JP2017013566A - フロントパネルシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロントパネルの端縁部に防錆のための特別な加工を施すことなく、端縁部の防錆性を向上させることが可能なシール構造の提供。【解決手段】上シール材10は装着部11と板状の突出部12とを一体的に有する。装着部11は、シール外壁部13とシール内壁部14との間でパネル挿入溝16が前方へ開口するU状断面であり、フロントパネル4のパネル上縁部7をパネル挿入溝16へ前方から挿入することにより弾性変形してパネル上縁部7に保持される。シール外壁部13とシール内壁部14とはパネル上縁部7の上面7aと下面7bとにそれぞれ密着し、突出部12はフロントボディ2の開口3の縁面3aに密着する。フロントパネル4のパネル本体6の前面6aとパネル上縁部7の上面7aとは湾曲面9を介して連続し、シール外壁部13の前端13aはパネル上縁部7の上面7aと湾曲面9との境界近傍まで延びる。【選択図】図3

Description

本発明は、車両のフロントボディの開口とフロントパネルと間隙を密閉するフロントパネルシール構造に関する。
特許文献1には、フロントパネルとカウルアッパーとの境界部の隙間をウェザーストリップによってシールするシール構造が記載されている。ウェザーストリップはカウルアッパー側に装着され、フロントパネルを閉じると、フロントパネルの端部がウェザーストリップに当接して密着する。
特開平11−348828号公報
一般に、フロントパネルとカウルアッパー(フロントボディ)との境界部はフロントパネルの前面(パネル前面)に比べて水が滞留し易く、境界部に位置するフロントパネルの端縁部はパネル前面に比べて錆び易い。
このため、特許文献1のようにシール部材(ウェザーストリップ)をフロントボディ側に装着する構造では、フロントパネルの端縁部に防錆のための特別な加工(例えば末端の切断面に発生するバリ等を研磨によって除去した後、端縁部の末端まで十分に塗装するなど)を施す必要があり、フロントパネルの製造工数が増大する。
そこで本発明は、フロントパネルの端縁部に防錆のための特別な加工を施すことなく、端縁部の防錆性を向上させることが可能なシール構造の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明のフロントパネルシール構造は、フロントパネルと弾性シール材とを備える。フロントパネルは、車幅方向に沿って起立するパネル本体と、パネル本体の周縁の所定領域から後方へ曲折して延びるパネル縁部とを一体的に有し、フロントボディに取付けられてフロントボディの開口を塞ぐ。弾性シール材は、装着部と板状の突出部とを一体的に有する。装着部は、シール外壁部とシール内壁部との間でパネル挿入溝が前方へ開口するU状断面であり、パネル縁部をパネル挿入溝へ前方から挿入することにより弾性変形してパネル縁部に保持される。突出部は、装着部がパネル縁部に保持されたシール装着状態で、シール外壁部から突出して上記所定領域に沿って延び、開口の縁面に密着する。
シール装着状態で、シール外壁部とシール内壁部とは、上記所定領域の一端から他端に亘ってパネル縁部の外面と内面とにそれぞれ密着し、弾性シール材は、突出部が開口の縁面に密着することにより開口とフロントパネルとの間を密閉する。パネル本体の前面とパネル縁部の外面とは、湾曲面を介して連続し、シール外壁部の前端は、パネル縁部の外面と湾曲面との境界近傍まで延びている。
上記構成では、シール装着状態において、パネル本体の周縁の所定領域の一端から他端に亘り、シール外壁部とシール内壁部とがパネル縁部の外面と内面とにそれぞれ密着した状態で、パネル縁部の末端が装着部によって確実に覆われるので、パネル縁部に特別な加工を施すことなく、弾性シール材の装着部によってパネル縁部の防錆性を高めることができる。
また、パネル本体の前面とパネル縁部の外面とが湾曲面を介して連続し、シール外壁部の前端がパネル縁部の外面と湾曲面との境界近傍まで延びているので、パネル縁部の外面の略全域をシール外壁部によって覆うことができ、防錆性をさらに高めることができる。
本発明によれば、フロントパネルの端縁部に防錆のための特別な加工を施すことなく、端縁部の防錆性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るフロントパネルシール構造が適用される車両の前面の分解斜視図である。 図1の組付け状態を示す斜視図である。 図2のIII−III矢視断面図である。 上シール材の斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。また、図中のUPは車両上方を示し、FRは車両前方を示す。
図1及び図2に示すように、車両のキャブ1の前面は、フロントボディ2やフロントパネル4やラジエータグリル5等により構成される。
フロントボディ2は、車幅方向に沿って配置され、フロントボディ2の中央部分には、略矩形状の開口3が形成されている。
フロントパネル4は、車幅方向に沿って起立する矩形状のパネル本体6と、パネル本体6の上端縁の略全域(パネル本体6の周縁の所定領域)から後方へ曲折して延びるパネル上縁部(パネル縁部)7とを一体的に有し、フロントボディ2の開口3を塞ぐ位置に配置される。なお、フロントパネル4の後面の略中央部と左右の側部とには、センターレインフォース(図示省略)とサイドレインフォース(図示省略)とがそれぞれ固定される。
ラジエータグリル5は、フロントパネル4の下方でフロントボディ2の前面に取り付けられる。
フロントパネル4の左右のファスナ(図示省略)にフロントボディ2の左右のピン(図示省略)を挿入して係合し、フロントボディ2の下部のクリップ部材(図示省略)にセンターレインフォースのフランジ部(図示省略)を挟持させることによって、フロントパネル4がフロントボディ2に取付けられる。係る取付状態で、フロントパネル4のパネル上縁部7は、フロントボディ2の開口3の縁面3aと対向し(図3参照)、フロントパネル4はフロントボディ2の開口3を塞ぐ(図2参照)。
図3及び図4に示すように、フロントパネル4のパネル上縁部7には、パネル上縁部7と開口3の縁面3aとの間を左右方向の略全域に亘って密閉するためのゴム製の上シール材(弾性シール材)10が取付けられる。上シール材10は、パネル上縁部7の左端から右端までの略全域に亘って延びる略同一断面の長尺材であり、パネル上縁部7に装着される装着部11と、装着部11から突出する板状の突出部12とを一体的に有する。なお、上シール材10の左右両端からは、フロントパネル4(パネル本体6)の左右の側縁部8に取付けられて、係る側縁部8と開口3との間を上下方向の略全域に亘って密閉する側シール材(図示省略)が一体的に延びる。
装着部11は、シール外壁部13とシール内壁部14と底壁部15とを一体的に有するU状断面である。シール外壁部13の後端部とシール内壁部14の後端部とは底壁部15によって連結され、シール外壁部13とシール内壁部14との間には、前方へ開口するパネル挿入溝16が形成される。パネル上縁部7をパネル挿入溝16へ前方から挿入することにより、装着部11が弾性変形してパネル上縁部7に保持される。
突出部12は、装着部11がパネル上縁部7に保持されたシール装着状態で、シール外壁部13から突出し、パネル本体6の上端縁に沿って左右方向に延び、フロントボディ2の開口3の縁面3aに密着する。突出部12は、基端側であるシール外壁部13側から突出先端12a側に向かって斜め前方(上斜め前方)へ傾斜する。
また、シール装着状態で、シール外壁部13とシール内壁部14とは、パネル本体6の上端縁の左端から右端に亘ってパネル上縁部7の上面(外面)7aと下面(内面)7bとにそれぞれ密着し、上シール材10は、突出部12が開口3の縁面3aに密着することにより開口3とフロントパネル6との間を密閉する。
パネル本体6の前面6aとパネル上縁部7の上面7aとは、湾曲面9を介して連続し、シール外壁部13の前端13aは、パネル上縁部7の上面と湾曲面9との境界近傍まで延びている。
本実施形態によれば、シール装着状態において、パネル本体6の上端縁の左端から右端に亘り、シール外壁部13とシール内壁部14とがパネル上縁部7の上面7aと下面7bとにそれぞれ密着した状態で、パネル上縁部7の末端(後端)が装着部11によって確実に覆われるので、パネル上縁部7に特別な加工(例えば末端の切断面に発生するバリ等を研磨によって除去した後、パネル上縁部7の末端まで十分に塗装するなど)を施すことなく、上シール材10の装着部11によってパネル上縁部7の防錆性を高めることができる。
また、突出部12が突出先端12a側に向かって上斜め前方へ傾斜しているので、洗車時等にパネル上縁部7と開口3との間隙に水が高圧で吹付けられた場合であっても、突出部12によって水の浸入を確実に防止することができる。
また、パネル本体6の前面6aとパネル上縁部7の上面7aとが湾曲面9を介して連続し、シール外壁部13の前端13aがパネル上縁部7の上面7aと湾曲面9との境界近傍まで延びているので、パネル上縁部7の上面7aの略全域をシール外壁部13によって覆うことができ、パネル上縁部7の防錆性をさらに高めることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、本実施形態では、パネル本体6にパネル上縁部7を曲折形成し、このパネル上縁部7に上シール材10を取付ける場合について説明したが、パネル本体6の周縁の他の領域(例えば側縁)に後方へ曲折して延びるパネル縁部を形成し、このパネル縁部に上シール材10と同様の弾性シール材を取付けてもよい。
本発明は、フロントボディの開口をフロントパネルによって塞ぐ構造を有する車両に広く適用することができる。
1:キャブ
2:フロントボディ
3:開口
3a:開口の縁面
4:フロントパネル
5:ラジエータグリル
6:パネル本体
6a:パネル本体の前面
7:パネル上縁部(パネル縁部)
7a:パネル上縁部の上面(外面)
7b:パネル上縁部の下面(内面)
9:湾曲面
10:上シール材(弾性シール材)
11:装着部
12:突出部
12a:突出先端
13:シール外壁部
13a:シール底壁部の前端
14:シール内壁部
15:底壁部
16:パネル挿入溝

Claims (1)

  1. 車幅方向に沿って起立するパネル本体と、前記パネル本体の周縁の所定領域から後方へ曲折して延びるパネル縁部とを一体的に有し、フロントボディに取付けられて前記フロントボディの開口を塞ぐフロントパネルと、
    シール外壁部とシール内壁部との間でパネル挿入溝が前方へ開口するU状断面であり、前記パネル縁部を前記パネル挿入溝へ前方から挿入することにより弾性変形して前記パネル縁部に保持される装着部と、前記装着部が前記パネル縁部に保持されたシール装着状態で、前記シール外壁部から突出して前記所定領域に沿って延び、前記開口の縁面に密着する板状の突出部と、を一体的に有する弾性シール材と、を備え、
    前記シール装着状態で、前記シール外壁部と前記シール内壁部とは、前記所定領域の一端から他端に亘って前記パネル縁部の外面と内面とにそれぞれ密着し、前記弾性シール材は、前記突出部が前記開口の縁面に密着することにより前記開口と前記フロントパネルとの間を密閉し、
    前記パネル本体の前面と前記パネル縁部の外面とは、湾曲面を介して連続し、
    前記シール外壁部の前端は、前記パネル縁部の外面と前記湾曲面との境界近傍まで延びている
    ことを特徴とする車両のフロントパネルシール構造。
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