JP2007161753A - インクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007161753A
JP2007161753A JP2005356097A JP2005356097A JP2007161753A JP 2007161753 A JP2007161753 A JP 2007161753A JP 2005356097 A JP2005356097 A JP 2005356097A JP 2005356097 A JP2005356097 A JP 2005356097A JP 2007161753 A JP2007161753 A JP 2007161753A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
water
pigment
mass
colorless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005356097A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Kaga
誠 加賀
Hirotaka Iijima
裕隆 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2005356097A priority Critical patent/JP2007161753A/ja
Publication of JP2007161753A publication Critical patent/JP2007161753A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】裏抜け、カールが少なく、高い擦過性と吐出安定性を有するインクセット、該インクを搭載したインクジェットプリンタ、及び該インクジェットプリンタを使用したインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】無色インクと有色インクからなるインクセットであって、インクが少なくとも水と顔料分散体を含有し、無色インク及び有色インクが共に水溶性有機溶剤の総量が全インクの50質量%以上90質量%未満であり、該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とするインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット方式に用いられるインクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法に関する。更には、普通紙印刷において高画質が得られるインクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法に関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便、安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェット画像記録システムでは、用いることのできる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップ等が問題となる。
一方、オフィスにおいては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙)の制約を受けずに高速でフルカラー印字が行えるシステムのニーズが益々高まりつつある。
特に安価であり、また入手が容易である普通紙(例えば、PPC用紙、印刷用非塗工紙など)に対して高画質な印刷を高速に行うことが望まれているが、普通紙印刷では水性インクを使用した場合には、文字画質、画像滲み、低い反射濃度、印刷後のカール、コックリング等の課題がある。油性インクを使用した場合には、カール、コックリングについては問題ないが、水性インクよりも劣る文字画質、激しい滲み、低い反射濃度等の課題がある。また、両面印刷行う場合には裏抜け(プリントスルー)も大きな課題である。このような普通紙印刷の課題を解決するために、インクの組成を始めとして種々の検討が行われてきた。
水性インクに対する改良方法の一つとして、分子量8万から25万相当のビニルピロリドンとアクリル酸共重合ポリマーを含有するインクにより、普通紙印刷時の画像滲みやインクの裏抜けを改善する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法ではノズルプレートに付いたインクをワイピング操作で拭き取る際に、添加されている超高分子量のポリマーがノズルプレートにこびり付きやすいため、拭き残りが発生しやすく、これを原因とした液滴着弾位置のずれによる画像劣化が生じやすいという問題があった。
また別の方法として、アルギン酸またはアルギン酸塩を含有するインクにより普通紙印刷時のフェザリング、ブリーディング、裏抜けを軽減させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、インクに含有するアルギン酸またはアルギン酸塩と普通紙に含有するカルシウムやアルミニウム等の多価金属カチオンが反応してゲル化増粘することにより、フェザリング、ブリーディング、裏抜けが改良される。しかしながら、普通紙中のカルシウムやアルミニウム等の多価金属イオンは必須成分ではなく、不純物として含有するものであり、紙の銘柄によって含有量が異なり、中には極度に含有量の小さい普通紙も存在する。従って、印刷する紙の銘柄によりこれらの効果の大きさが依存し、紙の銘柄によっては十分な効果が得られないという問題があった。
更に、平均分子量400〜1400のカチオン性ポリマーを含有する無色の液体組成物と着色インクを別々のヘッドで吐出させ、紙上で合一させることにより、普通紙印刷でのカラーブリードを低減する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。但し、無色の液体組成物の分だけ紙に記録する液体の総量が増えることにより、紙のコックリング、カールが生じやすいという問題があった。
一方、カール、コックリングの発生が殆ど無い油性インク組成において、50%留出点が280℃以下の溶剤(非極性溶剤)を10%以上含有し、同300℃以上の溶剤(極性溶剤、エステル系溶剤)を20%以上含有することにより、記録後の滲みを改良する技術が公開されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、この方法でも反射濃度、裏抜け、文字再現性については必ずしも十分なレベルにはなかった。
特開平10−1629号公報 特開2003−176432号公報 特開平10−95107号公報 特開2004−2666号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は普通紙に印刷した際の裏抜け、カールが少なく、高い擦過性と吐出安定性を有するインクセット、該インクを搭載したインクジェットプリンタ、及び該インクジェットプリンタを使用したインクジェット記録方法を提供するものである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.無色インクと有色インクからなるインクセットであって、インクが少なくとも水と顔料分散体を含有し、無色インク及び有色インクが共に水溶性有機溶剤の総量が全インクの50質量%以上90質量%未満であり、該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とするインクセット。
2.ノズル口径が25μm以下のインクジェットヘッドを有し、前記1に記載のインクセットのインクをノズルより出射することにより記録を行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
3.口径25μm以下のノズルが用紙の搬送方向と交差する方向に並んだラインヘッドを有し、実質的にヘッドが走査することなく、前記1に記載のインクセットのインクをノズルより出射することにより記録を行うことを特徴とするラインヘッド方式のインクジェットプリンタ。
4.前記2または3に記載のインクジェットプリンタを用いて普通紙の両面に印刷することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明により、裏抜け及びカール耐性、擦過性及び吐出安定性が向上したインクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法を提供することができた。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、無色インクと有色インクからなるインクセットであって、インクが少なくとも水と顔料分散体を含有し、前記無色インク及び有色インクが共に水溶性有機溶剤の総量が全インクの50質量%以上90質量%未満であり、水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とするインクセットにより、普通紙に印刷したときの裏抜け、カールが少なく、高い擦過性と吐出安定性を有するインクセットが実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
一般の水性インクのようにインク中の水含有比率が高いインクを普通紙に記録した場合には、紙への浸透はそれ程大きくなく、まずまずの文字画質とあまり高くない裏抜けが得られる。一方でカールは非常に大きい。
まずまずの文字画質とあまり高くない裏抜けが得られる理由として、推測だがインク中の水が普通紙を構成しているセルロースに配位するためにインクの浸透が抑制されるためと考えられる。
またカールが非常に大きくなる理由として、推測だが紙はセルロース間の水素結合によって紙としての形状を形成しているが、インク中の水がセルロースに配位した際にこの水素結合を切断し、次いでセルロースが水によって膨潤することで、インクが打ち込まれた部分のセルロース繊維間距離が離れ、カールが発生すると考えられる。また、次いで発生する水の乾燥において、打ち込まれる前に形成していた水素結合とは別な箇所で水素結合が再度形成され、保持される。これにより、普通紙全体としては元とは違う形に変形してしまう。これも結局はカールとして扱われる。
これに対して、水を含有しない、例えば、油性インクを普通紙に記録した場合には、普通紙へのインクの浸透が大きく、表面画像濃度の低下やインクの裏抜けが大きくなる。
表面画像濃度の低下やインクの裏抜けが大きくなる理由として、推測だが油性溶剤とセルロースとの相互作用が小さいため、油性溶剤はセルロース間の空隙を容易に拡散してしまい、インクの浸透が大きくなるため画像濃度が低下し、裏抜けが大きくなると考えられる。一方で、油性溶媒はセルロース間の水素結合を切らないため記録前の紙の構造が保たれており、カールしにくいと考えられる。
本発明のインクセットのインクは、水溶性有機溶剤の総量が全インクの50質量%以上90質量%未満であり、水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することが第一の特徴である。この溶剤組成により、普通紙に記録した場合でも文字画質に優れ、裏抜けが小さく、且つカールが殆どないプリントを得ることが可能である。更にこの文字画質、裏抜けとカール抑制の両立効果は、水性インクと油性インクのトレンドからは完全に逸脱したものである。
この効果の発現機構としては、推測だが水溶性有機溶剤の総量が全インクの50質量%以上90質量%未満であり、水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することで、セルロース間の水素結合の切断が発生しにくく、発生した場合でもセルロースを膨潤させにくいため、セルロース繊維間の距離が離れにくく、その為カールが発生しにくいと考えられる。一方、更に少なくとも水を含有することにより、インクがセルロースに配位する機能は有しているため、文字画質、裏抜けは良いと考えている。
また、SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの50質量%以上含有するのが更に好ましい。最も好ましくは全インクの60質量%以上含有するのが好ましい。水は全インク中の10〜45質量%であることが好ましい。水が10質量%以上存在することで裏抜け性に対して好ましく、水が45質量%以下存在することでカール抑制の観点から好ましくなる。
このようにカール、コンクリング、裏抜けに対する改良効果は上記組成のインクにより得られるが、残課題として擦過性が挙げられる。
この溶剤組成は上記理由によりカールが発生しにくく、文字画質、裏抜けは良い。但し、印字後の擦過性のについては課題が残ることがわかった。これは紙の深さ方向に対する顔料粒子の分布は表面近傍に偏在しており、印字後の外部からの応力に対して、顔料粒子が脱離することに起因すると考えられる。印字後のプリント物を重ねてファイル保存するなどの状況を想定すると、擦過性の向上が必要になる。
一方、普通紙を用いた両面印刷や、印刷の高速化を目的に用紙の搬送方向と交差する方向に並んだラインヘッドをもち、実質的にヘッドが走査しないプリンタへの対応が求められつつある。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の溶剤組成としては、少なくとも水を含有し、且つ水溶性有機溶剤の総量が全インクの50質量%以上90質量%未満であり、水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有する。更には、SP値が16.5以上22.5未満の水溶性有機溶剤の総量をインクの30質量%以上とすることが好ましい。
本発明でいう溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1974)に記載の方法で計算することができる。単位は(MPa)1/2であり、25℃における値を指す。
本発明のインクセットのインクは、SP値が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有する。この添加量が30質量%未満であると、普通紙記録時のカール、コックリングが極めて大きくなる。また、この水溶性有機溶剤のSP値も16.5未満では、水との相溶性が悪くなり分離が生じる。逆にSP値が24.6以上の有機溶剤では、カール抑制効果が不十分である。この水溶性有機溶剤のSP値の範囲は、20.0以上22.5未満であることがより好ましい。
以下、SP値が16.5以上24.6未満に該当する水溶性有機溶剤の例をSP値と共に示す。言うまでもなく本発明はこれに限定されるものではない。
エチレングリコールモノメチルエーテル(SP値:24.5)
エチレングリコールモノエチルエーテル(23.5)
エチレングリコールモノブチルエーテル(22.1)
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(22.3)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(16.8)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(22.1)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル(21.7)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
プロピレングリコールモノフェニルエーテル(24.2)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(21.8)。
本発明ではSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤に加えて、各種水溶性有機溶剤を併用して水溶性有機溶剤の総量としてインク全量の50質量%以上90質量%未満とすることができる。以下に水溶性有機溶剤の例を示す。
好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用できる。
本発明のインクセットのインクにおいては、皮膜形成樹脂により被覆された顔料粒子を含有することを1つの特徴とする。本発明にインクに係る皮膜形成樹脂は、公知慣用の水不溶性の皮膜形成樹脂を自己水分散性に改質された樹脂がいずれも使用することができる。このような皮膜形成樹脂としては特に制限はないが、例えば、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
この皮膜形成樹脂のガラス転移温度としては、50℃未満であってもインクジェット記録媒体への印字後の文字擦過性は良好だが、ノズル目詰まりや貯蔵安定性を更に高めることを考慮すると、ガラス転移温度が好ましくは50℃以上150℃以下であり、より好ましくは60℃以上150℃以下のものがインクジェット記録用として好適である。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。また、ブラック用顔料としてはカーボンブラックが挙げられる。
以上の他にレッド、グリーン、ブルー、中間色が必要とされる場合には以下の顔料を単独あるいは併用して用いることが好ましく、例えば、
C.I.Pigment Red;209、224、177、194、
C.I.Pigment Orange;43、
C.I.Vat Violet;3、
C.I.Pigment Violet;19、23、37、
C.I.Pigment Green;36、7、
C.I.Pigment Blue;15:6、
等が用いられる。
本発明のインクセットのインクに使用する顔料分散体の平均粒子径は、10nm以上、200nm未満であることが好ましい。顔料分散体の平均粒子径が10nm未満あるいは200nm以上では顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便でこの粒子径領域の精度が良く多用される。
この顔料の含有量はインク全質量に対して0.1質量%以上12質量%未満である。
本発明のインクセットのインクにおいて好ましく用いることができる水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることが吐出安定性の観点から好ましい。
水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体のような水溶性樹脂である。
水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは0.3〜5質量%である。これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
また、本発明で用いることのできる分散手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー、高圧ホモジナイザー等の各種分散機を用いることができる。また顔料分散体の粗粒分を除去する目的で遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
本発明のインクセットのインクにおいて、顔料分散体の平均粒径は500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
本発明は無色インク及び有色インクからなるインクセットであって、無色インクと有色インクが混合した際に増粘するか、インクの1成分が凝集あるいは析出を起こすインクセットである。これら増粘あるいは凝集を発生させる方法としては、水溶性ポリマーまたは多価金属塩から構成される。
水溶性ポリマーとしてはカチオン性ポリマーが用いられる。具体的には、ポリエチレンイミン、ジシアンジアンミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリビニルピリジウムハライド、ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基を共重合モノマーとして含むアクリル、メタクリル酸エステル共重合体等の4級アンモニウム塩類及びポリアミン等が挙げられる。ポリアミン類としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルラウリルアミン、ピペリジン、ポリエチレンイミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジエチレントリアミン、ポリアリルアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。
一方、多価金属塩としては、2価以上の多価金属イオンとこれらの多価金属イオンに結合する陰イオンから構成され、水に可溶なものである。具体的には、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr2+などを使用することができる。これらの陽イオンと結合する陰イオンとしては、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、CH3COO-などが挙げられる。
本発明に用いられる無色インクに含有される上記水溶性ポリマー、多価金属塩は、その添加量に特に制限はないが、より高い効果を得るには0.5%以上の濃度で含有されることが好ましい。但し、高濃度化すると液体の粘度が高まり、インクジェットヘッドからの吐出ができなくなる。出射性の観点から、無色インクの粘度は5〜40mPa・sの範囲にあることが好ましい。
本発明のインクセットのインクでは、上記説明した以外に必要に応じて吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号の各公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号の各公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号の各公報等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
上記構成からなる本発明に用いられる無色インク及び有色インクは、表面張力として25℃で25〜40mN/mであることが好ましく、より好ましくは25〜35mN/mであり、更に好ましくは30〜35mN/mである。また、無色インク及び有色インクの粘度としては、25℃で1〜40mPa・sであることが好ましく、より好ましくは5〜40mPa・sであり、更に好ましくは5〜20mPa・sである。
また、本発明の効果をより高めるには、無色インクの表面張力が有色インクのそれよりも小さいことが好ましい。
有色インクと無色インクを混合する場所は、有色インクと無色インクがインクジェットヘッドから吐出された後であれば特に制限はなく、液滴として空中を飛翔中でも被記録材料上でもよい。しかしながら、被記録材料上で混合させる方法は液滴の着弾位置を制御しやすく、本発明の効果をより発揮することができる。
有色インクと無色インクを被記録材料に付着する順序としては特に制限はなく、有色インクと無色インクを同時に付着させても、また無色インクを有色インクに付着する前あるいは後に付着させてもよいが、画像記録にインクジェット方式を用いる場合に、無色インクを有色インクを付着する前あるいは後に付着させることがインク吐出ノズルが少なくとも1本あれば足りるので好ましい。また有色インクと無色インクの付着順序は、無色インクの付着に先立ってインクを付着させるよりも、無色インクを付着させてから有色インクを付着させたほうが高い画像濃度を得ることができるので好ましい。
また、本発明のインクセットのインク中の溶存酸素濃度は、25℃で2ppm以下であることが好ましく、この溶存酸素濃度条件とすることにより、気泡の形成を抑制することができ、高速印字においても吐出安定性に優れたインクジェット記録方法を実現することができる。インク中に溶存している溶存酸素を測定する方法としては、例えば、溶存酸素測定装置DO−14P(東亜電波(株)製)を用いて測定することができる。
本発明のインクジェット記録方法で用いる普通紙としては特に制限はなく、その構成としては、LBKP及びNBKPに代表される化学パルプ、サイズ剤及び填料を主体とし、その他の抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙されたものである。本発明に係る普通紙に使用されるパルプ材としては、機械パルプや古紙再生パルプを併用してもよいし、またこれらを主材としても何ら問題はない。
本発明に係る普通紙に内添されるサイズ剤としては、例えば、ロジンサイズ、AKD、アルニケル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドリン、カチオン澱粉及びアクリルアミド等が挙げられる。
また、本発明に係る普通紙に内添される填料としては、例えば、微粉珪酸、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、カオリン、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディッカイト、パイロフィライト、セリサイト、二酸化チタン、ベントナイト等が挙げられる。
本発明のインクセットのインクを用いた画像形成方法においては、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドより記録液を液滴として吐出させ、記録媒体に付着させることで記録物が得られる。
本発明のインクセットのインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等などいずれの吐出方式を用いても構わない。
その中でも、本発明のインクジェット記録方法においては、本発明のインクセットのインクを25μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて普通紙に記録を行うこと、更に25μm以下のノズル径を有するラインヘッド方式のピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて普通紙に記録を行うことを特徴とする。
特に本発明のインクジェット記録方法においては、普通紙の両面に画像印字を行うことを1つの特徴としている。
本発明のインクセットのインクは前記特性を有しているため、両面に印字しても裏抜けがないため、いずれの面でも高濃度で画像品質に優れる記録物が得られる。また、両面印字は片面に印字した後に普通紙を裏返し、印字面を下にして搬送することが多いが、本発明のインクセットのインクは前記特性によりカールやコックリングによる記録媒体の変形がないため、搬送不良が生じたり、搬送ベルトがインクで汚染されたりすることがない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
〔無色インク及び有色インクの作製〕
《顔料粒子分散液の調製》
表1記載の組み合わせで顔料、水溶性有機溶剤、分散剤及び水を混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にポリプロピレン製のポリ瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散し、黒色顔料濃度が15%の顔料分散体a〜eを得た。
表中の顔料、水溶性有機溶剤、分散剤は下記の通りである。
MA7、MA100、MA600:いずれも三菱化学製
TEGME:トリエチレングリコールモノメチルエーテル
EG:ッチレングリコール
DPGME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
TPGME:トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
FEKA4570:エフカカディブズ製
BYK190:ビッグケミー・ジャパン製
ジョンクリル60、ジョンクリル501:いずれもジョンソンポリマー製。
《顔料インクの調製》
(顔料インクAの調製)
顔料粒子分散液a 30部
グリセリン 2部
ジエチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後、イオン交換水を加えて全量を100部とし、インク101を得た。
(顔料インクBの調製)
顔料粒子分散体b 30部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 40部
エチレングリコール 10部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、インク102を調製した。
(顔料インクCの調製)
顔料粒子分散体c 30部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 25部
エチレングリコール 25部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、インク103を調製した。
(顔料インクDの調製)
顔料粒子分散体d 30部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 35部
エチレングリコール 25部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、インク104を調製した。
(顔料インクEの調製)
顔料粒子分散体e 30部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 60部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、インク105を調製した。
《無色インクの調製》
(無色インク1の調製)
ポリアリルアミン PAA−HCl−3L(固形分50% 日東紡績製) 10部
グリセリン 5部
ジエチレングリコール 10部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、無色インク1を調製した。
(無色インク2の調製)
塩化マグネシウム 3部
グリセリン 8部
ジエチレングリコール 10部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、無色インク2を調製した。
(無色インク3の調製)
カチオン性樹脂Sumirez Resin 1001(固形分30% 住友化学製) 15部
グリセリン 5部
ジエチレングリコール 10部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、無色インク3を調製した。
(無色インク4の調製)
ポリアリルアミン PAA−HCl−3L(固形分50% 日東紡績製) 10部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 60部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、無色インク4を調製した。
(無色インク5の調製)
塩化マグネシウム 3部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 60部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、無色インク5を調製した。
(無色インク6の調製)
カチオン性樹脂Sumirez Resin 1001(固形分30% 住友化学製) 15部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 60部
オルフィンE1010 0.2部
以上の各添加剤を混合した後に、イオン交換水を加えて全量を100部とし、無色インク6を調製した。
上記のように調製したインク101〜105、更に表2に示す顔料インク及び無色インクのインクセット106〜115でプリントサンプルを作成し、以下に示す評価を行ない結果をまとめた。
〔画像記録試料の作製〕
ベルトコンベア上の進行方向にノズルの並びが直角になるように、1ヘッドあたりのノズル数512、解像度360dpi(dpiとは2.54cmあたりのドット数を表す)、液滴量14pl、駆動周波数12.8kHzのピエゾ型ヘッド(コニカミノルタIJ)を配列し、コニカファーストクラス(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)をベルトコンベアに置いて、350mm/secの速度で搬送させて、上記インクを用いて印字を行い、試料101〜115を作製した。なお、無色インクを付与する水準は、紙の搬送方向に対してより早く無色インクが付与されるように、ヘッド位置を紙の搬送方向に対して上流側にずらして印字した。
《裏抜け耐性の評価》
普通紙(コニカコピーペーパーNR−A100)に印字した試料の裏面を目視観察し、下記の基準に従って裏抜け耐性の評価を行った。
A:裏面にインクの滲み、裏抜けが全く認められない
B:裏面にインクの滲み、裏抜けが僅かに認められる程度であり許容される品質である
C:裏面にインクの滲み、裏抜けがやや認められるが、裏面印刷に際し気にならない程度である
D:裏面にインクの滲み、裏抜けがかなり認められ、裏面印刷に際し許容されない品質である
E:明らかな裏面へのインクの滲み、裏抜けが認められ、裏面印刷に対しては不適の品質である。
《印字後のカール特性の評価》
23℃、30%RHの環境下で、上記インクジェットプリンタを用いて、A4サイズの普通紙に、解像度1440dpi×1440dpiで、200mm×280mmのベタ画像を印字した。次いで、この印字した普通紙を23℃、20%RHの環境下で平らな台上で印字面を上にして1週間放置し、次いで四隅の浮き上がり高さを測定した。なお、中央部が浮き上がる負カールの試料については、上下を逆にして更に1日放置した後、四隅の浮き上がり高さを測定した。以上のようにして四隅の浮き上がり高さを測定し、下記の基準に従ってカール特性を評価した。
◎:殆ど平坦で、四隅で最も浮いている箇所でも浮き上がり高さが5mm未満である
○:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが5mm以上、10mm未満である
△:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが10mm以上、20mm未満である
×:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが20mm以上、50mm未満である
××:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが50mm以上、または円筒状に丸まってしまい、測定不可である。
《擦過性の評価》
画像をキムワイプS−200(クレシア製)にて5回擦り、画像濃度低下の程度を以下のようにグレード分類した。
◎:色落ちが全くなし
○:若干の色落ちは見られるが、画像としては気にならない
△:色落ちが確認でき、画質が低下
×:色落ちが大きく、画質への影響が大。
《吐出安定性の評価》
23℃、30%RHの環境下で、上記インクジェットプリンタを用いて、A4サイズの普通紙に主走査方向の解像度1440dpiで横45mm、縦40mmのベタ画像を連続印字した。この時、インク液滴を283発連続でプリント(約0.27秒)し、約5.73秒出射を中断し、その後283発のインク液滴を出射するパターンを繰り返して印字した。この様にして普通紙50枚に連続して印字し、最後の50枚目のプリントについて目視観察を行い、下記基準に従って、間欠印字適性の評価を行った。
◎:目視観察で画像ムラは確認されず、また輪郭部での欠けもなく良好な画像である
○:目視観察でスジには至らない極弱い濃度ムラが観察されるが、輪郭部の欠けの発生は認められない
△:搬送方向前部の画像の輪郭面が揃っていない
×:白スジが1本観察される
××:白スジが2本以上発生している。
表2より、本発明のインクセットからの110〜115からの試料は裏抜け、カール、擦過性いずれも比較よりも優れ、またインクとしての吐出安定性にも優れていることがわかる。
《両面印刷適性の評価》
裏移りを評価した上記ベタ印字画像200枚を、裏移り評価後直ちに再び同じインクを用いて、前記インクジェットプリンタの給紙トレーに裏面がプリント面になるように再度セットし、ベタ画像を連続的に印字した。
無色インクを付与しない試料101〜105は、試料102、104、105で裏抜け、カールの改良効果が見られるものの、擦過性に劣る。これに対して、無色インク1〜3を付与した試料106〜109は擦過性改良効果が見られるものの、無色インクの付与による総インク量の増加に起因するカール耐性の劣化が見られる。これに対して、無色インクの溶剤組成を本発明の構成にした試料110〜115は裏抜け、カール、擦過性のいずれも優れた性能が得られており、本発明の効果を確認することができた。
また、本発明の効果を有するインクについて、べた画像印字後、画像を印字した紙を素早く取り出し、画像を印字していない面が表側になるようにセットして両面印刷を行った。表面を全て印刷し終えてから裏面を印刷し始めるまでの間の時間は3〜4秒だった。続いて、両面印刷を終えたプリンタをそのまま用い、インクは吐出せず上記普通紙をプリンタ内に通過させ、普通紙に転写されるインクの量でプリンタ内の汚れを評価したところ、いずれのインクも問題がないことが確認できた。

Claims (4)

  1. 無色インクと有色インクからなるインクセットであって、インクが少なくとも水と顔料分散体を含有し、無色インク及び有色インクが共に水溶性有機溶剤の総量が全インクの50質量%以上90質量%未満であり、該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とするインクセット。
  2. ノズル口径が25μm以下のインクジェットヘッドを有し、請求項1に記載のインクセットのインクをノズルより出射することにより記録を行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 口径25μm以下のノズルが用紙の搬送方向と交差する方向に並んだラインヘッドを有し、実質的にヘッドが走査することなく、請求項1に記載のインクセットのインクをノズルより出射することにより記録を行うことを特徴とするラインヘッド方式のインクジェットプリンタ。
  4. 請求項2または3に記載のインクジェットプリンタを用いて普通紙の両面に印刷することを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2005356097A 2005-12-09 2005-12-09 インクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法 Pending JP2007161753A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005356097A JP2007161753A (ja) 2005-12-09 2005-12-09 インクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005356097A JP2007161753A (ja) 2005-12-09 2005-12-09 インクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007161753A true JP2007161753A (ja) 2007-06-28

Family

ID=38245035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005356097A Pending JP2007161753A (ja) 2005-12-09 2005-12-09 インクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007161753A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009202596A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Toshiba Corp インクジェット記録方法、インクジェット記録用前処理液およびインク組成物
EP2105474A1 (en) 2008-03-25 2009-09-30 Fujifilm Corporation Ink set for inkjet recording, image recording method and image recording apparatus
JP2009226850A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Fujifilm Corp 画像記録装置、及び画像記録方法
WO2009133797A1 (ja) * 2008-04-28 2009-11-05 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
WO2009133796A1 (ja) * 2008-04-28 2009-11-05 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
EP2123462A1 (en) 2008-05-23 2009-11-25 Fujifilm Corporation Inkjet recording method and apparatus
JP2010047659A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Konica Minolta Holdings Inc インクセット及びインクジェット記録方法
JP2010046810A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録方法
JP2010064480A (ja) * 2008-08-14 2010-03-25 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成方法
JP2010222420A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Fujifilm Corp インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法
US8162423B2 (en) 2008-06-30 2012-04-24 Fujifilm Corporation Inkjet recording method and apparatus
US8602545B2 (en) 2010-10-15 2013-12-10 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Treatment solution for ink-jet recording, water-based ink set for ink-jet recording, ink-jet recording method and ink-jet recording apparatus
US8608844B2 (en) 2008-02-13 2013-12-17 Fujifilm Corporation Ink composition, ink set and image forming method
JP2017528348A (ja) * 2014-09-26 2017-09-28 アグフア・グラフイクス・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ 高粘度噴出法

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8608844B2 (en) 2008-02-13 2013-12-17 Fujifilm Corporation Ink composition, ink set and image forming method
JP2009202596A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Toshiba Corp インクジェット記録方法、インクジェット記録用前処理液およびインク組成物
US8188160B2 (en) 2008-03-25 2012-05-29 Fujifilm Corporation Ink set for inkjet recording, image recording method and image recording apparatus
EP2105474A1 (en) 2008-03-25 2009-09-30 Fujifilm Corporation Ink set for inkjet recording, image recording method and image recording apparatus
JP2009227909A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Fujifilm Corp インクジェット用インクセット、画像記録方法、及び画像記録装置
JP2009226850A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Fujifilm Corp 画像記録装置、及び画像記録方法
US8408692B2 (en) 2008-03-25 2013-04-02 Fujifilm Corporation Ink set for inkjet recording, image recording method and image recording apparatus
WO2009133796A1 (ja) * 2008-04-28 2009-11-05 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
JP2009287014A (ja) * 2008-04-28 2009-12-10 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
WO2009133797A1 (ja) * 2008-04-28 2009-11-05 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
US8596776B2 (en) 2008-04-28 2013-12-03 Kao Corporation Aqueous ink for inkjet recording
US8556403B2 (en) 2008-04-28 2013-10-15 Kao Corporation Aqueous ink for inkjet recording
JP2009287015A (ja) * 2008-04-28 2009-12-10 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
EP2123462A1 (en) 2008-05-23 2009-11-25 Fujifilm Corporation Inkjet recording method and apparatus
US8337953B2 (en) 2008-05-23 2012-12-25 Fujifilm Corporation Inkjet recording method and apparatus
US8162423B2 (en) 2008-06-30 2012-04-24 Fujifilm Corporation Inkjet recording method and apparatus
JP2010064480A (ja) * 2008-08-14 2010-03-25 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成方法
JP2010046810A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録方法
JP2010047659A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Konica Minolta Holdings Inc インクセット及びインクジェット記録方法
JP4625133B2 (ja) * 2009-03-19 2011-02-02 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法
JP2010222420A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Fujifilm Corp インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法
US8602545B2 (en) 2010-10-15 2013-12-10 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Treatment solution for ink-jet recording, water-based ink set for ink-jet recording, ink-jet recording method and ink-jet recording apparatus
JP2017528348A (ja) * 2014-09-26 2017-09-28 アグフア・グラフイクス・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ 高粘度噴出法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007161753A (ja) インクセット、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法
JP5082203B2 (ja) 水性インク、水性インクの製造方法、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法
JP2007145928A (ja) インクジェット用インク、インクジェット用インクの製造方法、インクジェットプリンタ、及びそれを用いたインクジェット記録方法
JP2013256108A (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物
JP4111104B2 (ja) 反応液、インクセット及びインクジェット記録方法
JP2005220296A (ja) インクジェット用インクとそれを用いたインクジェット記録方法
JP2005220297A (ja) インクジェット用インク及びインクジェット記録方法
JP2017206021A (ja) インクジェット記録方法
JP2012040750A (ja) 画像形成方法
JP2007091908A (ja) インクジェットインク
JP7288601B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2006321875A (ja) 記録液、インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法
JP2007144931A (ja) インクジェット記録方法及びインクジェットプリンタ
US7479182B2 (en) Black Ink for ink-jet printing
JP2007145926A (ja) インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法
JP2007153975A (ja) インクジェット画像形成方法
JP2007181974A (ja) インクジェット画像記録装置及びインクジェット画像形成方法
JP2007136819A (ja) インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置、およびインクジェット記録方法
JP2007246791A (ja) インクジェット用水性インク及びインクジェット記録方法
JP2005022329A (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP5187066B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2007197635A (ja) インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法
JP2010046809A (ja) インクジェット記録方法
JP2007145927A (ja) インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法
JP2007204581A (ja) インクジェット用インクセットおよびインクジェット記録方法