以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の実施形態の内容に本発明の内容が限定されるものではないことは勿論である。
[1.システム全体]
本発明の電子書籍が表示可能な端末装置(電子書籍表示装置)が含まれるシステム1について、図1を用いて説明する。図1に示すように、電子書籍を閲覧表示可能な電子書籍表示装置10は、ネットワークNWを介して管理サーバ20と接続される。
電子書籍表示装置10は、利用者が利用する端末装置であり、例えばタブレット型で構成されている。このとき、電子書籍表示装置10は、電子書籍を閲覧可能な専用端末装置であっても良いし、例えばAndroid、iOS、Windows、Linux(登録商標)といった一般的なOSが動作するタブレット装置に、電子書籍が閲覧可能なアプリケーション(ビューアソフト)をインストールしたものであっても良い。
また、本明細書では、説明の都合上、電子書籍(電子書籍データ)が表示可能な電子書籍表示装置としては、電子書籍表示装置10として説明するが、電子書籍表示装置自体は複数接続可能なことは勿論である。例えば、コンピュータ15にアプリケーションをインストールしたり、WEBサービスにより電子書籍の表示機能が提供されてもよい。
管理サーバ20は、電子書籍を管理・提供するサーバである。電子書籍提供事業者が管理・運用しており、電子書籍表示装置10に対して電子書籍がコンテンツとして提供される。電子書籍提供事業者としては、出版社、取次会社、書店、ソフトウェア会社といった種々の事業者が考えられる。
ここで、本明細書でいう電子書籍、電子書籍データとは、電子書籍表示装置10で閲覧可能なコンテンツをいう。例えば、PDF(Portable Document Format)、HTML(Hyper Text Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)、SGML(Standard Generalized Markup Language)、EPUB、テキストファイル、ドキュメントファイルといったコンテンツデータである。
また、電子書籍表示装置10上で、電子書籍を表示させるときに、頁送りや、拡大縮小表示、検索機能、しおり機能が実現可能となる。また、リンク機能を利用して他のインターネット上のコンテンツを表示させたり、画像、音声、動画等を含めて表示させたりしても良い。このような複合的なコンテンツを電子書籍と言う。
また、管理サーバ20は、機能毎に異なるサーバ構成としても良い。例えば、電子書籍を記憶するサーバや、課金管理のサーバを異なることとしても良いし、電子書籍のデータを電子書籍定業事業者毎、例えば出版社毎に用意しても良い。
また、電子書籍表示装置10は、ネットワークに接続せずに、例えば装置自体に記憶された電子書籍が表示可能な装置であってもよい。予め記憶されている電子書籍や、USBメモリや、SDカード(登録商標)に記憶された電子書籍が表示可能な装置であっても良い。
[2.機能構成]
続いて、電子書籍表示装置10(図2)の機能構成について図を用いて説明する。
電子書籍表示装置10は、制御部100と、記憶部200と、通信部300と、表示部400と、操作入力部500とを備えて構成されている。
制御部100は、電子書籍表示装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部200に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成されている。
記憶部200は、電子書籍表示装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部200は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
ここで、記憶部200は、図3に示すように、電子書籍ファイル210と、利用者付加情報220とが記憶されており、プログラムとして、ライブラリ表示プログラム230と、電子書籍表示プログラム240とが記憶されている。
ここで、電子書籍ファイル210や、利用者付加情報220は、利用者毎に管理可能であって、複数記憶されていても良い。また、電子書籍ファイル210は、複数のファイルが記憶可能であり、利用者が閲覧可能な電子書籍に関するファイルが記憶されている。
電子書籍ファイル210は、出版社等の電子書籍(コンテンツ)提供者側が用意するファイルである。予め記憶されていても良いし、ネットワークNWを介して管理サーバ20から受信してもよい。
電子書籍ファイルのデータ構成の一例を図4に示す。図4に示すように、電子書籍ファイルは、書籍識別コードと、書籍情報と、書影データと、電子書籍データと、版元付加情報と、ページ番号対応情報とを含んで構成されている。
書籍識別コードは、電子書籍を識別するための識別情報である。書籍識別コードとしては、システムが一意のコードを改めて付しても良いし、予め一意で定められているコード(例えば、ISBNコード、雑誌コード)を利用しても良い。
ISBNコード、雑誌コードといった共通のコードを利用する場合には、異なるシステムであっても、データを共通化できるという利点がある。また、改めてコードを付与する必要が無いという利点が考えられる。
書籍情報は、電子書籍に関する情報が記憶されており、例えば書籍名、著者名、発行日、版刷、価格といった様々な情報が記憶されている。なお、これらの情報は、電子書籍データに含まず、ISBNコード等から他のデータベースを参照しても良い。
書影ファイルは、電子書籍を一覧表示する場合や、目次表示等の閲覧処理において必要に応じて電子書籍の書影を表示する場合に利用される画像ファイルである。本実施形態では、一例として「900162011.jpg」のような画像ファイル(JPGファイル)が記憶されている。なお、書影ファイルは、電子書籍ファイルに含めず、書籍ファイルよりその都度生成しても良い。
電子書籍データは、電子書籍として表示する場合に利用される電子書籍に関するデータが記憶されている。書籍ファイルは、本実施形態のようにPDF形式のファイルであっても良いし、GIF形式、ePUB形式、HTML形式といった汎用的なフォーマットを利用してもよい。
版元付加情報は、電子書籍ファイルの提供者である出版社等が付加する情報である。付加情報としては、ページ番号(P番号)と、当該ページの中の位置を示す位置情報と、当該付加情報に記憶されるリンク先とが記憶される。
ここで、ページ番号としては、後述するデータページ番号で記憶しても良いし、書籍ページ番号で記憶しても良い。また、位置情報としては、本実施形態においては当該ページの座標位置として記憶するが、文字位置(例えば行・列の位置)で記憶しても良い。
リンク先は、利用者が当該付加情報を選択したときの挙動を示すための情報である。例えば、図4のように「P.105−(200、10)」と位置が記憶されていれば、電子書籍データ内の異なる位置にジャンプ処理をすることが記憶されている。また、「120820gk231.jpg」のようにファイル名(データ名)が記憶されていれば、コンテンツ内のファイル(データ)が表示・再生されることとなる。
それ以外にも、例えば「http://」で始まるリンク先が記憶される事で、外部のWEBページが表示されたり、「xxx@xxx.ne.jp」とアドレスが記憶されることで、当該宛先にメールを送信するような挙動であっても良い。
ページ番号対応情報は、属性に対応して、電子書籍データにおける物理的なページ番号であるファイルページ番号と、電子書籍として表示・管理される論理的なページ番号である書籍ページ番号との対応を記憶している。
ここで、電子書籍には、紙媒体の書籍と同様に複数の領域毎に属性があり、複数のページ番号の概念が登場する。すなわち、電子書籍の場合、前から単純に連番となっていない場合がある。例えば、目次の箇所や索引の箇所は本文と異なるページ番号がふられることがある。また、付録等の別冊がある場合、電子書籍データ(例えば、PDFファイル)では、ページは連続しているが、異なるページ番号が割り当てられる。
これらの、目次や索引、本文といった領域を属性とし、属性(領域)毎にページ番号(頁表記)を対応させている。これにより、利用者は電子書籍データに表示されているページ番号で検索できたり、ジャンプしたりすることが可能となる。
また、書籍ページ番号は、書籍の場合割り当てられていないページがある。このような場合は非表示とする場合に書籍ページ番号を「なし」としても良い。
また、属性については必要なものを記憶しておけばよい。少なくとも本文について記憶されていれば良い。例えば、電子書籍によって、本機能を利用しない場合、本文にファイルページ番号と書籍ページ番号とが同一のものを割り当てればよい。
なお、本実施形態では電子書籍ファイル210とまとめて記憶しているが、別のファイルとして記憶しても良い。
利用者付加情報220は、利用者が、電子書籍に付加できる種々の付加情報を記憶するファイルである。この利用者付加情報220には、メモデータ情報220a、手描きデータ情報220b、マーカーデータ情報220c、カメラデータ情報220d及びしおりデータ情報220eが記憶されている。なお、利用者付加情報220は、本実施形態ではこの5種類について説明するが、この中のデータのうち、必要なものを組み合わせれば十分なことは勿論である。
メモデータ情報220aのデータ構成の一例を図5(a)に示す。具体的には、書籍識別コードに対応づけて、当該電子書籍データのページ番号と、位置情報と、大きさ情報と、色情報と、メモ状態と、メモデータとが記憶されている。
ページ番号は、電子書籍データにおけるページ番号が記憶されており、上述したファイルページ番号又は書籍ページ番号が記憶されている。例えば、ファイルページ番号が記憶されている場合は、後述する画面表示においては、書籍ページ番号に変換されて表示される。また、書籍ページ番号が記憶されている場合は、リンク機能等でページを切り替えるときにファイルページ番号に変換されて利用される。すなわり、どちらで記憶しても良く、両方記憶しても良い。本実施形態では、説明の都合上、以下「ページ番号」として説明する。
位置情報及び大きさ情報は、メモが付されている場所を記憶している。本実施形態では、ページ内の座標位置が記憶されており、メモが貼り付けられている座標位置として「位置情報」、そしてメモの大きさを示す「大きさ情報」とが記憶されている。本実施形態のメモは、大きさを可変させることが特徴である。すなわり、利用者の操作により、メモの大きさを大きくしたり、小さくしたり自由にすることが可能である。
なお、本実施形態おいて、利用者付加情報220において、位置情報と大きさ情報とを分けているが、同じとしても良い。すなわち、位置情報として、左上、右下の座標を記憶しても良い。
色情報は、メモの色を示す情報である。色情報としては、複数の色が割り当てられており、利用者が指定した色情報(例えば、「3」で薄黄色等)が記憶されている。ここで、本実施形態おける電子書籍表示装置10は、暗い色が選択された場合、メモとして表示されるテキストは明るい色が選択される。例えば、メモの色が「薄黄色」の場合、文字は「黒色」で表示されるが、メモの色が「焦げ茶色」の場合、文字は「白色」となる。
また、メモ状態は、当該メモを表示しておくのか、アイコンとして表示するのかを示す情報である。メモとして表示する場合は「表示」、アイコンとして表示する場合には「最小」として記憶される。また、メモを非表示にしたい場合は「非表示」としてもよい。
ここでアイコン表示とは、メモが貼り付けられていることを示すための状態表示を言う。メモがあることを示す、文字、記号、絵が表示されても良いし、メモを縮小表示した物が表示されても良い。本実施形態における最小表示とは、このような種々の表現方法が含まれる。
メモデータは利用者が入力したメモデータが記憶される。例えば、テキストデータや、手描きで書かれた画像データが記憶される。なお、メモが手描き画像の場合、後述する手描きデータと異なり、メモ領域内に描画されている。
手描きデータ情報220bのデータ構成の一例を図5(b)に示す。具体的には、書籍識別コードに対応づけて、ページ番号と、位置情報と、大きさ情報と、手描きデータとが記憶されている。
ここで、手描きデータ情報220bは、入力された手描きデータが保存される。ここで、本実施形態では、手描きされたデータをベクトルデータとして記憶し、後で利用者が編集することが可能である。手描きデータには、線図の位置、大きさ、色、太さといった種々の情報が記憶されており、手描きデータを利用する事で、表示された電子書籍に重畳的に表示させることが可能となる。なお、手描きされたデータを、認識し、文字情報として記憶しても良い。
マーカーデータ情報220cのデータ構成の一例を図5(c)に示す。具体的には、書籍識別コードに対応づけて、ページ番号と、位置情報と、色情報と、種類と、メモ状態と、メモデータとがマーカーデータとして記憶されている。
マーカーデータ情報220cに記憶されるマーカーデータは、表示された電子書籍の文字に対してマーカーを付した場合に記憶される情報である。本実施形態の場合は、マーカーの位置としては、ページ内の座標で記憶しているが、文字位置で記憶しても良い。
また、マーカーの太さは任意の太さとしても良いし、表示されているテキストの大きさによって自動的に大きさを可変させても良い。例えば、文字サイズが大きい場合はマーカーが太く、小さい場合はマーカーが細くなっても良い。
また、本実施形態のマーカーは色情報と、種類とを記憶している。色情報はマーカーの色が記憶されており、利用者が後で変更することが可能である。また、種類としては「透過」「塗りつぶし」が記憶される。透過の場合は、マーカーの下の文字を利用者は確認することが可能であるが、「塗りつぶし」の場合は、透過率が0%となり、下の文字を利用者は確認することができない。
また、マーカーにはメモを付けることが可能である。マーカーに付けられたメモは「メモ状態」として記憶される。このとき、マーカーと併せて表示するか、アイコン表示するかを「メモ状態」に記憶している。
カメラデータ情報220dのデータ構成の一例を図5(d)に示す。具体的には、書籍識別コードと、ページ番号と、位置情報と、大きさ情報と、画像状態と、カメラデータ(画像データ)とが記憶されている。
ここで、ページ番号、位置情報、大きさ情報については、上述した他の利用者付加情報と同じ内容である。また、画像状態も、例えばメモ状態と同じものである。
また、カメラデータ情報220dには、画像データが記憶されている。画像データとしては、予め記憶された画像や、ダウンロードされた画像データを記憶することが可能となる。また、電子書籍表示装置10がカメラ機能を有する場合には、当該カメラ機能で撮影した画像を利用しても良い。
しおりデータ情報220eは、しおり機能を利用するために、利用者が付したしおりをしおりデータとして記憶する。例えば、図6に示すように、書籍識別コードに対応づけて、ページ番号と、しおり種別とが記憶されている。
しおり機能を利用することにより、利用者は当該ページを直接表示する(ジャンプする)ことが可能となる。ここで、本実施形態のしおりデータ情報220eには、しおりの種別が記憶されている。
しおりの種別によって、利用者は複数のしおりを分類して付けることが可能となる。また、当該しおりが表示される場合は、しおり種別毎に色を分けたり、記号表示をしたり、文字表示をすることが可能となる。
なお、利用者付加情報220は、利用者以外が生成しても良い。例えば、教育機関の場合、教育機関職員や、先生、教授といった指導者が予め作成し、電子書籍表示装置10にダウンロードするようにしても良い。また、利用者自身がインポート/エクスポートを行うことにより、自分が他の装置で生成したり、他人が生成したりした利用者付加情報を入出力してもよい。
ライブラリ表示プログラム230は、電子書籍表示装置10が記憶している電子書籍ファイルを一覧表示するためのプログラムであり、制御部100により読み出され、実行されることで、電子書籍表示装置10上でライブラリ表示機能が実現される。
電子書籍表示プログラム240は、電子書籍データを表示するためのプログラムであり、制御部100に読み出され、実行されることで、電子書籍表示装置10上で電子書籍表示機能が実現される。
ここで、電子書籍表示機能は、いわゆる電子書籍ビューアが実現する一般的な機能(例えば、電子書籍の1頁/複数頁表示、ページ送り機能、ジャンプ機能等)は実現可能である。このような一般的に電子書籍ビューアで実現される各機能は、従前の機能であるため、本明細書における詳細な説明を省略する。
通信部300は、電子書籍表示装置10がネットワークNWに接続時に利用されるネットワークインタフェースを提供する。通信部300は、例えば、IEEE802.11a/b/g/n等で実現される無線LANや、有線LAN、LTE回線を利用した携帯電話網等のインタフェースが利用可能である。
表示部400は、各種情報を表示するための機能部であり、例えばLCD、有機ELディスプレイにより構成されている。また、HDMI(登録商標)や、USBを介して外部モニタに表示することとしても良い。
操作入力部500は、利用者からの操作入力を検出するための機能部である。例えば、タッチパネルにより実現してもよいし、ハードウェアキーや、キーボード、マウス、音声入力装置といった各入力装置で実現されてもよい。
また、表示部400と、操作入力部500とを一体に形成し、タッチパネルディスプレイとして電子書籍表示装置10に設けることとしても良い。
撮影部600は、画像を撮影するための機能部であり、例えば、CCD素子を利用したカメラ等により構成されている。撮影された画像は、画像データとして、記憶部200に記憶される。また、画像データはカメラメモとして、利用者付加情報220(カメラデータ情報220d)として利用可能である。
なお、上述した電子書籍表示装置10の機能構成は一例であり、全ての機能部を必ずしも有する必要は無い。例えば、通信機能を有していなければ通信部300は不要であり、カメラ機能を有していなければ撮影部600は不要である。
[3.処理の流れ]
続いて、本実施形態における処理の流れについて、図に示したフローチャートを利用して説明する。
[3.1 ライブラリ表示処理]
まず、ライブラリ表示処理について、図7を用いて説明する。ライブラリ表示処理により、まず記憶されている電子書籍が一覧表示される(ステップS102)。すなわち、電子書籍表示装置10に記憶されている電子書籍ファイル210が、それぞれ書棚のように表示される。このとき、電子書籍を表すために書影が、書影データに基づいて表示される。なお、一覧表示は必ずしも書棚のように表示される必要は無く、例えば電子書籍名だけが一覧表示されてもよい。
続いて、利用者により電子書籍(ファイル)が選択されると(ステップS104;Yes)、電子書籍が表示される。具体的には、選択された電子書籍ファイルに含まれる電子書籍データが表示されることで、利用者が閲覧可能となる。ここで、表示されるページとしては、閲覧履歴を利用する場合、すなわち前回表示したページ位置を利用する場合は、当該最終閲覧位置を表示位置に設定し、電子書籍表示処理を実行する(ステップS114;Yes→ステップS116→ステップS120)。
また、閲覧履歴を利用しない場合又は最終閲覧位置が記憶されていない場合には、表示位置として最初のページから表示される(ステップS114;No→ステップS120)。
また、電子書籍が選択されずに、マイデータ表示が選択された場合、マイデータ一覧表示処理が実行される(ステップS104;No→ステップ106;Yes→ステップS108)。
ここで、マイデータ表示とは、利用者付加情報220に記憶されている利用者付加情報が一覧表示され、利用者が利用出来るようにする機能である。利用者付加情報の種類毎にソートして一覧表示が可能であり、当該一覧表示は、例えば種別や属性、更新日、書籍毎のソート表示が可能である。
例えば、利用者付加情報として、しおりデータが選択された場合、しおりデータ情報220eに記憶されているしおりデータ(書籍データ、書籍データ内のページ位置)が一覧表示される。また、このとき、しおりの種別ごとにソートしたり、書籍データ毎にソートしたりすることが可能となる。また、しおりを記憶した日(更新日)が併せて記憶されている場合には、更新日順にソートすることができる。また、ソートは昇順/降順の何れであっても良いし、しおりであれば選択した種別(色)から順に表示されても良い。
その他にも、手描きデータの場合には、手描きデータ情報220bに記憶された手描きデータに基づいて、ページ表示と併せてプレビュー表示が併せて表示されても良いし、メモデータであれば、メモデータ情報220aに記憶されたメモの色情報と合わせたアイコンを表示するといったことでも良い。
マイデータ表示処理により、表示された利用者付加情報が選択された場合には(ステップS110;Yes)、選択された利用者付加情報のページ番号に基づいて表示位置に設定する。そして、利用者付加情報が記憶している書籍識別コードに対応する電子書籍データと、設定された表示位置とに基づいて、電子書籍表示処理が実行され、電子書籍が表示される。
[3.2 電子書籍表示処理]
つづいて、電子書籍表示処理について、図8を用いて説明する。まず、電子書籍データが表示されることにより、利用者は電子書籍を閲覧することが出来るようになる(ステップS202)。ここで、表示されるページは、図7のライブラリ表示処理おいて、表示位置が設定されている場合は、当該ページ番号を表示し、設定されていない場合は最初のページを表示する。また、表示されるページ数は1ページずつでも良いし、見開き2ページの表示であっても良い。更にそれ以上のページを表示しても良い。
続いて、付加情報表示処理を実行する(ステップS204)。付加情報表示処理が実行されることにより、版元付加情報及び利用者付加情報が電子書籍に表示されることになる。ここで、付加情報表示処理について、図9を用いて説明する。
付加情報表示処理は、後述するインジケータ表示により、利用者が表示すると選択された付加情報を表示する処理である。現在表示されている電子書籍データに、付加情報を併せて表示することとなる。また、付加情報が表示されていない場合、各機能は利用出来ないことになる。
例えば、「図1」という言葉にリンクが貼られている場合、リンク情報を「ON」にしている場合は、当該「図1」に表示されたリンク情報を選択することにより、図1の内容が表示されたり、該当箇所にジャンプされたりと、リンク機能を利用することができる。しかし、リンク情報を「OFF」にした場合には、「図1」にリンクを示す識別表示もされず、「図1」を利用者が選択しても、何も動作しないこととなる。
具体的には、表示される付加情報について、全てON/OFFを任意の組み合わせにおいて可能である。例えば、リンク情報が「ON」であれば、リンク表示が行われる(ステップS302;Yes→ステップS304)。また、マーカーが「ON」であれば、マーカーの表示、すなわちマーカーデータ情報220cに記憶されたマーカーデータに基づいて、マーカーの表示が行われる(ステップS306;Yes→ステップS308)。
また、メモが「ON」であれば、メモの表示が行われる(ステップS310;Yes→ステップS312)。具体的には、メモデータ情報220aからメモデータを読み出して表示する。
また、手描きメモが「ON」であれば、手描きメモの表示が行われる(ステップS314;Yes→ステップS316)。具体的には、手描きデータ情報220bから手描きデータを読み出して表示する
また、カメラデータが「ON」であれば、カメラデータの表示が行われる(ステップS318;Yes→ステップS320)。具体的には、カメラデータ情報220dから、カメラデータ(画像データ)を読み出して表示する。
このように、各付加情報は、表示のON/OFFを任意の組み合わせで利用者が行うことが可能である。
上述の表示ON/OFFを行なえることで、付加情報を含んだ電子書籍特有の利用をしたい場合と、付加情報を表示させずに紙媒体に近い紙面閲覧をする場合の、異なる電子書籍利用を利用者は選択することができる。
この付加情報の選択は、インジケータ表示にて行う。図8の動作フローに戻って説明すると、インジケータが呼び出されると(ステップS206;Yes)、インジケータ表示が行われる。インジケータ表示とは、付加情報を利用(表示)するか否かを選択させるための表示である。
そして、インジケータが選択(付加情報が選択)されると、選択された付加情報に基づいて、再度付加情報表示処理が実行される(ステップS208→ステップS210→ステップS204)。なお、本実施形態では、インジケータ表示を利用して簡易に選択できることとしているが、例えば設定画面等において、表示/非表示(利用するか否か)を選択できても良い。
続いて、図8の電子書籍表示処理において、インジケータ呼出しが行われず、他の操作が検出された場合は(ステップS212;Yes)、当該操作は付加情報が選択されているか否かについて判定する。
ここで、付加情報が選択されていない場合は、通常の電子書籍操作処理が行われたと判定し、操作に応じた電子書籍操作処理を実行する(ステップS214;No→ステップS250)。
ここで、電子書籍操作としては、例えばスライド操作による頁送り、戻しや、ピンチイン、ピンチアウト操作により縮小・拡大操作等の種々の操作が行われる。これらの操作については、従来の電子書籍ビューアにある機能のため、説明を省略する。
なお、本実施形態において、従来と異なる動作は、頁送り動作において、上下方向のスワイプ操作でも、左右方向のスワイプ操作でも行える点に特徴がある。通常、横めくり方向の電子書籍の場合は、左右方向のスワイプ操作を行い、WEBページ等の画面では、上下方向のスワイプ操作でページを切り替える操作が行われる。
本実施形態の電子書籍表示装置10では、横めくり方向の電子書籍であっても、頁送り動作において、上下方向でも左右方向でも行うことが可能である。これにより、利用者は複数の動作でページを切り替えることが可能となる。
付加情報が選択された場合には、付加情報動作処理が実行される。付加情報動作処理は、具体的に付加情報が選択された場合に行われる処理である。例えば、メモをタップすることにより、追記できたり、色が変更出来たりする。マーカーの箇所をタップすると、メモを追加したり、色を変えたりすることができる。また、マーカーが透過状態の場合、重ねて引くことにより、より濃い状態のマーカーを引くことが可能となる。
そのほかにも、メモ・カメラデータ(画像)の大きさを変えられたり、位置を変えたり、メモを最小状態としたり、通常状態に戻したりといった各種操作が可能である。
また、付加情報の1つであるしおりが選択された場合には、当該ページにしおりを付加する処理を行う。このとき、しおりに種別を選択することができ、しおりデータ情報220eに記憶されるしおりデータは、ページ番号としおり種別とが記憶されることとなる。
また、電子書籍が表示されている状態でも、マイデータ一覧表示を実行することが可能である(ステップS222;Yes→ステップ224)。ここで、ライブラリ表示処理において実行されたマイデータ一覧表示処理(図7のステップS108)と、基本的に動作は同じであるが、表示される利用者付加情報の範囲が異なる。
すなわち、図7のステップS108においては、電子書籍表示装置10に記憶されている電子書籍ファイルに対応する利用者付加情報が全て対象となるのに対して、図8のステップS224においては、現在表示されている電子書籍データに対応する利用者付加情報のみが表示されることとなる。
そして、利用者により電子書籍の表示を終了する操作がされた場合(ステップS226;Yes)には、本処理を終了し、ライブラリ表示に戻ることとなる。
[4.実施例]
以下、本実施形態における実施例について、具体的な電子書籍表示装置10の画面表示例に基づいて説明する。
図10は、電子書籍が一覧表示されているライブラリ表示の一例である。本棚を模した表示に、書影データが行列状に表示されており、この中から利用者は閲覧したい電子書籍を選択する。例えば、図10では、電子書籍B100が利用者により選択される。そして、選択された場合の表示画面が図11である。
図11は、電子書籍データの1頁が表示されている。この電子書籍データの表示は、付加情報として、リンク情報が表示されている。リンク情報は、例えば、L100、L110及びL120が表示されている。
ここで、リンク情報L100及びL110と、リンク情報L120とは色が異なっている。これは、リンク先の種別によって色を変えることとしている。リンクの種類としては、同一電子書籍(コンテンツ)内へのリンク、外部(例えばWEBページ)へのリンク、図表や動画といった別コンテンツへのリンク、利用者が付加したリンク等の種々の種類が考えられる。これらのリンクの種類、リンク先の情報に応じて、リンクの色や表示を切り替えることが可能である。本実施形態では、色で識別しているが、例えば形や、明るさ、記号等で識別表示しても良い。
図12は、インジケータ表示を行った画面例である。図12に示すように、V100の領域をタップすると、インジケータ表示N100が表示される。インジケータ表示N100には、表示/非表示可能な付加情報が表示されている。例えば、領域R100は、リンクを示しており、リンクが選択されるとチェックマークが表示され、電子書籍にリンクが表示される。また、表示された部分については、リンク機能が利用できることになる。
また、現在選択されていない付加情報は、グレーアウトしており、選択されていないことが分かる。例えば、領域R110にあるマーカーは、現在選択されていない。したがって、電子書籍上にもマーカーは表示されていない。
ここで、領域R100を再度選択すると、今度はリンクの選択が解除され、非表示となる、また、領域R110を選択すると、今度はマーカーが表示される。このときの状態を示したのが図13である。
図13では、マーカーとしてM100と、M110とが表示された。そして、領域R100に示すように、リンクの選択が解除されたため、リンクは非表示となっている。また、マーカーM100は透過型のマーカーであるため、マーカーの下の文字を利用者は視認することができる。それに対して、マーカーM110は透過していないため下の文字を視認することができない。
このように、インジケータ表示N100を利用して表示する付加情報を選択することで、任意の付加情報について表示/非表示を切り替えることが可能となる。例えば、学生が重要な箇所を透過しないマーカーで選択し、当該マーカーの表示/非表示を切り替えることで、学習に活用できるといった使い道も考えられる。
なお、上述した通り、付加情報は複数の選択可能であり、例えば図14に示すようにR100で選択されたリンクと、更にR120で選択されたメモを併せて表示することも可能である。メモMM10は、通常の状態で電子書籍に表示されている。
このメモMM10は、大きさを変えたり(例えば、図15)、色を変えたり(例えば、図16)をすることが可能である。メモを最初に付するときに変えても良いし、一度付けたメモの大きさ、色、内容を変えても良い。
また、図17に示すように、カメラデータを貼り付けても良い。図17では、カメラデータCM10が貼り付けられている。これにより、例えば利用者が実際に必要と思われるものを撮影し、貼り付けるといったことが可能である。例えば、医書の場合であれば、実際の症例、手術の様子を貼り付けることが可能であるし、学生の場合であれば、板書の内容を撮影して貼り付けるといったことも可能である。
このカメラデータについては、最小化したとき、図18に示すように縮小表示(CM12)としてもよい。縮小表示がされていれば、表示の邪魔にならず、また、内容を簡易的に確認ができるという利点が考えられる。
図19は、手描きメモが表示されている状態である。手描きメモHM10は、電子書籍上に重ねて表示されている。この手描きメモは、あとから線の大きさや色を変更する事が可能である。
図20(a)は、ページ切り替え操作が行われたとき、ページプレビューが画面下部に表示された場合の画面例である。領域R200には、画面プレビューがR210に表示され、その下の領域R220にページ番号が表示されている。ここで、表示されているページ番号は、書籍ページ番号が表示されている。例えば、図20に示すように、左側2頁までは目次の領域であるため、ページ番号が「iv」「v」と表示されている。そして左から3頁目から、本文が始まり、ページ番号が「1」から表示されている。
なお、このページ表示は、例えば図20(b)に示すように、見開きページが分かるような表示形態に切り替え可能である。
続いて、図21は、利用者付加情報としてしおりを利用した場合の実施例である。図21は、電子書籍表示装置10の表示領域の上部の領域を主に表している。ここで、利用者がしおりマークSR10をタッチすると、現在表示しているページにしおりに関する利用者付加情報(しおりデータ)を付ける事ができる。
このとき、しおりはしおりの属性として種別(色)を設定することが可能となっている。例えば、領域R300には、4種類の色が表示されている。ここで、図21(b)に示すように、例えば利用者が左から2番目の色(例えば、青)を選択すると、当該選択された種類にしおりが選択される。そして、同じ色でしおりマークのSR10の表示色が変更される。なお、図21(c)に示すように、色の変わりに数字等を利用しても良い。
また、当該選択されたしおりの色はページ遷移を行っても保持されても良いし、もしくは初期の色に戻ってもよい。また、戻るタイミングとしては、ページ遷移した場合でもよいし、利用者付加情報の種類を切り替えたタイミングであってもよい。
図22は、マイデータ表示の実施例を説明するための図である。電子書籍が表示されている状態で、マイデータ表示の操作が行われると、領域R400としてマイデータが表示され、表示されている電子書籍(電子書籍データ)に対応する利用者付加情報が一覧表示される。
ここで、利用者付加情報220のうち、全ての利用者付加情報を切り替えて表示することが可能となっている。図22は、一例として、しおりデータ情報220eに記憶されているしおりデータに基づいて表示されている。
また、利用者付加情報は、自由にソートすることが可能となっている。領域R410に表示されたソート順の分類をタッチすることで、ソート順を切り替えることが可能となる。例えば、図22では、しおりデータがカラー順(しおり種別順)にソートされている。これにより、例えば利用者は重要度によって色を変える(しおり種別を変更する)ことによって、重要なページを表示させると行ったことが可能となる。
そのほかにも、ページ順に表示させても良いし、利用者付加情報220が、利用者が付加情報を付したときの日時を記憶していれば、更新日順に並べ替えるといったことも可能である。
また、領域R420からは、しおりが付けられたページに関する情報が表示されている。例えば、しおりの色を示すマークと、ページのプレビュー表示と、しおりが付けられた日にちと、該当箇所(大項目や中項目)と、ページ番号とが表示されている。
このページ番号は、書籍ページ番号であるため、利用者にとっても、分かりやすい表示となっている。また、ページプレビューの代わり又は併せて、詳細な項目名や、ページの一部要約、スニペット表示等を行うこととしても良い。
また、表示する利用者付加情報が、例えば手描きデータであれば、プレビュー表示に手描きメモを表示しても良い。また、メモデータであれば、ページ表示の代わりにメモ自体を表示させても良い。また、カメラデータであれば、実際の画像を表示させてもよい。
図23は、ライブラリ表示画面において、マイデータを表示させた場合の一例である。マイデータは領域R500に表示されているが、領域R510に表示される利用者付加情報に基づいた電子書籍は、複数の電子書籍である。
例えば、上から1、2つは、電子書籍「診察ガイド」であるが、上から3つめは「治療薬一覧」と異なる電子書籍のしおりデータが表示されている。このように、複数の電子書籍を一括で表示する(いわゆる串刺しで一覧表示を行う)ことで、利用者はしおりの種類に応じたデータを確認することが可能となる。
[5.電子書籍ファイルの作成]
なお、上述した電子書籍ファイルは、電子書籍ファイル生成装置で生成することが可能である。とくに、通常の電子書籍データに加えて、版元付加情報及びページ番号対応情報を付加して作成する必要がある。
電子書籍ファイル生成装置は、読み込まれた電子データを、電子書籍表示装置10が読み込み、表示出来るようなデータ形式に生成する必要がある。この場合、例えばPDFファイルを利用し、版元付加情報及びページ番号対応情報を付加することになる。
版元付加情報としては、ページ内の内部リンクか、外部サイト等への外部リンクかを識別可能なようにデータを付加する。例えば、PDFでリンクを付加したい箇所を選択し、リンク先の情報を入力する。そして、リンク先の情報に応じて、異なるリンクの情報を付加する。このとき、内部リンクについては、同じ電子書籍ファイル内であるため、例えばページの削除、挿入などによりページ番号がずれた場合は自動的に再リンクを行ってもよい。
また、ページ番号対応情報は、書籍を「目次」「本文」「索引」等の属性毎に、表示する書籍ページ番号を設定する。具体的に、PDFを表示してページを確認しながら、どこからどこまでが「目次」であるかといった情報を付加していく。そして、その属性毎に、ページ表記をどのように行うかを設定することができる。
このように、本実施形態の電子書籍ファイル生成装置で生成された電子書籍ファイルが、電子書籍ファイル210として電子書籍表示装置10に読み込まれて表示されることにより、上述した各内容が実現できる。
[6.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
上述した実施形態では、電子書籍の表示・閲覧処理を電子書籍表示装置10上で実現しているが、代わりにサービス提供サーバで実現してもよい。すなわち、ASP(Application Service Provider)型のサービスにおいて、電子書籍閲覧サービスを提供し、電子書籍表示装置10においては、例えばWEBブラウザ上で上記サービスを利用する構成としてもよい。