JP2017014062A - ガラス基板の製造方法、およびガラス基板 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、およびガラス基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2017014062A
JP2017014062A JP2015132211A JP2015132211A JP2017014062A JP 2017014062 A JP2017014062 A JP 2017014062A JP 2015132211 A JP2015132211 A JP 2015132211A JP 2015132211 A JP2015132211 A JP 2015132211A JP 2017014062 A JP2017014062 A JP 2017014062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass substrate
heat treatment
temperature
heat
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015132211A
Other languages
English (en)
Inventor
小山 昭浩
Akihiro Koyama
昭浩 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Avanstrate Inc
Avanstrate Asia Pte Ltd
Original Assignee
Avanstrate Inc
Avanstrate Asia Pte Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Avanstrate Inc, Avanstrate Asia Pte Ltd filed Critical Avanstrate Inc
Priority to JP2015132211A priority Critical patent/JP2017014062A/ja
Publication of JP2017014062A publication Critical patent/JP2017014062A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

【課題】熱処理空間におけるパーティクル数を低減し、異物付着が最小限に抑制され、且つ、熱収縮に優れたガラス基板を経済的に優位に製造する製造方法および製造装置を提供する。【解決手段】アニール工程を含むガラス基板の製造方法であり、該アニール工程の熱処理空間がクリーンクラス10,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に10,000個以下)に維持されることを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、アニール工程を含むガラス基板の製造方法、アニール工程を行う熱処理炉を含むガラス基板の製造装置、および、該製造方法又は該製造装置で得られるガラス基板に関する。
近年、ディスプレイパネルの分野では、画質の向上のために画素の高精細化が進展している。この高精細化の進展に伴って、ディスプレイパネルに用いられるガラス基板にも寸法精度が高いことが望まれている。例えば、ディスプレイパネルの製造工程中に、ガラス基板が高温で熱処理されても寸法が変化しにくいように、熱収縮率の小さいガラス基板が求められている。
一般に、ガラス基板の熱収縮率は、ガラスの歪点が高いほど小さくなる。このため、特許文献1(特表2014−503465)に開示されているように、熱収縮率を抑制するために、歪点が高くなるようにガラス組成を変更する方法が知られている。しかし、歪点が高くなるようにガラス組成を変更すると、熔解温度および成形温度が高くなる傾向にあり、ガラス基板の製造が難しくなるという問題がある。
特表2014−503465
ガラス基板製造の困難性を招くことなく、ガラス基板の熱収縮率を低減させる方法として、フュージョン法等により成形したシートガラスを切断して得られたガラス基板をオフラインにおいて熱処理(オフラインアニール処理)する方法がある。オフラインアニール処理の方法として、例えば、ガラス基板を吊り下げた状態で1枚ずつ搬送しながら、高温の雰囲気にガラス基板を曝すことでガラス基板を熱処理する方法が用いられる。この方法では、熱処理炉へ複数のガラス基板を連続して搬送することで、ガラス基板を効率的に熱処理することができる。
しかし、連続式のガラス基板の製造方法で、オフラインの熱処理によりガラス基板を連続して搬送し熱処理する手法により、異物付着が低減された高精細ディスプレイ用のガラス基板を得るためには、熱処理空間のパーティクル数をより低減することが求められていた。
そこで、本発明は、オフラインの熱処理における熱処理空間のパーティクル数をより低減することで、異物付着がより抑制され且つ熱収縮に優れたガラス基板を経済的に優位に製造する製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、熔融ガラスを成形体の上部から溢れさせることにより成形体の下方においてシートガラス(板状ガラス)を成形する成形工程と、シートガラスを徐冷する冷却工程と、重力方向に伸びるシートガラスを所定の寸法に切断してガラス基板とする切断工程とを含むガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス基板の製造方法は、ガラス基板の熱収縮率を低減させるために熱処理を行う、熱処理空間がクリーンクラス10,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に10,000個以下)に維持されるアニール工程を含み、
前記切断工程を経たガラス基板は、時間的に等間隔で連続的に一枚ずつ前記アニール工程へ搬入され、
前記切断工程で切断されたガラス基板は、当該ガラス基板の平面が鉛直方向になるように保持されつつ、かつ、互いに隣接するガラス基板の平面が進行方向に向けて距離的に所定間隔をあけた平行状態を維持されて、ダウンフローの熱流により熱処理され、
前記アニール工程を経たガラス基板は、時間的に等間隔で連続的に一枚ずつ前記アニール工程から搬出される、ことを含む。
本発明の一態様は、熱処理空間がクリーンクラス10,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に10,000個以下)に維持されるアニール工程を含む、ディスプレイ用のガラス基板の製造方法である。
本発明の一態様は、アニール工程を行う熱処理炉を備えた熱処理装置を含むディスプレイ用のガラス基板の製造装置であって、
前記熱処理炉の熱処理空間がクリーンクラス10,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に10,000個以下)に維持された、ガラス基板の製造装置である。
本発明の一態様は、アニール工程を行う熱処理炉を備えた熱処理装置を含むディスプレイ用のガラス基板の製造装置であって、
前記熱処理炉内においてガラス基板の平面が鉛直方向であって、かつ、互いに離間して隣接する複数のガラス基板を保持する保持部と、
前記保持部を搬送させる駆動部と、
ガラス基板の平面の鉛直方向に向けてダウンフローの熱流を吐き出す吐出手段と
前記熱処理装置の外に排出する排出口を有し、前記駆動部を熱処理空間から隔離し、該排出口からパーティクルを排出するパーティクル排出機構と、
前記パーティクル排出機構の熱処理空間側の側面に設けられ、前記保持部が熱処理空間から駆動部側に通過する開口部と、
を備える。
さらに、前記保持部の両端部に保持延長部を有する、ことが好ましい。
さらに、前記炉内の熱処理空間がクリーンクラス10,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に10,000個以下)に維持される、ことが好ましい。
前記アニール工程で得られたガラス基板は、表面付着の1μm以上のパーティクル数が300個/m未満である、ことが好ましい。
前記アニール工程で得られたガラス基板は、熱収縮率が15ppm以下で且つ収縮率のばらつきが1.5ppmであるガラス基板、が好ましい。
本発明の一態様は、熔融ガラスを成形体の上部から溢れさせることにより成形体の下方においてシートガラス(板状ガラス)を成形する成形工程と、シートガラスを徐冷する冷却工程と、重力方向に伸びるシートガラスを所定の寸法に切断してガラス基板とする切断工程とを含むガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス基板の製造方法は、ガラス基板の熱収縮率を低減させるために熱処理を行う、熱処理空間がクリーンクラス10,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に10,000個以下)に維持されるアニール工程を含み、
前記切断工程を経たガラス基板は、時間的に等間隔で連続的に一枚ずつ前記アニール工程へ搬入され、
前記切断工程で切断されたガラス基板は、当該ガラス基板の平面が鉛直方向になるように保持されつつ、かつ、互いに隣接するガラス基板の平面が進行方向に向けて距離的に所定間隔をあけた平行状態を維持されて、ダウンフローの熱流により熱処理され、
前記アニール工程を経たガラス基板は、時間的に等間隔で連続的に一枚ずつ前記アニール工程から搬出される、ことを含む。
さらに、前記アニール工程では、前記ガラス基板を熱処理炉内で搬送させる駆動部により、前記ガラス基板を搬送させ、
排出口を有し、前記駆動部から発生するパーティクルが熱処理空間に混入しないように前記駆動部を隔離する構造体を有する熱処理装置で熱処理される、
フラットパネルディスプレイ用ガラス板の製造方法である。
さらに、前記熱処理装置の駆動部は、ガラス基板の搬入側及び搬出側の領域を除き、保持部の熱処理空間に位置する部位を除き、隔離される構造体を有する、
フラットパネルディスプレイ用ガラス板の製造方法である、ことが好ましい。
前記熱処理装置における前記構造体の内部は、熱処理空間より負圧である、
フラットパネルディスプレイ用ガラス板の製造方法である、ことが好ましい。
上述のガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置によれば、熱処理空間におけるパーティクル数がより低減され、異物付着が最小限に抑制され、且つ熱収縮率が低減されたガラス基板を経済的に優位に製造することができる。
本実施形態のガラス基板の製造方法の流れを示すフローチャートである。 本発明のアニール工程を行う装置の一例で、ガラス基板の搬送を横から模式的に示す図である。 本発明のオフラインアニール工程を行う熱処理装置のパーティクル排出機構の構成概略を示す図である。 本発明のオフラインアニール工程を行う熱処理装置のパーティクル排出機構の一部を説明する図である(実施態様1)。 本発明のオフラインアニール工程を行う熱処理装置のパーティクル排出機構の一部を説明する図である(実施態様2)。 本発明のオフラインアニール工程を行う熱処理装置のパーティクル排出機構の一部を説明する図である(実施態様3)。 本発明のオフラインアニール工程を行う熱処理装置のパーティクル排出機構の一部を示す図である(変形例1)。 本発明のオフラインアニール工程を行う熱処理装置のパーティクル排出機構の一部を示す図である(変形例2)。 本発明のオフラインアニール工程を行う熱処理装置のパーティクル排出機構の一部を示す図である(変形例3)。 ガラス基板の温度履歴を示す図である。 熱処理温度で維持する維持時間とガラス基板の熱収縮率の絶対値との関係を示した図である。 冷却時間とガラス基板の熱収縮率の絶対値との関係を示した図である。 加熱時間とガラス基板の熱収縮率の絶対値との関係を示した図である
(1)ガラス基板の製造方法
以下、本発明のガラス基板の製造装置およびガラス基板の製造方法について説明する。
本実施形態において製造されるガラス基板は、特に制限されないが、例えば縦寸法及び横寸法のそれぞれが、500mm〜3500mm、1500mm〜3500mm、1800〜3500mm、2000mm〜3500mmなどが挙げられ、2000mm〜3500mmであることが好ましい。
ガラス基板の厚さは、例えば、0.1〜1.1(mm)が挙げられ、より好ましくは0.75mm以下の極めて薄い矩形形状の板で、例えば、0.55mm以下、さらには0.45mm以下の厚さがより好ましい。ガラス基板の厚さの下限値としては、0.15mm以上が好ましく、0.25mm以上がより好ましい。
まず、熔融されたガラスが、例えばフュージョン法あるいはフロート法等の公知の方法により、所定の厚さの帯状ガラスであるシートガラスが成形される(ステップS1)。
次に、成形されたシートガラスが所定の長さの素板であるガラス基板に採板される(ステップS2)。採板により得られたガラス基板は、搬送機構により、ピンチング保持されつつ、熱処理工程に誘導され搬送される(ステップS3)。次に、この搬送されたガラス基板に対し熱処理を行なう(ステップS4)。
このステップS3の処理およびステップS4の処理が、本実施形態のオフラインアニール工程である。オフラインアニール工程ついては後述する。
熱処理後のガラス基板は切断工程に搬送され、製品のサイズに切断され、ガラス基板が得られる(ステップS5)。得られたガラス基板には、端面の研削、研磨およびコーナカットを含む端面加工が行われた後、ガラス基板は洗浄される(ステップS6)。洗浄されたガラス基板はキズ、塵、汚れあるいは光学欠陥を含む傷が無いか、光学的検査が行われる(ステップS7)。検査により品質の適合したガラス基板は、ガラス基板を保護する紙と交互に積層された積層体としてパレットに積載されて梱包される(ステップS8)。梱包されたガラス基板は納入先業者に出荷される。
このようなガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。つまり、以下のガラス組成のガラス基板が製造されるように、熔融ガラスの原料が調合される。
SiO2 55〜80モル%、
Al23 8〜20モル%、
23 0〜12モル%、
RO 0〜17モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)。
SiO2は60〜75モル%、さらには、63〜72モル%であることが、熱収縮率を小さくするという観点から好ましい。
ROのうち、MgOが0〜10モル%、CaOが0〜15モル%、SrOが0〜10%、BaOが0〜10%であることが好ましい。
また、SiO2、Al23、B23、及びROを少なくとも含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.5以上であるガラスであってもよい。また、MgO、CaO、SrO、及びBaOの少なくともいずれか含み、モル比(BaO+SrO)/ROは0.1以上であることが好ましい。
また、モル%表示のB23の含有率の2倍とモル%表示のROの含有率の合計は、30モル%以下、好ましくは10〜30モル%であることが好ましい。
また、上記ガラス組成のガラス基板におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、0モル%以上0.4モル%以下であってもよい。
また、ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5モル%含み、As、Sb及びPbOを実質的に含まないということは必須ではなく任意である。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、またはカーブドパネルディスプレイ用ガラス基板で、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用のガラス基板として好適である。さらに、本実施形態で製造されるガラス基板は、高精細ディスプレイに用いるLTPS(Low-temperature poly silicon)・IGZO(Indium-Gallium-Zinc-Oxide)・TFTディスプレイ用ガラス基板として特に好適である。
本実施形態における熔融ガラスからシートガラスを成形する方法として、フロート法やフュージョン法等が用いられるが、本実施形態のガラス基板のオフラインにおける熱処理を含むガラス基板の製造方法は、フュージョン法(オーバーダウンドロー法)において製造ライン上の徐冷装置を長くすることが困難である点から、フュージョン法に適している。本実施形態の熱処理により熱収縮率を低減する前のガラス基板の熱収縮率は、50ppm以下であり、好ましくは40ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更により好ましくは20ppm以下である。熱収縮率を低減する前のガラス基板の熱収縮率の範囲としては、10ppm〜40ppmが好ましい。
(2)オフラインアニール工程
本実施形態のオフラインアニール工程の熱処理について詳細に説明する。
前述のとおり、本実施形態のオフラインアニール工程は、採板により得られたガラス基板を搬送機構により保持してから、熱処理へ誘導し搬送する(ステップS3)、及び、この搬送されたガラス基板に対し熱処理を行なう(ステップS4)、を含む。
(2−1)ステップS3(S2からのガラス基板の搬送工程)
ステップS3の搬送機構を説明する。ステップS2で採板されたガラス基板は、受渡装置により、ガラス基板の平面が鉛直方向(Z方向)になるように支持される。受渡装置はガラス基板の平面が鉛直方向に制御するための姿勢制御機構を備えている。
方向が調整されたガラス基板は、その平面が鉛直方向に支持された状態で、ガラス基板は保持部に固定され吊り下げられる。保持部に固定されて吊り下げられたガラス基板は、次工程の熱処理工程の入口側まで搬入手段により誘導され、熱処理炉の入口に搬入される。
(2−2)ステップS4(熱処理工程)
ステップS4の熱処理について説明する。本実施形態の熱処理工程(ステップ4)は、例えば、ダウンドロー法により成形されたシートガラスを温度管理された状態で冷却する第1徐冷工程を経て得られたガラス基板を、再度加熱し、所定の温度まで昇温させた後、再度冷却する第2徐冷工程を行う処理である。
本実施形態では、1枚ずつガラス基板11を搬送しながら加熱する枚葉方式の熱処理が行われる。枚葉方式の熱処理を行う熱処理装置について説明する。
図2は、本実施形態の一例を示す熱処理装置101を横から見た概略図である。
熱処理装置101は、主に、熱処理炉40と駆動部102とを備える。熱処理炉40は、ガラス基板11の熱処理が行われる熱処理空間40aを内部に有する。駆動部102は、熱処理炉40内の熱処理空間40aをガラス基板の搬送方向に走行し設置される。駆動部102がガラス基板11を吊り下げて熱処理空間40aを走行し、ガラス基板11が熱処理される。
ガラス基板11の上端部は保持部112に把持されていて、駆動部102と接する保持部112が搬送方向へと移動することで、保持部11に吊り下げられているガラス基板11が搬送される。保持部112は、ガラス基板11を吊り下げつつ、ガラス基板11の平面を鉛直方向に維持する。
保持部112は、ガラス基板の上端部を挟み込んで把持するためのクランプを有する。
クランプの種類は、特に制限されないが、例えば、バネ力によってガラス基板11の両主表面を挟むバネクランプを採用することができる。1つの保持部112(例えば、保持バーなど)に取り付けられるクランプの数は、1つであってもよいが、搬送中のガラス基板の姿勢をより安定させるために、2つ以上であることが好ましい。2つ以上のクランプが保持部112に取り付けられている場合、クランプは、保持部に対し幅方向にスライドできるよう構成されていることが好ましい。金属材料で構成された保持部は、ガラス基板11よりも熱膨張率が高く幅方向に延びやすい。このため、クランプが保持部112に対して幅方向に移動することで、保持部(保持バーなど)が熱膨張してもガラス基板11上端部に撓みや変形が生じるのを防止することができる。
駆動部102は、複数のガラス基板11を所定の間隔Gを空けて連続して搬送する。ガラス基板11の間隔Gは、ガラス基板11の搬送方向において、隣り合う2枚のガラス基板11の対向する一対の主表面の間の距離である。
ガラス基板11の間隔Gは、狭いほど、生産性は高くなるが、熱風の熱がガラス基板によって奪われやすくなる。本実施形態の製造方法では、後述するようにガラス基板の面内での熱収縮率のバラつきを低減できることから、ガラス基板の間隔が狭い場合にも好適である。
また、熱処理空間40aにおいて熱流を循環させてガラス基板11を加熱する方式を採用する場合、熱流の流れが妨げられないように、ガラス基板11の間隔を定めることができる。
本実施形態では、ガラス基板の間隔Gは、10mm〜300mmの範囲であればよく、生産効率の観点から、好ましくは200mm以下、より好ましくは150mm以下、更により好ましいのは100mm以下である。ガラス基板の間隔Gの下限値として、50mm以上が好ましい。
駆動部102のほかの搬送ユニットとして、ガラス基板の搬送領域の下方に、熱処理炉40の底部を構成するようなベルト機構を設けてもよい。ベルト機構は、熱処理の間は駆動させず、必要に応じ、駆動させることができる。ベルト機構には、例えば、厚み方向に貫通する開孔が面方向に並ぶよう形成されたメッシュベルトが用いられる。メッシュベルトを用いることによって、熱処理で送風されるダウンフローの熱風はメッシュベルトを通過して下方に流れることができ、熱風の下方向への流れを安定させることができる。厚み方向に貫通する開孔を有しないベルトを用いた場合、熱風がベルトに衝突することでベルト上の粉塵が舞い上がって、搬送中のガラス基板Gに付着する可能性あるが、他方、メッシュベルトを用いた場合は、ベルト表面に粉塵が溜まる可能性が低いため、粉塵による不都合の発生を抑えることができる。なお、ベルト機構の代わりに、駆動しない板状部材(メッシュなどの部材を含む)で、熱処理炉40の底部を構成してもよい。
熱処理炉40には、炉40の雰囲気(空気)を加熱するための加熱ユニット(複数の発熱装置)が設けられ、上から下への一方向の熱流(ダウンフロー)が形成され、炉40の雰囲気が温められる。
加熱ユニットとして、搬送されるガラス基板11の上方および下方のそれぞれに搬送方向に並ぶよう配置された複数のファン付きヒータが備えられる。ファン付きヒータは、搬送されるガラス基板11に、予め設計された温度プロファイルが形成されるよう、制御装置によって温度、風力、風向きなどが制御され、さらに、炉40内の搬送方向の各位置では温度分布はほぼ一様となるように、発熱量を制御する。
ガラス基板11の上面と下面との間で熱履歴に差が生じると、上面と下面とで熱収縮率が異なり、引っ張りと圧縮応力が生じるために反りが発生する。このため、ガラス基板11の上面と下面の温度変化の差をなくす、つまり、熱履歴の差を小さくする。
ファン付きヒータは、ヒータで加熱された気体をファンで送風するよう、ヒータとファンが互いに隣接して配置された一体の装置であり、熱処理炉40内では、ヒータに対しファンを下方にして配置される。ファン付きヒータのヒータには、例えば、セラミックヒーター、金属線シーズヒーター等、が用いられる。ファンは、熱処理の間、ヒータで加熱された空気を、下方に向けて送風するよう駆動される。熱処理炉空間40aの雰囲気中に粉塵が浮遊している場合であっても、このようなダウンフローの熱風によって粉塵は炉40の底部に運ばれるため、粉塵が雰囲気中を浮遊し続けてガラス基板11の表面に付着するのを抑えることができる。また、ダウンフローの熱風は、熱処理空間40a内を循環する空気流を形成できる点で好ましい。熱風は、ガラス基板11間を下方に流れた後、熱処理空間40aの底部に沿って側壁まで流れて、側壁に沿って上昇し、さらに熱処理空間40aの天井に沿って流れることで、熱処理空間aの中を循環する。
ファン付きヒータは、発熱する領域の横方向の長さが、搬送されるガラス基板11の幅方向長さより長いことが好ましい。また、搬送方向に隣り合うファン付きヒータの間隔は、搬送方向にわたって熱風の温度にムラが生じないように調整され設置される。
次に、ステップS4の熱処理について説明する。熱処理(オフラインアニール処理)では、ガラス基板11を所定の熱処理温度の雰囲気下に所定の時間曝すことで、ガラス基板11の主表面11a内の熱分布が一様になるように、ガラス基板11の熱処理が行われる。
ステップS3により搬送されたガラス基板11に対し、製造ラインから外れたオフラインで熱処理が行われる。切断装置により幅方向の端部(耳部)の切断された板状のガラス基板11は、必要に応じ、表面等に付着した切断屑(パーティクル、カレット等)の除去が行われた後、ガラス基板11は、熱処理炉40の入口側の所定位置まで搬送される。
熱処理炉40では、ファン付きヒータを制御して、炉内の雰囲気温度が、熱処理温度になるよう処理する。ここで、熱処理温度とは、高精細ディスプレイに用いるLTPS、IGZOから構成される半導体層をガラス基板11に形成する形成温度であり、具体的には400℃〜600℃の範囲の温度である。高精細ディスプレイを製造する際のガラス基板Gの加工処理温度は、ガラスの歪点(1014.5ポワズの粘度に相当する温度、例えば661℃)より低い温度である。この加工処理温度より低い温度領域において、ガラス基板の熱収縮率が大きいと、ガラス基板は高精細ディスプレイを製造するためのガラス基板として適さない。このため、高精細ディスプレイを製造するガラス基板の加工処理温度と等しい温度領域である400℃〜600℃の範囲の熱処理温度において、ガラス基板11を熱処理し、熱処理温度以下の温度領域において、熱収縮率が0〜15ppm、好ましくは0〜10ppm、より好ましくは0〜6ppm、さらに好ましくは0〜3ppmとなるようにする。
なお、歪点はガラスの種類によって異なるが、ガラス基板11は、熱収縮を小さくするために、歪点が高いガラス組成を有することが好ましく、ガラス基板11のガラスの歪点は、600℃以上であることが好ましく、より好ましくは655℃以上であり、例えば661℃が挙げられ、更に690℃以上であることがより好ましい。
歪点が661℃である場合、熱処理温度は、歪点(661℃)−(60℃〜260℃)=601℃〜401℃であることが好ましい。しかし、ガラス基板11の熱収縮率を小さくして、ガラス基板11を高精細ディスプレイ用ガラス基板として用いるためには、上記の温度範囲に限定されない。例えば、熱処理温度は、400℃〜550℃でもよい。
以下、図10とともに熱処理について説明する。
熱処理空間40aは、主として、昇温空間、維持空間および降温空間から構成される。駆動部102によって搬送されるガラス基板11は、熱処理工程において、昇温空間40a、維持空間40aおよび降温空間40aを順に通過する。
ガラス基板11は、熱処理炉内に搬送されると、昇温区間(加熱区間)40aにおいて室温(例えば、25℃)から熱処理温度になるよう加熱される。図5は、ガラス基板11の熱履歴を示す図である。ガラス基板11は、昇温区間40a内で搬送されながら、室温から400℃〜600℃の範囲の熱処理温度Tm1になるまで加熱される。ガラス基板11の温度を熱処理温度になるまで加熱する工程が、加熱工程である。昇温区間40aでは、例えば、6.7℃/分以上〜60℃/分以下の昇温速度S1、加熱時間10分〜60分で加熱する。
次に、ガラス基板11は、搬送されながら維持区間40aに入り、維持区間40aにおいて400℃〜600℃の範囲の熱処理温度Tm1が維持される。加熱工程を経た後、維持工程では、ガラス基板11の温度を熱処理温度Tm1で、維持時間60分〜150分維持する。ガラス基板11の温度を熱処理温度Tm1のまま維持し続ける工程が、維持工程である。維持工程では、ガラス基板11の温度が400℃〜600℃の範囲で変化してもよく、ガラス基板11の温度が一定でなくてもよい。
次に、ガラス基板11は、搬送されながら降温区間(冷却区間)40aに入り、降温区間40aにおいて中間温度Tm2を経て室温まで冷却される。ガラス基板11の温度を、熱処理温度Tm1から中間温度Tm2、中間温度Tm2から室温まで冷却する工程が、冷却工程である。降温区間では、熱処理温度Tm1から熱処理温度Tm1より50℃〜150℃低い中間温度Tm2(例えば、400℃)になるまでの区間と、中間温度Tm2から室温になるまでの区間とで、ガラス基板Gの降温速度を変化させて冷却する。具体的には、熱処理温度Tm1から中間温度Tm2までの降温区間では、0.8℃/分以上〜2.5℃/分以下の第1降温速度S3、冷却時間60分〜120分で冷却する。中間温度Tm2から常温までの降温区間では、第1降温速度S3より速い第2降温速度S4で冷却する。第2降温速度S4は、第1降温速度S3より速い速度であれば任意である。降温区間においては、熱処理温度Tm1から中間温度Tm2までの第1降温速度を、中間温度Tm2から常温までの第2降温速度より速くすることにより、ガラス基板11の生産効率性を高めつつ、ガラス基板11の熱収縮率を低減することができる。
図中に示す温度は、室温(常温)<Tm2<Tm1であり、Tm1=熱処理温度(例えば、500℃)、Tm2=中間温度(例えば、400℃)である。
加熱工程、維持工程、冷却工程における速度、時間の範囲を以下に示す。
(1)加熱工程:t1−0=10分〜60分、Tm1−室温=400℃〜600℃、昇温速度S1は、(Tm1−室温)/(t1−0)=6.7℃/分〜60℃/分。
(2)維持工程:t2−t1=60分〜150分、Tm1−Tm1=0、速度S2=(Tm1−Tm1)/(t2−t1)=0℃/分、
(3)第1冷却工程:t3−t2=60分〜120分、Tm1−Tm2=50℃〜150℃、第1降温速度S3=(Tm1−Tm2)/(t3−t2)=0.8℃/分〜2.5℃/分
(4)第2冷却工程:t4−t3>t3−t2、Tm2−室温=350℃〜450℃、第2降温速度S4は、(Tm2−室温)/(t4−t3)>第1降温速度S3。
ここで、室温は、25℃に限定されず、例えば、0℃〜30℃である。また、熱処理温度は、500℃に限定されず、400℃〜600℃の任意の温度であり、中間温度は、400℃に限定されず、熱処理温度−(50℃〜150℃)の任意の温度である。また、昇温速度・降温速度は、ガラス基板G全体を昇温・降温する平均速度である。
熱処理炉内において、ガラス基板11の平面方向の周囲(上方)からの熱風加熱によりガラス基板11が加熱されると、ガラス基板11において、発熱装置に近い風上側部分と発熱装置から遠い風下側部分とでは、温度のずれが生じる。このため、ガラス基板11の熱収縮率の絶対値が小さくなるように、熱処理温度で維持する維持時間を、60分〜150分、より好ましくは、90分〜120分にする。熱処理温度で維持する時間を一定時間以上にすることにより、ガラス基板11に加えられる熱量が多くなり、ガラス基板11が熱収縮し、熱収縮率の絶対値が小さくなる。ガラス基板11の熱収縮率の絶対値を小さくすることにより、ガラス基板11の面方向の熱収縮率のばらつきを抑制することができる。図11は、熱処理温度で維持する維持時間とガラス基板の熱収縮率の絶対値との関係を示した図である。同図に示すように、維持時間が60分を過ぎるとガラス基板11の熱収縮率の絶対値は3ppm以下になり、維持時間が120分を過ぎるとガラス基板11の熱収縮率の絶対値は1ppm以下になる。ガラス基板11の熱収縮率の絶対値を3ppm以下にすることにより、面方向の熱収縮のばらつきは3ppm以下になり、ガラス基板11の熱収縮率の絶対値を1ppm以下にすることにより、面方向の熱収縮のばらつきは1ppm以下になる。維持時間を60分以上、90分以上、120分以上にすることにより、面方向の熱収縮のばらつきを3ppm以下、2ppm以下、1ppm以下にすることができる。維持時間を120分以上にすることにより、ガラス基板11の熱収縮率の絶対値を1ppm以下にすることができるが、維持時間が150分であっても、維持時間が120分と比べて、ガラス基板11の熱収縮率の絶対値はほとんど変化しない。維持時間が150分より長くすると、熱処理効率が悪くなり、ガラス基板11の生産効率が低下する。このため、熱処理温度で維持する維持時間を、60分〜150分、より好ましくは、90分〜120分にすることにより、ガラス基板11の生産効率を高めつつ、ガラス基板11の熱収縮率の絶対値を小さくして、面方向の熱収縮のばらつきを抑制することができる。
次に、ガラス基板11を熱処理温度から中間温度まで冷却する冷却時間とガラス基板11の熱収縮率の絶対値との関係を示す。図12は、冷却時間とガラス基板の熱収縮率の絶対値との関係を示した図である。同図に示すように、冷却時間が60分を過ぎるとガラス基板11の熱収縮率の絶対値は1ppm以下になり、冷却時間が90分を過ぎるとガラス基板11の熱収縮率の絶対値はほぼ0ppmになる。冷却時間を60分以上にすることにより、ガラス基板Gの熱収縮率の絶対値は1ppm以下になり、面方向の熱収縮のばらつきを1ppm以下にすることができる。冷却時間が120分であっても、冷却時間が90分と比べて、ガラス基板11の熱収縮率の絶対値はほとんど変化しない。冷却時間が120分より長くすると、熱処理効率が悪くなり、ガラス基板11の生産効率が低下する。このため、熱処理温度から中間温度まで冷却する冷却時間を、60分〜120分、より好ましくは、約90分にすることにより、ガラス基板11の生産効率を高めつつ、ガラス基板11の熱収縮率の絶対値を小さくして、面方向の熱収縮のばらつきを抑制することができる。
次に、ガラス基板11を室温(常温)から熱処理温度まで加熱する加熱時間とガラス基板11の熱収縮率の絶対値との関係を示す。図13は、加熱時間とガラス基板の熱収縮率の絶対値との関係を示した図である。同図に示すように、加熱時間が10分、30分、60分のいずれであっても、ガラス基板11の熱収縮率の絶対値はほとんど変化しない。ガラス基板11の熱収縮率の絶対値は、加熱時間によってほとんど変化しないため、加熱時間が短いほど、ガラス基板11の生産効率は高くなる。室温から熱処理温度まで加熱する加熱工程では、ガラス基板11の温度を熱処理温度まで高めることができれば、加熱時間は任意であり、例えば、加熱時間を、60分以下、より好ましくは、10分〜30分にすることにより、ガラス基板11の生産効率を高めることができる。
このような熱処理により、高精細液晶ディスプレイを製造するのに好適な熱収縮率を有するガラス基板を製造することができる。また、ガラス基板の熱収縮率を0〜15ppmとすることができる。ガラス基板Gの熱収縮率は、0〜10ppmとすることが好ましく、0〜6ppmとすることがより好ましく、更に0〜3ppmとすることがより好ましい。このような熱収縮率が、ガラス基板のガラス組成と、熱処理の温度と熱処理時間を調整することにより達成することができる。また、ガラス基板の熱収縮に対して影響が小さい温度領域においては、処理時間を短くし、昇温速度・降温速度を速めることにより、ガラス基板の生産効率を高めることができる。
なお、本実施形態におけるステップS3及びステップS4については、ガラス基板11を一枚ずつ保持部で固定し吊り下げる方法で製造する、という製造方法だけでなく、ガラス基板を積層させた方法で製造する、など、ほかの方法でガラス基板を保持し製造してもよい。
(2−3)オフラインアニール工程における熱処理装置
図3は、本実施形態にかかるオフラインアニール工程を行う熱処理装置における、パーティクル抑制機構103の概略を示す図である(ヒーター等の構成は省略する)。
高精細の液晶ディスプレイ用のガラス基板の製造では、製造プロセスにおけるパーティクルを抑制することが求められる。高精細の液晶ディスプレイにおいては、配線幅20μm以下のレベルで微細化が進む中、この微細化に対応するために、より小さいパーティクルに対象を広げつつ、パーティクル数をより低減する必要がある。
本発明のオフラインアニール工程後(熱処理後)のガラス基板のパーティクル数(パーティクルの付着)は、1μm以上のパーティクルが、400個以下/mであり、より好ましくは300個以下/m、更により好ましくは250個以下/m、特に好ましくは200個以下/m、更に特に好ましくは150個以下/m、更により特に好ましいのは1μm以上のパーティクル数が100個以下/mである。
本発明のオフラインアニール工程を実施する熱処理装置では、熱処理空間におけるパーティクルの発生をより抑制することが求められる。
連続式でガラス基板を製造する方法で、1枚ずつガラス基板を連続搬送しながら加熱する枚葉方式の熱処理を行うオフラインアニール工程では、熱処理空間にパーティクルが発生する要因として、主に、次の点が挙げられる:
第1に、熱処理炉内を走行する駆動部からパーティクルが発生する;
第2に、熱処理空間を移動する保持部(保持バー)が熱膨張したとき、保持部(保持バー)におけるガラス基板の吊り下げ部位にて、熱膨張の伸び縮みのこすれによりパーティクルが発生する;
第3に、ガラス基板を吊り下げるクランプ(クランプの動き、素材)からパーティクルが発生する;
第4に、熱処理空間を移動する保持部(保持バー)が駆動部と接する箇所でこすれが生じ、パーティクルが発生する。
本発明のガラス基板の製造方法におけるオフラインアニール工程では、熱処理空間はダストフリーのクリーンな状態に保たれ、少なくとも、クリーンクラス10,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に10,000個以下)であり、好ましくはクリーンクラス5,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に5,000個以下)であり、より好ましくはクリーンクラス1,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に1,000個以下)であり、更により好ましくはクリーンクラス500(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に500個以下)であり、特に好ましいのはクリーンクラス100(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に100個以下)である。
熱処理空間40aにおけるクリーンクラスの測定については、JIS B 9920(2002年)に従って、熱処理空間40aの空気中に存在する粒径0.5μm以上の粒子を測定する。
熱処理空間40aの所定の箇所(複数でもよい)から炉40外へ通じる配管を設置し、熱処理空間40aの空気を抽出し(15秒〜120秒間のサンプリング時間)、40℃以下に冷却後、炉外に設置したパーティクルカウンター(JIS B 9920(2002年)に適合したもの)で測定する。前記配管よりサンプリングされる熱処理空間40aの空気を連続的にまたは定期的に観測してもよい。この場合、15秒〜120秒のサンプリングで得た空気を、パーティクルカウンターにより1立方フィートあたりの積算値を出力することで、熱処理空間40aのクリーン度をモニタリングすることができる。
なお、クラス数は室内のクリーン度を示しており、従来、1立方フィート中の粒径0.5μm以上の粒子個数でクラス分けされ、現在もこの様な指標で管理することが多い。ISO(国際標準化機構)では、1mで中の粒径が直径φ0.1μm以上の粒子数でクラス分けされるが、本実施形態では、従来法の単位を指標として説明する。
(ガラス基板のパーティクル数の測定)
ガラス表裏面に付着した異物量については、例えば、ガラス基板表面検査装置(日立ハイテク電子エンジニアリング社製GI4830)を用いて測定することができ、測定条件としてはポリスチレン標準粒子1μm以上を検知する条件で測定する。
実施形態1.
図7は、本発明の実施形態1にかかる熱処理装置101におけるパーティクル排出機構103の基本構成を示す図である。
実施形態1の熱処理装置は、熱処理炉40内においてガラス基板の平面が鉛直方向であって、かつ、互いに離間して隣接する複数のガラス基板を保持する保持部112と、該保持部を搬送させる駆動部102と、熱処理炉40に設けられ、ガラス基板の平面の鉛直方向に向けてダウンフローの熱流を吐き出す吐出手段と、熱処理装置の外へ排出する排出口を有し、前記駆動部を熱処理空間40aから隔離し囲うように覆う隔離カバー114と、該隔離カバーに設けられ、前記保持部が熱処理空間から駆動部側へ通過する開口部113と、を備える。
実施形態1の装置では、上から下の一方向のダウンフローの熱流が吐出手段より吐出され、その熱流が、熱処理空間40aを移動して熱流出口42へ向かう。駆動部102で発生するパーティクルは、パーティクル排出機構103により、熱処理装置101外へ排出される。また、熱流の一部は、熱処理空間40aを通り、開口部113を通過する保持部112と隔離カバー114との間の間隙を通って、パーティクル排出機構103内に入る。この熱流の流入により、駆動部102で発生するパーティクルは、熱処理空間40a内へ進入するのが抑制される。
実施形態2.
図8は、本発明の実施形態2にかかる熱処理装置101におけるパーティクル排出機構103の基本構成を示す図である。
実施形態2の熱処理装置は、前記熱処理炉40内においてガラス基板の平面が鉛直方向であって、かつ、互いに離間して隣接する複数のガラス基板を保持する保持部112と、該保持部の両端に設けられる保持延長部115と、前記保持部を搬送させる駆動部102と、熱処理炉40に設けられ、ガラス基板の平面の鉛直方向に向けてダウンフローの熱流を吐き出す吐出手段と、熱処理装置の外に排出する排出口を有し、前記駆動部を熱処理空間40aから隔離し囲うように覆う隔離カバー114と、該隔離カバーに設けられ、前記保持部が熱処理空間から駆動部側へ通過する開口部113と、を備える。
さらに、図8に示されるとおり、実施形態2の装置では、駆動部102の最上部高さh1の位置が、開口部113の下部高さh2よりも低く設定され、保持部112の両端に保持延長部115が備えられて、該保持延長部が駆動部102に接することで保持部112が搬送される。
実施形態2の装置では、上から下の一方向のダウンフローの熱流が吐出手段より吐出され、その熱流が、熱処理空間40aを移動して熱流出口42へ向かう。駆動部102で発生するパーティクルは、パーティクル排出機構103により、熱処理装置101外へ排出される。また、熱流の一部は、熱処理空間40aを通り、開口部113を通過する保持部112と隔離カバー114との間の間隙を通って、パーティクル排出機構103内に入る。この熱流の流入により、駆動部102で発生するパーティクルは、熱処理空間40a内への進入が抑制される。
さらに、実施形態2の装置では、駆動部102の最上部高さh1の位置が、開口部113の下部高さh2よりも低いため、駆動部102で発生するパーティクルの、熱処理空間40a内への進入はより困難である。
実施形態3.
図9は、本発明の実施形態3にかかる熱処理装置101におけるパーティクル排出機構103の基本構成を示す図である。
実施形態3の熱処理装置は、前記熱処理炉40内においてガラス基板の平面が鉛直方向であって、かつ、互いに離間して隣接する複数のガラス基板を保持する保持部112と、該保持部の両端に設けられる保持延長部115と、前記保持部を搬送させる駆動部102と、熱処理炉40に設けられ、ガラス基板の平面の鉛直方向に向けてダウンフローの熱流を吐き出す吐出手段と、熱処理装置の外に排出する排出口を有し、前記駆動部を熱処理空間40aから隔離し囲うように覆う隔離カバー114と、該隔離カバーに設けられ、前記保持部が熱処理空間から駆動部側へ通過する開口部113と、を備える。
さらに、図9に示されるとおり、実施形態3の装置では、駆動部102の最上部高さh1の位置が、開口部113の下部高さh2よりも低く設定され、保持部112の両端に保持延長部115が備えられて、該保持延長部が駆動部102に接することで保持部112が搬送される。また、図6の装置の場合、保持部112の高さ位置を、開口部113よりも低くすることができ、保持部112の搬送の高さを、熱流の吐出手段の位置から離れたところに調整する等が容易となる。熱処理炉内で搬送される保持部112の高さ位置は、開口部113よりも低いため、該保持部の両端に備えられる保持延長部115は、開口部113を通過しなお且つ駆動部102に接することが可能な形状を有するように形成される。
実施形態3の装置では、上から下の一方向のダウンフローの熱流が吐出手段より吐出され、その熱流が、熱処理空間40aを移動して熱流出口42へ向かう。駆動部102で発生するパーティクルは、パーティクル排出機構103により、熱処理装置101外へ排出される。また、熱流の一部は、熱処理空間40aを通り、開口部113を通過する保持部112と隔離カバー114との間の間隙を通って、パーティクル排出機構103内に入る。この熱流の流入により、駆動部102で発生するパーティクルは、熱処理空間40a内への進入が抑制される。
さらに、実施形態3の装置では、実施形態2の装置と同様、駆動部102の最上部高さh1の位置が、開口部113の下部高さh2よりも低いため、駆動部102で発生するパーティクルの、熱処理空間40a内への進入はより困難である。
本発明の実施形態において、隔離カバー114に設けられる開口部113と、該開口部を通過する保持部112あるいは保持延長部115との間の間隙の大きさは、20mm以下、好ましくは15mm以下、より好ましくは8mm以下である。また、隔離カバー114と、保持部112との接触を避けるため、少なくとも1mm以上、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上の間隙を要する。
変形例1、変形例2、及び変形例3
図7、8及び9は、本実施形態の変形例1、2及び3(パーティクル排出機構)を示す図である。
変形例1、2及び3の熱処理装置は、熱処理される前記ガラス基板が熱処理炉内を搬送させる駆動部を有し、
排出口を有し、前記駆動部から発生するパーティクルが熱処理空間に混入しないように前記駆動部を隔離する構造体を有する熱処理装置である。
さらに、前記熱処理装置の駆動部は、ガラス基板の搬入側及び搬出側の領域を除き、保持部の熱処理空間に位置する部位を除き、隔離される構造体とすることができる。
さらに、変形例1から3の前記熱処理装置における前記構造体の内部は、熱処理空間より負圧とすることができる。実施形態1から3におけるパーティクル排出機構についても、同様に、パーティクル排出機構103の内部は、熱処理空間より負圧とすることができるである。
上述のガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置によれば、熱処理空間におけるパーティクル数がより低減され、異物付着が最小限に抑制され、且つ熱収縮率が低減されたガラス基板を経済的に優位に製造することができる。
本実施形態の変形例として、パーティクル排出機構103において、ガラス基板を保持する保持部112あるいは保持延長部115と開口部113との間の間隙をふさぐようなシーリング材をカバー内に用いてもよい。シーリング材としては、熱処理炉の温度に対する耐久性、支持部112の搬送摩擦に対する耐久性などを考慮し、さらに、パーティクル発生の極めて低い性質の材料であれば、特に制限されない。
本実施形態におけるパーティクル排出機構の隔離カバー114の大きさは、駆動部102を熱処理空間から隔離し、駆動部102で発生するパーティクルをカバー114外へ排出することができれば、炉40内の構造に合わせて、適宜、決められる。駆動部102は、ガラス基板11を吊るすために炉40の上方領域に位置するため、隔離カバー114は、駆動部102の周辺を隔離するように、炉40の上方領域に備えられてもよく、あるいは、図3に示すように、隔離カバー114が、駆動部102を囲んで覆いつつ、炉40の底部領域まで到達するように備えられてもよい。
本発明の実施形態(実施形態1から3を含む)の熱処理装置よれば、熱処理空間40aに浮遊するパーティクル数を、クリーンクラス10,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に10,000個以下)から、クリーンクラス100(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に500個以下)の範囲に低減することができる。
さらに、本発明の実施形態によれば、熱処理により得られるガラス基板は、熱収縮率が15ppm以下で且つ収縮率のばらつきが1.5ppmであり、好ましくは熱収縮率が10ppm以下で且つ収縮率のばらつきが1.5ppmであり、より好ましくは熱収縮率が6ppm以下で且つ収縮率のばらつきが1.5ppmであり、更により好ましくは熱収縮率が3ppm以下で且つ収縮率のばらつきが1.5ppmであり、
なお且つ、1μm以上のパーティクル数が400個以下/m、好ましくは1μm以上のパーティクル数が300個以下/m、より好ましくは1μm以上のパーティクル数が250個以下/m、更により好ましくは1μm以上のパーティクル数が200個以下/m、特に好ましくは1μm以上のパーティクル数が150個以下/m、より特に好ましくは1μm以上のパーティクル数が100個以下/mである。
以上のように、本発明によれば、ガラス基板のパーティクル付着をより低減しつつ、熱収縮率が低減したガラス基板を、連続式で効率的に製造することができる。このため、高精細ディスプレイに有用なガラス基板を、経済的に優れた方法で提供することができる。
以上、本発明のガラス基板の製造装置、ガラス基板の製造方法、およびガラス基板について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよい。
11 ガラス基板
40 熱処理装置
40a 熱処理空間
42 熱流出口
101 熱処理装置
102 駆動部
103 パーティクル排出機構
112 保持部
113 開口部
114 隔離カバー
115 保持延長部
116 排出口
117 保持部搬送車輪
118 レール

Claims (2)

  1. 熱処理空間がクリーンクラス10,000(0.5μm以上の粒子が1立方フィート中に10,000個以下)に維持されるアニール工程を含む、ディスプレイ用のガラス基板の製造方法。
  2. 熱収縮率が15ppm以下、且つ、表面付着の5μm以上のパーティクル数が400個/m未満である、高精細ディスプレイ用のガラス基板。
JP2015132211A 2015-06-30 2015-06-30 ガラス基板の製造方法、およびガラス基板 Pending JP2017014062A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015132211A JP2017014062A (ja) 2015-06-30 2015-06-30 ガラス基板の製造方法、およびガラス基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015132211A JP2017014062A (ja) 2015-06-30 2015-06-30 ガラス基板の製造方法、およびガラス基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017014062A true JP2017014062A (ja) 2017-01-19

Family

ID=57827803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015132211A Pending JP2017014062A (ja) 2015-06-30 2015-06-30 ガラス基板の製造方法、およびガラス基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017014062A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020059391A1 (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 日本電気硝子株式会社 ガラス板の製造方法
WO2022244869A1 (ja) * 2021-05-21 2022-11-24 住友電気工業株式会社 光ファイバの製造方法及び光ファイバの製造装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020059391A1 (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 日本電気硝子株式会社 ガラス板の製造方法
JP2020045267A (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 日本電気硝子株式会社 ガラス板の製造方法
WO2022244869A1 (ja) * 2021-05-21 2022-11-24 住友電気工業株式会社 光ファイバの製造方法及び光ファイバの製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5582446B2 (ja) フィルム状ガラスの製造方法及び製造装置
JP5428288B2 (ja) ガラス板の製造方法及び製造設備
JP5428287B2 (ja) ガラス板の製造方法及び製造設備
JP5456789B2 (ja) ガラス基板の製造装置およびガラス基板の製造方法
JP5752787B2 (ja) ガラス基板の製造方法及び成形装置
JP6031613B2 (ja) シートガラスの製造方法及びシートガラス製造装置
JP2017014062A (ja) ガラス基板の製造方法、およびガラス基板
JP6571416B2 (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置
JP6552839B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JP6454188B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JP6082434B2 (ja) ガラス基板の製造方法及びガラス基板
JP6587844B2 (ja) ディスプレイ用ガラス板の製造方法、および、ディスプレイ用ガラス板製造装置
JP6530651B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JP6571413B2 (ja) ディスプレイ用ガラス板の製造方法、及び、ガラス板製造装置
JP2017014053A (ja) ディスプレイ用ガラス板の製造方法、及び、ディスプレイ用ガラス板製造装置
JP6571415B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JP2017065982A (ja) ディスプレイ用ガラス基板の製造方法、およびディスプレイ用ガラス板製造装置
JP2017014051A (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置
TWI580650B (zh) Glass substrate manufacturing method and glass substrate
WO2009081741A1 (ja) ガラス板の製造方法及び製造設備
TWI679174B (zh) 玻璃基板的熱處理方法以及玻璃基板的製造方法
JP2017067545A (ja) ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置
JP2016124747A (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置
JP2017014061A (ja) ディスプレイ用ガラス板の製造方法
JP2016124746A (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置