JP2017015607A - 飲酒に伴う高血圧発症の予測用ペプチドおよびそれを用いた飲酒に伴う高血圧発症の予測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】飲酒に伴う高血圧発症の予測用ペプチドの提供。【解決手段】飲酒していない状態の被験者より採取した生体試料中の、C4Aの分解産物およびフィブリノーゲンα鎖の分解産物からなる群より選ばれる1以上のペプチドの量を測定することを含む、該被験者の飲酒に伴う高血圧発症の予測のための検査方法。【選択図】なし

Description

本発明は、飲酒に伴う高血圧発症の予測用ペプチド、並びにそれを利用した飲酒に伴う高血圧発症の予測方法等に関する。
習慣性飲酒は高血圧の重要なリスク要因であるが、日本人では飲酒が高血圧の原因として20-50%程度寄与していると考えられており、その寄与の程度は個人によって異なる。日本人を含む東洋人ではALDH2などのアルコール分解酵素の遺伝子多型により飲酒時のアルコール感受性が大きく異なることが知られているが、これまでの研究ではアルコール分解酵素の遺伝子多型と飲酒による血圧上昇との間には明らかな関連性がないと報告されている。飲酒に伴う高血圧の有効な予防法は節酒あるいは禁酒であるが、飲酒に伴う高血圧のリスクを予測する簡便・迅速な方法は未だに開発されておらず、飲酒による高血圧リスクに対する自覚がないまま飲酒を続ける危険性がある。従って、飲酒による高血圧に対する適切な予防策を講じるためにも、飲酒に伴う高血圧発症の予測方法を確立することは重要な課題である。
飲酒による高血圧発症の機序としては、飲酒の急性作用である血圧低下に対する離断作用としての交感神経系の活性化が指摘されている(非特許文献1)。例えば、アルコール依存症患者が入院後に断酒した際には、急激な血圧上昇が認められるが、これはアルコールによる血圧低下からの離断現象と考えられる(非特許文献1〜3)。すなわち、飲酒時の血圧低下が著しい人ほど、繰り返しの飲酒習慣に伴う血圧上昇が大きいと考えられる。
近年、生体内のタンパク質発現を網羅的に解析するプロテオミクス研究の進展に伴い、プロテオミクスを利用した新規バイオマーカーの探索が精力的に行われている。例えば、いくつかの癌患者の血清中のタンパク質分解産物パターンが調べられ、フィブリノーゲンα鎖、Complement C4-A (C4A)、のフラグメントが、前立腺癌、膀胱癌、大腸癌で変動することが報告されている(非特許文献4)。
しかし、これらのタンパク質フラグメントと飲酒による高血圧のリスクとの関連は何ら報告されていない。
Bannan LT et al., Effect of alcohol withdrawal on blood pressure, plasma renin activity, aldosterone, cortisol and dopamine beta-hydroxylase. Clin Sci (Lond). 1984; 66(6): 659-63. Potter JF et al., Blood pressure and pressor mechanisms during alcohol withdrawal, J Hypertens Suppl. 1983 Dec;1(2):97-9. King AC et al., Blood pressure dysregulation associated with alcohol withdrawal, Alcohol Clin Exp Res. 1991 Jun;15(3):478-82. Villanueva J et al., Differential exoprotease activities confer tumor-specific serum peptidome patterns. J Clin Invest. 2006 Jan;116(1):271-84.
本発明の目的は、飲酒に伴う高血圧発症の予測用ペプチド、並びにそれを利用した飲酒に伴う高血圧発症の予測方法を提供することである。
本発明者は、アルコール負荷前後の被験者から採取した血清を質量分析により調べた結果、アルコール負荷前と比較してアルコール負荷後に顕著にレベルが変動している13種のペプチドを見出した。これらのペプチドのうちの3つについてアミノ酸配列を分析した結果、2つはフィブリノーゲンα鎖の部分アミノ酸配列からなる互いに異なるペプチド(モノアイソトピック質量m/z 1465.626, m/z 2659.161)、1つはC4Aの部分アミノ酸配列からなるペプチド(モノアイソトピック質量m/z 2378.134)であることが判明した。さらに、アルコール負荷前の被験者のこれらのペプチドレベルが高いほど、アルコール負荷後の血圧低下率が大きくなり、飲酒前ペプチドレベルと飲酒前後の血圧変化率には相関関係が確認された。飲酒による高血圧発症は、飲酒の急性作用である血圧低下に対する、アルコール離断作用としての交感神経系の活性化が原因であるとする説が有力であり、飲酒時の血圧低下が著しい人ほど、繰り返しの飲酒習慣に伴う血圧上昇が大きいと考えられる。従って、飲酒前の血中の上記のペプチドレベルが高いほど、飲酒後に大きく低下した血圧がアルコール離断による交感神経系の活性化によって大きく上昇し、高血圧につながることが予測される。
本発明者は、上記の結果に基づいて、これらのペプチドを用いて飲酒に伴う高血圧発症の予測方法を確立し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]飲酒していない状態の被験者より採取した生体試料中の、C4Aの分解産物およびフィブリノーゲンα鎖の分解産物からなる群より選ばれる1以上のペプチドの量を測定することを含む、該被験者の飲酒に伴う高血圧発症の予測のための検査方法:
[2]C4Aの分解産物が、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドであり、フィブリノーゲンα鎖の分解産物が、配列番号2および3に示される各アミノ酸配列からなるペプチド群である、[1]に記載の方法:
[3]飲酒していない状態の被験者より採取した生体試料中の、以下の(1)および(2)のペプチドの量を測定することを含む、該被験者の飲酒に伴う高血圧発症の予測方法;
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、
(2)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチドおよび/または配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチド:
[4]生体試料が体液である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の方法:
[5]体液が血液、血漿、血清、唾液、尿、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、涙液、眼房水、硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される、[4]に記載の方法:
[6]生体試料を質量分析にかけることによって上記ペプチドの量が測定されることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の方法:
[7]測定するペプチドを特異的に認識する抗体を用いることによって上記ペプチドの量が測定されることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の方法:
[8]配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含む、飲酒に伴う高血圧発症の予測用キット:
[9]配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチドから選択される、飲酒に伴う高血圧発症の予測用ペプチド:
などを提供する。
本発明によれば、飲酒に伴う高血圧リスクを迅速・的確に予測できるので、飲酒量や飲酒回数を制限するなどの飲酒による高血圧に対する予防措置を講じることが可能となる。
アルコール負荷前後の被験者の血圧 (A, 収縮期血圧; B, 拡張期血圧)の変化を示す図である。アルコール負荷前、アルコール負荷45分後および2〜3時間後の血圧の平均値(±標準誤差)を示す。アルコール負荷前値との間の有意差(**, p<0.01)を示す。 アルコール負荷前、アルコール負荷後45分およびアルコール負荷後2〜3時間の血清を用いたBLOTCHIP(登録商標)-MS測定の積算スペクトル図を示す。1検体につき4つの積算スペクトルを描画し、合計44個の平均値のスペクトルを示す。解析にはClinPro Tools version 2.2を用いた。 アルコール負荷前(group A)、アルコール負荷後45分(group B)およびアルコール負荷後2〜3時間(group C)の3時点で生じうるペプチドレベル変動のパターンを示した図である。 逆相クロマトグラフィーにより精製分画した3つのペプチド((A)m/z 1467(配列番号2)、(B)m/z 2380(配列番号1)および(C)m/z 2662(配列番号3))のMS/MSスペクトルを示す図である。 精製・同定した3つのペプチド((A)m/z 1467(配列番号2)、(B)m/z 2380(配列番号1)および(C)m/z 2662(配列番号3))のアルコール負荷前後における血中レベルの変化を示す図である。中央値および25パーセンタイル値、75パーセンタイル値を箱ひげ図を用いて示す。アルコール負荷前、アルコール負荷後45分、アルコール負荷後2〜3時間の各ペプチドの強度は、BLOTCHIP(登録商標)を用いた質量分析により測定した。アルコール負荷前値との間の有意差(*, p<0.05; **, p<0.01)およびアルコール負荷後45分値との間の有意差(†, p<0.05; ††, p<0.01)を示す。#はアルコール負荷前値との間の境界域との有意差を示す(p=0.074) アルコール負荷前のペプチド(m/z 2380(配列番号1))の血中レベルの順位とアルコール負荷前後(アルコール負荷後45分)における収縮期血圧(A)および拡張期血圧(B)の変化率との間の相関の散布を示す図である。rはスピアマン相関係数を示す。 アルコール負荷前の補体タンパク質C4の分解産物C4Aの断片ペプチドであるm/z 2380(配列番号1)の血中レベルの順位と血中補体タンパク質C4濃度との間の相関の散布を示す図である。rはスピアマン順位相関係数を示す。 アルコール負荷前の血中補体タンパク質C4濃度とアルコール負荷前後(アルコール負荷後45分)の収縮期血圧(A)および拡張期血圧(B)の変化率との相関の散布を示す図である。rはピアソン相関係数を示す。 ALSTスコアの順位とアルコール負荷前後(アルコール負荷後45分)における収縮期血圧(A)および拡張期血圧(B)の変化率との相関の散布を示す図である。rはスピアマン順位相関係数を示す。
本発明は、飲酒に伴う高血圧発症の予測のためのペプチド(以下、「本発明の高血圧予測用ペプチド」という場合がある)を提供する。本発明における「飲酒に伴う高血圧」とは、機会飲酒または習慣性飲酒によって発症しうる高血圧のことを意味する。また、本発明における「高血圧」は、高血圧治療ガイドライン2014に従い、収縮期血圧140mmHg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上の状態を意味する。
本発明の高血圧予測用ペプチドはそれぞれ、補体タンパク質C4が生体中で分解されることによって得られるC4Aの分解産物およびフィブリノーゲンの構成タンパクの1つであるフィブリノーゲンα鎖の分解産物である。C4Aおよびフィブリノーゲンα鎖の全長アミノ酸配列をそれぞれ配列番号4および5に示す。
C4Aの分解産物としては、配列番号4に示されるアミノ酸配列の任意の部分アミノ酸配列からなるペプチドであれば特に制限されないが、好ましくは、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチド(以下、「C4Aフラグメント」)が挙げられる。配列番号1に示されるアミノ酸配列(C4Aフラグメント)は、C4AのN末端から1429番目のAsp残基から、1449番目のAsn残基までのフラグメントに相当する。
フィブリノーゲンα鎖の分解産物としては、配列番号5に示されるアミノ酸配列の任意の部分アミノ酸配列からなるペプチドであれば特に制限されないが、好ましくは、配列番号2または3に示される各アミノ酸配列からなるペプチド(以下、「フィブリノーゲンα鎖フラグメント1」、「フィブリノーゲンα鎖フラグメント2」)が挙げられる。配列番号2に示されるアミノ酸配列(フィブリノーゲンα鎖フラグメント1)は、フィブリノーゲンα鎖のN末端から21番目のAsp残基から、35番目のArg残基までのフラグメントに相当する。配列番号3に示されるアミノ酸配列(フィブリノーゲンα鎖フラグメント2)は、フィブリノーゲンα鎖のN末端から605番目のAsp残基から、629番目のVal残基までのフラグメントに相当する。
また、被験対象が、C4A、フィブリノーゲンα鎖のこれらのペプチドに対応する部分アミノ酸配列内に1もしくは2以上のアミノ酸の置換、欠失、挿入もしくは付加またはそれらの組合せを含む多型もしくはアレル変異を有する場合、検出すべきペプチドのアミノ酸配列は、「配列番号1〜3に示される各アミノ酸配列において、当該多型もしくはアレル変異を有するアミノ酸配列」と解すべきであることは、当業者にとって自明であろう。
本発明の高血圧予測用ペプチドは、生体内においてN末端、C末端もしくは側鎖が修飾されたものを包含する。例えば、該ペプチドがN末端にGln残基を有する場合には、ピログルタミン酸化したものを包含する。
本発明はまた、飲酒していない状態の被験者由来の生体試料中の、1種以上の本発明の高血圧予測用ペプチドの量を測定することによる、該被験者の飲酒に伴う高血圧発症の予測のための検査方法を提供する。好ましくは、本発明は、飲酒していない状態の被験者より採取した生体試料中の、配列番号1〜3に示されるアミノ酸配列からなる各ペプチドからなる群から選択される1種以上のぺプチドの量を測定することを含む、該被験者の飲酒に伴う高血圧発症の予測方法を提供し、より好ましくは、本発明は、飲酒していない状態の被験者より採取した生体試料中の、以下の(1)および(2)のペプチドの量を測定することを含む、該被験者の飲酒に伴う高血圧発症の予測方法を提供する;
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、
(2)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチドおよび/または配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチド。
ここで「予測のための検査」とは、該ペプチド量の測定および必要に応じて対照サンプルにおける測定値との比較を意味する。「飲酒していない状態の被験者」は、検査前24時間以内にアルコールを摂取していない被験者を意味する。
被験試料となる被験者由来の生体試料は特に限定されないが、被験者への侵襲が少ないものであることが好ましく、例えば、血液、血漿、血清、唾液、尿、涙液など生体から容易に採取できるものや、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、眼房水、硝子体液など比較的容易に採取されるものが挙げられる。
血清や血漿を用いる場合、常法に従って被験者から採血し、液性成分を分離することにより調製することができる。測定対象である本発明の高血圧予測用ペプチドが比較的低分子量であるため、必要に応じ、スピンカラムなどを用いて濃縮し、予め高分子量のタンパク質画分などを分離除去しておくこともできる。
生体試料中の、本発明の高血圧予測用ペプチドの検出は、例えば、生体試料を各種の分子量測定法、例えば、ゲル電気泳動や、各種の分離精製法(例:イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーなど)、イオン化法(例:電子衝撃イオン化法、フィールドディソープション法、二次イオン化法、高速原子衝突法、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法、エレクトロスプレーイオン化法など)、質量分析計(例:二重収束質量分析計、四重極型分析計、飛行時間型質量分析計、フーリエ変換質量分析計、イオンサイクロトロン質量分析計など)を組み合わせる方法等に供し、該ペプチドの分子量と一致するバンドもしくはスポット、あるいはピークを検出することにより行うことができるが、これらに限定されない。本発明の高血圧予測用ペプチドはアミノ酸配列が既知であるので、該アミノ酸配列を認識する抗体を作製して、ウェスタンブロッティングや各種イムノアッセイにより該ペプチドを検出する方法が、より好ましく用いられ得る。さらに上記方法のハイブリッド型検出法も有効である。
本発明の高血圧予測用ペプチドであるC4Aフラグメント、フィブリノーゲンα鎖フラグメント1およびフィブリノーゲンα鎖フラグメント2は、それぞれ2378.134、1465.626および2659.161の分子量(計算値)を有するが、用いられる測定方法・測定機器に応じて、実測値は若干変動し得ることはいうまでもない。例えば、質量分析計を用いる方法による場合は、計算値±0.5%(好ましくは±0.3%、より好ましくは±0.1%)の位置に出現するピーク強度を測定することが好ましい。
本発明の検査方法における特に好ましい測定法の1つは、飛行時間型質量分析に使用するプレートの表面に被験試料を接触させ、該プレート表面に捕捉された成分の質量を飛行時間型質量分析計で測定する方法が挙げられる。
飛行時間型質量分析計に適合可能なプレートは、検出対象である本発明の高血圧予測用ペプチドを効率よく吸着し得る表面構造を有している限り、いかなるものであってもよい。そのような表面構造としては、例えば、官能基付加ガラス、Si、Ge、GaAs、GaP、SiO2、SiN4、改質シリコン、広範囲のゲル又はポリマー(例えば、(ポリ)テトラフルオロエチレン、(ポリ)ビニリデンジフロリド、ポリスチレン、ポリカーボネート、又はこれらの組合せなど)によるコーティングが挙げられる。複数のモノマー又はポリマー配列を有する表面構造としては、例えば、核酸の直鎖状及び環状ポリマー、ポリサッカライド、脂質、α-、β-又はω-アミノ酸を有するペプチド、クロマトグラフィーで使用されるゲル表面の担体(陰イオン性/陽イオン性化合物、炭素鎖1〜18からなる疎水性化合物、親水性化合物(例えば、シリカ、ニトロセルロース、セルロースアセテート、アガロース等)と架橋した担体など)、人工ホモポリマー(例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリアリーレンスルフィド、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリアセテート等)、上記化合物のいずれかに既知の薬物又は天然化合物が結合(共有及び非共有結合)したヘテロポリマー等によるコーティングが挙げられる。
好ましい実施態様においては、質量分析用プレートとして用いられる支持体は、ポリビニリデンジフロリド(PVDF)、ニトロセルロースまたはシリカゲル、特に好ましくはPVDFで薄層コーティングされた基材[通常、質量分析用プレートにおいて使用されているものであれば、特に限定されず、例えば、絶縁体(ガラス、セラミクス、プラスチック・樹脂等)、金属(アルミニウム、ステンレス・スチール等)、導電性ポリマー、それらの複合体などが挙げられるが、好ましくはアルミニウムプレートが用いられる]である(WO 2004/031759を参照)。支持体の形状は、使用する質量分析装置の、特に試料導入口に適合するような形状に適宜考案され得るが、それらに限定されない。かかるPVDFで薄層コーティングされた質量分析用プレートとして、好ましくはプロトセラ社のブロットチップ(登録商標)などが挙げられる。
好ましくは、コーティングは、メンブレンのように予め成型された構造体を支持体上に重層するのではなく、コーティング分子が分散した状態で支持体上に堆積されて形成される薄層をいう。コーティング分子が堆積される態様は特に制限されないが、後述の質量分析用プレートの調製方法において例示される手段が好ましく用いられる。
薄層の厚さは、本発明の高血圧予測用ペプチドの転写効率および質量分析の測定感度等に好ましくない影響を与えない範囲で適宜選択することができるが、例えば、約0.001〜約100 μm、好ましくは約0.01〜約30 μmである。
質量分析用プレート(支持体)は自体公知の方法により調製することができるが、例えば、上記の好ましい質量分析用プレートは、PVDF等のコーティング分子で支持体表面を薄層コーティングすることにより調製される。コーティングの手段としては、塗布、噴霧、蒸着、浸漬、印刷(プリント)、スパッタリングなどが好ましく例示される。
「塗布」する場合、コーティング分子を、適当な溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド(dimethyl formamide;DMF)などの有機溶媒に適当な濃度(例えば、約1〜約100 mg/mL程度)で溶解したもの(コーティング分子含有溶液)を、刷毛などの適当な道具を用いて基材に塗布することができる。
「噴霧」する場合、上記と同様にして調製したコーティング分子含有溶液を噴霧器に入れ、基材上に均一にPVDFが堆積されるように噴霧すればよい。
「蒸着」する場合、通常の有機薄膜作製用真空蒸着装置を用い、基材を入れた真空槽中でコーティング分子(固体でも溶液でもよい)を加熱・気化させることにより、基材表面上に該分子の薄層を形成させることができる。
「浸漬」させる場合、上記と同様にして調製したコーティング分子含有溶液中に基材を浸漬させればよい。
「印刷(プリント)」する場合は、基材の材質に応じて通常使用され得る各種印刷技術を適宜選択して利用することができ、例えば、スクリーン印刷などが好ましく用いられる。
「スパッタリング」する場合は、例えば、真空中に不活性ガス(例、Arガス等)を導入しながら基材とコーティング分子間に直流高電圧を印加し、イオン化したガスを該分子に衝突させて、はじき飛ばされたコーティング分子を基材上に堆積させて薄層を形成させることができる。
コーティングは基材全面に施してもよいし、質量分析に供される面(画分)のみに施してもよい。
コーティング分子は、コーティング手段に応じて適宜好ましい形態で使用することができ、例えば、コーティング分子含有溶液、コーティング分子含有蒸気、固体コーティング分子などの形態で基材にアプライされ得るが、コーティング分子含有溶液の形態でアプライすることが好ましい。「アプライする」とは、接触後にコーティング分子が支持体上に残留・堆積されるように支持体に接触させることをいう。アプライ量は特に制限はないが、コーティング分子量として、例えば、約10〜約100,000 μg/cm2、好ましくは約50〜約5,000 μg/cm2が挙げられる。アプライ後に溶媒は自然乾燥、真空乾燥などにより除去する。
質量分析用プレートにおける基材は、コーティング分子でコーティングする前に予め適当な物理的、化学的手法により、その表面を修飾(加工)しておいてもよい。具体的には、プレート表面を磨く、傷を付ける、酸処理、アルカリ処理、ガラス処理(テトラメトキシシランなど)等の手法が例示される。
被験試料の質量分析用プレート(支持体)への移行は、被験試料となる被験者由来の生体試料を未処理のままで、あるいは抗体カラムその他の方法で高分子タンパク質を除去、濃縮した後に、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動もしくは等電点電気泳動に付し、泳動後ゲルをプレートと接触させて転写(ブロッティング)することにより行われる。転写装置としては公知のものを用いることができる。転写の方法自体は公知である。好ましくは電気転写が用いられる。泳動後ゲルに展開された試料は、種々の方法(拡散、電気力その他)によって質量分析用プレートに移行される。電気転写時に使用する緩衝液としては、pH 7〜9、低塩濃度のものを用いることが好ましい。具体的には、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酢酸緩衝液などが例示される。トリス緩衝液としては、トリス/グリシン/メタノール緩衝液、SDS-トリス−トリシン緩衝液など、リン酸緩衝液としては、ACN/NaCl/等張リン酸緩衝液、リン酸ナトリウム/ACNなど、ホウ酸緩衝液としては、ホウ酸ナトリウム−塩酸緩衝液、トリス−ホウ酸塩/EDTA、ホウ酸塩/ACNなど、酢酸緩衝液としては、トリス−酢酸塩/EDTAなどが挙げられる。好ましくは、トリス/グリシン/メタノール緩衝液、ホウ酸ナトリウム−塩酸緩衝液である。トリス/グリシン/メタノール緩衝液の組成としては、トリス10〜15 mM、グリシン70〜120 mM、メタノール7〜13%程度が例示される。ホウ酸ナトリウム−塩酸緩衝液の組成としては、ホウ酸ナトリウム5〜20 mM程度が例示される。
これにより、標的分子となる本発明の高血圧予測用ペプチドを含めて、被験試料中に存在する分子は支持体表面上に効率よく捕捉される。プレートを乾燥させた後、後の質量分析(MALDI法による場合)に有利なように、レーザー光を吸収し、エネルギー移動を通じて分析対象物分子のイオン化を促進するためにマトリックスと呼ばれる試薬を添加することもできる。当該マトリックスとしては、質量分析において公知のものを用いることができる。例えば、シナピン酸(sinapinic acid;SPA (=3,5-dimethoxy-4-hydoroxycinnamic acid))、インドールアクリル酸(Indoleacrylic acid;IAA)、2,5-ジヒドロキシ安息香酸(2,5-dihydroxybenzoic acid;DHB)、α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid;CHCA)等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、DHBまたはCHCAである。
上記の方法により支持体表面上に捕捉された被験試料中の分子を質量分析することにより、分子量に関する情報から、標的分子である本発明の高血圧予測用ペプチドの存在および量を同定することができる。
質量分析装置は、ガス状の試料をイオン化した後、その分子や分子断片を電磁場に投入し、その移動状況から質量数/電荷数によって分離、物質のスペクトルを求めることにより、物質の分子量を測定・検出する装置である。試料とレーザー光を吸収するマトリックスを混合、乾燥させて結晶化し、マトリックスからのエネルギー移動によるイオン化とレーザー照射による瞬間加熱により、イオン化した分析対象物を真空中に導くマトリックス支援レーザー脱イオン化(MALDI)と、初期加速による試料分子イオンの飛行時間差で質量数を分析する飛行時間型質量分析(TOFMS)とをあわせて用いるMALDI-TOFMS法、1分析対象物を1液滴にのせて液体から直接電気的にイオン化する方法、試料溶液を電気的に大気中にスプレーして、個々の分析対象物多価イオンをunfoldの状態で気相に導くナノエレクトロスプレー質量分析(nano-ESMS)法等の原理に基づく質量分析装置を使用することができる。
質量分析用プレート上の分子を質量分析する方法自体は公知である。例えば、WO 2004/031759に記載の方法を、必要に応じて適宜改変して使用することができる。
質量分析の結果から、標的分子の分子量情報に基づいて、被験試料中の標的分子の有無およびその量が同定され得る。この工程において、質量分析装置からの情報を、任意のプログラムを用いて、飲酒していない状態の、飲酒に伴う高血圧を発症しない対照由来の生体試料における質量分析データと比較して、示差的な(differential)情報として出力させることも可能である。そのようなプログラムは周知であり、また、当業者は、公知の情報処理技術を用いて、容易にそのようなプログラムを構築もしくは改変することができることが理解されよう。
特に好ましい態様においては、質量分析用プレートとしてプロトセラ社のブロットチップを用いて、上記の各工程を実施し、MALDI型質量分析装置で本発明の高血圧予測用ペプチドを定量比較(ディファレンシャル解析)する。さらに、必要に応じて、同一チップに残存する該ペプチドを同定することもできる。あるいは、被験試料の定量比較(ディファレンシャル解析)までをプロトセラ社のブロットチップシステムを用いて実施し、該ペプチドの同定を、高速液体クロマトグラフィーとイオンスプレイ型質量分析装置の組み合わせ装置(LC-MS/MS)で実施することも可能である。
本発明の検査方法における本発明の高血圧予測用ペプチドの測定は、それに対する抗体を用いて行うこともできる。かかる方法は、最適化されたイムノアッセイ系を構築してこれをキット化すれば、上記質量分析装置のような特殊な装置を使用することなく、高感度かつ高精度に該ペプチドを検出することができる点で、特に有用である。
本発明の高血圧予測用ペプチドに対する抗体は、例えば、本発明の高血圧予測用ペプチドを、これを発現するヒト由来の生体試料から単離・精製し、該ペプチドを抗原として動物を免疫することにより調製することができる。あるいは、得られるペプチド量が少量である場合等は、該ペプチドをペプチダーゼ等によって部分消化し、得られる断片のアミノ酸配列をエドマン法などにより決定し、その配列を基に該ペプチドをコードする核酸とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドを合成、これをプローブとして該ヒト由来のcDNAラリブラリーを鋳型にハイブリダイゼーション法により該ペプチドを含むタンパク質をコードするcDNAを得るか、あるいは該オリゴヌクレオチドをプライマーとして該ヒト由来のRNAを鋳型にしてRT-PCRを行うことにより、該ペプチドをコードするcDNA断片を得て、該cDNA断片を適当な発現ベクターに組み込んで適当な宿主細胞に導入し、得られる形質転換体を培養して組換えペプチドを採取することによって、本発明の高血圧予測用ペプチドを大量に調製することができる。あるいは上記のようにして得られるcDNAを鋳型として、無細胞転写・翻訳系を用いて本発明の高血圧予測用ペプチドを取得することもできる。さらに有機合成法により大量に調製することも可能である。
上述のように、本発明の高血圧予測用ペプチドであるC4Aフラグメント、フィブリノーゲンα鎖フラグメント1およびフィブリノーゲンα鎖フラグメント2は、それぞれ配列番号1〜3に示される各アミノ酸配列からなるペプチドである。従って、本発明のC4Aフラグメント、フィブリノーゲンα鎖フラグメント1もしくはフィブリノーゲンα鎖フラグメント2に対する抗体は、例えば、該アミノ酸配列の全部もしくは一部を、上記アミノ酸配列情報に基づき、公知のペプチド合成法を用いて合成するか、あるいは常法により単離したC4Aまたはフィブリノーゲンα鎖タンパク質を適当なペプチダーゼ等で切断して、本発明のC4Aフラグメント、フィブリノーゲンα鎖フラグメント1もしくはフィブリノーゲンα鎖フラグメント2の配列の全部もしくは一部を含むペプチド断片を取得し、これを免疫原として調製することが望ましい。
本発明の高血圧予測用ペプチドに対する抗体(以下、「本発明の抗体」と称する場合がある)は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれであってもよく、周知の免疫学的手法により作製することができる。また、該抗体は完全抗体分子だけでなくそのフラグメントをも包含し、例えば、Fab、F(ab')2、ScFv、minibody等が挙げられる。
例えば、ポリクローナル抗体は、上記のいずれかの方法または他の方法によって調製された本発明の高血圧予測用ペプチドもしくはその部分ペプチド(必要に応じて、ウシ血清アルブミン、KLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)等のキャリアータンパク質に架橋した複合体とすることもできる)を抗原として、市販のアジュバントとともに、動物の皮下あるいは腹腔内に2〜3週間おきに2〜4回程度投与し(部分採血した血清の抗体価を公知の抗原抗体反応により測定し、その上昇を確認しておく)、最終免疫から約3〜約10日後に全血を採取して抗血清を精製することにより取得できる。抗原を投与する動物としては、ラット、マウス、ウサギ、ヤギ、モルモット、ハムスターなどの哺乳動物が挙げられる。
また、モノクローナル抗体は、細胞融合法(例えば、渡邊武、細胞融合法の原理とモノクローナル抗体の作成、谷内昭、高橋利忠編、「モノクローナル抗体とがん−基礎と臨床−」、第2-14頁、サイエンスフォーラム出版、1985年)により作成することができる。例えば、本発明の高血圧予測用ペプチドもしくはその部分ペプチドを市販のアジュバントと共にマウスに2〜4回皮下あるいは腹腔内に投与し、最終投与の約3日後に脾臓あるいはリンパ節を採取し、リンパ球を採取する。このリンパ球と骨髄腫細胞(例えば、NS-1, P3X63Ag8など)を細胞融合して該ペプチドに対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得る。細胞融合はPEG法[J. Immunol. Methods, 81(2): 223-228 (1985)]でも電圧パルス法[Hybridoma, 7(6): 627-633 (1988)]であってもよい。所望のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、周知のEIAまたはRIA法等を用いて抗原と特異的に結合する抗体を、培養上清中から検出することにより選択できる。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの培養は、インビトロ、またはマウスもしくはラット、このましくはマウス腹水中等のインビボで行うことができ、抗体はそれぞれハイブリドーマの培養上清および動物の腹水から取得することができる。
C4Aおよびフィブリノーゲンα鎖のフラグメントとしては、本発明の高血圧予測用ペプチド以外のペプチド群も、被験試料中に存在する可能性がある。被験者のアルコール負荷前のこれらのペプチド群の血中レベルが高いほど、アルコール負荷後の血圧低下率が大きくなるという相関関係は認められないが、他の疾患において相関関係を示す可能性がある。例えば、本発明の高血圧予測用ペプチドであるC4Aフラグメントに対する抗体が、1以上のC4Aの他のフラグメントと交差反応性を有する場合、他の疾患を飲酒に伴う高血圧と誤診する(偽陽性)可能性が高くなる。あるいは、本発明の高血圧予測用ペプチドであるC4Aフラグメントに対する抗体が、全長C4Aまたは全長C4Aを含む補体タンパク質C4と交差反応性を有する場合、誤診の原因となる。従って、本発明の検査方法に用いられる、本発明の高血圧予測用ペプチドに対する抗体は、該ペプチド以外のC4Aまたはフィブリノーゲンα鎖のフラグメントとは交差反応しない、かつ全長C4A(または補体タンパク質C4)または全長フィブリノーゲンα鎖(またはフィブリンノーゲン)とは交差反応しない、特異性の高い抗体であることが望ましい。そのような抗体は、上記のようにして得られた複数のモノクローナル抗体を当該他のフラグメントと反応させ、それらと交差反応しない抗体を選択することにより得ることができる。従って、本発明の抗体は、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体および配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体が好ましい。
本発明の抗体を用いる本発明の検査方法は、特に制限されるべきものではなく、被験試料中の抗原量に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法等が好適に用いられる。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン-アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等が挙げられる。
サンドイッチ法においては、不溶化した本発明の抗体に被験試料を反応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明の抗体を反応させ(2次反応)た後、不溶化担体上の標識剤の量(活性)を測定することにより、被験試料中の本発明の高血圧予測用ペプチド量を定量することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。
本発明の高血圧予測用ペプチドに対するモノクローナル抗体を、サンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることもできる。
競合法では、被験試料中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させた後、未反応の標識抗原(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被験試料中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離にポリエチレングリコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
イムノメトリック法では、被験試料の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被験試料中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させた後、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被験試料中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被験試料中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明の高血圧予測用ペプチドの測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる。
例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A))、同書 Vol. 73 (Immunochemical Techniques (Part B))、同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C))、同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniques (Part D: Selected Immunoassays))、同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E: Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniques(Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies)) (以上、アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。
あるいは、本発明の抗体を用いる別の本発明の検査方法として、該抗体を上記したような質量分析計に適合し得るプローブの表面上に固定化し、該プローブ上の該抗体に被検試料を接触させ、該抗体に捕捉された生体試料成分を質量分析にかけ、該抗体が認識するペプチドの分子量に相当するピークを検出する方法が挙げられる。
上記のいずれかの方法により測定された、飲酒していない状態の被験者由来の生体試料中の本発明の高血圧予測用ペプチドのレベルが、飲酒していない状態の、飲酒に伴う高血圧を発症しない健常者由来の対照試料中の該ペプチドレベルに比べて有意に高い場合、被該験者は、飲酒後に大きく低下した血圧がアルコール離断による交感神経系の活性化によって大きく上昇し、高血圧につながることが予測されるため、該被験者は飲酒によって高血圧を発症する可能性が高いと判断することができる。従って、本発明の検査方法は、飲酒していない状態の被験者由来の生体試料中の本発明の高血圧予測用ペプチドのレベルが、飲酒していない状態の、飲酒に伴う高血圧を発症しない健常者由来の対照試料中の該ペプチドレベルに比べて有意に高い場合、該被験者は飲酒によって高血圧を発症する可能性が高いと判断する工程をさらに含んでもよい。
本発明はまた、本発明の検査方法において好ましく使用され得る、飲酒に伴う高血圧発症の予測のための検査キットを提供する。該検査キットは、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含有する。
本発明の検査キットを構成する試薬として、前記抗体に加えて、配列番号1〜3に示される各アミノ酸配列からなるペプチドを特異的に検出するための反応において必要な他の物質であって、共存状態で保存することにより反応に悪影響を及ぼさない物質をさらに含有することができる。あるいは、該試薬は、配列番号1〜3に示される各アミノ酸配列からなるペプチドを検出するための反応において必要な他の物質を含有する別個の試薬とともに提供されてもよい。例えば、配列番号1〜3に示される各アミノ酸配列からなるペプチドを検出するための反応が抗原抗体反応の場合、当該他の物質としては、例えば、反応緩衝液、competitor抗体、標識された二次抗体、ブロッキング液等が挙げられる。また、該検査キットは、免疫複合体の捕集のためのプロテインAまたはプロテインGを試薬として含有していてもよく、それらは担体(セファロースカラム、磁性ビーズなど)に固相化されていてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。
(1)被験者
27歳〜46歳の健常男性10名を被験者として選抜した。被験者のプロフィールを表1に示す。各被験者のALSTは飲酒時の3つの症状(動悸、顔面紅潮、顔面以外の皮膚の発赤)から判定した。ALSTが3.1を超える場合にはアルコール感受性が高い(即ち、アルコールに弱い)と判定される。被験者10名の中で、4名はアルコール感受性が高く、6名は感受性が低かった。被験者の飲酒習慣については、8名がほぼ毎日飲酒しており、2名は機会飲酒者であった。前記被験者に白ワイン(体重kgあたり3ml)を10分以内に経口投与し、その45分後と2〜3時間後に血圧を測定し、アルコール負荷前を含めた3つの時点で静脈採血を行い、血清を分離して、-80℃で保存した。図1にアルコール負荷前後の被験者の血圧の変化を示す。アルコール負荷前に比べて、アルコール負荷後45分および2〜3時間には収縮期血圧と拡張期血圧は有意に低下したが、アルコール負荷後45分後および2〜3時間後の収縮期血圧と拡張期血圧は有意差がなかった。前記の各被験者の3つの時点(アルコール負荷前、アルコール負荷後45分、アルコール負荷後2〜3時間)で採取した各血清1.5μLを電気泳動用サンプル処理液(NuPAGE(登録商標)LDS Sample Buffer 4x ; Life Technologies)4.5μLと混合し、70℃で10分間、加熱処理した後、4-12%グラジェントポリアクリルアミドゲル(Life Technologies)にアプライし電気泳動を行った。
(2)BLOTCHIP(登録商標)による質量分析およびディファレンシャルプロファイリング解析
電気泳動終了後、ゲルを切り出しBLOTCHIP(登録商標)(Protosera, Inc.)に積層し、電気転写用バッファー(BLOTBufferTM;Protosera, Inc.)中で90mA、120分間転写した。転写終了後、チップの表面を超純水でリンスし、チップ全体にマトリックス(α-Cyano-4-hydroxy cinnamic acid)を塗布後、matrix-assisted laser desorption ionization time-of-flight (MALDI-TOF) mass spectrometer (Bruker Daltnics社製UltraFlexII)で質量分析を行った。測定パラメータは、Detector voltage 1685V, Suppression1000, Laser Intensity は28〜35のFuzzyモードで、1チップあたり415点、1点あたり500回のレーザー照射で、総計207,500回レーザー照射を行った。得られたスペクトル中の各ピーク強度をm/z毎に積算し、1個の積算スペクトルに変換した。図2に、アルコール負荷前、アルコール負荷後45分およびアルコール負荷後2〜3時間の3時点で採取された血清検体を電気転写したBLOTCHIP(登録商標)上での質量分析の典型的な各スペクトルを重ねて示す。積算スペクトルに対してClinProTools (Bruker Daltonik GmbH) を用いて、ディファレンシャルプロファイリング解析を行った。解析は解析ソフトClinPro Tools 2.2(Bruker Daltonik GmbH)を使用し、3群(アルコール負荷前群、アルコール負荷後45分群、アルコール負荷後2〜3時間群)のうちの2群間で比較を行い、有意差のあったピークを抽出した。解析については複数の条件で実施し、ClinPro Tools 2.2の平均積算スペクトルは、群内の積算スペクトルをノーマライゼーション(標準化)した。
ディファレンシャルプロファイリング解析の結果、有意差を有したピークをピックアップし、バイオマーカー候補(ターゲットペプチド)群とした。結果を表2に示す。また、図3にアルコール負荷前、アルコール負荷後45分およびアルコール負荷後2〜3時間の3時点で生じうるペプチドレベル変動のパターンを示す。A2型の変化を示したペプチドが1種、B2型の変化を示したペプチドが2種、C2型の変化を示したペプチドが6種、D1型の変化を示したペプチドが3種、D2型の変化を示したペプチドが1種検出された。13個のターゲットペプチドのうち、7個のペプチド(表2中の○または△印)が精密質量測定が可能であった。この中から、ペプチドレベルの変動パターンがD1型とD2型を示した3つのペプチド(表2中のm/z 1467, m/z 2380, m/z 2662)の同定を試みた。
(3)逆相クロマトグラフィー分画
3つのペプチドを比較的高濃度に含む検体血清4_2および7_1各100μLをトリフルオロ酢酸にて酸性化し、Sep-Pak Plus C18 Cartridge固相抽出にて、ペプチド画分を脱脂、脱塩した。これらのサンプルをCosmosil 5C18-AR-II (ナカライテスク)を接続した逆相クロマトグラフィーでグラジエントをかけて20フラクションに分画し、遠心濃縮機で10μL以下になるまで濃縮した。
(4)MS/MS測定と同定
上記(3)で得た各フラクションをマトリックスと混合してground steelターゲットプレートにスポットし、MALDI-TOF型質量分析計UltraflexIIのLinearモードで測定して、ターゲットペプチドの有無とm/zを確認した。ターゲットペプチドのあったフラクションのスポットに対し、MALDI-TOF型質量分析計UltraflexIIのReflectorモードでモノアイソトピック質量[M+H]+を測定した。得られたモノアイソトピック質量[M+H]+をParent Massに指定して、Liftモード(PSD)でMS/MS測定を行った(図4)。測定結果をMASCOT Serverで検索し、ペプチドを同定した。結果を表3に示す。
MASCOT検索の結果、m/z 1467のペプチドはフィブリノーゲンを構成するフィブリノーゲンα鎖の部分ペプチド(配列番号2)であることが判明した。同様にマスコット解析の結果、m/z 2380のペプチドは補体タンパク質C4の分解産物C4Aの部分ペプチド(配列番号1)であり、m/z 2662はフィブリノーゲンα鎖の部分ペプチド(配列番号3)であることが判明した。尚、m/z 1467とm/z 2662はともにフィブリノーゲンα鎖の部分ペプチドであるが、両部分ペプチドのアミノ酸配列は全く異なっていた。
(5)アルコール負荷前後におけるm/z 1467、m/z 2380およびm/z 2662ペプチドレベルの変化
精製・同定した3つのペプチド(m/z 1467、m/z 2380およびm/z 2662)のアルコール負荷前後における血中レベルの変化を確認した(図5)。m/z 1467のペプチドはアルコール負荷前に比べ、アルコール負荷後45分には有意な変化を示さなかったが、アルコール負荷後2〜3時間には有意に増加した。m/z 2380およびm/z2662のペプチドは、いずれもアルコール負荷前に比べ、アルコール負荷後45分には有意な変化を示さなかったが、アルコール負荷後2〜3時間には有意に減少した。
(6)アルコール負荷前後における血圧の変化率とアルコール負荷前のm/z 1467、m/z 2380およびm/z 2662ペプチドレベルの相関関係
アルコール負荷前後における血圧の変化率とアルコール負荷前の精製・同定した3つのペプチド(m/z 1467、m/z 2380およびm/z 2662)の血中レベルの相関関係を検討した。相関関係は相関係数rを算出し、表4に記載の基準に従って評価した。結果を表5および図6に示す。m/z 2380ペプチドの血中レベルは収縮期および拡張期血圧の変化率と負の相関を示した。また、m/z 1467ペプチドの血中レベルは収縮期血圧の変化と負の相関を示し、拡張期血圧とも負の相関傾向(p = 0.074)を示した。さらに、m/z 2662ペプチドの血中レベルは収縮期血圧および拡張期血圧と負の相関傾向を示した。従って、アルコール負荷前の被験者のm/z 1467、m/z 2380およびm/z 2662ペプチドレベルが高いほど、アルコール負荷後の血圧低下率が大きくなることが分かった。
(7)アルコール負荷前の補体タンパク質C4レベルとアルコール負荷前のm/z 2380ペプチドレベルの相関関係
アルコール負荷前の補体タンパク質C4の血中レベルとアルコール負荷前のm/z 2380ペプチドの血中レベルの相関関係を検討した。アルコール負荷前の補体タンパク質C4の部分ペプチドであるm/z 2380の血中レベルと血中補体タンパク質C4濃度との相関関係を図7に示す。その結果、両者間には負の相関が認められた。
(8)アルコール負荷前後における血圧の変化率とアルコール負荷前の補体タンパク質C4レベルの相関関係
アルコール負荷前後における血圧の変化率とアルコール負荷前の補体タンパク質C4の血中レベルの相関関係を検討した。アルコール負荷前の血中補体タンパク質C4濃度とアルコール負荷前後の収縮期および拡張期血圧の変化率との相関関係を図8に示す。その結果、両者間には相関が認められなかった。
(9)アルコール負荷前後における血圧の変化率とALSTスコアの相関関係
アルコール負荷前後における血圧の変化率とALSTスコアの相関関係を検討した。ALSTスコアとアルコール負荷前後における収縮期および拡張期血圧の変化率との相関関係を図9に示す。その結果、両者間には相関が認められなかった。
本発明の新規な飲酒に伴う高血圧発症の予測用ペプチドを利用した臨床検査方法は、飲酒による高血圧リスクを迅速且つ的確に予測できるので、予め飲酒量や飲酒回数を制限するなどの飲酒による高血圧に対する予防措置を講ずることが可能となる点で有用である。

Claims (9)

  1. 飲酒していない状態の被験者より採取した生体試料中の、C4Aの分解産物およびフィブリノーゲンα鎖の分解産物からなる群より選ばれる1以上のペプチドの量を測定することを含む、該被験者の飲酒に伴う高血圧発症の予測のための検査方法。
  2. C4Aの分解産物が、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドであり、フィブリノーゲンα鎖の分解産物が、配列番号2および3に示される各アミノ酸配列からなるペプチド群である、請求項1に記載の方法。
  3. 飲酒していない状態の被験者より採取した生体試料中の、以下の(1)および(2)のペプチドの量を測定することを含む、該被験者の飲酒に伴う高血圧発症の予測方法;
    (1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、
    (2)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチドおよび/または配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチド。
  4. 生体試料が体液である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 体液が血液、血漿、血清、唾液、尿、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、涙液、眼房水、硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 生体試料を質量分析にかけることによって上記ペプチドの量が測定されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 測定するペプチドを特異的に認識する抗体を用いることによって上記ペプチドの量が測定されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含む、飲酒に伴う高血圧発症の予測用キット。
  9. 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチドから選択される、飲酒に伴う高血圧発症の予測用ペプチド。
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