JP2017015793A - 画像形成方法、画像形成装置、印刷物の生産方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の画像部で構成される画像を高画質に形成する。【解決手段】 複数の画像部を組み合わせて構成されている画像パターンに基づいて像担持体の表面を露光することで形成される静電潜像により画像を形成する方法であって、複数の画像部600M,600Cは、それぞれ複数の画素により構成され、画像パターンにおける複数の画像部600M,600Cのうちいずれか1つの画像部の位置に基づいて、複数の画像部600M,600Cそれぞれの露光される画素の一部を非露光画素群641M,Cとし、複数の画像部それぞれの非露光画素群641M,Cとは異なる画素を、画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される高出力露光画素群643M,Cとする。【選択図】図38
Description
本発明は、画像形成方法、画像形成装置、及び印刷物の生産方法に関するものである。
従来、画像データに基づいて光の積分エネルギーが一定となるように短時間に強い光で像担持体を露光して画像を形成する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、例えば色の異なる複数の色版、つまり画像部で構成される多次色の画像のように複数の画像部により画像パターンを構成する場合に、各画像部間に生じる位置ずれによる画質低下を防止することは難しかった。
本発明は、複数の画像部で構成される画像を高画質に形成することができる画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数の画像部を組み合わせて構成されている画像パターンに基づいて像担持体の表面を露光することで形成される静電潜像により画像を形成する方法であって、複数の画像部は、それぞれ複数の画素により構成され、画像パターンにおける複数の画像部のうちいずれか1つの画像部の位置に基づいて、複数の画像部それぞれの露光される画素の一部を非露光画素群とし、複数の画像部それぞれの非露光画素群とは異なる画素を、画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される高出力露光画素群とする、ことを特徴とする。
本発明によれば、複数の画像部で構成される画像を高画質に形成することができる。
以下、本発明に係る画像形成方法、画像形成装置、及び印刷物の生産方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
●画像形成装置●
本発明に係る画像形成装置の実施の形態であるレーザプリンタ1000について説明する。
本発明に係る画像形成装置の実施の形態であるレーザプリンタ1000について説明する。
図1には、レーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
レーザプリンタ1000には、感光体ドラム1030の周りに、帯電、露光、現像、転写、クリーニングという電子写真プロセスを実行するための装置が、感光体ドラム1030の回転方向に沿って上記の順に配置されている。また、レーザプリンタ1000は、以上の電子写真プロセスを実行するための装置を制御する装置として、通信制御装置1050と、プリンタ制御装置1060とを有する。
具体的には、帯電プロセスを実行する帯電装置1031、露光プロセスを実行する光走査装置1010、現像プロセスを実行する現像装置、転写プロセスを実行する転写装置1033、クリーニングプロセスを実行するクリーニングユニット1035を有する。転写装置1033とクリーニングユニット1035との間には、除電ユニット1034が配置されている。
現像装置は、トナーカートリッジ1036と、トナーカートリッジ1036から供給されるトナーを感光体ドラム1030の表面に付着させて感光体ドラム1030の表面の潜像をトナーによって可視化する現像ローラ1032を有している。
転写装置1033は、給紙トレイ1038から給紙コロ1037によって引き出される記録紙1040に、感光体ドラム1030面のトナー像を転写する。記録紙1040は、レジストローラ1039により先端が位置決めされ、感光体ドラム1030面のトナー像に同期して、定着装置1041に搬送される。定着装置1041でトナー像が定着された1040は、排紙ローラ1042により排紙トレイ1043に送り出される。
以上説明したレーザプリンタ1000の構成要素は、プリンタ筐体1044の内部の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコンなどの情報処理装置)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置1060は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)とを有する。また、プリンタ制御装置1060は、RAM(Random Access Memory)と、A/D(Analog/Digital)変換器とを有する。プリンタ制御装置1060は、上位装置からの要求に応じて各部を統括的に制御するとともに、上位装置からの画像情報を光走査装置1010に送る。
ROMには、CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及びこのプログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されている。RAMは、CPUの作業用の一時書き込み可能なメモリである。A/D変換器は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材の潜像担持体であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。感光体ドラム1030は、駆動機構により図1における矢印方向に回転される。
帯電装置1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。帯電装置1031には、例えばオゾン発生の少ない接触式の帯電ローラや、コロナ放電を利用するコロナチャージャを用いることができる。
帯電装置1031は、図2に示すコロトロン型帯電装置であってもよいし、図3に示すスコロトロン型帯電装置であってもよいし、あるいはローラ型帯電装置であってもよい。
図1に戻り、光走査装置1010は、帯電装置1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、プリンタ制御装置1060からの画像情報に基づいて変調された光束により走査して露光する。光走査装置1010は、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した静電潜像を形成する。
光走査装置1010により形成された静電潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像装置の方向に移動する。光走査装置1010の詳細については後述する。
トナーカートリッジ1036には現像剤であるトナーが格納されている。トナーは、トナーカートリッジ1036から現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて、静電潜像を顕像化させる。ここで、トナーが付着した像(以下「トナー像」ともいう。)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写装置1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されている。
給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚ずつ取り出す。記録紙1040は、感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写装置1033との間隙に向けて、給紙トレイ1038から送り出される。
転写装置1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。トナー像が転写された記録紙1040は、定着装置1041に送られる。
定着装置1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。トナーが定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次積層され、印刷物が製造される。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー、つまり残留トナーを除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、帯電装置1031に対向する位置に戻る。
本発明に係る画像形成装置において、帯電装置と、露光装置としての光走査装置と、感光体と、画像パターンを光出力に変換するための画像処理部とにより、静電潜像が形成される。つまり、帯電装置と、光走査装置と、感光体と、画像処理部とは、本実施の形態に係る静電潜像形成装置を構成する。
複写機やレーザプリンタといった電子写真方式における出力画像を得るためのプロセスは、以下のとおりである。電子写真方式では、帯電工程において潜像担持体の一つである感光体を均一に帯電させ、露光工程において感光体に光を照射して部分的に電荷を逃がす。このようにすることで、電子写真方式では、感光体に静電潜像を形成することができる。
●光走査装置の構成
次に、画像形成装置を構成する光走査装置1010の構成について説明する。
次に、画像形成装置を構成する光走査装置1010の構成について説明する。
図4に示すように、光走査装置1010は、光源11と、コリメートレンズ12と、シリンドリカルレンズ13と、ミラー14と、ポリゴンミラー15と、第1走査レンズ21とを備える。また、光走査装置1010は、第2走査レンズ22と、ミラー24と、同期検知センサ26と、走査制御装置とを備える。光走査装置1010は、光学ハウジングの所定位置に組み付けられている。
なお、以下の説明において、感光体ドラム1030の長手方向(回転軸方向)に沿った方向をXYZ3次元直交座標系のY軸方向とし、ポリゴンミラー15の回転軸に沿った方向をZ軸方向とし、Y軸とZ軸の双方に垂直な方向をX軸方向とする。
以下の説明において、各光学部材の主走査方向に対応する方向を主走査対応方向とし、副走査方向に対応する方向を副走査対応方向とする。
光源11は、例えば2次元配列された複数の発光部を有している。各発光部は、全ての発光部を副走査対応方向に延びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等しくなるように配置されている。光源11には、半導体レーザ(LD:Laser Diode)や、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などを用いることができる。
図5において、光走査装置1010の光源11Aは、マルチビーム光源として、4個の半導体レーザが配列されて構成される半導体レーザアレイである。また、光源11Aは、コリメートレンズ12の光軸方向に対して垂直に配置されている。
図6において、光走査装置1010の光源の別の例である光源11Bは、発光点がY軸方向とZ軸方向とを含む平面上に配置された、例えば波長780nmの垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)である。
光源11Bは、例えば、主走査方向、つまりY軸方向に3個、副走査方向、つまりZ軸方向に4個、計12個の発光点を有する。光源11Bは、光走査装置1010に適用する場合に、一つの走査線上を水平方向に配置した3つの発光点により走査することで、垂直方向の4本の走査線を同時に走査することもできる。以下の説明において、「発光部間隔」とは、2つの発光部の中心間距離をいう。
図4に戻り、コリメートレンズ12は、光源11から射出された光の光路上に配置され、光を平行光または略平行光に屈折させる。
シリンドリカルレンズ13は、ポリゴンミラー15の偏向反射面の近傍において、コリメートレンズ12を通過した光を副走査方向にのみ集束させる。シリンドリカルレンズ13は、ポリゴンミラー15の反射面近傍に、主走査方向(Y軸方向)に長い線像として光源11から出射された光を結像させる。
ミラー14は、シリンドリカルレンズ13を通過して結像した光をポリゴンミラー15に向けて反射する。
光源11とポリゴンミラー15との間の光路上に配置されている光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。
ポリゴンミラー15は、感光体ドラム1030の長手方向に直交する回転軸まわりに回転する多面鏡である。ポリゴンミラー15の各鏡面は、偏向反射面である。ポリゴンミラー15は、駆動用IC(Integrated Circuit)がモータ部に適切なクロックを与えることで、所望の速度で等速回転する。ポリゴンミラー15は、モータ部により矢印方向に等速回転されると、偏向反射面で反射された複数の光ビームが、それぞれ偏向ビームとなって等角速度的に偏向される。
第1走査レンズ21と、第2走査レンズ22と、ミラー24と、同期検知センサ26は、走査光学系を構成する。走査光学系は、ポリゴンミラー15で偏向された光の光路上に配置される。
第1走査レンズ21は、ポリゴンミラー15で偏向された光の光路上に配置されている。
第2走査レンズ22は、第1走査レンズ21を介した光の光路上に配置されている。
ミラー24は、長尺平面鏡であり、第2走査レンズ22を介した光の光路を、感光体ドラム1030に向かう方向に折り曲げる。
ポリゴンミラー15で偏向された光は、第1走査レンズ21と、第2走査レンズ22とを介して感光体ドラム1030に照射され、感光体ドラム1030表面に光スポットを形成する。
感光体ドラム1030表面の光スポットは、ポリゴンミラー15の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に沿って移動する。感光体ドラム1030表面上の光スポットの移動方向が主走査方向であり、感光体ドラム1030の回転方向が副走査方向である。
同期検知センサ26は、ポリゴンミラー15からの光を受光し、受光光量に応じた信号光電変換信号を走査制御装置に出力する。同期検知センサ26の出力信号は、同期検知信号ともいう。
図4に示すように、光走査装置1010では、ポリゴンミラー15の1つの偏向反射面による走査で感光体ドラム1030の被走査面上の複数のラインを同時に走査する。各発光点の発光信号を制御する画像処理部内のバッファメモリには、各発光点に対応する1ライン分の印字データが蓄えられている。
印字データは、ポリゴンミラー15のそれぞれの偏向反射面ごとに読み出され、潜像担持体としての感光体ドラム1030上の走査線上で印字データに対応して光ビームが点滅し、走査線にしたがって静電潜像が形成される。
●プリンタ制御装置・走査制御装置
次に、本発明に係る画像形成装置のプリンタ制御装置及び走査制御装置について説明する。
次に、本発明に係る画像形成装置のプリンタ制御装置及び走査制御装置について説明する。
図7のプリンタ制御装置1060及び走査制御装置16を示すブロック図に示すように、プリンタ制御装置1060は、レーザプリンタ1000の各構成部を統括的に制御する制御部、画像処理部1060a、露光量設定部1060b等を有している。
画像処理部1060aは、後述する画像処理が施された画像データ、オブジェクト情報を識別するタグデータ等を露光量設定部1060bに出力する。
露光量設定部1060bは、画像処理部1060aからの画像処理後の画像データの各露光画素の露光量の設定を行い、露光量設定後の画像データ、タグデータ等を走査制御装置16に出力する。
画像処理部1060aから露光量設定部1060bに送られる画像データは、白部(非露光画素群)と黒部(露光部)とが画素ごとに指定されている。
露光量設定部1060bについては、後に詳述する。
走査制御装置16は、露光量設定部1060bからの露光量設定後の画像データ、タグデータ等に基づいて、感光体ドラム1030の表面を走査して、感光体ドラム1030の表面に静電潜像を形成する。
走査制御装置16は、露光量設定部1060bからの画像データ及びタグデータ等を必要に応じて光源の駆動情報を生成し、駆動情報を用いて光源の各発光部を駆動する。
走査制御装置16は、基準クロック生成回路422、画素クロック生成回路425、光源変調データ生成回路407、光源選択回路414、書込みタイミング信号生成回路415、及び光源駆動回路420を有している。
図7における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
基準クロック生成回路422は、光源駆動回路420の基準となる高周波クロック信号を生成する。
画素クロック生成回路425は、主にPLL(Phase Locked Loop)回路からなる。画素クロック生成回路425は、同期信号s1と基準クロック生成回路422からの高周波クロック信号とに基づいて、画素クロック信号を生成する。
画素クロック信号は、周波数が高周波クロック信号と同一であり、位相が同期信号s1と一致している。
したがって、画素クロック生成回路425は、画素クロック信号に画像データを同期させることで、走査ごとの書込み位置を制御することができる。
生成された画素クロック信号は、駆動情報の1つとして光源駆動回路420に供給されるとともに、光源変調データ生成回路407にも供給される。光源変調データ生成回路407に供給された画素クロック信号は、書込みデータs16のクロック信号として使われる。
光源変調データ生成回路407は、本発明に係る画像形成装置の光源駆動部に相当する。光源変調データ生成回路407は、画像処理ユニット(IPU:Image Processing Unit)などからの画像情報に基づいて、発光部毎の書込みデータs16を作成する。書込みデータs16は、駆動情報の1つとして、画素クロック信号のタイミングにより光源駆動回路420に供給される。
光源変調データ生成回路407は、本実施の形態に係る静電潜像形成方法による潜像を形成するために、画像処理ユニットからの画像パターン情報やタグ情報に基づいて画像データをPM+PWM信号による露光パターンに変換する。
光源選択回路414は、光源が発光部を複数含む場合に用いられる回路であり、走査光の像面が走査終端に達すると、次の走査の開始を検知するのに用いられる発光部を複数、例えば32個の発光部から選択し、選択された発光部を指定する信号を出力する。この光源選択回路414の出力信号s14は、駆動情報の1つとして光源駆動回路420に供給される。なお、光源に単一の発光部を用いる場合には、光源選択回路414を設けなくても良い。
書込みタイミング信号生成回路415は、同期信号s1に基づいて書き込み開始のタイミングを求め、そのタイミング信号である出力信号s15を上記駆動情報の1つとして光源駆動回路420に出力する。
光源駆動回路420は、駆動情報に基づいて光源の各発光部の駆動電流、例えばパルス電流を生成し、発光部に駆動電流を供給する。
画像形成装置1000では、画像部における主走査方向の位置に対応して、つまり画像部の露光開始からの時間に対応して、光出力値を変化させながら露光を行う。図7に示す構成により、光源駆動回路420は、パルス幅変調(PWM変調)と光量変調(PW変調)とを同時に実行することによって光源駆動電流を生成することができる。
光源駆動回路420は、光源変調データから得られた光源変調信号を電流に変換することができるため、画像形成装置1000では、光出力と点灯時間を同時に制御可能なPM+PWM変調信号を生成することができる。
図8のブロック図に示すように、画像処理部は、画像処理ユニット101と、コントローラ部102と、メモリ部103と、光書込出力部104と、スキャナ部105と、を備える。
図9のブロック図に示すように、画像処理ユニット101は、濃度変換部101aと、フィルタ部101bと、色補正部101cと、セレクタ部101dと、階調補正部101eと、階調処理部101fと、を備えている。
濃度変換部101aは、ルックアップテーブルを用いてスキャナ部105からのRGBの画像データを濃度データに変換して、フィルタ部101bに出力する。
フィルタ部101bは、濃度変換部101aから入力される濃度データに対して、平滑化処理やエッジ強調処理等の画像補正処理を施して、色補正部101cに出力する。
色補正部101cは、色補正、つまりマスキング処理を施す。
セレクタ部101dは、画像処理ユニット101の制御下で、色補正部101cから入力される画像データに対して、C(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)、K(Key Plate)のいずれかを選択する。セレクタ部101dは、選択したC、Y、M、Kのデータを階調補正部101eに出力する。
階調補正部101eには、セレクタ部101dから入力されるC、M、Y、Kのデータが予め格納されている。階調補正部101eには、入力データに対してリニアな特性が得られるγカーブを設定する。
階調処理部101fは、階調補正部101eから入力される画像データに対してディザ処理等の階調処理を施して、信号を光書込出力部104に出力する。
図8に戻り、コントローラ部102は、画像データに対して回転・リピート・集約・圧縮伸張などの処理を行ったあと、処理後の画像データを再度IPUに出力する。
メモリ部103には、種々のデータを記憶するためのルックアップテーブルを用意しておく。
光書込出力部104は、制御ドライバにより点灯データに応じて、光源11の光変調を行い、感光体ドラム1030に静電潜像を形成する。光書込出力部104は、後述の階調処理部からの入力信号に基づいて静電潜像を形成する。形成された静電潜像は、上述の現像装置1032、転写装置1033などにより、記録紙に画像を形成する。
スキャナ部105は、画像を読み込み、この画像に基づいてRGB(Red Green Blue)データなどの画像データを生成する。
なお、画像処理ユニット101は、画像処理前の画像データ又は画像処理後の画像データ、つまり濃度データを必要に応じてコントローラ部102に出力する。
●静電潜像計測装置の構成
次に、本実施の形態に係る静電潜像形成方法により形成された静電潜像の状態を確認することができる、静電潜像計測装置の構成について説明する。
次に、本実施の形態に係る静電潜像形成方法により形成された静電潜像の状態を確認することができる、静電潜像計測装置の構成について説明する。
図10において、静電潜像計測装置300は、荷電粒子照射系400と、光走査装置1010と、試料台401と、検出器402と、LED403と、制御系と排出系と駆動用電源などを備えている。
荷電粒子照射系400は、真空チャンバ340内に配置されている。荷電粒子照射系400は、電子銃311と、引き出し電極312と、加速電極313と、コンデンサレンズ314と、ビームブランカ315と、仕切り板316とを有している。また、荷電粒子照射系400は、可動絞り317と、スティグメータ318と、走査レンズ319と、対物レンズ320とを有している。
以下の説明において、電子銃311の光線の進行方向をc軸方向とし、c軸方向に直交する面内において互いに直交する2つの方向をa軸方向及びb軸方向として説明する。
電子銃311は、荷電粒子ビームとしての電子ビームを発生させる。以下の説明において、電子銃311の電子ビームの進行方向を+c軸方向とする。
引き出し電極312は、電子銃311の+c軸側に配置され、電子銃311で発生された電子ビームを制御する。
加速電極313は、引き出し電極312の+c軸側に配置され、電子ビームのエネルギーを制御する。
コンデンサレンズ314は、加速電極313の+c軸側に配置され、電子ビームを集束させる。
ビームブランカ315は、コンデンサレンズ314の+c軸側に配置され、電子ビームの照射をオンまたはオフさせる。
仕切り板316は、ビームブランカ315の+c軸側に配置され、中央に開口を有している。
可動絞り317は、仕切り板316の+c軸側に配置され、仕切り板316の開口を通過した電子ビームのビーム径を調整する。
スティグメータ318は、可動絞り317の+c軸側に配置され、非点収差を補正する。
走査レンズ319は、スティグメータ318の+c軸側に配置され、スティグメータ318を介した電子ビームをab面内で偏向する。
対物レンズ320は、走査レンズ319の+c軸側に配置され、走査レンズ319を介した電子ビームを収束させる。対物レンズ320を介した電子ビームは、ビーム射出開口部321を通過して試料323の表面に照射される。各レンズ等には、駆動用電源が接続されている。
なお、荷電粒子とは、電界や磁界の影響を受ける粒子をいう。荷電粒子を照射するビームは、電子ビームに代えて、例えばイオンビームを用いてもよい。この場合は、電子銃に代えて、液体金属イオン銃などが用いられる。
試料323は、感光体であり、導電性支持体、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、及び電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を有している。
電荷発生層は、電荷発生材料(CGM:Charge Generation Material)を含み、導電性支持体の−c軸側の面上に形成されている。電荷輸送層は、電荷発生層の−c軸側の面上に形成されている。
試料323は、表面、つまり−c側の面に電荷が帯電している状態で露光されると、電荷発生層の電荷発生材料によって光が吸収され、正負両極性のチャージキャリアがそれぞれ発生する。このキャリアは、電界によって、一方は電荷輸送層に、他方は導電性支持体に注入される。
電荷輸送層に注入されたキャリアは、電界によって電荷輸送層の表面にまで移動し、表面の電荷と結合して消滅する。これにより、試料323の表面(−c側の面)には、電荷分布、すなわち、静電潜像が形成される。
光走査装置1010は、光源、カップリングレンズ、開口板、シリンドリカルレンズ、ポリゴンミラー、走査光学系などを有している。また、光走査装置1010は、ポリゴンミラーの回転軸に平行な方向に関して光を走査させるための走査機構も有している。
光走査装置1010から出射された光は、反射ミラー372及び窓ガラス368を介して試料323の表面を照射する。
試料323の表面における光走査装置1010から射出される光の照射位置は、ポリゴンミラーでの偏向及び走査機構での偏向によって、c軸方向に直交する平面上の互いに直交する2つの方向に沿って変化する。このとき、ポリゴンミラーでの偏向による照射位置の変化方向は主走査方向であり、走査機構での偏向による照射位置の変化方向は副走査方向である。ここでは、a軸方向が主走査方向、b軸方向が副走査方向となるように設定されている。
このように、静電潜像計測装置300は、光走査装置1010から射出される光によって試料323の表面を2次元的に走査することができる。静電潜像計測装置300は、試料323の表面に2次元的な静電潜像を形成することが可能である。
光走査装置1010は、ポリゴンミラーの駆動モータにより生じる振動や電磁波が電子ビームの軌道に影響を与えないように、真空チャンバ340の外に設けられている。これにより、測定結果に及ぼす外乱の影響を抑制することができる。
検出器402は、試料323の近傍に配置され、試料323からの2次電子を検出する。
LED403は、試料323の近傍に配置され、試料323を照明する光を射出する。LED403は、測定後に試料323の表面に残留している電荷を消去するために用いられる。
走査光学系を保持する光学ハウジングは、走査光学系全体をカバーで覆い、真空チャンバ内部へ入射する外光を遮光するようにしてもよい。
走査光学系において、走査レンズは、fθ特性を有しており、光偏光器が一定速度で回転しているときに、光ビームが像面に対して略等速に移動する構成となっている。また、走査光学系において、ビームスポット径も略一定に走査することができるように構成されている。
静電潜像計測装置300では、走査光学系が真空チャンバに対して離れて配置されるので、ポリゴンスキャナ等の光偏向器を駆動する際に発生する振動が直接真空チャンバ340に伝播されることによる影響は少ない。
走査光学系を保持する構造体にダンパなどの防振手段を設けることで、さらに高い防振効果を得ることができる。
走査光学系を設けることにより、静電潜像計測装置300では、感光体の母線方向に対して、ラインパターンを含めた任意の潜像パターンを形成することができる。
所定の位置に潜像パターンを形成するために、光偏向手段からの走査ビームを検知する同期検知センサ26を有してもよい。試料の形状は、平面であっても曲面であってもよい。
図11に示すように、真空チャンバ1は、鉛直軸に対して45°の位置に、外部から真空チャンバ1内部に光源からの光を入射させるためのガラス窓172が設けられている。真空チャンバ1の外部には、光走査装置1010と同様の構成を有する光走査装置171が配置されている。
光走査装置171は、光源、光偏向器としてのポリゴンミラー、走査レンズ、及び同期検知手段等を有している。光走査装置171を保持する光学ハウジングは、光走査装置171全体をカバーで覆い、真空チャンバ内部へ入射する外光(有害光)を遮光してもよい。
●静電潜像計測の方法
次に、静電潜像計測の方法について説明する。
次に、静電潜像計測の方法について説明する。
静電潜像計測装置300では、静電潜像計測にあたり、感光体の試料323に電子ビームを照射させる。
図12に示すように、静電潜像計測装置300では、加速電極313に印加される電圧である加速電圧|Vacc|として、試料323での2次電子放出比が1となる電圧よりも高い電圧が設定される。このように加速電圧を設定することにより、試料323では、入射電子の量が放出電子の量よりも上回るため電子が試料323に蓄積され、チャージアップを起こす。この結果、静電潜像計測装置300では、試料323の表面をマイナス電荷で一様に帯電させることができる。
図13に示すように、加速電圧と帯電電位との間には、一定の関係がある。このため、静電潜像計測装置300では、加速電圧と照射時間を適切に設定することにより、試料323の表面に、画像形成装置1000における感光体ドラム1030と同様な帯電電位を形成することができる。
なお、照射電流の大きいほうが、短時間で目的の帯電電位に到達することができるため、ここでは照射電流を数nAとしている。
その後、静電潜像計測装置300では、静電潜像が観察できるように、試料323における入射電子量を1/100倍〜1/1000倍にする。
静電潜像計測装置300では、光走査装置1010を制御して、試料323の表面を2次元的に光走査し、試料323に静電潜像を形成する。なお、光走査装置1010は、試料323の表面に所望のビーム径及びビームプロファイルの光スポットが形成されるように調整されている。
静電潜像の形成に必要な露光エネルギーは、試料の感度特性によって決まるが、通常、2〜10mJ/m2程度である。感度が低い試料では、必要な露光エネルギーは10mJ/m2以上になる場合がある。つまり、帯電電位や必要な露光エネルギーは、試料の感光特性やプロセス条件に合わせて設定される。静電潜像計測装置300の露光条件は、画像形成装置1000に合わせた露光条件と同様に設定されている。
そこで、このような場合には、静電場の環境や電子軌道をあらかじめ計算しておき、その計算結果に基づいて検出結果を補正することにより、静電潜像のプロファイルを高精度に求めることができる。
図14において、荷電粒子を捕獲する検出器402と、試料323との間の空間における電位分布とを、等高線で説明図的に示す。試料323の表面は、光減衰により電位が減衰した部分を除いては負極性に一様に帯電した状態であり、検出器402には正極性の電位が与えられている。そのため、実線で示される電位等高線群においては、試料323の表面から検出器402に近づくにしたがい電位が高くなる。
したがって、負極性に均一帯電している部分であるQ1点やQ2点で発生した2次電子e11、e12は、検出器402の正電位に引かれ、矢印G1や矢印G2で示されるように変位し、検出器402に捕獲される。
一方、Q3点は光照射されて負電位が減衰した部分であり、Q3点近傍では電位等高線の配列は破線で示されるように、Q3点を中心とした半円形の波紋状に広がる。この波紋状の電位分布では、Q3点に近いほど電位が高くなっている。
換言すると、Q3点の近傍で発生した2次電子e13には、矢印G3で示すように、試料323側に拘束する電気力が作用する。このため、2次電子e13は、破線の電位等高線で示されるポテンシャルの穴に捕獲され、検出器402に向かって移動することができない。
図15において、ポテンシャルの穴が模式的に示されている。検出器402により検出される2次電子の強度(2次電子数)の大きい部分は、静電潜像の地の部分、つまり均一に負帯電している部分や図14における点Q1やQ2に代表される部分に対応する。検出器402により検出される2次電子の強度、つまり2次電子数の小さい部分は、静電潜像の画像部、つまり光照射された部分や図14における点Q3に代表される部分に対応する。
したがって、検出器402の出力から得られる電気信号を適当なサンプリング時間でサンプリングすれば、サンプリング時刻Tをパラメータとして、表面電位分布(電位コントラスト像)V(a,b)は、サンプリングに対応した微小領域ごとに特定できる。
そして、表面電位分布V(a,b)を2次元的な画像データとして構成し、これを表示装置で表示する、あるいはプリンタで印刷すれば、静電潜像は、可視的な画像として得ることができる。
静電潜像について、例えば、捕獲される2次電子の強度を「明るさの強弱で表現」すれば、静電潜像の画像部分は暗く、地の部分は明るくコントラストがつき、表面電荷分布に応じた明暗像として表現、つまり出力することができる。また、静電潜像について、表面電位分布を知ることができれば、表面電荷分布も知ることができる。
なお、静電潜像について、表面電荷分布や表面電位分布のプロファイルを求めることにより、静電潜像をさらに高精度に測定することが可能である。
図16に示すように、光走査装置による潜像画像パターンとしては、いわゆる1ドット孤立パターンや1ドット格子パターンと称されるものが挙げられる。
図17に示すように、光走査装置による潜像画像パターンとしては、いわゆる2ドット孤立パターンと称されるものが挙げられる。
図18に示すように、光走査装置による潜像画像パターンとしては、いわゆる2by2パターンと称されるものが挙げられる。
図19に示すように、光走査装置による潜像画像パターンとしては、いわゆる2ドットラインパターンと称されるものが挙げられる。
なお、光走査装置による潜像画像パターンは、上述のものに限定されず、様々なパターンを形成することができる。
検出器402での検出対象は、試料323からの2次電子に限定されるものではない。例えば、入射電子ビームが試料323の表面に到達する前に、試料323の表面近傍で反発された電子(以下「1次反発電子」ともいう。)を検出器402が検出してもよい。
図20に示すように、グリッドメッシュ配置による測定例では、試料台401と試料323との間に絶縁部材404と導電部材405を設け、導電部材405に±Vsubの電圧が印加されるようになっている。
試料323の下側の導電部材405には、電圧±Vsubを印加できる電圧印加部が接続されている。また、試料323の上側には、入射電子ビームが試料電荷の影響を受けることを抑制するために、グリッドメッシュ325が配置されている。以上のように構成することで、検出器402では、1次反発電子が検出される。
検出器402には、検出器402に対向して導電板324やサイドグリッドが設けられてもよい。
一般的に加速電圧は正で表現することが一般的であるが、Vaccは負であるため、加速電圧を負(Vacc<0)で表現する。また、試料323の電位ポテンシャルをVp(<0)とする。
電位とは単位電荷が持つ電気的な位置エネルギーであるため、入射電子は、電位0(V)では加速電圧Vaccに相当する速度で移動する。すなわち、電子の電荷量をeとし電子の質量をmとすると、電子の初速度v0は、mv02/2=e×|Vacc|で表される。ここで、真空中ではエネルギー保存の法則により、加速電圧の働かない領域では電子は等速で運動する。
試料323に接近するに従い、電位が高くなり、電子は、試料323の電荷によりクーロン反発の影響を受けて速度が遅くなる。したがって、一般的に以下のような現象が起こる。
図21に示すように、|Vacc|≧|Vp|のときは、入射電子の速度は減速されるものの、試料323に到達する。
図22に示すように、|Vacc|<|Vp|のときは、入射電子の速度は試料323の電位ポテンシャルの影響を受けて徐々に減速し、試料323に到達する前に速度が0となって、反対方向に進む。
空気抵抗の無い真空中では、エネルギー保存の法則がほぼ成立する。したがって、入射電子のエネルギーを変えたときの試料323表面上でのエネルギー、すなわちランディングエネルギーがほぼ0となる条件を計測することで、試料323表面の電位を計測することができる。
入射電子が試料323に到達したとき発生する2次電子と1次反発電子とでは、検出器402に到達する量が大きく異なるので、明暗のコントラストの境界より識別することができる。
走査電子顕微鏡などには、反射電子の検出器があるが、この場合の反射電子とは、一般的に試料の物質との相互作用により、入射電子が後方背面に反射(散乱)され、試料表面から飛び出す電子のことを指す。
反射電子のエネルギーは入射電子のエネルギーに匹敵する。反射電子の速度ベクトルは試料の原子番号が大きいほど大きいとされる。また、反射電子は、試料の組成の違い、及び表面の凹凸などを検出するのに利用される。
これに対して、1次反発電子は、試料表面の電位分布の影響を受けて試料表面に到達する前に反転する電子のことであり、反射電子とは全く異なる。
図23において、静電潜像を計測した結果の一例が示されている。Vthは、VaccとVsubとの差(=Vacc−Vsub)である。
また、電位分布V(a,b)は、各走査位置(a,b)でランディングエネルギーがほぼ0となるときのVth(a,b)から求めることができる。Vth(a,b)は、電位分布V(a,b)と一意的な対応関係があり、電荷分布がなだらかであれば、Vth(a,b)は近似的に電位分布V(a,b)と等価となる。
図23(A)におけるVthと静電潜像の中心からの距離との関係を示す曲線は、試料表面の電荷分布によって生じた表面電位分布の一例である。
ここで、Vaccは−1800Vとしている。静電潜像の中心では、電位が約−600Vであり、静電潜像の中心から離れるにつれて、電位がマイナス側に大きくなる。静電潜像の中心から75μmを超える周辺領域の電位は、約−850Vになっている。
図23(B)は、Vsub=−1150Vに設定したときの検出器402の出力を画像化した図である。このとき、Vth=−650Vである。
また、図23(C)は、Vsub=−1100Vに設定したときの検出器402の出力を画像化した図である。このとき、Vth=−700Vである。
1次反発電子を検出して静電潜像のプロファイルを求める方法では、VaccまたはVsubを変えながら、試料表面を電子ビームで走査させ、Vth(a,b)を計測することにより、試料の表面電位情報を得ることができる。1次反発電子を検出して静電潜像のプロファイルを求める方法を用いることにより、従来困難であった、静電潜像のプロファイルをミクロンオーダーで可視化することができる。
1次反発電子を検出して静電潜像のプロファイルを求める方法では、入射電子のエネルギーが極端に変化するため、入射電子の軌道がずれて、走査倍率が変化する、あるいは歪曲収差を生じる場合がある。
このような場合には、静電場の環境や電子軌道をあらかじめ計算しておき、その計算結果に基づいて検出結果を補正することにより、静電潜像のプロファイルを高精度に求めることができる。
以上説明したように、静電潜像計測装置300を用いることにより、静電潜像における電荷分布、表面電位分布、電界強度分布、及び試料表面に直交する方向に関する電界強度を、それぞれ高精度に求めることができる。
●画像形成方法●
次に、本発明に係る画像形成方法の実施の形態について説明する。
次に、本発明に係る画像形成方法の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る画像形成方法において、潜像形成に用いる光出力波形は、ライン画像やベタ画像を含む画像部に対して、目標とする画像濃度を得るのに必要な光出力値で所定時間だけ感光体を露光させる波形である。
なお、画像部とは、複数の画素で構成され、画像パターンにおいてトナーを付着させて画像を形成するための部分である。また、非画像部とは、画像パターンにおいてトナーを付着させず画像を形成しない部分である。
以下の説明において、目標とする画像濃度を「目標画像濃度」という。また、以下の説明において、目標画像濃度を得るために必要な所定光出力値を「目標露光出力値」あるいは「基準光出力値」という。また、以下の説明において、目標画像濃度を得るために目標露光出力値で画像部の画素全体を露光させる所定時間を、「目標露光時間」という。
また、以下の説明において、目標露光出力値で目標露光時間だけ露光させる露光方法を、「標準露光」という。さらに、以下の説明において、ベタ画像(solid image)とは、線画像に比較して大面積の画像部をいう。
さらに、以下の説明において、目標露光出力値より強い光出力値で目標露光時間より短い露光時間だけ感光体を露光させることを、「時間集中露光」という。時間集中露光では、例えば、1画素を露光する際に、1画素分の目標露光出力値に3画素分の目標露光出力値を加算した合計4画素分の光出力値を1画素分の露光時間で露光する。
なお、以下の説明において、時間集中露光のことをTC(Time Concentration)露光ともいう。
図24に示すように、参考例の標準露光による静電潜像形成方法による露光(以下「露光方式1」という。)は、ライン画像やベタ画像を含む1ドットの画像部に対して、上述の通り目標露光出力値で目標露光時間だけ感光体を露光させる波形である。ここで、目標露光出力値を100%の光出力値とし、目標露光時間をDuty比100%とする。
図25に示すように、本実施の形態における時間集中露光による露光方法(以下「露光方式2」という。)は、目標露光出力値の200%の光出力値で目標露光時間に対してDuty比50%で感光体を露光させる。ここで、画像部の幅を1とすると、露光させる区間の幅は4/8画素である。
図26に示すように、本実施の形態における時間集中露光による露光方法(以下「露光方式3」という。)は、目標露光出力値の400%の光出力値で目標露光時間に対してDuty比25%で感光体を露光させる。画像部の幅を1とすると、露光させる区間の幅は2/8画素である。
図27に示すように、本実施の形態における時間集中露光による露光方法(以下「露光方式4」という。)は、目標露光出力値の800%の光出力値で目標露光時間に対してDuty比12.5%で感光体を露光させる。画像部の幅を1とすると、露光させる区間の幅は1/8画素である。
以上説明した露光方式2〜4では、露光方式1と比較してパルス幅が狭い。つまり、露光方式2〜4では、露光方式1と同じ光量で露光させると形成される潜像が小さくなるため、潜像形成時の積分光量が同等となるようにパルス幅に応じて光量を制御している。また、時間集中露光による露光方式2〜4では、標準露光による露光方式1と比較して、短いパルス幅で強い光量により露光が行われる。
以上の説明では、露光方式2〜4は、いずれも積分光量が一定となるように光出力値を設定しているが、本発明に係る静電潜像形成方法における光出力値は、これに限定されるものではない。
画像形成装置は、画像形成の高速化の要求が高まるとともに、オンデマンドプリンティングシステムとして簡易印刷に用いられるようになり、画像の高品質化、高精度化も求められている。
露光方式1を行う画像形成装置において、高画質化を実現する方法として、露光のビームサイズを小さくすることにより、小さな静電潜像を形成して解像力を高める方法がある。
しかしながら、ビームサイズを小さくして各像高を揃えることは、高コストの要因となる。画像形成装置全体のコストにおいてビームサイズを小さくするコストが占める割合も高くなっている。このため、露光のビームサイズを小さくしなくても、微小な静電潜像を形成することが求められている。
また、電子写真方式の画像形成装置による画像形成の課題としては、微小サイズ文字の再現性が挙げられる。特に、1200dpiの場合に2,3ポイントに相当する微小サイズの文字、特に白抜けとなる微小サイズの反転文字を認識できる出力画像を形成することが求められている。
電子写真方式の画像形成装置では、帯電、露光、現像、転写、定着の各工程における結果の成否が、最終的に出力される画像の品質に大きく影響を与える。中でも、露光プロセスにより感光体上に生じる静電潜像の状態は、トナー粒子の挙動に直接影響を及ぼす重要な要素である。そのため、画像形成装置において、露光プロセスにより感光体上に形成される静電潜像を改善することが、高品質の画像を形成する上で極めて重要である。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法は、画像パターン内の画像を形成する画像部の狭い範囲を強い光で集中して露光させる。このようにすることで、本実施の形態に係る静電潜像形成方法は、ビーム径サイズより小さい、つまりビーム径のサイズの影響が無視できないような微小サイズの出力画像パターンの忠実性を向上させるとともに、画像パターンを所望の画像濃度に調整することができる。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、微小サイズの画像パターン形成と所望の画像濃度とを両立した出力画像を形成することができる。
また、本実施の形態に係る静電潜像形成方法は、エッジ検出や文字情報認識など特別な処理を行わずに、任意の画像パターンに容易に適用することができる。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、画像データを光源変調データに変換する際にコンピュータからオブジェクト情報を取得することができない場合であっても画像パターンを生成することができる。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、画像データと光源変調データとを文字ごとに対応させることなく微小サイズの画像パターン形成と所望の画像濃度とを両立した出力画像を形成することができる。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法は、PM(Phase Modulation)変調とPWM(Pulse Width Modulation)変調とを組み合わせたPM+PWM変調を利用する。そして、本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、最大光出力を意図的に強めた時間集中露光を用いることにより、露光時の画像パターンの積分光量を標準露光と同じ値にすることもできる。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、深い潜像を形成することで画像パターンの画像濃度を変えずに画像パターンの解像力を高めることができる。
●時間集中露光の適用例(1)
次に、本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光の適用例を説明する。本実施の形態に係る静電潜像形成方法は、複数の色版を組み合わせる多次色の画像であり、複数の画素により構成される画像部を複数組み合わせて構成される画像パターンに適用される。本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、複数の画像部のうちいずれか1つの画像部の位置に基づいて、複数の画像部それぞれの露光される画素の一部を非露光画素群とする。また、本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、複数の画像部それぞれの非露光画素群とは異なる画素を、画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される、つまり時間集中露光が行われる高出力露光画素群とする。
次に、本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光の適用例を説明する。本実施の形態に係る静電潜像形成方法は、複数の色版を組み合わせる多次色の画像であり、複数の画素により構成される画像部を複数組み合わせて構成される画像パターンに適用される。本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、複数の画像部のうちいずれか1つの画像部の位置に基づいて、複数の画像部それぞれの露光される画素の一部を非露光画素群とする。また、本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、複数の画像部それぞれの非露光画素群とは異なる画素を、画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される、つまり時間集中露光が行われる高出力露光画素群とする。
図28に示すにように、標準露光による静電潜像形成方法では、画像部500と非画像部502を含む画像パターンに対して、上述の通り目標露光出力値TP(100%の光出力値)で目標露光時間(Duty比100%)だけ感光体を露光させる。
図29に示すように、本実施の形態における時間集中露光では、画像部500の非画像部502との境界部(以下「エッジ部」ともいう。)など画像部500の一部の一定数の画素相当の領域を、非露光画素群541として露光しない。この場合に、本実施の形態における時間集中露光では、画像部500と非露光画素群541との境界部から一定数の画素を高出力露光画素群543とする。高出力露光画素群543には、目標露光出力値に非露光画素群の目標露光出力値に相当する積分エネルギーを加算した高露光出力値HP1が加えられる。図29では、時間集中露光において、エッジ部の1画素相当を非露光画素群541として、その1画素相当の目標露光出力値を1画素相当の高出力露光画素群543に加算して目標露光出力値の200%に相当する高露光出力値HP1で露光している例を示す。
本実施の形態における時間集中露光では、非露光画素群の画素数と高出力露光画素群の画素数は、形成される画像の画質などの状況に応じて適宜な値を設定することができる。また、高出力露光画素群を露光する光出力値は、エッジ部が鮮明になりすぎる場合、つまりシャープになりすぎる場合や、白抜け文字の再現性を向上させたい場合などには、適宜な値を設定することができる。
図30では、時間集中露光において、画像部500の非画像部502とのエッジ部の2画素相当を非露光画素群541としている例を示す。この例では、2画素相当の目標露光出力値を1画素相当の高出力露光画素群543に加算して目標露光出力値の300%に相当する高露光出力値HP2で露光し、他の露光部501を目標露光出力値で露光している。
図31では、時間集中露光において、画像部500の非画像部502とのエッジ部の2画素相当を非露光画素群541としている例を示す。この例では、2画素相当の目標露光出力値を2画素相当の高出力露光画素群543に加算して画素ごとに目標露光出力値の200%に相当する高露光出力値HP1で露光し、他の露光部501を目標露光出力値で露光している。
色版の異なる複数の画像部を組み合わせて形成されている多次色の画像パターンを有する画像では、画像形成装置の個体差や経年変化により色版ごとに位置ずれが生じて、出力される画像の品質が低下してしまう場合がある。このような場合に、本実施の形態では、色版の異なる複数の画像部を組み合わせて構成されている画像パターンにおける画像部ごとの位置ずれを解消または緩和して高品質な画像を形成するために、各画像部の一部に対して上述の時間集中露光を行う。
色版ごとの差分、つまり位置ずれ量は、レーザプリンタ1000に位置ずれ検出パターンが表示されている位置ずれ検出チャートを印刷させて正規の状態の位置ずれ検出パターンと比較することで検出することができる。なお、本実施の形態において、複数の画像部の位置ずれ量の検出方法は、これに限定されず様々な方法により検出することができる。
図32に示すように、位置ずれ検出チャート900は、印刷される紙面上を所定の領域80に区分し、区分された領域80ごとに位置ずれ検出パターン81が表示されている。位置ずれ検出チャート900によれば、領域ごとに色版のずれの有無とずれ量を特定することができる。
図33に示すように、位置ずれ検出パターン81は、例えばC,M,Y,Kのように、レーザプリンタ1000が出力可能な色版ごとに異なる箇所に出力される。位置ずれ検出パターン81は、シアンの色版のパターン81Cと、マゼンタの色版のパターン81Mと、イエローの色版のパターン81Yと、黒の色版のパターン81Kとにより構成されている。位置ずれ検出パターン81は、パターン81C,M,Y,Kの位置ずれ量が認識しやすいように、例えば主走査方向(Y軸方向)と副走査方向(Z軸方向)のそれぞれに平行な直線を持つのが好ましい。図33において、位置ずれ検出パターン81のパターン81C、M,Y,Kは、等間隔Dで配置されていて、いずれの色版についても位置ずれが起きていない理想的な状態である。
図34に示すように、色ずれが生じている位置ずれ検出パターン81では、任意の色版のパターン、例えば図34において黒の色版のパターン81Kを基準に、他の色版のパターン81C,M,Yの主走査方向と副走査方向にずれ量を検出することができる。図34では、パターン81Cが主走査方向のΔYC、副走査方向に−ΔZCだけずれているがわかる。同様に、パターン81Mは、主走査方向にΔYM、副走査方向に−ΔZMだけずれているのがわかる。また、パターン81Yは、主走査方向にΔYY、副走査方向にΔZYだけずれているのがわかる。
また、レーザプリンタ1000では、所定の領域ごとに位置ずれ検出パターン81が形成されている位置ずれ検出チャート900を用いることで、正規の位置ずれ検出パターン81に対する各色版の平均ずれ量を、領域ごとに特定することができる。
例えば、画像データの所定の領域において、パターン81Kの位置を基準とした場合に、パターン81Cの位置ずれ量がΔYC=4dot、ΔZC=2dotであり、パターン81Mの位置ずれ量がΔYM=6dot、ΔZM=−4dotであるとする。この場合に、画像がCの色版とMの色版で構成されていれば、パターン81Kを基準としたCの色版とMの色版の平均位置は、パターン81Kを基準として主走査方向に5dot、副走査方向に−1dotとなる。この平均位置から各色版の位置ずれ量は、パターン81Cの位置ずれ量がΔYC=−1dot、ΔZC=3dotであり、パターン81Mの位置ずれ量がΔYM=1dot、ΔZM=−3dotとなる。
このように検出された位置ずれ量に基づいて、レーザプリンタ1000では、本実施の形態に係る静電潜像形成方法による露光パターンの形成処理を行う。
●露光パターンの形成処理
本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光による露光パターンの形成処理の例を説明する。以下の露光パターンの形成処理の例では、解像度を600dpiに設定した例について説明する。また、以下の露光パターンの形成処理の例では、説明の簡略化のため、カラー画像の画像形成に用いられるC,M,Y,Kの色版のうち、Cの色版とMの色版のみで形成されている画像パターンに基づいて説明する。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光による露光パターンの形成処理の例を説明する。以下の露光パターンの形成処理の例では、解像度を600dpiに設定した例について説明する。また、以下の露光パターンの形成処理の例では、説明の簡略化のため、カラー画像の画像形成に用いられるC,M,Y,Kの色版のうち、Cの色版とMの色版のみで形成されている画像パターンに基づいて説明する。
図35に示す画像パターンの例では、画像データ内の所定の領域において、画像パターン600が、Cの色版とMの色版で形成されている。
図36に示すように、上述の画像パターン600の例において、Mの色版の画像部600Mを基準としてCの色版の画像部600Cが位置ずれを生じている。この場合に、画像部600Mを基準とすると、画像部600Cの位置ずれ量は、主走査方向に2dot、副走査方向に2dotである。
図37に示すように、複数の画像部、つまり画像部600Cと画像部600Mの中間の位置に相当する平均位置600Aは、画像部600Cと画像部600Mのそれぞれに対して主走査方向に1dot、副走査方向に1dotの位置にある。このため、平均位置600Aを基準とした画像部600Cの位置ずれ量は、ΔYC=1dot、ΔZC=1dotとなる。また、平均位置600Aを基準とした画像部600Mの位置ずれ量は、ΔYM=−1dot、ΔZM=−1dotとなる。
図38に示すように、本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、以上の位置ずれ量を減少させるように時間集中露光の露光パターンを決定する。
すなわち、画像パターン600において、画像部600Cが、主走査方向に1dot、副走査方向に1dotだけ平均位置からずれている。この画像部600Cに生じた位置ずれ量を解消するため、画像部600Cの上記各方向の画素は、非露光画素群641Cとする。同様に、画像パターン600において、画像部600Mが、主走査方向に−1dot、副走査方向に−1dotだけ平均位置からずれている。この画像部600Mに生じた位置ずれ量を解消するため、画像部600Mの上記各方向の画素は、非露光画素群641Mとする。
画像部600Cについて、非露光画素群641Cを設けることで減算された露光量は、非露光画素群641Cを設けた側とは画像部600Cの端部に関して反対側の領域に設けられる高出力露光画素群643Cに加算する。高出力露光画素群643Cは、画像パターン600の端部から主走査方向に−1dot、副走査方向に−1dotの領域に設けられる。また、画像部600Mについて、非露光画素群641Mを設けることで減算された露光量は、非露光画素群641Mを設けた側とは画像部600Mの端部に関して反対側の領域に設けられる高出力露光画素群643Mに加算する。高出力露光画素群643Mは、画像パターン600の端部から主走査方向に1dot、副走査方向に1dotだけ画像部600の中央寄りの領域に設けられる。高出力露光画素群643C,643Mの光出力値は、目標露光出力値の200%である。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、以上の処理を位置ずれ検出チャート900の複数の領域ごとに行う。
このようにすることで、本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、複数の画像部により構成される画像パターンの画質を向上することができる。
●時間集中露光の適用例(2)
本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光の他の適用例を説明する。本実施の形態では、時間集中露光による露光パターンの形成処理のみが先に説明した例と相違する。以下の露光パターンの形成処理の例では、先の例と同様に解像度を600dpiに設定し、Cの色版とMの色版のみで形成されている画像パターンについて説明する。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光の他の適用例を説明する。本実施の形態では、時間集中露光による露光パターンの形成処理のみが先に説明した例と相違する。以下の露光パターンの形成処理の例では、先の例と同様に解像度を600dpiに設定し、Cの色版とMの色版のみで形成されている画像パターンについて説明する。
図39に示す画像パターンの例では、画像データ内の所定の領域において、画像パターン700が、Cの色版とMの色版で形成されている。
図40に示すように、上述の画像パターン700の例において、Mの色版の画像部700Mを基準としてCの色版の画像部700Cが位置ずれを生じている。この場合に、画像部700Mを基準とすると、画像部700Cの位置ずれ量は、主走査方向に4dot、副走査方向に2dotである。
図41に示すように、複数の画像部、つまり画像部700Cと画像部700Mの中間の位置に相当する平均位置700Aは、画像部700Cと画像部700Mのそれぞれに対して主走査方向に2dot、副走査方向に1dotの位置にある。このため、平均位置700Aを基準とした画像部700Cの位置ずれ量は、ΔYC=2dot、ΔZC=1dotとなる。また、平均位置700Aを基準とした画像部700Mの位置ずれ量は、ΔYM=−2dot、ΔZM=−1dotとなる。
図42に示すように、本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、以上の位置ずれ量を減少させるために、時間集中露光の露光パターンを決定する。画像パターン700において、画像部701Cが、主走査方向に2dot、副走査方向に1dotだけ平均位置からずれている。この画像部701Cに生じた位置ずれ量を解消するため、画像部701Cの上記各方向の画素は、非露光画素群741Cとする。同様に、画像パターン700において、画像部701Mが、主走査方向に−2dot、副走査方向に−1dotだけ平均位置からずれている。この画像部700Mに生じた位置ずれ量を解消するため、画像部701Mの上記各方向の画素は、非露光画素群741Mとする。
画像部701Cについて、非露光画素群741Cを設けることで減算された露光量は、非露光画素群741Cを設けた側とは画像部701Cの端部に関して反対側の領域に設けられる高出力露光画素群743Cに加算する。高出力露光画素群743Cは、画像パターン700の端部から主走査方向に−1dot、副走査方向に−1dotだけ画像部の中央寄りの領域に設けられる。また、画像部701Mについて、非露光画素群741Mを設けることで減算された露光量は、非露光画素群741Mを設けた側とは画像部701Mの端部に関して反対側の領域に設けられる高出力露光画素群743Mに加算する。高出力露光画素群743Mは、画像パターン700の端部から主走査方向に1dot、副走査方向に1dotだけ画像部の中央寄りの領域に設けられる。高出力露光画素群743C,743Mの光出力値は、目標露光出力値の200%である。
このようにすることで、本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、複数の画像部により構成される画像パターンの画質を向上することができる。
●時間集中露光の適用例(3)
本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光の他の適用例を説明する。本実施の形態では、時間集中露光による露光パターンの形成処理のみが先に説明した例と相違する。以下の露光パターンの形成処理の例では、本発明が実際の文字に適用された例を説明する。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光の他の適用例を説明する。本実施の形態では、時間集中露光による露光パターンの形成処理のみが先に説明した例と相違する。以下の露光パターンの形成処理の例では、本発明が実際の文字に適用された例を説明する。
図43に示すように、「轟」のような複雑な文字を含む画像パターン80について、ゴシック体のような太い線幅、かつ比較的小さいポイントの白抜き文字として印刷する場合に、単色、つまり1つの画像部により構成されていても文字が潰れやすい。このような文字について、Cの色版の画像部とMの色版の画像部の複数の画像部により形成しようとする場合には、画像部にわずかな位置ずれが生じた場合でも文字の中の空白部が埋まってしまうことがある。このような画像パターン80において、所定の領域の画像パターン800の露光パターンの形成処理を説明する。
図44に示すように、画像パターン800は、例えば「轟」の文字の上側の「車」の一部分である。画像パターン800は、細長い溝状の非画像部802が画像部801に挟まれている。この場合に、画像パターン800について、非画像部802を第一に再現するため、白抜きラインを強調する処理を選択したとする。
図45に示すように、上述の画像パターン800の例において、Mの色版の画像部801Mを基準としてCの色版の画像部801Cが位置ずれを生じている。この場合に、画像部801Mを基準とすると、画像部801Cの位置ずれ量は、主走査方向に2dot、副走査方向に2dotである。この場合に、非画像部802は、位置ずれを起こした画像部801Cに多くの部分が占められている。
複数の画像部、つまり画像部801Cと画像部801Mの中間の位置に相当する平均位置800Aは、画像部801Cと画像部801Mのそれぞれに対して主走査方向に1dot、副走査方向に1dotの位置にある。このため、平均位置800Aを基準とした画像部801Cの位置ずれ量は、ΔYC=1dot、ΔZC=1dotとなる。また、平均位置800Aを基準とした画像部801Mの位置ずれ量は、ΔYM=−1dot、ΔZM=−1dotとなる。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、以上の位置ずれ量を減少させるために、時間集中露光の露光パターンを決定する。図45に示したように画像パターン800において、画像部801Cが、主走査方向に1dot、副走査方向に1dotだけ平均位置800Aからずれている。図46に示すように、この画像部801Cに生じた位置ずれ量を解消するため、画像部801Cの上記各方向の画素は、非露光画素群841C1,841C2とする。同様に、図45に示したように画像パターン800において、画像部801Mが、主走査方向に−1dot、副走査方向に−1dotだけ平均位置からずれている。この画像部801Mに生じた位置ずれ量を解消するため、画像部801Mの上記各方向の画素は、非露光画素群841Mとする。
画像部801Cについて、非露光画素群841C1,841C2を設けることで減算された露光量は、画像パターン800の端部の反対側、つまり端部から主走査方向に−1dot、副走査方向に−1dotだけ画像部の中央寄りの領域に設けられる高出力露光画素群843Cに加算する。また、画像部801Mについて、非露光画素群841Mを設けることで減算された露光量は、画像パターン800の端部の反対側、つまり端部から主走査方向に1dot、副走査方向に1dotだけ画像部の中央寄りの領域に設けられる高出力露光画素群843Mに加算する。高出力露光画素群843C,843Mの光出力値は、目標露光出力値の200%である。
このようにすることで、本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、位置ずれによって非画像部802が埋まることを防ぐことができるため、再現性の高い文字・図形を形成することができる。つまり、本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、複数の画像部により構成される画像パターンの画質を向上することができる。
また、本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、画像データ内の領域毎に位置ずれ量と方向が異なる場合であっても、領域ごとに補正量を変えることができる。
なお、以上説明した本実施の形態において、非露光画素群を設けることによって減算される露光量と高出力露光画素群に加算する露光量が等しく、積算光量が一定である例のみ説明したが、本発明ではこれに限定されない。つまり、本発明において、非露光画素群で減算される光量が高出力露光画素群で加算される光量を上回ってもよく、また、高出力露光画素群で加算される光量が非露光画素群で減算される光量を上回ってもよい。
また、本発明は、以上説明した解像度などには限定されず、より高解像度の画像に対しても適用することができる。
●静電潜像形成処理のフローチャート
図47のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る静電潜像形成方法を説明する。
図47のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る静電潜像形成方法を説明する。
レーザプリンタ1000は、スキャナ10やコンピュータなどから画像データの出力指示を受け付ける(S101)と、プリンタ制御装置1060の画像処理部1060aと露光量設定部1060bが以下の処理を行う。
画像データを受け付けた画像処理部1060aは、図30に示す位置ずれ検出チャート900の位置ずれ検出パターン81により、画像出力に用いられる色版の異なる複数の画像部の位置ずれ量を位置ずれ検出パターン81が設けられている領域ごとに検出する(S102)。
画像処理部1060aは、領域ごとに検出した画像部の位置ずれ量に基づいて、出力に用いられる各色版の画像部の中心位置(以下「所定パターン中心」ともいう。)の平均位置を算出する(S103)。
画像処理部1060aは、各色版の平均位置と画像出力に用いられる各色版の画像部の平均位置から、各色版の主走査方向と副走査方向への位置ずれ量を算出する(S104)。
露光量設定部1060bは、算出された位置ずれ量と光出力値に基づいて、複数の画像部の露光パターンを時間集中露光が適用されている露光パターンに変換する(S105)。露光パターンの形成後、レーザプリンタ1000は、位置ずれ補正が行われた後の画像を出力する(S106)。
●時間集中露光の適用例(4)
本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光の他の適用例を説明する。本実施の形態では、位置ずれ検出チャートによる位置ずれ量の検出処理と、検出された位置ずれ量に基づく時間集中露光の適用方法が先に説明した例と相違する。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法における、時間集中露光の他の適用例を説明する。本実施の形態では、位置ずれ検出チャートによる位置ずれ量の検出処理と、検出された位置ずれ量に基づく時間集中露光の適用方法が先に説明した例と相違する。
図48に示すように、位置ずれ検出チャート901は、先に説明した位置ずれ検出チャート900と異なり、印刷される紙面上を所定の位置、例えば中央部分に領域80を設けて、この領域80に位置ずれ検出パターン81が表示されている。位置ずれ検出チャート901によれば、色版のずれの有無とずれ量を特定することができる。
本実施の形態に係る静電潜像形成方法では、位置ずれ検出チャート901により検出された画像パターンの一部分の位置ずれ量に基づいて、先に説明した例と同様に画像パターン全体に対して時間集中露光を適用する。
●静電潜像形成処理のフローチャート
図49のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る静電潜像形成方法を説明する。
図49のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る静電潜像形成方法を説明する。
レーザプリンタ1000は、スキャナ10やコンピュータなどから画像データの出力指示を受け付ける(S201)と、プリンタ制御装置1060の画像処理部1060aと露光量設定部1060bが以下の処理を行う。
画像データを受け付けた画像処理部1060aは、位置ずれ検出チャート901の位置ずれ検出パターン81により、画像出力に用いられる画像パターン全体の色版の異なる複数の画像部の位置ずれ量を検出する(S202)。
画像処理部1060aは、検出した画像パターン全体の画像部それぞれの位置ずれ量に基づいて、出力に用いられる各色版の画像部の中心位置(以下「所定パターン中心」ともいう。)の平均位置を算出する(S203)。
画像処理部1060aは、各色版の平均位置と画像出力に用いられる各色版の画像部の平均位置から、各色版の主走査方向と副走査方向への位置ずれ量を算出する(S204)。
露光量設定部1060bは、算出された位置ずれ量と光出力値に基づいて、複数の画像部の露光パターンを時間集中露光が適用されている露光パターンに変換する(S205)。露光パターンの形成後、レーザプリンタ1000は、位置ずれ補正が行われた後の画像を出力する(S206)。
このようにすることで、本実施の形態に係る静電潜像形成方法によれば、複数の画像部により構成される画像パターンの画質を向上することができる。
10 :検知部
11 :光源
12 :カップリングレンズ
13 :開口板
14 :シリンドリカルレンズ
15 :ポリゴンミラー
20 :走査光学系
21 :第1走査レンズ
22 :第2走査レンズ
24 :折り返しミラー
80 :領域
81 :位置ずれ検出パターン
100 :画像処理装置
101 :画像処理ユニット
104 :光源制御装置
106 :画素クロック生成回路
107 :駆動制御装置(調整装置)
108 :光源駆動回路
300 :静電潜像計測装置
303 :制御系
323 :試料
400 :荷電粒子照射系
402 :検出器
1000 :レーザプリンタ(画像形成装置)
1010 :光走査装置(静電潜像形成装置)
1030 :感光体ドラム(像担持体)
1060 :プリンタ制御装置
407 :光源変調データ生成回路
501 :露光部
502 :非画像部
541 :非露光部
543 :高出力露光画素群
600 :画像パターン
600A :平均位置
600C :画像部
600M :画像部
641C :非露光画素群
641M :非露光画素群
643C :高出力露光画素群
643M :高出力露光画素群
700 :画像パターン
700A :平均位置
700C :画像部
700M :画像部
701C :画像部
701M :画像部
741C :非露光画素群
741M :非露光画素群
743C :高出力露光画素群
743M :高出力露光画素群
800 :画像パターン
800A :平均位置
801C :画像部
801M :画像部
841C1:非露光画素群
841C2:非露光画素群
841M :非露光画素群
843C :高出力露光画素群
843M :高出力露光画素群
900 :位置ずれ検出チャート
901 :位置ずれ検出チャート
11 :光源
12 :カップリングレンズ
13 :開口板
14 :シリンドリカルレンズ
15 :ポリゴンミラー
20 :走査光学系
21 :第1走査レンズ
22 :第2走査レンズ
24 :折り返しミラー
80 :領域
81 :位置ずれ検出パターン
100 :画像処理装置
101 :画像処理ユニット
104 :光源制御装置
106 :画素クロック生成回路
107 :駆動制御装置(調整装置)
108 :光源駆動回路
300 :静電潜像計測装置
303 :制御系
323 :試料
400 :荷電粒子照射系
402 :検出器
1000 :レーザプリンタ(画像形成装置)
1010 :光走査装置(静電潜像形成装置)
1030 :感光体ドラム(像担持体)
1060 :プリンタ制御装置
407 :光源変調データ生成回路
501 :露光部
502 :非画像部
541 :非露光部
543 :高出力露光画素群
600 :画像パターン
600A :平均位置
600C :画像部
600M :画像部
641C :非露光画素群
641M :非露光画素群
643C :高出力露光画素群
643M :高出力露光画素群
700 :画像パターン
700A :平均位置
700C :画像部
700M :画像部
701C :画像部
701M :画像部
741C :非露光画素群
741M :非露光画素群
743C :高出力露光画素群
743M :高出力露光画素群
800 :画像パターン
800A :平均位置
801C :画像部
801M :画像部
841C1:非露光画素群
841C2:非露光画素群
841M :非露光画素群
843C :高出力露光画素群
843M :高出力露光画素群
900 :位置ずれ検出チャート
901 :位置ずれ検出チャート
Claims (16)
- 複数の画像部を組み合わせて構成されている画像パターンに基づいて像担持体の表面を露光することで形成される静電潜像により画像を形成する方法であって、
前記複数の画像部は、それぞれ複数の画素により構成され、
前記画像パターンにおける前記複数の画像部のうちいずれか1つの画像部の位置に基づいて、前記複数の画像部それぞれの露光される画素の一部を非露光画素群とし、
前記複数の画像部それぞれの前記非露光画素群とは異なる画素を、前記画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される高出力露光画素群とする、
ことを特徴とする画像形成方法。 - 前記非露光画素群は、前記複数の画像部の平均位置に基づいて特定される、
請求項1記載の画像形成方法。 - 前記高出力露光画素群は、前記複数の画像部の平均位置に基づいて特定される、
請求項1または2記載の画像形成方法。 - 前記高出力露光画素群は、前記画像部の端部より前記画像部の中央寄りの位置に特定される、
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記高出力露光画素群は、前記画像部の端部に関して前記非露光画素群の反対の位置に特定される、
請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記非露光画素群は、前記画像パターンに含まれる複数の領域ごとの前記複数の画像部の位置に基づいて特定される、
請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記高出力露光画素群は、前記画像パターンに含まれる複数の領域ごとの前記複数の画像部の位置に基づいて特定される、
請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。 - 複数の画像部を組み合わせて構成されている画像パターンに基づいて像担持体の表面を露光することで形成される静電潜像により画像を形成する方法であって、
前記複数の画像部は、複数の画素により構成され、
前記画像パターンにおける前記複数の画像部の位置に基づいて、前記複数の画像部のいずれか1つのみを構成する画素の一部を非露光画素群とし、
前記画像パターンにおける前記複数の画像部の位置に基づいて、前記複数の画像部により構成される画素の一部を前記複数の画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される高出力露光画素群とする、
ことを特徴とする画像形成方法。 - 前記非露光画素群は、前記画像パターンにおける前記複数の画像部のいずれか1つの位置に基づく他の画像部の位置との差分に基づいて特定される、
請求項8記載の画像形成方法。 - 前記高出力露光画素群は、前記画像パターンにおける前記複数の画像部のいずれか1つの位置に基づく他の画像部の位置との差分に基づいて特定される、
請求項8または9記載の画像形成方法。 - 前記非露光画素群は、前記差分の平均位置に基づいて特定される、
請求項8乃至10のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記高出力露光画素群は、前記差分の平均位置に基づいて特定される、
請求項8乃至11のいずれかに記載の画像形成方法。 - 複数の画像部を組み合わせて構成されている画像パターンに基づいて像担持体の表面を露光する露光装置と、
前記露光装置の光出力値を設定する制御装置と、
を有する画像形成装置であって、
前記複数の画像部は、それぞれ複数の画素により構成され、
前記画像処理部が、
前記画像パターンにおける前記複数の画像部のうちいずれか1つの画像部の位置に基づいて、前記複数の画像部それぞれの露光される画素の一部を非露光画素群に設定し、
前記複数の画像部それぞれの前記非露光画素群とは異なる画素を、前記画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される高出力露光画素群に設定する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 複数の画像部を組み合わせて構成されている画像パターンに基づいて像担持体の表面を露光する露光装置と、
前記露光装置の光出力値を設定する制御装置と、
を有する画像形成装置であって、
前記複数の画像部は、複数の画素により構成され、
前記画像処理部が、
前記画像パターンにおける前記複数の画像部の位置に基づいて、前記複数の画像部のいずれか1つのみを構成する画素の一部を非露光画素群に設定し、
前記画像パターンにおける前記複数の画像部の位置に基づいて、前記複数の画像部により構成される画素の一部を前記複数の画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される高出力露光画素群に設定する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 複数の画像部を組み合わせて構成されている画像パターンに基づいて像担持体の表面を露光することで静電潜像を形成する工程を有する印刷物の生産方法であって、
前記複数の画像部は、それぞれ複数の画素により構成され、
前記静電潜像を形成する工程において、前記画像パターンにおける前記複数の画像部のうちいずれか1つの画像部の位置に基づいて、前記複数の画像部それぞれの露光される画素の一部を非露光画素群とし、
前記複数の画像部それぞれの前記非露光画素群とは異なる画素を、前記画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される高出力露光画素群とする、
ことを特徴とする印刷物の生産方法。 - 複数の画像部を組み合わせて構成されている画像パターンに基づいて像担持体の表面を露光することで静電潜像を形成する工程を有する印刷物の生産方法であって、
前記複数の画像部は、複数の画素により構成され、
前記画像パターンにおける前記複数の画像部の位置に基づいて、前記複数の画像部のいずれか1つのみを構成する画素の一部を非露光画素群とし、
前記画像パターンにおける前記複数の画像部の位置に基づいて、前記複数の画像部により構成される画素の一部を前記複数の画像部を露光するのに必要な所定光出力値より高い光出力値で露光される高出力露光画素群とする、
ことを特徴とする印刷物の生産方法。
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