JP2015208975A - 画像記録方法 - Google Patents

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健司 新庄
豊 倉林
Yutaka Kurabayashi
豊 倉林
修一郎 谷本
Shuichiro Tanimoto
修一郎 谷本
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Shoji Ihara
正二 井原
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Abstract

【課題】水性インク付与による記録媒体のコックリングやカール等の変形を十分に抑制し、作製した印刷物を扱い易くすること。【解決手段】セルロース繊維を含む紙を基材とする記録媒体に対して水性インクによる画像記録を行う前に、記録媒体に付与した水酸基及び/またはアミド結合基を有し、活性エネルギー線で重合する単官能モノマーを活性エネルギー線照射により重合させることにより、水性インクの付与による記録媒体のコックリングやカール等の変形を防止する。【選択図】図1

Description

本発明は、水性インクと活性エネルギー重合性組成物を用いる画像形成方法に関する。
水性インクを用いる画像記録方法のひとつとして、インクジェット方式による方法が知られている。インクジェット方式による画像記録方法によれば、現像処理が不要であり、高精細な画像を高速で形成することができる。近年はフルカラーの多色インクジェット記録方式技術が発達し、製版方式による多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較して遜色のない多色画像を形成することも可能である。更に、インクジェット方式による画像記録方法によれば、作成部数が少ない場合においても、通常の多色印刷や印画よりも安価に印刷物が得られる。そこで、インクジェット方式による画像記録方法は、チラシ、パンフレット、あるいは、一般オフィスにおけるビジネス用の印刷物等、種々のフルカラー記録物の形成に利用されるようになってきている。
一方、インクジェット方式等の水性インクによる画像記録方法を、上述したような種々の記録物の形成に利用する場合には、種々の記録媒体に適用可能であることが求められる。インクジェット方式による画像記録に用いる記録媒体としては、普通紙、コート紙、光沢紙、など様々なものが市販されている。例えば、一般のオフィスでのビジネス用途では低価格の普通紙を用いることが多い。また、近年、大量印刷用途への展開に伴い、油性インク(特にオフセット印刷インキ)に対応した印刷用紙への記録性能が要求され始めている。
これら普通紙や印刷用紙の基材となる紙は、セルロース繊維を主体として形成されており、一般的に、水分の吸収、乾燥により、繊維が膨潤して不均一に収縮する等の理由から変形を生ずる。この水分の吸収が原因となる変形としては、コックリングやカール等が知られている。この水分吸収、乾燥による記録媒体の変形が顕著な場合には、そこに形成された画像の品位が損なわれるばかりでなく、記録物の平坦性が失われて取扱い性が低下するという問題を生じる。従って、このような紙を基材とする記録媒体については、このような水性インクの吸収起因による問題を防止する必要がある。とりわけ多くの水性インクが付与された際に生じる変形を防止しなければならない。特に水分付与によるセルロース繊維間膨潤(紙の膨潤)がきっかけとなって生ずるコックリング現象を緩和、抑制することが重要である。さらには、印字中の紙変形はもとより、印字後、水分が乾燥、蒸発して起こる印字後の紙変形、特にカール現象の防止が重要になってくる。
特にカールによって記録物に反りが発生したり、記録物が丸まってしまう等の平坦性が保てないという問題が生じ、そのために、積み重ねやファイリングに際して様々な不具合を生じる。印字後の変形であるカールを緩和、抑制する方法として従来幾つかの方法が提案されているが、印字中の水分付与による紙の膨潤から生ずるコックリング現象を抑制する方法については殆どない。
普通紙等の記録媒体の膨潤を防止する方法として、特許文献1には、グリセリン系化合物を含む水性インクを付与する前に記録媒体へ前もって1価アルコールを付与する方法が開示されている。特許文献1においては、1価アルコールを付与することによって繊維間の水素結合を保護して膨潤を抑制し、さらにグリセリン系化合物を含むインクによって、記録物におけるカールの発生を防止している。
特開2009−269358号公報
本発明者らが特許文献1に従い検討したところ、エタノールなどの1価アルコールは浸透しやすい半面、揮発やマイグレーションしやすい。例えば、記録媒体へ1価アルコールを付与した後、インクを付与するまでの時間によっては、あるいは記録媒体の種類を変えると、コックリングの抑制については効果が不充分な場合があった。従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題を解決し、水性インク付与による記録媒体の変形を十分に抑制し、作製した印刷物を扱い易くすることにある。
上記課題を解決するための本発明にかかる画像記録方法は、
記録媒体に水性インクを付与して画像形成を行う水性インク付与工程を有する画像形成方法において、
前記水性インク付与工程より前に、活性エネルギー線による重合性基と、水酸基及びアミド結合の少なくとも一方と、を有する単官能モノマーの少なくとも1種を前記記録媒体に付与する単官能モノマー付与工程と、
前記単官能モノマーを付与する記録媒体に、活性エネルギー線重合開始剤を付与する重合開始剤付与工程と、
前記単官能モノマー付与工程及び前記重合開始剤付与工程を経た記録媒体に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体への水性インクを用いた画像形成において、普通紙や印刷用紙等の記録媒体の種類によらず、水分付与による変形、特にコックリング、カールを十分に抑制し、印刷物を扱い易くすることができる画像形成方法を提供することができる。
インクジェット方式による画像形成装置の構成を示す図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
まず、本発明に至った経緯を説明する。水性インク等の水性液体を付与した後の紙を基材とする記録媒体の変形を抑制することを目的に検討を始めた。
紙を基材とする記録媒体が水性インクを用いた画像形成後に変形を起こす要因は以下のように考えられている。記録媒体の基材として用いられる紙においては、セルロース繊維が無数の水素結合によって繊維同士が引き合って結合していることにより、形を保ち、強さを保持している。水分子はセルロース繊維と最も水素結合し易く、水分子が水素結合しているセルロース繊維の間に入り込むと、セルロース繊維は水分子との水素結合を形成し、セルロース繊維同士の水素結合が壊れるため、紙は膨潤する。
また、紙は一般に抄紙により製造されるため、セルロース繊維の大部分はパルプスラリーの流れる方向に並んで、紙中ではいわば強制的に配向させられた状態になる。その結果、水分吸収による膨潤に基づく紙のサイズ変化は、セルロース繊維の配向方向とそれに交差する方向とでは大きく異なる。セルロース繊維自体の水吸収による膨潤の程度はそれほど大きくなく、セルロース繊維の配向方向(紙の縦目であることが多い)におけるサイズ変化は比較的小さい。これに対して、配向されたセルロース繊維間の水素結合が破壊されて、これらの間に水分子が入り込むと、配向されたセルロース間の距離が増大し、すなわち、配向方向に直交する方向(紙の横目である場合が多い)における膨潤によるサイズ変化が大きくなる。また、水分付与量が多い紙面における水分吸収による膨潤が大きくなると、水分付与した面の反対側に反り、波打ち(コックリング)を起こす。
更に、一度水分吸収した紙では、乾燥により水分が蒸発すると、セルロース繊維自体及び配向するセルロース繊維間の再収縮が始まり紙は再び縮む。その際には水分付与以前の長さより短くなる。よって、紙は水分を付与した面の方向に次第に反り新たな紙変形(カール)が発生する。これは恐らく機械で抄紙した時の不自然なストレスのある状態には戻らないで逆にストレスを解消し自然な状態になろうとしているためではないかと本発明者らは推察している。
そこで、本発明者らは、コックリング等の変形における根本的な原因が水分付与により最初に起こる紙の膨潤現象ではないかと考え、紙が膨潤しないようにセルロース繊維を保護できる材料を探索するに当たり、以下の点を検討すべき項目として考えた。
(1)保護材料の分子サイズについては、セルロース繊維間への保護材料の入り込みを容易とするためには、保護材料の分子サイズは小さいほどよい。
(2)紙に保護材料を付与する時点では、保護材料はセルロース繊維へのなじみやすい親水性であることがよい。
(3)保護材料の分子サイズが小さいと、紙への付与後に保護材料分子が紙中で移動してしまい、画像形成後における経時的に変形を防止する効果は小さくなっており、紙変形防止効果を維持できなくなる可能性がある。そこで、保護材料が紙に付与された後では、保護材料分子が変形抑制効果を経時的に維持できるように紙中で固定される必要がある。
本発明者らは、上記の各項目に基づいて鋭意検討を重ね、本発明に到った。すなわち、セルロース繊維と親和性のある基である水酸基またはアミド結合基を少なくとも有する分子サイズの小さな、活性エネルギー線で硬化する単官能モノマーを含む組成物を、紙に塗布した。この状態で紙の変形を観察したところ、膨潤変形は生じていなかった。その後、活性エネルギー線であるUV光を紙に照射し、紙中に付与した単官能モノマーを重合し分子を大きくした。この状態で、水性インクを用いるインクジェットプリンタで黒ベタ画像を記録し、画像記録中から画像記録後の経時的な紙の形状変化を観察した。その結果、画像記録中から画像記録後1週間以上経過しても紙に変形を生ずることはなかった。さらに、本発明者らは、上記の単官能モノマーを含む組成物を用いることにより、紙を基材とする印刷用紙等の記録媒体であれば、その種類によらず上述した効果を発現することを見出した。これは、分子サイズの小さな単官能モノマーを用いているために、印刷塗工紙の有する塗工層を単官能モノマーが容易に浸透し、基材の紙に到達するためであると推察している。
次に、本発明にかかる画像記録方法及びそれに用いる各材料について説明する。
<単官能モノマー>
本発明においては、セルロース繊維の保護材料として、水酸基及びアミド結合基の少なくとも一方を有し、活性エネルギー線による重合のための重合性基、すなわち官能基を有する単官能モノマーが用いられる。この単官能モノマーの分子サイズは、紙の形状の維持に関係しているセルロース繊維間の水素結合に影響を与えず、かつ効果的にセルロース繊維間に入り込むことができる程度に小さいことが好ましい。発明者の検討によると水分子(約0.4nm)の10倍程度以下の長さにすることが好ましい。このような観点から、単官能モノマーの分子量は、200以下であることが好ましい。さらに水分子の8倍程度長さ以下程度の分子量160以下であることがより好ましい。
更に、単官能モノマーは、基材としての紙の形状に影響を与えず(すなわち、変形を生じさせず)、かつ、セルロース繊維間に固定されて経時的な変形抑制効果を発揮できる分子量まで活性エネルギー線の照射によって重合可能なものであることが好ましい。
一方、単官能モノマー自体が、画像記録を行う環境下において記録媒体に付与可能な液体状であれば、溶媒を利用することなく無溶媒系の組成物を形成することができる。液体状の単官能モノマーは、画像記録を行う際の環境温度(例えば、プリンタ動作保証温度(5℃〜35℃))において、記録媒体に付与可能であり、かつ基材としての紙中に浸透可能な粘度等の物性を有することが好ましい。
単官能モノマーは、水素結合性の基として、水酸基及び/またはアミド結合に加えて、アミノ基、ウレタン結合、カルボン酸基、エーテル結合、カルボニル基、ヒドロキシアミノ基等を更に有していてもよい。
単官能モノマーの活性エネルギー線重合性の官能基としては、α,β不飽和二重結合を有する基;マレイン酸基;マレイン酸(モノまたはジ)アミド基;マレイミド基:エポキシ基;オキセタン基等を挙げることができる。α,β不飽和二重結合を有する基におけるα,β不飽和二重結合は、α位置がモノ置換されていても、α,β位がジ置換されていてもよい。α,β不飽和二重結合を有する基としては、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルアミド基、アクリル基、アクリルアミド基等を挙げることができる。α位がモノ置換されたα,β不飽和二重結合を有する基としてはメタアクリル基、メタアクリルアミド基等を挙げることができる。
更に、単官能モノマーとしては、下記式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される化合物から選択された少なくとも1種を用いることができる。
Figure 2015208975
[式(I)中、
はHまたはメチル基を表し、
Xは、−CO−、−COO−、−NH−CO−または−CO−NH−を表し、
Arは、直接結合または水酸基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、
Zは、H、アルキル基、OHまたはORを表し、
は、ヒドロキシアルキル基を表す。]
Figure 2015208975
[式(II)中、RはHまたはアルキル基を表し、Rは水酸基を有するアルキル基を表し、nは0または1である。]
におけるアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基を挙げることができる。水酸基を有するアルキル基としては、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を挙げることができる。
Figure 2015208975
式(III)中、Arは水酸基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、Zは−H、アルキル基、−OH、−CONHまたは−NHCOHを表す。
Figure 2015208975
式(IV)中、X、Xは各々独立に−O―または−NH―を示し、Arは各々独立に直接結合または水酸基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、Z、Zは各々独立に−Hまたは−OHを表す。
単官能モノマーとしては、下記の化合物1〜30を挙げることができる。
Figure 2015208975
Figure 2015208975
Figure 2015208975
Figure 2015208975
Figure 2015208975
<単官能モノマー組成物>
記録媒体の変形防止用としての単官能モノマーは、その1種を単独で用いることができるが、その2種以上を組み合わせて混合物として用いることもできる。更に、単官能モノマーと、光開始剤及び/または有機溶媒を用いて、変形防止用の組成物を調製してもよい。変形防止用の組成物は、活性エネルギー線重合開始剤(以下、光重合開始剤という)を含有することが好ましい。単官能モノマーと光重合開始剤の配合比は、100:1から5:1(質量基準)の範囲であることが好ましい。更に、単官能モノマーを含む組成物は、非水系であることが好ましい。その水分含量は1質量%未満であることが好ましく、水分は含有されないことが最も好ましい。なお、単官能モノマーと光重合開始剤を別々に記録媒体に付与する場合におけるこれらの使用割合も、100:1から5:1(質量基準)の範囲であることが好ましい。
単官能モノマーが記録媒体への塗布に好適な物性を有する液体状であれば、液体状の単官能モノマーを用いて記録媒体変形防止用の組成物を調製することができる。また、この組成物の調製には、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。この有機溶媒としては、セルロース繊維に対する水素結合性が弱い、あるいは揮発性の高い有機溶媒が好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、炭素数3以下の一価のアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、脂肪族系炭化水素系溶剤などを挙げることができる。これらの1種を、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
<光重合開始剤>
光重合開始剤としては、一般的に使用されている開始剤から単官能モノマーの種類に応じて選択して用いることが出来る。例えば、ラジカル重合で光重合する単官能モノマーを使用する場合はラジカル重合開始剤、カチオン重合で光重合する単官能モノマーには光酸発生剤を用いる。光重合開始剤は単官能モノマーの記録媒体中での重合による固定化のために添加する必要がある。記録媒体への光重合開始剤の付与は光重合開始剤付与工程によって行われる。光重合開始剤を記録媒体に付与する方法としては、(A)単官能モノマーと光重合開始剤を同時に添加する方法及び(B)単官能モノマーの付与工程とは別に光重合開始剤を記録媒体に添加する方法の少なくとも一方を利用することができる。光重合開始剤を単官能モノマーと同時に記録媒体に付与する場合((A)の方法)には、これらを別々に調製し記録媒体中で混合されるようにこれらを付与する方法や、これらを混合して記録媒体に付与する方法を用いることができる。単官能モノマーの付与によるセルロース繊維の保護効果は、水性液体を記録媒体に付与した後も維持可能である。これらの光重合開始剤の記録媒体への付与方法の中では、単官能モノマーと光重合開始剤との反応性をより良好なものとする上で、単官能モノマーと光重合開始剤を混合して記録媒体に付与する方法が好ましい。単官能モノマーの付与工程とは別に光重合開始剤を記録媒体に添加する場合((B)の方法)では、活性エネルギー線照射に先立っていれば、光重合開始剤付与工程を、例えば、単官能モノマー付与工程の前後、水性インク付与工程の前後に行うことができる。
また、光重合開始剤付与工程は、1回のみでなく、複数回行っても良い。具体的には、光重合開始剤付与工程は、活性エネルギー線照射に先立っていれば、単官能モノマー付与工程の前後、水性インク付与工程の前後に複数回行って構わない。
<単官能モノマー付与>
記録媒体へ単官能モノマーを付与する単官能モノマー工程には、従来知られている各種手法を適宜用いることができる。例としては、ダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアローラーを用いる手法、オフセットローラーを用いる手法、スプレーコーティング等が挙げられる。また、インクジェットデバイスを用いて付与する方法も好適である。組成物をミスト化する霧化機を用いて付与する方法も好適である。化学蒸着、物理蒸着法などで付与する方法も好適である。また、セルロース繊維への水素結合性が弱い、あるいは揮発性の高い有機溶媒に該組成物を溶解し作製した溶液に浸漬することにより付与する方法も好適である。この有機溶媒は例えば炭素数3以下の一価のアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、脂肪族系炭化水素系溶剤などが好適に用いることができる。さらにいくつかの方法を複数組み合わせることも極めて好適である。
単官能モノマーの付与量は、目的とする変形防止効果をより一層高める上で、好ましくは0.5g/m2以上、より好ましくは2g/m2とすることができる。一方、単官能モノマーの付与量は、記録媒体の記録特性への影響を考慮すると、記録媒体を構成する紙の坪量より少ないことが好ましい。例えば、単官能モノマーの付与量は30g/m2以下であることが好ましい。
<活性エネルギー線照射>
記録媒体へ単官能モノマー及び光重合開始剤の付与が完了した後に、記録媒体内での単官能モノマーの重合のための活性エネルギー線照射工程を行う。活性エネルギー線の照射時期は、本発明で目的とする変形防止効果を得ることができるように設定すればよい。活性エネルギー線の照射は、1回で、あるいは複数回に分けて行うこともできる。活性エネルギー線照射時期としては、光重合開始剤の記録媒体への付与形態に応じて以下の各時期から選択した少なくとも一つの時期を用いることができる。
(I)水性インク付与前における照射
記録媒体への水性インク付与前に単官能モノマー及び光重合開始剤の記録媒体への付与が完了している場合は、これらの記録媒体への付与完了時と水性インク付与時の間に、活性エネルギー線の照射時期を設定することができる。後述する反応液を水性インクと組み合わせて画像を形成する場合において、反応液付与前に単官能モノマー及び光重合開始剤の記録媒体への付与が完了している場合は、反応液付与前に、あるいは反応液付与時と水性インク付与時との間に活性エネルギー線照射時期を設定することができる。また、重合用添加剤を反応液に添加して用いる場合は、反応液付与時と水性インク付与時との間に活性エネルギー線照射時期を設定することができる。
(II)水性インク付与後における照射
水性インクを記録媒体に付与する時点で単官能モノマー及び光重合開始剤の記録媒体への付与が完了している場合、並びに光重合開始剤を水性インクに添加して用いる場合は、水性インク付与後に活性エネルギー線照射時期を設定することができる。また、水性インク付与後に光重合開始剤を記録媒体に付与する場合は、この光重合開始剤の付与後に活性エネルギー線照射時期を設定することができる。また、水性インク付与後の活性エネルギー線照射時期は、画像形成後の乾燥工程後に設定することができる。
本発明における記録媒体のセルロース繊維の保護効果は、単官能モノマーの付与によって達成され、活性エネルギー線の照射による単官能モノマーの重合固定によってこの保護効果の維持が可能となる。従って、活性エネルギー線の照射時期は、上述した各時期から選択した少なくとも一つの時期において行うことが可能である。活性エネルギー線の照射時期に関しては、少なくとも、水性インク等の水性液体の付与前に活性エネルギー線を照射し、光重合を行うことが好ましい。
活性エネルギー線の種類は、記録媒体に付与した単官能モノマーの種類に応じて選択することができる。活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、紫外線照射装置を用いることが好ましい。紫外線照射装置は、水銀の蒸気圧が点灯中で1Pa以上10Pa以下の水銀ランプであることが好ましい。水銀ランプの光源の紫外線領域発光スペクトルは、450nm以下、特には184nm以上450nm以下の範囲であるため、これらの波長の紫外線により重合する単官能モノマーへの照射に好適である。水銀ランプとしては、具体的には、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンフラッシュランプ、ディープUVランプ、マイクロ波を用いた無電極のUVランプ、UVレーザー等を好適に用いることができる。また、発光ダイオード方式のUV−LEDを用いた紫外線照射装置や、UVエキシマランプ等も好適に用いることができる。発光ダイオード方式のUV−LEDを用いた紫外線照射装置や、UVエキシマランプ等の紫外線照射装置の紫外線強度は、500mW/cm以上5,000mW/cm以下であることが重合速度の観点から好ましい。活性エネルギー線の照射強度及び照射時間は、目的とする単官能モノマーの重合度、記録媒体への照射による影響、画像形成後における照射の場合は形成された画像への影響等を考慮して適宜設定することができる。単官能モノマーの種類、重合用添加剤を用いる場合のその種類、記録媒体の種類等に応じて単官能モノマーの重合固定に必要な活性エネルギー線照射条件を予め確認しておき、この確認された照射条件を利用するとよい。なお、単官能モノマーの重合度は、活性エネルギー線照射の前後で、記録媒体より単官能モノマーの抽出を行い、抽出された単官能モノマーをFT−IR法、FT−NIR法、13CNMR法によって定量し、単官能モノマーの反応率を求めることによって確認することができる。
<画像記録>
単官能モノマーの付与によって活性エネルギー線照射による変形防止処理が施されている記録媒体への画像記録は、水性インクを記録媒体に付与する水性インク付与工程によって行われる。また、画像記録の目的に応じて、記録画像におけるブリーデリングやビーディング等の発生を抑制して高品質な画像を得るための水性反応液を、水性インクを組み合わせて用いてもよい。水性インク、水性反応液などの水性液体中に、単官能モノマーを固定化するために、光重合開始剤や、必要に応じて単官能モノマーと光反応可能な化合物、例えば光重合性化合物等が含まれていてもよい。
<水性インク付与>
水性インクによる画像記録用の装置としては、インクジェット記録装置を好適に用いることができる。インクジェット記録装置における水性インク吐出方式としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する方式、電気−機械変換体によってインクを吐出する方式、静電気を利用してインクを吐出する方式等がある。本発明に適用されるインクジェット記録装置としては特に制限されない。中でも特に、高速で高密度の印刷の観点からは電気−熱変換体を利用したものが好適に用いられる。また、インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの形態及びその操作についても特に制限はない。記録媒体の進行方向と垂直にインクジェットヘッドを走査しながら記録を行ういわゆるシャトル形態のインクジェットヘッドや、記録媒体の進行方向に対し略垂直に吐出口をライン状に配列してなるいわゆるラインヘッド形態のインクジェットヘッドを用いることもできる。
<水性インク>
水性インクは、目的とする画像記録に応じて選択して用いる。画像記録にインクジェット記録装置を用いる場合は、インクジェット記録用としての水性インクから目的とする画像記録に適したものを選択して用いる。水性インクは、水性媒体と、色材と、必要に応じて添加される各種添加剤を含んで構成される。以下、各成分について説明する。
(色材)
色材は、一般に、ブラック、シアン、マゼンタまたはイエロー用の水性インクの調製に用いられる。色材としては、水溶性染料、水分散性顔料、およびそれらの2種以上の組合せから選択したものを用いることができる。
(染料)
染料としては、アニオン性の水溶性染料が挙げられる。アニオン性の水溶性染料は、アニオン性基を有する水溶性染料であり、カラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。また、カラーインデックスに記載のない染料であっても、アニオン性基、例えばスルホン基を有するものであれば特に制限はない。これらの染料は水性インク中に1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%の範囲で用いることができる。具体的な染料としては、C.I.ダイレクトイエロー 8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、98、100、110、C.I.ダイレクトレッド 2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、230、C.I.ダイレクトブルー1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226、C.I.アシッドイエロー 1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99、C.I.アシッドレッド 6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、94、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289、C.I.アシッドブルー 1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161、C.I.ダイレクトブラック 17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、C.I.アシッドブラック 2、48、51、52、110、115、156、C.I.リアクティブブラック 1、8、12、13、C.I.フードブラック 1、2等が挙げられる。勿論以上に限定されるものではない。また、これらの1種または2種以上の組合せで用いることができる。
また、前記以外の染料として可溶化基として、カルボキシル基を持つ染料が挙げられる。ここでは、pHに対して溶解度の依存性を示す染料が挙げられる。これらの染料は水性インク中に1〜10質量%、好ましくは1〜7質量%の範囲で用いることができる。
(顔料)
黒色インクに使用されるものとしてカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40μm、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150m1/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく用いられる。この様な特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上三菱化成製)、RAVEN l255(以上コロンビア製)、REGAL400R、REGAL 330R、REGAL 660R、MOGUL L(以上キャボット製)、ColorBlack FWl、COLOR BlackFWl8、Color Black Sl70、Color Black Sl50、Printex35、Printex U(以上デグッサ製)等があり、いずれも好ましく使用することが出来る。
又、イエローインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.PigmentYellow 1、C.I.PigmentYellow 2、C.I.PigmentYellow 3、C.I.PigmentYellow13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow74、C.I.Pigment Yellow83、C.I.PigmentYellow 28等が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.PigmentRed5、C.I.Pigment Red7、C.I.PigmentRed l2、C.I.PigmentRed 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red ll2、C.I.PigmentRed l22等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.PigmentBlue1、C.I.Pigment Blue2、C.I.Pigment Blue3、C.I.Pigment Bluel5:3、C.I.Plgment Bluel6、C.I.Pigment Blue22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。
しかしながら、これらに限られるものではない。また、これらの1種または2種以上の組合せで用いることができる。
以上の他、本発明の為に新たに製造された顔料も勿論、使用することが可能である。
水性インクの色材として顔料が用いられている場合には、顔料の量は、インク全量に対して、1〜20質量%、好ましくは2〜12質量%の範囲で用いることができる。又、顔料を使用する場合に、顔料を水性インク中に含有させる分散剤を含有させることができる。インクジェット記録装置を用いて画像記録を行う場合の分散剤としては、インクジェットに用いられるものであればいずれも使用することができる。例えば、公知のインクジェット用の分散剤の1種または2種以上を組み合せて用いることができる。
分散剤としては、例えば、水溶性樹脂を用いることができ、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更には、3,000〜15,000の範囲のものが好ましく使用される。この様な分散剤として、具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフト共重合体又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することが出来る。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、水性インク全重量に対して0.1〜5質量%の範囲で含有させるのが好ましい。
特に、上記した様な顔料が含有されている水性インクの場合には、水性インク全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。この様なものとすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存性に一層優れた水性インクとすることが出来るので好ましい。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々部材の腐食原因となる場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とするのが望ましい。
この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記した様な顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中に分散又は溶解される。
水性インク中には、必要に応じて、カール防止などの特性を得るための水溶性有機化合物、粘度調整剤、防かび剤、界面活性剤、酸化防止剤等を含有させることができる。
(水溶性液媒体)
水性インクの液媒体には、水、あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物を用いることができる。水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。水性インク全量に対する水の割合は、20質量%以上、97質量%以下とすることができる。また、水と水溶性有機溶剤の混合物を水性媒体として用いる場合における水溶性有機溶剤の水性インク全体に対する割合は、3質量%以上、80質量%以下とすることができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でもジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。また、これらは必要に応じて2種以上の組合せで用いることができる。
水溶性有機溶剤のうちカールを抑制する材料として例えば特許4981261号に記載される、温度23℃、湿度45%の環境での水分保持力と、温度30℃、湿度80%の環境での水分保持力の差が36%以下である、保水性のある水溶性有機化合物を含有することが好ましい。この水溶性有機化合物の添加量は、インク全量に対して10質量%以上18.0質量%以下から選択することができる。カールを抑制する材料は、コックリング抑制効果が完全でない場合に発生するカールを抑制する目的で用いられるが、カールを抑制する材料はコックリング抑制効果が不十分な場合がある。このようなカール抑制用の材料を用いる場合においても、記録媒体に単官能モノマー付与を先に付与しておくことで、コックリングを抑制しつつ、カール抑制用の材料によるカール防止効果を更に利用することができる。
<水性顔料インクの調製>
上記した様な顔料が含有された水性インクの調製においては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂及び水が少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げた様な適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明で使用するインクとする。
尚、分散剤として前記した様なアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させる為に塩基を添加することが必要である。この際の塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましく使用される。これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
又、顔料が含有されているインクの作成方法においては、顔料を含む水性媒体を撹拌分散処理する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。即ち、この様なプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することが出来る為、好ましい。
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用され、この様なものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
又、顔料が含有されているインクをインクジェット記録方法に使用する場合には、耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料が用いられるが、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルターや遠心分離機等で分級すること及びこれらの手法の組合せ等の手法が挙げられる。
<水性インクの物性>
水性インクの物性として好適な範囲は25℃付近で、pHは3〜12、好ましくは7〜10、表面張力は10〜60dyn/cm、好ましくは10〜40dyn/cmであり、粘度は1〜30cps、好ましくは1〜5cpsである。
<反応液>
水性インクを付与する前に、水性インクを高粘度化する成分(高粘度化成分)を含有する反応液を塗布してもよい。ここで、水性インクの高粘度化とは、水性インクを構成している成分である色材や水溶性樹脂等が高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的吸着に吸着して、水性インクの粘度上昇が生じることをいう。この水性インクの高粘度化には、水性インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材など成分が凝集することにより局所的に粘度上昇を生じる場合も含まれる。この高粘度化成分は記録媒体での水性インクの流動性を全体的に、あるいは部分的に低下せしめて、画像形成時のブリーディング、ビーディングを抑制する効果がある。高粘度化成分としては、インクジェット記録用の水性インクと組み合わせて上述した効果を発揮し得る成分として知られている多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子などから、用いる水性インクの組成に応じて適宜選択することができる。中でも特に多価の金属イオンおよび有機酸が好適である。また複数の種類の高粘度化成分を含有させることも好適である。
高粘度化成分として使用できる金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。
高粘度化成分として使用できる有機酸としては、例えば、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。
反応液は、少なくとも高粘度化成分と水性媒体を用いて調製することができる。水性媒体としては、水、あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物を用いることができる。水はイオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、有機溶剤としては、例えば先に水性インク用として挙げた水溶性有機溶剤から目的とする作用効果が得られるものを選択してその1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、反応液には、各種樹脂を添加することもできる。適当な樹脂を添加しておくことで転写時の記録媒体への転写性を助長する物としたり、最終画像の機械強度を高めたりすることが可能であり好適である。用いられる材料としてはインク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。
なお、反応液中の高粘度化成分の含有量は、反応液全質量に対して少なくとも5質量%であることが好ましい。更に、反応液中の高粘度化成分の含有量は、少なくとも10質量%以上であることがより好ましい。
反応液全量に対する水の割合は、1質量%以上、99質量%以下とすることができる。また、水と水溶性有機溶剤の混合物を水性媒体として用いる場合における水溶性有機溶剤の反応液全体に対する割合は、0質量%以上、95質量%以下とすることができる。
<記録媒体>
記録媒体としては、セルロース繊維を含む紙からなる、あるいはセルロース繊維を含む紙を基材とする、普通紙、インクジェット用のコート紙、油性インク用の印刷用紙またはコート紙等、セルロース繊維を含む紙を基材とする記録媒体を用いることができる。これらの記録媒体であれば、単官能モノマーの記録媒体への付与と活性エネルギー線の照射による本発明にかかる変形防止処理を効果的に行うことができる。特に、水性インクの記録媒体への付与量が多くなる画像記録や、水性インクに加えて水性反応液を記録媒体に付与し、画像記録時における記録媒体中での水分含量が多くなる画像記録における記録媒体の変形防止を効果的に行うことができる。
<インクジェット記録装置>
本発明にかかる画像記録方法に用いることのできる装置の一例を図1に示す。図1に示す画像記録装置は、記録媒体搬送手段としてのドラムを有し、この搬送手段によって記録媒体を順次各処理工程へ搬送して画像記録を行う構成を有する。図1は、記録媒体搬送手段としてのドラム型を、その回転中心軸に対して直交する面の断面として画像記録装置の構成を模式的に示したものである。
この装置におけるドラム7は、その中心軸を回転中心として、矢印で示された方向に駆動装置(不図示)により回転可能に設けられている。このドラム7の回転方向に添って、ローラ方式の単官能モノマー塗布装置2、紫外線(UV)照射装置3、反応液塗布装置4、インクジェット記録装置5、水分除去装置6が順次配置されている。ドラム7は、その外周面にロール状に巻かれた記録媒体1を引き出して載置し、その回転に伴って記録媒体の所定面を順次各装置での工程に供給できるようになっており、各装置はドラムの回転と同期して作動するようになっている。なお、記録媒体の画像記録が終了した部分は巻き取りロールに順次巻き取られる。
この装置における画像形成は以下のようにして行うことができる。
ドラム7をその中心軸を中心に、記録媒体の画像記録面の移動速度(搬送速度)が得られるように目的とする周速で回転させる。記録媒体の画像記録用の面が、単官能モノマー塗布装置2に到達した段階で、単官能モノマーをローラ塗布する。単官能モノマーが塗布された画像記録用の面が紫外線(UV)照射装置3に到達した段階で紫外線照射を行い、記録媒体に付与された単官能モノマーを重合させる。紫外線照射処理がなされた画像記録用の面が反応液塗布装置4に到達した段階で反応液がローラ塗布され、反応液が塗布された画像記録用の面にインクジェット記録装置5により画像が記録され、水分除去装置6により画像からの水分除去による定着処理が行われる。
本発明を適用し得る画像記録装置としては図1に示す構成のものに限定されず、各種構造のインクジェット記録装置を用いることができる。
なお、図1に示した画像記録装置におけるように、画像中の液体成分(水分や揮発性の液体成分)を減少させる工程を設けることも好ましい。特に、高速印刷を行う場合、液体成分が過剰であると余剰液体がはみ出したり、あふれ出したりして、画像乱れや印刷物を重ねる場合における印刷物同士のブロッキング等も生じ易くなる場合がある。液体成分除去方法としては各種の手法がいずれも好適に適用できる。加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法、またこれらを組み合わせる手法がいずれも好適に用いられる。また、自然乾燥により行うことも可能である。
なお、追加工程として、画像記録が行われた記録物をローラで加圧し、記録物における画像の定着性を高めるようにしても良い。また記録物を加熱することも定着性が向上する場合があり好適である。無論加熱ローラを用いてこれらを画像の乾燥及び定着を同時に行ってもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。
(記録媒体)
紙ベースの記録媒体として印刷用紙(OKプリンス上質、坪量52 g/m2:王子製紙(株)製)を用いた。
(光照射)
フュージョン社製、ライトハンマー6を用い500mW/mの条件でUV照射を行った。
(反応液)
下記組成で、水性反応液を作成した。
・グリセリン 10重量%
・硝酸カルシウム4水和物16重量%
・アセチレノールE−100(川研ファインケミカル社製)1重量%
・イオン交換水73重量%
(インク)
下記に示す顔料分散体を調製した。得られた顔料分散体を用いて、顔料インクを調製した。顔料インクの調製にあたっては、下記に従って各成分を混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ0.3μmのメンブレンフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、インクを調製した。
・顔料分散体
顔料としてモナク880(キャボット製)10部、アニオン系高分子P−1(スチレン/M230G(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート:新中村化学社製)/アクリル酸共重合体(共重合比(質量比)=65/12/25)、酸価160、重量平均分子量8,000、固形分10%の水溶液(中和剤:水酸化カリウム))40部、純水50部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを250部充填し、水冷しつつ、10時間分散処理を行った。更に、この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した。そして、最終調製物として、固形分が約14.0重量%、重量平均粒径が110nmの顔料分散体を得た。
・インク
更に、下記組成で、水性インクを作成した。
顔料部分散体 40重量%
ポリエチレングリコール1000 5重量%
グリセリン 5重量%
トリメチロールプロパン 3重量%
アセチレノールEH* 1重量%
イオン交換水 46重量
*川研ファインケミカル社製界面活性剤
(水性反応液付与、水性インク付与)
キヤノン株式会社製のインクジェットプリンタ「PIXUS Pro9500」を用いて、実施例および比較例の印刷用紙に10cm×20cmの面積にまず反応液を3.5g/m付与、続いて上記インクを用い100%dutyのベタ画像を描画した。インク付与量は14g/mであった。
(紙変形評価)
(コックリング評価)
記録物の形成終了直後に発生する波打ちの最大高さをレーザー変位計(キーエンス社製)にて測定し、水性インク付与前、インク付与10分後、および水性インク付与1週間後のコックリングを下記判定基準に従って評価した。
判定基準
◎:50μm未満
○:50μ以上100μm未満
△:100μm以上1mm未満
×:1mm以上
(カール評価)
記録物を温度23℃/相対湿度50%で、記録物の形成終了後、1時間放置後、1週間放置後のカール量を測定した。記録物の画像形成面を上面とした際に、凹方向に変形した場合を+、凸方向に変形した場合を−とし、カールした記録物の先端から紙の接地面までの距離を定規で測定した。以下の判定基準に従い評価した。
判定基準
◎:±3mm以内
○:±3mmより大きく±10mm以内
△:±10mmより大きく、±25mm以内
×:±25mmより大きい
××:紙の先端が紙面内側に反り返るか、丸まった状態
(実施例1)
単官能モノマーとして2−ヒドロキシエチルアクリルアミド(興人社製 化合物9 分子量115.15)10gを用い、光重合開始剤としてイルガキュア819(BASF社製)1gを混合し、単官能モノマー組成物を作成した。これを上述の印刷用紙上に、バーコーターで塗布した。塗布量は重量換算で約20g/m2であった。塗布後、UV照射して印刷用紙に付与した単官能モノマーを重合させて、記録用紙を得た。この記録用紙を用い水性インク付与を行い、コックリング、カールの状態を観察した。
結果を表1に示す。
(実施例2)
単官能モノマーとして4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学社製 化合物5 分子量144.17)を用いた以外は実施例1と同様に検討を行った。
(比較例1)
単官能モノマーの代わりに、1価アルコールであるエタノール(分子量46.07)を用い、光照射を行わなかった以外は実施例1と同様な検討を行った。
(比較例2)
単官能モノマーの代わりに多官能モノマーのペンタエリスリトールトリアクリレート(サ−トマー社製)を用いた他は実施例1と同様の検討を行った。
(比較例3)
塗布、光照射などの処理を一切行っていない印刷用紙を用い、実施例1と同様に水性インクを付与し実施例1と同様な検討を行った。
各実施例及び各比較例において得られたコックリング評価およびカール評価の判定結果を表1に示す。
Figure 2015208975
表1からわかるように本発明により、印刷用紙の水性インク付与による紙変形である
カール・コックリングを防止する記録方法が示された。
1 記録媒体
2 単官能モノマー塗布装置
3 紫外線(UV)照射装置
4 反応液塗布装置
5 インクジェット記録装置
6 水分除去装置
7 ドラム

Claims (8)

  1. 記録媒体に水性インクを付与して画像形成を行う水性インク付与工程を有する画像形成方法において、
    前記水性インク付与工程より前に、活性エネルギー線による重合性基と、水酸基及びアミド結合の少なくとも一方と、を有する単官能モノマーの少なくとも1種を前記記録媒体に付与する単官能モノマー付与工程と、
    前記単官能モノマーを付与する記録媒体に、活性エネルギー線重合開始剤を付与する重合開始剤付与工程と、
    前記単官能モノマー付与工程及び前記重合開始剤付与工程を経た記録媒体に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
    を有することを特徴とする画像記録方法。
  2. 前記重合開始剤付与工程が前記水性インク付与工程の前に行われ、前記照射工程が、これらの工程の間に行われる請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記単官能モノマーの少なくとも1種と前記活性エネルギー線重合開始剤を含む組成物を前記記録媒体に付与して、前記単官能モノマー付与工程と前記重合開始剤付与工程を同時に行う請求項1または2に記載の画像記録方法。
  4. 前記水性インク付与工程の前に、前記水性インクを高粘度化するための反応液を前記記録媒体に付与する反応液付与工程を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  5. 前記単官能モノマーの分子量が200以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  6. 前記単官能モノマーの活性エネルギー線による重合性基が、ビニル基、α−モノ置換−α,β不飽和二重結合を有する基、α,β−ジ置換−α,β不飽和二重結合を有する基、マレイン酸基、マレイン酸(モノまたはジ)アミド基、マレイミド基、エポキシ基及びオキセタン基から選択される請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 前記単官能モノマーが、下記式(I)及び(II)、(III)及び(IV)で表される化合物から選択される請求項6に記載の画像記録方法。
    Figure 2015208975
    [式(I)中、
    はHまたはアルキル基を表し、
    Xは、−O−,−CO−、−COO−、−NH−CO−または−CO−NH−を表し、
    Arは、直接結合または水酸基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、
    Zは、H、アルキル基、OHまたはORを表し、
    は、ヒドロキシアルキル基を表す。]
    Figure 2015208975
    [式(II)中、RはHまたはアルキル基を表し、Rは水酸基を有するアルキル基を表し、nは0または1である。]
    Figure 2015208975
    〔式(III)中、Arは水酸基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、Zは−H、アルキル基、−OH、−CONHまたは−NHCOHを表す。〕
    Figure 2015208975
    [式(IV)中、X、Xは各々独立に−O―または−NH―を示し、Arは各々独立に直接結合または水酸基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、Z、Zは各々独立に−Hまたは−OHを表す。]
  8. 前記単官能モノマーが、下記の化合物1〜30から選択される請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像記録方法。
    Figure 2015208975
    Figure 2015208975
    Figure 2015208975
    Figure 2015208975
    Figure 2015208975
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