JP2017013478A - テキスタイル/樹脂積層構造ハウジング及びその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザが外面に触れたときの感触を良好にするクッション性を向上させることができるテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングの提供。
【解決手段】盆型の表層1と、表層1に収容されたクッション層4と、表層1と協働してクッション層4を封印すると共に表層1及びクッション層4に接着された不織布又は抄紙を含む断熱層3と、断熱層3の不織布又は抄紙の各繊維の隙間に浸潤しつつ断熱層3に固着された基盤樹脂層5とを備えるえるテキスタイル/樹脂積層構造ハウジング40。
【選択図】図2
【解決手段】盆型の表層1と、表層1に収容されたクッション層4と、表層1と協働してクッション層4を封印すると共に表層1及びクッション層4に接着された不織布又は抄紙を含む断熱層3と、断熱層3の不織布又は抄紙の各繊維の隙間に浸潤しつつ断熱層3に固着された基盤樹脂層5とを備えるえるテキスタイル/樹脂積層構造ハウジング40。
【選択図】図2
Description
本発明は、テキスタイル/樹脂積層構造ハウジング及びその製造装置に関し、特に、基盤樹脂層の上にテキスタイル層が積層されたテキスタイル/樹脂積層ハウジング構造及びその製造装置に関する。
電子機器や家電等のハウジング及び自動車内装品のハウジングの技術分野において、そのハウジングは、外面に加飾材が積層された樹脂成形によって作られる場合が多く、近年、樹脂成形ハウジングに施されるさまざまな加飾材が他の製品からの差別化に欠かせない要素となっている。このような状況において、一部の企業では、同一製品でも、樹脂成形ハウジングに多様な加飾材を施すことで顧客が自由に製品の加飾デザインを選択することができるようになっている。
樹脂成形ハウジングの加飾方法としては、透明アクリルフィルム層と、この透明アクリルフィルム層に接着剤を介して接着されたテキスタイル層と、このテキスタイル層の各繊維の隙間に浸潤しつつテキスタイル層に固着された基盤樹脂層とを備えるテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
このテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングによれば、テキスタイル層を適宜選択することによって顧客が自由に製品の加飾デザインを決定することができ、加えて、テキスタイル層の基盤樹脂層に対する密着性及びテキスタイル層の表面の耐衝撃性及び擦過性を向上させると共に、テキスタイル層の皺の発生や絵柄のゆがみをなくすことができる。
一方で、電子機器や家電等のハウジング及び自動車内装品のハウジングの技術分野において、そのハウジングの外面にユーザが触れたときの感触を良好にする場合には、基盤樹脂層にクッション性のある耐衝撃吸収性の外層を手作業で貼り付けている。
しかしながら、上記提案されたテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングをクッション性が要求される部分に適用するときは、この製品のクッション性は、盤樹脂層の硬さに依存するのでほとんど期待できない。
本発明の目的は、ユーザが外面に触れたときの感触を良好にするクッション性を向上させることができるテキスタイル/樹脂積層構造ハウジング及びその製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングは、盆型の表層と、表層に収容されたクッション層と、前記表層と協働してクッション層を封印すると共に前記表層及び前記クッション層に接着された不織布又は抄紙を含む断熱層と、前記断熱層の不織布又は抄紙の各繊維の隙間に浸潤しつつ前記断熱層に固着された基盤樹脂層とを備えることを特徴とする。
請求項5に記載のテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングの製造装置は、表層を受容する固定金型と、前記積層体を成形するために当該受容された積層体を前記固定金型の中に押し込むように前記固定金型に向けて移動される可動金型と、前記成形された表層、当該表層に収容されたクッション層、及び前記表層と協働してクッション層を封印すると共に不織布又は抄紙を含む断熱層の積層体を前記断熱層を表にして受容する他の固定金型と、前記他の固定金型に受容された積層体に向けて移動される射出成形金型と、前記他の固定金型に受容された積層体と前記射出成形金型とで規定される空間に基盤樹脂層の樹脂溶液を射出する射出手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載のテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングによれば、表層と樹脂基盤層の間にクッション層が配置されているので、外面にユーザが触れたときの感触を良好にするクッション性を向上させることができるテキスタイル/樹脂積層ハウジングを提供することができる。
請求項5に記載のテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングの製造装置によれば、ユーザが外面に触れたときの感触を良好にするクッション性を向上させることができるテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングを効率よく製造することができると共に、表層内に収容されたクッション層を封印するために断熱層が表層とクッション層に接着されているので、基盤樹脂層の成形時にクッション層への熱の伝達を阻止してクッション層の劣化を防止することができる。
以下、本発明を図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係るテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングの外観斜視図である。
図1において、テキスタイル/樹脂積層構造ハウジング40(以下、単に「ハウジング40」という場合もある)は、逆盆構造のケーシングであり、逆盆構造の底部に1つの突出部41と1つの開口部42を有する。
突出部41の断面は、図1の線IIA−IIAに沿う断面図として図2(A)で示されると共に、開口部42の断面は、図1の線IIB−IIBに沿う断面図として図2(B)で示される。
ハウジング40は、逆盆型の表層1(図3を用いて後述する)と、表層2に収容されたクッション層4(図4を用いて後述する)と、表層1と協働してクッション層4を封印すると共に表層1及びクッション層2に接着された不織布又は抄紙を含む断熱層3(図5を用いて後述する)と、断熱層3の不織布又は抄紙の各繊維の隙間に浸潤しつつ断熱層3に固着された基盤樹脂層5とを備える。
[図3]図1における表層1の部分断面図である。
図3において、表層1は、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルからなる厚さ50〜100μmの外層1−1、及び外層1−1にポリウレタン系熱硬化性接着剤からなる厚さ約10μmの接着樹脂層1−2を介して接着された織物、不織布、又は抄紙からなる厚さ10μm〜5mmの中間層1−3を含む加飾層1’と、中間層1−3にPVB(ポリビニルブチラール)からなる厚さ10〜50μmの接着樹脂層1−4を介して接着された織物、不織布、又は抄紙からなる内層1−5とから構成される。内層1−5は、織布又は不織布からなる場合は、厚さ約500μmであり、抄紙からなる場合は、厚さ200μmである。
加飾層1’は、中間層1−3が不織布からなる場合は「人工皮革」と称され、中間層1−3が織布からなる場合は「合成皮革」と称される場合がある。また、加飾層1’は、織物、不織布、編物等の繊維製品を含むテキスタイル、及び本革からなってもよい。このテキスタイルとしては、ポリエステル織物、不織布、編物、レース、カーボン繊維が挙げられる。
このテキスタイルは、さまざまなデザインが容易に得られると共に繊維生地の立体感がそのまま現出される。また、テキスタイルの使用は、ハウジング40のデザイン性の自由度を高めることができるのに加えて、ハウジング40の強度を高める効果を有する。
図4は、図1におけるクッション層2の部分断面図である。
図4において、クッション層2は、低反発性又は高反発性の厚さ1〜5mmのクッション材層2−1と、クッション材2−1にポリウレタン系熱硬化性接着剤からなる厚さ約10μmの接着樹脂層1−2を介して接着された厚さ約200μmの織物、不織布、又は抄紙からなる裏打ち層2−3とから構成される。裏打ち層2−3は、接着樹脂層2−2を介さずにクッション材2−1を火炎あぶりにより生じる溶融部に接着させてもよい。裏打ち層2−3は、クッション材2−1の伸縮を防止する効果を有する。
図5(A)は、断熱層の部分断面図であり、断熱層3が1層からなる場合を示し、図5(B)は、断熱層の部分断面図であり、断熱層3が3層からなる場合を示す。
断熱層3は、図5(A)に示すように、1層の厚さ500μmの不織布又は抄紙層3−1で構成されてもよく、厚さ200〜500μmの不織布又は抄紙層3−1と、不織布又は抄紙層3−1にPVBからなる厚さ約50μmの接着樹脂層3−2を介して接着された厚さ200μmの抄紙層3−3とから構成されてもよい。この断熱層3は、図示しない接着剤を介して、表層1の内層1−5とクッション層2の裏打ち層2−3に接着されている。
図3〜図5において、接着樹脂層1−2,2−2は熱硬化性を有し、接着樹脂層1−4,3−2は熱可塑性を有する。
図3〜図5において、不織布層は、スパンボンド系不織布または抄紙からなり、抄紙は、ポリエステルを含む抄紙系不織布(具体的には、阿波製紙株式会社製のPY−100)からなる。
基盤樹脂層5は、熱可塑性合成樹脂、好ましくは射出成形用合成樹脂からなり、具体的には、ABS(アクリルニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)、ナイロン、PP(ポリプロピレン)、及びABS+PCの群から選択された1つの素材、好ましくはABS又はPMMA、さらに好ましくはABSからなり、厚さは、製品に応じて任意に設定され、本実施の形態では、約1.2mmである。基盤樹脂層5の樹脂溶液は、後述する図6の射出成形機20で加熱溶融され、クッション層2を介して互いに接着された表層1と断熱層3が断熱層3を表にして装着された後述する図5におけるメス金型22の中に射出されて、断熱層3の各繊維に浸潤融しながら固着されている(図5)。
図1のハウジング40によれば、表層1と樹脂層基盤層5の間にクッション層2が配置されているので、ユーザが外面に触れたときの感触を良好にするクッション性を向上させることができる。加えて、図1のハウジング40によれば、ハウジング40の表面の模様をテキスタイルの変更によりさまざまに選択することができる。
図5は、本発明の実施の形態に係るテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングの製造装置を説明するのに用いられる図である。
図5では、プレス機により工程I及びIIが実施されると共に、射出成形機により工程III及びIVが実施される。最後に、適宜な方法により後述する工程Vが実施される。
まず、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルからなる外層1−1、外層1−1に接着樹脂層1−2を介して接着された中間層1−3の積層体、又はテキスタイルからなる表層1を準備する。
図6の工程Iにおいて、表層1を内層1−5を表にしてプレス機のメス金型10(固定金型)の上に載置する。この積層体は、予め所定の形状に切断されていてもよい。
次いで、工程IIにおいて、工程Iで載置された表層1をメス金型10の中に押し込むようにプレス機のオス金型11(可動金型)をメス金型10に向かって移動する。これにより、当該表層1をメス金型10及びオス金型11により規定される形状に成形した後、この成形された積層体はプレス機から取り出される。このとき、成形された表層1の周囲をレーザカッタや切断用金型(切断ユニット)で切断してバリ取りを行ってもよい。
次いで、工程IIIにおいて、逆盆型の表層1にクッション層4を押し込んだ上で、表層1と協働してクッション層4を封印する不織布又は抄紙を含む断熱層3を表層1及びクッション層4に図示しない接着剤を介して接着する。
続いて、図3の工程IVにおいて、表層1、クッション層4、及び断熱層3の積層体を断熱層3を表にしてメス金型22(他の固定金型)内に装着した上で、金型ダイ22内に受容された積層体に向けて射出成形オス金型12(射出成形金型)を移動すると共に、射出機20の射出孔20aを射出成形オス金型12の射出成形孔12aに押し当てた上で、射出スクリュー21を時計回りに回転させてタンク30内の基盤樹脂層5の樹脂溶液31を当該積層体と射出成形オス金型12とで規定される空間に射出する。このとき、基盤樹脂層5の樹脂溶液31は断熱層3の不織布又は抄紙層3−1又は抄紙層3−3の各繊維に浸潤して、基盤樹脂層5との接着性及びハウジング40の機械的強度が向上する。
次いで、工程Vにおいて、射出成形された基盤樹脂層5が冷却して固化した後、射出機20及び射出成形オス金型12がメス金型10から離間されて、成形品が取り出される。
メス金型10及びオス金型11はプレス機を構成すると共に、メス金型22、射出成形オス金型12、及び射出機20は射出成形機を構成し、プレス機及び射出成形機はハウジング40の製造装置を構成する
図5のテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングの製造装置によれば、ユーザが外面に触れたときの感触を良好にするクッション性を向上させることができるテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングを効率よく製造することができる。
また、図6のテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングの製造装置によれば、表層1内に収容されたクッション層2を封印するために断熱層3が表層1とクッション層2に接着されているので、工程IIIにおいて基盤樹脂層5の成形時にクッション材2−1への熱の伝達を阻止してクッション材2−1の劣化を防止することができる。
本発明の実施の形態においては、テキスタイル/樹脂積層構造ハウジング40は、単に一般的なハウジングとして記載されているが、本発明の実施の形態の適用技術分野としては、表面コーティング層を有するインモールド成形による加飾品が対象であり、具体的には、容器やステーショナリを含む雑貨品、携帯電話やノートパソコンを含む電子機器や家電製品等のハウジング、建築物や自動車の内外装品のハウジング、航空機、鉄道車両、船舶の内装ハウジングが挙げられる。
1 表層
1−1 外層
1−2 接着樹脂層
1−3 中間層
1−4 接着樹脂層
1−5 内層
2 クッション層
2−1 クッション材
2−2 接着樹脂層
2−3 裏打ち層
3 断熱層
3−1 不織布又は抄紙層
3−2 接着樹脂層
3−3 抄紙層
5 基盤樹脂層
10 メス金型
11 オス金型
12 射出成形オス金型
20 射出機
21 射出スクリュー
22 メス金型
30 タンク
31 樹脂溶液
40 テキスタイル/樹脂積層構造ハウジング
41 突出部
42 開口部
1−1 外層
1−2 接着樹脂層
1−3 中間層
1−4 接着樹脂層
1−5 内層
2 クッション層
2−1 クッション材
2−2 接着樹脂層
2−3 裏打ち層
3 断熱層
3−1 不織布又は抄紙層
3−2 接着樹脂層
3−3 抄紙層
5 基盤樹脂層
10 メス金型
11 オス金型
12 射出成形オス金型
20 射出機
21 射出スクリュー
22 メス金型
30 タンク
31 樹脂溶液
40 テキスタイル/樹脂積層構造ハウジング
41 突出部
42 開口部
Claims (5)
- 盆型の表層と、表層に収容されたクッション層と、前記表層と協働してクッション層を封印すると共に前記表層及び前記クッション層に接着された不織布又は抄紙を含む断熱層と、前記断熱層の不織布又は抄紙の各繊維の隙間に浸潤しつつ前記断熱層に固着された基盤樹脂層とを備えることを特徴とするテキスタイル/樹脂積層構造ハウジング。
- 前記表層は、人工皮革、合成皮革、本革、又はテキスタイルからなる外層と、当該外層に接着樹脂層を介して接着された織布、不織布、又は抄紙からなる内層とから構成されることを特徴とする請求項1に記載のテキスタイル/樹脂積層構造ハウジング。
- 前記クッション層は、クッション材と、当該クッション材に接着樹脂層を介して接着された裏打ち層とから構成されることを請求項2に記載のテキスタイル/樹脂積層構造ハウジング。
- 前記裏打ち層は、織布、不織布、又は抄紙からなることを請求項3に記載のテキスタイル/樹脂積層構造ハウジング。
- 表層を受容する固定金型と、前記積層体を成形するために当該受容された積層体を前記固定金型の中に押し込むように前記固定金型に向けて移動される可動金型と、前記成形された表層、当該表層に収容されたクッション層、及び前記表層と協働してクッション層を封印すると共に不織布又は抄紙を含む断熱層の積層体を前記断熱層を表にして受容する他の固定金型と、前記他の固定金型に受容された積層体に向けて移動される射出成形金型と、前記他の固定金型に受容された積層体と前記射出成形金型とで規定される空間に基盤樹脂層の樹脂溶液を射出する射出手段とを備えることを特徴とするテキスタイル/樹脂積層構造ハウジングの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015142487A JP2017013478A (ja) | 2015-07-01 | 2015-07-01 | テキスタイル/樹脂積層構造ハウジング及びその製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015142487A JP2017013478A (ja) | 2015-07-01 | 2015-07-01 | テキスタイル/樹脂積層構造ハウジング及びその製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017013478A true JP2017013478A (ja) | 2017-01-19 |
Family
ID=57829621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015142487A Pending JP2017013478A (ja) | 2015-07-01 | 2015-07-01 | テキスタイル/樹脂積層構造ハウジング及びその製造装置 |
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Country | Link |
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