JP2017013163A - 電動工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した制動が可能な電動工具を提供する。【解決手段】グラインダ1において、操作スイッチがオフになると、ねじりバネの付勢によりカム52は反時計回り方向に回転し、各押圧ローラ53は、カム52のカム面52bに乗り上げて径方向外側に移動し、各ブレーキシュー55をスプリング54の付勢に抗してブレーキドラム56の内周面に押し付け、ブレーキ機構50による制動力が働く。操作スイッチがオンになると、操作スイッチに連動してカム52が時計回り方向に回転し、各押圧ローラ53は、カム52のカム面52bを下って部分的に切欠部52a内に入り、各ブレーキシュー55は、スプリング54の付勢によりブレーキドラム56の内周面から離間し、ブレーキ機構50による制動力が無くなる。【選択図】図3
Description
本発明は、操作スイッチがモータのオフを選択しているときにモータに制動力を働かせる電動工具に関する。
例えば下記特許文献1に示すグラインダ等の電動工具において、作業性向上のために、操作スイッチがモータのオフを選択しているときにモータに制動をかけるものが求められている。制動力を発生するブレーキ機構としては、ロータと共に回転する回転円盤の軸垂直平面に対して制動板を軸方向に押し付ける構成が考えられる。
ロータと共に回転する回転円盤の軸垂直平面に対して制動板を軸方向に押し付けるブレーキ機構では、平面同士の接触による制動となるため、面精度や平面同士の当たり方のばらつきで、制動力が不安定になるという問題があった。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、安定した制動が可能な電動工具を提供することにある。
本発明のある態様は、電動工具である。この電動工具は、
ステータ及びロータを有するモータと、
前記モータを収容するモータハウジングと、
前記モータのオン、オフを切替え可能な操作スイッチと、
前記操作スイッチが前記モータのオフを選択しているときに前記モータに制動力を働かせるブレーキ機構と、を備え、
前記ブレーキ機構は、
前記ロータの径方向に移動可能に設けられたブレーキ部材と、
前記操作スイッチに連動して前記ロータの軸と同軸となる軸を中心に回転し、前記ブレーキ部材に対する非押圧、押圧の状態が切り替わる押圧部材と、
前記ロータと一体となって回転するブレーキ当接部と、を有し、
前記操作スイッチが前記モータのオフを選択しているときは、前記押圧部材が前記ブレーキ部材を前記ブレーキ当接部に押し付けることで、前記モータに対しての制動力を働かせる。
ステータ及びロータを有するモータと、
前記モータを収容するモータハウジングと、
前記モータのオン、オフを切替え可能な操作スイッチと、
前記操作スイッチが前記モータのオフを選択しているときに前記モータに制動力を働かせるブレーキ機構と、を備え、
前記ブレーキ機構は、
前記ロータの径方向に移動可能に設けられたブレーキ部材と、
前記操作スイッチに連動して前記ロータの軸と同軸となる軸を中心に回転し、前記ブレーキ部材に対する非押圧、押圧の状態が切り替わる押圧部材と、
前記ロータと一体となって回転するブレーキ当接部と、を有し、
前記操作スイッチが前記モータのオフを選択しているときは、前記押圧部材が前記ブレーキ部材を前記ブレーキ当接部に押し付けることで、前記モータに対しての制動力を働かせる。
前記ブレーキ機構は、前記ブレーキ部材と前記押圧部材との間に介在し、前記径方向に移動可能な中間部材を有し、
前記操作スイッチが前記モータのオフを選択しているときは、前記中間部材を介して前記押圧部材が前記ブレーキ部材を前記ブレーキ当接部に押し付けてもよい。
前記操作スイッチが前記モータのオフを選択しているときは、前記中間部材を介して前記押圧部材が前記ブレーキ部材を前記ブレーキ当接部に押し付けてもよい。
前記押圧部材は、自身の回転に伴い前記中間部材を前記径方向に移動させるカム面を有してもよい。
前記中間部材は、複数設けられてもよい。
前記ブレーキ部材は複数設けられ、1つのブレーキ部材を複数の中間部材で前記ブレーキ部材側に押し付けてもよい。
前記ブレーキ機構は、前記押圧部材を押圧状態になるように回転する方向に付勢する付勢手段を有してもよい。
前記操作スイッチと前記押圧部材とを相互に連結し、前記操作スイッチがオフからオンに切り替わる動作に連動して前記押圧部材を前記付勢手段による付勢に抗して回転させるワイヤを備えてもよい。
前記ブレーキ当接部が、前記ロータの径方向において前記押圧部材よりも外側に位置してもよい。
前記ブレーキ当接部は、前記ロータに設けられたブレーキドラムの内周面であり、前記ブレーキドラムの外周面には複数の羽根が立設されてもよい。
前記ブレーキ当接部は、制動時に、前記ロータの軸回り方向における位置が互いに異なる少なくとも3箇所で前記ブレーキ部材と当接してもよい。
二分割構造のハンドルハウジングを備え、前記ブレーキ機構は、前記ロータの軸方向において、前記モータハウジング及び前記ハンドルハウジングの相互連結部と略等しい位置に配置されてもよい。
前記ハンドルハウジングは、前記モータハウジングに対して回転可能であってもよい。
前記ハンドルハウジングは、前記モータハウジングの後端部に、防振手段を介して連結されてもよい。
前記ブレーキ部材は、周囲が覆われたブレーキ収容空間に配置されてもよい。
前記ブレーキ機構は、前記モータの外径範囲内に設けられてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、安定した制動が可能な電動工具を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
実施の形態1
本実施の形態では、図1〜図7により、電動工具の一例として、グラインダ1の構成を説明する。なお、図1により、前後上下の各方向を定義する。グラインダ1は、先端工具(回転具)としての砥石10を備え、コンクリートや石材などの表面を平坦にする研削作業などに用いられる。砥石10は、円盤形状で、直径が例えば100mm〜250mmである。なお、先端工具としては、円板状の研磨用砥石や切断用砥石の他に、円板状のブラシやカッター等も取付け可能である。グラインダ1は、ハンドルハウジング2(例えば樹脂製)と、モータハウジング3(例えば樹脂製)と、ギヤケース4とを備える。
本実施の形態では、図1〜図7により、電動工具の一例として、グラインダ1の構成を説明する。なお、図1により、前後上下の各方向を定義する。グラインダ1は、先端工具(回転具)としての砥石10を備え、コンクリートや石材などの表面を平坦にする研削作業などに用いられる。砥石10は、円盤形状で、直径が例えば100mm〜250mmである。なお、先端工具としては、円板状の研磨用砥石や切断用砥石の他に、円板状のブラシやカッター等も取付け可能である。グラインダ1は、ハンドルハウジング2(例えば樹脂製)と、モータハウジング3(例えば樹脂製)と、ギヤケース4とを備える。
モータハウジング3は、全体として略円筒形状を成しており、モータハウジング3の内部には、モータ(電動モータ)6が収容される。モータ6は、ここではステータ6b及びロータ6cを有するブラシ付きモータである。モータ6は、ハンドルハウジング2の後端から引き出された電源コード7を介して商用電源等の外部交流電源に接続される。モータハウジング3内においてモータ6の前方には、モータ6の出力軸6aと一体に回転するファン9が設けられる。ファン9は、前方に向かう冷却風を発生する。冷却風は、ハンドルハウジング2の両側面に設けられた図示しない複数の吸気口(風窓)からハンドルハウジング2内に取り込まれ、モータ6等を冷却し、ギヤケース4に設けられた図示しない複数の排気口(風窓)から外部に排気される。モータ6の出力軸6aの前端部には、第1のベベルギヤ21が設けられる。
ハンドルハウジング2は、モータハウジング3の後端部に、防振手段としての弾性リング31を介して弾性的に取り付けられる(連結される)。ハンドルハウジング2は、図4に示すように左右2分割構造であり、左ハンドルハウジング2a及び右ハンドルハウジング2bをネジ止め等により相互に連結(結合一体化)したものである。ハンドルハウジング2は、図示しないハンドルロック操作部によるハンドルロックを解除することでモータハウジング3に対して回転可能である。ハンドルハウジング2には、モータ6への通電有無(モータ6の駆動、停止)を切り替える操作スイッチ(トリガスイッチ)5が設けられる。操作スイッチ5は、支点5aによりハンドルハウジング2に回動可能に支持され、モータ6への通電有無を切り替えるスイッチボタン8と係合する。スイッチボタン8は、突出状態がオフ、押込状態がオンであり、その内部には突出状態へと付勢する不図示のスプリングが設けられている。操作スイッチ5の回動は、金属製(ここではステンレス鋼製)のワイヤ60によって後述のブレーキ機構50に伝達される。操作スイッチ5は、スイッチヒンジプレート(ワイヤ保持部材)5bを有し、ワイヤ60の一端がスイッチヒンジプレート5bに引っ掛けられ固定される(接続される)。操作スイッチ5は、スプリング5cにより、オフになる方向(図1の下方)に付勢されており、作業者が操作スイッチ5から手を離すと、スイッチボタン8の内部に設けられた不図示のスプリングとスプリング5cの付勢力により操作スイッチ5がオフになる。
ギヤケース4は、例えばアルミ合金等の金属製であり、モータハウジング3の前端部に取り付けられる。ギヤケース4の下端の開口部は、蓋部材としてのパッキングランド11によって塞がれる。パッキングランド11は、ギヤケース4に対してネジ止め等により固定される。パッキングランド11は、後述のホイルガード30を保持する保持部材となる。ギヤケース4の内部には、スピンドル20が回転自在に保持される。スピンドル20は、モータ6の出力軸6a(ロータ回転軸)と略直交しており、その一端はパッキングランド11を貫通して外部に突出する。一方、ギヤケース4内に位置するスピンドル20の他端側には、モータ6の出力軸6aに取り付けられた第1のベベルギヤ21と噛み合う第2のベベルギヤ22が設けられる(取り付けられる)。モータ6の回転は、回転伝達機構(減速部)としての第1のベベルギヤ21及び第2のベベルギヤ22によって回転方向が90度変換されると共に、回転速度が減速されてスピンドル20に伝達される。すなわち、スピンドル20はモータ6によって回転駆動される。
砥石10は、ホイルワッシャ及びロックナットによってスピンドル20に固定され、スピンドル20と一体的に回転する。ハンドルハウジング2に設けられた操作スイッチ5が操作されると、モータ6に電力が供給され、モータ6の出力軸6aが回転する。すると、第1のベベルギヤ21及び第2のベベルギヤ22を介して出力軸6aに連結されているスピンドル20が回転し、スピンドル20に固定されている砥石10が回転する。パッキングランド11には、砥石10の外周の少なくとも1/2以上を覆うホイルガード30が取り付けられる。ホイルガード30は、作業中にその回動位置が変化しないように回り止めされ、回り止めを解除すれば作業内容に合わせて回動位置を変更できるようになっている。
以下、グラインダ1のブレーキ機構50を説明する。ブレーキ機構50は、操作スイッチ5がモータ6のオフを選択しているときにモータ6に対して制動力を働かせる。ブレーキ機構50は、ロータ回転軸方向において、ハンドルハウジング2及びモータハウジング3の相互連結部と略等しい位置に配置される。また、ブレーキ機構50は、モータ6の外径範囲内に設けられる。図2及び図3に示すように、ブレーキ機構50は、軸部材51と、押圧部材としての鋼鉄製のカム52と、中間部材としての押圧ローラ53と、付勢手段としてのスプリング(コイルバネ)54と、ブレーキ部材としてのブレーキシュー55と、ブレーキ当接部としてのブレーキドラム56と、ローラホルダ57と、ねじりバネ58とを含む。ブレーキドラム56とローラホルダ57との間の空間はブレーキ収容空間であり、このブレーキ収容空間に各押圧ローラ53及び各ブレーキシュー55が収容される。ブレーキドラム56とローラホルダ57との隙間はわずかであり、外部から異物がブレーキ収容空間に入りにくい構造となっている。
軸部材51は、モータ6の出力軸6a(ロータ回転軸)と同軸であり、ハンドルハウジング2の左右内面にそれぞれ立設された支持部(支持リブ)2cによって支持される。なお、軸部材51はモータ6の出力軸6aとは別体であり、出力軸6aの回転は軸部材51に伝わらない。軸部材51の周囲には、カム52が回転可能に設けられる。図3に示すように、カム52は、偏平円柱形状であって押圧ローラ53と同数の切欠部52a及びカム面52bを有する。カム面52bは、カム52の外周面の一部であって各切欠部52aと連なるように各切欠部52aの片側に設けられる。カム52の径方向外側には、複数の(図3の例では3つの)ブレーキシュー55が軸周り方向に配列される。各ブレーキシュー55は、軸部材51の径方向(出力軸6aの径方向と同方向)に移動可能であり、ローラホルダ57の凸部57bによって回り止めされる。カム52とブレーキシュー55との間には、複数の押圧ローラ53が設けられる。各押圧ローラ53の回転軸は、カム52の回転軸と平行である。好ましくは1つのブレーキシュー55に対して複数の(図3の例では2つの)押圧ローラ53が設けられる。各押圧ローラ53は、ローラホルダ57により、一定の可動範囲内から出ないように仕切られた空間に位置する。各押圧ローラ53は、ローラホルダ57によって定められた可動範囲内で軸部材51の径方向に移動可能である。
ローラホルダ57は、鋼鉄等の金属製であってハンドルハウジング2に固定支持される。ローラホルダ57は、カム52の外周面からハンドルハウジング2の内面に至る略円板状部を有する。図2に示すように、ハンドルハウジング2の内面には1周するように凹溝2dが設けられており、ローラホルダ57の外縁部が、全周に渡ってハンドルハウジング2の凹溝2d内に僅かな隙間を持って位置する。この隙間は、弾性リング31の変形によるハンドルハウジング2の位置変化に対応するために設けられる。なお、凹溝2dの片方の側壁を成す凸条2eが図4及び図7に現れる。図4に示すように、ローラホルダ57の外縁部には90度おきに凸部57cが設けられており、凸部57cがハンドルハウジング2の凹溝2d内の図示しない凹部に嵌合し、ハンドルハウジング2とローラホルダ57の相対的な軸周り方向位置が固定される。これによって、ハンドルハウジング2をモータハウジング3に対して回転させたときにローラホルダ57及びカム52、複数の押圧ローラ53、複数のブレーキシュー55も一体に回転する構成となっている。図2及び図4に示すように、ローラホルダ57は、ブレーキドラム56の外周面より径方向外側となる位置に、冷却風を通すための複数の(図4の例では6つの)窓部(貫通穴)57aを有する。
スプリング54は、ローラホルダ57と各ブレーキシュー55との間にそれぞれ設けられ、ブレーキシュー55を径方向内側(ブレーキドラム56の内周面から離間する方向)に付勢する。ブレーキドラム56は、金属製の偏平有底円筒形状であってモータ6の出力軸6aに一体回転可能に設けられる。ブレーキドラム56の内周面が、ブレーキシュー55と対面する。ブレーキドラム56の外周面には、例えば金属製の複数の羽根56aが立設される。羽根56aは、気流を発生させるファン及びブレーキ時の摩擦によってブレーキドラム56が持った熱を冷却する冷却用の放熱フィンとして機能する。図2に示すように、羽根56aの少なくとも一部は、ローラホルダ57の窓部57aと径方向位置が重なる。
図2及び図4に示すように、カム52とローラホルダ57との間には、付勢手段としてのねじりバネ58が設けられる。ねじりバネ58は、カム52をローラホルダ57に対して図3及び図4における反時計回り方向に付勢する。カム52は、径方向外側に延びるアーム部52cを有し、アーム部52cにはヒンジプレート59が取り付けられる。ヒンジプレート59は、ワイヤ60とねじりバネ58とを相互に連結する連結部材である。図2及び図4に示すように、ワイヤ60は、一端が操作スイッチ5のスイッチヒンジプレート5bに固定され、ハンドルハウジング2に支持されたガイドローラ61,62によって延出方向がカム52の軸回り方向に沿うように変換され、他端がヒンジプレート59に固定される(接続される)。ヒンジプレート59には、また、ねじりバネ58の一端が取り付けられる(固定される)。ねじりバネ58の他端は、ローラホルダ57に取り付けられる(固定される)。
次にブレーキ動作について説明する。操作スイッチ5がオフ状態である図3及び図4に示す状態から、操作スイッチ5をオンにすると、図6及び図7に示すように、ワイヤ60がねじりバネ58の付勢に抗して操作スイッチ5のスイッチヒンジプレート5bに引っ張られ、カム52が時計回り方向に回転する。すると、各押圧ローラ53は、図6に示すように、カム52のカム面52bを下って部分的に切欠部52a内に入り(径方向内側に移動し)、各ブレーキシュー55は、スプリング54の付勢によりブレーキドラム56の内周面から離間し、ブレーキ機構50による制動力が無くなる(ブレーキ機構50が解除される)。この状態でスイッチボタン8がオンになり、制動力が無い状態でモータ6が駆動する。次に、作業が終了し、操作スイッチ5をオフにすると、図3及び図4に示すように、ねじりバネ58の付勢によりカム52は、ワイヤ60を引っ張って反時計回り方向に回転する。すると、各押圧ローラ53は、図3に示すように、カム52のカム面52bに乗り上げて径方向外側に移動し、各ブレーキシュー55をスプリング54の付勢に抗してブレーキドラム56の内周面に押し付け、ブレーキ機構50による制動力が働きモータ6の回転が停止する。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) ブレーキ機構50は、ローラ53及びブレーキシュー55を軸部材51の径方向(出力軸6aの径方向と同方向)に移動させブレーキドラム56の内周面に押し付けて制動力を発生させる構成のため、ロータと共に回転する回転円盤の軸垂直平面に対して制動板を軸方向に押し付けるブレーキ機構と比較して、面精度や平面同士の当たり方のばらつきといった制動力が不安定になる要素が少なく、安定した制動が可能となる。
(2) ロータ回転軸とカム52の回転軸(軸部材51)が同軸のため、ブレーキ機構50の径方向のサイズをコンパクトにできる。また、カム52、複数の押圧ローラ53、及び複数のブレーキシュー55をロータ回転軸と同軸の軸部材51を中心に配置し、ロータ回転軸を中心にモータハウジング3に対して回転可能なハンドルハウジング2で支持するため、カム52、複数の押圧ローラ53、及び複数のブレーキシュー55に対する操作スイッチ5の位置関係を変えずにハンドルハウジング2を回転させることができる。
(3) 制動力を発生させるために押圧ローラ53を径方向外側に移動させるカム52の回転を、ねじりバネ58の付勢力(復帰力)のみで行うため、操作スイッチ5をオフした時の制動力を一定にすることができ、適切な制動力の設定が容易に可能である。
(4) ブレーキドラム56とローラホルダ57によって覆われたブレーキ収容空間内にブレーキシュー55が配置され、制動力発生部(ブレーキシュー55とブレーキドラム56の相互接触部)がブレーキ収容空間内にあるため、ブレーキ機構50から発生するブレーキダストの大部分はブレーキ収容空間内に留まり、モータ6の内部へのブレーキダストの進入が抑制される。また、モータ6はブラシ付きモータであるため、不図示の整流子にブレーキダストが付着し、モータ6への通電効率が低下することを抑制できる。
(5) 制動力発生部がロータ回転軸に対して径方向に離間した位置にあるため、ロータ回転軸付近で制動力を発生させる場合と比較して効率の良い制動が可能となる。
(6) 複数のブレーキシュー55を軸周り方向に配列し、各ブレーキシュー55をブレーキドラム56の内周面に押し付けるため、ほぼ全周に渡って制動力を発生させることができ、バランスよく安定した制動力が得られる。
(7) 1つのブレーキシュー55を複数の押圧ローラ53で押圧するため、ブレーキシュー55を均等に押し付けることができ、バランスよく安定した制動力が得られる。
(8) 操作スイッチ5及びブレーキ機構50が共にモータ6の後方に位置するため、操作スイッチ5に連動してブレーキ機構50を動作させる機構(ワイヤ60及びガイドローラ61,62)が小型かつシンプルな構成で済む。
(9) ブレーキドラム56の外周面に羽根56aが設けられるため、羽根56aによる気流の発生及び冷却フィンとしての機能により、摩擦により発熱するブレーキドラム56を好適に冷却することができる。
実施の形態2
本実施の形態では、図8〜図13により、電動工具の一例として、グラインダ1Aの構成を説明する。なお、図8において図示を省略したグラインダ1Aの前部の構成は、実施の形態1と同じである。グラインダ1Aは、実施の形態1のものと比較して、ブレーキ機構50に関連する構成が主に相違する。以下、相違点を中心に説明する。
本実施の形態では、図8〜図13により、電動工具の一例として、グラインダ1Aの構成を説明する。なお、図8において図示を省略したグラインダ1Aの前部の構成は、実施の形態1と同じである。グラインダ1Aは、実施の形態1のものと比較して、ブレーキ機構50に関連する構成が主に相違する。以下、相違点を中心に説明する。
ブレーキ機構50は、モータ6の出力軸6aの後端部に設けられたブレーキ当接部63と、ブレーキ部材としてのブレーキシュー55と、中間部材としての押圧ローラ53と、押圧部材としてのカム52と、付勢手段としてのスプリング(コイルバネ)54と、樹脂製のカバー64と、カバー64と一体となったローラホルダ57と、ねじりバネ58とを含む。カム52とカバー64との間の空間はブレーキ収容空間であり、このブレーキ収容空間に各押圧ローラ53、各ブレーキシュー55、及びブレーキ当接部63が収容される。
モータ6の出力軸6aを中心とする偏平円柱形状のブレーキ当接部63の周囲には、複数の(図10の例では3つの)ブレーキシュー55が軸周り方向に配列される。各ブレーキシュー55は、ロータ6cの径方向に移動可能である。なお、ブレーキシュー55の回り止め構造の図示は省略している。ブレーキシュー55の径方向外側には、カム52の側面部が位置する。カム52は、モータ6の出力軸6aと同軸となる軸を中心に回転可能な偏平有底円筒形状であって、図10に示すように押圧ローラ53と同数の切欠部52a及びカム面52bを側面部に有する。カム面52bは、カム52の内周面の一部であって各切欠部52aと連なるように各切欠部52aの片側に設けられる。カム52の内周面とブレーキシュー55との間には、複数の押圧ローラ53が設けられる。各押圧ローラ53の回転軸は、カム52の回転軸と平行である。好ましくは1つのブレーキシュー55に対して複数の(図10の例では2つの)押圧ローラ53が設けられる。各押圧ローラ53は、ローラホルダ57により、一定の可動範囲内から出ないように仕切られた空間に位置する。各押圧ローラ53は、ローラホルダ57によって定められた可動範囲内でロータ6cの径方向に移動可能である。
スプリング54は、ローラホルダ57と各ブレーキシュー55との間にそれぞれ設けられ、ブレーキシュー55を径方向外側(ブレーキ当接部63の外周面から離間する方向)に付勢する。カバー64は、偏平有底円筒形状であってハンドルハウジング2の環状支持部2fに支持される。環状支持部2fは、連絡部2gによってハンドルハウジング2の外殻部に接続される。ハンドルハウジング2の外殻部と環状支持部2fとの間には、冷却風を通すための複数の窓部2hが設けられる。ハンドルハウジング2は、左右に分割可能な2分割構造となっており、カバー64は、2つのハンドルハウジング片に挟持される。カバー64の内周面には、ニードルベアリング65が設けられる。ニードルベアリング65は、カム52の外周面と係合し、カム52を回転自在に支持する。
図11及び図13に示すように、カム52とハンドルハウジング2の環状支持部2fとの間には、付勢手段としてのねじりバネ58が設けられる。ねじりバネ58は、カム52をハンドルハウジング2に対して図11及び図13における反時計回り方向に付勢する。カム52は、径方向外側に延びるアーム部52cを有し、アーム部52cにはヒンジプレート59が取り付けられる。ヒンジプレート59は、ワイヤ60とねじりバネ58とを相互に連結する連結部材である。ワイヤ60は、図9に示すように一端が操作スイッチ5のスイッチヒンジプレート5bに固定され、ハンドルハウジング2に支持されたガイドローラ61,62によって延出方向がカム52の軸回り方向に沿うように変換され、図11に示すように他端がヒンジプレート59に固定される(接続される)。ヒンジプレート59には、また、ねじりバネ58の一端が取り付けられる(固定される)。ねじりバネ58の他端は、ハンドルハウジング2に取り付けられる(固定される)。
次にブレーキ動作について説明する。操作スイッチ5がオフの状態である図10及び図11に示す状態から、操作スイッチ5をオンにすると、図12及び図13に示すように、ワイヤ60がねじりバネ58の付勢に抗して操作スイッチ5のスイッチヒンジプレート5bに引っ張られ、カム52が時計回り方向に回転する。すると、各押圧ローラ53は、図12に示すように、カム52のカム面52bを下って部分的に切欠部52a内に入り(径方向外側に移動し)、各ブレーキシュー55は、スプリング54の付勢によりブレーキ当接部63の外周面から離間し、ブレーキ機構50による制動力が無くなる(ブレーキ機構50が解除される)。この状態でスイッチボタン8がオンになり、制動力が無い状態でモータ6が駆動する。次に、作業が終了し、操作スイッチ5をオフにすると、図10及び図11に示すように、ねじりバネ58の付勢によりカム52は、ワイヤ60を引っ張って反時計回り方向に回転する。すると、各押圧ローラ53は、図10に示すように、カム52のカム面52bに乗り上げて径方向内側に移動し、各ブレーキシュー55をスプリング54の付勢に抗してブレーキ当接部63の外周面に押し付け、ブレーキ機構50による制動力が働きモータ6の回転が停止する。
本実施の形態のその他の点は実施の形態1と同様である。本実施の形態によれば、制動効率の点では実施の形態1のほうが優れているものの、ロータ6aに直接ブレーキシューを当接させることでせ動力を働かせる構成としたため、軸部材51が不要になり、部品点数の削減を図ることができる。また、制動力の安定性等のその他の点では実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
押圧ローラ53やブレーキシュー55の個数は、実施の形態で例示した具体的な値に限定されず、設計上の要求に合わせて適宜決めればよい。カム52とブレーキシュー55との間に介在する中間部材は、押圧ローラ53に限定されず、例えば中心軸がモータ6の出力軸6aと平行な円筒体等の他のものであってもよい。
電動工具は、グラインダ以外の他の種類のものであってもよい。例えば丸鋸やコンクリートカッタ、刈払機、芝刈機など、比較的慣性モーメントの大きな回転具を取付可能な電動工具に本発明は好適である。モータ6は、ブラシレスモータであってもよい。
1,1A グラインダ、2 ハンドルハウジング、2a 左ハンドルハウジング、2b 右ハンドルハウジング、2c 支持部(支持リブ)、2d 凹溝、2e 凸条、2f 環状支持部、2g 連絡部、2h 窓部、3 モータハウジング、4 ギヤケース、5 操作スイッチ(トリガスイッチ)、5a 支点、5b スイッチヒンジプレート(ワイヤ保持部材)、5c スプリング、6 モータ(電動モータ)、6a 出力軸(ロータ回転軸)、6b ステータ、6c ロータ、7 電源コード、8 スイッチ機構、8a スイッチボタン、9 ファン、10 砥石、11 パッキングランド(保持部材)、20 スピンドル、21 第1のベベルギヤ、22 第2のベベルギヤ、30 ホイルガード、31 弾性リング、50 ブレーキ機構、51 軸部材、52 カム(押圧部材)、52a 切欠部、52b カム面、52c アーム部、53 押圧ローラ(中間部材)、54 スプリング(付勢手段)、55 ブレーキシュー(ブレーキ部材)、56 ブレーキドラム(ブレーキ当接部)、56a 羽根、57 ローラホルダ、57a 窓部(貫通穴)、57b 凸部、57c 凸部、58 ねじりバネ(付勢手段)、59 ヒンジプレート(連結部材)、60 ワイヤ、61,62 ガイドローラ、63 ブレーキ当接部、64 カバー、65 ニードルベアリング
Claims (15)
- ステータ及びロータを有するモータと、
前記モータを収容するモータハウジングと、
前記モータのオン、オフを切替え可能な操作スイッチと、
前記操作スイッチが前記モータのオフを選択しているときに前記モータに制動力を働かせるブレーキ機構と、を備え、
前記ブレーキ機構は、
前記ロータの径方向に移動可能に設けられたブレーキ部材と、
前記操作スイッチに連動して前記ロータの軸と同軸となる軸を中心に回転し、前記ブレーキ部材に対する非押圧、押圧の状態が切り替わる押圧部材と、
前記ロータと一体となって回転するブレーキ当接部と、を有し、
前記操作スイッチが前記モータのオフを選択しているときは、前記押圧部材が前記ブレーキ部材を前記ブレーキ当接部に押し付けることで、前記モータに対しての制動力を働かせる、電動工具。 - 前記ブレーキ機構は、前記ブレーキ部材と前記押圧部材との間に介在し、前記径方向に移動可能な中間部材を有し、
前記操作スイッチが前記モータのオフを選択しているときは、前記中間部材を介して前記押圧部材が前記ブレーキ部材を前記ブレーキ当接部に押し付ける、請求項1に記載の電動工具。 - 前記押圧部材は、自身の回転に伴い前記中間部材を前記径方向に移動させるカム面を有する、請求項2に記載の電動工具。
- 前記中間部材は、複数設けられている、請求項2又は3に記載の電動工具。
- 前記ブレーキ部材は複数設けられ、1つのブレーキ部材を複数の中間部材で前記ブレーキ部材側に押し付ける、請求項4に記載の電動工具。
- 前記ブレーキ機構は、前記押圧部材を押圧状態になるように回転する方向に付勢する付勢手段を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の電動工具。
- 前記操作スイッチと前記押圧部材とを相互に連結し、前記操作スイッチがオフからオンに切り替わる動作に連動して前記押圧部材を前記付勢手段による付勢に抗して回転させるワイヤを備える、請求項6に記載の電動工具。
- 前記ブレーキ当接部が、前記ロータの径方向において前記押圧部材よりも外側に位置する、請求項1から7のいずれか一項に記載の電動工具。
- 前記ブレーキ当接部は、前記ロータに設けられたブレーキドラムの内周面であり、前記ブレーキドラムの外周面には複数の羽根が立設されている、請求項8に記載の電動工具。
- 前記ブレーキ当接部は、制動時に、前記ロータの軸回り方向における位置が互いに異なる少なくとも3箇所で前記ブレーキ部材と当接する、請求項1から9のいずれか一項に記載の電動工具。
- 二分割構造のハンドルハウジングを備え、前記ブレーキ機構は、前記ロータの軸方向において、前記モータハウジング及び前記ハンドルハウジングの相互連結部と略等しい位置に配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の電動工具。
- 前記ハンドルハウジングは、前記モータハウジングに対して回転可能である、請求項10に記載の電動工具。
- 前記ハンドルハウジングは、前記モータハウジングの後端部に、防振手段を介して連結されている、請求項11又は12に記載の電動工具。
- 前記ブレーキ部材は、周囲が覆われたブレーキ収容空間に配置されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の電動工具。
- 前記ブレーキ機構は、前記モータの外径範囲内に設けられている、請求項1から14のいずれか一項に記載の電動工具。
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- 2015-06-30 JP JP2015131031A patent/JP2017013163A/ja active Pending
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