JP2017013422A - 画像記録方法 - Google Patents

画像記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017013422A
JP2017013422A JP2015134254A JP2015134254A JP2017013422A JP 2017013422 A JP2017013422 A JP 2017013422A JP 2015134254 A JP2015134254 A JP 2015134254A JP 2015134254 A JP2015134254 A JP 2015134254A JP 2017013422 A JP2017013422 A JP 2017013422A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
water
ink
acid
salt fine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015134254A
Other languages
English (en)
Inventor
健司 新庄
Kenji Shinjo
健司 新庄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015134254A priority Critical patent/JP2017013422A/ja
Publication of JP2017013422A publication Critical patent/JP2017013422A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】水性インクを用いた記録媒体の画像形成において、高濃度かつ高精細な画像を形成すると共に、記録媒体のこし感や色味等の風合いを損なうことなく水性インク付与による記録媒体の変形(特にコックリング現象)を十分に抑制し、扱い易い印刷物を得ることができる画像記録方法の提供。【解決手段】記録媒体に、少なくともジアミンと多価カルボン酸との重縮合物の塩であり且つ主鎖にアミド結合を有するポリアミド塩微粒子を付与する工程と、前記ポリアミド塩微粒子を付与した記録媒体に、水性インクを付与する工程と、を有することを特徴とする画像記録方法。【選択図】図1

Description

本発明は、水性インクを用いる画像記録方法に関する。
水性インクを用いる画像記録方法(画像形成方法)としては、インクジェット方式による方法が知られている。インクジェット方式による画像記録方法によれば、現像処理が不要であり、高精細な画像を高速で形成することができる。近年はフルカラーの多色インクジェット記録方式技術が発達し、製版方式による多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較して遜色のない多色画像を形成することも可能である。更に、インクジェット方式による画像記録方法によれば、作製部数が少ない場合においても、通常の多色印刷や印画よりも安価に印刷物が得られる。そこで、インクジェット方式による画像記録方法は、チラシ、パンフレット、ならびに、一般オフィスにおけるビジネス用の印刷物等、種々のフルカラー記録物の形成に利用されるようになってきている。
一方、インクジェット方式等の水性インクによる画像記録方法を、上述したような種々の記録物の形成に利用する場合には、種々の記録媒体に適用可能であることが求められる。インクジェット方式による画像記録に用いる記録媒体としては、普通紙、コート紙、光沢紙など様々なものが市販されている。例えば、一般のオフィスでのビジネス用途では低価格の普通紙を用いることが多い。また、近年、大量印刷用途への展開に伴い、油性印刷インキに対応した印刷用紙への記録性能が要求され始めている。
これら普通紙や印刷用紙の基材となる紙は、通常、セルロース繊維を主体として形成されており、水分の吸収および蒸発によって生じる、繊維の膨潤および不均一な収縮等により変形を生ずる。この水分の吸収が原因となる変形としては、コックリング現象(波打ち現象)やカール現象等が知られている。この水分吸収による記録媒体の変形が顕著な場合には、記録媒体に形成された画像の品位が損なわれるばかりでなく、記録物の平坦性が失われて取扱い性が低下するという課題が生じる。従って、このような紙を基材とする記録媒体については、水性インクの吸収による課題を解決する必要があり、記録媒体にとりわけ多くの水性インクが付与された際に生じる変形を防止しなければならない。特に、水分付与によるセルロース繊維間膨潤(紙の膨潤)がきっかけとなって生ずるコックリング現象を緩和および抑制することが重要である。さらには、印字中の記録媒体の変形はもとより、印字後、水分が蒸発し、記録媒体が乾燥することによって起こる印字後の記録媒体の変形、特にカール現象の防止が重要になってくる。
カール現象によって、記録物に反りが発生したり、記録物が丸まってしまったりすることにより、記録物の平坦性が失われ、それにより記録物を積み重ねる際やファイリングする際に様々な不具合を生じることが知られている。そのため、この印字後の変形であるカール現象を緩和および抑制する方法として、従来幾つかの方法が提案されている。しかしながら、印字中の水分付与による記録媒体の膨潤から生ずるコックリング現象を抑制する方法については殆ど報告されていない。
コピー用紙等の記録媒体の膨潤を防止する方法として、特許文献1には、グリセリン系化合物を含む水性インクを付与する前に、記録媒体に予め1価アルコールを付与する方法が開示されている。特許文献1では、記録媒体に予め1価アルコールを付与することによって繊維間の水素結合を保護して膨潤を抑制し、さらにグリセリン系化合物を含む水性インクを用いることによって、記録物におけるカール現象の発生を防止している。
また、特許文献2では、以下の方法が開示されている。まず、インクを凝集する処理液(以降、反応液と称する場合がある)を記録媒体に塗布し、その塗布後5秒以内に記録媒体上に付与された処理液を乾燥させる。その後、記録媒体上に付与された処理液上に重なるようにインクを付与して、インクを凝集させ、インクの記録媒体への浸透を抑制している間に、インク中の水分を乾燥させる。この方法によって、特許文献2では、カール現象の発生を抑制している。
また、特許文献3では、記録媒体へ水性インクが浸透しないように、酸および樹脂微粒子等を含む反応液を記録媒体上に付与することによって、水性インクの記録媒体への浸透を遮断する層を設け、カール現象の発生を防止している。
特開2009−269358号公報 特開2009−226848号公報 特開2009−241586号公報
しかし、本発明者らが特許文献1〜3に記載の各方法を検討したところ、用いる記録媒体の種類を変えると、水性インク付与後の記録物におけるカール現象の発生に対する抑制傾向は観察されるものの、コックリング現象の抑制については不充分な場合があった。さらに、特許文献1〜3の各方法で印刷物を作製すると、印刷物の風合いが損なわれたり、印刷物同士が付着するブロッキング現象が生じたりする場合があった。
本発明らの検討によると、特許文献1の方法では、カール現象はある程度抑制できるが、インクの滲みなど画像に課題が生じる場合があり、さらに、この方法で作製した印刷物は、インク中に含まれる親水性の溶剤が印刷物のこしを弱くする場合があった。
また、特許文献2および3の各方法では、インクを凝集するために酸を含有する反応液を記録媒体上に塗布する。このため、印刷物がかたくなる現象が発生する場合があり、印刷物としての手触りに違和感が生じる場合があった。さらに、記録媒体上に塗布した反応液が残留することでブロッキング現象が発生する場合があり、記録媒体が劣化したり黄変したり記録媒体がもろくなってしまう場合があった。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決するために成されたものであり、水性インクを用いた記録媒体の画像形成において、以下のことを目的とする。即ち、高濃度かつ高精細な画像を形成すると共に、記録媒体のこし感や色味などの風合いを損なうことなく水性インク付与による記録媒体の変形(特にコックリング現象)を十分に抑制し、扱い易い印刷物を得ることができる画像記録方法の提供にある。
上記課題を解決するための本発明にかかる画像記録方法は、
記録媒体に、少なくともジアミンと多価カルボン酸との重縮合物の塩であり且つ主鎖にアミド結合を有するポリアミド塩微粒子を付与する工程と、前記ポリアミド塩微粒子を付与した記録媒体に、水性インクを付与する工程と、を有することを特徴とする。
本発明により、水性インクを用いた記録媒体への画像形成において、以下の方法を提供できる。即ち本発明により、高濃度かつ高精細な画像を形成すると共に、記録媒体のこし感や色味などの風合いを損なうことなく水性インク付与による記録媒体の変形(特に、コックリング現象)を十分に抑制し、扱い易い印刷物を得ることができる画像記録方法を提供できる。
インクジェット方式による画像形成装置の一例(実施例に用いた画像形成装置)の構成を説明するための断面模式図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
まず、本発明に至った経緯を説明する。本発明者らは、紙を基材とする記録媒体について、水性インク等の水性液体を付与した後の変形を抑制することを目的に検討を始めた。
紙を基材とする記録媒体が、水性インクを用いた画像形成後に変形を起こす要因は以下のように考えられている。上述したように、記録媒体の基材として用いられる紙は、通常、セルロール繊維を主体として形成されており、このセルロース繊維同士が無数の水素結合によって引き合って結合することにより、紙としての形状を保ち、強さを保持している。一方、水分子はセルロース繊維と最も水素結合し易く、水分子が紙中の水素結合しているセルロース繊維の間に入り込むと、セルロース繊維は水分子との水素結合を形成し、セルロース繊維同士の水素結合が壊れるため、紙は膨潤する。
また、紙は一般的に抄紙により製造されるため、セルロース繊維の大部分はパルプスラリーの流れる方向に並び、紙中ではいわば強制的に配向させられた状態になる。その結果、水分吸収による膨潤に基づく紙のサイズ変化は、セルロース繊維の配向方向とそれに直交する方向とでは大きく異なる。セルロース繊維自体の水吸収による膨潤の程度はそれほど大きくなく、セルロース繊維の配向方向(紙の縦目であることが多い)におけるサイズ変化は比較的小さい。これに対して、配向されたセルロース繊維間の水素結合が破壊されて、これらの間に水分子が入り込むと、配向されたセルロース間の距離が増大し、すわち、配向方向に直交する方向(紙の横目である場合が多い)における膨潤によるサイズ変化が大きくなる。また、水分付与量が多い紙面において水分吸収による膨潤が大きくなると、紙は水分付与した面(おもて面)とは反対側の面(裏面)側に反り、波打ち(コックリング現象)を起こす。
更に、一度水分吸収した紙では、乾燥により水分が蒸発すると、セルロース繊維自体及び配向するセルロース繊維間の再収縮が始まり紙は再び縮む。その際には水分付与以前の長さより短くなる。よって、紙は水分を付与した面側(おもて面側)に次第に反り、新たな紙変形(カール現象)が発生する。この現象は恐らく、紙が、機械で抄紙した際の不自然なストレスのある状態には戻らないで、逆にストレスを解消し自然な状態になろうとしているために生じるのではないかと本発明者らは推察している。
そこで、本発明者らは、コックリング現象等の変形における根本的な原因が水分付与により最初に起こる紙の膨潤現象ではないかと考えた。そして、本発明者らは、水分の浸透を遮断し、記録媒体が膨潤しないようにセルロース繊維を保護できる材料を探索することとし、その際、以下の項目も併せて検討した。
(1)保護材料自体が、記録媒体のこし感変化や色味変化(白色度変化、隠ぺい性変化および黄変)などの風合い変化を起こさない点。
即ち、保護材料は、風合い変化が認知できないレベルの材料種であるか、または、風合い変化に影響を与える保護材料である場合は、風合い変化が生じない程度に塗布量を調節する必要がある。
(2)保護材料が水性インクの画像形成を阻害しない点。
例えば、保護材料に撥水性がある場合、水性インクをはじいてしまい、画像形成を阻害することがある。従って、保護材料は、インクの滲みをコントロールし画像形成に寄与する材料であることが好ましい。
以上より、本発明者らは、記録媒体表面(表層)に予め適量保護材料を存在させ、この保護材料上に水分を含む水性インクを固定することが必要であると考えた。
本発明者らは、上記の各項目に基づいて鋭意検討を重ね、本発明に至った。すなわち、表面に特定の保護材料(ポリアミド塩微粒子)を適量(例えば組成物の形態で)塗布した記録媒体に、水性インクを付与すると瞬時にゲル化することを見出した。本発明者らはこのことを利用し、画像形成を損なわず、記録媒体の変形を抑制する方法を発明するに至った。
本発明者らは、少なくともジアミンと多価カルボン酸との重縮合物の塩であり且つ主鎖にアミド結合を有するポリアミド塩微粒子(例えば、ポリアミドアミン塩微粒子)を、記録媒体に適量塗布し、この状態で記録媒体の変形を観察した。その結果、膨潤変形は生じず、記録媒体のこし感、手触り感および色味などの風合いの変化も生じなかった。なお、上記ポリアミド塩微粒子に水性インク等の水性液体を付与すると、ゲル化する現象が確認された。
その後、この状態で、記録媒体に、水性インクを用いるインクジェットプリンタで3ポイントの文字を印字し、インクが滲んだり、はじいたりせず文字が読めることを確認した。
さらに、上記ポリアミド塩微粒子を塗布した記録媒体に黒ベタ画像を記録し、画像記録中から画像記録後の経時的な記録媒体の形状変化を観察した。その結果、画像記録中から画像記録後1週間以上経過しても記録媒体に変形を生ずることはなかった。
つまり、本発明では、紙(例えばセルロース繊維を含む紙)を基材とする記録媒体(普通紙や印刷用紙等)に対して、予め少なくとも1種の上記ポリアミド塩微粒子を記録媒体に付与する。これにより、水性インク付与による記録媒体の風合いを損なうことなくコックリング変形を十分に抑制し、作製した印刷物を扱い易くすることができる。
なお、詳細なメカニズムは不明だが、本発明者らは、縮合重合(重縮合)により得ることができるポリアミドの塩である上記ポリアミド塩微粒子は、水分との相互作用、および、極性の高い材料(色材及び樹脂等)との相互作用の両方の作用によって、ゲル化するのではないかと推察している。即ち、ポリアミド塩微粒子に水分が付与されると、その構造中の疎水部が会合することによってゲル化するのではないかと推察している。また一方で、ポリアミド塩微粒子は、ポリマー主鎖内にあるアミド結合の水素結合性が強いため、極性の高い色材や樹脂との大きな相互作用により吸着し、同時に効果的にポリアミド塩微粒子同士の水素結合が進み、凝集網目構造をとるため、瞬時にゲル化するのではないかと推察している。
<<画像記録方法>>
以下に、本発明にかかる画像記録方法について説明する。本発明の画像記録方法は、以下の工程を有する。
記録媒体に、少なくともジアミンと多価カルボン酸との重縮合物の塩であり且つ主鎖にアミド結合を有するポリアミド塩微粒子を付与する工程(ポリアミド塩微粒子付与工程)。
前記ポリアミド塩微粒子を付与した記録媒体に、水性インクを付与する工程(水性インク付与工程)。
なお、本発明の画像記録方法は、画像記録の目的に応じて、記録媒体に反応液(例えば、水性反応液)を付与する工程(反応液付与工程)を有することもできる。この反応液付与工程は、例えば、ポリアミド塩微粒子付与工程と、水性インク付与工程との間に、または、水性インク付与工程と同時に行うことができる。このように、反応液を用いることにより、記録画像におけるブリーディングやビーディング等の発生をより抑制して高品質な画像を容易に得ることができる。
また、本発明の画像記録方法は、画像中(画像を構成する水性インク中)の液体成分(水分や揮発性の液体成分)を減少させる工程(液体成分除去工程(乾燥工程))を有することもできる。この液体成分除去工程は、例えば、水分インク付与工程と同時にまたはその後に行うことができる。
特に、高速印刷を行う場合、液体成分が過剰であると余剰液体がはみ出したり、あふれ出したりして、画像乱れや印刷物を重ねる場合における印刷物同士のブロッキング等を生じさせ易くなる場合がある。このため、上記液体成分除去工程を設けることにより、画像乱れやブロッキング等を容易に防ぐことができる。
さらに、本発明の画像記録方法は、記録物における画像の定着性を高めるための、定着工程を有することもできる。定着工程は、例えば、水性インク付与工程後、あるいは、液体成分除去工程と同時にまたはその後に行うことができる。
以下に各工程を説明する。
<ポリアミド塩微粒子付与工程>
本発明の画像記録方法では、まず、記録媒体に、ポリアミド塩微粒子を付与する。この際、ポリアミド塩微粒子は、ポリアミド塩微粒子を少なくとも1種含む組成物(ポリアミド塩微粒子組成物)の形態で、記録媒体に付与されることが好ましい。即ち、ポリアミド塩微粒子組成物を記録媒体に付与することにより、ポリアミド塩微粒子を記録媒体に付与することが好ましい。
この工程に用いる各材料について以下に説明する。
(記録媒体)
本発明では、記録媒体として、画像記録方法(例えば、インクジェット記録方法)の分野で公知の種々の記録媒体を用いることができる。この記録媒体としては、例えば、セルロース繊維を含む紙を基材とする記録媒体や、セルロース繊維を用いない、無機顔料主体の多孔質体や膨潤型のメディア等を挙げることができる。
しかしながら、本発明では、記録媒体として、セルロース繊維を含む紙を基材とする、普通紙、インクジェット用のコート紙、油性インク用の印刷用紙またはコート紙等の記録媒体を用いることが好ましい。なお、記録媒体は、セルロース繊維を含む紙(基材)のみからなることもできる。また、記録媒体の基材として用いられる紙は、セルロース繊維を主体(主成分)として形成されることができる。ここで、主成分とは、対象(ここでは、紙(基材))に含まれる成分の中で最も含有量の多い成分のことを意味する。
これらの記録媒体であれば、ポリアミド塩微粒子の記録媒体への付与と、本発明にかかる変形防止、風合い変化防止、および印刷品位向上とをより効果的に行うことができる。特に、水性インクの記録媒体への付与量が多くなる画像記録、並びに、水性インクに加えて水性反応液を記録媒体に付与し、画像記録時における記録媒体中での水分含量が多くなる画像記録における記録媒体の変形防止をより効果的に行うことができる。
(ポリアミド塩微粒子組成物)
上述したように、本発明においては、上記ポリアミド塩微粒子を、組成物(ポリアミド塩微粒子組成物)の形態で用いることができる。
なお、ポリアミド塩微粒子組成物は、記録媒体に付与可能で、かつ基材としての紙中に浸透可能な粘度等の物性を有することが好ましい。
このことから、ポリアミド塩微粒子組成物は、上記ポリアミド塩微粒子の他に、例えば、分散媒及び界面活性剤等を含むことができる。なお、ポリアミド塩微粒子組成物中のポリアミド塩微粒子の合計含有割合(濃度)は、ゲル化効果の観点から0.01質量%以上が好ましく、組成物分散安定性の観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
・ポリアミド塩微粒子
本発明に用いるポリアミド塩微粒子は、少なくとも、ジアミンと、多価カルボン酸とを用いて作製した重縮合物(ポリアミド)の塩であり、化学構造中の主鎖にアミド結合を有する。
また、上記ポリアミド塩微粒子は、水分等によってゲル化することにより記録媒体への水性インクの浸透を抑制する保護材料として作用することができる。
上記ポリアミド塩微粒子は、例えば、ジアミンと多価カルボン酸との重縮合物であるポリアミドを塩基で中和した、ポリアミドの塩基中和物からなる微粒子であることができる。具体的には、特許第3564259号公報記載の方法に準じ、多価カルボン酸とジアミンとを反応(重縮合)して得られるポリアミドを中和用塩基により中和し水系分散媒(水を主体とする分散媒)中に分散させて得ることができる。
なお、主鎖とは、鎖状化合物の主要な炭素鎖(基本母体とみなされる炭素鎖)であることができる。また、上記ポリアミド塩微粒子は、例えば、後述する粒子径が、1〜100nmレベル(オーダー)の粒子、好ましくは10〜100nmレベルの粒子であることができる。また、多価カルボン酸とは、価数が2価以上(1分子中のカルボキシル基の数が2つ以上)のカルボン酸であることができる。ポリアミド塩微粒子は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ポリアミド塩微粒子(より具体的にはポリアミド)を作製する際に用いる多価カルボン酸としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸及びテトラカルボン酸などの多価カルボン酸を使用することができる。特に、ジカルボン酸を使用するのが好ましい。なお、上記ポリアミド塩微粒子を作製する際に、ジカルボン酸等の多価カルボン酸と共に、モノカルボン酸を使用することもできる。即ち、ポリアミド塩微粒子は、ジアミンと、多価カルボン酸と、モノカルボン酸との重縮合物(ポリアミド)の塩からなることができる。
ジカルボン酸の例としては、ダイマー酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸等が挙げられる。
トリカルボン酸の例としては、クエン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、トリマー酸等が挙げられる。
テトラカルボン酸の例としては、ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、テトラマー酸等が挙げられる。
モノカルボン酸の例としては、酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
ポリアミド塩微粒子を作製する際に用いるジアミンとしては、例えば、以下のものを挙げることができる。エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4‘−ジアミノフェニルメタン、ダイマージアミン等の1級アミンのジアミン化合物。
本発明に用いるポリアミド塩微粒子は、ゲル化に必要な疎水性部位導入と極性の鎖状アミド結合導入の観点から、ダイマー酸(脂肪酸の二量体)の少なくとも1種と、1級アミンのジアミン化合物の少なくとも1種との反応で得られる化合物の塩であることが好ましい。ダイマー酸は不飽和脂肪酸を2量化して得られるものであり、構造としては、例えば、トール油脂肪酸の2量体化合物の炭素数36の化合物である下記構造等を挙げることができる。
Figure 2017013422
ポリアミド塩微粒子を作製する際に用いた、カルボン酸(例えば、モノカルボン酸及び多価カルボン酸)とジアミンとの合計のモル比率は、生成したポリアミドが中和用塩基によって中和できるように、カルボン酸が過剰になるように使用することが望ましい。
上記カルボン酸とジアミンとから得られるポリアミドは、水との親和性とゲル化のバランスの観点から、酸価が5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。
ポリアミドの中和に用いる中和用塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどのアミン化合物、ならびに、水酸化ナトリウムのような無機塩基等の一般的に使用される塩基が挙げられる。しかしながら、中和用塩基は、耐水性の観点から、アミン化合物であることが好ましい。即ち、本発明に用いるポリアミド塩微粒子は、ポリアミドアミン塩微粒子であることが好ましい。
本発明に用いるポリアミド塩微粒子は、効果的に作用するために、水性インクで用いる顔料分散体や樹脂粒子分散体の粒子径よりも小さい粒子径のものを使用することが好ましい。具体的には、ポリアミド塩微粒子は、100nm以下の粒子径のものが好ましく、さらに50nm以下の粒子径のものがより好ましい。また、紙の風合保持の観点から、ポリアミド塩微粒子は、20nm以下の粒子径のものがさらに好ましい。また、ポリアミド塩微粒子の粒子径は、分散安定性の観点から、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。
なお、ポリアミド塩微粒子の粒子径は、例えば、以下の方法で測定することができる。即ち、まず、ポリアミド塩微粒子(必要に応じて、ポリアミド塩微粒子を、水を主体とする媒体中に分散させたポリアミド塩微粒子分散体)を純水で50倍(体積基準)に希釈したサンプルを作製する。続いて、このサンプルを、UPA−EX150(商品名、日機装製)を使用して、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定することにより、粒子径を特定することができる。また、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影されたポリアミド塩微粒子の中から任意に選択した、粒子100個の直径の測定(画像解析)により算出した平均値を求めることにより、粒子径を特定することができる。なお、ポリアミド塩微粒子として、市販品のポリアミド塩微粒子分散体を用いる場合は、ポリアミド塩微粒子の粒子径を測定する際に、ポリアミド塩微粒子の代わりに、このポリアミド塩微粒子分散体を用いて、粒子径を測定することができる。このポリアミド塩微粒子分散体の作製方法については、例えば、特許第3564259号公報に記載がある。
また、ポリアミド塩微粒子を得る際の水系分散媒としては、水の他に必要に応じて有機溶剤を含有してもよい。この有機溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、並びに、ケトン類、エステル類、エーテル類、アルコール類等を挙げることができる。より具体的な例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類が挙げられる。
・その他の含有物
上述したように、ポリアミド塩微粒子組成物は、ポリアミド塩微粒子を記録媒体に付与可能な液体状にするために、上述の分散媒、並びに界面活性剤、アミドワックス、及び、水素添加ひまし油等を含むことができる。界面活性剤としては、特に限定されないが、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げることができる。アミドワックス、及び、水素添加ひまし油は、例えば特開2012−111832号公報記載の化合物を使用することができる。
また、ポリアミド塩微粒子組成物中での分散性、消泡性、及び塗布状態の均一性などの改善を目的として、ポリアミド塩微粒子組成物に各種補助剤を加えることができる。
ポリアミド塩微粒子組成物の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。楠本化成株式会社製、ディスパロンAQ−580、AQ−600、AQ−607、AQ−610、AQ−630及びAQ−870(いずれも商品名)。伊藤製油株式会社製のA−S−A TW121、A−S−A TW−122、A−S−A TW−123及びA−S−A TW−124(いずれも商品名)等。
なお、これらの市販のポリアミド塩微粒子組成物を用いる場合、粘度を調整して記録媒体に付与し易くするために、さらに希釈溶媒を添加したものを、記録媒体に付与するポリアミド塩微粒子組成物(ポリアミド塩微粒子前処理液)として用いることができる。この希釈溶媒としては、例えば、水、上記に示すような有機溶剤を含む水を主体とした分散溶剤混合液(例えば、2−エチルヘキシルアルコール/水混合溶媒、およびプロピレングリコールモノチルエーテル/水混合溶媒等)を挙げることができる。
(ポリアミド塩微粒子付与方法)
記録媒体に、ポリアミド塩微粒子を、例えばポリアミド塩微粒子組成物(例えば、水を主体とした溶剤により、市販のポリアミド塩微粒子組成物を液体状態に調整したポリアミド塩微粒子前処理液)として、付与する方法としては、従来知られている各種手法を適宜用いることができる。この方法の例としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。即ち、ダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアローラーを用いる手法、オフセットローラーを用いる手法、スプレーコーティング等が挙げられる。また、インクジェットデバイスを用いて付与する方法、ポリアミド塩微粒子組成物をミスト化する霧化機を用いて付与する方法、化学蒸着、物理蒸着法などで付与する方法等も好適である。さらに、例えば、以下の方法も好適である。即ち、まず、セルロース繊維への水素結合性が弱い又は揮発性の高い有機溶媒に、市販のポリアミド塩微粒子組成物を溶解又は分散させて、ポリアミド塩微粒子前処理液を調製する。そして、この前処理液に記録媒体を浸漬させることによって、ポリアミド塩微粒子を記録媒体に付与する方法である。この有機溶媒としては、例えば、一価のアルコール類、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類などを好適に用いることができる。さらに、本発明では、いくつかのこれらの付与方法を複数組み合わせることも極めて好適である。
記録媒体に対するポリアミド塩微粒子の付与量(塗布量)、すなわち合計付与量は、基材としての紙の形状、触感及び見た目の風合いに影響を与えない観点、即ち、変形、こし感、手触り感、変色等の変化を生じさせない観点から、0.3g/m以下の少量塗布であることが好ましい。
さらに、記録媒体に対するポリアミド塩微粒子の付与量は、0.1g/m以下であることがより好ましい。また、記録媒体に対するポリアミド塩微粒子の付与量は、ゲル化効果発現の観点から、0.01g/m以上が好ましく、0.03g/m以上がより好ましい。
なお、本発明では、記録媒体の水性インクによる記録を行う記録面(記録媒体の互いに対向する2つの面のうちの一方の面または両方の面)において、少なくとも水性インクが付与される部分にポリアミド塩微粒子が付与されていれば良い。しかしながら、選択的にポリアミド塩微粒子を付与することは困難であることから、それ以外の部分にポリアミド塩微粒子を付与することもでき、例えば、記録媒体の記録面全体(全面)に、ポリアミド塩微粒子を付与(塗布)することもできる。本発明では水性インクが付与されない記録媒体部分にポリアミド塩微粒子が付与されていても、作製された印刷物の風合いに影響を及ばすことなく、印刷物の変形等に対する抑制効果を発現できることが大きな特徴である。
<反応液付与工程>
水性インクを付与する前に、水性インクを高粘度化する成分(高粘度化成分)を含有する反応液を記録媒体に塗布してもよい。ここで、水性インクの高粘度化とは、水性インクを構成している成分である色材や水溶性樹脂等が高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的吸着に吸着して、水性インクの粘度上昇が生じることをいう。この水性インクの高粘度化には、水性インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材など成分が凝集することにより局所的に粘度上昇を生じる場合も含まれる。この高粘度化成分は記録媒体での水性インクの流動性を全体的に、あるいは部分的に低下させて、画像形成時のブリーディング、ビーディングを抑制する効果がある。
(反応液)
反応液は、少なくとも高粘度化成分と水性媒体とを用いて調製することができる。また、反応液には、各種樹脂を添加することもできる。
・高粘度化成分
高粘度化成分としては、例えば、以下のものから、用いる水性インクの組成に応じて適宜選択することができる。即ち、インクジェット記録用の水性インクと組み合わせて上述した効果を発揮し得る成分として知られている、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー及び多孔質性微粒子等。これらの高粘度化成分は、1種を単独で用いても良いし、複数種を併用しても良い。
高粘度化成分として使用できる金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。
高粘度化成分として使用できる有機酸としては、例えば、レブリン酸、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。
高粘度化成分として使用できるカチオンポリマーとしてポリアリルアミン、ポリビニルアミン、これらを含む共重合体、及びその塩などの1級アミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、これらを含む共重合体、及びその塩などの2級アミン樹脂等が挙げられる。
なお、反応液中の高粘度化成分の含有量は、反応液全質量(100質量%)に対して、水性インクの反応性発現の観点から5質量%以上であることが好ましい。また、反応液中の高粘度化成分の含有量は、高粘度化の観点から、15質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
・水性媒体
水性媒体としては、水、あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物を用いることができる。水は、反応液の安定性の観点からイオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、有機溶剤としては、例えば、後述の水性インクに用いることができる水溶性有機溶剤から目的とする作用効果が得られるものを、1種あるいは2種以上選択して用いることができる。
・樹脂
反応液は、樹脂を含有することができ、反応液中に樹脂を添加しておくことで、転写時の記録媒体への転写性を助長する物としたり、最終画像の機械強度を高めたりすることが可能であり好適である。樹脂として用いられる材料は、インク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無いが、例えば、水溶性または水分散性のカチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー等を用いることができる。
(反応液付与方法)
上記反応液は、上述したポリアミド塩微粒子組成物の付与方法と同様の方法を用いて、記録媒体に付与することができる。
なおこの際、記録媒体の水性インクによる記録を行う記録面において、少なくとも水性インクが付与される部分に反応液が付与されていれば良い。しかしながら、それ以外の部分に反応液を付与することもでき、例えば、記録媒体の記録面全体(全面)に反応液を付与(塗布)することもできる。
<水性インク付与工程:画像記録工程>
次に、ポリアミド塩微粒子ならびに必要に応じて反応液を付与した記録媒体に、水性インクを付与して画像記録を行う。その際、水性インクは、記録媒体において、ポリアミド塩微粒子(反応液を付与する場合は反応液も)が付与された部分に付与するようにする。なお、上述したように、画像記録の目的に応じて、記録画像におけるブリーディングやビーディング等の発生を抑制して高品質な画像を得るために、水性反応液を水性インクと組み合わせて用いてもよい。
(水性インク付与方法:画像記録方法)
水性インクによる画像記録用の装置としては、インクジェット記録装置を好適に用いることができる。インクジェット記録装置における水性インク吐出方式としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する方式、電気−機械変換体によってインクを吐出する方式、静電気を利用してインクを吐出する方式等がある。本発明に適用できるインクジェット記録装置としては特に制限されない。中でも、高速で高密度の印刷の観点からは、特に、電気−熱変換体を利用したものが好適に用いられる。また、インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの形態及びその操作についても特に制限はない。記録媒体の進行方向と垂直にインクジェットヘッドを走査しながら記録を行ういわゆるシャトル形態のインクジェットヘッドや、記録媒体の進行方向に対し略垂直に吐出口をライン状に配列してなるいわゆるラインヘッド形態のインクジェットヘッドを用いることもできる。
(水性インク)
水性インクは、目的とする画像記録に応じて適宜選択して用いることができる。画像記録にインクジェット記録装置を用いる場合は、インクジェット記録用としての水性インクから目的とする画像記録に適したものを適宜選択して用いることができる。水性インクは、水性媒体(水溶性液媒体)と、色材と、必要に応じて添加される各種添加剤とを含むことができ、これらから構成されることができる。ここで、本発明に用いる水性インクは、アニオン性の官能基を有する染料もしくは自己分散性顔料、ならびに、アニオン性の官能基を有する顔料分散剤のうちのいずれか一つを含むインクであることができる。
なお、水性インクに用いる色材(染料及び顔料)や顔料分散剤は、通常、アニオン性の場合が多いことから、水性インクはアニオン性のインク(アニオン性インク)で有ることができる。なお、水性インクは、例えば、後述するpH調整剤を含むことにより、中性のインク(中性インク)であることもでき、更には酸性のインク(酸性インク)であることもできる。
ここで、色材が染料の場合は、インクのインクジェット安定性や経時安定性の観点から、水性インクは、染料、適量な水および有機溶剤、ならびに界面活性剤などからなることが好ましい。また、色材が顔料である場合は、水性インクは、顔料、顔料分散剤(例えば水溶性樹脂、界面活性剤)、適量の水および有機溶剤のいずれか一方または両方、樹脂粒子、反応促進やバインダー用途の為の水溶性樹脂、表面張力調整の為の界面活性剤、ならびにpH調整剤などからなることが好ましい。
さらに、水性インクには、必要に応じて、カール防止などの特性を得るための水溶性有機化合物、粘度調整剤、防かび剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含有させることもできる。
以下、各成分について説明する。
・色材
色材は、一般に、ブラック、シアン、マゼンタまたはイエロー用の水性インクの調製に用いられる。色材としては、例えば、水溶性染料および水分散性顔料のうちから選択した1種または2種以上を用いることができる。
a)染料
染料としては、例えば、アニオン性の水溶性染料が挙げられる。アニオン性の水溶性染料は、アニオン性基を有する水溶性染料であり、カラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。また、カラーインデックスに記載のない染料であっても、アニオン性基、例えばスルホン基、カルボキシル基、リン酸基等を有するものであれば特に制限はない。
アニオン性基(可溶化基)としてスルホン基を有する染料は、水性インク中に、メディアへの着色性の観点から、好ましくは1質量%以上10質量%以下、より好ましくは1質量%以上5質量%以下の範囲で用いることができる。
また、可溶化基として、カルボキシル基を有する染料(例えば、pHに対して溶解度の依存性を示す染料)は水性インク中に、好ましくは1質量%以上10質量%以下、より好ましくは1質量%以上7質量%以下の範囲で用いることができる。
具体的な染料としては、以下のものが挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。また、これらの染料は、1種を単独で、または2種以上の組合せで用いることができる。
C.I.ダイレクトイエロー 8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、98、100、110。
C.I.ダイレクトレッド 2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、230。
C.I.ダイレクトブルー 1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226。
C.I.アシッドイエロー 1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99。
C.I.アシッドレッド 6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、94、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289。
C.I.アシッドブルー 1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161。
C.I.ダイレクトブラック 17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168。
C.I.アシッドブラック 2、48、51、52、110、115、156。
C.I.リアクティブブラック 1、8、12、13。
C.I.フードブラック 1、2等。
b)顔料
黒色インクに使用される顔料としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、着色性や分散安定性の観点から、例えば、ファーネス法またはチャネル法で製造されたカーボンブラックであって、以下の特性を有するものが好ましく用いられる。即ち、ATSM規格のD3037(30733)のTest Method Cに準拠して測定した一次粒子径が15nm以上40nm以下、BET法による比表面積が50m/g以上300m/g以下、DBP吸油量が40m1/100g以上150m1/100g以下、pH値が2以上9以下等。
上記特性を有するカーボンブラックの市販品としては、例えば、以下のもの等が挙げられ、いずれも好ましく使用することが出来る。
No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上商品名、三菱化成製)。
RAVEN l255(以上商品名、コロンビア製)。
REGAL400R、REGAL 330R、REGAL 660R、MOGUL L(以上商品名、キャボット製)。
Color Black FWl、COLOR BlackFWl8、Color Black Sl70、Color Black Sl50、Printex 35、Printex U(以上商品名、デグッサ製)。
また、イエローインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow74、C.I.Pigment Yellow83、C.I.Pigment Yellow 28等が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.PigmentRed 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.PigmentRed l2、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red ll2、C.I.PigmentRed l22等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.PigmentBlue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue l5:3、C.I.Plgment Blue l6、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。
しかしながら、水性インクに用いることのできる顔料はこれらに限られるものではない。また、これらの顔料は、1種または2種以上の組合せで用いることができる。
以上の他、本発明の為に新たに製造された顔料も勿論、使用することが可能である。
水性インクの色材として顔料が用いられている場合には、顔料の量は、水性インクの全質量に対して、着色性と分散安定性の観点から、好ましくは1質量%以上20質量%以下、より好ましくは2質量%以上12質量%以下の範囲で用いることができる。
・分散剤
色材として顔料を使用する場合に、水性インクには、顔料を水性インク中に分散させるための分散剤を含有させることができる。インクジェット記録装置を用いて画像記録を行う場合の分散剤としては、インクジェット記録に用いられる公知の分散剤であればいずれも使用することができる。例えば、公知のインクジェット用の分散剤の1種または2種以上を組み合せて用いることができる。
分散剤としては、例えば、界面活性剤や水溶性樹脂を用いることができる。
例えば水溶性樹脂を用いる場合、水性インクの粘度の観点から、重量平均分子量が1,000以上30,000以下のものが好ましく、3,000以上15,000以下のものがより好ましい。
分散剤として用いることのできる水溶性樹脂としては、具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、またはランダム共重合体、グラフト共重合体、あるいは、これらの塩等が挙げられる。
さらには、分散剤として、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂(天然水溶性樹脂)も好ましく使用することが出来る。
これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、分散安定性とインクの粘度調整の観点から、水性インク全質量に対して0.1質量%以上5質量%以下の範囲で含有させるのが好ましい。上述したような顔料と、分散剤である水溶性樹脂とは、水性液媒体(水及び有機溶剤のいずれか一方または両方)中に分散または溶解されることができる。
・pH調整剤
特に、上述したような顔料を含有する水性インクの場合には、水性インク全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。これにより、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性をより向上させ、長期保存性に一層優れた水性インクとすることが出来るので好ましい。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々部材の腐食原因となる場合があるので、pHを7以上10以下とすることが望ましい。この際、pHを調製するために、水性インク中にpH調整剤を使用することができる。pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。
・樹脂粒子
上述したように、水性インクには、樹脂粒子(樹脂粒子分散体)を含有することができる。なお、本発明において、「樹脂粒子(樹脂粒子分散体)」とは、分散媒中に、粒径を有する状態で分散して存在する樹脂を意味する。樹脂粒子の50%累積体積平均粒径(D50)は、画質と分散安定性の観点から、10nm以上1,000nm以下であることが好ましく、特に画質の観点から、40nm以上500nm以下であることがより好ましい。尚、本発明において樹脂粒子のD50は、以下の方法で測定することができる。即ち、樹脂粒子分散体を純水で50倍(体積基準)に希釈し、UPA−EX150(商品名、日機装製)を使用して、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定することができる。
また、樹脂粒子のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量は、樹脂皮膜の強度の観点から、10,000以上2,000,000以下であることが好ましい。
また、樹脂粒子を分散させる際の分散の手法については特に制限はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種共重合させた樹脂を用いて分散させた、いわゆる自己分散型樹脂粒子が好適である。ここで解離性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂粒子を分散させたいわゆる乳化分散型樹脂粒子も、同様に本発明に好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらずアニオン性の電荷を持つ公知の材料が好適に用いられる。
水性インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、画質、画像堅牢性の観点から、インク全質量を基準として3質量%以上20質量%以下であることが好ましい。更に、水性インク中の樹脂粒子の含有量は、3質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。また、水性インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、画像定着性の観点から、インク全質量を基準とした際の顔料の含有量(質量%)に対して、質量比率で0.2倍以上100倍以下であることが好ましい。
本発明において、樹脂粒子としては、上述の樹脂粒子の定義を満たすものであれば、何れのものも使用することができる。樹脂粒子に用いられるモノマー(樹脂粒子を構成するモノマー)としては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などで重合可能なモノマーであれば何れのものも用いることが可能である。樹脂粒子としては、用いるモノマーを適宜変更することにより、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、エステル系、エチレン系、ウレタン系、合成ゴム系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、オレフィン系などの樹脂粒子を用いることができる。しかしながら、これらの中でも、アクリル樹脂粒子、およびウレタン樹脂粒子のいずれか一方または両方を樹脂粒子として用いることが好ましい。なお、水性インクとして、アニオン性インクを使用する際には、樹脂粒子として、アニオン性の樹脂粒子を用いることが好ましい。アニオン性の樹脂粒子としては、例えば、下記に示すモノマーを重合してなる、親水性と疎水性を持つアクリル樹脂微粒子を挙げることができる。
アクリル樹脂粒子に具体的に使用可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、アンゲリカ酸、イタコン酸、フマル酸などのα,β−不飽和カルボン酸及びその塩;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノブチル、イタコン酸ジメチルなどのα,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、マレイン酸モノアミド、クロトン酸メチルアミドなどのα,β−不飽和カルボン酸のアルキルアミド化合物;スチレン、α−メチルスチレン、フェニル酢酸ビニル、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのアリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物;エチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレートなどの多官能アルコールのエステル化合物などが挙げられる。
なお、樹脂粒子は、単一のモノマーが重合した単重合体で構成されていても良く、2種以上のモノマーが重合した共重合体で構成されていても良い。樹脂粒子が共重合体からなる場合は、その共重合体は、ランダム共重合体であっても良いし、ブロック共重合体であっても良い。しかしながら、分散安定性と画像堅牢性の観点から、親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを用いた共重合体から構成される樹脂粒子を用いることが好ましい。親水性モノマーとしては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸及びその塩が挙げられ、疎水性モノマーとしては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物、アリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物が挙げられる。
ウレタン樹脂粒子は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であるポリイソシアネートと、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であるポリオール化合物とを反応させて合成する樹脂粒子である。本発明においては、上述した樹脂粒子の条件を満たすものであれば、公知のポリイソシアネート化合物と公知のポリオール化合物とを反応させて得られるウレタン樹脂粒子を何れも用いることができる。
一方、樹脂粒子の構造としては、例えば、単層構造、ならびに、コアシェル構造などの複層構造が挙げられる。本発明においては、メディアへの定着性とインク分散安定性の両立の観点から、複層構造の樹脂粒子を用いることが好ましい。特に、コアシェル構造を有する樹脂粒子を用いることがより好ましい。樹脂粒子がコアシェル構造を有することで、コア部分とシェル部分とで明確に機能分離がされる。コアシェル構造を有する樹脂粒子は、単層構造の樹脂粒子と比較して、より多くの機能をインクに付与することができるという利点がある。
・水溶性液媒体
水性インクの液媒体には、水、あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物を用いることができる。インクの安定性の観点から、水はイオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1以上4以下のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2個以上6個以下の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、インクの保湿性や色材との親和性の観点から、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルを用いることが好ましい。また、これらは必要に応じて2種以上の組合せで用いることができる。
(水性インクの調製方法)
・水性顔料インク
上述したような顔料が含有された水性インク(水性顔料インク)は、例えば、以下の方法により調製することができる。
ます始めに、分散剤としての水溶性樹脂と水とが少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加し、撹拌する。その後、後述の分散手段を用いて、媒体中に顔料の分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液に、サイズ剤、及び、上記で挙げた様な添加剤成分を適宜選択して加え、撹拌することにより、本発明で使用することのできる水性インクを得ることができる。
なお、分散剤として上述したようなアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、これらの樹脂を溶解させる為に、水性インク中に塩基を添加することができる。この際の塩基類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、ならびに、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。これらの塩基はいずれも好ましく使用することができる。これらの塩基は1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、水性顔料インクを調製する際、顔料を添加した水性媒体を撹拌分散処理する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。プレミキシング操作を行うことにより、顔料表面の濡れ性を一層改善し、顔料表面への分散剤の吸着をより促進することが出来る為、好ましい。
顔料の分散処理の際に使用することのできる分散機は、一般に使用される分散機なら、何れのものも使用することができ、特に限定されない。分散機としては、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、分散効率の観点から、高速型のサンドミルが好ましく使用される。高速型サンドミルとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
なお、水性顔料インクをインクジェット記録方法に使用する場合には、耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料が通常用いられる。ここで、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、例えば、以下の手法を挙げることができる。即ち、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくする方法、粉砕メディアの充填率を大きくする方法、処理時間を長くする方法、吐出速度を遅くする方法、粉砕後フィルターや遠心分離機等で分級する方法、及び、これらの手法の組合せる方法等の手法が挙げられる。
・水性染料インク
上述したような染料が含有された水性インク(水性染料インク)は、染料を安定的に溶解状態にするために、上記にあげられた水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、染料を配合し、攪半混合することにより得られることができる。
(水性インクの物性)
水性インクは、インクジェット吐出条件での温度付近(例えば25℃)で、以下の物性を有することが好ましい。即ち、水性インクのpHは、染料または顔料分散体の安定性の観点から、3以上12以下であることが好ましく、長期保存の観点から、7以上10以下であることがより好ましい。また、水性インクの表面張力は、印刷媒体へのぬれ性の観点から、10dyn/cm(mN/m)以上60dyn/cm以下であることが好ましく、印刷媒体へのぬれ性、浸透性の観点から、10dyn/cm以上40dyn/cm以下であることがより好ましい。水性インクの粘度は、インクジェット吐出性の観点から、1cps(mPa・s)以上30cps以下であることが好ましい。また、水性インクの温度コントロールを行わないインクジェット記録装置の室温付近(例えば25℃)での吐出安定性の観点から、水性インクの粘度は、1cps以上5cps以下であることがより好ましい。
<液体成分除去工程(乾燥工程)>
次に、必要に応じて、記録媒体に記録された画像中の液体成分(水分や揮発性の液体成分)を減少させる。液体成分除去方法としては各種の手法がいずれも好適に適用できる。液体成分除去方法としては、具体的には、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法、またこれらを組み合わせる手法がいずれも好適に用いられる。さらに、画像中の液体成分の減少を、自然乾燥により行うことも可能である。
<定着工程>
さらに、必要に応じて、画像が記録された記録媒体(記録物)における画像の定着性を高めても良い。画像の定着方法としては、種々の方法が適用でき、例えば、画像記録が行われた記録物をローラで加圧する方法、記録物を加熱することにより定着性を向上させる方法を好適に用いることができる。無論、加熱ローラを用いて、画像の乾燥及び定着を同時に行ってもよい。この場合、上記液体成分除去工程と、定着工程とを1つの操作で行うことができる。
<<画像記録装置>>
本発明にかかる画像記録方法に用いることのできる画像記録装置の一例を図1に示す。図1に示す画像記録装置は、記録媒体搬送手段(搬送装置)2を有し、この搬送手段によって記録媒体1を順次各処理工程へ搬送して画像記録を行う構成を有する。図1は、画像記録装置の構成を模式的に示したものである。
この装置における搬送手段2は、矢印で示された方向に、駆動装置(不図示)により設けられている。この方向に添って、ローラ方式のポリアミド塩微粒子組成物塗布装置3、およびインクジェット記録装置4が順次配置されている。
この画像記録装置における画像形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。なお、記録媒体の画像記録用の面(記録面)は、ある移動速度(搬送速度)で、紙面右から左へと搬送されている。
まず、紙面右から左へと搬送されている記録媒体1の記録面が、ポリアミド塩微粒子組成物塗布装置3に到達した段階で、ポリアミド塩微粒子組成物を記録面にローラ塗布する。次に、ポリアミド塩微粒子組成物が塗布された記録面が、インクジェット記録装置4に到達した段階で、記録面に画像がインクジェット記録装置4により形成記録される。これにより、画像が記録された記録媒体を得ることができる。
なお、本発明を適用し得る画像記録装置としては図1に示す構成のものに限定されず、各種構造の画像記録装置を用いることができる。
なお、記録媒体へ水性インクを付与する前に、予め反応液を付与する場合には、画像記録装置は、水性インク付与前に、反応液を付与する装置を有することができる。この反応液付与装置は、インクジェット記録装置の内部に設けても良いし、別途、反応液付与装置を設けても良い。
また、画像中の液体成分(水分や揮発性の液体成分)を減少させる操作を行う場合には、画像記録装置は、液体成分除去装置(例えば、加熱装置、送風装置、減圧装置等)を有することができる。この液体成分除去装置は、搬送装置内部に設けても良いし、反応液付与装置およびインクジェット記録装置の後(これらの装置より下流)に設けても良い。
なお、記録物における画像の定着性を高める操作を行う場合には、画像記録装置は、定着装置(例えば、定着ローラ)を有することができる。なお、1つの装置(例えば、加熱定着ローラ)が、定着装置と、液体成分除去装置とを兼ねても良いし、別途、インクジェット記録装置および液体成分除去装置よりも下流に定着装置を設けても良い。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。
〔実施例1〕
記録媒体に付与するポリアミド塩微粒子組成物として、以下の原料を混合してポリアミド塩微粒子前処理液を作製した。
・ポリアミド塩微粒子含有組成物:
ディスパロンAQ−607(商品名、酸価12.5mgKOH/g、楠本化成社製):20質量部
・希釈溶剤:
イオン交換水:80質量部。
次に、このポリアミド塩微粒子前処理液を、記録媒体の記録面(互いに対向する面の一方の面)全面に、バーコーターで1g/m塗布し記録用紙を得た(ポリアミド塩微粒子付与工程)。この際、記録媒体へのポリアミド塩微粒子としての塗布量は、0.04g/mであった。なお、上記記録媒体としては、紙ベースの記録媒体である印刷用紙(オーロラコート紙、坪量127.9g/m:日本製紙(株)製)を用いた。
次に、上記記録用紙の記録面上に、水性インクとして、水性染料インクを付与し、印刷物(記録物)を作製した(水性インク付与工程)。具体的には、インクジェットプリンタ「PIXUS MP980」(商品名、キヤノン株式会社製)を用いて、上記記録用紙の記録面に、10cm×20cmの面積でCyan単色100%dutyのベタ画像を描画した。さらに、文字品位を評価するために、上記ベタ画像とは別の部分に3ポイントの文字を印字した。
画像を形成する前と後の記録媒体、即ち、ポリアミド塩微粒子組成物が付与された上記記録用紙と、水性インクによる画像が形成された印刷物とを用いて、以下の評価を行った。
なお、評価用のインクとしては、インクジェットプリンタ用インクである「BCI−321C」(商品名、キヤノン株式会社製)を用いた。
(1)文字品位評価
光学顕微鏡で印刷物における滲みの有無と、印刷物に印字された3ポイント文字の鮮明さを観察し、以下の評価基準に基づき、印刷物の画像品質の評価を行った。
(評価基準)
AA:滲みが無く、文字が鮮明である。
A:滲みが少なく、文字が判別できる。
B:滲みがやや有り、文字がやや判別しづらい。
C:滲みが有り、文字が不鮮明で判別困難である。
(2)コックリング評価
印刷物の作製前(画像の形成前)及び印刷物の作製直後(画像の形成直後)にそれぞれ発生する記録媒体における波打ちの最大高さをレーザー変位計(キーエンス社製)にて測定した。具体的には、記録媒体に対して、水性インクを(水性反応液を付与した場合は水性反応液及び水性インク)を付与する前、水性インクを付与してから10分後、および水性インクを付与してから1週間後のコックリングを下記判定基準に従ってそれぞれ評価した。
(判定基準)
◎:50μm未満。
○:50μ以上100μm未満。
△:100μm以上1mm未満。
×:1mm以上。
(3)こし感評価
記録用紙に画像を作製する前と後において、多目的純曲げ試験機(商品名、KE−FB2−S、カトーテック社製)を用いて曲げ硬さ(B)を測定し、画像形成前と画像形成後との差(ΔB:画像形成後(印刷物)のB−画像形成前のB)を算出し、紙のこし感を評価した。ΔBが正の数値の場合は、画像形成により記録媒体が硬く腰が強くなることを示し、ΔBが負の数値の場合は、画像形成により記録媒体が柔らかく腰が弱くなることを示す。また、ΔBの絶対値が(即ち、画像形成前後のBの差が)小さいほどこし感変化が少ないことを示す。なお、このこし感評価は、印刷物の未描画部(インクが付与されていない部分)と、描画部(インクが付与されている部分)との両方について行った。
(4)印刷物白色部着色(未描画部変色)評価
ASTM紙劣化加速試験(密閉試験管法)を参考にして、下記条件にて印刷物白色部の劣化試験を行った。なお、画像形成後の印刷物の未描画部における着色評価(劣化試験)結果と、画像形成前の記録媒体における着色評価結果とは同じ結果となる。このため、この試験は、画像を記録した印刷物ではなく、印刷物の白色部(未描画部)に相当する、ポリアミド塩微粒子前処理液を塗布した記録媒体(画像形成前の記録媒体)を用いて行った。この画像形成前の記録媒体を、温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した後、密閉容器に入れ、温度が100℃の環境で8時間放置する加熱劣化試験を行った。
リファレンスとして、ポリアミド塩微粒子前処理液を塗布していない記録媒体(即ち、上述した印刷用紙(オーロラコート紙))を用いて同様の試験を行った。
印刷物白紙部(画像形成前の記録媒体)の色変化の度合いは、色度計を用いて上記加熱劣化試験後の色味(L表色系)を測定した。
同試験後のリファレンス印刷用紙との色差(ΔE)を下記算出方法により求め評価を行った。
(ΔE算出方法)
表色系における座標L、a、bの差であるΔL、Δa、Δbによって定義される、リファレンス印刷用紙と、実施例1で作製した画像形成前の記録媒体とを用いて上記試験条件で作製したサンプル間の色差を下記一般式により求めた。
ΔE=(Δa+Δb+ΔL1/2
なお、ΔEは小さいほど色変化が少ないことを意味する。
〔実施例2〕
上述した記録用紙の記録面上に、水性インクとして、水性染料インクの代わりに水性顔料インクを付与し、印刷物を作製した。具体的には、インクジェットプリンタ「PIXUS Pro9500」(商品名、キヤノン株式会社製)を用いて、上記記録用紙の記録面上に、10cm×20cmの面積でCyan単色100%dutyのベタ画像を描画した。さらに、文字品位を評価するために、上記ベタ画像とは別の部分に、3ポイントの文字を印字した。
これ以外は実施例1と同様な方法で印刷物を作製し、実施例1と同様な評価を行った。なお、評価用のインクとしては、インクジェットプリンタ用水性顔料インクである「PGI−2C」(商品名、キヤノン株式会社製)を用いた。
〔実施例3〕
記録媒体に付与するポリアミド塩微粒子組成物として、以下の原料を混合して作製したポリアミド塩微粒子前処理液を用いた以外は、実施例1と同様な方法で記録用紙を作製した。
・ポリアミド塩微粒子含有組成物:
ディスパロンAQ−580(商品名、酸価9.2mgKOH/g、楠本化成社製):15質量部
・希釈溶剤:
イオン交換水:80質量部。
次に、この記録用紙の記録面上に、実施例1と同様な方法で、水性染料インクを付与して印刷物を作製し評価を行った。
〔実施例4〕
実施例1において、ポリアミド塩微粒子含有組成物を、ディスパロンAQ−610(商品名、酸価14mgKOH/g、楠本化成社製)に変更した以外は、実施例1と同様な方法でポリアミド塩微粒子前処理液を作製した。この前処理液を用いた以外は、実施例2と同様な方法で印刷物を作製し評価を行った。
〔実施例5〕
ポリアミド塩微粒子含有組成物として、下記方法を用いて作製したポリアミドナトリウム塩微粒子組成物を用いた以外は、実施例1と同様な方法でポリアミド塩微粒子前処理液を作製した。この前処理液を用いた以外は、実施例1と同様な方法で印刷物を作製し評価を行った。
まず、特許第3564259号公報の実施例1で使用した材料を次の材料に代えた他は同実施例1と同様な方法を用いてポリアミド塩微粒子組成物を得た。ジカルボン酸としてダイマー酸(商品名:ハリダイマー200、ハリマ化成社製)、ジアミンとしてエチレンジアミンを用い、脱水縮合重合した後に、塩基として水酸化ナトリウムを用いて中和して得られたポリアミドナトリウム塩を分散し、ポリアミドナトリウム塩の含有率が15質量%のポリアミドナトリウム塩微粒子組成物を得た。得られたポリアミド塩の酸価は20mgKOH/gであった。
〔実施例6〕
実施例1で作製した記録用紙(ポリアミド塩微粒子前処理液を付与した記録媒体)の記録面全面に、以下の組成の水性反応液をグラビア塗布により0.3g/m塗布し、反応液塗布記録用紙を作製した。この反応液塗布記録用紙の記録面上に、実施例1と同様な方法で、水性染料インクを付与して印刷物を作製し評価を行った。なお、上述の印刷物白色部着色評価では、画像形成前の記録媒体として上記反応液塗布記録用紙を使用し、リファレンスとして上述した印刷用紙(オーロラコート紙)を使用した。
(反応液)
・1,5−ペンタンジオール: 15質量%
・ポリビニルアミン塩: 15質量%
・アセチレノールE−100(商品名、川研ファインケミカル社製): 1質量%
・イオン交換水: 69質量%。
なお、高粘度化成分として用いた上記ポリビニルアミン塩は、下記方法で作製したポリアミド系樹脂のポリビニルアミン塩を用いた。
具体的には、特公平5−35163号公報の実施例1に記載の方法に従って、N−ビニルホルムアミドを重合した後に加水分解を行い、濃度を調整し、さらに濃塩酸でpHを7に調整した。これにより、ポリビニルアミンの含有率が40質量%のポリビニルアミン水溶液を得た。得られたポリマーの加水分解率は59モル%であり、分子量は7万であった。
〔比較例1〕
実施例1において、紙ベースの記録媒体である印刷用紙に、ポリアミド塩微粒子前処理液を付与せずに、直接水性染料インクを付与した以外は実施例1と同様な方法で、印刷物を作製し評価を行った。
〔比較例2〕
実施例2において、紙ベースの記録媒体である印刷用紙に、ポリアミド塩微粒子前処理液を付与せずに、直接水性顔料インクを付与した以外は実施例2と同様な方法で、印刷物を作製し評価を行った。
なお、上述の印刷物白色部着色評価では、上記比較例1及び2におけるリファレンスと、画像形成前(水性インク付与前)の記録媒体とは同一のものとなるため、両サンプル間の色差は当然0となる。
〔比較例3〕
実施例6において、紙ベースの記録媒体である印刷用紙に、ポリアミド塩微粒子前処理液を付与せずに、直接上記水性反応液をグラビア塗布により0.3g/m塗布し、反応液塗布記録用紙を作製した。そして、この反応液塗布記録用紙に直接水性染料インクを付与した以外は、実施例6と同様な方法で、印刷物を作製し評価を行った。なお、上述の印刷物白色部着色評価では、画像形成前の記録媒体として上記反応液塗布記録用紙を使用し、リファレンスとして上述した印刷用紙(オーロラコート紙)を使用した。
〔比較例4〕
上記水性反応液の塗布量を1g/mに変更した以外は比較例3と同様な方法で、印刷物を作製し評価を行った。
〔比較例5〕
ポリアミド塩微粒子含有組成物の代わりに、側鎖にアミド基を持つポリアクリルアミド樹脂微粒子であるハイモロックE−200(商品名、ハイモ社製)を用いた以外は、実施例1と同様な方法で前処理液を作製した。
次に、この前処理液を、記録媒体の記録面全面に、バーコーターで1g/m塗布し記録用紙を得た。この際、記録媒体へのポリアクリルアミド樹脂微粒子としての塗布量は、0.04g/mであった。そして、この記録用紙に水性染料インクを付与した以外は、実施例1と同様な方法で、印刷物を作製し評価を行った。なお、上述の印刷物白色部着色評価では、画像形成前の記録媒体として上記前処理液を塗布した記録媒体を使用し、リファレンスとして上述した印刷用紙(オーロラコート紙)を使用した。
各実施例及び各比較例において得られた結果を表1に示す。なお、表1中、「≒0」とは、得られた結果(数値)が、−0.04以上+0.04以下のものを意味する。
Figure 2017013422
表1に示すように、記録媒体にポリアミド塩微粒子を付与する本発明の画像記録方法により、印刷用紙の特性である、色味およびこし感等の風合いを保持できることがわかる。さらに、本発明により、水性インク付与によるコックリング現象、こし感変化、および非描画部変色等を防止することができ、文字品位を向上することができることがわかる。
1 記録媒体
2 搬送手段(搬送装置)
3 ポリアミド塩微粒子組成物塗布装置
4 インクジェット記録装置

Claims (6)

  1. 記録媒体に、少なくともジアミンと多価カルボン酸との重縮合物の塩であり且つ主鎖にアミド結合を有するポリアミド塩微粒子を付与する工程と、
    前記ポリアミド塩微粒子を付与した記録媒体に、水性インクを付与する工程と、
    を有することを特徴とする画像記録方法。
  2. 記録媒体に付与される前記ポリアミド塩微粒子のうちの少なくとも1種が、前記重縮合物の塩基中和物からなる微粒子である請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 記録媒体に付与される前記ポリアミド塩微粒子のうちの少なくとも1種が、ポリアミドアミン塩微粒子である請求項1または2に記載の画像記録方法。
  4. 前記ポリアミド塩微粒子を含む組成物を記録媒体に付与することにより、該ポリアミド塩微粒子を記録媒体に付与する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  5. 前記ポリアミド塩微粒子を付与する記録媒体が、セルロース繊維を含む紙を基材として有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  6. 記録媒体に対する前記ポリアミド塩微粒子の合計付与量が、0.3g/m以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
JP2015134254A 2015-07-03 2015-07-03 画像記録方法 Pending JP2017013422A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015134254A JP2017013422A (ja) 2015-07-03 2015-07-03 画像記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015134254A JP2017013422A (ja) 2015-07-03 2015-07-03 画像記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017013422A true JP2017013422A (ja) 2017-01-19

Family

ID=57829525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015134254A Pending JP2017013422A (ja) 2015-07-03 2015-07-03 画像記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017013422A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017101232A (ja) * 2015-11-25 2017-06-08 株式会社リコー インク、記録方法、記録装置及びインク収容容器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017101232A (ja) * 2015-11-25 2017-06-08 株式会社リコー インク、記録方法、記録装置及びインク収容容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5516222B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成物
JP2011063001A (ja) 画像形成方法
US10065412B2 (en) Ink jet recording method
TWI424030B (zh) 噴墨顏料墨液與墨液組
JP2011042150A (ja) 画像形成方法
JP6197284B2 (ja) 画像形成方法
JP2016193980A (ja) インクジェット用インク組成物、インクセット、及び画像形成方法
JP2007161753A (ja) インクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法
JP2018114751A (ja) 前処理液、インキセット、及び印刷物の製造方法
JP6352213B2 (ja) インク組成物及びその製造方法、並びに画像形成方法
WO2018181527A1 (ja) 受理溶液、この受理溶液を含有するインクセット及びインクセットを用いた印刷物の製造方法
JP6303271B2 (ja) 画像形成方法
JP2016130013A (ja) 画像記録方法、インク及び液体組成物
JP2008265060A (ja) インクジェット記録用反応液、インクジェット記録方法及びインクジェット記録用インクセット
JP7061562B2 (ja) 受理溶液、この受理溶液を含有するインクセット及びインクセットを用いた印刷物の製造方法
JP2002235022A (ja) インクジェットプリンタ及びそれに用いるインク組成物
JP2009137056A (ja) インクジェット記録用反応液、インクジェット記録方法及びインクジェット記録用インクセット
JP2017013422A (ja) 画像記録方法
JP2015183027A (ja) インクジェットインキおよびそれを用いた印刷方法
JP2010179519A (ja) インクジェット記録方法
JP2003034070A (ja) インクセット及びこれを用いた画像形成方法
JP6496436B1 (ja) 受理溶液、この受理溶液を含有するインクセット及びインクセットを用いた印刷物の製造方法
JP2009137053A (ja) インクジェット記録用反応液、インクジェット記録方法及びインクジェット記録用インクセット
WO2021050071A1 (en) Pre-treatments for packaging print media
JP2015208975A (ja) 画像記録方法