JP2017015023A - 内燃機関の制御装置およびその制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御装置およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸気量と過給圧との両方を安定して制御しつつ、両方の制御の応答性を維持または向上させることが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】ECU1は、目標値設定部2、要求スロットルバルブ開度算出部3、要求VNTバルブ開度算出部4、フィルタ処理部5、及び駆動指示部6を備える。要求スロットルバルブ開度算出部3は要求スロットル開度を算出する。要求VNTバルブ開度算出部4は要求VNTバルブ開度を算出する。フィルタ処理部5は、要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度にフィルタ処理を施す。フィルタ処理において、フィルタを介して要求スロットルバルブに追従する指示スロットルバルブ開度の変動が維持又は補正される。フィルタは可変フィルタであり、要求スロットルバルブ開度と前回のフィルタ処理された指示スロットルバルブ開度との差とこの要求スロットルバルブ開度とに基づいている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御装置およびその制御方法に関する。
内燃機関の熱効率の向上を図るため、いわゆるターボチャージャー方式の過給機が広く用いられている。ターボチャージャー方式の過給機では、例えば特許文献1に記載されているように、調整要素として、タービンに流れる排気ガスを迂回させる排気流量調整バルブ(ウエストゲートバルブ)が排気経路に設けられ、排気流量調整バルブの開度に応じてタービンの仕事量を変化させることで、過給圧を制御している。また、上述した過給機が設けられた内燃機関には、内燃機関に空気を吸入する吸気量を調整するため、吸気経路に絞り弁(スロットルバルブ)も設けられている。そして、上述した排気流量調整バルブ及びスロットルバルブは、例えば物理式を用いて演算したモデル演算値に基づいた制御(モデルベース制御)によって、それぞれの目標開度に素早く変化させることで、良好な応答性能(ドライバビリティ)を実現している。
特表2005−504210号公報
しかしながら、スロットルバルブの開度を素早く変化させると、過給圧の急な変動を引き起こすことになり、過給圧の時間応答がハンチングするなど、排気流量調整バルブの開度を変化させても目標過給圧に追従できない場合がある。また、過給圧を制御することによってスロットルバルブの通過流量も変化するため、過給圧だけではなく吸気量の時間応答についてもハンチングするなど、スロットルバルブの開度を変化させても目標吸気量に追従できない場合がある。
つまり、排気流量調整バルブとスロットルバルブとを同時に調節して吸気量と過給圧とそれぞれを制御する場合、排気流量調整バルブとスロットルバルブとが互いに干渉して、吸気量と過給圧と少なくとも一方がなかなか収束しなかったり発散してしまったりするなど、不安定な応答になってしまう場合がある。このような不安定な応答を防止するため、吸気量と過給圧とのうち、いずれか一方の制御を鈍くすると、制御の応答性(速応性)が悪くなってしまった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、吸気量と過給圧との両方を安定して制御しつつ、両方の制御の応答性を維持または向上させることが可能な内燃機関の制御装置、および内燃機関の制御方法を提供することを目的とする。
上述した従来の課題を解決するため、本発明は、以下の手段を有する。
本発明は、内燃機関に空気を吸入する吸気量を調整するスロットルバルブと、前記内燃機関の排気経路を流れる排気ガスによりタービンを駆動して該タービンに連結されたコンプレッサによって吸気経路に流れる空気を内燃機関に過給する過給機と、を制御する内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記内燃機関に空気を吸入する目標吸気量と、前記内燃機関に過給される空気の目標過給圧と、を設定する目標値
設定部と、前記設定された目標吸気量に応じて、前記スロットルバルブに要求する要求スロットルバルブ開度を算出する要求スロットルバルブ開度算出部と、前記算出された目標過給圧に応じて、前記排気経路を流れる排気ガス流量を調整する排気流量調整バルブに要求する要求排気流量調整バルブ開度を算出する要求排気流量調整バルブ開度算出部と、前記要求スロットルバルブ開度に追従するように前記スロットルバルブに指示する指示スロットルバルブ開度の変動にフィルタを適用するフィルタ処理部と、を備え、前記フィルタは、通過特性が可変の低域通過フィルタであり、前記要求スロットルバルブ開度と前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度との差と、前記要求スロットルバルブ開度とに応じて通過特性が設定されており、前記フィルタ処理部は、前記要求スロットルバルブ開度と前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度との差と、前記要求スロットルバルブ開度とに対応する通過特性のフィルタを抽出し、該抽出された通過特性のフィルタを適用して前記要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を維持又は補正することを特徴とする。
本発明の一態様に係る内燃機関の制御装置において、前記フィルタは、前記要求スロットルバルブ開度と前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度との差と、前記要求スロットルバルブ開度とに応じて夫々設定された時定数を有しており、前記フィルタ処理部は、前記抽出されたフィルタとしての時定数に応じて、前記要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を遅くすることを特徴とする。
本発明の一態様に係る内燃機関の制御装置において、前記フィルタ処理部は、前記要求スロットルバルブ開度が過給圧に対して不感帯となる開度領域において、前記要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を維持することを特徴とする。
本発明の一態様に係る内燃機関の制御装置において、前記フィルタ処理部は、前記要求スロットルバルブ開度が前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度に対して開放方向に変化している場合、前記要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を維持することを特徴とする。
本発明の一態様に係る内燃機関の制御装置において、前記要求排気流量調整バルブ開度に追従するように、前記排気流量調整バルブを駆動制御すると共に、前記フィルタ処理部によりフィルタ処理された指示スロットルバルブ開度に追従するように、前記スロットルバルブを駆動制御する駆動指示部とを備えることを特徴とする。
以上のような本発明は、内燃機関の制御方法として捉えることも可能である。
本発明によれば、吸気量と過給圧との両方を安定して制御しつつ、両方の制御の応答性を維持または向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置が適用されるエンジン制御系の概略構成を示すための図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるECUの機能構成を概略的に示すブロック図である。 図2に示すECUが有するフィルタの構成を説明するための図であり、図3(A)は、フィルタの構成を概略的に示すための図であり、図3(B)は、フィルタの構成の一例を示すための図である。 図2に示すフィルタ処理部が実行するフィルタ処理の概略を示すためのブロック図である。 図2に示すECUが実行する制御方法のフローチャートである。 フィルタ処理を用いることなくスロットルバルブを制御する比較例に係る各種時間応答について説明するための図である。図6(A)は、実過給圧と目標過給圧との時間応答を示す図である。また、図6(B)は、スロットルバルブの実開度とVNTバルブの実開度との時間応答を示す図である。図6(C)は、実吸気量と目標吸気量との時間応答を示す図である。 本実施形態に係る各種時間応答について説明するための図である。図7(A)は、実過給圧と目標過給圧との時間応答を示す図である。また、図7(B)は、スロットルバルブの実開度とVNTバルブの実開度との時間応答を示す図である。図7(C)は、実吸気量と目標吸気量との時間応答を示す図である。
本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について具体例を示して説明する。本実施形態は、車両等に搭載される内燃機関の制御装置に関する。具体的に、当該内燃機関の制御装置は、例えば図1に示すような、エンジン制御系10に組み込まれるものである。以下では、図1を参照して、エンジン11に空気を吸入する吸気量を制御する吸気量制御と、エンジン11に過給する空気の過給圧を制御する過給圧制御とに着目して、エンジン制御系10の構成及びその動作について説明する。
1.エンジン制御系
エンジン制御系10は、図1に示すように、エンジン11と、エンジン11に接続された吸気管21および排気管22と、エンジンコントロールユニット1(以下、ECU1という。)と、を備える。
エンジン11は、本発明に係る内燃機関の一態様であって、例えばディーゼル燃料を動力源とするディーゼルエンジン、ガソリン燃料を動力源とするガソリンエンジンなどのレシプロエンジンである。具体的に、エンジン11は、外気取込口と繋がった吸気経路である吸気管21から外気(空気)を吸入し、燃料を燃焼させることにより動力を発生させる。そして、エンジン11は、燃焼後の排気ガスを排気経路である排気管22に排気する。以下では、エンジン11はディーゼルエンジンであるものとして説明する。
吸気管21の上流から下流(エンジン11側)には、エアフローメータ211と、コンプレッサ212と、過給圧センサ213と、スロットルバルブ214と、が設けられている。
排気管22の上流(エンジン11側)から下流には、タービン221と、触媒やDPF等の排気後処理装置222とが設けられている。
また、コンプレッサ212とタービン221とは、同一回転軸上で支持するベアリング部23を介して機械的に結合され、タービン221の回転エネルギによりコンプレッサ212を回転させてエンジン11に空気を過給する過給機12を構成する。ここで、タービン221には、排気流量調整バルブとして、当該タービン221の排気ガス通過面積を変化させる可変ノズルターボバルブ221a(以下、VNTバルブ221aともいう。)が設けられている。VNTバルブ221aの開度は、後述するようにECU1によって制御される。なお、排気流量調整バルブは、VNTバルブ221aに限らず、タービン221の迂回経路に流れる空気量を調節するウエストゲートバルブを用いてもよい。以下では、排気流量調整バルブの一態様として、VNTバルブ221aを用いて説明する。
エアフローメータ211は、例えば上述したように吸気管21の上流側に設けられた空
気吸入量センサであって、外気取込口から吸気管21に流れる空気量を計測して、計測結果をECU1に通知する。なお、エアフローメータ211の取付位置は、コンプレッサ212の上流部に限らず、吸気管21上であれば任意の場所でよい。
過給圧センサ213は、例えば上述したようにコンプレッサ212とスロットルバルブ214との間の吸気経路に設けられた圧力センサであって、エンジン11に過給される空気の圧力(過給圧)を検出して、検出した過給圧(実過給圧)をECU1に通知する。なお、過給圧センサ213の取付位置は、コンプレッサ212とスロットルバルブ214との間に限定されず、コンプレッサ212よりも下流側(エンジン11側)であれば任意の場所でよい。
スロットルバルブ214は、後述するようにECU1からの指示に従った開度に変化することで、エンジン11に空気を吸入する吸気量を調整する。例えば排気後処理装置222がディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPF)を再生する運転モードの場合、スロットルバルブ214は、他の運転モードと比べて、その開度を閉め側にして吸気量を削減することで、排気温度の低下を防止する。
ECU1は、入出力装置と、各種演算処理を行う演算装置と、演算処理データを一時記憶するメインメモリと、演算プログラムを記憶する記憶装置とからなるマイクロコンピュータであって、当該記憶装置にエンジン制御系10を制御する制御用プログラムをインストールすることで、次のような処理を実現する。すなわち、ECU1は、アクセルポジションなどの運転手による操作情報、およびエアフローメータ211と過給圧センサ213とを含む各種センサからの検出情報に基づいて、エンジン11に噴射する燃料噴射量、スロットルバルブ214、VNTバルブ221aの開度を変化させることにより、エンジン制御系10全体の動作を制御する。つまり、本発明が適用される内燃機関の制御装置は、ECU1の一機能として実現される。
なお、ECU1は、上述したマイクロプロセッサに限らず、例えばプログラマブルロジックデバイスなど、エンジン制御系10を制御するために設計された専用ハードウェアであってもよい。
2.内燃機関の制御装置
(全体構成)
次に、ECU1の機能構成について具体的に説明する。図2は、ECU1の機能構成を概略的に示すブロック図である。図2に示すように、ECU1は、目標値設定部2と、要求スロットルバルブ開度算出部3と、要求VNTバルブ開度算出部4と、フィルタ処理部5と、駆動指示部6と、記憶部7とを備える。
目標値設定部2は、エンジン11の状態、例えば、回転数や目標トルク(又は指示噴射量)並びに各種温度や圧力等のエンジン11の運転状態情報に基づいて、エンジン11に吸入する空気が最適な流量(以下、目標吸気量という。)を設定するとともに、エンジン11に過給される空気の最適な過給圧(以下、目標過給圧という。)を設定する。本実施形態では、目標吸気量については、エンジン11のインテークマニホールド直前の吸気量に対して設定するものとするが、これに限らず、例えばエアフローメータ211の取付位置など、吸気管21における任意の位置の吸気量に対して設定してもよい。また、目標過給圧については、過給圧センサ213の取付位置での圧力に対して設定するものとするが、これに限らず、エンジン11のインテークマニホールド直前の圧力に対して設定するなど、吸気管21における任意の位置の過給圧に対して目標値を設定してもよい。
エンジン11の各状態(目標回転数及び目標トルク)に対応する、吸気量および過給圧
の値は予め実験により設定されており、データテーブルとして記憶部7に格納されている。目標値設定部2は、このデータテーブルを参照し、各種センサで検出したエンジン11の運転状態(目標回転数及び目標トルク)を示す検出値に対応する吸気量及び過給圧を抽出し、抽出した吸気量及び過給圧を各種温度や圧力の検出値に基づいて補正して、目標吸気量及び目標過給圧を夫々設定する。
要求スロットルバルブ開度算出部3は、スロットルバルブ214を制御するために、目標値設定部2により設定された目標吸気量と、エアフローメータ211の検出値に応じて、スロットルバルブ214に要求する開度(以下、要求スロットルバルブ開度ともいう。)を算出する。要求スロットルバルブ開度の算出は、エンジン制御系10の物理モデルを用いたモデル演算により行う。つまり、スロットルバルブ214の絞り式などの物理式に基づいて、要求スロットルバルブ開度を算出する。
要求VNTバルブ開度算出部4は、VNTバルブ221aを制御するために、目標値設定部2により設定された目標過給圧と、過給圧センサ213の検出値に応じて、VNTバルブ221aに要求する開度(以下、要求VNTバルブ開度ともいう。)を算出する。要求VNTバルブ開度の算出は、エンジン制御系10の物理モデルを用いたモデル演算により行う。つまり、VNTバルブ221aの絞り式、タービン221とコンプレッサ212との変換効率式などの物理式に基づいて、要求VNTバルブ開度を算出する。
フィルタ処理部5は、要求スロットルバルブ開度算出部3により算出された要求スロットルバルブ開度に追従するようにスロットルバルブ214に指示する開度(以下、指示スロットルバルブ開度ともいう。)の変動、具体的には指示スロットルバルブ開度のステップ状の変化にフィルタ処理を施す。すなわち、フィルタ処理においては、フィルタを介して、要求スロットルバルブ指示開度に追従する指示スロットルバルブ開度が維持又は補正される。フィルタは、通過特性(時定数)が可変な低域通過フィルタ(ローパスフィルタ)であり、今回算出された要求スロットルバルブ開度と前回のフィルタ処理が施された指示スロットルバルブ開度との差(以下、スロットルバルブ開度偏差ともいう。)と、今回算出された要求スロットルバルブ指示開度とに対応付けて、フィルタ特性(時定数)が設定されており、当該対応関係を示す情報がデータテーブルとして記憶部7に格納されている。
図3は、フィルタの構成を説明するための図であり、図3(A)は、フィルタの構成を概略的に示すための図であり、図3(B)は、フィルタの構成の一例を示すための図である。フィルタは、図3(A)及び図3(B)に示すように、スロットルバルブ開度偏差と、要求スロットルバルブ開度とに応じて夫々設定されており、データテーブルを形成している。
図3(A)に示すように、データテーブルにおいて、スロットルバルブ214の開き方向へのスロットルバルブ開度偏差が所定の範囲毎に分割されており、また、スロットルバルブ214の閉じ方向へのスロットルバルブ開度偏差が所定の範囲毎に分割されている。スロットルバルブ214の開き方向へのスロットルバルブ開度偏差の分割の数は、スロットルバルブ214の閉じ方向へのスロットルバルブ開度偏差の分割の数と同数である。本実施の形態においては、スロットルバルブ214の開き方向へのスロットルバルブ開度偏差が3つの範囲に分割されており(a4〜a6,・・・f4〜f6)、また、スロットルバルブ214の閉じ方向へのスロットルバルブ開度偏差が同様に3つの範囲に分割されている(a1〜a3,・・・f1〜f3)。範囲a1〜f1は、スロットルバルブ214が閉じ方向に急激に駆動される範囲となり、範囲a3〜f3は、スロットルバルブ214が閉じ方向に緩やかに駆動される範囲となる。範囲a2〜f2はその中間となる。一方、範囲a6〜f6は、スロットルバルブ214が開き方向に急激に駆動される範囲となり、範
囲a4〜f4は、スロットルバルブ214が開き方向に緩やかに駆動される範囲となる。範囲a5〜f5はその中間となる。
また、図3(A)に示すように、データテーブルにおいて、要求スロットルバルブ開度が、全開から全閉の間において、所定の範囲毎に分割されており、本実施の形態においては、要求スロットルバルブ開度が6つの範囲に分割されている(a1〜a6,・・・,f1〜f6)。範囲a1〜a6は、要求スロットルバルブ開度が最大(全開)及び最大から所定の範囲の開度が含まれる範囲となり、範囲f1〜f6は、要求スロットルバルブ開度が最小(全閉)及び最小から所定の範囲の開度が含まれる範囲となる。
そして、データテーブルにおいて、分割されたスロットルバルブ開度偏差の各々と分割された要求スロットルバルブ開度の各々との各組み合わせに対応付けて、フィルタの通過特性(時定数)が設定されている。つまり、スロットルバルブ開度偏差と要求スロットルバルブ開度との組み合わせに対して、1つのフィルタが設定されている。各フィルタは時定数を表している。なお、フィルタの設定方法は、上記に限るものではなく、スロットルバルブ開度偏差の分割方法及び要求スロットルバルブ開度の分割方法は上述の分割方法に限るものではない。
フィルタ処理部5は、スロットルバルブ開度偏差と要求スロットルバルブ開度とに対応するフィルタをデータテーブルから抽出し、この抽出されたフィルタを介して算出された要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を維持又は補正する。
以下、フィルタ処理部5のフィルタ処理について説明する。図4は、フィルタ処理部5が実行するフィルタ処理の概略を示すためのブロック図である。図4に示すように、フィルタ処理部5は、要求スロットルバルブ開度算出部3において今回(n回目)算出された要求スロットルバルブ開度D−THRVPnと、前回のフィルタ処理(n−1回目)においてフィルタ処理された指示スロットルバルブ開度O−THRVPn−1との差であるスロットルバルブ開度偏差THRVPDifnを算出する(「D−THRVPn」−「O−THRVPn−1」)。スロットルバルブ開度偏差THRVPDifnは、前回の指示スロットルバルブ開度を基準として、今回のスロットルバルブ214の開度制御において要求されたスロットルバルブ開度の変化量に相当する。そして、上記データテーブルを参照し、今回算出されたスロットルバルブ開度偏差THRVPDifnと、要求スロットルバルブ開度D−THRVPnとに対応したフィルタFilnを抽出する。そして、この抽出したフィルタFilnを要求スロットルバルブ開度D−THRVPnに適用し、フィルタFilnに応じて要求スロットルバルブ開度D−THRVPnに追従する指示スロットルバルブ開度O−THRVPnを維持又は補正する。そして、この指示スロットルバルブ開度O−THRVPnが駆動指示部6に送信され、また、記憶部7に送信されて格納されて、フィルタ処理が終了する。
要求スロットルバルブ開度D−THRVPに対するフィルタFilの適用は、例えば、フィルタFilが有する時定数に応じた補正係数αを算出若しくは検出し、この補正係数αを要求スロットルバルブ開度D−THRVPに乗算するものである。これにより、時定数(補正係数α)に応じて要求スロットルバルブ開度D−THRVPが減少されて、要求スロットルバルブ開度D−THRVPよりも小さくなった指示スロットルバルブ開度O−THRVPが算出される。フィルタFilが時定数を有していない、言い換えれば時定数が0である場合は、要求スロットルバルブ開度D−THRVPが補正されることはなく維持されて、要求スロットルバルブ開度D−THRVPが指示スロットルバルブ開度O−THRVPとなる。指示スロットルバルブ開度O−THRVPが、要求スロットルバルブ開度D−THRVPnが補正(低減)されたものである場合は、スロットルバルブ214の
駆動制御が遅延(鈍化)されることになる。一方、指示スロットルバルブ開度O−THRVPが、要求スロットルバルブ開度D−THRVPnが維持されたものである場合は、スロットルバルブ214の駆動制御が遅延(鈍化)されることはない。
駆動指示部6は、要求VNTバルブ開度算出部4において算出された要求VNTバルブ開度D−VNTVPと、フィルタ処理部5において算出された指示スロットルバルブ開度O−THRVPとを受け取り、VNTバルブ221aが要求VNTバルブ弁開度D−VNTVPに追従するように駆動制御し、スロットルバルブ214が指示スロットルバルブ開度O−THRVPに追従するように駆動制御する。または、駆動指示部6は、VNTバルブ221aの駆動部に要求VNTバルブ開度D−VNTVPを出力し、スロットルバルブ214の駆動部に指示スロットルバルブ開度O−THRVPを出力する。これにより、VNTバルブ221aは、開度が要求VNTバルブ開度D−VNTVPとなるように駆動され、スロットルバルブ214は、開度が指示スロットルバルブ開度O−THRVPとなるように駆動される。
上述のフィルタ処理によれば、スロットルバルブ214に要求する要求スロットルバルブ開度に応じてフィルタの特性(時定数)を設定することにより、スロットルバルブ214の状態に応じてスロットルバルブ214の反応を鈍く又は鋭くすることができる。このため、要求スロットルバルブ開度が過給圧に対する感度が高い開度領域において制御される場合は、フィルタを大きくして、言い換えれば時定数を大きくしてスロットルバルブ214の反応を鈍くすることができ、過給圧の制御を安定させることができる。また、要求スロットルバルブ開度が過給圧に対する感度が低い開度領域において制御される場合は、フィルタを小さく、言い換えれば時定数を小さくしたり0にしたりすることで、スロットルバルブ214の反応を鋭くすることができ、過給圧の制御を不安定にすることなく、吸気量の制御の応答性を高くすることができる。
また、要求スロットルバルブ開度の変化率に応じてフィルタの特性(時定数)を設定することにより、スロットルバルブ214の駆動状態に応じてスロットルバルブ214の反応を鈍く又は鋭くすることができる。このため、要求スロットル開度が大きく変化した場合は、フィルタを小さくして、言い換えれば時定数を小さくしたり0にしたりすることで、スロットルバルブ214の反応を鋭くすることができ、過給圧の制御を不安定にすることなく、吸気量の制御の応答性を高くすることができる。一方、要求スロットルバルブ開度が小さく変化した場合は、フィルタを大きくして、言い換えれば時定数を大きくすることで、スロットルバルブ214の反応を鈍くすることにより、吸気量の制御の応答性を損なうことなく過給圧の制御を安定させることができる。
例えば、フィルタの特性を、図3(B)に示すようなデータテーブルを構成するように設定した場合、過給圧を安定して制御しつつ、吸気量の制御の応答性を維持又は向上させることができる。図3(B)において、フィルタ1,2,3は時定数に対応しており、1は例えば10msec、2は例えば100msec、3は例えば200msecに対応している。なお、フィルタの設定記号や設定方法には、種々の記号や種々の方法が適用できる。
具体的には、このデータテーブルにおいて、図3(B)に示すように、過給圧に影響を及ぼさない不感帯となる要求スロットルバルブ開度の範囲(a1〜a6,b1〜b6)には、フィルタ(時定数)が設定されていない、言い換えれば時定数が0[sec]となっている。これにより、要求スロットルバルブ開度が過給圧に対して不感帯となる開度領域にある際は、要求スロットルバルブ開度D−THRVPフィルタが掛けられず、要求スロットルバルブ開度D−THRVPに追従する指示スロットルバルブ開度により、目標吸気量に素早く変化させることができる。
また、要求スロットルバルブ開度が閉じ方向へ大きく変化する範囲(d1,e1,f1)には、小さなフィルタ(1)が設定されている。これにより、スロットルバルブ214を大きく変化させることが必要な際は、スロットルバルブ214の反応を大きく鈍らせることはなく、吸気量の制御の応答性を低下させることはない。一方、要求スロットルバルブ開度が過給圧に対する感度が高い開度領域において小さく変化する範囲(e3,f3)には、大きなフィルタ(3)が設定されている。これにより、過給圧に対する感度が高い領域においてスロットルバルブ214が閉方向に駆動することが要求された際は、スロットルバルブ214の反応を鈍くすることにより、VNTバルブ221aとスロットルバルブ214とが同時に動くことによる干渉を抑制することができ、過給圧の制御および吸気量の制御の両方を安定させることができる。
また、図3(B)に示すように、このデータテーブルにおいては、スロットルバルブ214が開く方向に駆動されている範囲(a4〜f4,a5〜f5,a6〜f6)において、フィルタ(時定数)が設定されていない。これにより、運転者がアクセルペダルを大きく踏む込んだ際は、フィルタ処理部5が要求スロットルバルブ開度D−THRVPを補正することはなく、エンジン11に供給される吸入空気量を素早く増加させることが妨げられることはない。このため、ドライバビリティに悪影響を与えることはない。
また、要求スロットルバルブ開度D−THRVP及びスロットルバルブ開度偏差THRVPDifが、図3(A),(B)に示すデータテーブルにおける要求スロットルバルブ開度D−THRVPの分割範囲とスロットルバルブ開度偏差THRVPDifの分割範囲との組み合わせにおいて、1つの組み合わせから他の組み合わせに移る際は、算出される指示スロットルバルブ開度O−THRVPに対し補完計算が行われる。これにより、図3(A),(B)に示すような各組み合わせ間において、つまり、各フィルタ間において、今回算出された指示スロットルバルブ開度O−THRVPnと前回算出された指示スロットルバルブ開度O−THRVPn−1とが滑らかにつながるようになっている。
次いで、上記構成を有するECU1により実行される制御方法について、図5に示すフローチャートに従って説明する。以下に説明する処理の前提として、ECU1は、所定の周期毎に図5に示すフローチャートに従った制御処理を実行する。
図5に示すように、制御処理が開始されると、目標値設定部2が目標吸気量及び目標過給圧圧を設定する(ステップS1)。次いで、要求スロットルバルブ開度算出部3が今回(n回目)の要求スロットルバルブ開度D−THRVPnを算出し、また、要求VNTバルブ開度算出部4が今回の要求VNTバルブ開度D−VNTVPnを算出する(ステップS2)。次いで、フィルタ処理部5が、ステップS2において算出された要求スロットルバルブ開度D−THRVPnを受け取り、記憶部7に格納されている前回のフィルタ処理(n−1回目)においてフィルタ処理された指示スロットルバルブ開度O−THRVPn−1を読み出す(ステップS3)。次いで、ステップS2において算出された今回の要求スロットルバルブ開度D−THRVPnと、ステップS3において読み出された前回の指示スロットルバルブ開度O−THRVPn−1との差であるスロットルバルブ開度偏差THRVPDifnを算出する(「D−THRVPn」−「O−THRVPn−1」)(ステップS4)。次いで、上記フィルタのデータテーブルを参照し、今回算出されたスロットルバルブ開度偏差THRVPDifnと、要求スロットルバルブ開度D−THRVPnとに対応するフィルタFilnを抽出する(ステップS5)。そして、この抽出したフィルタFilnを要求スロットルバルブ開度D−THRVPnに適用し(ステップS6)、フィルタFilnに応じて要求スロットルバルブ開度D−THRVPnを維持又は補正して今回の指示スロットルバルブ開度O−THRVPnを算出する(ステップS7)。そして、この算出された指示スロットルバルブ開度O−THRVPnを駆動指示部6に送信し
、また、記憶部7に送信して格納し(ステップS8)、フィルタ処理が終了する。
以下、上記の制御方法により実現される実施例について説明する。まずは、実施例に先立ち、フィルタ処理を行うことなく、言い換えれば要求スロットルバルブ開度D−THRVPを補正することはなく指示スロットルバルブ開度O−THRPnとして駆動指示した比較例について、図6(A)〜(C)を参照して説明する。図6(A)は、横軸に時間変化を示し、縦軸に圧力を示した図であって、実線に実過給圧を表し、破線に目標過給圧を表している。また、図6(B)は、横軸に時間変化を示し、縦軸に上側が開き側で下側が閉め側の開度を示した図であって、実線にVNTバルブ221aの実開度を表し、破線にスロットルバルブ214の実開度を表している。さらに、図6(C)は、横軸に時間変化を示し、縦軸に空気量を示した図であって、実線に実吸気量を表し、破線に目標吸気量を表している。
図6(A)乃至図6(C)から明らかなように、比較例では、第1挙動として、アクセル踏込みなどに応じて目標吸気量と目標過給圧が増加すると、図6(B)の時間応答TR11に示すようにスロットルバルブ214の実開度が開き側に変化する一方、図6(B)の時間応答TR12に示すようにVNTバルブ221aの実開度が閉じ側に変化する。時間応答TR11のようにスロットルバルブ214が開くことで、コンプレッサ212とスロットルバルブ214の間に圧縮された空気がスロットルバルブ214下流へと開放されるため、スロットルバルブ214上流の圧力、すなわち過給圧が図6(A)の時間応答TR13で示すように一旦低下することとなる。この過給圧の低下によって、吸気量についても、図6(C)の時間応答TR14に示すように低下することになる。
続いて、第2挙動として、図6(A)の時間応答TR21、及び図6(C)の時間応答TR22に示すように、吸気量および過給圧がともに増加方向に変化する。このような変化の途中において、図6(B)の時間応答TR23に示すようにVNTバルブ221aの開度が閉じ側に変化しているため、図6(B)の時間応答TR24に示すように開き側に変化するスロットルバルブ214の開度に対応して見込まれる吸気量以上に実際の吸気量が増加して、吸気量がオーバーシュートすることとなる。
続いて、第3挙動として、図6(B)の時間応答TR31に示すように、スロットルバルブ214が閉じる動きが速いと、図6(A)の時間応答TR32に示すように過給圧がオーバーシュートすることになると同時に、過給圧を下げるため図6(B)の時間応答TR33に示すようにVNTバルブ221aが瞬時に開くこととなる。
その後、第4挙動として、図6(A)の時間応答TR41に示すように過給圧が低下するため、図6(C)の時間応答TR42に示すように、吸気量も低下することとなる。さらに、図6(B)の時間応答TR43に示すようにスロットルバルブ214の動きが開き側に反転し、この反転に伴いスロットルバルブ214上流の過給圧が低下しつづけるため、図6(B)の時間応答TR44に示すように、VNTバルブ221aが閉じ側へと反転することとなる。
その後、上記第1乃至第4挙動が繰り返されることとなり、VNTバルブ221aとスロットルバルブ214とが互いに干渉して、吸気量と過給圧がオーバーシュートとアンダーシュートを繰り返して目標値への収束が遅くなってしまう。
上記の比較例に対して、上記図5に示す処理を行う本実施形態の挙動について図7(A)〜図7(C)を参照して説明する。図7(A)は、横軸に時間変化を示し、縦軸に圧力を示した図であって、実線に実過給圧を表し、破線に目標過給圧を表している。また、図7(B)は、横軸に時間変化を示し、縦軸に上側が開き側で下側が閉め側の開度を示した
図であって、実線にVNTバルブ221aの実開度を表し、破線にスロットルバルブ214の実開度を表している。さらに、図7(C)は、横軸に時間変化を示し、縦軸に空気量を示した図であって、実線に実吸気量を表し、破線に目標吸気量を表している。
図7(A)乃至図7(C)から明らかなように、本実施形態では、第1挙動として、アクセル踏込みなどに応じて目標吸気量と目標過給圧が増加すると、図7(B)の時間応答TR11に示すようにスロットルバルブ214の実開度が開き側に変化する一方、図7(B)の時間応答TR12に示すようにVNTバルブ221aの実開度が閉じ側に変化する。時間応答TR11のようにスロットルバルブ214が開くことで、コンプレッサ212とスロットルバルブ214の間に圧縮された空気がスロットルバルブ214下流へと開放されるため、スロットルバルブ214上流の圧力、すなわち過給圧が図7(A)の時間応答TR13で示すように一旦低下することとなる。この過給圧の低下によって、吸気量についても、図7(C)の時間応答TR14に示すように低下することになる。
続いて、第2挙動として、図7(A)の時間応答TR21、及び図7(C)の時間応答TR22に示すように、吸気量および過給圧がともに増加方向に変化する。このような変化の途中において、図7(B)の時間応答TR23に示すようにVNTバルブ221aの開度が閉じ側に変化しているため、図7(B)の時間応答TR24に示すように開き側に変化するスロットルバルブ214の開度に対応して見込まれる吸気量以上に実際の吸気量が増加して、吸気量がオーバーシュートすることとなる。
つまり、第1乃至第2挙動までは、フィルタ処理部5が時定数が0であるフィルタを抽出して要求スロットルバルブ開度でスロットルバルブ214を駆動するため、比較例と同様の挙動となるが、次の通り、第3乃至第4挙動が比較例と異なる。
つまり、第3挙動において、スロットルバルブ214が過給圧に対する感度が高い領域において閉方向に駆動することとなるため、図7(B)の破線の時間応答TR31Aで示すスロットルバルブ214の動きに対してフィルタ(1)乃至(3)が掛かることで、図7(B)の破線の時間応答TR31Bで示すようにスロットルバルブ214が緩やかに閉方向に駆動することとなる。言い換えれば、スロットルバルブ214の実開度が全閉に近づくほど過給圧に対する変動の感度が高くなるため、時定数が大きいフィルタによってスロットルバルブ214の動きが緩やかになる。
続いて第4挙動として、上述したようにスロットルバルブ214が閉じる動きにフィルタが掛ることで、図7(A)の時間応答TR41に示すように過給圧が急上昇することなく目標過給圧に収束する。
このように、要求スロットルバルブ開度及び要求スロットルバルブ開度の変化率とに基づいて、フィルタが抽出され、要求スロットルバルブ開度D−THRVPが補正された指示スロットルバルブ開度O−THRPnによりスロットルバルブ214を駆動するので、図7(A)及び図7(C)に示すように、安定して且つ迅速に目標吸気量及び目標過給圧に吸気量及び過給圧が夫々制御され、図6(A)及び図6(C)に示す比較例と異なり、吸気量の制御および過給圧の制御がハンチングすることを抑制することができる。
上述のように、本発明の実施の形態に係るECU1によれば、吸気量と過給圧との両方を安定して制御しつつ、両方の制御の応答性を維持または向上させることができる。
3.その他
なお、吸気量は、エアフローメータ211に限らず、エンジン制御系10に設けられた各種センサの値から物理モデルにより推定した値を用いてもよい。過給圧についても同様
に、上述した過給圧センサ213に限らず、エンジン制御系10に設けられた各種センサの値から物理モデルにより推定した値を用いてもよい。また、本発明が適用される内燃機関の制御装置は、上述したような1基の過給機12に限らず、低圧段及び高圧段からなる2機の過給機付きの内燃機関であっても適用可能である。
また、本発明が適用される内燃機関の制御装置は、ディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPF)を再生する運転モード(DPF再生モード)に限らず、任意の運転モードに適用できるが、運転モードに応じて時定数を変化させることが好ましい。具体的にはDPF再生モードの場合には、他の運転モードに比べて、スロットルバルブ214が閉じ側で駆動する。このため、DPF再生モードでは時定数を大きくしてスロットルバルブ214の動きを遅くする一方他の運転モードでは時定数を小さくしてスロットルバルブ214の動きが必要以上に遅くならないように、図3(A)で示したテーブルの値を設定することが好ましい。
さらに、本発明は、上記の実施形態の機能を実現するエンジン制御用プログラムが記録された非一時的な記録媒体をECUに提供し、当該ECUの演算処理装置(CPU、MPU)に対して、当該記録媒体に記録されたエンジン制御用プログラムを読み出して実行させることによって実現してもよい。
この場合、当該非一時的な記録媒体から読み出されたエンジン制御用プログラムは、上述の実施形態の機能を実現する。したがって、当該エンジン制御用プログラム及びこのプログラムが記録された非一時的な記録媒体も、本発明の一態様である。
当該エンジン制御用プログラムを提供する非一時的な記録媒体は、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWなどの光ディスク、磁気テープ、不揮発性メモリカード、及びROMを含む。或いは、当該プログラムは、通信ネットワークを介してダウンロード可能であってもよい。
典型的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、ここに開示する典型的な態様に限定されないことはもちろんである。特許請求の範囲は、このような変更と、同等の構造及び機能とをすべてを含むように最も広く解釈することが可能である。
1 ECU
2 目標値設定部
3 要求スロットルバルブ開度算出部
4 要求VNTバルブ開度算出部
5 フィルタ処理部
6 駆動指示部

Claims (6)

  1. 内燃機関に空気を吸入する吸気量を調整するスロットルバルブと、前記内燃機関の排気経路を流れる排気ガスによりタービンを駆動して該タービンに連結されたコンプレッサによって吸気経路に流れる空気を内燃機関に過給する過給機と、を制御する内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記内燃機関に空気を吸入する目標吸気量と、前記内燃機関に過給される空気の目標過給圧と、を設定する目標値設定部と、
    前記設定された目標吸気量に応じて、前記スロットルバルブに要求する要求スロットルバルブ開度を算出する要求スロットルバルブ開度算出部と、
    前記算出された目標過給圧に応じて、前記排気経路を流れる排気ガス流量を調整する排気流量調整バルブに要求する要求排気流量調整バルブ開度を算出する要求排気流量調整バルブ要求開度算出部と、
    前記要求スロットルバルブ開度に追従するように前記スロットルバルブに指示する指示スロットルバルブ開度の変動にフィルタを適用してフィルタ処理をするフィルタ処理部と、を備え、
    前記フィルタは、通過特性が可変の低域通過フィルタであり、前記要求スロットルバルブ開度と前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度との差と、前記要求スロットルバルブ開度とに応じて通過特性が設定されており、
    前記フィルタ処理部は、前記要求スロットルバルブ開度と前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度との差と、前記要求スロットルバルブ開度とに対応する通過特性のフィルタを抽出し、該抽出された通過特性のフィルタを適用して前記要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を維持又は補正することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記フィルタは、前記要求スロットルバルブ開度と前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度との差と、前記要求スロットルバルブ開度とに応じて夫々設定された時定数を有しており、
    前記フィルタ処理部は、前記抽出されたフィルタとしての時定数に応じて、前記要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を遅くすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記フィルタ処理部は、前記要求スロットルバルブ開度が過給圧に対して不感帯となる開度領域において、前記要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を維持することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記フィルタ処理部は、前記要求スロットルバルブ開度が前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度に対して開放方向に変化している場合、前記要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を維持することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記要求排気流量調整バルブ開度に追従するように、前記排気流量調整バルブを駆動制御すると共に、前記フィルタ処理部によりフィルタ処理された指示スロットルバルブ開度に追従するように、前記スロットルバルブを駆動制御する駆動指示部を、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。
  6. 内燃機関に空気を吸入する吸気量を調整するスロットルバルブと、前記内燃機関の排気経路を流れる排気ガスによりタービンを駆動して該タービンに連結されたコンプレッサによって吸気経路に流れる空気を内燃機関に過給する過給機と、を制御する内燃機関の制御方法において、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記内燃機関に空気を吸入する目標吸気量と、前記内燃機関に過給される空気の目標過給圧と、を設定する目標値設定工程と、
    前記設定された目標吸気量に応じて、前記スロットルバルブに要求する要求スロットルバルブ開度を算出する要求スロットルバルブ開度算出工程と、
    前記算出された目標過給圧に応じて、前記排気経路を流れる排気ガス流量を調整する排気流量調整バルブに要求する要求排気流量調整バルブ開度を算出する要求排気流量調整バルブ開度算出工程と、
    前記要求スロットルバルブ開度に追従するように前記スロットルバルブに指示する指示スロットルバルブ開度の変動にフィルタを適用してフィルタ処理をするフィルタ処理工程と、を有し、
    前記フィルタは、通過特性が可変の低域通過フィルタであり、前記要求スロットルバルブ開度と前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度との差と、前記要求スロットルバルブ開度とに応じて通過特性が設定されており、
    前記フィルタ処理工程では、前記要求スロットルバルブ開度と前記フィルタ処理された指示スロットルバルブ開度との差と、前記要求スロットルバルブ開度とに対応する通過特性のフィルタを抽出し、該抽出された通過特性のフィルタを適用して前記要求スロットルバルブ開度に追従する指示スロットルバルブ開度の変動を維持又は補正することを特徴とする内燃機関の制御方法。
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