[第1実施例]
以下、図面を適宜参照して、この発明の第1実施例である用紙搬送装置10について説明する。図1は、用紙搬送装置10を備える画像形成装置100の断面を概略的に示す図解図である。
図1を参照して、用紙搬送装置10は、後述するレジストローラ68および用紙搬送路の一部で構成され、複写機、ファクシミリ、プリンタおよびこれらの複合機などの画像形成装置100に用いられる。この実施例では、画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。
まず、画像形成装置100の構成について概略的に説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、装置本体12およびその上方に配置される画像読取装置14を含み、画像読取装置14で読み込まれた画像データまたは外部コンピュータから送信された画像データに基づいて、所定の用紙(記録紙)に対して多色または単色の画像を形成する。
画像読取装置14は、透明材によって形成される原稿載置台16を備え、原稿載置台16の上方には、ヒンジ等を介して原稿押さえカバー18が開閉自在に取り付けられる。この原稿押さえカバー18には、原稿載置トレイ20に載置された原稿を画像読取位置22に対して1枚ずつ自動的に給紙するADF(自動原稿送り装置)24が設けられる。また、図示は省略するが、原稿載置台16の前面側には、ユーザによる入力操作を受け付けるタッチパネルおよび操作ボタン等の操作部(操作パネル)が設けられる。
また、画像読取装置14には、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える画像読取部26が内装される。画像読取部26は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等を用いるとよい。
なお、画像読取部26は、画像読取位置22と対向する位置がホームポジションとされ、原稿載置トレイ20に載置された原稿の画像を読み取る場合には、ADF24によって搬送される原稿が画像読取位置22を通過するときに当該原稿表面の画像を読み取り、その画像データを取得する。また、原稿載置台16に載置された原稿の画像を読み取る場合には、光源およびミラー等が原稿載置台16の下方を適宜移動することによって、当該原稿表面の画像を読み取り、その画像データを取得する。
また、画像形成装置100の装置本体12には、制御部28および画像形成部30が内装される。制御部28は、CPU110およびRAM114等を備え(図5参照)、タッチパネル等の操作部への入力操作などに応じて、画像形成装置100の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置100に種々の動作を実行させる。
画像形成部30は、露光ユニット32、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38、帯電器40、中間転写ベルトユニット42、転写ローラ(2次転写ローラ)44および定着ユニット46等を備え、給紙カセット48または手差し給紙カセット50から給紙(搬送)される用紙(記録紙)上に画像を形成し、画像形成済みの用紙を排紙トレイ52に排出する。用紙上に画像を形成するための画像データとしては、上述のように、画像読取部26で読み取った画像データや外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
なお、画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38および帯電器40のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像ステーションが構成される。
感光体ドラム36は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された静電潜像担持体であり、帯電器40は、この感光体ドラム36の表面を所定の電位に帯電させるものである。また、露光ユニット32は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成され、帯電された感光体ドラム36の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム36の表面に形成する。現像器34は、感光体ドラム36の表面に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーによって顕像化するものである。また、クリーナユニット38は、現像および画像転写後における感光体ドラム36の表面に残留したトナーを除去して回収する。
中間転写ベルトユニット42は、中間転写ベルト54、駆動ローラ56、従動ローラ58および4つの中間転写ローラ60等を備え、感光体ドラム36の上方に配置される。中間転写ベルト54は、各感光体ドラム36に接触するように設けられており、中間転写ローラ60を用いて、各感光体ドラム36に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト54に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト54上に多色のトナー像が形成される。また、駆動ローラ56の近傍には、転写ローラ44が配置されており、中間転写ベルト54と転写ローラ44との間のニップ域を用紙が通過することによって、中間転写ベルト54に形成されたトナー像が用紙に転写される。
転写ローラ44は、たとえば、ステンレスまたは鉄等の芯金を含み、この芯金上に、カーボン、イオン導電性フィラーまたはイオン導電性を有するベースポリマーなどにより導電性のスポンジ弾性体層が形成される。このスポンジ弾性体層の表層には、発泡体層(発泡セル)が形成される。
定着ユニット46は、ヒートローラ62および加圧ローラ64を備え、転写ローラ44の上方に配置される。ヒートローラ62は、所定の定着温度となるように設定されており、ヒートローラ62と加圧ローラ64との間のニップ域を用紙が通過することによって、用紙に転写されたトナー像が溶融、混合および圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。なお、定着ユニット46では、上記のようなトナー像の定着処理が行われる他に、ヒートローラ62と加圧ローラ64との間のニップ域に用紙を通過させることによって、用紙の平滑化処理を行うこともできる。
このような装置本体12内には、給紙カセット48または手差し給紙カセット50に載置された用紙を転写ローラ44および定着ユニット46を経由させて排紙トレイ52に送るための第1用紙搬送路L1が設けられる。また、用紙に対して両面印刷を行う際に、片面印刷が終了して定着ユニット46を通過した後の用紙を、転写ローラ44の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に戻すための第2用紙搬送路L2が設けられる。
第1用紙搬送路L1には、用紙を搬送する機構として機能する、複数の搬送ローラ66、レジストローラ68、転写ローラ44および定着ユニット46等が設けられる。また、第2用紙搬送路L2には、用紙を搬送する機構として機能する、複数の搬送ローラ66が設けられる。さらに、定着ユニット46の用紙搬送方向における下流側において第1用紙搬送路L1から第2用紙搬送路L2が分岐する部分(第1用紙搬送路L1と第2用紙搬送路L2との合流部分)には、用紙の搬送方向を切り替えるための案内ゲート(図示せず)が設けられる。
このような画像形成装置100の装置本体12では、片面印刷を行う際には、給紙カセット48または手差し給紙カセット50に載置された用紙が各ピックアップローラによって1枚ずつ第1用紙搬送路L1に導かれ、搬送ローラ66によってレジストローラ68まで搬送される。そして、レジストローラ68によって、用紙の先端と中間転写ベルト54上の画像情報の先端とが整合するタイミングで用紙が転写部(転写ローラ44および駆動ローラ56が設けられる部分)に搬送され、転写ローラ44によって用紙上にトナー像が転写される。その後、定着ユニット46を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融して固着され、搬送ローラ66を経て排紙トレイ52上に用紙が排出される。
一方、両面印刷を行う際には、片面印刷が終了して定着ユニット46を通過した用紙の後端部が搬送ローラ66まで到達したとき、搬送ローラ66を逆回転させると共に案内ゲートを下側に切り替えることによって、用紙が逆走して第2用紙搬送路L2に導かれる。第2用紙搬送路L2に導かれた用紙は、複数の搬送ローラ66によって第2用紙搬送路L2を搬送されて、レジストローラ68の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に導かれる。その後、用紙は、レジストローラ68によって所定のタイミングで転写ローラ44に搬送されるが、第2用紙搬送路L2から第1用紙搬送路L1に合流する段階で用紙の表裏は反転されるので、転写ローラ44では用紙の裏面に印刷が行われる。その後、定着ユニット46を通過することによって用紙の裏面側の未定着トナーが熱で溶融して固着され、搬送ローラ66を経て排紙トレイ52上に用紙が排出される。
上記の複数の搬送ローラ66は、搬送ローラ用モータ132(図5参照)によって回転される。搬送ローラ用モータ132(以下、単に「モータ132」という)の回転力は、ギアなどを用いて一つまたは複数の搬送ローラ66に伝達される。ただし、モータ132は複数設けられてもよい。
レジストローラ68は、ペーパーストップローラ(PSローラ)とも呼ばれ、画像形成部30が用紙の画像形成を行うプロセススピードと等しい速度で、用紙を搬送する。具体的には、電子写真方式の画像形成装置100では、レジストローラ68は、中間転写ベルト54の周速度と等しい周速度で回転される。また、レジストローラ68は、搬送ローラ66によって搬送された用紙を挟持した状態で待機(一旦停止)し、画像形成部30と同期させて用紙の搬送を開始することで、用紙に対してずれなく画像が形成される。
図2は、画像形成装置100のレジストローラ68を上方から見た場合の平面図である。ただし、図2において、左側が図1に示した画像形成装置100の正面側に相当し、右側が図1に示した画像形成装置100の背面側に相当する。図3は、画像形成装置100に設けられる用紙検出センサ90を斜め上方から見た斜視図である。図4(A)は、用紙を検出していない状態(非検出時)の用紙検出センサ90を正面から見た図解図を示し、図4(B)は、用紙を検出している状態(検出時)の用紙検出センサ90を正面から見た図解図を示す。
図1および図2に示すように、レジストローラ68は、駆動ローラ68aおよび従動ローラ68bを含み、第1用紙搬送路L1の幅方向に並んで配置される。駆動ローラ68aは、第1用紙搬送路L1を基準にして転写ローラ44と同じ側に配置される。一方、従動ローラ68bは、第1用紙搬送路L1を基準にして中間転写ベルト54の駆動ローラ56と同じ側に配置される。たとえば、従動ローラ68bは、駆動ローラ68aに圧接するように配置される。また、この第1実施例では、駆動ローラ68aおよび従動ローラ68bの径および軸方向(長手方向)における長さは同じまたは略同じに設定される。たとえば、駆動ローラ68aおよび従動ローラ68bの軸方向における長さは、搬送される用紙の最大紙幅よりも長く設定される。
駆動ローラ68aは、ゴムなどの摩擦係数の大きい弾性部材で構成される。この駆動ローラ68aの回転軸70には、ギア74aが設けられ、このギア74aには、レジストローラ用モータ136(図4参照)の回転軸に設けられるギアが接続され、レジストローラ用モータ136(以下、単に「モータ136」という)の回転力が与えられる。
従動ローラ68bは、剛性の高い金属で構成される。この従動ローラ68bの回転軸72にはギア74bが設けられ、駆動ローラ68aの回転軸70に設けられるギア74aと接続される。ただし、ギア74aとギア74bのギア比は1対1である。したがって、回転軸70が回転されると、回転軸72は回転軸70とは逆向きに同じ速度で回転される。
このように、レジストローラ68は構成されるため、駆動ローラ68aが回転することにより、従動ローラ68bも回転される。したがって、レジストローラ68の用紙搬送方向の上流側から搬送された用紙が、駆動ローラ68aと従動ローラ68bとによって挟持され、用紙搬送方向の下流側に搬送される。
また、レジストローラ68の用紙搬送方向の上流側には、用紙検出センサ90が設けられる。この用紙検出センサ90は、アクチュエータ部材92と透過型の光学センサ94を含む。
アクチュエータ部材92は、アクチュエータ920、遮蔽部材922および回転軸924を含み、アクチュエータ920および遮蔽部材922の一方端は、回転軸924に固定される。アクチュエータ920および遮蔽部材922は、回転軸924の軸方向に所定の間隔を有して設けられる。また、アクチュエータ920および遮蔽部材922は、図4(A)および図4(B)からも分かるように、アクチュエータ920および遮蔽部材922が回転軸924から放射状に延びる方向(角度)を所定の角度ずらして設けられる。
図3から分かるように、アクチュエータ920は、回転軸924の軸方向から見た場合に、L字状の形状を有する板部材で形成される。また、遮蔽部材922は、回転軸924の軸方向に垂直な方向から見た場合に、L字状の形状を有する板部材で形成される。遮蔽部材922は、遮蔽板922aおよび連結板922bを含み、遮蔽板922aは回転軸924の軸方向に対して平行な平面を有し、連結板922bによって回転軸924に連結(固定)される。
回転軸924は、装置本体12内部に回動(回転)可能に固定される。この回転軸924には、トーションばね98が取り付けられる。トーションばね98のコイル部が回転軸924に通され、一方のアームがアクチュエータ920の側面に設けられた突起(説明の都合上、「第1突起」という)920bに引っ掛けられる。図3からも分かるように、第1突起920bは、回転軸924の方向に延びる。また、トーションばね98の他方のアームは、装置本体12の内部に設けられる突起(説明の都合上、「第2突起」という)に引っ掛けられる。この第2突起もまた、回転軸924の方向に延びる。ただし、図3に示すように、トーションばね98の2つのアームは、アクチュエータ部材92が反時計周りに回動されたときに、その復元力(コイル部にかかる曲げ応力の反力)が得られるように、それぞれ第1突起920bおよび第2突起に引っ掛けられる。
したがって、アクチュエータ部材92が回転軸924を中心に反時計回りに回動されると、トーションばね98の復元力が働き、この復元力によって、アクチュエータ部材92は、回転軸924を中心に時計回りに回動され、元の位置(基準の位置)に戻る。
また、光学センサ94は、発光部(投光部)940および受光部942を含み、発光部940および受光部942は一定の距離を隔てて部材(基材)96に固定される。この部材96は装置本体12内部に固定される。また、この実施例では、発光部940から発光された光が受光部942で受光される場合には、光学センサ94はオフされ、一方、発光部940から発光された光が受光部942に受光されない場合には、光学センサ94はオンされる。ただし、オンとオフは逆であってもよい。
用紙が搬送されていない場合および第1用紙搬送路L1を搬送される用紙が用紙検出センサ90の設けられる位置に無い場合には、図4(A)に示すように、アクチュエータ部材92は基準の位置から回動されないため、遮蔽板922aで発光部940から発光された光が遮光されない。つまり、光学センサ94はオフである。このため、用紙が無いことが検出される。
一方、第1用紙搬送路L1を搬送される用紙が用紙検出センサ90の設けられる位置に有る場合には、アクチュエータ920の湾曲部920aに用紙が当たり、図4(B)に示すように、アクチュエータ部材92が回転軸924を中心に反時計回りに回動される。このとき、遮蔽板922aが発光部940から発光された光を遮蔽する。したがって、光学センサ94はオンされる。このため、光学センサ94の出力に基づいて用紙が有ることが検出される。
上述したように、光学センサ94の検出結果に基づいて、レジストローラ68によって停止された用紙は、用紙の先端と中間転写ベルト54上のトナー像の先端とが整合するタイミングで転写ローラ44に搬送されると、トーションばね98の復元力によってアクチュエータ部材92は時計周りに回動され、元の位置に戻る。
このような画像形成装置100では、用紙が搬送されないときに、転写ローラ44は、中間転写ベルト54上のトナーを発泡セル内に取り込んでしまう場合がある。また、昨今の安価な用紙においては、その裁断面が粗悪であり、大きな返り(バリ)を有するものが多い。そのため、たとえば、用紙搬送方向における用紙の後端の裁断面の返りが転写ローラ44の配置される側を向いていると、転写ローラ44を通過する際に、発泡セル内に取り込まれたトナーを掻き取ってしまい、用紙搬送方向における用紙の後端が汚れてしまうという問題がある。
このような不都合を回避するため、この第1実施例では、用紙の裁断面の返りを確実に潰すようにしてある。以下、具体的に説明する。
この第1実施例では、用紙の後端部がレジストローラ68を通過する際に、モータ136が停止され、レジストローラ68(駆動ローラ68aおよび従動ローラ68b)の回転が停止される。このため、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力が、レジストローラ68が回転する時よりも大きくなる。レジストローラ68が停止されると、用紙は転写ローラ44によって搬送される。このため、用紙の後端部は、レジストローラ68から引き抜かれるように、このレジストローラ68から抜ける。したがって、レジストローラ68によって、用紙搬送方向における用紙の後端の裁断面の返りが矯正される。つまり、裁断面の返りが確実に潰される。
図5は図1に示す画像形成装置100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、画像形成装置100はCPU110を含み、CPU110には、バス112を介して、画像形成部30、光学センサ94、RAM114、第1タイマ116、モータドライバ130およびモータドライバ134が接続される。また、モータドライバ130には、モータ132が接続され、モータドライバ134は、モータ136に接続される。
なお、図5に示すコンポーネントのうち、図1に示した制御部28には、CPU110、バス112、RAM114、第1タイマ116、モータドライバ130およびモータドライバ134が含まれる。
また、図示は省略するが、画像形成装置100には、上述した画像読取部26、操作部、ジャムセンサおよびフラッシュメモリなども含まれ、バス112を介してCPU110に接続される。
画像形成部30は、上述したように、感光体ドラム36の表面にトナー像を形成し、さらに、中間転写ベルト54の表面にそのトナー像を転写する。また、画像形成部30は、中間転写ベルト54の表示に形成されたトナー像を用紙に転写し、転写したトナー画像を定着させて、排紙トレイ52に排出する。
光学センサ94は、上述したように、透過型の光学センサであり、搬送される用紙の有無を検出するためのセンサであり、用紙検出センサ90を構成する。用紙検出センサ90で用紙が検出された場合には、光学センサ94はオンされ、用紙検出センサ90で用紙が検出されていない場合には、光学センサ94はオフされる。
CPU110は、画像形成装置100の全体的な制御を司り、画像形成部30などの画像形成装置100の各部位の動作を統括的に制御する。RAM114は、CPU110のワーク領域およびバッファ領域として使用される。
第1タイマ116は、時間をカウントするためのカウンタ(タイマ)である。この第1実施例では、第1タイマ116は、モータ136の駆動を開始してから、用紙の用紙搬送方向における後端の余白部分の先頭位置がレジストローラ68に挟持されるまでの時間(第1時間)をカウントするために使用される。この第1時間は、用紙のサイズ、給紙される用紙の向きおよび用紙搬送方向における後端の余白部分の長さに応じて決定(算出)される。ただし、用紙のサイズ、給紙される用紙の向きおよび用紙搬送方向における用紙の後端の余白部分の長さは予め決定される。
たとえば、余白部分の長さは、給紙される用紙の向きが縦長の向き(縦向き)である場合には、用紙の下端部の余白部分の長さであり、給紙される用紙の向きが横長の向き(横向き)である場合には、用紙の左端部の余白部分の長さである。ただし、両面印刷を行う場合において、給紙される用紙の向きが横長の向きである場合には、裏面を印刷するときの余白部分の長さは、用紙の右端部の余白部分の長さである。
また、たとえば、第1時間は次のように算出される。レジストローラ68の回転(搬送)速度Vは一定であり、予め決定されている。また、用紙の先頭から用紙搬送方向における用紙の後端の余白部分の先頭までの長さDは、用紙サイズ、給紙される向きおよび用紙搬送方向における用紙の後端の余白部分の長さに応じて決定される。したがって、第1時間は、長さDを速度Vで割ることにより算出される。
モータドライバ130は、CPU110からの指示に従って、モータ132の駆動および停止を制御する。同様に、モータドライバ134は、CPU110からの指示によって、モータ136の駆動および停止を制御する。たとえば、モータ132およびモータ136は、DCモータであり、モータドライバ130およびモータドライバ134からそれぞれ印加される電圧によってそれぞれ駆動される。
図6は図5に示したRAM114のメモリマップ300の一例を示す図解図である。図6に示すように、RAM114は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、画像形成装置100を制御するための制御プログラムが記憶される。制御プログラムは、画像形成プログラム310およびモータ制御プログラム(用紙搬送制御プログラム)312を含む。
画像形成プログラム310は、画像読取部26で読み取った画像データや外部コンピュータから送信された画像データ等に基づいて、用紙に多色または単色の画像を形成するためのプログラムである。
モータ制御プログラム312は、モータ132およびモータ136の各々の駆動および停止を制御するためのプログラムである。したがって、搬送ローラ66およびレジストローラ68は、回転されたり、回転を停止されたりする。つまり、モータ制御プログラム312に従って、搬送ローラ66およびレジストローラ68の動作も制御される。
図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、画像形成装置100を制御するために必要な他のプログラムも記憶される。
データ記憶領域304には、時間データ330が記憶される。時間データ330は、この第1実施例では、モータ136の駆動を開始してから、用紙の用紙搬送方向における後端の余白部分の先頭位置がレジストローラ68で挟持されるまでの第1時間についてのデータである。
図示は省略するが、制御プログラムの実行に必要な他のデータもデータ記憶領域304に記憶され、また、制御プログラムの実行に必要なカウンタやフラグもデータ記憶領域304に設けられる。たとえば、他のデータとしては、用紙サイズ、給紙される用紙の方向およびレジストローラ68の回転(搬送)速度Vについてのデータである。
図7および図8は、図5に示すCPU110のモータ制御処理を示すフロー図である。なお、CPU110は、モータ制御プログラムと並行して、画像形成装置100としての一般的機能を実現するプログラムを実行するが、本発明の本質的部分とは直接関係しないため、詳細については省略する。
ユーザから給紙(複写または印刷の開始)が指示されると、図7に示すように、ステップS1で、給紙を開始する。このとき、CPU110の指示に従って、給紙カセット48または手差し給紙カセット50から用紙が給紙され、また、モータ132の駆動が開始され、搬送ローラ66が回転される。
次のステップS3では、所定時間(ここでは、第1時間)を算出する。第1時間の算出方法は上記のとおりである。また、このとき、第1時間に対応する時間データ330がデータ記憶領域304に記憶される。
続いて、ステップS5では、光学センサ94が用紙の先端を検出したかどうかを判断する。ここでは、CPU110は、光学センサ94がオフからオンに変化されたかどうかを判断する。
ステップS5で“NO”であれば、つまり光学センサ94が用紙の先端を検出していなければ、同じステップS5に戻る。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり光学センサ94が用紙の先端を検出すれば、ステップS7で、所定のタイミングかどうかを判断する。ここでは、CPU110は、用紙の先端と中間転写ベルト54上のトナー像の先端とが整合(一致)するタイミングかどうかを判断する。
ステップS7で“NO”であれば、つまり所定のタイミングでなければ、同じステップS7に戻る。一方、ステップS7で“YES”であれば、つまり所定のタイミングであれば、ステップS9で、モータ136の駆動を開始し、ステップS11に進む。
そして、ステップS11では、タイマ(第1タイマ116)をリセットおよびスタートして、ステップS13で、所定時間が経過したかどうかを判断する。ステップS13では、CPU110は、第1タイマ116でカウントされた時間が、時間データ330が示す第1時間に到達したかどうかを判断する。
ステップS13で“NO”であれば、つまり所定時間が経過していなければ、同じステップS13に戻る。一方、ステップS13で“YES”であれば、つまり所定時間が経過していれば、図8に示すステップS15で、モータ136の駆動を停止する。
そして、ステップS17では、終了かどうかを判断する。このステップS17では、CPU110は、ユーザによって、終了(停止)の指示が与えられたり、すべての用紙の給紙を終了したりしたかどうかを判断する。
ステップS17で“NO”であれば、つまり終了でなければ、図7に示したステップS5に戻る。一方、ステップS17で“YES”であれば、つまり終了であれば、モータ制御処理を終了する。
なお、図示は省略するが、両面印刷する場合には、ステップS5〜S15に従って表面の印刷時の処理が終了すると、同様に、ステップS5〜S15に従って裏面の印刷時の処理が実行される。ただし、給紙の方向が横向きの場合には、ステップS3では、用紙の左端部の余白部分の長さおよび右端部の余白部分の長さのそれぞれに応じた第1時間が算出され、ステップS13で使い分けられる。ただし、用紙の左端部の余白部分の長さおよび右端部の余白部分の長さのうち、いずれか一方についての第1時間を算出して、これをステップS13で参照するようにしてもよい。
この第1実施例によれば、用紙の後端がレジストローラ68を抜ける際に、レジストローラ68の回転が停止されるので、このとき、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力が、レジストローラ68が回転する時よりも大きくなる。このため、用紙の後端がレジストローラ68を抜けるときに、用紙の裁断面の返りが矯正される。つまり、用紙の裁断面の返りが確実に潰される。したがって、用紙の後端が転写ローラ44を抜ける際に、転写ローラ44の発泡セル内のトナーが掻き取られることが無いため、用紙の端が汚れるのを防止することができる。
なお、第1実施例では、ギア74aおよびギア74bを用いることにより、モータ136が駆動されると、駆動ローラ68aおよび従動ローラ68bの両方が回転され、モータ136が停止されると、駆動ローラ68aおよび従動ローラ68bの両方が停止されるようにしたが、レジストローラ68の構成は限定される必要はない。
たとえば、図9に示すように、従動ローラ68bの回転軸72にギア74bを設けずに、従動ローラ68bの回転軸72と装置本体12の内部に設けられる壁との間に、ばね80を設けて、従動ローラ68bを駆動ローラ68aに圧接させるようにしてもよい。かかる場合には、モータ136の回転力は、駆動ローラ68aのギア74aにのみ与えられる。
この場合にも、モータ136が駆動されると、駆動ローラ68aの回転に従って従動ローラ68bも回転され、モータ136が停止されると、駆動ローラ68aの回転が停止され、従動ローラ68bも停止される。ただし、上記のように、用紙の後端部でモータ136が停止された場合には、駆動ローラ68aは停止されるが、転写ローラ44によって用紙は搬送されるため、それに従って従動ローラ68bは回転される。このような場合にも、駆動ローラ68aおよび従動ローラ68bの両方が回転される場合よりも、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力が大きく、しかも転写ローラ44側に配置される駆動ローラ68aが停止されるため、用紙の後端の裁断面の返りはレジストローラ68で確実に潰される。
[第2実施例]
第2実施例の用紙搬送装置は、用紙の後端部がレジストローラ68を抜ける際に、モータ136を逆回転させるようにした以外は、第1実施例の用紙搬送装置と同じであるため、重複した説明は省略する。
たとえば、第1タイマ116で時間をカウントすることにより、後端の余白部分の先頭位置がレジストローラ68で挟持されるタイミングになると、モータ136が一旦停止された後に、逆回転される。その後、用紙がレジストローラ68を抜けると、モータ136は停止される。
ただし、レジストローラ68の回転方向は、用紙を転写ローラ44側に搬送する場合に正回転であり、逆回転は正回転とは逆向きの回転方向を意味する。
このようにしても、用紙の後端部がレジストローラ68を抜ける際、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力を大きくすることができる。
図10は第2実施例における画像形成装置100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、第2実施例では、第2タイマ122がさらに設けられ、第2タイマ122は、バス112を介してCPU110に接続される。第2タイマ122は、モータ136の駆動を開始してから、用紙がレジストローラ68を抜ける(通過する)までの時間をカウントするためのカウンタ(タイマ)である。具体的には、用紙サイズおよび給紙される向きに応じて決定される用紙搬送方向における用紙の長さ(縦または横の長さ)を上記の速度Vで割ることにより、レジストローラ68で用紙の搬送を開始してから、当該用紙の後端が抜けるまでの第2時間が算出される。ただし、速度V、用紙サイズおよび用紙の縦または横の長さは予め知ることができるため、用紙サイズ毎に、給紙される方向に応じた第2時間を予め算出しておき、選択的に参照するようにしてもよい。
したがって、第2実施例では、データ記憶領域304に記憶される時間データ330は、モータ136の駆動を開始してから、用紙の後端がレジストローラ68を抜けるまでの第2時間についてのデータも含まれる。
図11は第2実施例におけるCPU110のモータ制御処理の一部であって、図7に後続するフロー図である。ただし、第1実施例のモータ制御処理と同じ処理については同じ参照符号を付してある。
図11からも分かるように、第2実施例では、図8に示したモータ制御処理において、ステップS15とステップS17の間に、ステップS51、S53およびS55の処理が追加される。また、図示は省略するが、第2実施例では、ステップS3においては、第1時間に加えて、第2時間も算出される。
図11に示すように、CPU110は、ステップS15で、モータ136を停止させ、ステップS51で、モータ136の回転軸を逆回転させて、ステップS53で、用紙がレジストローラ68を通過したかどうかを判断する。ステップS53では、CPU110は、第2タイマ122によってカウントされる時間が、時間データ330が示す第2時間に到達したかどうかを判断する。
ステップS53で“NO”であれば、つまり用紙がレジストローラ68を通過していなければ、そのままステップS53に戻る。一方、ステップS53で“YES”であれば、つまり用紙がレジストローラ68を通過していれば、ステップS55で、モータ136を停止させて、ステップS17に進む。
第2実施例によれば、用紙の後端部において、モータ136を逆回転させるので、用紙とレジストローラとの間に発生する摩擦力が、レジストローラ68が正回転する時よりも大きくなる。したがって、確実に用紙の裁断面の返りを潰すことができる。
なお、この第2実施例では、用紙の後端部がレジストローラ68を抜ける際に、モータ136を逆回転させるようにしたが、これに限定される必要はない。たとえば、用紙の後端部がレジストローラ68を抜ける際に、レジストローラ68の回転速度を転写ローラ44の回転速度よりも遅くなるように、モータ136を減速させるようにしてもよい。このようにしても、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力が、レジストローラ68が転写ローラ44と同じ速度で回転されている場合(減速される前)よりも大きくなる。
かかる場合には、図8に示したステップS15およびS51の処理に代えて、モータ136を減速させる処理が実行される。ただし、どの程度減速させるかは、開発者等が実験することにより経験的に得られる。
[第3実施例]
第3実施例の用紙搬送装置は、用紙の後端がレジストローラ68を抜ける際、従動ローラ68bが駆動ローラ68aに圧接される圧接力を増大させるようにした以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。
図12(A)はソレノイド202がオフの状態の圧接機構200の構成を説明するための図解図であり、図12(B)はソレノイド202がオンの状態の圧接機構200の構成を説明するための図解図である。
図12(A)および(B)に示すように、圧接機構200は、ソレノイド202、加圧板204およびばね206を含む。
加圧板204は、くの字状に折り曲げられ、一方の端部がソレノイド202のプランジャに接合(または当接)される。また、加圧板204の他方の端部側と従動ローラ68bの回転軸72との間に、ばね206が配置される。ばね206の一方端は加圧板204の一方の面に接合され、ばね206の他方端は回転軸72に当接される。
図12(B)に示すように、ソレノイド202がオンされると、プランジャ202aは、ソレノイド202の本体に引き込まれる方向(矢印Aで示す方向)に移動される。これに従って、加圧板204も移動され、ばね206には矢印Bで示す方向に力が加わる。したがって、ばね206が縮み、その弾性力によって、回転軸72(従動ローラ68b)が駆動ローラ68a側に付勢される。つまり、従動ローラ68bが駆動ローラ68aに圧接される圧接力が増大される。このため、用紙とレジストローラとの間に発生する摩擦力が大きくなる。
図13は第3実施例における画像形成装置100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、第3実施例では、上述したソレノイド202およびその駆動回路(ソレノイドドライバ)138が設けられ、ソレノイド202はソレノイドドライバ138およびバス112を介してCPU110に接続される。
なお、第3実施例では、第2タイマ122も設けられるが、この第2タイマ122は、第2実施例で説明したとおりであるため、重複した説明は省略する。
ソレノイドドライバ138は、CPU110からの指示によって、ソレノイド202に電圧を印加する。ソレノイド202は、上述したように、電圧を印加される(オンされる)ことによってプランジャ202aを本体に引き込む方向に移動させる。また、ソレノイド202に電圧が印加されなくなる(オフされる)と、プランジャ202aは、ソレノイド202およびばね206の弾性力によって元の位置に戻る。たとえば、ソレノイド202は、2ポジションソレノイドであり、プランジャ202aの移動量は予め設定される。
図示は省略するが、第3実施例では、ソレノイド202を駆動および停止を制御するためのプログラムも制御プログラムに含まれる。したがって、従動ローラ68bの駆動ローラ68aへの圧接力が増大されたり、低減されたりする。つまり、レジストローラ68の動作が制御される。
図14は第3実施例におけるモータ制御処理の一部であって、図7に後続するフロー図である。ただし、第1実施例の給紙処理と同じ処理については同じ参照符号を付してある。
図14からも分かるように、第3実施例では、図10に示した給紙処理において、ステップS13とステップS15の間に、ステップS101、S103およびS105の処理が追加される。
図14に示すように、CPU110は、ステップS13で、所定時間が経過したと判断すると、ステップS101で、ソレノイド202をオンして、ステップS103で、用紙がレジストローラ68を通過したがどうかを判断する。
ステップS103で“NO”であれば、つまり用紙がレジストローラ68を通過していなければ、そのままステップS103に戻る。一方、ステップS103で“YES”であれば、つまり用紙がレジストローラ68を通過していれば、ステップS105で、ソレノイド202をオフする。
第3実施例によれば、用紙の後端部において、圧接機構200を用いて従動ローラ68bが駆動ローラ68aを圧接する圧接力を増大させるので、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力が大きくなる。つまり、確実に用紙の裁断面の返りを潰すことができる。
なお、第3実施例では、ソレノイド202がオフの場合でも、ばね206によって従動ローラ68bを駆動ローラ68a側に圧接させることができるため、駆動ローラ68aの回転軸70と従動ローラ68bの回転軸72をギア74aおよび74bを用いて連結しなくてもよい。
また、第1実施例〜第3実施例では、用紙搬送方向における用紙の後端部がレジストローラ68を抜ける際に、用紙とレジストローラ68との間に発生される摩擦力を大きくするようにしてあるが、摩擦力が大きくされた場合であっても、用紙は搬送速度を変化(低減)されることなく、しかも用紙は破れることなく、転写ローラ44によって搬送されるように、転写ローラ44のトルクおよび駆動ローラ68aの摩擦係数などが調整(設計)される。
さらに、第1実施例〜第3実施例では、第1タイマ116を設けて、用紙の後端における余白部分の先頭位置がレジストローラ68で挟まれたタイミングで、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力を大きくさせるようにしたが、これに限定される必要はない。たとえば、用紙検出センサ90(光学センサ94)で用紙を検出しなくなったタイミングで、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力が大きくされてもよい。この場合、第1実施例において、第1タイマ116を省略し、ステップS11の処理を削除し、ステップS13において、光学センサ94がオフになったかどうかを判断するようにすればよい。
さらにまた、レジストローラ68で用紙が搬送される速度は一定であり、レジストローラ68と用紙検出センサ90との距離は予め知ることができるため、用紙検出センサ90で用紙を検出しなくなってから用紙の後端がレジストローラ68を通過するまでの時間よりも少し短い時間(第3時間)をカウントし、第3時間をカウントしたタイミングで、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力を大きくさせるようにしてもよい。このようにすれば、用紙の後端における余白部分の長さよりも短い長さだけ、用紙がレジストローラ68から抜けにくくすることができるので、転写ローラ44にかかる負荷を軽減することができる。
また、第1実施例〜第3実施例において、さらに、レジストローラ68の表面を粗面で形成するようにしてもよい。このようにすれば、用紙とレジストローラ68との間に発生する摩擦力をさらに大きくすることができる。一例として、駆動ローラ68aの表面をヤスリの番手で1000番(P1000)以上の粗さに相当する粗さで形成すればよい。
さらに、第1実施例〜第3実施例では、一次転写および二次転写を行う画像形成装置100について説明したが、感光体ドラムから用紙にトナー像を転写する画像形成装置にも適用することができる。
なお、上述の各実施例で挙げた具体的な数値等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。また、同じ効果が得られる場合には、フロー図に示した各ステップの順番は適宜変更されてもよい。