JP2017009230A - 加熱調理器 - Google Patents

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貴紀 安部
武史 坂口
Takeshi Sakaguchi
武史 坂口
功記 加藤
Koki Kato
功記 加藤
友秀 松井
Tomohide Matsui
友秀 松井
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Abstract

【課題】赤外線センサを移動して同じ位置で同じ時間単位で温度を測定できる加熱調理器を提供する。
【解決手段】
加熱室28と、被加熱物60cの温度を検出する赤外線センサ52と、加熱室28の底面全域の温度を検出できるように赤外線センサ52を回転駆動するモータ51と、モータ51の駆動を制御して、赤外線センサ52の検出した温度データから被加熱物60cの温度を管理する制御手段23aと、を備え、制御手段23aは、赤外線センサ52によって初めに温度の検出を行った位置から、モータ51の回転を制御して、赤外線センサ52の視野の位置を特定角度移動した後に前記回転を停止する動作を繰り返し、前記回転が停止している時に赤外線センサ52によって検出した温度データを入力し、前記回転によって加熱室28の底面全域の温度を検出し終わった後は、赤外線センサ52の視野位置を前記初めに温度検出した位置に回転移動するものである。
【選択図】図4

Description

本発明は加熱調理器に係り、特に加熱室に入れて加熱される被加熱物(食品)の温度を測定するための赤外線センサを備えた加熱調理器に関するものである。
特許文献1には、ステッピングモータの往復回転運動によって赤外線検出素子を駆動し加熱室の全域の温度分布を検出する技術が公開されている。
特開2009−156547号公報
上記特許文献1に示す技術では、往路で順番に温度を検出し、復路では往路の反対側から温度を検出するものである。そのため、ステッピングモータに内蔵されているギアなどの遊びにより、往路と復路では赤外線センサの視野の位置が異なる課題がある。
また、往路の温度測定を行う順番に対して、復路では往路の検出した順番の反対側から温度の検出が行われるため、初めに温度検出した後、同じ温度検出点に戻って二回目の温度検出までに要する時間が異なるため、各温度検出点の温度上昇を容易に確認出来ない課題がある。
さらに、往復回転運動の最初の温度検出点は、一度目の検出から二度目の検出までに多大な時間を待つ必要が有り、細かな温度検出ができない課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、被加熱物を入れて加熱する加熱室と、前記被加熱物の上方より該被加熱物の温度を検出する赤外線センサと、前記加熱室の底面全域の温度を検出できるように前記赤外線センサを回転駆動するモータと、該モータの駆動を制御して、前記赤外線センサの検出した温度データから前記被加熱物の温度を管理する制御手段と、を備え、該制御手段は、前記赤外線センサによって初めに温度の検出を行った位置から、前記モータの回転を制御して、前記赤外線センサの視野の位置を特定角度移動した後に前記回転を停止する動作を繰り返し、前記回転が停止している時に前記赤外線センサによって検出した温度データを入力し、前記回転によって前記加熱室の底面全域の温度を検出し終わった後は、前記赤外線センサの視野位置を前記初めに温度検出した位置に回転移動するものである。
本発明によれば、赤外線センサの検出精度を向上した加熱調理器を提供する。
本発明の実施例に係る加熱調理器の正面斜視図。 本発明の実施例に係る加熱調理器の外枠を外した後方斜視図。 図1のA−A断面図。 図3断面図を使用した赤外線センサの動作説明図。 基準位置を示す赤外線センサ部の説明用の拡大図。 終点位置を示す赤外線センサの説明用の拡大図。 観測窓を閉めた状態を示す赤外線センサの説明用の拡大図。 本発明の実施例に係る加熱調理器の加熱時間の制御を説明する制御ブロック図。 同加熱調理器の赤外線センサの視野を説明する説明図。
以下図面を参照して本発明の実施例を説明する。
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1から図3は、本実施例の主要部分を示すもので、図1は加熱調理器本体を前面側から見た斜視図、図2は同本体の外枠を除いた状態で後方側から見た斜視図、図3は図1のA−A断面図である。
図において、加熱調理器の本体1は、加熱室28の中に加熱する食品を入れ、マイクロ波やヒータの熱、過熱水蒸気を使用して食品を加熱調理する。
ドア2は、加熱室28の内部に食品を出し入れするために開閉するもので、ドア2を閉めることで加熱室28を密閉状態にし、食品を加熱する時に使用するマイクロ波の漏洩を防止し、ヒータの熱や過熱水蒸気を封じ込め、効率良く加熱することを可能とする。
取っ手9は、ドア2に取り付けられ、ドア2の開閉を容易にするもので、手で握りやすい形状になっている。
ガラス窓3は、調理中の食品の状態が確認できるようにドア2に取り付けられており、ヒータ等の発熱による高温に耐えるガラスを使用している。
入力手段71は、ドア2の前面下側の操作パネル4に設けられ、マイクロ波加熱やヒータ加熱等の加熱手段や加熱する時間等と加熱温度の入力するための操作部6と、操作部6から入力された内容や調理の進行状態を表示する表示部5とで構成されている。
外枠7は、加熱調理器の本体1の上面と左右側面を覆うキャビネットである。
水タンク42は、加熱水蒸気を作るのに必要な水を溜めておく容器であり、加熱調理器の本体1の前面下側に設けられ、本体1の前面から着脱可能な構造とすることで給水および排水が容易にできるようになっている。
後板10は、前記したキャビネットの後面を形成するものであり、上部に外部排気ダクト18が取り付けられ、食品から排出した蒸気や本体1の内部の部品を冷却した後の冷却風(廃熱)39を外部排気ダクト18の外部排気口8から排出する。
機械室20は、加熱室底面28aと本体1の底板21との間の空間部に設けられ、底板21上には食品を加熱するためのマグネトロン33、マグネトロン33に接続された導波管47、制御手段23a(図8参照)を実装した制御基板23、その他後述する各種部品、これらの各種部品を冷却するファン装置15等が取り付けられている。
加熱室底面28aは、略中央部が凹状に窪んでおり、その中に回転アンテナ26が設置され、マグネトロン33より放射されるマイクロ波エネルギーが導波管47、回転アンテナ26の出力軸46aが貫通する開孔部47aを通して回転アンテナ26の下面に流入し、該回転アンテナ26で拡散されて加熱室28内に放射される。回転アンテナ26の出力軸46aは回転アンテナ駆動手段46に連結されている。
ファン装置15は、底板21に取り付けた冷却モータに取り付けられた冷却ファンとで構成する。このファン装置15によって発生する冷却風39は、機械室20内の自己発熱するマグネトロン33やインバータ回路(図示無し)、奥側重量センサ25c,左側重量センサ25bなどを冷却する。また、加熱室28の外側と外枠7の間および前記したように熱風ケース11aと後板10の間を流れ、外枠7と後板10を冷却しながら外部排気ダクト18の外部排気口8より排出される。さらに、後述する熱風モータ13を冷却するためのダクト16aと、後述する赤外線ケース48内に収められた赤外線ユニット50を冷却するためのダクト16bが設けられ、赤外線ユニット50を冷却した冷却風39は、加熱室28内の排熱(水蒸気など)を廃棄する排気ダクト28eの反対側から排出された後外部排気ダクト18より外に排出される。
レンジ加熱手段330(図8参照)はマグネトロン33とインバータ回路(図示せず)よりなり前記制御手段23aによって制御される。
加熱室28の後部には、熱風ユニット11が取り付けられ、該熱風ユニット11内には加熱室28内の空気を効率良く循環させる熱風ファン32が取り付けられ、加熱室奥壁面28bには空気の通り道となる熱風吸気孔31と熱風吹出し孔30が設けられている。
熱風ファン32は、熱風ケース11aの外側に取り付けられた熱風モータ13の駆動により回転し、熱風ヒータ14で循環する空気を加熱する。
また、熱風ユニット11は、加熱室奥壁面28bの後部側に熱風ケース11aを設け、加熱室奥壁面28bと熱風ケース11aとの間に熱風ファン32とその外周側に位置するように熱風ヒータ14を設け、熱風ケース11aの後側に熱風モータ13を取り付け、そのモータ軸を熱風ケース11aに設けた穴を通して熱風ファン32と連結している。
熱風モータ13は、加熱室28や熱風ヒータ14からの熱によって温度上昇するため、それを防ぐために、熱風モータカバー17によって囲い、略筒状に形成されてダクト16aを熱風ケース11aと後板10との間に位置し、ダクト16aの上端開口部を熱風モータカバー17の下面に接続し、下端開口部をファン装置15の吹出し口に接続し、ファン装置15からの冷却風39の一部を熱風モータカバー17内に取り入れるようにしている。
加熱室28の加熱室天面28cの裏側には、ヒータよりなるグリル加熱手段12が取り付けられている。グリル加熱手段12は、マイカ板にヒータ線を巻き付けて平面状に形成し、加熱室28の天面裏側に押し付けて固定し、加熱室28の天面を加熱して加熱室28内の食品を輻射熱によって焼くものである。
また、加熱室28の加熱室天面28cの奥側には後述する赤外線ユニット50が設けられ、赤外線ユニット50を冷却するために赤外線ケース48にて覆い、略筒状に形成されてダクト16bを熱風ケース11aと後板10との間に位置し、ダクト16bの上端開口部を赤外線ケース48の側面に接続し、下端開口部を熱風モータカバー17上面と接続し、ファン装置15からの冷却風39の一部を取り入れるようにしている。
加熱室28の加熱室天面28cの左奥側にはサーミスタによって加熱室28の雰囲気の加熱室温度TH1を検出する加熱室温度センサ80を設ける。
また、加熱室底面28aには、複数個の重量センサ25、例えば前側左右に左側重量センサ25b、右側重量センサ(図示無し)、後側中央に奥側重量センサ25cが設けられ、その上にテーブルプレート24が載置されている。
テーブルプレート24は、食品を載置するためのもので、ヒータ加熱とマイクロ波加熱の両方に使用できるように耐熱性を有し、かつ、マイクロ波の透過性が良い材料で成形されている。また、周囲に持ちやすくするフランジ部24b(立上壁24aを含む)を設けている。さらにフランジ部24b(立上壁24aを含む)を設ける事で、加熱時の被加熱物の出し入れ時に例えば飲み物をこぼした場合でも、汚れはテーブルプレート24に止まり後の清掃が容易である。
ボイラー43は、熱風ユニット11の熱風ケース11aの外側面に取り付けられ、飽和水蒸気を熱風ユニット11内に臨ませ、熱風ユニット11内に噴出した飽和水蒸気は熱風ヒータ14によって加熱され過熱水蒸気となる。
ポンプ手段87は、水タンク42の水をボイラー43まで汲み上げるもので、ポンプとポンプを駆動するモータで構成される。ボイラー43への給水量の調節はモータのON/OFFの比率で決定する。
加熱手段はレンジ加熱手段330、熱風ヒータ14、熱風モータ13、グリル加熱手段12、ボイラー43などである。
次に、図4〜図7を用いて加熱室28の上方に設けられた非接触で被加熱物60cの温度を検出する赤外線センサ52について詳細を説明する。
51はモータで、モータ51の向きは、回転軸51aと加熱室奥壁面28bと並行となるように取り付けられている。そして、回転軸51aが後述する筒状のユニットケース54を回転(駆動)させることで、ユニットケース54に収めた赤外線センサ52搭載した基板53を回転させて赤外線センサ52のレンズ部52aの向きを加熱室底面28aの奥側(加熱室奥壁面28b側)から加熱室開口部28dまでの範囲を回転移動して温度を検出できるようにしている。モータ51はステッピングモータを使用し内部に減速用のギアを備え、制御基板23に設けられた制御手段23aの制御によって回転軸51aを正転、逆転、また回転角度を好みに動作可能となっている。
52は赤外線センサで、赤外線検出素子(例えばサーモパイル)を複数個設けたもので、ここでは、回転軸51aの鉛直方向に一列に8素子整列した赤外線センサを使用している。そのため、加熱室底面28aの左右方向は一度に前記複数個所の温度の検出が可能であり、加熱室28の奥側(加熱室奥壁面28b側)から前側(ドア2側)にかけては、赤外線センサ52を回転させることで加熱室底面28aの全域を複数に分けて温度を検出するものである。具体的には、加熱室底面28aに載置するテーブルプレート24の全面の温度を検知する。
赤外線センサ52は、加熱室底面28aに載置されたテーブルプレート24の四辺から加熱室天面28cに垂直に伸ばした仮想線の内側の加熱室天面28cの左右方向の略中央に設けられている。
そして、赤外線センサ52の視野は、検知点aと検知点hはテーブルプレート24の前後のフランジ部24bの温度を検知する範囲に略定め、赤外線センサ52の整列した複数素子の両端側のセンサはテーブルプレート24の左端・右端のフランジ部24bの温度を検知する範囲に略定められている。こうすることで、テーブルプレート24の略中央に載置された被加熱物60cの温度を正確に検出する事が可能となる。そして、検出した温度データは制御手段23aに入力され、被加熱物の温度管理に使用される。
54は筒状のユニットケースで、最大径部に基板53を配置し赤外線センサ52のレンズ部52aを臨ませる窓部54aを設けている。また、ユニットケース54の材料にはカーボンを含ませることでユニットケース54の特性を導電材とすることで外来ノイズのユニットケース54内への侵入を防止している。
55は金属板から成るシャッタである。シャッタ55は、赤外線センサ52を使用しない時に後述する観測窓44aを閉じるものである(図7参照)。また加熱室28の温度がユニットケース54に伝わるのを防止するために、ユニットケース54の外周に冷却風を流せるようにユニットケース54の外周に沿って隙間を設けた風路55cを形成するようにシャッタ55を配置し、前記風路55cに冷却風39流す出入り口となる開口55aと開口55bを設けている。
56は位置決め凸部で、赤外線センサ52の検知点を基準位置(図4の検知点a)に合わせられるように設けている。方法は、赤外線センサ52の検出点を検知点aの基準位置を補正できるように、シャッタ55によって観測窓44aを閉じた時に、位置決め凸部56が赤外線ケース48に設けられたストッパ(図示無し)に当接した状態で更にモータ51を回転制御し、回転軸51aをスリップさせることで、前記制御手段23aの制御する基準位置と赤外線センサ52の検知する基準位置を補正するものである。
44は加熱室28の内方向に吐出した円弧状の観測部で、回転軸51aの回転中心と筒状のユニットケース54の中心とユニットケース54の外周に沿って設けられて円弧状に曲げられたシャッタ55の円弧の中心と円弧状の観測部44の各中心位置は全て同一位置となっている。44aは観測部44に設けた観測窓で、赤外線センサ52の検出する視野範囲となる範囲を開口している。また、マイクロ波加熱時に観測窓44aからのマイクロ波漏洩を防止するために、観測窓44aの周囲外側には立上壁(バーリング)44bを2mm程度設けている。
観測部44を加熱室28の内側に突出させることで、最低限の狭い観測窓開口範囲で広範囲の温度検知が可能となる。
49は凸部であり、加熱室天面28cから赤外線ケース48と赤外線ユニット50を離すもので、加熱室天面28cとの接触を凸部49のみとすることで加熱時にグリル加熱手段12や熱風ユニット11などのヒータによって加熱された加熱室天面28cの温度が赤外線ユニット50に伝わりにくいようにしている。
図4から図7によって、制御手段23aは、モータ51で位置決め凸部をストッパに当接して補正した基準位置から赤外線センサ52によって被加熱物60cの温度の検出を行った後、往路では赤外線センサ52を一定角度ずつ回転しては停止させて観測面(被加熱物60c)の温度を測定して前記終点位置まで移動し、復路では赤外線センサ52は温度の測定を行わないで前記終点位置から直接前記基準位置まで移動することを説明する。
制御手段23aは、モータ51を駆動して赤外線センサ52の視野を閉鎖状態から基準位置(検知点a)に回転移動する。
その後、観測面の温度の測定を開始する。初めに基準位置で測定を行い、備えている検出素子の複数個分の温度の検出を行いそのデータを保存する。
その後、次の検知点bの温度を測定できるように、モータ51を回転して赤外線センサ52を一定角度たとえば終点方向(ドア2側)へ3度回転移動して、観測面の温度を測定した後、再び3度回転移動を行い、赤外線センサ52の視野が終点の検知点hを向くまで前記の動作を繰り返して測定する。本実施例では、8素子の赤外線検出素子を14回回転移動させて15列の温度データを検出している。全温度データは120カ所の温度を検出している。
赤外線センサ52によって終点位置である検知点hの温度の検出が終了した後、復路では、温度の検出を行わないで直接基準位置に戻るため早く基準位置に戻れる。以上の往復動作を一周期として、基準位置に戻ったら再び測定を開始して前記動作を繰り返す。
次に被加熱物の温度を検出する動作について説明する。
被加熱物(牛乳)60cの入っている上方が開口した容器60の例としてコップを加熱室底面28aに設けられているテーブルプレート24に載置して加熱を開始した時、マグネトロン33が安定発信する1〜2秒間はシャッタ55にて観測窓44aを閉じて(図7参照)マグネトロン33の発信開始時の不安定発信によるノイズが赤外線センサ52に入り込むのを防止する。
マグネトロン33の発信が安定した後に、制御手段23aは、モータ51の回転軸51aを回転して赤外線センサ52の視野の向きを基準位置(検知点a)に定める。
制御手段23aによってモータ51の回転を制御することで、赤外線センサ52の視野方向を回転して、視野位置を基準位置(検知点a)からテーブルプレート24の検知点b、検知点c、さらにコップ(容器60)の外側の温度を高さ方向の温度(検知点dから検知点eの温度)を検知し、視野がコップ(容器60)の開口部の頂点に達した後は、被加熱物60cの表面の温度を検知点fで検知し、次にコップ(容器60)の内側の温度(検知点gの温度)を検知し、次にテーブルプレート24の温度を検知点hの終点で検知する。
検知点a〜検知点hの温度検知範囲の温度の検知は、ユニットケース54を回転する往路の片方で行い、検出点h(終点)まで温度検知を行った後、復路で温度の測定を行わないで基準位置にもどり、引き続き検知点a〜検知点hと順番に温度の検出を行う。
次に制御手段23aの赤外線センサ52の測定した温度の処理について説明する。
初めに、赤外線センサ52を使用して被加熱物60cの温度を検出するときの課題について説明する。
赤外線センサ52は、被加熱物60cの温度が同じ場合でも放射率の違いで検出温度は異なり、また、一個の赤外線センサ52から出力されるデータは、赤外線センサ52の視野内にある被測定物の温度が略平均値として出力されるので、視野内に被測定物(被加熱物60c)とテーブルプレート24が有る場合、被測定物(被加熱物60c)とテーブルプレート24の各面積に応じた温度の平均値が出力されることになる。
前者の放射率の違いは、入力手段71にて入力できるメニューに応じて設定することで適正な補正を可能としている。
次に後者の被加熱物60cの温度検出について詳細に説明する。
赤外線センサ52は、被加熱物60cの略大きさ・外形を認識できるように、前記したように複数(例えば8素子)の赤外線センサ52を一列に配置して、この赤外線センサ52を3度ずつ14回移動させて15列の温度を測定することで、デーブルプレート24内を総数120(8×15)個の温度データ(図9参照)を取得する。
本発明の赤外線センサ52を回転移動する際、前述したように往路のみ温度検出を行い、復路では温度検出する事無く基準位置に戻るものである。その理由は、モータ51内に設けられている減速用のギアの遊びを考慮して、常に同一回転方向に行って温度を計測することで、ギアの遊びや赤外線ユニット50とモータ51の取り付けガタによる温度測定点のズレを防止するためである。赤外線センサ52の視野位置が測定毎に異なると、被加熱物60cの正確な温度上昇の検出に支障がでるのを防止するためである。
また、一度温度測定した後、その後の同一点(例えば、検知点a、検知点f)における温度測定を行うまでの時間間隔を全て同じにでき事である。そうすることで、単位時間当たりの加熱における各測定点の温度上昇率が容易に判断できる利点があり、温度上昇率の早い個所、遅い個所を容易に検出できることで、被加熱物60cの加熱状況を容易に判断出るものである。
そして、コストをかけずに、赤外線センサを移動して同じ位置で同じ時間単位での温度を測定できる加熱調理器とすることができる。
1 本体
23a 制御手段
28 加熱室
51 モータ
52 赤外線センサ
60c 被加熱物

Claims (1)

  1. 被加熱物を入れて加熱する加熱室と、
    前記被加熱物の上方から該被加熱物の温度を検出する赤外線センサと、
    前記加熱室の底面全域の温度を検出できるように前記赤外線センサを回転駆動するモータと、
    該モータの駆動を制御して、前記赤外線センサの検出した温度データから前記被加熱物の温度を管理する制御手段と、を備え、
    該制御手段は、前記赤外線センサによって初めに温度の検出を行った位置から、前記モータの回転を制御して、前記赤外線センサの視野の位置を特定角度移動した後に前記回転を停止する動作を繰り返し、前記回転が停止している時に前記赤外線センサによって検出した温度データを入力し、前記回転によって前記加熱室の底面全域の温度を検出し終わった後は、前記赤外線センサの視野位置を前記初めに温度検出した位置に回転移動することを特徴とする加熱調理器。
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