以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態における辞書端末の外観を示す図である。本実施形態における辞書端末は、電子辞書2として実現される。電子辞書2は、電子辞書データを処理する専用の電子機器である。電子辞書2は、予め内部の記憶媒体に電子辞書データを記録する構成としても良いし、インターネットなどを含むネットワークを介して、外部のサーバ(辞書サーバ)から電子辞書データを受信する構成とすることもできる。
電子辞書2は、他の通信機器4との間で、相互に近距離無線通信が可能である。図1に示す通信機器4は、タブレット装置(タブレット型PC(personal computer))により実現した例を示している。なお、通信機器4は、例えばスマートフォン、タッチパネル式のPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機等の他の電子機器により実現することも可能である。
通信機器4は、例えば電子教科書として利用される。通信機器4は、電子書籍アプリケーションプログラムが実装され、例えば学校(小学校など)の授業で使用する教科書のデータをもとに、ユーザ操作に応じて、テキスト、画像、音声等を出力することができる。電子辞書2と通信機器4とは、近距離無線通信を介して、それぞれにおいて実行されるプログラムによって連携した機能を実行可能である。従って、通信機器4は、電子辞書2との近距離無線通信を通じて、電子辞書2の辞書機能を利用することができる。例えば、通信機器4の利用者(生徒)は、図1に示すように、教科書の英文を表示している際に、英文中の単語の意味を電子辞書2の機能を利用して調べることが可能である。
なお、図1では、電子辞書2を辞書端末として実現した例を示しているが、図2に示すように、通信機器4Aを辞書端末として実現することも可能である。通信機器4Aは、図1に示す通信機器4と同様に電子教科書を実現するための電子書籍アプリケーションプログラムが実装され、さらに電子辞書2と同様の辞書機能を実現するための電子辞書アプリケーションプログラムが実装される。通信機器4Aは、電子書籍アプリケーションと電子辞書アプリケーションとの間のアプリ間通信を実行することで、電子辞書2と通信機器4と同様にして、連携した機能を実行可能である。
本実施形態における辞書端末(電子辞書2、通信機器4A)は、辞書機能によって辞書引きされた見出し語を登録し、見出し語の登録量が直感的にユーザに認識されるような表示を行い、さらに電子書籍と連動して辞書引きしたことを直感的に認識させることができるようにする。これにより、ユーザの辞書引きの意欲向上を図ることができるようにする。本実施形態では、付箋機能により付箋が付与された見出し語を登録し、付箋が付与された枚数(見出し語の登録数)に応じて、辞書あるいは書籍を表す画像を膨らんだ形状に変化させることで、見出し語の登録量を直感的にユーザが認識できるようにする。
図3は、本実施形態における電子辞書2の電子回路の構成を示すブロック図である。
電子辞書2の電子回路は、各種の記録媒体に記録されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成される。電子辞書2は、CPU(central processing unit)11、記録媒体読取部12、表示部(タッチパネル)13、通信部14、キー入力部15、近距離無線通信部16、及びメモリ19が備えられる。
CPU11は、メモリ19に予め記憶された情報表示制御プログラム19Aに応じて、回路各部の動作を制御する。情報表示制御プログラム19Aは、ROMカードなどの外部記録媒体17から記録媒体読取部12を介してメモリ19に読み込まれても良いし、あるいはインターネットなどのネットワーク8を通じて読み込まれても良い。
メモリ19に記憶された情報表示制御プログラム19Aは、キー入力部15、タッチパネル式の表示部13からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは近距離無線通信部16を介して接続される通信機器4からの通信信号に応じて起動される。
情報表示制御プログラム19Aは、電子辞書2の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部14を介して通信機器4などの外部電子機器とデータ通信するための通信プログラム、電子辞書機能を実現するための電子辞書プログラム、教科書などのテキストを表示するための電子書籍プログラム、通信機器4と連携した処理を実行するための通信機器連携処理プログラム等を含む。
CPU11は、情報表示制御プログラム19Aにより、辞書データベースから情報を読み出して表示する情報表示制御処理を実行する。情報表示制御処理には、ユーザにより指定された検索語に対応した見出し語を検索し、見出し語に対応する各種説明情報を表示する辞書機能、検索された見出しに付箋を付与する付箋機能を実行するための処理が含まれる。
また、情報表示制御処理には、近距離無線通信を介して接続される通信機器4を検知し、通信機器4との間で連携して処理する書籍(教科書等)を検出するための連携書籍検出処理、付箋機能により付与された付箋に応じた付箋付き辞書画像を作成する付箋付き辞書画像作成処理、付箋機能により付与された付箋に応じた付箋付き書籍画像を作成する付箋付き書籍画像作成処理が含まれる。
メモリ19には、辞書データベース19Bが記憶される。辞書データベース19Bには、例えば、国語辞典、英和辞典、和英辞典、英英辞典、百科事典等の各種辞書の辞書データが記憶される。例えば、英和辞典の辞書データとしては、アルファベット順に配列した各英単語の見出し語とその見出し語に対応する詳細説明テキストとが対応づけて記憶される。詳細説明テキストには、例えば、日本語の意味(訳語)、発音記号、用例、解説、括弧書きされた付加データなどからなる説明情報がその発音の音声データと共に記憶される。英和辞典以外の各種の辞書データも、基本的には英和辞典と同様に、各見出し語とその説明情報が対応付けられて記憶される。
なお、辞書データベース19Bは、予め辞書データが記憶されていても良いし、記録媒体17から読み出した辞書データ、あるいはネットワーク5を通じて辞書サーバ6からダウンロードした辞書データを記憶するようにしても良い。また、予め記憶された辞書データと、辞書サーバ6からダウンロードした辞書データとを組み合わせて使用することもできる。
また、メモリ19には、付箋データエリア19C、辞書膨らみ画像データエリア19D、書籍膨らみ画像データエリア19E、新出単語リストデータエリア19Hの各データエリアが受けられる。
付箋データエリア19Cは、付箋機能により、ユーザ操作に応じて見出し語に付与された付箋に関する付箋データが記憶される。1つの付箋に対応する付箋データには、付箋の付与対象とする辞書の辞書名、付箋が付与された見出し語、付箋の色(種類)、付箋が付された見出し語に対応する説明情報中のマーカ位置、通信機器4と連携して辞書機能が使用される際に通信機器4で処理される書籍を示すリンク先書籍名、リンク先書籍名が示す書籍中の辞書機能により検索対象とした文字列等を示す対応位置(マーカ位置、ページ/行/桁)などを示すデータが含まれる。付箋データエリア19Cには、各付箋に対応する付箋データが記憶される。
辞書膨らみ画像データエリア19Dは、付箋機能により付箋が付与された枚数(付箋が付与された見出し語の登録数)に応じて表示する辞書画像データを記憶するエリアである。辞書画像データは、例えば付箋が付与された枚数が0枚、1−10枚、11−49枚、50−100枚、101枚以上のそれぞれに対応する辞書画像データが記憶されているものとする。辞書画像データは、付箋が付与された枚数が多いほど、辞書が膨らんだ状態を表示するためのデータである。辞書画像データは、辞書(辞書データ)に対応して用意されており、処理対象としている辞書の種類を表示する場合や、メニューなどにおいてアイコンとして表示する場合に用いられる。
書籍膨らみ画像データエリア19Eは、付箋機能により付箋が付与された枚数(教科書等の書籍中の付箋が付与された文字列(検索語)の数)に応じて表示する書籍画像データを記憶するエリアである。書籍画像データは、前述した辞書画像データと同様にして、付箋が付与された枚数に応じた書籍画像データが記憶されているものとする。書籍画像データは、付箋が付与された枚数が多いほど、書籍が膨らんだ状態を表示するためのデータである。書籍画像データは、処理対象としている書籍(教科書など)の種類を表示する場合や、メニューなどにおいてアイコンとして表示する場合に用いられる。
新出単語リストデータエリア19Hは、通信機器4と連携した処理が可能な書籍(教科書等)において、新たに使用された単語(新出単語)のリストを示す単語リストデータを記憶するエリアである。単語リストデータは、書籍毎の新出単語リストを含んでおり、書籍における新出単語が掲載される最初の位置(ページ、行など)を示すデータを含んでいる。
表示部13は、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となったタッチパネル構造を有している。例えば、表示部13は、バックライト付きカラー液晶表示画面に透明タッチパネルを重ねて構成される。表示部13の表示画面には、必要に応じて、辞書機能を提供するための各種表示領域、テキストを含む各種コンテンツを表示するコンテンツ領域、各種機能のキー入力領域、あるいは各領域が混在する領域に切り替えられる。
通信部14は、外部機器との通信を制御する。通信部14は、CPU11により実行される処理に応じて、インターネットを含むネットワーク8を通じて、辞書サーバ6などの外部機器との通信を制御する。
キー入力部15は、例えば電子辞書2の本体ケースに設けられた各種キー、例えば文字入力キー、辞書キー、訳/決定キー、メニューキー、[戻る]キー、カーソルキーなどからの入力を制御する。
近距離無線通信部16は、通信機器4などの外部機器との近距離無線通信を制御する。近距離無線通信部16は、例えばBluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を制御する。
なお、辞書サーバ6の記憶装置6Aには、電子辞書2により利用される辞書データが登録された辞書データベースが記憶される。また、辞書サーバ6は、ネットワーク8を介して接続された複数の電子辞書2から付箋データを受信して、記憶装置6Aにおいて電子辞書2(辞書端末)毎の付箋データを記憶することができる。辞書サーバ6は、電子辞書2からの付箋データの読出し要求に応じて、要求元の電子辞書2に対応する付箋データを記憶装置6Aから読み出して送信することができる。電子辞書2は、任意のタイミングで、メモリ19に記憶された付箋データを辞書サーバ6に送信して登録しておくことができる。
図4は、本実施形態における通信機器4の電子回路の構成を示すブロック図である。
通信機器4の電子回路は、図4に示すように、プログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成される。
通信機器4は、CPU21、メモリ29、記録媒体読取部22、表示部(タッチパネル)23、無線通信部24、及び近距離無線通信部26が備えられる。
CPU21は、メモリ29内に予め記憶された電子書籍アプリケーションプログラム29A(以下、電子書籍アプリ29Aと称する)に応じて各部の動作を制御する。CPU21は、電子書籍アプリ29Aを実行することにより、通信機器4を例えば電子教科書として機能させる。なお、電子書籍アプリ29Aは、ROMカードなどの外部記録媒体27から記録媒体読取部22を介してメモリ29に読み込まれても良いし、あるいはネットワーク8を通じて読み込まれても良い。
メモリ29に記憶された電子書籍アプリ29Aは、表示部(タッチパネル)23からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは無線通信部24を介して接続される電子辞書2との通信信号に応じて起動される。
また、CPU21は、メモリ29に記憶された辞書端末連携処理アプリケーションプログラム29B(以下、辞書端末連携処理アプリ29Bと称する)を実行することにより、電子辞書2と連携した処理を実行する。
CPU21は、辞書端末連携処理アプリ29Bにより、電子辞書2の機能を利用した辞書端末連携処理を実行する。辞書端末連携処理には、連携が可能な電子辞書2を検出する電子辞書検出処理、電子辞書2の付箋機能により付与された付箋データをもとに、電子書籍アプリ29Aに表示された書籍(教科書)に、付箋や付箋が付与された見出し語に対応する文字列をマーカ表示する付箋表示処理が含まれる。
なお、図2に示すように、通信機器4Aを辞書端末として実現する場合には、メモリ29には電子辞書アプリケーションプログラム29C(以下、電子辞書アプリ29Cと称する)が記憶される。CPU21は、電子辞書アプリ29Cを実行することにより、図3に示す電子辞書2の辞書機能と同等の機能をソフトウェア的に実現することができる。
メモリ29には、電子辞書2と連携する処理を実行する際のデータを記憶するために、付箋データエリア29Dが設けられる。
付箋データエリア29Dは、付箋表示処理に用いられる付箋データを記憶する。付箋データには、付箋の付与対象とする辞書の辞書名、付箋が付与された見出し語、付箋の色(種類)、付箋が付された見出し語に対応する説明情報中のマーカ位置(範囲指定位置)、通信機器4と連携して辞書機能が使用された際のリンク先書籍名、辞書機能により検索対象とした文字列等を示すリンク先書籍中の対応位置(マーカ位置、ページ/行/桁)などを示すデータが含まれる。
書籍膨らみ画像データエリア29Eは、付箋が付与された枚数が多いほど、書籍が膨らんだ状態を表示するための書籍画像データを記憶するエリアである。書籍画像データは、例えば連携して処理を実行する電子辞書2から受信されたデータを含む。
辞書膨らみ画像データエリア29Fは、付箋が付与された枚数が多いほど、辞書が膨らんだ状態を表示するための辞書画像データを記憶するエリアである。辞書画像データは、例えば連携して処理を実行する電子辞書2から受信されたデータを含む。
表示部23は、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となったタッチパネル構造を有している。例えば、表示部23は、バックライト付きカラー液晶表示画面に透明タッチパネルを重ねて構成される。表示部13の表示画面には、例えば教科書等の書籍のテキストや画像等を表示する領域が設けられる。また、通信機器4が電子辞書2と連携する処理を実行する場合、表示部23は、電子辞書2で使用される辞書データに対応する辞書画像を表示する。
無線通信部24は、外部機器との無線通信を制御する。無線通信部24は、CPU21により実行される処理に応じて、インターネットを含むネットワーク8を通じて、辞書サーバ6などの外部機器との通信を制御する。
近距離無線通信部26は、電子辞書2などの外部機器との近距離無線通信を制御する。近距離無線通信部26は、例えばBluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を制御する。
次に、本実施形態における電子辞書2(辞書端末)及び通信機器4(電子教科書)の動作について説明する。
図5、図6、図7、図8及び図9は、本実施形態における電子辞書2の情報表示制御プログラム19Aによる情報表示制御処理の動作を説明するためのフローチャート、図10は、本実施形態における通信機器4の辞書端末連携処理の動作を説明するためのフローチャートである。図11、図12、図13は、本実施形態における電子辞書2の表示例を示す図である。
電子辞書2のCPU11は、キー入力部15から辞書キーが操作されたことが通知されると(ステップA1、Yes)、辞書キーにより指定された辞書を検索機能による処理対象として設定する(ステップA2)。
CPU11は、指定された辞書についての検索用画面を表示するため、付箋付き辞書画像作成処理を実行する(ステップA3)。付箋付き辞書画像作成処理は、検索対象とする辞書に対して付箋機能により付与された付箋の枚数(付箋が付与された見出し語の登録数)に応じた辞書画像を作成するための処理である。なお、付箋付き辞書画像作成処理の詳細については後述する(図7参照)。
図11(D)は、付箋付き辞書画像作成処理により作成された辞書画像の一例を示す図である。付箋機能により付箋が付されていない辞書の場合、図11(D)に示すように、付箋が付与された枚数が0枚に対応する、膨らみがない初期状態の辞書画像が作成される。
CPU21は、付箋付き辞書画像作成処理で作成された辞書画像を含む検索用画面を表示し、この画面においてユーザ操作により入力された検索文字(検索語)に対応する見出し語を辞書データベースから取得する(ステップA4,A5,A6)。そして、CPU21は、辞書データベースから取得した見出し語を含む、見出し語一覧を表示部13において表示させる。CPU21は、見出し語一覧に表示する見出し語に付箋が付されている場合、付箋データエリア19Cを参照して、該当する見出し語に色つきの付箋マークを付けて表示する。また、CPU21は、見出し語一覧の先頭の見出し語を指定状態にして表示すると共に、指定状態の見出し語に対応する説明情報を表示する。なお、ステップA3,A4において検索用画面を表示する処理の詳細については後述する(図12(A)参照)。
図11(A)は、例えば辞書「初級ク英和」が指定され、検索語として「sm」が入力された場合の検索用画面の一例を示す図である。図11(A)では、画面左側に見出し語一覧が表示され、見出し語「small」「smog」に付箋が付されている。また、画面右側には、先頭の見出し語「small」の説明情報が表示されている。
検索用画面の左端には、図11(A)に示すように、複数の機能ボタンが設けられている。機能ボタンには、付箋機能の実行を指示することができる付箋ボタン40が設けられている。
ここで、図11(B)に示すように、付箋ボタン40が例えばペン30によりタッチされると(ステップA8、Yes)、CPU11は、付箋機能(付箋モード)を起動して、複数の異なる色の付箋(付箋一覧)を示す付箋メニュー41を表示する(ステップA11)。なお、再度、付箋ボタン40がタッチされた場合、CPU11は、付箋機能を終了する(付箋モードの解除)。
見出し語一覧から何れかの見出し語が指定されると、CPU11は、指定された見出し語を付箋の付与対象として、他の見出し語と識別可能となるような表示形態により指定表示する(ステップA13)。一方、付箋機能(付箋モード)が起動された後、付箋機能とは関係無い他の操作がされた場合(ステップA15、Yes)、CPU11は、付箋機能(付箋モード)を終了して、操作に応じた処理を実行する。
見出し語が指定表示された状態において、付箋メニュー41から何れかの色の付箋が指定されると(ステップA14、Yes)、CPU11は、指定表示された見出し語(指定見出し語)に、付箋メニュー41において指定された色の付箋を表す画像(付箋マーク)を付けて表示する。また、CPU11は、見出し語への付箋マークの付与に応じて、付箋データ(見出し語、付箋の色など)を付箋データエリア19Cに記録する(ステップA16)。すなわち、CPU11は、付箋機能により付箋が付与された見出し語を登録する。
例えば、図11(B)に示す状態において、上下カーソルキーが操作されると、図11(C)に示すように、見出し語一覧における指定見出し語42が変更される。図11(C)では、下カーソルキーが5回操作されることで、指定見出し語42が「small」から「smile」に変更されている。ここで、付箋メニュー41から何れかの付箋が指定されると、CPU11は、この指定された付箋に対応する付箋マークを見出し語「smile」に付与する。
ここで、訳/決定キーが操作されると(ステップA17、Yes)、CPU11は、指定見出し語の説明情報を、画面右側の領域に表示する(ステップA18)。
さらに、説明情報において何れかの文字列が指定されると(ステップA19、Yes)、CPU11は、指定見出し語の付箋データに、説明情報から指定された文字列(指定文字列)のデータを対応づけて追加記録する。また、CPU11は、説明情報中の指定文字列を、指定見出し語に付された付箋マークと同じ色によりマーカ表示(文字の背景色を変更)する。なお、付箋データに追加する文字列(指定文字列)のデータは、文字列のテキストデータでも良いし、例えば説明情報における文字列位置(開始位置、終了位置)を示すデータでも良い。
なお、付箋機能(付箋モード)が実行されている間、訳/決定キーの操作(ステップA17)、及び説明情報における文字列の指定の操作(ステップA19)以外の、付箋機能とは関係無い他の操作がされた場合(ステップA15、Yes)、CPU11は、付箋機能(付箋モード)を終了して、操作に応じた処理を実行する。
こうして、本実施形態における電子辞書2は、付箋機能を利用することで、見出し語に対して任意の色(種類)の付箋を付与することができる。また、電子辞書2は、付箋を付与した見出し語に対応する説明情報について、任意に指定された文字列の範囲を付箋と同じ色によってマーカ表示することができる。
例えば、電子辞書2の利用者は、教科書に表れた単語などについて、電子辞書2の辞書機能を利用して調べた際に、学習済みの単語として見出し語に付箋を付与することができる。このため、学習済みの単語(見出し語)のそれぞれについて付箋を付与していくことで、付箋を付与した枚数が学習量を表すようになる。本実施形態では、電子辞書に付箋を付与した枚数に応じて変化する付箋付き辞書画像を表示することで、どれだけ多くの見出し語について辞書引きによる学習をしたかを、直感的に利用者に認識させることができるようになる。このため、電子辞書2を利用した学習についての意欲を向上させることを期待できる。
次に、本実施形態における付箋付き辞書画像作成処理について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。図12(A)は、前述したように、付箋機能により付箋が付与された辞書が辞書キーにより指定された場合の検索用画面の一例を示す図である。例えば、辞書「初級ク英和」が指定された場合、CPU11は、付箋付き辞書画像作成処理により辞書「初級ク英和」についての辞書画像を作成する。
まず、CPU11は、処理対象の辞書の付箋データを付箋データエリア19Cあるいはネットワーク8を介して辞書サーバ6から読み出す(ステップB1)。ここで、CPU11は、他の通信機器4との間で連携する処理を実行しているか(連携して処理する書籍(教科書等)があるか)を判別する。
連携中であれば(ステップB2、Yes)、CPU11は、処理中の辞書についての全ての付箋データから、連携中の書籍とリンクした付箋データのみに絞り込む(ステップB3)。すなわち、CPU11は、通信機器4と連携中の場合には、電子辞書2において付箋が付された全ての見出し語のうち、通信機器4が表示している書籍で用いられている単語に該当する見出し語のみを対象とする。なお、通信機器4と連携する処理の詳細については後述する。
一方、連携中でない場合には(ステップB2、No)、CPU11は、処理中の辞書についての全ての付箋データ(付箋が付された全ての見出し語)を対象とする。
CPU11は、見出し語に付与された付箋の枚数(付箋枚数)をカウントし、対象とする辞書と付箋枚数に応じた辞書画像データ(辞書膨らみ画像)を辞書膨らみ画像データエリア19Dから取得する(ステップB4)。なお、本実施形態では、辞書膨らみ画像データエリア19Dには、付箋が付与された枚数に応じた辞書画像データが記憶されているとしているが、基本の辞書画像データ(0枚に対応する辞書画像データ)のみが記憶されるとしても良い。この場合、CPU11は、基本の辞書画像データをもとに、付箋枚数に応じた膨らみのある辞書画像(辞書膨らみ画像)を生成する。
次に、CPU11は、対象とする付箋データに含まれる各付箋を辞書画像に付与する処理をする。まず、CPU11は、付箋データ中の先頭の付箋を指定し(ステップB5)、この付箋が付された見出し語の説明情報にマーカが設定されているかを判別する(ステップB6)。すなわち、CPU11は、付箋データに説明情報中のマーカ位置を示すデータが設定されているかを判別する。
ここで、説明情報にマーカが設定されていない場合(ステップB6、No)、CPU11は、対象とする辞書全体の見出し語における、付箋が付された見出し語のデータ位置に応じて、辞書画像の紙の厚さ方向の付箋貼り付け位置を設定する。CPU11は、辞書膨らみ画像の上小口(左右方向のページ幅)の付箋貼り付け位置に、付箋データが示す付箋の色に応じた付箋画像を付加する(ステップB7)。なお、付箋画像を付加する左右位置は、各付箋毎に上小口の範囲でランダムに決定しても良いし、見出し語の並びが近い一連の見出し語毎に上小口の範囲でランダムに決定しても良い。
一方、説明情報にマーカが設定されている場合(ステップB6、Yes)、CPU11は、対象とする辞書全体の見出し語における、付箋が付された見出し語のデータ位置に応じて、辞書画像の紙の厚さ方向の付箋貼り付け位置に設定する。また、CPU11は、説明情報中のマーカ位置(説明情報全体におけるマーカ位置の割合)に応じて、辞書画像の紙の高さ(上下)方向の付箋貼り付け位置を設定する。CPU11は、辞書膨らみ画像の横小口(縦方向のページ幅)の付箋貼り付け位置(厚さ方向、上下方向)に、付箋データが示す付箋の色に応じた付箋画像を付加する(ステップB10)。
一般に、見出し語に対応する説明情報は、重要(一般的)な内容が上位に記載されているため、説明情報全体におけるマーカ位置に対応して、横小口に付箋画像を付加することで、付箋位置に応じて重要度を判別することができる。例えば、横小口の上に付箋が付加されている場合には、重要な情報についてマーカが設定されていることが簡単に認識できる。
また、CPU11は、説明情報中のマーカ設定の有無に関係無く、付箋量表示を生成する。付箋量表示は、付箋の色(種類)毎の見出し語に付与された付箋枚数(総数)を明示するための画像である。付箋量表示では、例えば、付箋枚数が多い程、厚みが増し、長さが長くなる付箋画像が、付与された付箋の色毎に作成される(図12(A)に示す付箋量表示46を参照)。
CPU11は、付箋データに次の付箋のデータがある場合(ステップB8、Yes)、次の付箋を指定し(ステップB9)、前述と同様に処理を繰り返す(ステップB6〜B8)。全ての付箋を辞書膨らみ画像に付与すると、CPU11は、付箋付き辞書画像作成処理を終了する。
CPU11は、前述した付箋付き辞書画像作成処理により作成された付箋付き辞書画像を用いて検索用画像を表示する(ステップA4)。
図12(A)に示す検索用画面では、CPU11は、付箋付き辞書画像作成処理により作成された付箋付き辞書画像を下側に表示し、上側に検索文字入力用画面を表示している。図12(A)に示す付箋付き辞書画像44は、上小口に付箋画像46が付加され、横小口に付箋画像が付加されていない。すなわち、付箋付き辞書画像44を参照することで、説明情報にマーカ設定されていないことが識別することができる。また、付箋画像に付加された付箋画像の枚数(付箋量)及び辞書画像の膨らみ具合を参照することで、処理対象とする辞書において見出し語に付箋を付与した付箋枚数、すなわち辞書を利用した学習量を認識することができる。
また、CPU11は、検索用画面に、付箋量表示46が表示している。図12(A)に示す付箋量表示46では、2色(種類)の付箋を示す付箋画像47a,48abが表示され、それぞれに対応する付箋枚数47b,48bが表示されている。付箋画像47a,48abは、付箋枚数47b,48bが多いほど、厚く、長い形状により表示されている。これにより、付箋量表示46を参照することで、各色の付箋が何枚付加されているかを直感的かつ具体的に把握することができる。
なお、図12(A)に示す付箋量表示46は、処理対象とする辞書に2色(種類)の付箋が付加されているため、2つの付箋画像47a,48abが表示されている例を示している。付箋量表示46は、辞書に付与された付箋の色(種類)のそれぞれに対応する付箋画像と付箋枚数が表示される。
次に、メニューキーが操作された場合について説明する。CPU11は、キー入力部15からメニューキーが操作されたことが通知されると(ステップA21、Yes)、メニュー画面を表示するための処理を実行する。なお、辞書キーあるいはメニューキーを操作する以外の他の操作がされた場合(ステップA22、Yes)、CPU11は、その操作に応じた他の処理を実行するものとして詳細な説明を省略する。
CPU11は、メニュー画面に表示する最初の辞書を処理対象として設定する(ステップA23)。CPU11は、処理対象として設定した辞書について、メニュー画面に辞書画像(アイコン)を表示するため、前述と同様にして(図7に示すフローチャート)付箋付き辞書画像作成処理を実行する(ステップA24)。
CPU11は、付箋付き辞書画像作成処理により作成した辞書画像(アイコン)をメニュー画面に追加表示する(ステップA25)。
メニュー画面に表示する次の辞書がある場合(ステップA26、Yes)、CPU11は、次の辞書を処理対象に設定し(ステップA27)、前述と同様にして、処理対象として設定した辞書について付箋付き辞書画像作成処理を実行し(ステップA24)、辞書画像(アイコン)をメニュー画面に追加表示する(ステップA25)。
メニュー画面に表示する全ての辞書について辞書画像を表示すると(ステップA26、No)、CPU11は、通信機器4との間で連携して処理する書籍(教科書等)を検出するための連携書籍検出処理を実行する(ステップA28)。
図8は、本実施形態における連携書籍検出処理を示すフローチャートである。
まず、CPU11は、近距離無線通信部16による近接無線通信により連携(通信)可能な通信機器4を検知する(ステップC1)。
連携可能な通信機器4が検知されない場合(ステップC2、No)、CPU11は、連携書籍検出処理を終了する。一方、連携可能な通信機器4が検知された場合(ステップC2、Yes)、CPU11は、通信機器4に対して、表示中(連携対象)の書籍を問い合わせるためのデータを送信する(ステップC3)。
CPU11は、通信機器4から表示中(連携対象)の書籍を示すデータ、例えば書籍名を受信すると(ステップC4、Yes)、連携対象の書籍として書籍名を登録して、連携書籍検出処理を終了する(ステップC5)。一方、CPU11は、通信機器4から表示中(連携対象)の書籍を示すデータを受信しない場合には、連携する書籍がないものと判別して連携書籍検出処理を終了する。
例えば、通信機器4において書籍(教科書等)が電子書籍アプリ29Aによって表示される場合には、この表示中の書籍が連携対象として電子辞書2に登録される。なお、通信機器4において表示部23に表示されていなくても、書籍を表示する電子書籍アプリ29Aが起動中であれば良い。
連携書籍検出処理により連携対象の書籍が検出されなかった場合(ステップA29、No)、CPU11は、書籍に対応するアイコンを含まない、辞書に対応する辞書画像(アイコン)のみによるメニュー画面を表示部13に表示させる。メニュー画面に表示されたいずれかの辞書画像が、例えばペン30を用いてタッチする操作がされた場合(ステップA30、Yes)、CPU11は、指定された辞書画像(アイコン)に対応する辞書を使用するための検索用画面を表示し、前述したように検索機能を実行する(ステップA2〜A20)。
一方、連携書籍検出処理により連携対象の書籍が検出された場合(ステップA29、Yes)、CPU11は、連携対象の書籍を処理対象に設定する(ステップA31)。そして、CPU11は、設定された書籍についての書籍画像(アイコン)をメニュー画面に追加表示するために、付箋付き書籍画像作成処理を実行する(ステップA32)。
図9は、本実施形態における付箋付き書籍画像作成処理を示すフローチャートである。
まず、CPU11は、処理対象の書籍がリンク先書籍名として設定された付箋データを付箋データエリア19Cあるいはネットワーク8を介して辞書サーバ6から読み出す(ステップD1)。CPU11は、他の通信機器4において処理対象としている書籍が何れの辞書と連携中であるかを判別する。
辞書と連携中でない場合には(ステップD2、No)、CPU11は、基本の書籍画像を生成する(枚数が0枚に対応する書籍画像データをもとにした書籍画像と同じ)(ステップD11)。
一方、辞書と連携中であれば(ステップD2、Yes)、CPU11は、処理対象の書籍がリンク先書籍名として設定された全ての付箋データから、連携中の辞書とリンクした付箋データのみに絞り込む(ステップD3)。すなわち、CPU11は、通信機器4において表示されている書籍と連携中の辞書において付箋が付された全ての見出し語のうち、通信機器4が表示している書籍で用いられている単語に該当する見出し語のみを対象とする。
CPU11は、対象とする付箋の枚数(付箋枚数)をカウントし、対象とする書籍と付箋枚数に応じた書籍画像データ(書籍膨らみ画像)を書籍膨らみ画像データエリア19Eから取得する(ステップD4)。なお、本実施形態では、書籍膨らみ画像データエリア19Eには、付箋が付与された枚数に応じた書籍画像データが記憶されているとしているが、基本の書籍画像データ(0枚に対応する書籍画像データ)のみが記憶されるとしても良い。この場合、CPU11は、基本の書籍画像データをもとに、付箋枚数に応じた膨らみのある書籍画像(書籍膨らみ画像)を生成する。
次に、CPU11は、付箋データに含まれる各付箋を書籍画像に付与する処理をする。まず、CPU11は、対象とする付箋データ中の先頭の付箋を指定し(ステップD5)、この付箋が付された見出し語に対応する文字列について、書籍中においてマーカが設定されているかを判別する(ステップB6)。すなわち、CPU11は、付箋データにリンク先書籍名が示す書籍中の辞書機能により検索対象とした文字列等を示す対応位置(マーカ位置)を示すデータが設定されているかを判別する。
ここで、書籍中にマーカが設定されていない場合(ステップD6、No)、CPU11は、新出単語リストデータエリア19Hの単語リストを参照し、対象とする書籍中における、付箋が付された見出し語に対応する文字列が最初に表れる位置(新出位置)に応じて、書籍画像の紙の厚さ方向の付箋貼り付け位置を設定する。CPU11は、書籍膨らみ画像の上小口の付箋貼り付け位置に、付箋データが示す付箋の色に応じた付箋画像を付加する(ステップD7)。これにより、書籍画像の付箋画像が付加された位置をもとに、書籍中の見出し語に対応する文字列の位置を把握することができる。なお、付箋画像を付加する左右位置は、付箋毎に上小口の範囲でランダムに決定しても良いし、見出し語の並びが近い一連の見出し語毎に上小口の範囲でランダムに決定しても良い。
一方、書籍中にマーカが設定されている場合(ステップD6、Yes)、CPU11は、対象とする書籍中における指定位置(マーカ位置)に応じて、書籍画像の紙の厚さ方向の付箋貼り付け位置に設定する。また、CPU11は、書籍のページ中におけるマーカ位置(ページ全体におけるマーカ位置の割合)に応じて、書籍画像の紙の高さ(上下)方向の付箋貼り付け位置を設定する。CPU11は、書籍膨らみ画像の横小口の付箋貼り付け位置(厚さ方向、上下方向)に、付箋データが示す付箋の色に応じた付箋画像を付加する(ステップD10)。
CPU11は、付箋データに次の付箋のデータが含まれている場合(ステップD8、Yes)、次の付箋を指定し(ステップD9)、前述と同様に処理を繰り返す(ステップD6〜D8)。全ての対象とする付箋を書籍膨らみ画像に付与すると、CPU11は、付箋付き書籍画像作成処理を終了する。
図12(B)は、書籍画像56が追加表示されたメニュー画面の一例を示す図である。図12(B)では、3種類の辞書「ニュー英和」「初級ク英和」「ロン英英」にそれぞれ対応する辞書画像(アイコン)50,52,54が表示されている。辞書画像(アイコン)50,52,54は、ペン30あるいはカーソルキーの操作によりアイコン選択カーソル57を移動させ選択することで、何れかを処理対象として指定することができる。メニュー画面を表示する初期状態では、前回使用された辞書の辞書画像(アイコン)の位置にアイコン選択カーソル57が表示される。辞書画像(アイコン)52は、付箋機能により付箋が付されているため、上小口に複数の付箋画像53が付加されている。
また、図12(B)では、通信機器4において連携可能な書籍「NC英語中1」(教科書)が検出され、この書籍に対応する書籍画像(アイコン)56が表示されている。なお、連携書籍検索処理において、複数の書籍が検出された場合には、複数の書籍画像(アイコン)が表示される。
なお、書籍画像(アイコン)56には、書籍「NC英語中1」においてマーカが設定され、例えば辞書「初級ク英和」と連携中である場合には、辞書「初級ク英和」の付箋データに応じて付箋画像が付加される。
メニュー画面において何れかの辞書画像(アイコン)が指定された場合(ステップA30、Yes)、CPU11は、指定された辞書画像(アイコン)に対応する辞書を使用するための検索用画面を表示し、前述したように検索機能を実行する(ステップA2〜A20)。
一方、メニュー画面において、辞書と書籍とを連携させるための連携操作がされた場合(ステップA33、Yes)、CPU11は、連携操作により指定された辞書と、連携対象の書籍の書籍名とを連携対象に設定する(ステップA39)。連携操作は、例えば、図12(C)に示すように、辞書画像(アイコン)52をペン30aによりタッチし、書籍画像(アイコン)56までドラッグする操作とする。
CPU11は、メニュー画面において連携操作がされると、指定された辞書「初級ク英和」の付箋が付された見出し語のうち、連携する書籍「NC英語中1」に存在する単語を順に検知し、それぞれの単語に対応する付箋画像53が、辞書画像(アイコン)52から書籍画像(アイコン)56に移動して付箋画像59として貼り付くアニメーションを表示する(ステップA35)。
また、CPU11は、付箋付き書籍画像作成処理と付箋付き辞書画像作成処理により、付箋が移動した後の書籍画像と辞書画像をそれぞれ作成して、メニュー画面中の書籍画像と辞書画像を更新する(ステップA36,A37)。こうして、電子辞書2と通信機器4とが連携する処理を実行する場合に書籍画像と辞書画像を更新することにより、これまでの連携した処理による電子辞書2の利用状況(学習の実行状況)を容易に認識することができる。すなわち、多くの付箋画像が付加された書籍画像が表示されれば、達成感により学習の励みとなり、学習意欲の向上につなげることができる。
また、CPU11は、通信機器4と連携した処理をするために、付箋付き辞書画像作成処理により作成された付箋付き辞書画像データと、連携された書籍とリンクされた付箋データとを含む連携データを通信機器4に送信する(ステップA45)。
ここで、図12(C)に示すように、ペン30cにより連携された辞書画像(アイコン)52がタッチ(選択)された場合(ステップA46、Yes)、CPU11は、辞書画像(アイコン)52に対応する辞書「初級ク英和」の書籍「NC英語中1」とリンクされた付箋データに応じて、付箋が付された見出し語一覧を表示する(ステップA7)。
図13(A)は、辞書「初級ク英和」と書籍「NC英語中1」とが連携された状態での見出し語一覧の表示例を示している。この見出し語一覧には、教科書順配列ボタン60が設けられている。教科書順配列ボタン60は、書籍(ここでは教科書)毎の出現順に応じて、見出し語の配列(順番)を変更するためのボタンである。
図13(B)に示すように、教科書順配列ボタン60がペン30によりタッチされた場合(ステップA9、Yes)、CPU11は、見出し語の配列変更の対象とすることができる教科書(書籍)の名前を、書籍メニュー64により一覧表示する。例えば、図13(B)では、2種類の教科書の名前が書籍メニュー64において一覧表示されている。初期状態では、現在の一覧表示の対象としている教科書の名前が選択された状態で表示される。
ここで、例えば、図13(C)に示すように、ペン30によるタッチにより、書籍メニュー64において他の教科書が選択された場合、CPU11は、指定された教科書に対応する新出単語リストを参照して、新出単語リストが示す順番に応じて、見出し語の順番を変更する(ステップA10)。
例えば、図13(B)では、教科書「NEW CR」では、見出し語「smile」は、4つの見出し語の中では3番目の新出単語であるが、図13(C)に示すように、教科書「NEW HO」では、見出し語「smile」は、最初の新出単語であることを示している。また、見出し語「smog」は、教科書「NEW HO」では使用されていないため、見出し語一覧から削除されている。
こうして、付箋を付した複数の見出し語について、教科書毎の新出単語の順番で一覧表示させることにより、教科書を学習する際に、説明情報を確認する必要がある見出し語の順番に配列されるので使いやすくすることができる。
次に、電子辞書2(辞書)と通信機器4(書籍)とが連携して処理する場合の動作について説明する。
電子辞書2の連携時の処理は、図6(ステップA38〜A44)に示し、通信機器4の連携時の処理は、図10に示すフローチャートに示す。
通信機器4は、辞書端末連携処理アプリ29Bの処理により、近距離無線通信部26による近距離無線通信により通信可能な電子辞書2を探索する(ステップE1)。なお、図2に示す通信機器4Aにより辞書端末が実現されている場合には、アプリ間通信が可能な
通信機器4のCPU21は、連携可能な電子辞書2が検出された場合、あるいは電子辞書2から表示中(連携対象)の書籍を問い合わせるためのデータを受信した場合(ステップE2、Yes)、電子書籍アプリ29Aにより書籍を表示中であるかを判別する。
ここで、電子辞書2の辞書と連携可能な書籍を表示中である場合(ステップE3、Yes)、CPU21は、表示中の書籍の書籍名を、連携可能な書籍として電子辞書2に送信する(ステップE4)。
CPU21は、電子辞書2から連携データを受信すると(ステップE5、Yes)、電子辞書2から受信した連携データをメモリ29(付箋データエリア29D、辞書膨らみ画像データエリア29F)に記録する。連携データは、付箋付き辞書画像作成処理により作成された付箋付き辞書画像データと、連携された書籍とリンクされた付箋データとを含む。
なお、前述した説明では、通信機器4は、電子辞書2から連携データを受信しているとしているが、辞書サーバ6を介して受信しても良い。すなわち、電子辞書2は、連携データを辞書サーバ6に送信して登録させると共に、通信機器4に対して連携データを登録したことを通知する。通信機器4は、電子辞書2からの通知に応じて、辞書サーバ6から連携データをダウンロードして記録する。
通信機器4のCPU21は、連携データを受信すると(ステップE7、Yes)、連携データの付箋付き辞書画像データをもとに付箋付き辞書画像を表示部23において表示させる(ステップE8)。また、CPU21は、書籍中の指定されたページ(現在の表示ページ)のデータをもとに、表示部23の書籍表示領域62に書籍の内容を表示する。
また、CPU21は、表示ページに存在している単語(見出し語)に対応する付箋データがあるかを判別する。該当する付箋データがある場合(ステップE11、Yes)、CPU21は、書籍表示領域62の上側(書籍の上小口に相当する部分)に、該当する付箋データのそれぞれに対応する付箋画像を表示する(ステップE12)。
図14(A)は、通信機器4における書籍の表示例を示す図である。図14(A)では、書籍表示領域62に書籍の内容が表示されると共に、連携データに応じた付箋付き辞書画像65が表示されている。こうして、付箋付き辞書画像65を表示することにより、通信機器4の画面中において、書籍表示領域62に表示中の書籍と関連して、電子辞書2において登録された付箋(付箋が付与された見出し語の量)の状況を示すことができる。
また、書籍表示領域62に表示されたテキスト中には、例えば「right」「smile」の単語が存在している。ここで、見出し語「right」「smile」の付箋データがある場合、図14(A)に示すように、書籍表示領域62の上部に各付箋データに対応する付箋画像63,64が表示される。付箋画像63,64には、見出し語の文字列が表示される。
これにより、書籍のページを表示させる毎に、電子辞書2において登録した付箋に該当する単語がページ中にあれば、付箋画像63,64をもとに容易に認識することができる。例えば、付箋を付与した見出し語(単語)について意識的に確認するなどして、学習効果を向上させることができる。
ここで、付箋画像63,64を指定(タップ)する操作がある場合(ステップE13、Yes)、CPU21は、指定された付箋画像に対応する見出し語(単語)のページ中の位置を検知し、この単語の位置を該当する付箋の色によりマーカ表示すると共に、単語の表示行に位置に合わせて付箋画像の位置を移動させる(ステップE14)。また、CPU21は、指定された付箋画像に対応する付箋を示すデータ(例えば、見出し語)と、マーカ表示した単語の位置(あるいは付箋画像の位置)を電子辞書2に送信する(ステップE15)。
例えば、図14(A)において、見出し語「smile」に対応する付箋画像64がペン30によりタップされた場合、CPU21は、単語「smile」をマーカ表示すると共に、見出し語「smile」に対応する上小口に表示されていた付箋画像64を削除して、単語「smile」の行位置に対応する横小口に付箋画像67を表示する。また、CPU21は、ページ中の付箋画像64に対応する単語「smile」の位置(マーカ位置)を示すデータを該当する付箋データに追加する(リンク付けする)。
なお、前述した説明では、付箋画像がペン30によりタップされることで付箋画像の表示位置を変更しているが、他の操作によって単語を指定することも可能である。例えば、図15(A)に示すように、付箋画像63をペン30dによりタッチした後、この付箋画像63に対応する単語「right」の位置にペン30eをドラッグさせるようにしても良い。この場合、前述と同様にして、CPU21は、単語「right」をマーカ表示すると共に、見出し語「right」に対応する上小口に表示されていた付箋画像63を削除して、単語「right」の行位置に対応する横小口に付箋画像68を表示する。
こうして、付箋が付与された見出し語(単語)について、付箋画像63,64を用いてページ内において確認することができる。確認された単語については、付箋画像位置が横小口に移動されるため、横小口に表示される付箋画像をもとに確認済み(学習済み)の単語の量を視覚的に確認することができる。
一方、電子辞書2は、通信機器4から付箋(見出し語)の指定が送信されると(ステップA38、Yes)、見出し語一覧において、指定された付箋(見出し語)の説明情報を表示する(ステップA39)。
例えば、図14(A)に示すように、見出し語「smile」の付箋画像64が指定された場合、通信機器4から電子辞書2に対して、見出し語「smile」が指定されたことが通知される。電子辞書2は、通信機器4から通知された見出し語に応じて、図14(B)に示すように、見出し語「smile」を指定状態にすると共に、見出し語「smile」の説明情報を表示する。
また、CPU11は、通信機器4から送信された、マーカ表示した単語の位置(あるいは付箋画像の位置)をもとに、図14(B)に示すように、付箋位置が変更された付箋付き書籍画像70を表示する。CPU11は、図14(A)に示すように、通信機器4において付箋画像64が付箋画像67の位置に移動されるのと連動して、付箋付き書籍画像70の上小口に表示された付箋71を1つ削除し、付箋画像67の位置に対応する横小口に付箋72を追加表示する。
また、図15(A)に示すように、見出し語「right」の付箋画像63が指定された場合、電子辞書2のCPU11は、図15(B)に示すように、見出し語「right」を指定状態にすると共に、見出し語「right」の説明情報を表示する。また、CPU11は、付箋付き書籍画像70に、見出し語「right」に対応する付箋画像73を横小口に追加表示する。こうして、付箋画像73を横小口に追加表示することで、書籍と連携して辞書引きしたことを、直感的に認識することが可能となる。
CPU11は、通信機器4からマーカ表示した単語の位置を受信すると(ステップA40、Yes)、付箋データエリア19Cあるいは辞書サーバ6に記録された指定見出し語の付箋データに、書籍中の位置情報(マーカ位置)を対応づけて記録する(ステップA41)。
CPU11は、図14(B)、図15(B)に示す見出し語一覧において何れかの見出し語が選択された場合、説明情報表示画面に切り替えて、選択された見出し語の説明情報を画面全体に表示させる。例えば、図15(C)は、図15(B)に示す見出し語「right」が選択された場合の説明情報表示画面の一例を示している。
ここで、説明情報中の文字列(単語)がペン30を用いて指定(タッチ)された場合(ステップA42、Yes)、CPU11は、付箋データエリア19Cあるいは辞書サーバ6に記録された指定された見出し語「right」の付箋データに、指定文字列(位置情報)を対応づけて登録する。また、説明情報中で指定された文字列に、見出し語「right」に付された付箋の色によりマーカ表示する(ステップA43)。
例えば、図15(C)は、見出し語「right」の説明情報において、文字列「右側の」がペン30の操作によって指定された例を示している。文字列「右側の」は、見出し語「right」の付箋データが示す付箋の色によりマーカ表示されると共に、文字位置(マーカ位置)が付箋データに追加される。
こうして、説明情報にマーカが設定されることにより、前述した付箋付き辞書画像作成処理では、説明情報における文字列「右側の」位置(説明情報全体におけるマーカ位置の割合)に応じて、付箋付き辞書画像の横小口に付箋画像を付加する。例えば、説明情報の先頭から40%程度の位置に文字列「右側の」がある場合、図15(D)に示すように、付箋付き辞書画像74の横小口全体の上から40%の位置に、見出し語「right」に対応する付箋画像76が付加される。
電子辞書2と通信機器4との連携する処理が終了された場合には、図15(D)に示す付箋付き辞書画像は、図15(E)に示すように、書籍と関係無く電子辞書2において登録された全ての付箋に対応する付箋画像75が付加された付箋付き辞書画像に変更される。図15(E)に示す辞書画像は、付加された付箋の量が図15(D)に示す辞書画像よりも多いため、より膨らんだ形状により表示される。説明情報において指定された文字列に対応する付箋画像76は、図15(D)と同様にして、横小口に付加された状態のままとなる。
なお、通信機器4では、表示中の書籍中から文字列を指定することで、連携する電子辞書2の辞書機能を利用することができる。CPU21は、表示中の書籍から文字列が指定されると(ステップE16)、指定された文字列(単語)をマーカ表示する(ステップE17)。また、CPU21は、指定された文字列(単語)と書籍中の位置を示すデータを電子辞書2に送信する(ステップE18)。
電子辞書2は、通信機器4から受信した文字列(単語)をもとに辞書検索を実行して、見出し語一覧画面を表示させる。見出し語一覧画面では、図11(B)に示すように、通信機器4において指定した文字列についての説明情報を表示させることができると共に、付箋機能を起動して、通信機器4において指定した文字列に対応する見出し語に対して簡単に付箋を付与することができる。見出し語に対して付与された付箋の付箋データには、書籍中の指定された文字列の位置を示すデータが記録される。
例えば、図15(A)に示す画面において、文字列「see」を指定することで、電子辞書2において文字列「see」に対応する見出し語「see」の説明情報を表示させることができ、さらに見出し語「see」に対して付箋を付すことができる。付箋データは、書籍とリンクされたデータとすることができる。
こうして、電子辞書2と通信機器4が連携した処理に伴って、付箋付き辞書画像及び付箋付き書籍画像を変更することで、書籍と連携した電子辞書2による辞書引きの状況を視覚的に簡単に認識できるようになる。従って、辞書引きした量が多くなっていく状況を知ることができ、電子辞書2を利用した学習意欲の向上を図ることができる。
なお、前述した説明では、付箋画像を辞書画像あるいは書籍画像に付加する場合に、付箋機能により登録された見出し語に対応する付箋画像を上小口に表示し、マーカ等を設定した場合に対応する見出し語に対応する付箋画像を横小口に表示しているが、付箋画像を付加する位置を上小口と横小口とで入れ替えても良い。また、書籍や辞書の種類(横書き、縦書き)に応じて切り替えられるようにしても良い。
また、前述した説明では、電子辞書2においてメニュー画面を表示する際に、付箋機能により付箋が付されている辞書の辞書画像に付箋を付加して表示しているが(図12(B)(C))、通信機器4において、書籍のメニュー画面を表示する際に同様にして書籍画像を表示しても良い。すなわち、通信機器4は、電子辞書2と連携する処理によって書籍に付箋が設定されている場合には、付箋が付された枚数(及び付箋が付与された位置)に応じて付箋画像が付加された書籍画像をメニュー画面に表示する。これにより、書籍毎に電子辞書2を利用した学習の状況を容易に認識することが可能となる。この場合、例えば、通信機器4は、電子辞書2によって実行される付箋付き書籍画像作成処理によって作成された書籍画像データを受信して表示すれば良い。
また、実施形態において記載した手法、すなわち図5〜図8のフローチャートに示す処理の手法、及び図9のフローチャートに示す処理の手法を、コンピュータに実行させることができるプログラムは、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、外部記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した各処理を実現することができる。
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワーク(インターネット)上を伝送させることができ、このネットワーク(インターネット)に接続されたコンピュータ(サーバ装置等)からプログラムデータを取り込み、前述した実施形態と同様の機能を実現することもできる。
なお、本願発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
書籍の情報を出力する通信機器と通信する通信手段と、
複数の見出し語を記憶している辞書データから何れかの見出し語を取得する見出し語取得手段と、
前記見出し語取得手段により取得された見出し語を登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された前記見出し語の数に応じた画像を、前記辞書データに対応する辞書画像に付加した第1辞書画像を表示する第1表示手段と、
前記通信手段を通じて前記通信機器が前記書籍の情報を出力する状態にあることが検出された場合に、前記書籍に含まれる単語に対応する、前記登録手段により登録された前記見出し語の数に応じた画像を、前記辞書画像に付加した第2辞書画像を表示する第2表示手段とを有する辞書端末。
[2]
前記登録手段は、付箋を設定する付箋機能により前記付箋が付与された前記見出し語を登録し、
前記第1表示手段及び前記第2表示手段は、前記登録手段により登録された前記見出し語に対応する付箋を表す付箋画像を、前記辞書画像に付加する[1]記載の辞書端末。
[3]
前記登録手段により登録された前記見出し語に対応する前記書籍中の単語の位置に応じて、前記書籍を表す書籍画像に前記付箋画像を付加した第1書籍画像を表示する第3表示手段をさらに有する[1]記載の辞書端末。
[4]
前記第3表示手段は、前記見出し語に対応する前記単語の前記書籍のページ中に含まれる位置に応じて、前記書籍を表す書籍画像に前記付箋画像を付加した第1書籍画像を表示する[3]記載の辞書端末。
[5]
前記登録手段により登録された前記見出し語に対応する前記説明情報に含まれる文字列を指定する指定手段をさらに有し、
前記第1表示手段及び前記第2表示手段は、前記指定手段により指定された文字列の前記説明情報全体における位置に応じて、前記付箋画像を前記辞書画像に付加する[2]記載の辞書端末。
[6]
前記通信手段を通じて前記通信機器が前記書籍の情報を出力する状態にあることが検出された場合に、前記第2辞書画像を前記通信機器に送信する[1]記載の辞書端末。
[7]
コンピュータを、
書籍の情報を出力する通信機器と通信する通信手段と、
複数の見出し語を記憶している辞書データから何れかの見出し語を取得する見出し語取得手段と、
前記見出し語取得手段により取得された見出し語を登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された前記見出し語の数に応じた画像を、前記辞書データに対応する辞書画像に付加した第1辞書画像を表示する第1表示手段と、
前記通信手段を通じて前記通信機器が前記書籍の情報を出力する状態にあることが検出された場合に、前記書籍に含まれる単語に対応する、前記登録手段により登録された前記見出し語の数に応じた画像を、前記辞書画像に付加した第2辞書画像を表示する第2表示手段として機能させるための情報表示制御プログラム。