。
コンタクト部11Bは、図示しない相手コネクタの端子と電気的に接続される。相手コネクタと電気コネクタ1とは、圧入端子11の軸線方向(z方向)に沿って嵌合される。
一群の圧入端子11が設けられる領域101は、インナーハウジング10において1つだけ、あるいは3つ以上設定されていてもよい。
アウターハウジング20は、図1および図3に示すように、インナーハウジング10の一部を受容する受容部21と、圧入端子11が貫通するベース22と、相手コネクタに嵌合する嵌合部23と、基板3にねじ4で固定される固定部24とを有している。
アウターハウジング20の形状は、基板3にねじ4で固定される限りにおいて適宜に定めることができる。
嵌合部23は、ベース22から立ち上がり、圧入端子11を包囲する。嵌合部23には、一群の圧入端子11がそれぞれ配置される2つの凹部230が形成されている。それらの凹部230は壁体25(図3)により仕切られている。図3に凹部230を破線で示す。嵌合部23の詳しい図示は省略する。
上述の受容部21と、延出部26の内側とに亘りインナーハウジング10が受容される。
挿入孔28には、基板3を厚み方向に貫通する孔32(図5(c))を介してねじ4が挿入される。ねじ4を回して挿入孔28の内周部にねじ込むことにより、基板3と固定部24とが締結される。ねじ4としてタッピングねじを採用することができる。また、挿入孔28に、ねじ4が螺合されるナットを埋設してもよい。
アウターハウジング20は、図1における手前側に1つ、奥側に2つ、合計で3つの固定部24を備えており、これらの固定部24によりバランス良く基板3にねじ止めされている。
係止部29は、固定部24の延出部26(図3)の内側に形成されている。
電気コネクタ1に加えられる外力としては、例えば、電気コネクタ1に相手コネクタを挿抜する際の力や、相手コネクタと嵌合した状態で相手コネクタの端子に設けられた電線が配線作業の際に引っ張られたときの力等が挙げられる。また、電気コネクタ1が車両に搭載される場合は、顕著な振動が電気コネクタ1に外力として加えられる。
電気コネクタ1に加えられる外力の一部が固定部24と基板3との締結箇所に伝わることで、圧入端子11と基板端子31との接続部分に作用する負荷が軽減される。
図4(a)に示すコネクタ9に備えられたハウジング90は、圧入端子91を保持しているとともに、基板3にねじで固定される固定部92を有している。固定部92はハウジング90の一部を構成しており、圧入端子91はハウジング90に保持されている。そのため、圧入端子91と固定部92とは相対的な位置が変わることのないリジッドな関係にある。
そこで、本実施形態の電気コネクタ1は、圧入端子11を保持するインナーハウジング10と、ねじ4で基板3に締結されるアウターハウジング20とを備えることを主要な特徴としている。
インナーハウジング10およびアウターハウジング20は、別体であるため、両者間の相対変位が規制されていない。これらインナーハウジング10およびアウターハウジング20は、圧入端子11の圧入時に、圧入端子11が圧入される向き(図5(b)の−z)とは逆の向き(図5(b)の+z)へと、インナーハウジング10に対するアウターハウジング20の変位が許容されるように、かつ、固定部24のねじ止め時に、ねじ4の軸方向(圧入端子11が圧入される向きと平行なz方向)と直交する面内方向(xy面内方向)へと、インナーハウジング10に対するアウターハウジング20の変位が許容されるように構成されている。
C2,C3等のクリアランスの存在により、大きい外力が加えられなくてもインナーハウジング10とアウターハウジング20とがスムーズに相対変位可能である。
実装前に、図3に示すように、インナーハウジング10にアウターハウジング20を被せることでハウジング10,20を仮組みする。このとき、係止アーム13が係止部29に係止されるので、仮組体を取り扱う際にインナーハウジング10とアウターハウジング20とが分離することを防ぐことができる。
まず、圧入機により支持された基板3へのハウジング10,20の位置決め、圧入端子11の先端のみを基板端子31に挿入する仮挿入(図5(a))を行う。そして、圧入端子11を把持する圧入機の押し込み部Pにより、所定の圧入位置にまで圧入端子11を基板端子31内に圧入して固定する。
圧入端子11の圧入時、インナーハウジング10と仮組みされているアウターハウジング20は、自重により下降し、基板3に着座する(図5(b))。
ねじ4へのトルクの付与により、アウターハウジング20の固定部24に入力されるトルクは、インナーハウジング10とアウターハウジング20とが別体であることにより、アウターハウジング20からインナーハウジング10に直接的には伝達されない。そのため、既に基板端子31に圧入固定されている圧入端子11と基板端子31との接続部分に過大な負荷が加えられない。
本実施形態では、図3に示すようにクリアランスC2,C3(図3)が存在する箇所ではハウジング10,20が互いに接触していないので、締結のトルクによりアウターハウジング20のみがxy面内方向に変位する。
ここで、インナーハウジング10とアウターハウジング20との間に必ずしも所定のクリアランスが設定されている必要はない。両者の間に格別クリアランスを設定していなくても、インナーハウジング10とアウターハウジング20とが別体である以上、通常、両者の間には公差相当の隙間が生じている。隙間が存在する箇所ではハウジング10,20が互いに接触していないので、やはり、締結のトルクによりアウターハウジング20のみがxy面内方向に変位する。
さらに言えば、インナーハウジング10とアウターハウジング20とが接触する箇所においても、ハウジング10,20間で滑るように、インナーハウジング10に対するアウターハウジング20のxy面内方向の変位が許容される。
以上より、ハウジング10,20の全体として、インナーハウジング10に対するアウターハウジング20のxy面内方向の変位が許容されるので、締結のトルクがアウターハウジング20からインナーハウジング10へと伝達され難い。
以上により、電気コネクタ1の組み立ておよび基板3への実装を完了する。
本発明は、L字状に形成された圧入端子を備えた電気コネクタにも適用することができる。その圧入端子を保持するインナーハウジング10の形態、およびインナーハウジング10に基板3と共に組み付けられるアウターハウジング20の形態については適宜に定めることができる。
3 基板
9 コネクタ
10 インナーハウジング
10A 上端部
11 圧入端子
11A 圧入部
11B コンタクト部
13 係止アーム
20 アウターハウジング
21 受容部
22 ベース
23 嵌合部
24 固定部
25 壁体
26 延出部
27 締結部
28 挿入孔
29 係止部
31 基板端子
32 孔
90 ハウジング
91 圧入端子
92 固定部
101 領域
230 凹部
C1,C2,C3,C4 クリアランス
Claims (5)
- 基板に実装される電気コネクタであって、
前記基板の端子に圧入される圧入端子を保持する第1ハウジングと、
前記基板にねじにより締結される第2ハウジングと、を備え、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングは、
別体であり、
前記圧入端子の圧入および前記第2ハウジングの締結により、前記基板と共に組み付けられる、
ことを特徴とする電気コネクタ。 - 前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングが仮組みされた状態であっても、
前記圧入端子が圧入される向きとは逆の向きへと、前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの変位が許容される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。 - 前記ねじの軸方向と直交する面内方向へと、前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの変位が許容される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気コネクタ。 - 前記第2ハウジングは、
前記第1ハウジングの少なくとも一部を受容し、
前記第1ハウジング、前記第2ハウジング、および前記基板は、
前記基板と前記第2ハウジングとの間に前記第1ハウジングが挟まれた状態で相互に組み付けられる、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気コネクタ。 - 前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの分離を規制する分離規制部を備え、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングは、
前記分離規制部により分離が規制された状態であっても、
前記圧入端子が圧入される向きとは逆の向きへと、前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの変位が許容されるとともに、
前記ねじの軸方向と直交する面内方向へと、前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの変位が許容される、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
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