以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1、図2は、実施形態1に係るワイヤハーネスの概略構成を示す分解斜視図である。図3は、実施形態1に係るワイヤハーネスの概略構成を示す斜視図である。図4は、実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成を示す部分破断断面図である。
図1、図2、図3、図4に示すワイヤハーネス1Aは、例えば、自動車等に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられるものである。ワイヤハーネス1Aは、電気接続箱(ジャンクションボックス)、グロメット、固定具など種々の構成部品を含んで構成されてもよい。本実施形態のワイヤハーネス1Aは、例えば、いわゆるHV(ハイブリッド)車両に適用され、当該HV車両の床下に配索されるものであるがこれに限らない。ここでは、ワイヤハーネス1Aは、相対的に高い柔軟性を有し良好な屈曲性を有する第1配索材としての電線2と、相対的に高い剛性を有し配索経路に沿って形状を保持しやすい第2配索材としての金属棒3とを組み合わせることで、当該ワイヤハーネス1Aにおける各部位に応じて要求される適正な可撓性と剛性とのバランスを実現し、これにより、良好な配索作業性や良好な取扱い性等を確保している。そして、当該ワイヤハーネス1Aは、接続構造100によって、電線2と金属棒3とを適正に接続している。
具体的には、ワイヤハーネス1Aは、電線2と、金属棒3と、接続構造100とを備える。
電線2は、複数の素線21aによって形成される導電性の第1導体部21と、当該第1導体部21の外周側を覆う絶縁性の第1絶縁被覆部22とを有する。第1導体部21は、導電性の芯線であり、電気が通る金属部材によって構成される。第1導体部21は、線状に延びる方向(以下、「延在方向」という場合がある。)に対してほぼ同じ径で延びるように形成される。第1導体部21を構成する素線21aは、導電性の金属、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等により製造される。ここでは、第1導体部21は、複数の素線21aを単純に束ねたものであるが、複数の素線21aを撚り合わせて形成されてもよい。第1絶縁被覆部22は、第1導体部21の外周側を被覆する電線被覆である。第1絶縁被覆部22は、第1導体部21の外周面に接して設けられる。第1絶縁被覆部22は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を押出成形することによって形成される。第1絶縁被覆部22は、第1導体部21の延在方向の一端から他端にかけて形成される。電線2は、第1導体部21の端末において、第1絶縁被覆部22が剥ぎ取られており、当該第1導体部21の端末が第1絶縁被覆部22から露出している。電線2は、当該第1導体部21の端末に後述の金属棒3の第2導体部31が電気的に接続される。電線2は、一例として、第1導体部21の断面形状(延在方向と交差する方向の断面形状)が略円形状、第1絶縁被覆部22の断面形状(延在方向と交差する方向の断面形状)が略円環形状となっており、全体として略円形状の断面形状となっている。
金属棒3は、棒状に形成された導電性の第2導体部31と、当該第2導体部31の外周側を覆う絶縁性の第2絶縁被覆部32とを有する。第2導体部31は、導電性の電気が通る金属部材によって構成される。第2導体部31は、棒状に形成され、ここでは、断面形状が略正円形となる柱状の導体構造となっている。第2導体部31は、線状に延びる方向、すなわち、延在方向に対してほぼ同じ径で延びるように形成される。第2導体部31は、導電性の金属、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等により製造される。第2絶縁被覆部32は、第2導体部31の外周側を被覆する電線被覆である。第2絶縁被覆部32は、第2導体部31の外周面に接して設けられる。第2絶縁被覆部32は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を押出成形することによって形成される。第2絶縁被覆部32は、第2導体部31の延在方向の一端から他端にかけて形成される。金属棒3は、第2導体部31の端末において、第2絶縁被覆部32が剥ぎ取られており、当該第2導体部31の端末が第2絶縁被覆部32から露出している。金属棒3は、当該第2導体部31の端末に上述の電線2の第1導体部21の端末が電気的に接続される。金属棒3は、一例として、第2導体部31の断面形状(延在方向と交差する方向の断面形状)が略円形状、第2絶縁被覆部32の断面形状(延在方向と交差する方向の断面形状)が略円環形状となっており、全体として略円形状の断面形状となっている。ここでは、金属棒3は、電線2と接続された状態で軸方向が延在方向に沿った方向となる。金属棒3は、例えば、電線2と比較して相対的に小さな断面積で相対的に大きな電流容量を確保することができ、これにより、ワイヤハーネス1Aの小型化を図ることができる。なお、第2導体部31は、断面形状が略正円形のものに限らず、例えば、矩形等であってもよく、また、筒状の導体構造となっていてもよい。
接続構造100は、電線2と金属棒3とを電気的に接続するものである。接続構造100は、接続部101と、保護シート102とを備える。接続部101は、第1導体部21と第2導体部31とが接続される部分である。本実施形態の第2導体部31は、接続部101を構成する部位、すなわち、電線2側の端部が平板状に形成される。ここでは、第2導体部31は、主たる部分が略円形状に形成されており、電線2側の端部が潰し加工されることで当該電線2側の端部が平板状に形成される。
接続部101は、電線2と金属棒3とが延在方向、言い換えれば、金属棒3の軸方向に沿って互いに逆側に延在し、かつ、電線2の端末と金属棒3の端末とが延在方向に沿って重なった状態で電線2と金属棒3とが電気的に接続される。つまり、接続部101における電線2と金属棒3との接続方向(以下、「接続方向」という場合がある。)は、電線2、金属棒3の延在方向、言い換えれば、金属棒3の軸方向に沿った方向となる。接続部101は、平板状に形成された第2導体部31の端部上に第1導体部21が載置された状態で第1導体部21と第2導体部31とが電気的に接続される。接続部101は、例えば、超音波溶着や熱圧着等の適宜の方法で第1導体部21と第2導体部31とが接続される。
保護シート102は、接続部101の全周を覆う絶縁性の部材である。保護シート102は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を成形することによって形成される。ここでは、保護シート102は、例えば、筒状(チューブ状)に形成された熱収縮チューブ等を用いることができる。保護シート102は、例えば、図2等に示すように、電線2、又は、金属棒3の一方の端部から装着される。保護シート102は、筒状の内側に第1導体部21と第2導体部31との接続部101が挿入される。この状態(つまり熱収縮前の状態)では、保護シート102は、内周面と電線2、金属棒3の外面との間に隙間が形成されており、これにより、スムースに接続部101に装着することができる。そして、保護シート102は、加熱され熱が与えられることで収縮し径が小さくなり、これにより、接続部101の外面側に部分的に密着し当該接続部101を覆い保護する。
なおここでは、保護シート102は、熱収縮チューブであるものとして説明したがこれに限らない。保護シート102は、例えば、UV(紫外線)照射、薬品塗布等によって収縮し径が小さくなる部材によって構成されてもよいし、あるいは、接続部101に巻き付けられる粘着テープによって構成されてもよい。
以上で説明した接続構造100によれば、複数の素線21aによって形成された導電性の第1導体部21を有する電線2の第1導体部21と棒状に形成された導電性の第2導体部31を有する金属棒3の第2導体部31とが接続される接続部101と、接続部101の全周を覆う絶縁性の保護シート102とを備える。以上で説明したワイヤハーネス1Aによれば、上記電線2と、上記金属棒3と、上記接続構造100とを備える。
したがって、接続構造100、ワイヤハーネス1Aは、複数の素線21aによって形成された電線2の第1導体部21と棒状に形成された金属棒3の第2導体部31とが接続されることで接続部101が構成される。そして、接続構造100、ワイヤハーネス1Aは、絶縁性の保護シート102によって、第1導体部21と第2導体部31との接続部101の全周が覆われることから、当該接続部101を補強することができ、接続部101にて第1導体部21と第2導体部31とが剥離することを抑制することができる。また、接続構造100、ワイヤハーネス1Aは、保護シート102が絶縁性を有するので、接続部101が外部の導体と接触することを抑制することができるので、例えば、短絡(ショート)することを抑制することができる。この結果、接続構造100、ワイヤハーネス1Aは、電線2と金属棒3とを適正に接続することができる。これにより、接続構造100、ワイヤハーネス1Aは、例えば、電線2の第1導体部21と金属棒3の第2導体部31との接続信頼性を向上することができる。
そして、当該接続構造100が適用されたワイヤハーネス1Aは、電線2と金属棒3とを適正に接続することができるので、相対的に高い柔軟性を有し良好な屈曲性を有する電線2と、相対的に高い剛性を有し配索経路に沿って形状を保持しやすい金属棒3とを組み合わせて当該ワイヤハーネス1Aにおける各部位に応じて要求される適正な可撓性と剛性とのバランスを実現することができる。これにより、ワイヤハーネス1Aは、例えば、金属棒3によって所定の剛性を確保した部分と電線2によって変形を許容した部分とを適正に配置することで、配索時の作業性の向上と梱包、輸送時等の取扱い性の向上とを両立することができる。
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係るワイヤハーネスの概略構成を示す分解斜視図である。図6は、実施形態2に係るワイヤハーネスの概略構成を示す部分破断断面図である。実施形態2に係る接続構造、ワイヤハーネスは、載置部を備える点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する(以下、同様。)。
図5、図6に示す本実施形態に係るワイヤハーネス1Bは、接続構造100にかえて接続構造200を備える。接続構造200は、接続部101と、保護シート102と、載置部203と、段付き部204とを備える。接続部101と、保護シート102は、上記とほぼ同様の構成である。載置部203は、第1絶縁被覆部22の接続部101側の端部が第2導体部31の電線2側の先端部31aに載置される部分である。本実施形態の第2導体部31は、接続部101、及び、載置部203を構成する部位、すなわち、電線2側の端部が平板状に形成される。ここでは、第2導体部31は、主たる部分が略円形状に形成されており、電線2側の端部が潰し加工されることで当該電線2側の端部が平板状に形成される。
載置部203は、接続部101よりもさらに第2導体部31の先端部31a側、言い換えれば、第1絶縁被覆部22側に位置する。載置部203は、平板状に形成された第2導体部31の先端部31a上に第1絶縁被覆部22の接続部101側の端部、言い換えれば、接続部101にて第2導体部31に接続されている第1導体部21が露出している側の端部を載置する。
段付き部204は、第2導体部31に形成され当該第2導体部31の先端部31aに載置された第1絶縁被覆部22の接続部101側の端22aと接続部101との間に位置する。段付き部204は、第2導体部31において、接続方向と交差する方向、ここでは直交する方向に沿って、第1絶縁被覆部22の厚さtと同等の段差hで載置部203側がオフセットされた部分である。
つまり、接続構造200は、延在方向に対して段付き部204を挟んで一方側(ここでは金属棒3が延在する側)に接続部101が位置し他方側(ここでは電線2が延在する側)に載置部203が位置すると共に、第2導体部31における載置部203側の部分が第2導体部31における接続部101側の部分よりも面落ちしている。言い換えれば、接続構造200は、第2導体部31において接続部101を構成する部分に対して面落ちした部分が第1絶縁被覆部22の接続部101側の端部を載置する第2導体部31の先端部31aを構成する。
そして、第2導体部31に載置された第1絶縁被覆部22は、接続部101側の端22aが少なくとも段付き部204よりも載置部203側に位置しており、ここでは、段付き部204に突き当てられた状態で、保護シート102によって結束されている。つまり、本実施形態の保護シート102は、接続部101、載置部203、及び、段付き部204の全周を覆う絶縁性の部材として構成される。
以上で説明した接続構造200によれば、複数の素線21aによって形成された導電性の第1導体部21、及び、第1導体部21の外周側を覆う絶縁性の第1絶縁被覆部22を有する電線2の第1導体部21と棒状に形成された導電性の第2導体部31を有する金属棒3の第2導体部31とが接続される接続部101と、第1絶縁被覆部22の接続部101側の端部が第2導体部31の電線2側の先端部31aに載置される載置部203と、第2導体部31に形成され当該第2導体部31に載置された第1絶縁被覆部22の接続部101側の端22aと接続部101との間に位置し第1絶縁被覆部22の厚さtと同等の段差hで載置部203側がオフセットされた段付き部204と、接続部101、及び、載置部203の全周を覆う絶縁性の保護シート102とを備える。
したがって、接続構造200、ワイヤハーネス1Bは、複数の素線21aによって形成された電線2の第1導体部21と棒状に形成された金属棒3の第2導体部31とが接続されることで接続部101が構成されると共に電線2の第1絶縁被覆部22が金属棒3の第2導体部31に載置されることで載置部203が構成される。このとき、接続構造200、ワイヤハーネス1Bは、載置部203にて第2導体部31に載置された第1絶縁被覆部22の接続部101側の端22aと接続部101との間に、第1絶縁被覆部22の厚さtと同等の段差hで載置部203側がオフセットされた段付き部204が形成されているので、接続部101と載置部203との間の当該段付き部204の段差hで電線2の第1絶縁被覆部22の厚さt分を吸収することができる。この結果、接続構造200、ワイヤハーネス1Bは、接続部101において金属棒3の第2導体部31に対して電線2の第1導体部21を直線的に密着させやすくすることができる。これにより、接続構造200、ワイヤハーネス1Bは、第1導体部21が接続方向と直交する方向の一方側に偏り難い構成とすることができるので、当該第1導体部21を構成する各素線21aが接続部101にて伸び難い構成とすることができ、例えば、接続部101にて各素線21aの断線等が生じにくい構成とすることができる。その上で、接続構造200、ワイヤハーネス1Bは、絶縁性の保護シート102によって、接続部101、及び、載置部203の全周が覆われることから、接続部101、載置部203を補強することができ、接続部101にて第1導体部21と第2導体部31とが剥離すること、及び、載置部203にて第2導体部31と第1絶縁被覆部22とが剥離することを抑制することができる。この結果、接続構造200、ワイヤハーネス1Bは、電線2と金属棒3とをより適正に接続することができる。
さらに、以上で説明した接続構造200、ワイヤハーネス1Bによれば、第2導体部31は、接続部101、及び、載置部203を構成する部位が平板状に形成され、第2導体部31に載置された第1絶縁被覆部22は、接続部101側の端22aが段付き部204に突き当てられる。したがって、接続構造200、ワイヤハーネス1Bは、電線2の第1導体部21と金属棒3の第2導体部31とを接続する際に電線2の第1絶縁被覆部22の端22aが段付き部204に突き当てられた状態とされることで、第2導体部31との相対的な位置関係を適正な位置関係に位置決めした状態で第1導体部21と第2導体部31とを接続することができる。よって、接続構造200、ワイヤハーネス1Bは、電線2の第1導体部21と金属棒3の第2導体部31との相対的な位置関係において組み付け位置精度、特に延在方向(接続方向、あるいは、金属棒3の軸方向)に対する組み付け位置精度を向上することができるので、この点でも接続信頼性を向上することができる。
[実施形態3]
図7は、実施形態3に係るワイヤハーネスの概略構成を示す分解斜視図である。図8は、実施形態3に係るワイヤハーネスの概略構成を示す斜視図である。図9は、実施形態3に係るワイヤハーネスの概略構成を示す部分破断断面図である。実施形態3に係る接続構造、ワイヤハーネスは、筒状部材、固定部材を備える点で実施形態1とは異なる。
図7、図8、図9に示す本実施形態に係るワイヤハーネス1Cは、接続構造100にかえて接続構造300を備える。接続構造300は、接続部101と、保護シート102と、筒状部材305と、固定部材306とを備える。
接続部101と、保護シート102とは、上記とほぼ同様の構成である。ただし、本実施形態の保護シート102は、筒状部材305、及び、固定部材306が挿入される挿入孔102aが形成されている。また、第2導体部31も同様に筒状部材305、及び、固定部材306が挿入される挿入孔31bが形成されている。第2導体部31は、上述したように接続部101を構成する部位、すなわち、電線2側の端部が平板状に形成される。そして、第2導体部31は、第2絶縁被覆部32から露出した部分、ここでは、接続部101と第2絶縁被覆部32の端との間の平板状の部分に挿入孔31bが形成されており、当該挿入孔31bが形成された部分が固定部材306によって固定される固定部307として機能する。挿入孔102a、挿入孔31bは、それぞれ保護シート102、第2導体部31を延在方向と直交(交差)する方向(ここでは、第2導体部31の平板状の部分の厚み方向)に貫通している。保護シート102は、例えば、電線2、又は、金属棒3の一方の端部から装着され、挿入孔102aと挿入孔31bとが対向するように位置合わせされた後、加熱され熱が与えられることで収縮され、これにより、接続部101、固定部307の外面側に部分的に密着し当該接続部101、固定部307を覆い保護する。つまり、本実施形態の保護シート102は、接続部101、及び、固定部307の全周を覆う絶縁性の部材として構成される。
筒状部材305は、筒状に形成され、第2導体部31、及び、保護シート102を貫通する絶縁性の部材である。筒状部材305は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を成形することによって形成される。ここでは、筒状部材305は、円筒状に形成される大径部305aと、円筒状に形成される小径部305bとを含んで構成される。大径部305aと小径部305bとは、内周面が連続するように一体で形成される。大径部305aと小径部305bとは、内径がほぼ同径に形成される一方、小径部305bの外径が大径部305aの外径より相対的に小さく形成される。小径部305bは、外径が挿入孔102a、挿入孔31bの内径とほぼ同等、あるいはやや小径に形成される。筒状部材305は、小径部305bが挿入孔102a、挿入孔31bに挿入されて嵌合し、大径部305aが保護シート102の外側に露出するような位置関係で第2導体部31、保護シート102に組み付けられる。
固定部材306は、筒状部材305の内側に挿入され第2導体部31、及び、保護シート102を固定部位50に固定する部材である。ここで、固定部位50は、例えば、ワイヤハーネス1Cが適用される車両の車両ボデー等である。固定部材306は、例えば、外周面に螺合溝が形成された螺合軸部306aと、当該螺合軸部306aの端部に設けられるボルト頭部306bとを含んで構成されるボルトによって構成される。固定部材306は、螺合軸部306aが筒状部材305の内側に挿入され、当該筒状部材305の内側を通って第2導体部31、及び、保護シート102を貫通し、固定部位50に形成された固定凹部50aに螺合することで、固定部307を介して第2導体部31、及び、保護シート102を固定部位50に固定する。
以上で説明した接続構造300、ワイヤハーネス1Cは、絶縁性の保護シート102によって、第1導体部21と第2導体部31との接続部101の全周が覆われることから、当該接続部101を補強することができ、接続部101にて第1導体部21と第2導体部31とが剥離することを抑制することができる。この結果、接続構造300、ワイヤハーネス1Cは、電線2と金属棒3とを適正に接続することができる。
さらに、以上で説明した接続構造300、ワイヤハーネス1Cによれば、筒状に形成され、第2導体部31、及び、保護シート102を貫通する絶縁性の筒状部材305と、筒状部材305の内側に挿入され第2導体部31、及び、保護シート102を固定部位50に固定する固定部材306とを備える。したがって、接続構造300、ワイヤハーネス1Cは、第2導体部31によって構成される接続部101、保護シート102を、筒状部材305、固定部材306を介して固定部位50に固定することができるので、例えば、車両振動等に対して固定部307と共に接続部101、保護シート102や電線2、金属棒3自体を動き難くすることができる。このとき、接続構造300、ワイヤハーネス1Cは、例えば、導電性を有する固定部材306と第2導体部31との間に絶縁性の筒状部材305が介在することで、固定部材306と第2導体部31とを電気的に絶縁することができる。この結果、接続構造300、ワイヤハーネス1Cは、例えば、車両振動等によって保護シート102の摩耗や接続部101における剥離等が発生することを抑制することができるので、電線2と金属棒3とをより適正に接続することができる。
なお、以上の説明では、固定部材306は、ボルトであるものとして説明したがこれに限らず、筒状部材305の内側に挿入され第2導体部31、及び、保護シート102を固定部位50に固定するものであればよい。
また、図10は、変形例1に係るワイヤハーネスの概略構成を示す部分破断断面図である。図10に示す本変形例に係るワイヤハーネス1Dのように、当該ワイヤハーネス1Dが備える接続構造300Dは、実施形態2で説明した載置部203、段付き部204を備えた上で、さらに、筒状部材305と、固定部材306とを備えていてもよい。この場合であっても、接続構造300D、ワイヤハーネス1Dは、接続部101、保護シート102、載置部203を、筒状部材305、固定部材306を介して固定部位50に固定することができるので、例えば、車両振動等に対して固定部307と共に接続部101、保護シート102、載置部203や電線2、金属棒3自体を動き難くすることができる。
また、図11は、変形例2に係るワイヤハーネスの概略構成を示す分解斜視図である。図11に示す本変形例に係るワイヤハーネス1Eのように、当該ワイヤハーネス1Eが備える接続構造300Eは、接続部101E、固定部307Eの形状が上述の接続部101、固定部307とは異なる。本変形例の接続部101Eは、電線2の第1導体部21が二股に分かれて第2導体部31に電気的に接続される。そして、本変形例の固定部307Eは、挿入孔31bが接続部101Eにて二股に分かれて接続されている第1導体部21の間に形成されることで、当該接続部101Eが形成される部分が固定部307Eとしても兼用される。この場合であっても、接続構造300E、ワイヤハーネス1Eは、接続部101E、保護シート102を、筒状部材305、固定部材306を介して固定部位50に固定することができるので、例えば、車両振動等に対して固定部307Eと共に接続部101E、保護シート102や電線2、金属棒3自体を動き難くすることができる。また、上記構成により、接続構造300E、ワイヤハーネス1Eは、固定部材306を構成するボルトのボルト頭部306bによって固定部位50との間に電線2の第1導体部21を挟み込むことができ、相対的に広い領域で電線2の第1導体部21を抑え込むことができるので、複数の素線21aで構成された第1導体部21がばらけてしまうことを抑制することができる。
[実施形態4]
図12は、実施形態4に係るワイヤハーネスの概略構成を示す斜視図である。図13は、実施形態4に係るワイヤハーネスの概略構成を示す部分破断断面図である。実施形態4に係る接続構造、ワイヤハーネスは、係止部を備える点で実施形態1とは異なる。
図12、図13に示す本実施形態に係るワイヤハーネス1Fは、接続構造100にかえて接続構造400を備える。接続構造400は、接続部101と、保護シート102と、係止部としてのクランプ部408とを備える。接続部101と、保護シート102とは、上記とほぼ同様の構成である。
クランプ部408は、接続部101、及び、保護シート102を固定部位50に係止する部分である。クランプ部408は、当該固定部位50に対して着脱自在に係止することのできる形状で形成されている。クランプ部408は、絶縁性の樹脂材料、ここでは、保護シート102と同系統の樹脂材料によって保護シート102の外側の表面に保護シート102と一体となるように成形される。より詳細には、クランプ部408は、保護シート102の外表面から延在方向と交差する方向に突出する軸部408aと、軸部408aから突出した一対のアーム部408bとを有する。軸部408aは、基端部が保護シート102の外側の表面と連結される一方、径方向外側の先端部に一対のアーム部408bが連結される。一対のアーム部408bは、軸部408aを挟んで相互に対向するように形成される。一対のアーム部408bは、それぞれ軸部408aの先端部から湾曲しながら保護シート102の外側の表面側に向けて延在する。一対のアーム部408bは、それぞれ基端部が軸部408aの径方向外側の先端部と連結される一方、径方向内側の先端部、言い換えれば、保護シート102の外側の表面側の端部に係合段差部408cが形成されている。各係合段差部408cは、固定部位50に形成された固定凹部50aの縁部に係合される部分である。クランプ部408は、一対のアーム部408bが可撓性を有しており、固定凹部50aに対して当該アーム部408bが撓みながら挿入可能に形成される。さらに、クランプ部408は、固定部位50におけるワイヤハーネス1Fの配索面と当接する当接部408dを有している。当接部408dは、軸部408aの基端部側に設けられ、一対のアーム部408bと保護シート102との間に介在する。
クランプ部408は、一対のアーム部408bが固定凹部50aに対して撓みながら挿入され各係合段差部408cが固定部位50に形成された固定凹部50aの縁部に係合することで、固定部位50に対して接続部101、保護シート102を係止し固定することができる。このとき、クランプ部408は、一対のアーム部408bと保護シート102との間に介在する当接部408dが固定部位50におけるワイヤハーネス1Fの配索面と当接することで、接続部101、保護シート102を安定して固定部位50に支持することができる。
以上で説明した接続構造400、ワイヤハーネス1Fは、絶縁性の保護シート102によって、第1導体部21と第2導体部31との接続部101の全周が覆われることから、当該接続部101を補強することができ、接続部101にて第1導体部21と第2導体部31とが剥離することを抑制することができる。この結果、接続構造400、ワイヤハーネス1Fは、電線2と金属棒3とを適正に接続することができる。
さらに、以上で説明した接続構造400、ワイヤハーネス1Fによれば、接続部101、及び、保護シート102を固定部位50に係止するクランプ部408を備える。したがって、接続構造400、ワイヤハーネス1Fは、接続部101、保護シート102を、クランプ部408を介して固定部位50に係止し固定することができるので、例えば、車両振動等に対して固定部307と共に接続部101、保護シート102や電線2、金属棒3自体を動き難くすることができる。この結果、接続構造400、ワイヤハーネス1Fは、例えば、車両振動等によって保護シート102の摩耗や接続部101における剥離等が発生することを抑制することができるので、電線2と金属棒3とをより適正に接続することができる。
[実施形態5]
図14は、実施形態5に係るワイヤハーネスの概略構成を示す分解斜視図である。実施形態5に係る接続構造、ワイヤハーネスは、ブラケット部、締結部材を備える点で実施形態1とは異なる。
図14に示す本実施形態に係るワイヤハーネス1Gは、接続構造100にかえて接続構造500を備える。接続構造500は、接続部101と、保護シート102と、ブラケット部509と、締結部材510とを備える。接続部101と、保護シート102とは、上記とほぼ同様の構成である。
ブラケット部509は、締結部材510によって固定部位50に締結される部分である。ブラケット部509は、絶縁性の樹脂材料、ここでは、保護シート102と同系統の樹脂材料によって保護シート102の外側の表面に保護シート102と一体となるように成形される。より詳細には、ブラケット部509は、保護シート102の外表面から延在方向と交差する方向に矩形板状に突出する。ここでは、矩形板状に成形されるブラケット部509は、平板状に形成された第2導体部31(図1等参照)と略平行となる位置関係で設けられる。ブラケット部509は、締結部材510が挿入される締結孔509aが形成されている。締結孔509aは、ブラケット部509を延在方向と直交(交差)する方向、ここでは、矩形板状に成形されるブラケット部509の法線方向(言い換えれば、矩形板状に成形されるブラケット部の厚み方向)に沿って貫通している。
締結部材510は、ブラケット部509に形成された締結孔509aに挿入されブラケット部509を固定部位50に締結する部材である。締結部材510は、例えば、外周面に螺合溝が形成された螺合軸部510aと、当該螺合軸部510aの端部に設けられるボルト頭部510bとを含んで構成されるボルトによって構成される。締結部材510は、螺合軸部510aが締結孔509aの内側に挿入され、ブラケット部509を貫通し、固定部位50に形成された固定凹部50aに螺合することで、ブラケット部509を固定部位50に締結、固定し、これにより、ブラケット部509を介して接続部101、及び、保護シート102を固定部位50に固定する。
以上で説明した接続構造500、ワイヤハーネス1Gは、絶縁性の保護シート102によって、第1導体部21と第2導体部31との接続部101の全周が覆われることから、当該接続部101を補強することができ、接続部101にて第1導体部21と第2導体部31とが剥離することを抑制することができる。この結果、接続構造500、ワイヤハーネス1Gは、電線2と金属棒3とを適正に接続することができる。
さらに、以上で説明した接続構造500、ワイヤハーネス1Gによれば、保護シート102の外側に突出して形成され締結孔509aが設けられたブラケット部509と、締結孔509aに挿入されブラケット部509を固定部位50に締結する締結部材510とを備える。したがって、接続構造500、ワイヤハーネス1Gは、接続部101、保護シート102を、ブラケット部509、締結部材510を介して固定部位50に締結し固定することができるので、例えば、車両振動等に対してブラケット部509と共に接続部101、保護シート102や電線2、金属棒3自体を動き難くすることができる。この結果、接続構造500、ワイヤハーネス1Gは、例えば、車両振動等によって保護シート102の摩耗や接続部101における剥離等が発生することを抑制することができるので、電線2と金属棒3とをより適正に接続することができる。
[実施形態6]
図15は、実施形態6に係るワイヤハーネスの概略構成を示す分解斜視図である。図16は、実施形態6に係るワイヤハーネスの概略構成を示す斜視図である。図17は、実施形態6に係るワイヤハーネスの概略構成を示す部分破断断面図である。実施形態6に係る接続構造、ワイヤハーネスは、加圧部材を備える点で実施形態3とは異なる。
図15、図16、図17に示す本実施形態に係るワイヤハーネス1Hは、接続構造300にかえて接続構造600を備える。接続構造600は、筒状部材305にかえて加圧部材610を備える。つまり、接続構造600は、接続部101と、保護シート102と、加圧部材610と、固定部材306とを備える。接続部101と、保護シート102と、固定部材306とは、上記とほぼ同様の構成である。
加圧部材610は、固定部位50との間に接続部101、及び、保護シート102を挟持し加圧する絶縁性の部材である。加圧部材610は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を成形することによって形成される。加圧部材610は、固定部材306と固定部位50との間に介在し固定部材306によって固定部位50に固定される介在部610aと、接続部101、保護シート102を加圧する加圧部610bとを含んで構成される。加圧部材610は、介在部610aと加圧部610bとが一体で形成される。
介在部610aは、矩形板状に形成される介在板状部610cと、介在板状部610cにおける延在方向に沿った辺にそれぞれ形成され互いに対向する一対の介在側部610dとを含んで構成される。介在板状部610cは、固定部材306が挿入される挿入孔610eが形成されている。挿入孔610eは、介在板状部610cを延在方向と直交(交差)する方向(介在板状部610cの厚み方向)に貫通している。一対の介在側部610dは、加圧部材610が固定部位50に組み付けられた状態で第2導体部31の固定部307を挟んで対向する。介在部610aは、全体として、挿入孔610eの貫通方向に沿った断面形状が略コ型形状に形成される。
加圧部610bは、延在方向に沿って介在部610aと連接される。加圧部610bは、延在方向に沿って介在板状部610cと連接される押圧板状部610fと、延在方向に沿って各介在側部610dと連接される一対の押圧側部610gとを含んで構成される。押圧板状部610fは、接続部101の外側表面の輪郭形状に沿った傾斜面を含んで形成される。一対の押圧側部610gは、押圧板状部610fにおける延在方向に沿った辺にそれぞれ形成され互いに対向する。一対の押圧側部610gは、加圧部材610が固定部位50に組み付けられた状態で接続部101を挟んで対向する。加圧部610bは、挿入孔610eの貫通方向に沿った断面形状が略コ型形状に形成される。
上記のように構成される加圧部材610は、介在部610aの挿入孔610eが挿入孔102a、31bと対向するように位置合わせされる。この状態で、加圧部材610は、一対の介在側部610d、一対の押圧側部610gがそれぞれ延在方向、及び、挿入孔610eの貫通方向と直交する方向に対向すると共に、加圧部610bの押圧板状部610fが接続部101の外側表面と当接する。そして、加圧部材610は、固定部材306が挿入孔610e、102a、31bの内側に挿入され、加圧部材610の介在部610a、第2導体部31、及び、保護シート102を貫通し固定部位50に形成された固定凹部50aに螺合することで、第2導体部31、保護シート102と共に固定部位50に固定される。この状態で、加圧部材610は、介在部610aが第2導体部31の固定部307、保護シート102と共に固定部材306を構成するボルトのボルト頭部306bと固定部位50との間に介在し締結される。そして、加圧部材610は、ボルト頭部306bと固定部位50との間に発生する締付力が、加圧部610bにて接続部101、保護シート102を固定部位50側に押圧して加圧する押圧力として作用する。つまり、本実施形態の固定部材306は、加圧部材610と固定部位50との間で押圧力を発生させるための押圧力発生部材として機能する。このようにして、加圧部材610は、固定部位50との間に接続部101、及び、保護シート102を挟持し加圧することができる。
以上で説明した接続構造600、ワイヤハーネス1Hは、絶縁性の保護シート102によって、第1導体部21と第2導体部31との接続部101の全周が覆われることから、当該接続部101を補強することができ、接続部101にて第1導体部21と第2導体部31とが剥離することを抑制することができる。この結果、接続構造600、ワイヤハーネス1Hは、電線2と金属棒3とを適正に接続することができる。
さらに、以上で説明した接続構造600、ワイヤハーネス1Hによれば、固定部位50との間に接続部101、及び、保護シート102を挟持し加圧する加圧部材610を備える。したがって、接続構造600、ワイヤハーネス1Hは、加圧部材610と固定部位50との間に接続部101、保護シート102を挟持し加圧し保持することができるので、例えば、車両振動等に対して接続部101、保護シート102や電線2、金属棒3自体を動き難くすることができる。この結果、接続構造600、ワイヤハーネス1Hは、例えば、車両振動等によって保護シート102の摩耗や接続部101における剥離等が発生することを抑制することができる。また、接続構造600、ワイヤハーネス1Hは、加圧部材610自体で接続部101、保護シート102の外側を覆い保護することもできる。この結果、接続構造600、ワイヤハーネス1Hは、電線2と金属棒3とをより適正に接続することができる。
なお、本実施形態の接続構造600、ワイヤハーネス1Hは、導電性を有する固定部材306と第2導体部31との間が絶縁されていないがこれに限らない。接続構造600、ワイヤハーネス1Hは、接続構造300の小径部305bと同様に、挿入孔102a、31bの内側に挿入され導電性を有する固定部材306と第2導体部31との間に介在し絶縁する筒状部が加圧部材610の挿入孔610eの周りに一体で形成されていてもよい。
[実施形態7]
図18は、実施形態7に係るワイヤハーネスの概略構成を示す斜視図である。実施形態7に係る接続構造、ワイヤハーネスは、結束部材を備える点で実施形態3とは異なる。
図18に示す本実施形態に係るワイヤハーネス1Iは、接続構造300にかえて接続構造700を備える。接続構造700は、接続部101と、保護シート102と、筒状部材305と、固定部材306とに加えて、さらに結束部材711を備える。接続部101と、保護シート102と、筒状部材305と、固定部材306とは、上記とほぼ同様の構成である。
本実施形態のワイヤハーネス1Iは、第1配索材としての電線2と第2配索材としての金属棒3とは別に第3配索材4を備えている。第3配索材4は、接続部101で互いに接続される電線2、及び、金属棒3と並行して配索されるものであり、電線2と同様の構成であってもよいし、金属棒3と同様の構成であってもよい。ここでは、第3配索材4は、複数本設けられている。
結束部材711は、上記第3配索材4を、電線2、又は、金属棒3に結束するための部材である。ここでは、結束部材711は、第3配索材4を電線2に結束するものが1つ、第3配索材4を金属棒3に結束するためものが1つ、合計2つが設けられる。一方の結束部材711は、保護シート102の一方の端部で、複数本の第3配索材4と電線2とを周方向に沿って巻きつけて包んで結束する。他方の結束部材711は、保護シート102の他方の端部で、複数本の第3配索材4と金属棒3とを周方向に沿って巻きつけて包んで結束する。各結束部材711は、例えば、熱収縮チューブ、巻テープ、結束バンド等を用いることができる。
以上で説明した接続構造700、ワイヤハーネス1Iは、絶縁性の保護シート102によって、第1導体部21と第2導体部31との接続部101の全周が覆われることから、当該接続部101を補強することができ、接続部101にて第1導体部21と第2導体部31とが剥離することを抑制することができる。この結果、接続構造700、ワイヤハーネス1Iは、電線2と金属棒3とを適正に接続することができる。
さらに、以上で説明した接続構造700、ワイヤハーネス1Iによれば、接続部101で接続される電線2、及び、金属棒3と並行して配索される第3配索材4を、電線2、又は、金属棒3に結束する結束部材711を備える。したがって、接続構造700、ワイヤハーネス1Iは、第3配索材4を接続部101で接続される電線2、金属棒3に沿わせて配索することができるので、第3配索材4の配索作業性を向上することができると共に、等が第3配索材4を筒状部材305、固定部材306、結束部材711等を介して固定部位50に固定することができる。
なお、図19は、参考例に係るワイヤハーネスの概略構成を示す分解斜視図である。図20、図22は、参考例に係るワイヤハーネスの概略構成を示す斜視図である。図21は、参考例に係るワイヤハーネスの概略構成を示す部分断面図である。
図19、図20、図21に示す参考例に係るワイヤハーネス1Jは、第1配索材としての電線2を備えず第2配索材としての金属棒3を備えている。金属棒3は、第2導体部31が第2絶縁被覆部32から露出している部分を有しており、当該露出している部分が固定部位50に固定される固定部833として形成される。第2導体部31は、主たる部分が略円形状に形成されており、当該固定部833を構成する部分が潰し加工されることで当該固定部833を構成する部分が薄板状に形成される。そして、第2導体部31は、固定部833に固定部材306が挿入される挿入孔833aが形成されている。
また、ワイヤハーネス1Jは、上述した保護シート102、筒状部材305、及び、固定部材306も備えている。保護シート102は、金属棒3の一方の端部から装着され、挿入孔102aと挿入孔833aとが対向するように位置合わせされた後、加熱され熱が与えられることで収縮し、これにより、固定部833の外面側に密着し当該固定部833を覆い保護する。筒状部材305は、小径部305bが挿入孔833aに挿入されて嵌合し、大径部305aが保護シート102の外側に露出するような位置関係で固定部833に組み付けられる。固定部材306は、螺合軸部306aが筒状部材305の内側に挿入され、当該筒状部材305の内側を通って第2導体部31の固定部833、及び、保護シート102を貫通し、固定部位50に形成された固定凹部50aに螺合することで、固定部833を介して第2導体部31、及び、保護シート102を固定部位50に固定する。
この場合、本参考例に係るワイヤハーネス1Jは、第2導体部31の固定部833、保護シート102を、筒状部材305、固定部材306を介して固定部位50に固定することができるので、例えば、車両振動等に対して第2導体部31の固定部833、保護シート102や金属棒3自体を動き難くすることができる。これにより、ワイヤハーネス1Jは、例えば、車両振動等によって保護シート102等の摩耗等が発生することを抑制することができる。
そしてこの場合、図22に例示するようにワイヤハーネス1Jは、ワイヤハーネス1Iと同様に、金属棒3と並行して配索される第3配索材4を、金属棒3に結束する結束部材811を備えることで、第3配索材4を金属棒3に沿わせて配索することができる。これにより、ワイヤハーネス1Jは、第3配索材4の配索作業性を向上することができると共に、筒状部材305、固定部材306、結束部材811等を介して第3配索材4を固定部位50に固定することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る接続構造、及び、ワイヤハーネスは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る接続構造、及び、ワイヤハーネスは、以上で説明した各実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
以上の説明では、金属棒3は、棒状に形成された導電性の第2導体部31と、当該第2導体部31の外周側を覆う絶縁性の第2絶縁被覆部32とを有するものとして説明したがこれに限らず、第2絶縁被覆部32を有さない構成であってもよい。
以上で説明した接続構造100、200、300、300D、300E、400、500、600、700、及び参考例は、固定部位50に固定されている部分、固定部材306、締結部材510等がアース回路の一部として利用されてもよい。