JP2017014533A - 無機化合物分散液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、得られる層間絶縁膜の透過率が高く、且つ得られる層間絶縁膜の屈折率が高い分散液及び硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
また本発明は、本発明の分散液を含有する硬化性樹脂組成物を用いて形成された硬化物、並びに、該硬化物を含むTFTアクティブマトリックス基板及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物、(b)分散剤、(c)溶剤、及び(d)分散樹脂を含有する無機化合物分散液であって、該(d)分散樹脂が、エポキシアクリレート樹脂を含むことを特徴とする、無機化合物分散液。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無機化合物分散液、硬化性樹脂組成物、硬化物、TFTアクティブマトリックス基板、液晶表示装置及び分散液の製造方法に存する。
従来、液晶表示装置に用いられるTFTアクティブマトリックス基板においては、TFTアレイ素子と、画素電極を形成する透明導電膜との間に、TFTアレイ素子を保護するための層間絶縁膜が形成される。ここで、この層間絶縁膜には、TFTアレイのドレイン電極と透明導電膜により形成される配線とを接続するためのコンタクトホールが通常、形成される。従って、層間絶縁膜の素材としては感光性の硬化性樹脂組成物が一般に用いられている。
省エネルギー化の流れを汲み、液晶表示装置としては、バックライトの消費電力を低下させることが望まれている。
液晶表示装置における各部位材として、例えば、層間絶縁膜としては膜自体の透過率を向上させることや、液晶表示装置に用いた場合に層間絶縁膜と接するTFTアレイ素子や透明電極膜との屈折率の差を小さくすることが求められている。
TFTアレイ素子や透明電極膜との屈折率の差が大きいと、反射光強度増大により干渉縞の発生や、透過率の低下を惹起することとなる。
つまり、液晶表示装置に用いられる層間絶縁膜としては、光透過性や高屈折率などが要求される。
層間絶縁膜のような用途に用いられる硬化性樹脂組成物としてより具体的には、ポジ型の硬化性樹脂組成物として、アルカリ可溶性樹脂と1,2−キノンジアジド化合物からなる組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、ネガ型の硬化性樹脂組成物として、光重合性の硬化性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−4733号公報 特開2002−131899号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような、従来のポジ型の硬化性樹脂組成物においては、例えば、1,2−キノンジアジド化合物が露光・現像後のハードベーク時に熱分解することにより着色し、可視光領域での光透過率が低下する場合があった。
また、得られる層間絶縁膜の屈折率も十分ではない場合があり、これにより液晶表示装置に用いた場合の透過率に影響する場合があった。
一方、特許文献2に記載されているような、光重合性のネガ型の硬化性樹脂組成物においては、上記のような着色の問題は生じ難いものの、得られる層間絶縁膜の屈折率が十分ではない場合があり、これにより液晶表示装置に用いた場合の透過率に影響する場合があった。
即ち、本発明は、得られる層間絶縁膜の透過率が高く、且つ得られる層間絶縁膜の屈折率が高い分散液及び硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
また本発明は、前記分散液を含有する硬化性樹脂組成物を用いて形成された硬化物、並びに、該硬化物を含むTFTアクティブマトリックス基板及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
更に本発明は、粘度安定性に優れた分散液が得られる、無機化合物分散液の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、特定のポリマーを含有する無機化合物分散液とすることで、上記課題を解決することを見出して、本発明に到達した。
即ち、(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物、(b)分散剤、(c)溶剤、及び(d)分散樹脂を含有する無機化合物分散液であって、該(d)分散樹脂が、エポキシアクリレート樹脂であることを特徴とする無機化合物分散液、硬化性樹脂組成物、硬化物、TFTアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置に存する。
本発明はまた、(a)周期表第4族の元素を含む無機化合物を(c)溶剤に分散させる際に、(b)分散剤、及び(d)分散樹脂の存在下で分散する無機化合物分散液の製造方法であって、該(d)分散樹脂が、エポキシアクリレート樹脂を含むことを特徴とする、無機化合物分散液の製造方法に存する。
本発明は、屈折率及び透過率が両立しうる膜が得られる無機化合物分散液、硬化性樹脂組成物を提供することが可能である。
また本発明は、前記無機化合物分散液を含有する硬化性樹脂組成物を用いて形成された硬化物、並びに、該硬化物を含むTFTアクティブマトリックス基板及び液晶表示装置を提供することが可能となる。
更に粘度安定性に優れた分散液が得られる、分散液の製造方法を提供することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の記載は本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
<無機化合物分散液及び硬化性樹脂組成物>
本発明の無機化合物分散液は、(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物、(b)分散剤、(c)溶剤、及び(d)分散樹脂を含有し、該(d)分散樹脂が、エポキシアクリレート樹脂を含む。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、前記無機化合物分散液及び(e)重合性モノマーを含有し、好ましくは更に(f)光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤、(h)界面活性剤、を含み、更に必要に応じて配合されるその他の成分を含む。
先ず、(d)分散樹脂について詳説する。
[(d)分散樹脂]
本発明の無機化合物分散液は、(d)分散樹脂を含み、該(d)分散樹脂にエポキシアクリレート樹脂を含有する。
(エポキシアクリレート樹脂)
本発明におけるエポキシアクリレート樹脂とは、エポキシ化合物とα,β−不飽和基モノカルボン酸及び/又はエステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和基モノカルボン酸エステルとの反応物及び該反応により生成した水酸基を更に多塩基酸及び/又はその無水物等の水酸基と反応し得る置換基を2個以上有する化合物とを反応させて得られる樹脂である。
本発明におけるエポキシアクリレート樹脂は、下記式(I)で表される繰り返し単位を含有するポリマー(以下、「ポリマー(I)」と称する場合がある)又は式(II)で表される繰り返し単位を含有するポリマー(以下、「ポリマー(II)」と称する場合がある)であることが好ましい。
Figure 2017014533
(上記式中、m1〜m4は、各々独立に、0〜5の整数を表す。
1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
Xは、二価の有機基を表す。
また、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び/又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該脂肪族炭化水素環を2〜10個連結してなる基を表す。
尚、ポリマー中に複数の前記繰り返し単位が含まれる場合、これらは同じでもよく、また異なっていてもよい。)
Figure 2017014533
(上記式中、n1及びn2は、各々独立に、0〜5の整数を表す。
3及びR4は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び/又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該脂肪族炭化水素環を2〜10個連結してなる基を表す。
尚、ポリマー中に複数の前記繰り返し単位が含まれる場合、これらは同じでもよく、また異なっていてもよい。)
(ポリマー(I)について)
本発明におけるエポキシアクリレート樹脂は、(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物の分散安定性が良好である点で、下記式(I)で表される繰り返し単位を含有するポリマーであることが好ましい。
Figure 2017014533
(上記式中、m1〜m4は、各々独立に、0〜5の整数を表す。
1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
Xは、二価の有機基を表す。
また、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び/又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該脂肪族炭化水素環を2〜10個連結してなる基を表す。
尚、ポリマー中に複数の前記繰り返し単位が含まれる場合、これらは同じでもよく、また異なっていてもよい。)
{m1〜m4について}
1〜m4は、各々独立に、0〜5の整数を表す。
硬化後の膜の硬度が高くなる点で、好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜1である。
{R1及びR2について}
1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
1及びR2におけるアルキル基の炭素数は、硬化後の膜の硬度が向上する点で、通常1〜5、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2である。
{Xについて}
Xは、二価の有機基を表す。
Xとしては、エポキシ樹脂とα,β−不飽和基モノカルボン酸及び/又はエステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和基モノカルボン酸エステルとの反応物の水酸基に付加することが可能な基を2個以上有する化合物から誘導される2価の有機基であれば用いることができるが、水酸基との反応性の観点から多塩基酸及び/又はその無水物が好ましい。
具体的には、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチル−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、メチル−5−ノルボルネン−2,3−時カルボン酸等の二塩基酸カルボン酸又はその無水物;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸等の多塩基酸カルボン酸又はその無水物等が挙げられる。中でも好ましくは、テトラヒドロ無水フタル酸又は無水コハク酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
{Aについて}
Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基及び/又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環基、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該脂肪族炭化水素環を2〜10個連結してなる基を表す。
芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環などが挙げられる。
また、脂肪族炭化水素環としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、トリシクロドデカン環などが挙げられる。
本発明におけるAは、上記芳香族炭化水素環及び上記脂肪族炭化水素環は、2〜10個連結してなる基であってもよい。
Aが、上記連結してなる基である場合、硬化性樹脂組成物において良好な残膜率及び解像性を与える点で、好ましくは2〜6、更に好ましくは3〜5である。
また、Aにおける芳香族炭化水素環基及び脂肪族炭化水素環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、iso−アミル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基が挙げられる。
本発明におけるAは、硬化性樹脂組成物において良好な残膜率及び解像性を与える点で、特に下記構造式<2価の基群Z>で表される基であることが好ましい。
<2価の基群Z>
Figure 2017014533
(上記式中、*は、結合部位を表す。
また、上記式中のベンゼン環、アダマンタン環、及びフルオレン環は、各々、任意の置換基を有していてもよい。)
上記式中のベンゼン環、アダマンタン環、及びフルオレン環が有していてもよい、任意の置換基としては、前記Aの芳香族炭化水素環及び脂肪族炭化水素環が有していてもよい置換基と同様である。
尚、ポリマー中に複数の前記繰り返し単位が含まれる場合、これらは同じでもよく、また異なっていてもよい。
{具体例}
以下に、式(I)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017014533
Figure 2017014533
Figure 2017014533
(ポリマー(II)について)
本発明におけるエポキシアクリレート樹脂は、(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物の分散安定性が良好である点で、下記式(II)で表される繰り返し単位を含有するポリマーであることが好ましい。
Figure 2017014533
(上記式中、n1及びn2は、各々独立に、0〜5の整数を表す。
3及びR4は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び/又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該脂肪族炭化水素環を2〜10個連結してなる基を表す。
尚、ポリマー中に複数の前記繰り返し単位が含まれる場合、これらは同じでもよく、また異なっていてもよい。)
{n1及びn2について}
1及びn2は、各々独立に、0〜5の整数を表す。
硬化後の膜の硬度が向上する点で、好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜1である。
{R3及びR4について}
3及びR4は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
3及びR4におけるアルキル基の炭素数は、硬化後の膜の硬度が向上する点で、通常1〜5、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2である。
{Zについて}
Zは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基及び/又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環基、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該脂肪族炭化水素環を2〜10個連結してなる基を表す。
芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環などが挙げられる。
また、脂肪族炭化水素環としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、トリシクロドデカン環などが挙げられる。
本発明におけるZは、上記芳香族炭化水素環及び上記脂肪族炭化水素環は、2〜10個連結してなる基であってもよい。
Zが、上記連結してなる基である場合、硬化性樹脂組成物において良好な残膜率及び解像性を与える点で、好ましくは2〜6、更に好ましくは3〜5である。
尚、芳香族炭化水素環及び/又は脂肪族炭化水素環が連結する場合、直接連結してもよく、また−(CH2y−(yは、1〜5の整数)を介して、結合していてもよい。
より具体的には、Zは、下記式で表される構造であることが好ましい。
Figure 2017014533
尚、ポリマー中に複数の前記繰り返し単位が含まれる場合、これらは同じでもよく、また異なっていてもよい。
(具体例)
以下に、式(II)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017014533
本発明のエポキシアクリレート樹脂は、式(I)又は(II)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよいが、分散液及び硬化性樹脂組成物に含有される(a)周期表第4族の元素を含む無機化合物の分散安定性を向上する点で、式(I)及び/又は(II)で表される繰り返し単位からなるポリマーであることが好ましい。
(分子量)
エポキシアクリレート樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常1000以上、好ましくは1500以上、更に好ましくは2000以上、また通常30000以下、好ましくは20000以下、更に好ましくは10000以下である。
重量平均分子量が上記範囲内であると、硬化性樹脂組成物の残膜率、感度及び解像性が良好である点で好ましい。
(エポキシアクリレート樹脂の含有量について)
本発明の無機化合物分散液におけるエポキシアクリレート樹脂の含有量は、全固形分中、通常10重量%以上、好ましくは15重量%以上、更に好ましくは20重量%以上、また通常50重量%以下、好ましくは45重量%以下、更に好ましくは35重量%以下である。
また、本発明の硬化性樹脂組成物におけるエポキシアクリレート樹脂の含有量は、全固形分中、通常10重量%以上、好ましくは15重量%以上、更に好ましくは20重量%以上、また通常50重量%以下、好ましくは45重量%以下、更に好ましくは35重量%以下である。
本発明の無機化合物分散液及び硬化性樹脂組成物は、エポキシアクリレート樹脂以外に、その他の分散樹脂を含有していてもよい。
[(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物]
本発明の分散液は、(a)長周期型周期表(以下、単に「周期表」と称する場合がある)第4族の元素を含む無機化合物を含有する。
本発明における(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物は、本発明の効果を良好に得られる点で、可視光領域にほとんど着色のない無機化合物であることが好ましい。
また、(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物の、一次粒子における平均粒子径は、通常50nm以下、好ましくは20nm以下、特に好ましくは10nm以下、また通常1nm以上である。
上記範囲内であると本発明の効果が良好に得られる点で好ましい。
本発明における周期表第4族の元素として、好ましくはチタン及びジルコニウムであり、これらの酸化物や複酸化物、硫化物などが挙げられる。
(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物の、好ましい具体例としては、TiO2、ZrO2、チタン酸バリウムなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(平均粒径の測定方法)
(a)周期表第4族の元素を含む無機化合物の一次粒子における平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行うことにより測定できる。
((a)周期表第4族の元素を含む無機化合物の含有割合)
(a)周期表第4族の元素を含む無機化合物の含有量は、無機化合物分散液の全固形分中、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、更に好ましくは25重量%以上、また通常60重量%以下、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。
上記範囲内であると本発明の効果が良好に得られるため好ましい。
また、(a)周期表第4族の元素を含む無機化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分中、通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは55重量%以上、また通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下、更に好ましくは70重量%以下である。
上記範囲内であると、層間絶縁膜の形成が容易であり、また得られる膜の屈折率が向上する点で好ましい。
[(b)分散剤]
本発明においては、無機化合物分散液及び硬化性樹脂組成物に含まれる成分を良好に分散させ、且つその分散状態を安定化させることが品質の安定性確保には重要なため、(b)分散剤を含む。
(b)分散剤としては、官能基を有する高分子分散剤が好ましく、更には、分散安定性の面からカルボキシル基;リン酸基;スルホン酸基;又はこれらの塩基;一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の官能基を有する高分子分散剤が好ましい。中でも特に、一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の塩基性官能基を有する高分子分散剤が特に好ましい。
また高分子分散剤としては、例えばウレタン系分散剤、アクリル系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリアリルアミン系分散剤、アミノ基を持つモノマーとマクロモノマーからなる分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ポリエーテルリン酸系分散剤、ポリエステルリン酸系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
このような分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(味の素社製)等を挙げることができる。
これらの高分子分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常700以上、好ましくは1000以上であり、また通常100,000以下、好ましくは50,000以下である。
これらの内、密着性及び直線性の面から、(b)分散剤は官能基を有するウレタン系高分子分散剤及び/又はアクリル系高分子分散剤を含むことが、特に好ましい。
ウレタン系及びアクリル系高分子分散剤としては、例えばDisperbyk160〜166、182シリーズ(いずれもウレタン系)、Disperbyk2000,2001等(いずれもアクリル系)(以上すべてビックケミー社製)が挙げられる。
ウレタン系高分子分散剤として好ましい化学構造を具体的に例示するならば、例えば、ポリイソシアネート化合物と、分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られる、重量平均分子量1,000〜200,000の分散樹脂等が挙げられる。
上記のポリイソシアネート化合物の例としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート、及びこれらの3量体、水付加物、及びこれらのポリオール付加物等が挙げられる。ポリイソシアネートとして好ましいのは有機ジイソシアネートの三量体で、最も好ましいのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイソシアネートの三量体である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネートの三量体の製造方法としては、前記ポリイソシアネート類を適当な三量化触媒、例えば第3級アミン類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カルボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、未反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留により除去して目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを得る方法が挙げられる。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物としては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリオレフィングリコール等、及びこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化されたもの及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステルジオールとしては、エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、又はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えばポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート等が挙げられる。ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
ポリエステルグリコールとしては、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)又はそれらの無水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジーオル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレングリコール、2−メチル−1,8−オクタメチレングリコール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン等)とを重縮合させて得られたもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類又は炭素数1〜25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール又はポリラクトンモノオール、例えばポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとして最も好ましいのはポリカプロラクトングリコール又は炭素数1〜25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトンである。
ポリカーボネートグリコールとしては、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等、ポリオレフィングリコールとしてはポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は、通常300〜10,000、好ましくは500〜6,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
本発明に用いられる同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を説明する。活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又はイオウ原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
3級アミノ基は、特に限定されないが、例えば炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基、又はヘテロ環構造、より具体的にはイミダゾール環又はトリアゾール環、などが挙げられる。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジプロピル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
また、3級アミノ基が含窒素ヘテロ環構造である場合の該含窒素ヘテロ環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等のN含有ヘテロ5員環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環等の含窒素ヘテロ6員環が挙げられる。これらの含窒素ヘテロ環のうち好ましいものはイミダゾール環又はトリアゾール環である。
これらのイミダゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2−アミノイミダゾール、1−(2−アミノエチル)イミダゾール等が挙げられる。また、トリアゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−(2−アミノ−5−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジオール、3−アミノ−5−フェニル−1H−1,3,4−トリアゾール、5−アミノ−1,4−ジフェニル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1−ベンジル−1H−2,4−トリアゾール等が挙げられる。中でも、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン系高分子分散剤を製造する際の原料の好ましい配合比率はポリイソシアネート化合物100重量部に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物が10〜200重量部、好ましくは20〜190重量部、更に好ましくは30〜180重量部、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物が0.2〜25重量部、好ましくは0.3〜24重量部である。
ウレタン系高分子分散剤の製造はポリウレタン樹脂製造の公知の方法に従って行われる。製造する際の溶剤としては、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム等の塩化物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶剤等が用いられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記製造に際して、通常、ウレタン化反応触媒が用いられる。この触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等の1種又は2種以上が挙げられる。
同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物の導入量は反応後のアミン価で1〜100mgKOH/gの範囲に制御するのが好ましい。より好ましくは5〜95mgKOH/gの範囲である。アミン価は、塩基性アミノ基を酸により中和滴定し、酸価に対応させてKOHのmg数で表した値である。アミン価が上記範囲より低いと分散能力が低下する傾向があり、また、上記範囲を超えると現像性が低下しやすくなる。
なお、以上の反応で高分子分散剤にイソシアネート基が残存する場合には更に、アルコールやアミノ化合物でイソシアネート基を潰すと生成物の経時安定性が高くなるので好ましい。
ウレタン系高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常1,000〜200,000、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000の範囲である。この分子量が1,000未満では分散性及び分散安定性が劣り、200,000を超えると溶解性が低下し分散性が劣ると同時に反応の制御が困難となる。
アクリル系高分子分散剤としては、官能基(ここでいう官能基とは、高分子分散剤に含有される官能基として前述した官能基である。)を有する不飽和基含有単量体と、官能基を有さない不飽和基含有単量体とのランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体を使用することが好ましい。これらの共重合体は公知の方法で製造することができる。
官能基を有する不飽和基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、アクリル酸ダイマー等のカルボキシル基を有する不飽和単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びこれらの4級化物などの3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体が具体例として挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
官能基を有さない不飽和基含有単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、α−メチルスチレン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドなどのN−置換マレイミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマーなどのマクロモノマー等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル系高分子分散剤は、特に好ましくは、官能基を有するAブロックと官能基を有さないBブロックからなるA−B又はB−A−Bブロック共重合体であるが、この場合、Aブロック中には上記官能基を含む不飽和基含有単量体の他に、上記官能基を含まない不飽和基含有単量体が含まれていてもよく、これらが該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、官能基を含まない部分構造の、Aブロック中の含有量は、通常80重量%以下であり、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。
Bブロックは、上記官能基を含まない不飽和基含有単量体からなるものであるが、1つのBブロック中に2種以上の単量体が含有されていてもよく、これらは、該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
該A−B又はB−A−Bブロック共重合体は、例えば、以下に示すリビング重合法にて調製される。
リビング重合法には、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法があり、このうち、アニオンリビング重合法は、重合活性種がアニオンであり、例えば、特開2009−20501号公報に記載の方法が挙げられる。
また、ラジカルリビング重合法は重合活性種がラジカルであり、この場合も、例えば、特開2009−20501号公報に記載の方法が挙げられる。
このアクリル系高分子分散剤を合成するに際しては、特開平9−62002号公報や、P.Lutz, P.Masson et al, Polym. Bull. 12, 79 (1984), B.C.Anderson, G.D.Andrews et al, Macromolecules, 14, 1601(1981), K.Hatada, K.Ute,et al, Polym. J. 17, 977(1985), 18, 1037(1986), 右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36, 366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46, 189(1989), M.Kuroki, T.Aida, J. Am. Chem. Sic, 109, 4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43, 300(1985), D.Y.Sogoh, W.R.Hertler et al, Macromolecules, 20, 1473(1987)などに記載の公知の方法を採用することができる。
本発明で用いるアクリル系高分子分散剤がA−Bブロック共重合体であっても、B−A−Bブロック共重合体であっても、その共重合体を構成するAブロック/Bブロック比は1/99〜80/20、特に5/95〜60/40(重量比)であることが好ましい。
上記範囲内であると、良好な耐熱性と分散性を兼備し易いため好ましい。
また、本発明に係るA−Bブロック共重合体、B−A−Bブロック共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、通常0.1〜10mmolであることが好ましい。
上記範囲内であると、耐熱性と分散性とが良好に兼備されるため好ましい。
なお、このようなブロック共重合体中には、通常、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があるが、そのアミン価は1〜100mgKOH/g程度である。
ここで、これらのブロック共重合体等の分散剤のアミン価は、分散剤試料中の溶剤を除いた固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表し、次の方法により測定する。
100mLのビーカーに分散剤試料の0.5〜1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/LのHClO4酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン価を求める。
アミン価[mgKOH/g]=(561×V)/(W×S)
〔但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[重量%]を表す。〕
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常10mgKOH/g以下である。また、ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1000〜100,000の範囲が好ましい。
前記範囲内であると、分散安定性、現像性及び解像性のいずれもが良好である点で好ましい。
[(c)溶剤]
本発明の無機化合物分散液及び硬化性樹脂組成物は、(c)溶剤を含有する。
本発明における(c)溶剤としては、前述の各成分を溶解・分散させることができ、取り扱い性がよいものであれば特に限定されない。具体的には、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMAc」と略記することがある。)、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシメチルプロピオネート、3−エトキシエチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラハイドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メトキシブチル酢酸エステル、ソルベスト、カルビトール等の有機溶剤が挙げられる。
上記溶剤の沸点としては、100〜200℃の範囲が好ましく、より好ましくは120〜170℃の範囲のものである。
また、溶剤は1種類を単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。混合して用いる溶剤の組合せとしては、例えばPGMAcにジエチレングリコールジメチルエーテル、メトキシブチル酢酸エステル、ソルベスト、カルビトールから選ばれる1種以上の溶剤を混合したものが挙げられる。
更に、上記混合溶剤において、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メトキシブチル酢酸エステル、ソルベスト、カルビトールから選ばれる1種以上の溶剤の配合割合は、PGMAcに対して通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下である。
また更に、上記混合溶剤の中でも、PGMAcとメトキシブチル酢酸エステルの混合溶剤は、塗布乾燥工程における塗布膜の適度な流動性を誘起するため、基板の凹凸を平坦化させるためには好適である。
[(e)重合性モノマー]
本発明の硬化性樹脂組成物に含有される(e)重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「エチレン性不飽和化合物」)が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物とは、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味する。そして、本発明における硬化性樹脂組成物は、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を含有することが好ましい。
エチレン性不飽和基を1個有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等が挙げられる。
また、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
(e−1)不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類
不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類(以下、「エステル(メタ)アクリレート類」と略記することがある。)としては、具体的には以下の化合物が例示できる。
上記不飽和カルボン酸と糖アルコールとの反応物:糖アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸と糖アルコールのアルキレンオキサイド付加物との反応物:糖アルコールは上記と同じものが挙げられる。アルキレンオキサイド付加物としては、例えば、エチレンオキサイド付加物、又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸とアルコールアミンとの反応物:アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
前記不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類として、より具体的には、以下の化合物が例示できる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等。
その他、上記不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、上記不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物との反応物が挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等である。
更に、上記不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、上記不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。具体的には、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等である。
また更に、上記不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、上記不飽和カルボン酸と、多価カルボン酸と、ポリヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等である。
(e−2)(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類
(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するホスフェート化合物であれば特に限定されないが、中でも、下記一般式(Ia)〜(Ic)で表されるものが好ましい。
Figure 2017014533
(式(Ia)、(Ib)及び(Ic)中、R10は水素原子又はメチル基を示し、p及びp’は1〜25の整数、qは1〜3の整数である。)
ここで、p及びp’は、それぞれ1〜10、特に1〜4であることが好ましい。このような化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられてもよい。
(e−3)ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
また、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート;
シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート;
イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート;
特開2001−260261号公報に記載の方法により製造されるアロファネート変性ポリイソシアヌレート;
等のポリイソシアネート化合物が挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類としては、中でも、上記アロファネート変性ポリイソシアヌレートを含有するウレタン(メタ)アクリレート類が好適である。アロファネート変性ポリイソシアヌレートを含有するウレタン(メタ)アクリレート類は、粘度が低く、溶剤に対する溶解性に優れると共に、光硬化及び/又は熱硬化により基板との密着性と膜強度の向上に効果がある点で好適である。
本発明における上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、市販のものを用いることができる。具体的には、例えば新中村化学社製商品名「U−4HA」「UA−306A」「UA−MC340H」「UA−MC340H」「U6LPA」、バイエルジャパン社製のアロファネート骨格を有する化合物である「AGROR4060」等が挙げられる。
本発明における上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、感度の観点から、1分子中に4個以上(好ましくは6個以上、より好ましくは8個以上)のウレタン結合〔−NH−CO−O−〕、及び4個以上(好ましくは6個以上、より好ましくは8個以上)の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましい。かかる化合物は、例えば、下記(i)の化合物と、下記(ii)の化合物とを反応させることにより得ることができる。
(i)1分子中に4個以上のウレタン結合を有する化合物
例えば、
ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に4個以上の水酸基を有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物(i−1);
或いは、
エチレングリコール等の1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物に、旭化成工業社製「デュラネート24A−100」、同「デュラネート22A−75PX」、同「デュラネート21S−75E」、同「デュラネート18H−70B」等ビウレットタイプ、同「デュラネートP−301−75E」、同「デュラネートE−402−90T」、同「デュラネートE−405−80T」等のアダクトタイプ、等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物を反応させて得られた化合物(i−2);
或いは、
イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等を重合若しくは共重合させて得られた化合物(i−3)等;
が挙げられる。
このような化合物としては市販品を用いることができ、例えば、旭化成工業社製「デュラネートME20−100」が挙げられる。
(ii)1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物
例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の、1分子中に1個以上の水酸基及び2個以上、好ましくは3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が挙げられる。
ここで、前記(i)の化合物の分子量としては、500〜200,000であることが好ましく、1,000〜150,000であることが特に好ましい。また、前記ウレタン(メタ)アクリレート類の分子量としては、600〜150,000であることが好ましい。
なお、このようなウレタン(メタ)アクリレート類は、例えば、上記(i)の化合物と上記(ii)の化合物とを、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤中で、10〜150℃で5分〜3時間程度反応させる方法により製造することができる。この場合、前者のイソシアネート基と後者の水酸基とのモル比を1/10〜10/1の割合とし、必要に応じてジラウリン酸n−ブチル錫等の触媒を用いることが好適である。
(e−4)(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類
ポリエポキシ化合物としては、例えば、
(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物;
フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物;
ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物;等のポリエポキシ化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ポリエポキシ化合物との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート類としては、これらのようなポリエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸又は上記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応物等が挙げられる。
(e−5)その他のエチレン性不飽和化合物
その他のエチレン性不飽和化合物としては、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類、エーテル結合含有エチレン性不飽和化合物のエーテル結合を5硫化燐等により硫化してチオエーテル結合に変えることにより架橋速度を向上せしめたチオエーテル結合含有化合物類が挙げられる。
また、例えば、特開平5−287215号公報及び特開平9−100111号公報等に記載の多官能(メタ)アクリレート化合物と、粒子径5〜30nmのシリカゾル〔例えば、イソプロパノール分散オルガノシリカゾル(「IPA−ST」日産化学社製)、メチルエチルケトン分散オルガノシリカゾル(「MEK−ST」日産化学社製)、メチルイソブチルケトン分散オルガノシリカゾル(「MIBK−ST」)日産化学社製〕とを、イソシアネート基或いはメルカプト基含有シランカップリング剤を用いて結合させた化合物が挙げられる。当該化合物は、エチレン性不飽和化合物にシランカップリング剤を介してシリカゾルを反応させ結合させることにより硬化物としての強度や耐熱性を向上せしめた化合物類である。
また、その他のエチレン性不飽和化合物としては、特開2005−165294号公報に記載されている公知のものを用いることも可能である。
それらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本実施の形態において、エチレン性不飽和化合物としては、重合性、架橋性等の点から、エチレン性不飽和基を分子内に2個以上有する化合物が含まれることが好ましい。中でも、エステル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、又は、ウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、エステル(メタ)アクリレート類が更に好ましい。そのエステル(メタ)アクリレート類の中でも、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物との反応物が特に好ましい。
また、本実施の形態に係るエチレン性不飽和化合物において、芳香族環を含有しないもの、若しくは、無置換又はp(パラ)位に置換基を有するフェニル基を含有するものは、層間絶縁膜の加熱処理による変色(赤色着色)が抑えられるため好適である。このようなエチレン性不飽和化合物としては、例えば脂肪族の多官能(メタ)アクリレート、及びビスフェノールA又はフルオレン骨格を有する多価アルコールの(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。
本発明における硬化性樹脂組成物中に占める、(e)重合性モノマーの含有量は、全固形分に対して、通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上であり、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下である。エチレン性不飽和基を有する化合物
上記下限値以下であると、感度の低下、現像溶解速度の低下を招き易く、上記上限値以上であると、画像断面形状の再現性の低下、レジストの膜べりを招きやすい。
[(f)光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤]
本発明における光重合開始剤は、公知のいずれのものも用いることができ、紫外線から可視光線によりエチレン性不飽和基を重合させるラジカルを発生させることのできる化合物が挙げられる。
本実施の形態で用いることができる重合開始剤の具体的な例を以下に列挙する。
(i)2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロメチル化トリアジン誘導体。
(ii)ハロメチル化オキサジアゾール誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メチルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などのイミダゾール誘導体。
(ii)ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類。
(iv)2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン誘導体。
(v)ベンズアンスロン誘導体。
(vi)ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体。
(vii)2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトンなどのアセトフェノン誘導体。
(viii)チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体。
(ix)p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸エステル誘導体。
(x)9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジンなどのアクリジン誘導体。
(xi)9,10−ジメチルベンズフェナジンなどのフェナジン誘導体。
(xii)ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イルなどのチタノセン誘導体。
(xiii)2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエート、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等のα−アミノアルキルフェノン系化合物。
(xiv)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物。
(xv)1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)
(xvi)特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特開2001−235858号公報、特開2005−182004号公報、国際公開第2002/00903号パンフレット、及び特願2005−305074明細書に記載されている化合物に代表される、オキシム誘導体類等。
これらの光重合開始剤は単独で、又は複数組み合わせて使用される。組み合わせとしては、例えば、特公昭53−12802号公報、特開平1−279903号公報、特開平2−48664号公報、特開平4−164902号公報、又は特開平6−75373号公報などに記載された、開始剤の組み合わせが挙げられる。
本発明における硬化性樹脂組成物中に占める、光重合開始剤の含有量としては、全固形分に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上であり、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下である。光重合開始剤の量が過度に少ないと、感度の低下を招き易く、過度に多いと、地汚れ(現像溶解性)の低下を招きやすい。
[(g)アルカリ可溶性樹脂]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(g)アルカリ可溶性樹脂として、前記エポキシアクリレート樹脂を含んでいてもよく、またその他のアルカリ可溶性樹脂を含有していてもよい。
その他のアルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂であれば特に限定されないが、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であることが好適である。
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸、酢酸ビニル、マレイミド等といった、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂;
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等に水酸基又はカルボキシル基を含有させた、水酸基又はカルボキシル基含有ビニル系樹脂;
並びに、
ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース等;
が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
そして、中でも、アルカリ現像性と画像形成性の面から、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ビニル系樹脂が好ましい。
更に、露光・現像後の剥離性の面から、カルボキシル基含有ビニル系樹脂の中でも、不飽和基を含有しないカルボキシル基含有ビニル系樹脂が好ましく用いられる。
(A−1)不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂
不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂のα,β−不飽和基含有カルボン酸付加体に、更に多価カルボン酸及び/又はその無水物が付加された、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂が挙げられる。即ち、(i)エポキシ樹脂のエポキシ基に、(ii)α,β−不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されて形成されたエステル結合(−COO−)を介してエチレン性不飽和結合が付加されていると共に、その際生じた水酸基に(iii)多価カルボン酸若しくはその無水物のカルボキシル基が付加されたものが挙げられる。以下、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂の構成成分について説明するが、いずれも以下の構成成分を1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(A−1−1)不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂に使用されるエポキシ樹脂
不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂に使用されるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタンとの重合エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、高い硬化膜強度の観点から、フェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレートとアルキル(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体等が好ましい。
(A−1−2)α,β−不飽和モノカルボン酸
α,β−不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等、及び、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート無水琥珀酸付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水琥珀酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物等が挙げられる。中でも、感度の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
(A−1−3)多価カルボン酸若しくはその無水物
多価カルボン酸若しくはその無水物としては、例えば、琥珀酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、及びそれらの無水物等が挙げられる。
中でも、画像再現性、現像性の観点から、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、又はヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましく、テトラヒドロフタル酸無水物が更に好ましい。
本実施の形態において、硬化性樹脂組成物の感度、解像性、及び基板に対する密着性等を改良する観点から、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂がフェノールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールエポキシ樹脂、ヒドロキシフルオレンエポキシ(樹脂)又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂であり、α,β−不飽和モノカルボン酸が(メタ)アクリル酸であり、多価カルボン酸若しくはその無水物がテトラヒドロフタル酸無水物であるものが好ましい。
また、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂としては、酸価が80〜200mgKOH/gであるものが好ましく、85〜180mgKOH/gであるものがより好ましい。
更に、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂の分子量としては、通常1,000以上、好ましくは1,500以上であり、通常40,000以下、好ましくは30,000以下、更に好ましくは20,000以下である。
なお、特に断りのない限り、本発明における分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー法(GPC法)を用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を意味する。その測定方法の詳細は、以下の通りである。
[機器]東ソー社製 HLC−8020
[カラム]東ソー社製 GMHXL−N 30cm×2本
[移動相]1.0ml/分
[カラム温度]40℃
[溶剤]THF(0.03重量%のブチルヒドロキシトルエンで安定化させたテトラヒドロフラン)
[標準試料]ポリスチレン(PSt)標準試料
[検量線]5次
[検出]RI(装置内蔵)
[注入量]0.1重量% 100μL(試料は予め、GLサイエンス社製 GLクロマトディスク13Pにて濾過)
本発明における上記不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂は、従来公知の方法により合成することができる。具体的には、前記エポキシ樹脂を溶剤に溶解させ、触媒と熱重合禁止剤の共存下、前記α,β−不飽和モノカルボン酸を加えて付加反応させ、更に多価カルボン酸若しくはその無水物を加えて反応を続ける方法を用いることができる。
本発明の無機化合物分散液における(g)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、全固形分中、通常10重量%以上、好ましくは15重量%以上、更に好ましくは20重量%以上、また通常50重量%以下、好ましくは45重量%以下、更に好ましくは35重量%以下である。
上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られるため好ましい。
更に、本発明の硬化性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量は、全固形分中、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、更に好ましくは15重量%以上、また通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下、更に好ましくは35重量%以下である。
上記範囲内であると、層間絶縁膜の形成が容易である点で好ましい。
(h)界面活性剤
本発明における硬化性樹脂組成物は、組成物の塗布液としての塗布性、及び硬化性樹脂組成物層の現像性の向上等を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤、或いは、フッ素系やシリコーン系等の界面活性剤を含有していてもよい。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が挙げられる。これらの市販品としては、花王社製の「エマルゲン104P」、「エマルゲンA60」等のポリオキシエチレン系界面活性剤等が挙げられる。
また、上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、特殊高分子系界面活性剤等が挙げられる。これらのうち、特殊高分子系界面活性剤が好ましく、特殊ポリカルボン酸型高分子系界面活性剤が更に好ましい。
このようなアニオン性界面活性剤としては市販品を用いることができ、例えば、アルキル硫酸エステル塩類では、花王社製「エマール10」等、アルキルナフタレンスルホン酸塩類では花王社製「ペレックスNB−L」等、特殊高分子系界面活性剤では花王社製「ホモゲノールL−18」、「ホモゲノールL−100」等が挙げられる。
更に、上記カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アミン塩類等が、また、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が挙げられる。これらのうち、第4級アンモニウム塩類が好ましく、ステアリルトリメチルアンモニウム塩類が更に好ましい。市販のものとしては、例えば、アルキルアミン塩類では花王社製「アセタミン24」等、第4級アンモニウム塩類では花王社製「コータミン24P」、「コータミン86W」等が挙げられる。
一方、フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖及び側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキル又はフルオロアルキレン基を有する化合物が好適である。
具体的には、例えば、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン等を挙げることができる。
これらの市販品としては、BM Chemie社製「BM−1000」、「BM−1100」、大日本インキ化学工業社製「メガファックF142D」、「メガファックF172」、「メガファックF173」、「メガファックF183」、「メガファックF470」、「メガファックF475」、住友3M社製「FC430」、「FC4432」、ネオス社製「DFX−18」等を挙げることができる。
また、シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング社製「トーレシリコーンDC3PA」、「同SH7PA」、「同DC11PA」、「同SH21PA」、「同SH28PA」、「同SH29PA」、「同SH30PA」、「同SH8400」、「FZ2122」、東芝シリコーン社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−444(4)(5)(6)(7)6」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、シリコーン社製「KP341」、ビックケミー社製「BYK323」、「BYK330」等の市販品を挙げることができる。
これら界面活性剤の中でも、塗布膜厚の均一性の観点から、弗素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤は2種類以上の組み合わせでもよく、シリコーン系界面活性剤/弗素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤、弗素系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤の組み合わせ等が挙げられる。中でも、シリコーン系界面活性剤/弗素系界面活性剤が好ましい。
このシリコーン系界面活性剤/弗素系界面活性剤の組み合わせでは、例えば、ジーイー東芝シリコーン社製「TSF4460」/ネオス社製「DFX−18」、ビックケミー社製「BYK−300」又は「BYK−330」/セイミケミカル社製「S−393」、信越シリコーン社製「KP340」/大日本インキ社製「F−478」又は「F−475」、東レ・ダウコーニング社製「SH7PA」/ダイキン社製「DS−401」、東レ・ダウコーニング社製「FZ2122」/住友3M社製「FC4432」、日本ユニカー社製「L−77」/住友3M社製「FC4430」等が挙げられる。
本発明における硬化性樹脂組成物が界面活性剤を含有する場合、硬化性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量は、全固形分中、10重量%以下であることが好ましく、1〜5重量%であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に熱架橋剤、接着助剤、硬化剤及び紫外線吸収剤などの添加剤を含有していてもよく、これら成分としては、例えば、国際公開第2007−139005号公報に記載のものが挙げられる。
<無機化合物分散液の製造方法>
本発明の無機化合物分散液の製造方法は、(a)周期表第4族の元素を含む無機化合物を(c)溶剤に分散させる際に、(b)分散剤、及びエポキシアクリレート樹脂を含む(d)分散樹脂の存在下で分散する
分散方法としては、特に制限はなく、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等が挙げられる。
各成分の混合順序は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、(c)溶剤を入れてから、(a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物、(b)分散剤、及び(d)アルカリ可溶性樹脂を入れてもよく、その逆でもよい。
尚、エポキシアクリレート樹脂の好ましい態様としては、前記[(d)分散樹脂]の項で記載のものと同様である。好ましい態様も同様である。
[層間絶縁膜の形成方法]
次に、本発明における硬化性樹脂組成物を用いた層間絶縁膜の形成方法について説明する。
[2−1]塗工工程
まず、TFTアレイを形成した基板上に、上述した本発明における硬化性樹脂組成物をスピナー、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置を用いて塗布する。硬化性樹脂組成物の塗布膜厚は通常0.5〜5μmである。
[2−2]乾燥工程
上記塗布膜から揮発成分を除去(乾燥)して乾燥塗膜を形成する。乾燥には、真空乾燥、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。好ましい乾燥条件は温度40〜150℃、乾燥時間10秒〜60分の範囲である。
[2−3]露光・現像工程
次いで、硬化性樹脂組成物層の乾燥塗膜上にフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して画像露光する。露光後、未露光の未硬化部分を現像にて除去することにより、画素を形成する。なお、露光後、現像前に感度向上の目的でポスト・エクスポージャ・ベークを行う場合もある。この場合のベークには、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。ポスト・エクスポージャ・ベーク条件は通常、40〜150℃、乾燥時間10秒〜60分の範囲である。
通常、現像後に得られる画像には、20μm巾の細線再現性が求められる。また、高画質のディスプレイを実現すべく、より高精細な細線再現性が要求される傾向にある。高精細な細線を安定し再現する上では、現像後の細線画像の断面形状として非画像と画像部のコントラストが明瞭な矩形型が、現像時間、現像液経時、現像シャワーの物理刺激などの現像マージンが広く好ましい。
乾燥塗膜の露光工程に用いる光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定波長の光のみを使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
現像処理に用いる溶剤としては、未硬化部の塗布膜を溶解させる能力のある溶剤であれば特に制限は受けないが、前述したように、環境汚染、人体に対する有害性、火災危険性などの点から、溶剤ではなく、アルカリ現像液を使用するのが好ましい。
このようなアルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物、或いはジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド等の有機アルカリ化合物を含有した水溶液が挙げられる。
なお、アルカリ現像液には、必要に応じ、界面活性剤、水溶性の溶剤、湿潤剤、水酸基又はカルボン酸基を有する低分子化合物等を含有させることもできる。特に、界面活性剤は現像性、解像性、地汚れなどに対して改良効果をもつものが多いため添加するのは好ましい。
現像液に使用する界面活性剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができる。
現像処理の方法については特に制限は無いが、通常、10〜50℃、好ましくは15〜45℃の現像温度で、浸漬現像、パドル現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により行われる。
[2−4]熱処理工程
露光・現像工程により画像形成された硬化性樹脂組成物膜は、次いで、熱処理(ハードベーク)工程を経て硬化物(熱硬化膜)となる。なお、現像後、ハードベーク前にヘードベーク時のアウトガスの発生を抑制する目的で、全面露光を行う場合もある。
ハードベーク前の全面露光を行う場合、光源としては、紫外光又は可視光が用いられ、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。
又はドベークにはホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。ハードベーク条件としては通常、100〜250℃、乾燥時間30秒〜90分の範囲である。
[TFTアクティブマトリックス基板及び液晶表示装置(パネル)]
次に、本実施の形態に係る液晶表示装置(パネル)の製造法について説明する。本実施の形態に係る液晶表示装置は、通常、TFTアクティブマトリックス基板を備えるものである。
まず、TFTアクティブマトリックス基板は、TFT素子アレイが形成された基板上に前述の硬化物を層間絶縁膜として形成し、その上にITO膜を形成後、フォトリソグラフィ法を用いてITO配線を作成することにより作成される。
そして、本実施の形態に係る液晶表示装置は、上記TFTアクティブマトリックス基板を対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、更に対向電極を結線して完成させることができる。
対向基板としては、通常、配向膜を備えるカラーフィルタ基板が好適に用いられる。配向膜としては、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。なお、配向膜上に更に上記と同様の層間絶縁膜を形成してもよい。
上記TFTアクティブマトリックス基板と対向基板との貼り合わせギャップとしては、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常2μm以上、8μm以下の範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。
このようなシール材としては、通常、UV照射及び/又は加熱することによって硬化可能なものが用いられ、液晶セル周辺がシールされる。周辺をシールされた液晶セルをパネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧し、上記液晶注入口を液晶に浸漬し、チャンバー内をリークすることにより、前記液晶セル内に液晶を注入することができる。
液晶セル内の減圧度としては、通常1×10-2Pa以上、好ましくは1×10-3Pa以上であり、通常1×10-7Pa以下、好ましくは1×10-6Pa以下の範囲である。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましい。加温温度としては、通常30℃以上、好ましくは50℃以上であり、通常100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲である。減圧時の加温保持条件としては、通常10分間以上、60分間以下の範囲である。その後、液晶セルが液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、UV硬化樹脂を硬化させて液晶注入口を封止する。このようにして液晶表示装置(パネル)を完成させることができる。
なお、液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物等、従来から知られている液晶を用いることができる。リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶等の何れでもよい。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメクティック液晶及びコレステリック液晶等が知られているが、何れであってもよい。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[分散剤の合成]
(参考合成例1)
分子量約5000を有するポリエチレンイミン50重量部、及びn=5のポリカプロラクトン40重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300重量部と混合し、150℃で3時間、窒素雰囲気下にて攪拌した。得られた樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は9000であった。
Figure 2017014533
[樹脂の合成]
(合成例1:樹脂(1)の合成)
Figure 2017014533
上記構造のエポキシ化合物(エポキシ当量264)50g、アクリル酸13.65g、メトキシブチルアセテート60.5g、トリフェニルホスフィン0.936g、及びパラメトキシフェノール0.032gを、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応には12時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得た。
上記エポキシアクリレート溶液25重量部及び、トリメチロールプロパン(TMP)0.76重量部、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)3.3重量部、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)3.5重量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温し反応させた。
樹脂溶液が透明になったところでメトキシブチルアセテートで希釈し、固形分50重量%となるよう調製し、酸価131mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2600の樹脂(1)を得た。
(合成例2:樹脂(2)の合成)
日本化薬社製「XD1000」(ジシクロペンタジエン・フェノール重合物のポリグリシジルエーテル、エポキシ当量252)300重量部、アクリル酸87重量部、p−メトキシフェノール0.2重量部、トリフェニルホスフィン5重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート255重量部を反応容器に仕込み、100℃で酸価が3.0mgKOH/gになるまで攪拌した。次いで更にテトラヒドロ無水フタル酸145重量部を添加し、120℃で4時間反応させ、固形分50重量%、酸価100mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2600の下記構造式で表される樹脂(2)を得た。
Figure 2017014533
(合成例3:樹脂(3)の合成)
「NC3000H」(日本化薬社製)(エポキシ当量288、軟化点69℃)400重量部、アクリル酸102重量部、p−メトキシフェノール0.3重量部、トリフェニルホスフィン5重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート264重量部を反応容器に仕込み、95℃で酸価が3mgKOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標に達するまで9時間を要した(酸価2.2mgKOH/g)。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸151重量部を添加し、95℃で4時間反応させ、酸価102mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)3900の下記構造式で表される樹脂(3)の溶液を得た。
Figure 2017014533
(合成例4:樹脂(4)の合成)
Figure 2017014533
上記構造式で表されるエポキシ化合物(エポキシ当量245)98g、アクリル酸13.2g、メトキシブチルアセテート100g、トリフェニルホスフィン1.1g、及びパラメトキシフェノール0.02gを、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応には15時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得た。
上記エポキシアクリレート溶液に、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)11.8重量部、及びテトラヒドロフタル酸無水物(THPA)30.4重量部を入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温し反応させた。
樹脂溶液が透明になったところでメトキシブチルアセテートで希釈し、固形分55重量%となるよう調製し、固形分酸価110mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2,800の樹脂(3)を得た。
(参考合成例2:光重合開始剤(A)の合成)
Figure 2017014533
<ジケトン体>
エチルカルバゾール(21.07g、0.107mol)とo−ナフトイルクロリド(22.23g、0.116mol)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、氷浴にて0℃に冷却した。この中にAlCl3(15.5g、0.116mol)を1時間かけて添加した。さらにその温度で1時間攪拌した。引き続き反応液にクロトノイルクロリド(11.85g、0.113mol)とAlCl3(14.5g、0.111mol)を添加し、さらに2時間攪拌した。反応液を氷水(200mL)にあけ、ジクロロメタン(200mL)を添加し有機層を分液した。回収した有機層を1N塩酸(50mL)で1回、1N水酸化ナトリウム水溶液(50mL)で2回、飽和食塩水(50mL)で3回洗浄した後、減圧下溶媒を濃縮し、白色固体(32.63g)を得た。
<オキシム体>
ジケトン体(1.00g、2.40mmol)、NH2OH・HCl(0.366g、5.27mmol)、および酢酸ナトリウム(0.411g、5.03mmol)をイソプロパノール(10mL)に混合し、2時間加熱還流した。
反応終了後、反応液を濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル(50mL)を加えた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)で3回、飽和食塩水(30mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、有機層を減圧下濃縮し、淡黄色固体(0.90g)を得た。
<オキシムエステル体>
オキシム体(0.90g、1.93mmol)とアセチルクロリド(0.55g、6.91mmol)を酢酸エチル(10mL)に溶解し、氷浴にて0℃に冷却した。次にトリエチルアミン(0.72g、7.10mmol)を滴下し、そのまま1時間反応した。水(1mL)加えた後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で2回、飽和食塩水(10mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/1)で精製して、淡黄色固体である光重合開始剤(A)(0.81g)を得た。
1H−NMR(CDCl3):σ1.17(d,3H),1.48(t,3H),1.50(s,3H),1.81(s,3H), 2.16(s,3H), 2.30(s,3H), 3.16−3.34(m,2H),4.42(q,2H),4.89(bs,1H),7.26−7.59(m,5H),7.65(d,1H),7.95(dd,2H),8.04(dd,2H),8.15(d,1H),8.42(s,1H),8.64(s,1H)
[無機化合物分散液の調製]
(実施例1:無機化合物分散液(A)の調製)
二酸化チタンを12.6重量%、分散剤として上記参考合成例1で合成した樹脂Aを10.5重量%、分散樹脂として、合成例1で合成した樹脂(1)8.2重量%、PGMEA68.7重量%を調製した。調製した液を0.5mmφのジルコニアビーズを用いビーズミル装置にて周速10m/s、滞留時間3時間で分散処理を施し無機化合物分散液(A)を得た。
(実施例2〜4:無機化合物分散液(B)〜(D))
実施例1において、樹脂(1)を、各々下記表1に記載の樹脂に変更した他は、実施例1と同様にして、無機化合物分散液(B)〜(D)を得た。
(比較例1:参考無機化合物分散液)
実施例1において、樹脂(1)を用いなかった他は、実施例1と同様にして、無機化合物分散液を得た。
(粘度の測定)
上記で得られた無機化合物分散液を調整して、室温(23℃)で24時間静置した後の粘度を測定した。
尚、粘度の測定はE型粘度計「RE−80L」(東機産業社製)を用いて、室温(23℃)、20rpmで測定した。
結果を表1に纏めた。
Figure 2017014533
表1に示すが如く、本発明の無機化合物分散液は、粘度安定性に優れる。更に、本発明の無機化合物分散液の製造方法を用いて得られた分散液は、粘度安定性に優れることが分かる。
[硬化性樹脂組成物の調製]
下記表2に示す組成となるように、硬化性樹脂組成物を調製した。
尚、表2に示す値は、重量%である。
Figure 2017014533
[層間絶縁膜の形成]
得られた層間絶縁膜用硬化性樹脂組成物を、ガラス基板上にスピンコート法により塗布し、ホットプレート上で100℃にて90秒間乾燥し、乾燥膜厚4μmの塗布膜を得た。得られた塗布膜をコンベクションオーブンで230℃、30分間加熱することにより、層間絶縁膜を得た。
(屈折率の測定方法)
上記[層間絶縁膜の形成]により得られた層間絶縁膜を用い、測定機器として、反射分光膜厚計FE3000(大塚電子社製)により、膜厚方向における反射スペクトルの測定を行った。
次いで、得られた反射スペクトルにCauchyの近似式を適用し、屈折率の算出を行った。
結果を表3に纏めた。
(透過率の測定方法)
前記[層間絶縁膜の形成]と同様にして得あれた層間絶縁膜を、分光光度計UV3100PC(島津製作所製)にて測定し、波長600〜400nmの発明における透過率の平均値を求めた。
結果を表3に纏めた。
Figure 2017014533
表3に示すが如く、本発明の分散液を含む硬化性樹脂組成物を用いて形成された層間絶縁膜は、透過性が高い。
更に、本発明の層間絶縁膜は屈折率が高いため、TFTアレイ素子や透明電極との屈折率差が小さくなり、液晶表示装置に用いられた際には、反射光強度増大により干渉膜の発生や透過率の低下を抑制する。
即ち、本発明の無機化合物分散液を含む硬化性樹脂組成物を用いて形成された硬化物(層間絶縁膜)を含む液晶表示装置は、高品質である。

Claims (10)

  1. (a)長周期型周期表第4族の元素を含む無機化合物、(b)分散剤、(c)溶剤、及び(d)分散樹脂を含有する無機化合物分散液であって、
    該(d)分散樹脂が、エポキシアクリレート樹脂を含むことを特徴とする、無機化合物分散液。
  2. 前記エポキシアクリレート樹脂が、下記式(I)又は(II)で表される繰り返し単位を含有するポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の無機化合物分散液。
    Figure 2017014533
    (上記式中、m1〜m4は、各々独立に、0〜5の整数を表す。
    1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
    Xは、二価の有機基を表す。
    また、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基及び/又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環基、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該脂肪族炭化水素環を2〜10個連結してなる基を表す。
    尚、ポリマー中に複数の前記繰り返し単位が含まれる場合、これらは同じでもよく、また異なっていてもよい。)
    Figure 2017014533
    (上記式中、n1及びn2は、各々独立に、0〜5の整数を表す。
    3及びR4は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
    Zは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基及び/又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環基、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該脂肪族炭化水素環を2〜10個連結してなる基を表す。
    尚、ポリマー中に複数の前記繰り返し単位が含まれる場合、これらは同じでもよく、また異なっていてもよい。)
  3. 前記(d)分散樹脂の固形分中の含有量が、15重量%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の無機化合物分散液。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機化合物分散液に、更に、(e)重合性モノマーを含有することを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  5. 更に、(f)光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤を含有することを特徴とする、請求項4に記載の硬化性樹脂組成物
  6. 更に、(h)界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項4〜6いずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする、硬化物。
  8. 請求項7に記載の硬化物を含むことを特徴とする、TFTアクティブマトリックス基板。
  9. 請求項7に記載の硬化物を含むことを特徴とする、液晶表示装置。
  10. (a)周期表第4族の元素を含む無機化合物を(c)溶剤に分散させる際に、(b)分散剤、及び(d)分散樹脂の存在下で分散する無機化合物分散液の製造方法であって、
    該(d)分散樹脂が、エポキシアクリレート樹脂を含むことを特徴とする、無機化合物分散液の製造方法。
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