JP2017011696A - 方向性結合器及びダイプレクサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】方向性結合器の矩形導波路(11,12)の各々は、第1の狭壁(13)又は第2の狭壁(112,122)に設けられ、開口(131)に対して対称な位置に形成された一対の突出部であって、一方の狭壁(13又は112,122)から他方の狭壁(112,122又は13)に向かって突出している一対の突出部(11a,12a)と、第2の狭壁(112,122)から開口(131)に向かって突出している他の突出部(11b,12b)と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明の第1の実施形態に係る方向性結合器ついて、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る方向性結合器1の構成を示す斜視図である。
一対の突出部11aは、第1の狭壁13又は第2の狭壁112に設けられ、開口131よりも入射側及び開口131よりも出射側に開口131に対して対称な位置に形成されている。一対の突出部11aは、第1の狭壁13及び第2の狭壁112のうち、一方の狭壁(13又は112)から他方の狭壁(112又は13)に向かって突出している。また、一対の突出部12aは、第1の狭壁13又は第2の狭壁122に設けられ、開口131よりも入射側及び開口131よりも出射側に開口131に対して対称な位置に形成されている。一対の突出部12aは、第1の狭壁13及び第2の狭壁122のうち、一方の狭壁(13又は122)から他方の狭壁(122又は13)に向かって突出している。本実施形態においては、一対の突出部11a,12aが第1の狭壁13から第2の狭壁112,122に向かって突出する構成を採用している。
他の突出部11b,12bは、第2の狭壁112,122から開口131、より具体的には開口131の中心Cに向かって突出している。第1の導波路11に形成された他の突出部11bと、第2の導波路12に形成された他の突出部12bとは、第1の狭壁13を対称面として面対称になるように構成されている。したがって、ここでは、他の突出部11bについて説明し、他の突出部12bに関する説明を省略する。
方向性結合器1は、第1の導波路11及び第2の導波路12のそれぞれとして、ポスト壁導波路を採用してもよいし、金属製の導波管を採用してもよい。ポスト壁導波路は、(1)誘電体基板の両面に設けられた一対の導体板と、(2)一対のポスト壁とによって四方を囲まれた導波路である。上記一対のポスト壁は、上記誘電体基板を貫通し、上記一対の導体板を導通させる。導体ポストは、誘電体基板を貫通するスルーホールの内壁に沿って形成された導体、又は、このスルーホールの内側に充填された導体からなる。第1の導波路11及び第2の導波路12のそれぞれとして、ポスト壁導波路を採用した構成については、図22を参照しながら後述する。第1の導波路11及び第2の導波路12のそれぞれとしてポスト壁導波路を採用する場合、一対の突出部11a,12a及び他の突出部11b,12bの各々は、上記誘電体基板を貫通する導体ポストにより構成されていることが好ましい。
方向性結合器1の第1のポートP1に高周波信号を入射させた場合、入射された高周波信号は、第1の導波路11の内部を伝搬して第2のポートP2から出射される。また、開口131を介して第2の導波路12と結合した高周波信号は、第2の導波路12の内部を伝搬して第3のポートP3から出射される。このように、方向性結合器1は、1つのポートに入射された高周波信号を2つのポートから出射する分波器として機能する。
本発明の実施例に係る方向性結合器ついて、図2〜図3を参照して説明する。本実施例に係る方向性結合器1は、第1の実施形態に係る方向性結合器1の各パラメータを以下のように定めたものである。
本発明の第1の変形例に係る方向性結合器ついて、図4を参照して説明する。第1の変形例に係る方向性結合器1は、第1の実施形態に係る方向性結合器1における、(1)一対の突出部11a,12aの突出量Paとして、50μmを採用し、且つ、(2)他の突出部11b,12bの突出量Pbとして、300μmを採用することによって得られる。
本発明の第2の変形例に係る方向性結合器ついて、図5を参照して説明する。第2の変形例に係る方向性結合器1は、第1の実施形態に係る方向性結合器1における、(1)一対の突出部11a,12aの突出量Paとして、100μmを採用し、且つ、(2)他の突出部11b,12bの突出量Pbとして、300μmを採用することによって得られる。
本発明の第3の変形例に係る方向性結合器ついて、図6を参照して説明する。第3の変形例に係る方向性結合器1は、第1の実施形態に係る方向性結合器1における、(1)一対の突出部11a,12aの突出量Paとして、200μmを採用し、且つ、(2)他の突出部11b,12bの突出量Pbとして、300μmを採用することによって得られる。
本発明の第4の変形例に係る方向性結合器ついて、図7を参照して説明する。第4の変形例に係る方向性結合器1は、第1の実施形態に係る方向性結合器1における、(1)一対の突出部11a,12aの突出量Paとして、250μmを採用し、且つ、(2)他の突出部11b,12bの突出量Pbとして、300μmを採用することによって得られる。
本発明の第5の変形例に係る方向性結合器ついて、図8を参照して説明する。第5の変形例に係る方向性結合器1は、第1の実施形態に係る方向性結合器1における、(1)一対の突出部11a,12aの突出量Paとして、300μmを採用し、且つ、(2)他の突出部11b,12bの突出量Pbとして、300μmを採用することによって得られる。
本発明の第6の変形例に係る方向性結合器ついて、図9を参照して説明する。第6の変形例に係る方向性結合器1は、第1の実施形態に係る方向性結合器1における、(1)一対の突出部11a,12aの突出量Paとして、350μmを採用し、且つ、(2)他の突出部11b,12bの突出量Pbとして、300μmを採用することによって得られる。
以上のように、第1〜第6の変形例に係る方向性結合器1によって得られたSパラメータの周波数依存性(図4〜図9参照)によれば、突出量Paが350μm以下である場合に、本実施形態に係る方向性結合器1は、目標周波数である78.5GHzの100%以上105%以下である周波数帯域において、反射損失を抑制可能であることが分かった。350μmは、2.6mmである管内波長の13.5%に相当する。すなわち、本実施形態に係る方向性結合器1において、突出量Paは、目標周波数を有する高周波信号が第1の導波路11及び第2の導波路12を導波する場合の管内波長の13.5%以下である。
本発明の第7の変形例に係る方向性結合器ついて、図10を参照して説明する。第7の変形例に係る方向性結合器1は、第3の変形例に係る方向性結合器1(図6参照)において、一対の突出部11a,12aの各々を、開口131に近づく方向へ、それぞれ200μm移動することによって得られる。すなわち、第7の変形例に係る方向性結合器1は、一対の突出部11a,12aの間隔2Lとして3.74mmを採用している。
本発明の第8の変形例に係る方向性結合器ついて、図11を参照して説明する。第8の変形例に係る方向性結合器1は、第3の変形例に係る方向性結合器1(図6参照)において、一対の突出部11a,12aの各々を、開口131に近づく方向へ、それぞれ500μm移動することによって得られる。すなわち、第8の変形例に係る方向性結合器1は、一対の突出部11a,12aの間隔2Lとして3.14mmを採用している。
本発明の第9の変形例に係る方向性結合器ついて、図12を参照して説明する。第9の変形例に係る方向性結合器1は、第3の変形例に係る方向性結合器1(図6参照)において、一対の突出部11a,12aの各々を、開口131から遠ざかる方向へ、それぞれ200μm移動することによって得られる。すなわち、第9の変形例に係る方向性結合器1は、一対の突出部11a,12aの間隔2Lとして4.54mmを採用している。
本発明の第10の変形例に係る方向性結合器ついて、図13を参照して説明する。第10の変形例に係る方向性結合器1は、第3の変形例に係る方向性結合器1(図6参照)において、一対の突出部11a,12aの各々を、開口131から遠ざかる方向へ、それぞれ500μm移動することによって得られる。すなわち、第10の変形例に係る方向性結合器1は、一対の突出部11a,12aの間隔2Lとして5.14mmを採用している。
以上のように、第7〜第10の変形例に係る方向性結合器1によって得られたSパラメータの周波数依存性(図10〜図13参照)によれば、一対の突出部11a,12aの間隔2Lが3.14mm以上5.14mm以下である場合に、本実施形態に係る方向性結合器1は、目標周波数である78.5GHzの100%以上105%以下である周波数帯域において、反射損失を抑制可能であることが分かった。3.14mmmmは、2.6mmである管内波長の120.8%に相当し、5.14mmは、2.6mmである管内波長の197.7%に相当する。すなわち、本実施形態に係る方向性結合器1において、間隔2Lは、目標周波数を有する高周波信号が第1の導波路11及び第2の導波路12を導波する場合の管内波長の120.8%以上197.7%以下である。
本発明の第11の変形例に係る方向性結合器ついて、図14〜図15を参照して説明する。図14は、第11の変形例に係る方向性結合器1の構成を示す斜視図である。
本発明の第12の変形例に係る方向性結合器について、図16を参照して説明する。図16は、第12の変形例に係る方向性結合器1の構成を示す斜視図である。
本発明の第13〜図15の変形例に係る方向性結合器について、図17〜図21を参照して説明する。図17〜図19の各々は、それぞれ、第13〜第15の変形例に係る方向性結合器1の構成を示す斜視図である。まず、第13の変形例に係る方向性結合器1について説明する。
第1の導波路11は、幅W1が一定である第1の区間11cと幅W1が一定である第2の区間11eとの間に挿入された突出区間11dであって、開口131に対向する狭壁112が、開口131に向かって突出している突出区間11dを含む。突出区間11dにおいて、狭壁112が狭壁13に向かって突出する突出量Pdは、突出区間11dの両端(突出区間11dと第1の区間11cとの接続位置、及び、突出区間11dと第2の区間11eとの接続位置)より突出区間11dの中央において大きい。すなわち、突出区間11dの中央における突出量Pdは、突出区間11dの両端における突出量Pdより大きく、突出区間11dの中央における第1の導波路11の幅は、突出区間11dの両端における第1の導波路11の幅より狭い。
ここで、突出区間における突出量Pdの変化の仕方に着目して、突出区間11dを分類しておく。
第13〜第15の変形例に係る方向性結合器1の突出区間11dの長さLdと開口131の幅Wとの大小関係は、特に限定されるものではない。すなわち、長さLdと幅Wとの大小関係は、Ld>W、Ld=W、及びLd<Wの何れであってもよい。なお、図17に示した方向性結合器1においては、長さLdと幅Wとの大小関係としてLd>Wを採用している。
第1の実施形態に係る方向性結合器1の構成例について、図22を参照して説明する。図22は、本構成例に係る方向性結合器1の構成を示す上面図である。
本発明の第2の実施形態に係るダイプレクサについて、図23を参照して説明する。図23の(a)及び(b)は、本実施形態に係るダイプレクサ5の構成を示すブロック図である。
11 第1の導波路(第1の矩形導波路)
11a 一対の突出部(一対の第1の突出部)
111a,111b 広壁
11b 他の突出部(第2の突出部)
112 狭壁(第2の狭壁)
12 第2の導波路(第2の矩形導波路)
12a 一対の突出部(一対の第1の突出部)
121a,121b 広壁
12b 他の突出部(第2の突出部)
122 狭壁(第2の狭壁)
13 狭壁(第1の狭壁)
131 開口
11c,12c 第1の区間
11d,12d 突出区間(他の突出部)
11d1,12d1 スロープ区間
11d2,12d2 ステップ区間
11e,12e 第2の区間
5 ダイプレクサ
51,52 BPF(バンドパスフィルタ)
P1,P1a,P1b 第1のポート
P2,P2a,P2b 第2のポート
P3,P3a,P3b 第3のポート
P4,P4a,P4b 第4のポート
Claims (11)
- 開口が形成された第1の狭壁を共有し、且つ、上記第1の狭壁に対向する第2の狭壁をそれぞれが有する第1の矩形導波路と第2の矩形導波路とを備えた方向性結合器であって、
上記第1の矩形導波路及び上記第2の矩形導波路の各々は、
上記第1の狭壁又は上記第2の狭壁における、上記開口よりも入射側及び上記開口よりも出射側の上記開口の対して対称な位置に形成された、上記第1の狭壁及び上記第2の狭壁のうち、一方の狭壁から他方の狭壁に向かって突出している一対の第1の突出部と、
上記第2の狭壁から上記開口に向かって突出している第2の突出部とを備えている、
ことを特徴とする方向性結合器。 - 上記第1の矩形導波路に形成された一対の第1の突出部同士の間隔と、上記第2の矩形導波路に形成された一対の第1の突出部同士の間隔とは、共通である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方向性結合器。 - 上記一対の第1の突出部同士の間隔は、設計目標とする動作周波数の高周波信号が上記第1の矩形導波路及び上記第2の矩形導波路を導波する場合の管内波長の120.8%以上197.7%以下である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方向性結合器。 - 上記一対の第1の突出部における、上記一方の狭壁から上記他方の狭壁に向かって突出している突出量は、上記管内波長の13.5%以下である、
ことを特徴とする請求項3に記載の方向性結合器。 - 上記第2の突出部は、上記第2の狭壁が上記第1の狭璧に向かって突出している突出区間であり、
上記突出区間において上記第2の狭璧が上記第1の狭璧に向かって突出する突出量は、上記突出区間の第1および第2の矩形導波路の延伸方向における両端よりも中央において大きい、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の方向性結合器。 - 上記突出量は、上記突出区間の上記両端から上記中央に近づくにしたがって連続的に大きくなる、
ことを特徴とする請求項5に記載の方向性結合器。 - 上記突出量は、上記突出区間の上記両端から上記中央に近づくにしたがって離散的に大きくなる、
ことを特徴とする請求項5に記載の方向性結合器。 - 上記突出区間は、
当該突出区間の第1および第2の矩形導波路の延伸方向における端部を含むスロープ区間であって、当該端部から当該突出区間の中央に近づくに従って上記突出量が連続的に大きくなるように構成されたスロープ区間と、
当該突出区間の中央を含むステップ区間であって、当該ステップ区間の第1および第2の矩形導波路の延伸方向における端部から当該ステップ区間の中央に近づくにしたがって上記突出量が離散的に大きくなるように構成されたステップ区間とにより構成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の方向性結合器。 - 上記第1の矩形導波路の広壁及び上記第2の矩形導波路の広壁は、それぞれ、誘電体基板の両面に設けられた一対の導体板からなり、
上記第1の矩形導波路及び上記第2の矩形導波路によって共有される上記第1の狭壁、並びに上記第1の矩形導波路及び上記第2の矩形導波路それぞれの上記第2の狭壁は、それぞれ、上記誘電体基板を貫通する導体ポストからなる、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の方向性結合器。 - 上記一対の第1の突出部及び上記第2の突出部は、それぞれ、上記第1の矩形導波路の広壁同士、又は、上記第2の矩形導波路の広壁同士を導通させる導体ポストからなる、
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の方向性結合器。 - 請求項1〜10の何れか1項に記載の方向性結合器を第1の方向性結合器及び第2の方向性結合器として備えたダイプレクサであって、
上記第1の方向性結合器の第1の矩形導波路及び上記第2の方向性結合器の第1の矩形導波路の間に挿入された第1のバンドパスフィルタと、
上記第1の方向性結合器の第2の矩形導波路及び上記第2の方向性結合器の第2の矩形導波路の間に挿入された第2のバンドパスフィルタと、を更に備えている、
ことを特徴とするダイプレクサ。
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