JP2017009276A - ヒートポンプシステムの検査方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記ヒートポンプシステムは、前記凝縮器と前記蒸発器との間の前記冷媒循環路の途中に、気液混合状態にある冷媒を一時的に貯えることができる空間を有する貯留空間部と、前記貯留空間部内から抜き出した冷媒の一部が、第2膨張弁によって膨張させられ、前記貯留空間部内の冷媒と混合せずに熱交換した後で前記圧縮機に帰還するときに流れる流体通路とを備え、
前記流体通路は、前記貯留空間部の内部を鉛直方向に沿って冷媒が通過するように配置され、
前記圧縮機から送出された冷媒が前記凝縮器と前記貯留空間部と前記第1膨張弁と前記蒸発器とを順に通流した後で前記圧縮機に帰還するように冷媒を循環させ且つ前記流体通路に冷媒を流した状態で、前記流体通路を流れる冷媒の、前記貯留空間部内の冷媒との熱交換後の温度に基づいて、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の前記冷媒の液位を導出する液位検出工程と、
前記液位検出工程で検出した前記液位と所定の基準液位との比較結果に基づいて、前記冷媒循環路内からの冷媒の漏洩の程度を判定する冷媒漏洩判定工程とを有する点にある。
また更に、本特徴構成では、冷媒の温度に基づいて、貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位を導出しているため、冷媒の液位を直接的に計測するための液位センサなどの相対的に高価な機器は不要になる。
そして、冷媒漏洩判定工程において、液位検出工程で検出した正確な液位と所定の基準液位との比較結果に基づいて、冷媒循環路内からの冷媒の漏洩の程度を判定できる。従って、簡単な装置構成で冷媒循環路内からの冷媒の漏洩の程度を正しく認識できるヒートポンプシステムの検査方法を提供できる。
前記液位検出工程において、前記流体通路を流れる冷媒の、前記貯留空間部内の冷媒との熱交換前後での温度差に基づいて、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の前記冷媒の液位を導出する点にある。
前記液位検出工程において、前記第2膨張弁の開度と、前記流体通路を流れる冷媒の、前記貯留空間部内の冷媒との熱交換後での過熱度との関係に基づいて、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の前記冷媒の液位を導出する点にある。
このように、貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒量の多少に応じて(液位の高低に応じて)、流体通路を流れる冷媒が、貯留空間部に貯えられている冷媒から受け取ることのできる熱量も増減する。この場合、第2膨張弁の開度を小さくして、相対的に少ない量の冷媒が単位時間当たりに流体通路を流れるようにすると(即ち、流体流路を流れる少ない量の冷媒で、貯留空間部に貯えられている冷媒から熱を受け取ると)、流体通路を流れる冷媒の過熱度は相対的に大きくなる。これに対して、第2膨張弁の開度を大きくして、相対的に多い量の冷媒が単位時間当たりに流体通路を流れるようにすると(即ち、流体流路を流れる多い量の冷媒で、貯留空間部に貯えられている冷媒から熱を受け取ると)、流体通路を流れる冷媒の過熱度は相対的に小さくなる。つまり、第2膨張弁の開度と、流体通路を流れる冷媒の、貯留空間部内の冷媒との熱交換後での過熱度とは、貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位に関連する。
従って、液位検出工程において、第2膨張弁の開度と、流体通路を流れる冷媒の、貯留空間部内の冷媒との熱交換後での過熱度との関係に基づいて、貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位を導出することができる。
前記液位検出工程において、前記第2膨張弁の開度と、前記貯留空間部内の気相状態の冷媒の温度、及び、前記流体通路を流れる冷媒の、前記貯留空間部内の冷媒との熱交換後での温度の間の温度差との関係に基づいて、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の前記冷媒の液位を導出する点にある。
また、貯留空間部に貯えられている冷媒量の多少に応じて(液位の高低に応じて)、流体通路を流れる冷媒が、貯留空間部に貯えられている冷媒から受け取ることのできる熱量も増減する。この場合、第2膨張弁の開度を小さくして、相対的に少ない量の冷媒が単位時間当たりに流体通路を流れるようにすると(即ち、流体流路を流れる少ない量の冷媒で、貯留空間部に貯えられている冷媒から熱を受け取ると)、貯留空間部内の気相状態の冷媒の温度と、流体通路を流れる冷媒の、貯留空間部内の冷媒との熱交換後での温度との間の温度差が相対的に小さくなる。これに対して、第2膨張弁の開度を大きくして、相対的に多い量の冷媒が単位時間当たりに流体通路を流れるようにすると(即ち、流体流路を流れる多い量の冷媒で、貯留空間部に貯えられている冷媒から熱を受け取ると)、貯留空間部内の気相状態の冷媒の温度と、流体通路を流れる冷媒の、貯留空間部内の冷媒との熱交換後での温度との間の温度差が相対的に大きくなる。このように、貯留空間部内の気相状態の冷媒の温度と、流体通路を流れる冷媒の、貯留空間部内の冷媒との熱交換後での温度との間の温度差と、第2膨張弁の開度とは、貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位に関連する。
従って、液位検出工程において、第2膨張弁の開度と、貯留空間部内の気相状態の冷媒の温度、及び、流体通路を流れる冷媒の、貯留空間部内の冷媒との熱交換後での温度の間の温度差との関係に基づいて、貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位を導出することができる。
加えて、本特徴構成では、第2膨張弁の開度と冷媒の温度とに基づいて、貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位を導出しているため、冷媒の液位を直接的に計測するための液位センサなどの相対的に高価な機器は不要になる。
前記ヒートポンプシステムは、前記凝縮器と前記蒸発器との間の前記冷媒循環路の途中に、気液混合状態にある冷媒を一時的に貯えることができる空間を有する貯留空間部を備え、
前記貯留空間部の側部には、冷媒を外部に取り出すことができる抜出配管が、鉛直方向に間隔を空けて複数個設けられ、
前記圧縮機から送出された冷媒が前記凝縮器と前記貯留空間部と前記第1膨張弁と前記蒸発器とを順に通流した後で前記圧縮機に帰還するように冷媒を循環させた状態で、鉛直方向に隣り合う二つの前記抜出配管によって前記貯留空間部から抜き出した各冷媒を、所定の開度に維持された第3膨張弁によって膨張させた後の冷媒温度をそれぞれ測定し、測定される二つの冷媒温度の間に所定値以上の差が存在するとき、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位はそれら二つの前記抜出配管の間にあると判定する液位検出工程と、
前記液位検出工程で検出した前記液位と所定の基準液位との比較結果に基づいて、前記冷媒循環路内からの冷媒の漏洩の程度を判定する冷媒漏洩判定工程とを有する点にある。
そこで本特徴構成では、液位検出工程において、鉛直方向に隣り合う二つの抜出配管によって貯留空間部から抜き出した各冷媒を、所定の開度に維持された第3膨張弁によって膨張させた後の冷媒温度をそれぞれ測定し、測定される二つの冷媒温度の間に所定値以上の差が存在するとき、二つの抜出配管から抜き出される各冷媒は、一方が液相状態で、他方が気相状態であったということを示している。その結果、貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位はそれら二つの抜出配管の間にあると判定できる。
また更に、本特徴構成では、冷媒の温度に基づいて、貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位を導出しているため、冷媒の液位を直接的に計測するための液位センサなどの相対的に高価な機器は不要になる。
そして、冷媒漏洩判定工程において、液位検出工程で検出した正確な液位と所定の基準液位との比較結果に基づいて、冷媒循環路内からの冷媒の漏洩の程度を判定できる。従って、簡単な装置構成で冷媒循環路内からの冷媒の漏洩の程度を正しく認識できるヒートポンプシステムの検査方法を提供できる。
前記調節器によって調節されている流路断面積の大きさに応じて、前記基準液位が決定される点にある。
そこで本特徴構成では、調節器によって調節されている流路断面積の大きさに応じて、基準液位が決定される。例えば、調節器によって調節されている流路断面積の大きさと貯留空間部での基準液位との関係を予め記憶しておけば、液位検出工程を実施したときの調節器によって調節されている流路断面積についての情報を取得することで、液位検出工程を実施したときの基準液位を決定することができる。
以下に図面を参照して本発明の第1実施形態に係るヒートポンプシステムの検査方法について説明する。
図1は、第1実施形態のヒートポンプシステムの構成を示す図である。また、図1では、ヒートポンプシステムにおいて、熱交換対象流体としての空調対象空間の空気を冷却するための冷却運転を行っているときの冷媒の循環状態を示し、冷媒の流れる経路を太実線で描いている。図示するように、ヒートポンプシステムは、冷媒が循環する冷媒循環路3と、冷媒循環路3を流れる冷媒を圧縮する圧縮機5と、冷媒循環路3を流れる冷媒から放熱させる凝縮器(室外熱交換器8)と、冷媒循環路3を流れる冷媒に吸熱させる蒸発器(室内熱交換器14)と、蒸発器(室内熱交換器14)に流入する冷媒を膨張させる第1膨張弁(弁V2)とを備える。ヒートポンプシステムは、エンジン4を備え、そのエンジン4から伝達される駆動力によって、圧縮機5は冷媒循環路3を流れる冷媒を圧縮する。
更に、ヒートポンプシステムは、オイルセパレータ6、四方弁7、レシーバ(貯留空間部)9、アキュムレータ11などの機器も備えている。オイルセパレータ6は、冷媒中に含まれる油成分を分離して圧縮機5の吸入側に戻すために設けてある。オイルセパレータ6に接続されている副循環路3cが、冷媒から分離された油成分を圧縮機5に戻すために利用される。レシーバ9は、室外熱交換器8と、弁V7や弁V5との間の冷媒循環路3の途中において、気液混合状態にある冷媒を一時的に貯えることができる空間を有する。
本実施形態では、室内機12の筐体13内に室内熱交換器14及び弁V2が収容され、室外機1の筐体2にその他の機器が収容されている。
図2は、ヒートポンプシステムにおいて、少なくとも弁V7及び弁V8を閉止することにより、弁V7と弁V2と室内熱交換器14と弁V8とを経由して冷媒を循環させない遮断状態で、圧縮機5から送出された冷媒の一部を室外熱交換器8とレシーバ9と弁V5と排熱回収用熱交換器10とを順に通流させた後で圧縮機5に帰還させ、及び、圧縮機5から送出された冷媒の残部を弁V3によって膨張させた後で排熱回収用熱交換器10と圧縮機5との間を流れる圧縮機5から送出された冷媒の一部と混合させた上で圧縮機5に帰還させるように冷媒の循環状態を切り替えている。
また、副循環路3dは、レシーバ9の相対的に上部側に接続されている。その結果、レシーバ9に対する副循環路3dの接続箇所が冷媒の液位よりも上方にあることを期待でき、レシーバ9内から気相状態の冷媒を抜き出し易くなる。
「B工程」の冷媒移動工程を実施するとき、図1に示した冷房運転の状態から、先ず弁V2を閉じる。そうすると、弁V2よりも下流側の主循環路3a内の冷媒が圧縮機5によって吸引される。その後、弁V7及び弁V8を閉じると、弁V7と弁V2との間の区間の主循環路3aには液相状態の冷媒を満たすことができ、弁V2と弁V8との間の区間の主循環路3aには冷媒が存在しない状態が得られる。つまり、弁V7と弁V8との間の区間の冷媒が所定量だけ残して他の区間の冷媒循環路3へ移動された状態が得られる。尚、弁V7と弁V2との間の区間の主循環路3aの容積は既知であるので、冷媒の温度及び圧力を測定すれば、この区間にある冷媒の密度が算出でき、弁V7と弁V8との間の区間に残されている冷媒の量(上述した「所定量」に相当)を導出することはできる。
これに対して、オイルセパレータ6から副循環路3cに流入した冷媒は、弁V3によって圧力が低下させられて状態S6になる。
第2実施形態のヒートポンプシステムの検査方法は、レシーバ9に貯えられている液相状態の冷媒の液位の検出手法が上記実施形態と異なっている。以下に第2実施形態のヒートポンプシステムの検査方法について説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
また、副循環路3eは、レシーバ9の相対的に下部側に接続されている。その結果、レシーバ9に対する副循環路3eの接続箇所が冷媒の液位よりも下方にあることを期待でき、レシーバ9内から液相状態の冷媒を抜き出し易くなる。
図示するように、レシーバ9に貯えられている気液混合状態の冷媒のうち、液相成分の冷媒が、副循環路3eによってレシーバ9から抜き出され、副循環路3eの途中にある弁V4によって圧力が低下させられて状態S10になる。次に、副循環路3eを流れる冷媒は、レシーバ9内に貯えられている冷媒と熱交換を行った後(即ち、過冷却部17で吸熱した後)、ある一定以上の熱交換量の場合は過熱度が確保でき、状態S11になる。その後、排熱回収用熱交換器10とアキュムレータ11との間の冷媒循環路3の途中で、副循環路3cを流れてきた状態S6の冷媒と、副循環路3eを流れてきた状態S11の冷媒と、図5では記載を省略している排熱回収用熱交換器10を経由して流れてきた状態S5の冷媒とが合流して、状態S1の冷媒が得られる。
これに対して、レシーバ9内に貯えられている液相状態の冷媒の液位が相対的に高くなって、気相状態の冷媒が少なくなっているとき、副循環路3eを流れる冷媒とレシーバ9内の冷媒との間(即ち、副循環路3eの外表面)では、副循環路3eを流れる冷媒によってレシーバ9内の気相状態の冷媒を凝縮させるような熱伝達(凝縮熱伝達)が少なくなる(但し、副循環路3eを流れる冷媒とレシーバ9内の液相状態の冷媒との間の対流熱伝達はある)ため、温度センサT4で測定される冷媒温度から導出できる過熱度も相対的に小さくなる。
具体的には、「手法1」として、制御装置20の循環経路制御手段22が、温度センサT4で測定される冷媒温度に基づいて導出される過熱度が設定値になるように弁V4の開度を調節して、その弁V4の開度を測定する手法、及び、「手法2」として、制御装置20の循環経路制御手段22が、弁V4の開度を一定にした状態で、温度センサT4で測定される冷媒温度に基づいて導出される過熱度を測定する手法がある。
このように、手法1では、液位検出工程において、副循環路(流体通路)3eを流れる冷媒の、レシーバ9内の冷媒との熱交換後での過熱度が所定の過熱度になるときの弁(第2膨張弁)V4の開度に基づいて、レシーバ9に貯えられている液相状態の冷媒の液位を導出する。
このように、手法2では、液位検出工程において、弁(第2膨張弁)V4を所定の開度で一定にした状態での、副循環路(流体通路)3eを流れる冷媒の、レシーバ9内の冷媒との熱交換後での過熱度に基づいて、レシーバ9に貯えられている液相状態の冷媒の液位を導出する。
従って、上述した過熱度(即ち、副循環路(流体通路)3eを流れる冷媒の、レシーバ9内の冷媒との熱交換後での過熱度)に基づくのではなく、レシーバ9内の気相状態の冷媒の温度と、副循環路3eを流れる冷媒の、レシーバ9内の冷媒との熱交換後での温度との間の温度差に基づいて、レシーバ9に貯えられている液相状態の冷媒の液位を導出してもよい。つまり、上記液位検出工程において、弁(第2膨張弁)V4の開度と、レシーバ9内の気相状態の冷媒の温度、及び、副循環路3eを流れる冷媒の、レシーバ9内の冷媒との熱交換後での温度の間の温度差との関係に基づいて、レシーバ9に貯えられている液相状態の冷媒の液位を導出してもよい。ここで、図4に示すように、レシーバ9内の気相状態の冷媒の温度は温度センサT6を用いて測定できる。また、副循環路3eを流れる冷媒の、レシーバ9内の冷媒との熱交換後での温度は温度センサT4を用いて測定できる。その結果、温度センサT6によって測定された温度から、温度センサT4によって測定された温度を減算することで、レシーバ9内の気相状態の冷媒の温度と、副循環路3eを流れる冷媒の、レシーバ9内の冷媒との熱交換後での温度との間の温度差を導出できる。
第3実施形態のヒートポンプシステムの検査方法は、レシーバ9に貯えられている液相状態の冷媒の液位の検出手法が上記実施形態と異なっている。以下に第3実施形態のヒートポンプシステムの検査方法について説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
また、レシーバ9内に貯えられている冷媒の残部は、副循環路3bの途中にある弁V5によって圧力が更に低下させられ、排熱回収用熱交換器10においてエンジン排熱によって蒸発させられる。
図示するように、レシーバ9に貯えられている冷媒は、液相状態(飽和液)の冷媒(状態S12)及び気相状態(飽和蒸気)の冷媒(S14)の何れであっても同じ等温線上(図7において「温度:高」の等温線上)にある。但し、所定の開度に維持された弁V9によって膨張させられた後は、液相状態にある状態S12の冷媒は状態S13の等温線上(図7において「温度:低」の等温線上)に遷移し、気相状態にある状態S14の冷媒は状態S15の等温線上(図7において「温度:中」の等温線上)に遷移する。このように、弁V9で膨張させられた後の冷媒の温度(温度センサT5で測定される冷媒温度)は、膨張前の冷媒が液相状態であるか或いは気相状態であるかによって変化する。
また、図6(b)に示す例では、開閉弁Vdを開き、他の全ての開閉弁Va〜Vc,Ve〜Vgを閉じている。この場合、開閉弁Vdが設けられている抜出配管3fdは液相状態に冷媒に浸かっていない(即ち、冷媒の液面よりも上にある)。そして、レシーバ9から抜き出された気相状態(状態S14)の冷媒が、所定の開度に維持された弁V9によって膨張させられて状態S15の冷媒となり、温度センサT5では「温度:中」が測定される。
<1>
上記実施形態では、ヒートポンプシステムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成については適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、圧縮機5がエンジン4によって駆動されるヒートポンプシステムを説明したが、圧縮機5が電動モータによって駆動されるヒートポンプシステムに変更してもよい。更に、複数台の圧縮機5を用いて冷媒を圧縮してもよい。その場合、複数台の圧縮機5を駆動するために複数台のエンジンを利用すること、複数台の電動モータを利用すること、エンジンと電動モータとを併用することなどを行うことができる。
また、上記実施形態では、ヒートポンプシステムがエンジン4を備えることで、エンジン4の駆動力が圧縮機5に伝達され及びエンジン4の排熱が排熱回収用熱交換器(第3熱交換器)10に与えられる例を説明したが、ヒートポンプシステムがエンジン4に代えて燃料電池及び電動モータを備えた構成を採用してもよい。この場合、燃料電池の発電電力によって動作する電動モータが圧縮機5を駆動し、燃料電池の排熱が排熱回収用熱交換器10に与えられるような構成となる。
図8〜図11は、別実施形態の副循環路の構成を示す図である。具体的には、図8は、上述した図1及び図2に示した副循環路3d(3)が、配管を旋回させた螺旋部分3dhを有する場合の例であり、図9は、上述した図4に示した副循環路3e(3)が、配管を旋回させた螺旋部分3ehを有する場合の例である。このように、配管を螺旋状に形成することで、副循環路3d,3eを流れる冷媒とレシーバ9内の冷媒との間での鉛直方向に沿った単位長さ当たりの伝熱面積が、配管を直線状に形成している場合の伝熱面積よりも大きくなる。つまり、レシーバ9に貯えられている液相状態の冷媒の液位の高低が、副循環路3d,3eを流れる冷媒とレシーバ9内の冷媒との熱交換量の大小として検出され易くなる。その結果、液位検出工程において、より正確な冷媒の液位が検出されることが期待できる。
上記実施形態では、冷媒循環路3を流れる冷媒と熱交換する熱交換対象流体が、空調対象空間の空気である場合について説明したが、他の流体(気体又は液体)を熱交換対象流体として用いることもできる。例えば、水などの液体を熱交換対象流体として用いることもできる。この場合、熱交換対象流体としての水を熱交換器19で冷却又は加熱し、それによって得られる低温水又は高温水利用して冷房又は暖房を行うこともできる。
上記実施形態では、排熱回収用熱交換器10を蒸発器として機能させた状態で液位検出工程を実施する例を説明したが、室内熱交換器14を蒸発器として機能させた状態(例えば、図1に示した状態)で液位検出工程を実施することもできる。
上記実施形態では、室内熱交換器14及び弁V2が室内機12の筐体13に収容されている例を説明したが、室内熱交換器14及び弁V2が室外機1の筐体2に収容されたようなヒートポンプシステムを構築することも可能である。
<5>
上記実施形態では、室外熱交換器(第1熱交換器)8が外気を用いて冷媒との熱交換を行わせているが、例えば、クーリングタワー等から供給される冷却水を用いて冷媒との熱交換を行わせることもできる。
3d 副循環路(流体通路)
3dh 螺旋部分
3dh1 密部分
3dh2 疎部分
3e 副循環路(流体通路)
3eh 螺旋部分
3f 副循環路(流体通路)
3fa〜3fg 抜出配管
4 エンジン
5 圧縮機
8 室外熱交換器(凝縮器)
9 レシーバ(貯留空間部)
10 排熱回収用熱交換器(蒸発器)
14 室内熱交換器(蒸発器)
V1 弁(調節器)
V2 弁(第1膨張弁)
V4 弁(第2膨張弁)
V5 弁(第1膨張弁)
V6 弁(第2膨張弁)
V9 弁(第3膨張弁)
Claims (12)
- 冷媒が循環する冷媒循環路と、前記冷媒循環路を流れる冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒循環路を流れる冷媒から放熱させる凝縮器と、前記冷媒循環路を流れる冷媒に吸熱させる蒸発器と、前記蒸発器に流入する冷媒を膨張させる第1膨張弁とを備えるヒートポンプシステムの検査方法であって、
前記ヒートポンプシステムは、前記凝縮器と前記蒸発器との間の前記冷媒循環路の途中に、気液混合状態にある冷媒を一時的に貯えることができる空間を有する貯留空間部と、前記貯留空間部内から抜き出した冷媒の一部が、第2膨張弁によって膨張させられ、前記貯留空間部内の冷媒と混合せずに熱交換した後で前記圧縮機に帰還するときに流れる流体通路とを備え、
前記流体通路は、前記貯留空間部の内部を鉛直方向に沿って冷媒が通過するように配置され、
前記圧縮機から送出された冷媒が前記凝縮器と前記貯留空間部と前記第1膨張弁と前記蒸発器とを順に通流した後で前記圧縮機に帰還するように冷媒を循環させ且つ前記流体通路に冷媒を流した状態で、前記流体通路を流れる冷媒の、前記貯留空間部内の冷媒との熱交換後の温度に基づいて、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の前記冷媒の液位を導出する液位検出工程と、
前記液位検出工程で検出した前記液位と所定の基準液位との比較結果に基づいて、前記冷媒循環路内からの冷媒の漏洩の程度を判定する冷媒漏洩判定工程とを有するヒートポンプシステムの検査方法。 - 前記流体通路には、前記貯留空間部内から抜き出した気相状態の冷媒が流れ、
前記液位検出工程において、前記流体通路を流れる冷媒の、前記貯留空間部内の冷媒との熱交換前後での温度差に基づいて、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の前記冷媒の液位を導出する請求項1に記載のヒートポンプシステムの検査方法。 - 前記流体通路には、前記貯留空間部内から抜き出した液相状態の冷媒が流れ、
前記液位検出工程において、前記第2膨張弁の開度と、前記流体通路を流れる冷媒の、前記貯留空間部内の冷媒との熱交換後での過熱度との関係に基づいて、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の前記冷媒の液位を導出する請求項1に記載のヒートポンプシステムの検査方法。 - 前記流体通路には、前記貯留空間部内から抜き出した液相状態の冷媒が流れ、
前記液位検出工程において、前記第2膨張弁の開度と、前記貯留空間部内の気相状態の冷媒の温度、及び、前記流体通路を流れる冷媒の、前記貯留空間部内の冷媒との熱交換後での温度の間の温度差との関係に基づいて、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の前記冷媒の液位を導出する請求項1に記載のヒートポンプシステムの検査方法。 - 前記貯留空間部内に配置される前記流体通路の一部又は全部は、冷媒が流れる配管を旋回させた螺旋状に形成されている請求項2〜4の何れか一項に記載のヒートポンプシステムの検査方法。
- 前記貯留空間部内に配置される前記流体通路の一部の外形は、前記流体通路を流れる冷媒と前記貯留空間部内の冷媒との間での鉛直方向に沿った単位長さ当たりの伝熱面積が、前記貯留空間部内に配置される前記流体通路の他部との間よりも、前記貯留空間部内に配置される前記流体通路の一部との間の方が大きくなるように構成されている請求項2〜4の何れか一項に記載のヒートポンプシステムの検査方法。
- 前記貯留空間部内に配置される前記流体通路の一部は、冷媒が流れる配管を旋回させた螺旋状に形成され、
前記貯留空間部内に配置される前記流体通路の他部は、冷媒が流れる配管を旋回させない直線状に形成されている請求項6に記載のヒートポンプシステムの検査方法。 - 前記貯留空間部内に配置される前記流体通路の一部は、冷媒が流れる配管を螺旋ピッチが相対的に密になる密巻き螺旋状に形成され、
前記貯留空間部内に配置される前記流体通路の他部は、冷媒が流れる配管を螺旋ピッチが相対的に疎になる疎巻き螺旋状に形成されている請求項6に記載のヒートポンプシステムの検査方法。 - 前記貯留空間部内に配置される前記流体通路の少なくとも一部の内面には凹凸構造が形成されている請求項1〜8の何れか一項に記載のヒートポンプシステムの検査方法。
- 冷媒が循環する冷媒循環路と、前記冷媒循環路を流れる冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒循環路を流れる冷媒から放熱させる凝縮器と、前記冷媒循環路を流れる冷媒に吸熱させる蒸発器と、前記蒸発器に流入する冷媒を膨張させる第1膨張弁とを備えるヒートポンプシステムの検査方法であって、
前記ヒートポンプシステムは、前記凝縮器と前記蒸発器との間の前記冷媒循環路の途中に、気液混合状態にある冷媒を一時的に貯えることができる空間を有する貯留空間部を備え、
前記貯留空間部の側部には、冷媒を外部に取り出すことができる抜出配管が、鉛直方向に間隔を空けて複数個設けられ、
前記圧縮機から送出された冷媒が前記凝縮器と前記貯留空間部と前記第1膨張弁と前記蒸発器とを順に通流した後で前記圧縮機に帰還するように冷媒を循環させた状態で、鉛直方向に隣り合う二つの前記抜出配管によって前記貯留空間部から抜き出した各冷媒を、所定の開度に維持された第3膨張弁によって膨張させた後の冷媒温度をそれぞれ測定し、測定される二つの冷媒温度の間に所定値以上の差が存在するとき、前記貯留空間部に貯えられている液相状態の冷媒の液位はそれら二つの前記抜出配管の間にあると判定する液位検出工程と、
前記液位検出工程で検出した前記液位と所定の基準液位との比較結果に基づいて、前記冷媒循環路内からの冷媒の漏洩の程度を判定する冷媒漏洩判定工程とを有するヒートポンプシステムの検査方法。 - 前記ヒートポンプシステムは、前記凝縮器と前記貯留空間部との間の前記冷媒循環路の途中に、前記冷媒循環路の流路断面積を調節可能な調節器を備え、
前記調節器によって調節されている流路断面積の大きさに応じて、前記基準液位が決定される請求項1〜10の何れか一項に記載のヒートポンプシステムの検査方法。 - 前記ヒートポンプシステムは、遠隔操作により前記冷媒循環路における冷媒の循環状態を切り替え可能に構成されている請求項1〜11の何れか一項に記載のヒートポンプシステムの検査方法。
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