JP2017015041A - ディーゼルエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】尿素SCRシステム付きのディーゼルエンジンにおいて、白煙の発生を防止しつつNH3のスリップを抑制する。
【解決手段】ECUは、過去の運転状態から算出したHCの排出量と、ディーゼル酸化触媒の温度と、に基づいて、現在のHCのディーゼル酸化触媒への溜まり込み量を推定し、現在の溜まり込み量から所定の限界量に到達するまでに掛かる第1時間を推定する(S102、S103)。またECUは、過去の運転状態に基づいて選択還元触媒へのNH3吸着量を推定するとともに、選択還元触媒へのNH3吸着量を減らす第2制御を現在から行った場合に、NH3吸着量が所定の低減目標量にまで低減されるまでに掛かる第2時間を推定する(S104、S105)。そして、第1時間と第2時間が等しくなったタイミングで、前記第2制御を行った後、直ちに、ディーゼル酸化触媒の昇温によりHCを酸化させて除去する第1制御を行う(S106〜S110)。
【選択図】図3

Description

本発明は、ディーゼルエンジンに関する。詳細には、尿素SCR(選択還元触媒)システム付きのディーゼルエンジンにおいて、白煙の発生を防止しつつアンモニア(NH3、以下「NH3」)のスリップを抑制する構成に関する。
従来から、排気ガスを浄化するシステムを備えるディーゼルエンジンが知られている。特許文献1は、この種のディーゼルエンジンにおいて行われる排気ガス浄化方法を開示する。この特許文献1の排気ガス浄化方法においては、酸化触媒の担持体に蓄積される未燃炭化水素(以下、「HC」)の量を推定し、該HCの蓄積推定量が所定の判定値を超えた時に、HC除去制御を行って、排気ガス温度を昇温させて前記酸化触媒を活性化し、前記蓄積されたHCを酸化して除去する構成となっている。このような構成により、HCが過剰に溜まって剥がれ落ちて白煙が発生することを防止している。
特開2004−108320号公報
しかし、尿素SCRシステム付きのディーゼルエンジンに上記特許文献1の構成をそのまま適用した場合、SCR(選択還元触媒)へのNH3の吸着量が多いか少ないかにかかわらず、HCの蓄積推定量が所定の判定値を超えた場合は一律にHC除去制御が行われて、排気ガス温度が昇温されることとなる。そのため、昇温に伴ってSCRに吸着していたNH3が過剰にスリップしてしまう場合があり、改善の余地があった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、尿素SCRシステム付きのディーゼルエンジンにおいて、白煙の発生を防止しつつNH3のスリップを抑制することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成のディーゼルエンジンが提供される。即ち、このディーゼルエンジンは、スートフィルタと、ディーゼル酸化触媒と、ディーゼル酸化触媒温度センサと、選択還元触媒と、尿素水噴射体と、制御部と、を備える。前記スートフィルタは、内燃機関からの排気ガス流路に設置されて粒子状物質を捕集する。前記ディーゼル酸化触媒は、前記スートフィルタより上流に設置されて前記排気ガス流路内での燃料の酸化を促進させる。前記ディーゼル酸化触媒温度センサは、前記ディーゼル酸化触媒の温度を検出する。前記選択還元触媒は、前記スートフィルタより下流に設置されて窒素酸化物を還元する。前記尿素水噴射体は、前記スートフィルタ及び前記選択還元触媒の間に設置されて前記スートフィルタから排出された排気ガスに尿素水を噴射する。前記制御部は、前記ディーゼル酸化触媒、前記スートフィルタ、及び前記選択還元触媒の昇温制御を行うとともに、前記尿素水噴射体からの尿素水の噴射制御を行う。前記制御部は、第1制御と、第2制御と、を行う。前記第1制御では、HCの溜まり込み量が所定の限界量以下である状態を保つために、前記ディーゼル酸化触媒を昇温することでHCを酸化させて除去する。前記第2制御では、前記選択還元触媒へのNH3の吸着量が所定の低減目標量に低減されるまで、前記尿素水噴射体からの尿素水の噴射を停止し又は低減する。前記制御部は、過去の運転状態から算出したHCの排出量と、前記ディーゼル酸化触媒温度センサにより検出した前記ディーゼル酸化触媒の温度と、に基づいて、現在のHCの少なくとも前記ディーゼル酸化触媒への溜まり込み量を推定するとともに、現在の状態からHCの溜まり込み量が前記限界量に到達するまでに掛かる第1時間を推定する。また、前記制御部は、過去の運転状態に基づいて前記選択還元触媒へのNH3の吸着量を推定するとともに、現在の状態から前記第2制御を行った場合に、NH3の吸着量が前記低減目標量に低減されるまでに掛かる第2時間を推定する。前記制御部は、前記第1時間と前記第2時間が同じ長さになったタイミングで、前記第2制御を行った後、直ちに前記第1制御を行う。
これにより、限界量を白煙が発生し始めるような適宜の値に設定することにより、また、低減目標量を選択還元触媒が昇温してもNH3のスリップが起こりにくい適宜の値に設定することにより、ディーゼル酸化触媒から白煙が排出されることを防止するとともに、選択還元触媒から過剰にNH3がスリップすることを防止することができる。また、限界量及び低減目標量を上述のような適宜の値に設定することにより、HCの溜まり込み量から白煙防止のために昇温が必要となる時期を推定し、この時期には選択還元触媒のNH3のパージが完了しているように制御を行うことで、NH3のパージ時間を大幅に短縮できるため、作業効率を向上させることができる。
前記のディーゼルエンジンにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このディーゼルエンジンは、アンモニアスリップ抑制触媒と、選択還元触媒温度センサと、アンモニアスリップ抑制触媒温度センサと、を更に備える。前記アンモニアスリップ抑制触媒は、前記選択還元触媒より下流に設置されて、前記選択還元触媒を通過したNH3を酸化する。前記選択還元触媒温度センサは、前記選択還元触媒の温度を検出する。前記アンモニアスリップ抑制触媒温度センサは、前記アンモニアスリップ抑制触媒の温度を検出する。前記制御部は、HCの溜まり込み量が所定の限界量以下である状態を保つために、前記選択還元触媒及び前記アンモニアスリップ抑制触媒を昇温することでHCを酸化させて除去する第3制御を行う。前記制御部は、前記選択還元触媒温度センサにより検出した前記選択還元触媒の温度及び前記アンモニアスリップ抑制触媒温度センサにより検出した前記アンモニアスリップ抑制触媒の温度に基づいて、前記ディーゼル酸化触媒、前記選択還元触媒、及び前記アンモニアスリップ抑制触媒へのHCの溜まり込み量を推定し、現在の状態から前記ディーゼル酸化触媒、前記選択還元触媒、及び前記アンモニアスリップ抑制触媒のうち何れかにおいてHCの溜まり込み量が前記限界量に到達するまでに掛かる第1時間を推定する。前記制御部は、前記第1時間と前記第2時間が同じ長さになったタイミングで、前記第2制御を行った後、直ちに前記第1制御及び前記第3制御を行う。
これにより、限界量を白煙が発生し始めるような適宜の値に設定するとともに、低減目標量を選択還元触媒が昇温してもNH3のスリップが起こりにくい適宜の値に設定することで、選択還元触媒からのNH3のスリップを防止しつつ、(スートフィルタからだけではなく)選択還元触媒及びアンモニアスリップ抑制触媒から白煙が発生することも防止することができる。
前記のディーゼルエンジンにおいては、前記制御部は、排気ガス通路に設けられた排気弁の開度を調整することにより前記第1制御を行うことが好ましい。
これにより、排気弁の開度を適宜に調整することで、簡単に第1制御を行うことができ、それにより白煙の発生を防止することができる。
前記のディーゼルエンジンにおいては、前記制御部は、前記内燃機関の燃焼室内にポスト噴射を行うことにより前記第1制御を行うことが好ましい。
これにより、内燃機関の燃焼室内でポスト噴射を行うことで、簡単に第1制御を行うことができ、それにより白煙の発生を防止することができる。
本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの全体的な構成を示す図。 ディーゼルエンジンの主要な電気的構成を示すブロック図。 白煙の発生を防止しつつ、NH3のスリップを抑制するための処理を示すフローチャート。 (a)はHCの溜まり込み量の経時変化を示す図。(b)は選択還元触媒へのNH3吸着量の経時変化を示す図。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。初めに図1及び図2を参照して、本実施形態のエンジン1の基本的な構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の全体的な構成を示す図である。図2は、エンジン1の主要な電気的構成を示すブロック図である。
エンジン1は、ディーゼルエンジンであり、トラクタ等の農業機械及びスキッドステアローダ等の建設機械等に搭載して用いられる。
エンジン1は、圧縮された空気に燃料を供給することによって燃焼させ、この燃焼による膨張エネルギーから回転動力を得るものである。エンジン1は、主としてシリンダブロックと、シリンダヘッド2と、制御部としてのECU3(図2)と、を備える。シリンダブロックの内部には、ピストン及びクランクシャフト等が配置される。シリンダブロックの上側には、シリンダヘッド2が配置されている。シリンダヘッド2には、燃焼室へ燃料を噴射するインジェクタ4等が取り付けられる(図1参照)。
図2に示すECU3は、CPU等から構成される演算部と、ROM及びRAM等から構成される記憶部と、を備えたコンピュータとして構成されている。演算部は、様々なセンサからの情報に基づいて、様々なアクチュエータに制御指令を送り、エンジン1を動作させるための各種のパラメータ(例えば、燃料噴射量や、空気吸入量や、排気ガス還元量等)を制御する。記憶部は、各種プログラムを記憶するとともに、エンジン1の制御に関して予め設定された複数の制御情報を記憶している。
図1に示すように、エンジン1は、吸気系の部材として、吸入部と、過給機5と、吸気スロットル(吸気絞り装置)6と、吸気マニホールド7と、を備える。
吸入部は、図示しないエアクリーナを介して外部から空気を吸入する。吸入部で吸入された空気は、過給機5のコンプレッサホイール5b側に供給される。
過給機5は、タービンホイール5a及びコンプレッサホイール5bを備える。タービンホイール5aは、排気ガスを利用して回転するように構成されている。コンプレッサホイール5bは、タービンホイール5aと同じシャフト5cに接続されており、タービンホイール5aの回転に伴って回転する。このようにコンプレッサホイール5bが回転することにより、空気を圧縮して強制的に吸気を行うことができる。過給機5によって吸入された空気は、吸気管及び吸気スロットル6等を介して、吸気マニホールド7に供給される。
吸気マニホールド7は、供給された気体をシリンダ数に応じた数(本実施形態では4つ)に分けて燃焼室へ供給する。吸気マニホールド7の下方にはコモンレールが配置されている。当該コモンレールは、燃料ポンプから供給された燃料を高圧で蓄え、シリンダヘッド2に配置されたインジェクタ4へ供給する。
インジェクタ4は、所定のタイミングで燃焼室に燃料を噴射する。インジェクタ4は、上死点(TDC)の近傍でメイン噴射を行うように構成されている。また、このインジェクタ4は、メイン噴射の直後に粒子状物質(PM)の低減及び排気ガスの浄化促進及び温度上昇を目的としたアフタ噴射を行ったり、アフタ噴射の更に後のタイミングで排気ガスの温度上昇等を目的としたポスト噴射を行ったりすることができる。図2に示すように、インジェクタ4は、インジェクタ電磁弁8を備える。インジェクタ電磁弁8は、ECU3の指示に応じたタイミングで開閉することにより、燃焼室に燃料を噴射する。
以上の構成で、燃焼室で噴射された燃料が燃焼することによりピストンが駆動され、当該ピストンに連結されたクランクシャフトが回転する。従って、クランクシャフトから動力を取り出すことができる。
クランクシャフトの近傍にはエンジン回転数センサ9が取り付けられている。このエンジン回転数センサ9により検出したエンジン回転数は、ECU3へ出力される。
図1に示すように、エンジン1は、排気系の部材として、排気マニホールド10、排気管11、排気弁12、DPF装置13、排気管14、及びSCR装置15等を備える。
排気マニホールド10は、複数の燃焼室(本実施形態では4つ)で発生した排気ガスをまとめてタービンホイール5aへ供給する。
排気管11は、管状の部材であり、エンジン1からの排気ガスの通路をなすものである。排気管11は、過給機5のタービンホイール5a側と、DPF装置13と、を接続している。排気管11の中途部には、排気弁12が設置されている。排気弁12は、絞り弁として構成され、その開度を、無段階で(又は十分に多くの段階で)変更することができる。排気弁12はECU3に電気的に接続されており、ECU3の指令に従って、DPF装置13に送られる排気ガスの量を調整する。これにより、DPF装置13に送られる排気ガスの温度を調整することができる。
DPF装置13は、略円筒状の中空のケースの内部に、ディーゼル酸化触媒(DOC)16及びスートフィルタ(SF)17を収容して構成される。本実施形態のスートフィルタ17は、酸化触媒が塗布された触媒付きフィルタとして構成されているが、触媒なしのフィルタであっても良い。
スートフィルタ17は、図1に示すように、内燃機関であるエンジン1からの排気通路に配置されている。スートフィルタ17は、セラミック、金属製不織布等の耐熱性を有する多孔性の材料から形成されており、排気が流れる多数の細かい流路を有している。また、スートフィルタ17は酸化触媒を有しており、酸化触媒はフィルタと一体的に設けられている。エンジン1の排気がスートフィルタ17に流入すると、スートフィルタ17は排気に含まれるカーボン粒子を主とする粒子状物質を捕集し、捕集された粒子状物質はスートフィルタ17に蓄積される。
ディーゼル酸化触媒16は、図1に示すように、スートフィルタ17よりも上流に配置される。このように、ディーゼル酸化触媒16も排気ガス流路内に配置されている。ディーゼル酸化触媒16は、白金等で構成されており、排気ガスに含まれる未燃燃料、一酸化炭素、一酸化窒素等の酸化を促進することができる。ディーゼル酸化触媒16の作用によって、排気ガス中の一酸化窒素は、不安定な二酸化窒素に酸化される。そして、二酸化窒素が一酸化窒素に戻る時に放出される酸素は、下流のスートフィルタ17で捕捉された粒子状物質の燃焼のために供給される。
ディーゼル酸化触媒16には、当該ディーゼル酸化触媒16の温度を検出するディーゼル酸化触媒温度センサ18が設けられている。ディーゼル酸化触媒温度センサ18は、検出したディーゼル酸化触媒16の温度をECU3へ出力する。
DPF装置13を通過した排気ガスは、排気管14を経由して、SCR装置15へ送られる。排気管14の中途部には、尿素水噴射体としての尿素水噴射ノズル19が設けられる。即ち、尿素水噴射ノズル19は、排気ガス通路のうちのスートフィルタ17及び選択還元触媒20の間に設置される。この尿素水噴射ノズル19から、排気管14を通過する排気ガスに、尿素水が噴射される。このとき排気ガスは、尿素水噴射ノズル19が噴射した尿素から得られるNH3を取り込む。なお、尿素水噴射ノズル19はECU3に接続されており、当該ECU3の指令に従って尿素水噴射ノズル19からの尿素水の噴射状態が制御される。
SCR装置15は、略円筒状の中空のケースの内部に、選択還元触媒(SCR)20と、アンモニアスリップ抑制触媒(ASC)21とを収容して構成される。
選択還元触媒20は、ハニカム構造体にSCR触媒が担持された構成となっている。図1に示すように、選択還元触媒20は、スートフィルタ17より下流に設置されている。この選択還元触媒20は、NH3を還元剤とし、このNH3の存在する雰囲気下で、排気ガス中のNOxを選択的に還元する。具体的には、前述の尿素水噴射ノズル19が噴射した尿素から排気ガスにNH3が取り込まれると、このNH3によって、下記の3つの反応式に従って、排気中のNOxを選択的に還元する。
4NH3+4NO+O2→4N2+6H2
2NH3+NO+NO2→2N2+3H2
8NH3+6NO2→7N2+12H2
また、この選択還元触媒20は、NH3で排気ガス中のNOxを還元する機能を有するとともに、NH3を所定の量だけ吸着(貯蔵)する機能も有する。以下の説明では、選択還元触媒20に吸着されたNH3の量をNH3吸着量ということがある。選択還元触媒20に吸着されたNH3は、尿素水噴射ノズル19から供給されたNH3とともに、排気ガス中のNOxを還元するために適宜消費される。
ただし、選択還元触媒20がNH3を吸着できる量も上限がある(以下、この限界を最大NH3吸着量ということがある)。最大NH3吸着量は、例えば選択還元触媒20の温度により変動する。選択還元触媒20のNH3吸着量が最大NH3吸着量を超えると、吸着しきれなくなったNH3が下流へ排出されることになる(NH3のスリップ)。
図1に示すように、アンモニアスリップ抑制触媒21は選択還元触媒20より下流に設置される。アンモニアスリップ抑制触媒21は、選択還元触媒20から脱離したり選択還元触媒20に吸着されなかったりして選択還元触媒20を通過してきたNH3を酸化して、NH3が外部に放出されることを防止するものである。アンモニアスリップ抑制触媒21は、NH3を酸化させる白金等の酸化触媒であり、下記の2つの反応式に従って、アンモニアを酸化させて窒素、一酸化窒素、水等に変化させる。
4NH3+3O2→2N2+6H2
4NH3+5O2→4NO+6H2
排気ガスは、アンモニアスリップ抑制触媒21を通過した後、所定の排気管を通って外部へ放出される。以上のように尿素水噴射ノズル19及びSCR装置15を備えることで、排気ガスに含まれるNOxを除去することができる。
選択還元触媒20には、当該選択還元触媒20の温度を検出する選択還元触媒温度センサ22が設けられている。選択還元触媒温度センサ22は、検出した選択還元触媒20の温度をECU3へ出力する。
同様に、アンモニアスリップ抑制触媒21には、当該アンモニアスリップ抑制触媒21の温度を検出するアンモニアスリップ抑制触媒温度センサ23が設けられている。アンモニアスリップ抑制触媒温度センサ23は、検出したアンモニアスリップ抑制触媒21の温度をECU3へ出力する。
続いて、ディーゼル酸化触媒16等からの白煙の発生を防止しつつ、選択還元触媒20からのNH3のスリップを抑制するための制御について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3は、白煙の発生を防止しつつ、NH3のスリップを抑制するための処理を示すフローチャートである。図4(a)は、HCの溜まり込み量の経時変化を示す図である。図4(b)は、NH3のパージ処理を開始してからの選択還元触媒20へのNH3吸着量の推移を示す図である。
本実施形態のECU3は、尿素水噴射ノズル19からの尿素水の噴射の制御を行うとともに、ディーゼル酸化触媒16、スートフィルタ17、選択還元触媒20、及びアンモニアスリップ抑制触媒21を昇温する制御を行う。
特許文献1も指摘するように、HCがディーゼル酸化触媒16、スートフィルタ17、選択還元触媒20、及びアンモニアスリップ抑制触媒21等に過剰に溜まり込むと、未燃のHCが少しずつ剥がれて外部へ排出され、それが白煙の原因となることがある。このような白煙の発生は、見た目が悪くなり、また臭いの発生原因ともなり得るため、可能であれば白煙が発生しないように制御することが望ましい。そこで、本実施形態のエンジン1では、HCの溜まり込み量が、白煙が発生し始めるような量に到達しないように、ディーゼル酸化触媒16、スートフィルタ17、選択還元触媒20、及びアンモニアスリップ抑制触媒21を適宜昇温して、HCを酸化させて除去している。
具体的には、ECU3は、HCの溜まり込み量が所定の限界量よりも少ない状態を保つために、必要なタイミングでディーゼル酸化触媒16を昇温する制御を行う。ここで、上記の限界量は、例えば図4(a)に示すように、それ以上の量が溜まり込むと白煙が発生し始めるような量に設定される。
本実施形態において、ディーゼル酸化触媒16の昇温は、具体的には、例えば排気弁12の開度が小さくなるように調整する制御により、排気ガスの温度を上げることで実現される。あるいは、ディーゼル酸化触媒16の昇温は、インジェクタ電磁弁8に信号を送信してエンジン1本体の燃焼室内にポスト噴射を行う制御により、排気ガスの温度を上げることで実現しても良い。
以下の説明では、このように溜まり込んだHCを除去するためにディーゼル酸化触媒16を昇温する制御を「第1制御」と呼ぶことがある。同様に、HCの溜まり込み量が所定の限界量よりも少ない状態を保つために選択還元触媒20及びアンモニアスリップ抑制触媒21を昇温する制御を「第3制御」と呼ぶことがある。
ところで、選択還元触媒20の最大NH3吸着量は、当該選択還元触媒20の温度が高くなるにつれて減少する傾向にある。このことを考慮すれば、過剰なNH3スリップが生じないように、前述の第1制御や第3制御において各種触媒を昇温する前に(触媒の温度が低い間に)、予め、選択還元触媒20のNH3をパージしてNH3吸着量を低減しておくことが望ましい。
そこで、本実施形態のECU3は、必要に応じて、選択還元触媒20へのNH3吸着量が所定の低減目標量(図4(b)参照)よりも少なくなるまでNH3をパージする制御を行う。ここで、上記の低減目標量は、例えば、選択還元触媒20が所定の温度まで昇温してもNH3のスリップが起こりにくい適宜の量に設定される。なお、NH3のパージは、具体的には、例えば尿素水噴射ノズル19に信号を送信して尿素の噴射を停止させ、又は噴射量を低減する制御により実現される。あるいは、NH3のパージは、エンジン1からのNOxの排出量を増加させて、吸着されているNH3との反応量を増やすことでSCR触媒上でのNH3の消費を促進させることによっても実現される。以下の説明では、このように選択還元触媒20に吸着しているNH3をパージする制御を「第2制御」と呼ぶことがある。
本実施形態のECU3は、前述の第1制御、第2制御及び第3制御を適切な時期に行うことにより、ディーゼル酸化触媒16等からの白煙の発生防止と、選択還元触媒20からのNH3のスリップの抑制と、を同時に実現している。以下では、このECU3が行う制御について、図3のフローチャートを参照して詳細に説明する。
初めに、ECU3は、エンジン1が運転中であるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、エンジン回転数センサ9から検知したエンジン回転数が所定の回転数以上である場合には、エンジン1が運転中であると判定される。一方、エンジン回転数が所定の回転数未満の場合、エンジン1が運転中ではないと判定される。エンジン1が運転中でない場合、ステップS101の判定が繰り返される(即ち、エンジン1が運転中の状態になるまで待機する)。
エンジン1が運転中であった場合、ECU3は、エンジン1の過去の運転状態(燃料噴射量等)から、HCの排出量を例えば公知のモデルを用いた計算により推定するとともに、得られたHCの排出量に基づいて、各種触媒へのHCの溜まり込み量を推定する(ステップS102)。具体的には、ECU3は、算出したHCの排出量と、ディーゼル酸化触媒温度センサ18により検出したディーゼル酸化触媒16の温度と、に基づいて、現在のディーゼル酸化触媒16へのHCの溜まり込み量を推定する。また、算出したHCの排出量と、選択還元触媒温度センサ22により検出した選択還元触媒20の温度と、に基づいて、現在の選択還元触媒20へのHCの溜まり込み量を推定する。また、算出したHCの排出量と、アンモニアスリップ抑制触媒温度センサ23により検出したアンモニアスリップ抑制触媒21の温度と、に基づいて、現在のアンモニアスリップ抑制触媒21へのHCの溜まり込み量を推定する。
そして、ECU3は、現在の状態から、ディーゼル酸化触媒16、選択還元触媒20、又はアンモニアスリップ抑制触媒21の何れかへのHCの溜まり込み量が所定の限界量に到達するまでに掛かる第1時間を推定する(ステップS103)。
ただし、各種触媒へのHCの溜まり込み量を推定し、いつの時点で当該溜まり込み量が所定の限界量に到達するかを推定する場合に、過去のエンジン1の運転状態だけではなく、エンジン1が搭載される農業機械や建設機械の周囲の土壌や地形の情報も考慮に入れるようにすることもできる。なお、土壌や地形の情報は、例えば、GNSS(全地球航法衛星システム)の一種であるGPSで取得した農業機械や建設機械の測位情報に基づいて、地図データベースを参照することにより得ることができる。
HCの溜まり込み量を推定する具体例について、ディーゼル酸化触媒16の場合を示した図4(a)を参照して説明する。図4(a)における現在のHCの溜まり込み量は、白煙が発生し始める量(上記の限界量)より相当に少なくなっているが、過去の溜まり込み量の推移等から推定した曲線(推定カーブ)によれば、HCの溜まり込み量は、現在から第1時間が経過したときに上記の限界量に到達すると見込まれる。
なお、ディーゼル酸化触媒16、選択還元触媒20及びアンモニアスリップ抑制触媒21は、それぞれ限界量が異なることから、それぞれについて推定される第1時間は互いに異なる場合が殆どである。この場合、上記のステップS103では、最も短い時間が第1時間として採用される。
続いて、ECU3は、エンジン1の過去の運転状態(尿素水の噴射量、燃料噴射量等)に基づいて、現在の選択還元触媒20へのNH3吸着量を、例えば公知のモデルを用いた計算により推定する(ステップS104)。そして、ECU3は、現時点からNH3のパージを仮に開始した場合に、NH3吸着量が所定の低減目標量にまで低減されるまでに掛かる第2時間を推定する(ステップS105)。
ただし、選択還元触媒20へのNH3吸着量を推定し、いつの時点で当該NH3吸着量が所定の低減目標量にまで低減するかを推定する場合に、過去のエンジン1の運転状態だけではなく、上記と同様に、自機の周囲の土壌や地形の情報も考慮に入れるようにすることもできる。
NH3のパージに関する前記第2時間を推定する具体例について、図4(b)を参照して説明する。図4(b)における現在のNH3吸着量は相当に大きくなっているが、仮に現時点からNH3のパージを開始したとすると、現在から第2時間が経過したときにNH3吸着量が所定の低減目標量にまで低減すると見込まれる。
続いて、ECU3は、第1時間と第2時間とが略同じ長さであるか否かを判定する(ステップS106)。図4で示した具体例では、第1時間は第2時間よりも短い(第1時間と第2時間が互いに等しくない)。従って、ステップS101の処理に戻る。
HCの溜まり込み量はエンジン1の運転に伴って増加していくため、やがて、第1時間と第2時間が等しくなる。ステップS106の判断で、第1時間と第2時間とが実質的に等しいと判定されると、第2制御(即ち、選択還元触媒20に吸着しているNH3のパージ)が開始される(ステップS107)。
NH3のパージは、選択還元触媒20へのNH3吸着量が所定の低減目標量よりも少なくなるまで、即ち、通常は第2時間が経過するまで続けられる(ステップS108)。これにより、NH3吸着量が、その後に選択還元触媒20を昇温してもNH3のスリップが起こりにくい程度の量となる。なお、パージの間もHCの溜まり込み量は増加するが、第2時間(=第1時間)が経過してパージが完了した時点では、HCの溜まり込み量は上記の限界量にぎりぎり収まっており、従って、白煙を生じることはない。
前述のNH3のパージが終わって、選択還元触媒20へのNH3吸着量が、選択還元触媒20を昇温してもNH3のスリップが起こりにくい適宜の量にまで低減されたら、ECU3は直ちに第1制御及び第3制御を開始する(ステップS109)。即ち、ディーゼル酸化触媒16、選択還元触媒20、及びアンモニアスリップ抑制触媒21を昇温し、溜まり込んだHCを酸化させて除去する。HCを除去するための昇温は、HCの溜まり込み量が十分に少なくなるまで続けられる(ステップS110)。なお、選択還元触媒20が昇温することにより、選択還元触媒20の最大NH3吸着量は減少するが、予めNH3は第2制御によって十分にパージされているので、NH3の過剰なスリップが生じることはない。その後、ステップS101に戻り、上記の処理が繰り返される。
以上のような制御により、本実施形態のエンジン1では、白煙防止のための昇温が必要となる時期を(HCの溜まり込み量から)予測し、この時期までにNH3のパージが完了しているようにしている。そのため、NH3のパージ時間を最小化することができ、作業効率を向上させることができる。また、NH3の無駄な消費を抑えることができる。更に、選択還元触媒20やアンモニアスリップ抑制触媒21のHC被毒を抑制し、触媒の浄化率を向上させることができる。
以上で説明したように、本実施形態のエンジン1は、スートフィルタ17と、ディーゼル酸化触媒16と、ディーゼル酸化触媒温度センサ18と、選択還元触媒20と、尿素水噴射ノズル19と、ECU3と、を備える。スートフィルタ17は、エンジン1本体からの排気ガス流路に設置されて粒子状物質を捕集する。ディーゼル酸化触媒16は、スートフィルタ17より上流に設置されて排気ガス流路内での燃料の酸化を促進させる。ディーゼル酸化触媒温度センサ18は、ディーゼル酸化触媒16の温度を検出する。選択還元触媒20は、スートフィルタ17より下流に設置されて窒素酸化物を還元する。尿素水噴射ノズル19は、スートフィルタ17及び選択還元触媒20の間に設置されてスートフィルタ17から排出された排気ガスに尿素水を噴射する。ECU3は、ディーゼル酸化触媒16、スートフィルタ17、及び選択還元触媒20の昇温制御を行うとともに、尿素水噴射ノズル19からの尿素水の噴射制御を行う。ECU3は、第1制御と、第2制御と、を行う。第1制御では、HCの溜まり込み量が所定の限界量以下である状態を保つために、ディーゼル酸化触媒16を昇温することでHCを酸化させて除去する。第2制御では、選択還元触媒20へのNH3の吸着量が所定の低減目標量に低減されるまで、尿素水噴射ノズル19からの尿素水の噴射を停止し又は低減する。ECU3は、過去の運転状態から算出したHCの排出量と、ディーゼル酸化触媒温度センサ18により検出したディーゼル酸化触媒16の温度と、に基づいて、現在のHCの少なくともディーゼル酸化触媒16への溜まり込み量を推定するとともに、現在の状態からHCの溜まり込み量が前記所定の限界量に到達するまでに掛かる第1時間を推定する。またECU3は、過去の運転状態に基づいて選択還元触媒20へのNH3の吸着量を推定するとともに、現在の状態から前記第2制御を行った場合に、NH3の吸着量が前記低減目標量に低減されるまでに掛かる第2時間を推定する。そして、ECU3は、前記第1時間と前記第2時間が同じ長さになったタイミングで、前記第2制御を行った後、直ちに前記第1制御を行う。
これにより、限界量を白煙が発生し始めるような適宜の値に設定することにより、また、低減目標量を選択還元触媒20が昇温してもNH3のスリップが起こりにくい適宜の値に設定することにより、ディーゼル酸化触媒16から白煙が排出されることを防止するとともに、選択還元触媒20から過剰にNH3がスリップすることを防止することができる。また、限界量及び低減目標量を上述のような適宜の値に設定することにより、HCの溜まり込み量から白煙防止のために昇温が必要となる時期を推定し、この時期には選択還元触媒20のNH3のパージが完了しているように制御を行うことで、NH3のパージ時間を大幅に短縮できるため、作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態のエンジン1は、アンモニアスリップ抑制触媒21と、選択還元触媒温度センサ22と、アンモニアスリップ抑制触媒温度センサ23と、を更に備える。アンモニアスリップ抑制触媒21は、選択還元触媒20より下流に設置されて、選択還元触媒20を通過したNH3を酸化する。選択還元触媒温度センサ22は、選択還元触媒20の温度を検出する。アンモニアスリップ抑制触媒温度センサ23は、アンモニアスリップ抑制触媒21の温度を検出する。ECU3は、HCの溜まり込み量が所定の限界量以下である状態を保つために、選択還元触媒20及びアンモニアスリップ抑制触媒21を昇温することでHCを酸化させて除去する第3制御を行う。ECU3は、選択還元触媒温度センサ22により検出した選択還元触媒20の温度及びアンモニアスリップ抑制触媒温度センサ23により検出したアンモニアスリップ抑制触媒21の温度に基づいて、ディーゼル酸化触媒16、選択還元触媒20、及びアンモニアスリップ抑制触媒21へのHCの溜まり込み量を推定し、現在の状態からディーゼル酸化触媒16、前記選択還元触媒20、及び前記アンモニアスリップ抑制触媒21のうち何れかにおいてHCの溜まり込み量が限界量に到達するまでに掛かる第1時間を推定する。そして、ECU3は、第1時間と第2時間が同じ長さになったタイミングで、第2制御を行った後、直ちに第1制御及び第3制御を行う。
これにより、限界量を白煙が発生し始めるような適宜の値に設定するとともに、低減目標量を選択還元触媒が昇温してもNH3のスリップが起こりにくい適宜の値に設定することで、選択還元触媒20からのNH3のスリップを防止しつつ、(DPF装置13からだけではなく)選択還元触媒20及びアンモニアスリップ抑制触媒21から白煙が発生することも防止することができる。
また、本実施形態のエンジン1においては、ECU3は、排気ガス通路に設けられた排気弁12の開度を調整することにより前記第1制御を行う。
これにより、排気弁12の開度を適宜に調整することで、簡単に第1制御を行うことができ、それにより白煙の発生を防止することができる。
また、本実施形態のエンジン1においては、ECU3は、エンジン1本体の燃焼室内にポスト噴射を行うことにより前記第1制御を行う。
これにより、エンジン1本体の燃焼室内でポスト噴射を行うことで、簡単に第1制御を行うことができ、それにより白煙の発生を防止することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態では、ディーゼル酸化触媒16へのHCの溜まり込み量、選択還元触媒20へのHCの溜まり込み量、及びアンモニアスリップ抑制触媒21へのHCの溜まり込み量を個別に推定して、そのうちの何れかの溜まり込み量が前記限界量に到達するまでに掛かる第1時間を推定して、その時間をその後の制御に用いるものとした。しかしながら、これに代えて、ディーゼル酸化触媒16、選択還元触媒20、及びアンモニアスリップ抑制触媒21へのHCの総合的な溜まり込み量を推定して、各種触媒への溜まり込み量の合計が前記限界量に到達するまでに掛かる時間を「第1時間」として推定することとしてもよい。
上記の実施形態で示した制御処理では、先に各種触媒へのHCの溜まり込み量の推定及び第1時間の推定を行い、その後に選択還元触媒へのNH3吸着量の推定及び第2時間の推定を行うものとしたが、処理の順序はこれに限るものではない。即ち、先に選択還元触媒へのNH3吸着量の推定及び第2時間の推定を行い、その後に各種触媒へのHCの溜まり込み量の推定及び第1時間の推定を行うこととしてもよい。
限界量及び低減目標量は、事情に応じて、例えばある程度の余裕(マージン)を見込んで定められても良い。
1 エンジン(ディーゼルエンジン)
3 ECU(制御部)
16 ディーゼル酸化触媒
17 スートフィルタ
18 ディーゼル酸化触媒温度センサ
19 尿素水噴射ノズル(尿素水噴射体)
20 選択還元触媒(SCR)
21 アンモニアスリップ抑制触媒
22 選択還元触媒温度センサ
23 アンモニアスリップ抑制触媒温度センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関からの排気ガス流路に設置されて粒子状物質を捕集するスートフィルタと、
    前記スートフィルタより上流に設置されて前記排気ガス流路内での燃料の酸化を促進させるディーゼル酸化触媒と、
    前記ディーゼル酸化触媒の温度を検出するディーゼル酸化触媒温度センサと、
    前記スートフィルタより下流に設置されて窒素酸化物を還元する選択還元触媒と、
    前記スートフィルタ及び前記選択還元触媒の間に設置されて前記スートフィルタから排出された排気ガスに尿素水を噴射する尿素水噴射体と、
    前記ディーゼル酸化触媒、前記スートフィルタ、及び前記選択還元触媒の昇温制御を行うとともに、前記尿素水噴射体からの尿素水の噴射制御を行う制御部と、
    を備えるディーゼルエンジンにおいて、
    前記制御部は、
    HCの溜まり込み量が所定の限界量以下である状態を保つために、前記ディーゼル酸化触媒を昇温することでHCを酸化させて除去する第1制御と、
    前記選択還元触媒へのNH3の吸着量が所定の低減目標量に低減されるまで、前記尿素水噴射体からの尿素水の噴射を停止し又は低減する第2制御と、
    を行い、
    前記制御部は、
    過去の運転状態から算出したHCの排出量と、前記ディーゼル酸化触媒温度センサにより検出した前記ディーゼル酸化触媒の温度と、に基づいて、現在のHCの少なくとも前記ディーゼル酸化触媒への溜まり込み量を推定するとともに、現在の状態からHCの溜まり込み量が前記限界量に到達するまでに掛かる第1時間を推定し、
    過去の運転状態に基づいて前記選択還元触媒へのNH3の吸着量を推定するとともに、現在の状態から前記第2制御を行った場合に、NH3の吸着量が前記低減目標量に低減されるまでに掛かる第2時間を推定し、
    前記制御部は、前記第1時間と前記第2時間が同じ長さになったタイミングで、前記第2制御を行った後、直ちに前記第1制御を行うことを特徴とするディーゼルエンジン。
  2. 請求項1に記載のディーゼルエンジンであって、
    前記選択還元触媒より下流に設置されて、前記選択還元触媒を通過したNH3を酸化するアンモニアスリップ抑制触媒と、
    前記選択還元触媒の温度を検出する選択還元触媒温度センサと、
    前記アンモニアスリップ抑制触媒の温度を検出するアンモニアスリップ抑制触媒温度センサと、
    を更に備え、
    前記制御部は、HCの溜まり込み量が所定の限界量以下である状態を保つために、前記選択還元触媒及び前記アンモニアスリップ抑制触媒を昇温することでHCを酸化させて除去する第3制御を行い、
    前記制御部は、前記選択還元触媒温度センサにより検出した前記選択還元触媒の温度及び前記アンモニアスリップ抑制触媒温度センサにより検出した前記アンモニアスリップ抑制触媒の温度に基づいて、前記ディーゼル酸化触媒、前記選択還元触媒、及び前記アンモニアスリップ抑制触媒へのHCの溜まり込み量を推定し、現在の状態から前記ディーゼル酸化触媒、前記選択還元触媒、及び前記アンモニアスリップ抑制触媒のうち何れかにおいてHCの溜まり込み量が前記限界量に到達するまでに掛かる第1時間を推定し、
    前記制御部は、前記第1時間と前記第2時間が同じ長さになったタイミングで、前記第2制御を行った後、直ちに前記第1制御及び前記第3制御を行うことを特徴とするディーゼルエンジン。
  3. 請求項1又は2に記載のディーゼルエンジンであって、
    前記制御部は、排気ガス通路に設けられた排気弁の開度を調整することにより前記第1制御を行うことを特徴とするディーゼルエンジン。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載のディーゼルエンジンであって、
    前記制御部は、エンジン本体の燃焼室内にポスト噴射を行うことにより前記第1制御を行うことを特徴とするディーゼルエンジン。
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