JP2017011864A - 電源icの電源供給装置 - Google Patents

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勇人 金森
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Abstract

【課題】入力電圧が内部起動回路の最低動作電圧より低い電圧であっても安定的に起動でき、保護回路が作動した場合でも自動的復帰可能で、しかも安価な電源ICの電源供給装置を提供する。
【解決手段】電源端子Vccと、起動用電源端子Dと、起動用電源端子Dに印加された入力電圧から起動電流を生成して電源端子に印加する内部起動回路2と、コンバータ回路100を制御するスイッチング制御端子とを備えて構成されている電源ICの電源供給装置7であって、電源端子に接続され、入力電圧を調整して所定の電源電圧を生成する電圧生成部7aと生成された電源電圧の電源端子への出力状態を切り替える出力切替部7bとを備えて構成される電圧調整部70と、出力切替部を制御して前記電源電圧の出力状態を切り替える出力切替制御部71,72,73と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源ICの電源供給装置に関する。
AC/DCコンバータやDC/DCコンバータ等のコンバータ回路に組み込まれる電源ICとして、電源端子と、起動用電源端子と、起動用電源端子に印加された入力電圧から起動電流を生成して電源端子に印加する内部起動回路と、コンバータ回路を制御するスイッチング制御端子とを備えて構成されている電源ICが汎用されている。
非特許文献1の図3及び図4にはこのような電源ICの一例が示されている。当該電源ICに組み込まれた内部起動回路は、入力段に配置された高耐圧トランジスタと、電流調整用のFET及びダーリントン接続されたnpnトランジスタを備え、ダーリントン接続されたnpnトランジスタから所定の起動電流が電源端子から内部の制御回路に供給されるように構成されている。
当該内部起動回路には、npnトランジスタをオンまたはオフする制御端子がさらに設けられ、当該制御端子により起動時にnpnトランジスタがオンされて内部回路に給電され、その後外部に備えた給電回路から電源端子に印加される電圧が所定電圧に上昇するとnpnトランジスタがオフされるように構成されている。
図7には、このような内部起動回路2を備えた電源IC1が組み込まれたDC/DCコンバータ100が例示されている。DC/DCコンバータ100は、1次巻線21、2次巻線22、及び制御回路用電源巻線23を備えたトランス20と、トランス20の1次巻線21を導通または遮断制御する電源IC1と、制御回路用電源巻線23に誘起される電圧を平滑して電源IC1の電源端子Vccに直流の電源電圧を印加する電源供給回路30と、2次巻線に誘起される電圧を平滑する出力回路40と、出力回路40の電圧を検知してフィードバック信号を電源IC1に出力するフィードバック回路50とを備えている。
電源IC1は、電源端子Vccと、スイッチング制御端子と兼用された起動用電源端子Dと、当該起動用電源端子Dに印加された入力電圧Vから起動電流を生成して電源端子Vccに印加する内部起動回路2と、トランス20の1次巻線21を導通または遮断するトランジスタ4と、トランジスタ4をオンまたはオフ制御するスイッチング制御部3等を備えて構成され、トランジスタ4のドレイン端子がスイッチング制御端子に接続されている。
初期に1次巻線21を介してスイッチング制御端子Dに印加された入力電圧Vinが内部起動回路2に印加され、内部起動回路2で生成された起動電流が電源端子Vccに供給され、電源端子Vccを経由した給電によりスイッチング制御部3等が起動するように構成されている。
スイッチング制御部3により制御されるトランジスタ4によって1次巻線21に流れる電流が所定の周期で断続されることにより、2次巻線22に誘起される電圧が出力回路40を介して出力端子Toに出力される。
同時に制御回路用電源巻線23に誘起される電圧が電源供給回路30で平滑されて電源端子Vccに印加されると、内部スイッチ5がオフされて内部起動回路2が停止するように構成されている。
特許文献1には、出力側がショート状態となっても容易な構成で回路素子を保護して制御用ICの発振を停止できると共に自動的に再起動ができる過負荷時保護機能付きスイッチング電源装置を得ることを目的として、所定の出力信号を送出し出すための起動開始電圧と該起動開始電圧より低い前記出力信号を停止させるための停止電圧とを有するスイッチング電源用の制御ICを用いて、変圧手段に直流を間欠的に供給させて出力電圧を一定に保つと共に、前記変圧手段で得た電力をコンデンサに充電して前記制御ICの起動用電圧とするスイッチング電源装置において、前記出力電圧のレベルを検知し、該検知レベルが定格レベルの間は通常動作状態として前記起動用のコンデンサの電圧を制御ICに供給し続け、前記検知レベルが低下したときは過負荷状態とし、一定時間経過後に前記制御ICへの前記コンデンサからの電力の供給を、前記起動用のコンデンサの電圧が前記停止電圧以下になるまで停止続けながら前記コンデンサの電力を放電する動作制御部を有することを特徴とするスイッチング電源装置が提案されている。
特開2001−309655号公報
富士時報Vol.76No.3 2003
上に例示した電源IC1は、例えば100Vから400V程度の高圧が起動用電源端子Dに印加されたときに内部起動回路2が作動するように設定されているため、電源IC1の最低起動電圧(例えばDC100V)未満の低電圧が印加されても内部起動回路2が安定的に作動しない虞があるという問題があった。
具体的に、この電源ICを最低起動電圧以下の入力電圧Vi(例えばDC30V)で使用する場合には、当該入力電圧Viから電源ICの電源端子Vccに動作可能な電源電圧を生成する三端子レギュレータ等の定電圧回路を用いて、電源IC1の電源端子Vccに直接に電源電圧を印加する構成を採用すれば、内部起動回路2が作動しない場合でも電源IC1を適切に動作させることができる。
図6には、入力電圧Viから三端子レギュレータ等の定電圧回路70を介して電源IC1の電源端子Vccに電源電圧を印加する回路例が示されている。例えば、入力電圧Viが電源IC1の最低起動電圧より低い場合でも、定電圧回路70によって電源IC1の定格入力電圧(例えばDC30V程度)に適した電圧を生成することができる。
このような定電圧回路70を用いると、制御回路用電源巻線23及び制御回路用電源巻線23に誘起される電圧を整流する電源供給回路30が不要となり、トランスの設計といった回路設計に掛かる手間を減らすことができ、且つ安価な回路構成を実現できる。また、入力電圧Viが電源IC1の電源端子Vccの許容入力電圧範囲で安定している場合には、図6中、破線で示したように入力電圧Viを直接に電源IC1の電源端子Vccに印加することも可能になる。
ところで、上述した電源ICは、過電圧や過電流等の異常事態が発生した場合や内部の回路素子のジャンクション温度が定格を超えた異常過熱状態になった場合に、回路の破損を回避するためにトランジスタ4によるスイッチング動作を停止する保護回路が組み込まれている。これらの保護回路はトランジスタ4を停止する保護状態から自動復帰するモードとトランジスタ4を停止した状態を保持するラッチモードの何れかで作動するように構成されている。
ラッチモードで動作する場合には異常事態等が解消されても、電源端子Vccに電圧が印加されている間は保護状態が維持されるので、保護状態を解消するために電源端子Vccへの電圧印加を一旦オフするように操作しなければならず、非常に煩雑な手間を要するという問題があった。
図7に示した従来の回路構成では、ラッチモードに移行するとトランジスタ4が停止するので、制御回路用電源巻線23に電圧が誘起されず電源供給回路30の電圧が低下するため、自動的にラッチ状態が解除されるのである。
特許文献1の図1には、このような回路に異常事態が発生してから、ラッチ解除までの一例が示されている。当該回路の出力段に組み込まれている保護回路にて異常事態を検出すると、入力段に組み込まれている電源電圧切替部の出力はハイレベルに切替えられる。このため電源ICの電源端子に入力する電源電圧は一旦停止される。その後、制御回路用電源巻線に誘起される電圧が低下し、電源電圧切替部の出力はローレベルに切替るため、電源ICの電源端子に所定の電源電圧が入力され、回路が自動的に再起動される。
しかし、図6に示した回路構成では、定電圧回路70に常時入力電圧が印加されており、従来使用されているような制御回路用電源巻線のように電源電圧が低下されない。そのため、電源IC1の電源端子Vccが0Vにならず自動的にラッチ状態が解除されることが無いのである。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、入力電圧が内部起動回路の最低動作電圧より低い電圧であっても安定的に起動でき、保護回路が作動した場合でも自動的復帰可能で、しかも安価な電源ICの電源供給装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による電源ICの外部起動回路の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、電源端子と、起動用電源端子と、前記起動用電源端子に印加された入力電圧から起動電流を生成して前記電源端子に印加する内部起動回路と、コンバータ回路を制御するスイッチング制御端子とを備えて構成されている電源ICの電源供給装置であって、前記電源端子に接続され、前記入力電圧を調整して所定の電源電圧を生成する電圧生成部と生成された電源電圧の前記電源端子への出力状態を切り替える出力切替部とを備えて構成される電圧調整部と、前記出力切替部を制御して前記電源電圧の出力状態を切り替える出力切替制御部と、を備えている点にある。
入力電圧が内部起動回路の作動しない低電圧であっても、電圧調整部に備えた電圧生成部により入力電圧が所定の電源電圧に調整され、出力切替部を介して当該電源電圧が電源ICの電源端子に出力されるため、電源ICを安定的に作動させることができるようになる。しかも、電源ICが異常事態により保護状態に移行した場合には、出力切替制御部によって電圧調整部に備えた出力切替部が制御されて、電源ICの電源端子に入力される電源電圧の出力状態が切り替えられ、保護状態が解除されるため、その後電源ICが正常状態に復帰されるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記出力切替制御部は、前記スイッチング制御端子の出力状態を監視する状態監視部と、前記状態監視部の出力に基づいて前記スイッチング制御端子からのスイッチング制御信号の停止を検知すると所定時間だけ判定信号を出力する停止判定部と、前記停止判定部からの判定信号に基づいて前記出力切替部を制御する切替信号出力部と、を備えて構成されている点にある。
電源ICの保護回路が作動してラッチされるとスイッチング制御端子からの信号が停止するため、電源ICが正常に動作しているか否かが状態監視部によって監視されるスイッチング制御端子の出力状態により判断できる。停止判定部によりスイッチング制御信号の停止が検知されると所定時間だけ判定信号が出力され、切替信号出力部から当該判定信号に基づいて所定時間だけ出力切替部を制御する信号が出力される。その結果、電源IC保護状態が解除され、所定時間経過すると出力切替部の出力状態が元に復帰して電源ICが適切に再起動される。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記状態監視部は、前記スイッチング制御端子の出力信号でオンオフ制御されるトランスの一次側巻線に備えたスナバ回路のコンデンサの電圧に基づいて前記スイッチング制御端子の出力状態を監視する電圧検知回路で構成されている点にある。
電源ICのスイッチング制御端子からスイッチング信号が適切に出力されている状態では、スナバ回路のコンデンサの電圧が入力電圧より高い電圧に維持されているが、電源ICの保護回路が作動してスイッチング信号が停止すると、スナバ回路のコンデンサの電圧が入力電圧まで低下する。そこで、電圧検知回路でこのスナバ回路のコンデンサの電圧を監視することにより電源ICが正常に動作しているか否かを監視することができる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第二または第三の特徴構成に加えて、前記切替信号出力部の出力端子は抵抗を介して前記入力電圧にプルアップされている点にある。
判定信号に基づいて切替信号出力部から所定時間だけ切替信号が出力されると、その間出力切替部により出力状態が切り替えられて電圧調整部から出力されていた電源電圧が停止するため、電源ICの保護回路がリセットされる。所定時間経過するとプルアップ抵抗を介して切替信号の信号レベルが元に復帰するため、電圧調整部から電源ICへ電源電圧が印加されるようになる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記出力切替制御部は、前記出力切替部とグランド間に逆方向接続されたダイオードと、前記ダイオードに並列接続された直列抵抗回路と、前記直列抵抗回路の抵抗同士の接続点と前記スイッチング制御端子の出力信号でオンオフ制御されるトランスの一次側巻線に備えたスナバ回路のコンデンサとの間に接続されたコンデンサと抵抗の直列回路と、前記入力電圧にプルアップされ前記ダイオードのカソードに接続された抵抗と、で構成されている点にある。
電源IC1に異常事態が生じて保護状態に移行すると、スナバ回路のコンデンサに蓄積された電圧が次第に入力電圧まで低下し、出力切替制御部のコンデンサと抵抗の直列回路を経由して、直列抵抗回路の抵抗同士の接続点の電圧が低下することにより、電源ICの電源端子への電源電圧の出力が一旦停止される。尚、このとき、ダイオードにより直列抵抗回路の一端の電圧がグランドレベルにクランプされる。その後、ダイオードのカソードに接続されたプルアップ抵抗を介して出力切替部への印加電圧が上昇するので、電圧調整部から電源ICの電源端子に所定の電源電圧が印加されるようになり電源ICは適切に再起動される。
以上説明した通り、本発明によれば、入力電圧が内部起動回路の最低動作電圧より低い電圧であっても安定的に起動でき、保護回路が作動した場合でも自動的復帰可能で、しかも安価な電源ICの電源供給装置を提供することができるようになった。
本発明による電源ICの電源供給装置を備えたフライバック型スイッチングレギュレータの基本回路図 本発明による電源ICの電源供給装置を備えたフライバック型スイッチングレギュレータの動作時のスナバ電圧の時間変化の説明図 本発明による電源ICの電源供給装置を備えたフライバック型スイッチングレギュレータの第2の回路図 図3に示した電源供給装置の動作を示す各部の波形説明図 本発明による電源ICの電源供給装置を備えたフライバック型スイッチングレギュレータの別実施形態を示す回路図 電源ICの電源供給装置として定電圧ICを用いたフライバック型スイッチングレギュレータの回路図 従来のフライバック型スイッチングレギュレータの回路図
以下、本発明による電源ICの電源供給装置を説明する。
図1には電源IC1及び電源供給装置7が組み込まれた絶縁型のフライバック型スイッチングレギュレータであるDC/DCコンバータ100が示されている。
DC/DCコンバータ100は、1次巻線21、及び2次巻線22を備えたトランス20と、一端に入力電圧Viが印加されたトランス20の1次巻線21を導通または遮断制御する電源IC1と、2次巻線22に誘起される電圧を平滑する出力回路40と、出力回路40の電圧を検知してフィードバック信号を電源IC1に出力するフィードバック回路50と、電源IC1を起動する電源供給装置7とを備えている。
電源IC1は、電源端子Vccと、起動用電源端子と共用されるスイッチング制御端子Dと、起動用電源端子(スイッチング制御端子)Dに印加された入力電圧Viから起動電流を生成して電源端子Vccに印加する内部起動回路2と、トランス20の1次巻線21を導通または遮断するトランジスタ4と、トランジスタ4をオンまたはオフ制御するスイッチング制御部3等を備えている。
初期に100V〜400Vの高電圧の入力電圧Viが、1次巻線21を介して起動用電源端子(スイッチング制御端子)Dに印加されると、内部起動回路2が起動し、内部起動回路2により生成された起動電流が電源端子Vccに供給され、電源端子Vccを介して給電されるスイッチング制御部3等が起動するように構成されている。
内部起動回路2の構成は特に限定されるものではなく、非特許文献1に開示された回路構成や、起動電流を生成可能な抵抗素子を備えた回路構成であればよい。
スイッチング制御部3により制御されるトランジスタ4によって1次巻線21に流れる電流が所定の周期及び/またはデューティ比で断続されることにより、2次巻線22に誘起される電圧が出力回路40を介して出力端子Toに出力される。
ダイオードD3とコンデンサC3で構成される出力回路40からの出力電圧Voがフィードバック回路50で検知されて電源IC1のフィードバック信号端子FBに入力される。
フィードバック回路50は、抵抗分圧回路R1,R2、シャントレギュレータ51、フォトカプラPC等で構成されている。出力回路40の出力電圧Voが抵抗分圧回路R1,R2でモニタされて、その値によりシャントレギュレータ51に流れる電流が変動し、その電流の変動が信号絶縁回路であるフォトカプラPCを介して電源IC1に入力される。
スイッチング制御部3は、フォトカプラPCを介して入力されたフィードバック信号に基づいて出力電圧が目標値に収束するようにトランジスタ4のスイッチング周波数及び/またはオン/オフのデューティ比を調整するように構成されている。
入力端子Tiに印加されるDC/DCコンバータ100への入力電圧Viが内部起動回路2の動作電圧範囲である約100V〜400Vの高電圧であれば電源IC1は適正に動作するが、内部起動回路2の最低起動電圧未満である場合には、内部起動回路2が適正に作動しないため、内部起動回路2を使用せずに電源IC1を起動させるために電源供給装置7を備えている。
電源供給装置7は、入力電圧Viを所定の電源電圧(例えばDC30V)に調整して出力する定電圧ICで構成された電圧調整部70と、電圧調整部70からの出力電圧の出力状態を制御する出力切替制御部71,72,73を備えている。
電圧調整部70は、定電圧ICの電源端子Vccに印加された入力電圧Viを調整して電源IC1の電源端子Vccに印加するための所定の電源電圧を生成する電圧生成部7aと、電圧生成部7aで生成された電源電圧の出力状態を切り替える出力切替部7bとを備えている。電圧生成部7aにより生成された電源電圧が電源IC1の電源端子Vccに入力されることにより電源IC1が作動するように構成されている。
出力切替部7bは電源IC1への電源電圧の出力状態、つまり電源電圧を出力する状態とグランドレベル(0V)を出力する状態の何れかに切り替えるスイッチ機能を備え、定電圧ICの端子ENにローレベルの信号が入力されるとグランドレベルを出力し、ハイレベルの信号が入力されると電源電圧を出力するように出力状態を切り替えるスイッチ回路で構成されている。
出力切替制御部71,72,73は、出力切替部7bを制御して電圧生成部7aからの電源電圧の出力状態を切り替える制御部として機能し、電源IC1のスイッチング制御端子Dの出力状態を監視する状態監視部71と、状態監視部71の出力に基づいてスイッチング制御端子Dからのスイッチング制御信号の停止を検知すると所定時間だけ判定信号を出力する停止判定部72と、停止判定部72からの判定信号に基づいて出力切替部7bを制御する切替信号出力部73とを備えている。
状態監視部71は、スイッチング制御端子Dの出力信号でオンオフ制御されるトランス20の一次側巻線21に備えたスナバ回路60のコンデンサC4の電圧に基づいてスイッチング制御端子Dの出力状態を監視する電圧検知回路で構成されている。つまり、状態監視部71はコンデンサC4の充電電位を検知する抵抗分圧回路R11,R12を備えて構成されている。
停止判定部72は、PNPトランジスタTr1と、抵抗R15及びコンデンサC16の並列回路と、コンデンサC15を備えている。トランジスタTr1のエミッタに入力電圧Viが印加され、コレクタが抵抗R15及びコンデンサC16の並列回路を介して接地され、抵抗分圧回路R11,R12の分圧が抵抗R13及びコンデンサC16を介して印加されるように構成されている。
切替信号出力部73は、定電圧ICの端子ENの信号レベルを切り替えるNPNトランジスタTr2を備えている。トランジスタTr2のエミッタは接地され、コレクタはプルアップ抵抗R18を介して入力電圧Viが印加され、ベースは抵抗R16を介して停止判定部72と接続されている。
スナバ回路60は、トランス20の一次側巻線21の入力側に接続された抵抗R4とコンデンサC4の並列回路と、当該並列回路と一次側巻線21の出力側との間に逆方向接続された第1ダイオードD4とで構成されている
図2には、図1に示すスナバ回路60の各ノードA,B,Cの電圧波形が示されている。入力電圧Viが常時印加されるノードAに対して、ノードCの電圧はトランジスタ4のオン時に接地レベルに向けて低下し、オフ時に逆起電力が入力電圧Viに重畳した値に上昇する。この逆起電力による電流が第1ダイオードD4を流れてコンデンサC4に充電される結果、ノードBの電圧は入力電圧Viより高いレベルVhに保持されるようになる。
電源IC1には、内部の回路素子に対する過電圧や過電流に対する保護回路やジャンクション温度が異常に上昇したときに回路素子の破損を回避するためにトランジスタ4によるスイッチング動作を停止する保護回路が組み込まれている。
これらの保護回路はトランジスタ4を停止する保護状態から自動復帰するモードとトランジスタ4を停止した状態を保持するラッチモードの何れかで作動するように構成されている。自動復帰するモードでは、作動後に電源IC1の電源端子Vccへの印加電圧がグランドレベル(0V)に低下するまでその作動状態が維持され、グランドレベル(0V)に低下すると保護回路がリセットされるように構成されている。
そのような自動復帰モードで保護回路が作動してトランジスタ4が停止すると、コンデンサC4の充電電圧が入力電圧Viまで低下する。状態監視部71は、抵抗分圧回路R11,R12によって検知されるこのようなコンデンサC4の充電電圧に基づいて電源IC1の保護回路が作動したか否かを監視するように構成されている。
コンデンサC4の電圧がVhからViに低下すると、抵抗分圧回路R11,R12からコンデンサC15に印加されている電圧が低下し、停止判定部72のトランジスタTr1のベース電圧が一時的に低下してトランジスタTr1がオンする。
その結果、切替信号出力部73のトランジスタTr2が一時的にオンして、出力切替部7bにローレベルの信号が入力され、電圧生成部7aから出力される電圧が電源電圧からグランドレベルに切り替わり、電圧生成部7aとグランドとの間に接続されているコンデンサC7が放電されて電源IC1の電源端子Vccがグランドレベルに低下し、保護状態が解除される。
その後、コンデンサC15に電荷が充電されてトランジスタTr1がオフすると、コンデンサC16の充電電荷が抵抗R15を介して放電され、トランジスタTR2がオフして出力切替部7bにハイレベルの信号が入力され、電圧生成部7aから出力されていたグランドレベルの電圧から電源電圧が出力されるように出力状態が切り替わり、電源IC1が再度正常に起動するようになる。
電源IC1が異常事態により保護状態に移行した場合、つまりラッチアップした場合には、その状態を検知した出力切替制御部71,72,73によって電圧生成部7aから電源電圧が出力された状態からグランドレベルが出力される状態に一時的に切り替えられるため、保護状態が解除されて電源ICが自動的に復帰可能になる。
出力切替制御部71,72,73の具体的な回路構成は上述した例に限るものではなく、公知の回路構成を採用することにより同様の機能が発揮されるように構成することができる。
図3には、上述した出力切替制御部71,72,73の他の例が示されている。コンデンサC4,C5、抵抗R5,R6で状態監視部71が構成され、ダイオードD5、抵抗R6,R8で停止判定部72及び切替信号出力部73が構成されている。
図4には、図3に示した出力切替制御部71,72,73の回路動作を示す波形が示されている。電源IC1がラッチアップされるとスナバ回路60のコンデンサC4に蓄積された電荷が放電され、コンデンサC4の両端電圧(第1ダイオードD4のカソード電圧)であるノードBの電圧は入力電圧Viまで低下する。
コンデンサC5と抵抗R5の直列回路を経由して、抵抗R6,R7のノードFの電圧が低下して負電圧側に振れる。
この時、第2ダイオードD5により抵抗R6の端子ENとのノードEの電圧がグランドレベルにクランプされ、電源電圧調整部70の端子ENにローレベルの信号が入力され、電圧生成部7aから出力される電圧が電源電圧からグランドレベルに切り替わる。
その後、コンデンサC5への充電電荷が開放されると、抵抗R8,R6,R7で構成される分圧回路によって入力電圧Viの分圧、つまりハイレベルの電圧が電源電圧調整部70の端子ENに印加され、再度電源電圧調整部70から電源電圧が出力される。
電源IC1に組み込まれている保護回路については特に説明していないが、公知の過電圧、過電流、過熱保護回路等で構成されている。
上述した実施形態では、電源電圧調整部70の端子ENが負論理で動作する回路例を説明したが、正論理で動作する回路であってもよく、その場合には、切替信号出力部73からの出力が反転するように各回路を構成すればよい。
上述した実施形態では、起動用電源端子とスイッチング制御端子とが共用された回路構成の電源IC1を例に説明したが、図5に示すように、起動用電源端子Vinとスイッチング制御端子Dとが別端子で構成されていてもよい。
上述した実施形態では、電源IC及び電源供給装置が絶縁型のフライバック型スイッチングレギュレータに組み込まれた例を説明したが、フライバック型スイッチングレギュレータで限るものではなく、フォアワード型のスイッチングレギュレータに組み込まれてもよい。また、非絶縁型のスイッチングレギュレータに組み込まれてもよい。
上述した実施形態では、電源IC及び電源供給装置がDC/DCコンバータに組み込まれた例を説明したが、電源端子と、スイッチング制御端子と、スイッチング制御端子に印加された入力電圧から起動電流を生成して電源端子に印加する内部起動回路を備えた電源ICであれば、DC/DCコンバータ以外にAC/DCコンバータに組み込まれる場合にも本発明を適用できる。
本発明による電源ICの電源供給装置は、電源ICに備えた内部起動回路の定格電圧より低い定電圧で電源ICを使用する必要がある任意の回路に適用できる。
上述した実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明が上述した具体例に限定されるものではなく、本発明本発明の作用効果を奏する範囲において各回路ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
1:電源IC
2:内部起動回路
7:電源供給装置
7a:電圧生成部
7b:出力切替部
60:スナバ回路
61:電圧監視回路
70:電源電圧調整部(定電圧IC)
71:状態監視部(出力切替制御部)
72:停止判定部(出力切替制御部)
73:切替信号出力部(出力切替制御部)
100:DC/DCコンバータ(コンバータ回路)
D:スイッチング制御端子(起動用電源端子)
Vcc:電源端子

Claims (5)

  1. 電源端子と、起動用電源端子と、前記起動用電源端子に印加された入力電圧から起動電流を生成して前記電源端子に印加する内部起動回路と、コンバータ回路を制御するスイッチング制御端子とを備えて構成されている電源ICの電源供給装置であって、
    前記電源端子に接続され、前記入力電圧を調整して所定の電源電圧を生成する電圧生成部と生成された電源電圧の前記電源端子への出力状態を切り替える出力切替部とを備えて構成される電圧調整部と、
    前記出力切替部を制御して前記電源電圧の出力状態を切り替える出力切替制御部と、を備えている電源ICの電源供給装置。
  2. 前記出力切替制御部は、前記スイッチング制御端子の出力状態を監視する状態監視部と、前記状態監視部の出力に基づいて前記スイッチング制御端子からのスイッチング制御信号の停止を検知すると所定時間だけ判定信号を出力する停止判定部と、前記停止判定部からの判定信号に基づいて前記出力切替部を制御する切替信号出力部と、を備えて構成されている請求項1記載の電源ICの電源供給装置。
  3. 前記状態監視部は、前記スイッチング制御端子の出力信号でオンオフ制御されるトランスの一次側巻線に備えたスナバ回路のコンデンサの電圧に基づいて前記スイッチング制御端子の出力状態を監視する電圧検知回路で構成されている請求項2記載の電源ICの電源供給装置。
  4. 前記切替信号出力部の出力端子は抵抗を介して前記入力電圧にプルアップされている請求項2または3記載の電源ICの電源供給装置。
  5. 前記出力切替制御部は、前記出力切替部とグランド間に逆方向接続されたダイオードと、前記ダイオードに並列接続された直列抵抗回路と、前記直列抵抗回路の抵抗同士の接続点と前記スイッチング制御端子の出力信号でオンオフ制御されるトランスの一次側巻線に備えたスナバ回路のコンデンサとの間に接続されたコンデンサと抵抗の直列回路と、前記入力電圧にプルアップされ前記ダイオードのカソードに接続された抵抗と、で構成されている請求項1記載の電源ICの電源供給装置。
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