JP2017011786A - コルゲートチューブ及びコルゲートチューブ付ワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】コルゲートチューブが他部材と接触した際に発生する異音を軽減する。
【解決手段】コルゲートチューブ1は、筒状に形成され、その長手方向に沿って環状凸部2と環状凹部3とが交互に複数ずつ形成されて構成されるコルゲートチューブ本体部10を備えている。また、コルゲートチューブ1は、各環状凸部2に設けられた張出部4を複数備えている。張出部4は、環状凸部2の外周部のうち、コルゲートチューブ10の長手方向における内側の部分からコルゲートチューブ10の径方向外側に張り出している。
【選択図】図2
【解決手段】コルゲートチューブ1は、筒状に形成され、その長手方向に沿って環状凸部2と環状凹部3とが交互に複数ずつ形成されて構成されるコルゲートチューブ本体部10を備えている。また、コルゲートチューブ1は、各環状凸部2に設けられた張出部4を複数備えている。張出部4は、環状凸部2の外周部のうち、コルゲートチューブ10の長手方向における内側の部分からコルゲートチューブ10の径方向外側に張り出している。
【選択図】図2
Description
この発明は、ワイヤハーネスに取付けられるコルゲートチューブに関し、コルゲートチューブが他部材と接触する際の異音発生を軽減する技術に関する。
特許文献1には、周壁に周方向に形成された溝部と環状突部を交互に有するコルゲートチューブが開示されている。コルゲートチューブは、部材の硬度を変えずに、耐摩耗性や耐衝撃性を向上するため、環状突部の外周面に放射状に所定の間隔をもって複数の突起を設けられている。
しかしながら、従来のコルゲートチューブの場合、硬質であるため、周囲の部品に接触することで異音(打音)が発生するおそれがあった。特許文献1に記載のコルゲートチューブには、複数の突起が設けられているが、各突起の厚み(コルゲートチューブの長手方向に沿う長さ)は各環状突部の幅と同一とされているため、異音の発生を軽減する効果は期待できなかった。また、異音発生を抑えるために、ソフトテープ、ウレタンシート等が貼り付けられており、コストアップの要因となっていた。
そこで、本発明は、コルゲートチューブが他部材と接触した際に発生する異音を軽減する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、コルゲートチューブであって、筒状に形成され、その長手方向に沿って環状凸部と環状凹部とが交互に形成されたコルゲートチューブ本体部と、前記環状凸部に設けられており、前記環状凸部の外周部のうち、前記長手方向の内側の部分から前記径方向外側に張り出す張出部とを備える。
また、第2の態様は、第1の態様に係るコルゲートチューブであって、前記張出部における前記長手方向両側の前記環状凸部との境界部において、前記長手方向における前記張出部の表面勾配が前記環状凸部の表面勾配よりも前記径方向外側に大きくなっている。
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係るコルゲートチューブであって、前記張出部が、前記コルゲートチューブ本体部と一体成型により形成される。
また、第4の態様は、第1から第3の態様のいずれか1つに係るコルゲートチューブであって、前記張出部が、前記環状凸部の周方向に沿って環状に延びている。
また、第5の態様は、第1から第4の態様のいずれか1つに係るコルゲートチューブであって、前記張出部の先端部が尖った形状を有する。
また、第6の態様は、第1から第5の態様のいずれか1つに係るコルゲートチューブであって、前記張出部が、径方向外側に向かうに連れて先細りとなる部分を有する。
また、第7の態様は、第1から第6の態様のいずれか1つに係るコルゲートチューブと、前記コルゲートチューブに挿通されたワイヤハーネスとを備える。
第1から第6の態様に係るコルゲートチューブによると、コルゲートチューブが他部材に接触した際に、環状凸部から張り出した張出部によってその衝撃が吸収されることで、異音発生を軽減できる。
第2の態様に係るコルゲートチューブによると、環状凸部の表面から径方向外側に向けて表面勾配を大きくなるよう張出部を張り出す張出部によって、衝撃を吸収できる。
第3の態様に係るコルゲートチューブによると、張出部をコルゲートチューブ本体部と一体成形することで、張出部を容易に形成することができる。
第4の態様に係るコルゲートチューブによると、コルゲートチューブの周方向全体について、異音発生を軽減できる。
第5の態様に係るコルゲートチューブによると、張出部が他部材と接触したときの接触面積を小さくできるため、コルゲートチューブ内で音が響くことを軽減できる。
第6の態様に係るコルゲートチューブによると、張出部が曲がりやすくなるため、コルゲートチューブが他部材と接触したときの衝撃を吸収しやすくなる。これによって、異音発生をさらに軽減できる。
また、第7の態様に係るコルゲートチューブ付ワイヤハーネスによると、コルゲートチューブが他部材に接触した際に、環状凸部から張り出した張出部によって衝撃が吸収されることで、異音発生を軽減できる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1. 実施形態>
<コルゲートチューブの構成>
図1は、実施形態に係るコルゲートチューブ1の斜視図である。図2は、実施形態に係るコルゲートチューブ1の側面図である。図3は、図2のA−A線位置で切断したときのコルゲートチューブ1を示す断面図である。図4は、長手方向に沿って切断したときのコルゲートチューブ1を示す部分断面図である。
<コルゲートチューブの構成>
図1は、実施形態に係るコルゲートチューブ1の斜視図である。図2は、実施形態に係るコルゲートチューブ1の側面図である。図3は、図2のA−A線位置で切断したときのコルゲートチューブ1を示す断面図である。図4は、長手方向に沿って切断したときのコルゲートチューブ1を示す部分断面図である。
コルゲートチューブ1は、筒状(ここでは円筒状)に形成されており、その長手方向における両端が開口している。コルゲートチューブ1の内部に複数の電線を束ねて構成されるワイヤハーネスWHが挿通されることで、コルゲートチューブ付ワイヤハーネスが構成される。このコルゲートチューブ付ワイヤハーネスにおいては、コルゲートチューブ1はワイヤハーネスWHを保護する保護部材である。ワイヤハーネスWHは、例えば自動車等の車両内部に配策され、車両内に配置された各電気機器同士を電気的に接続する。
コルゲートチューブ1には長手方向に沿って端から端まで伸びるスリットS1が形成されている(図2参照)。コルゲートチューブ1はこのスリットS1の幅が広がるように弾性変形可能であり、ワイヤハーネスWHは当該スリットS1を介してコルゲートチューブ1の内部に挿入される。そして、ワイヤハーネスWHはその長手方向に沿ってコルゲートチューブ1を貫通する姿勢で配置される。なお、コルゲートチューブ1にスリットS1が形成されていることは必須ではない。スリットS1を形成しない場合、例えば、ワイヤハーネスWHを、コルゲートチューブ1の長手方向のどちらか一方の端部の開口から挿入することで、ワイヤハーネスWHにコルゲートチューブ1が取付けられてもよい。
コルゲートチューブ1は、例えば、合成樹脂又は合成ゴム等のエラストマーを、押出成型すると共にバキューム成型或いはブロー成型して製造される。コルゲートチューブ1は、その長手方向に沿って環状凸部2と環状凹部3とが交互に複数ずつ形成されたコルゲートチューブ本体部10を有する。また、コルゲートチューブ1は、各環状凸部2に設けられた張出部4を複数備えている。各張出部4は、各環状凸部2の外周部20のうち、コルゲートチューブ本体部10の長手方向における内側の部分から径方向外側に張り出している。
図4に示すように、コルゲートチューブ1をその長手方向に沿って切断したときの縦断面視において、張出部4は、環状凸部2の外周面から、長手方向における表面勾配が外側に大きくなるようにして張り出している。詳細には、張出部4における環状凸部2との長手方向両側の境界部B1,B1において、長手方向における張出部4の表面4Sの勾配が環状凸部2の表面2Sの勾配よりも径方向外側に大きくされている。このため、各張出部4の厚み(コルゲートチューブ本体部10の長手方向に沿う方向の厚さ)W1は、各環状凸部2の幅W2よりも小さくなっている。張出部4の厚みは例えば0.5mm〜1.0mmとされ、張出部4の高さは例えば5mm〜10mmとされる。ただし、張出部4の厚み及び高さは、これらに限定されるものではない。
各張出部4は、後述するように、コルゲートチューブ本体部10の各環状凸部2及び各環状凹部3とともに一体成型により形成される部分である。一体成型により形成することによって、製造が容易である。ただし、各張出部4は、コルゲートチューブ本体部10とは別部材として取付けられてもよい。例えば、環状に形成した張出部4を、接着剤等を介して各環状凸部2に取付けるようにしてもよい。
各張出部4は、各環状凸部2の周方向に沿って環状(ここでは、円環状)に延びるように形成されている。ただし、張出部4が環状凸部2の周方向全域に延びていることは必須ではない。例えば、張出部4が環状凸部2の周方向に沿って所要の距離をあけて分散するように設けられていてもよい。
各張出部4は、図2または図4に示すように、先細りとなる部分を有しており、かつ、その先端部が尖った形状を有している。ただし、各張出部4が先細りとなる部分を有していることは必須ではない。例えば、コルゲートチューブ本体部10の長手方向に沿う各張出部4の厚みが一定のまま、各張出部4が径方向外側に張り出していてもよい。さらに、各張出部4の先端部を尖った形状とすることは必須ではなく、その先端部が曲面(凸曲面及び凹曲面を含む。)あるいは平坦面をなす形状を有していてもよい。
図5は、他部材9に接触した状態のコルゲートチューブ1を示す部分断面図である。コルゲートチューブ1が、その径方向に揺動されること等によって、他部材9に接触した際に、環状凸部2ではなく張出部4の先端部が接触する。各張出部4の厚みは、コルゲートチューブ1の環状凸部2の幅よりも小さいため、環状凸部2よりも柔軟性あるいは弾力性が比較的高くなっている。このため、図5に示すように、張出部4の先端部が曲がることで、衝撃が吸収されるため、異音発生が軽減される。また、張出部4を先細りに形成することによって、張出部4の柔軟性あるいは弾力性を高めることができる。したがって、異音発生を一層軽減することができる。さらに、張出部4の先端部を尖った形状にすることで、張出部4の柔軟性あるいは弾力性をさらに高めることができるとともに、他部材9との接触面積を小さくすることができる。これによって、コルゲートチューブ本体部10内で音が響くことを軽減できる。
<金型>
図6は、実施形態に係るコルゲートチューブ1を製造するために使用される金型の一例を示す概略断面図である。図示の金型5は、コルゲートチューブ1の長手方向に対応して、長尺状の上型51及び下型とで構成されている。もちろん、上型51及び下型52は、複数に分割されたものを組み合わせることでそれぞれが構成されるようにしてもよい。上型51及び下型52の内周面によって、コルゲートチューブ1の外周面が形成される。金型5の内周面には、環状凸部2の外形に対応して周方向に延びる環状の周溝61が所定ピッチで複数形成されており、各周溝61の底部中央には、さらに深く凹む環状の周溝62が形成されている。各周溝62は、各張出部4の外形に対応するように、金型5の径方向外側に向かうに連れて、金型5の長手方向に沿う幅が次第に小さくなるように形成されている。
図6は、実施形態に係るコルゲートチューブ1を製造するために使用される金型の一例を示す概略断面図である。図示の金型5は、コルゲートチューブ1の長手方向に対応して、長尺状の上型51及び下型とで構成されている。もちろん、上型51及び下型52は、複数に分割されたものを組み合わせることでそれぞれが構成されるようにしてもよい。上型51及び下型52の内周面によって、コルゲートチューブ1の外周面が形成される。金型5の内周面には、環状凸部2の外形に対応して周方向に延びる環状の周溝61が所定ピッチで複数形成されており、各周溝61の底部中央には、さらに深く凹む環状の周溝62が形成されている。各周溝62は、各張出部4の外形に対応するように、金型5の径方向外側に向かうに連れて、金型5の長手方向に沿う幅が次第に小さくなるように形成されている。
このような金型5を用いてコルゲートチューブ1を成型することによって、張出部4をコルゲートチューブ本体部10とともに一体成型することができる。これによって、張出部4を容易に形成できる。
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、環状凸部2の幅が径方向外側に向けて一定となるように突出している。しかしながら、環状凸部2が、径方向外側に向けて次第に小さくなるように突出していてもよい。また、環状凸部2の外周面における長手方向両側あるいはどちらか一方側の角部が丸められていてもよい。
また、上記実施形態では、各環状凸部2のそれぞれに張出部4が形成されているが、必ずしも全ての環状凸部2に張出部4が形成されていなくてもよい。また、上記実施形態では、1つの環状凸部2に対して、1つの張出部4が形成されているが、1つの環状凸部2に対して、長手方向に間隔をあけて2つ以上の張出部4が形成されていてもよい。
また、上記実施形態ではコルゲートチューブ1が全体として円筒状に形成されているが、他の形状(楕円筒状または角筒状等)に形成されていてもよい。また、コルゲートチューブは、途中で分岐するように構成されていてもよい。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1 コルゲートチューブ
2 環状凸部
20 外周部
2S 環状凸部の表面
3 環状凹部
4 張出部
4S 張出部の表面
5 金型
9 他部材
10 コルゲートチューブ本体部
B1 境界部
WH ワイヤハーネス
2 環状凸部
20 外周部
2S 環状凸部の表面
3 環状凹部
4 張出部
4S 張出部の表面
5 金型
9 他部材
10 コルゲートチューブ本体部
B1 境界部
WH ワイヤハーネス
Claims (7)
- コルゲートチューブであって、
筒状に形成され、その長手方向に沿って環状凸部と環状凹部とが交互に形成されたコルゲートチューブ本体部と、
前記環状凸部に設けられており、前記環状凸部の外周部のうち、前記長手方向の内側の部分から前記径方向外側に張り出す張出部と、
を備える、コルゲートチューブ。 - 請求項1に記載のコルゲートチューブであって、
前記張出部における前記長手方向両側の前記環状凸部との境界部において、前記長手方向における前記張出部の表面勾配が前記環状凸部の表面勾配よりも前記径方向外側に大きくなっている、コルゲートチューブ。 - 請求項1または請求項2に記載のコルゲートチューブであって、
前記張出部が、前記コルゲートチューブ本体部と一体成型により形成される、コルゲートチューブ。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコルゲートチューブであって、
前記張出部が、前記環状凸部の周方向に沿って環状に延びている、コルゲートチューブ。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコルゲートチューブであって、
前記張出部の先端部が尖った形状を有する、コルゲートチューブ。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコルゲートチューブであって、
前記張出部が、径方向外側に向かうに連れて先細りとなる部分を有する、コルゲートチューブ。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコルゲートチューブと、
前記コルゲートチューブに挿通されたワイヤハーネスと、
を備える、コルゲートチューブ付ワイヤハーネス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015121973A JP2017011786A (ja) | 2015-06-17 | 2015-06-17 | コルゲートチューブ及びコルゲートチューブ付ワイヤハーネス |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017011786A true JP2017011786A (ja) | 2017-01-12 |
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ID=57764203
Family Applications (1)
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JP2015121973A Pending JP2017011786A (ja) | 2015-06-17 | 2015-06-17 | コルゲートチューブ及びコルゲートチューブ付ワイヤハーネス |
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JP (1) | JP2017011786A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020184861A (ja) * | 2019-05-09 | 2020-11-12 | 矢崎総業株式会社 | 電線保護具 |
JP7491764B2 (ja) | 2020-07-27 | 2024-05-28 | 矢崎総業株式会社 | プロテクタユニット |
-
2015
- 2015-06-17 JP JP2015121973A patent/JP2017011786A/ja active Pending
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